JP4829950B2 - 鋼管建込み用治具および鋼管沈設方法 - Google Patents
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Description
つまり、従来は、極厚の回転用金具を各鋼管の上部側面に溶接によって取付けておく必要があったため、それだけ回転用金具の数が多くなり、回転用金具の製作と各鋼管に対する取付け作業に多大な労力とコストがかかるものであった。
ところが、外周部に回転用金具を取付けた鋼管建込み用治具を使用する本発明のものだと、鋼管の上端部に形成された継手に前記鋼管建込み用治具を係合接続させるだけで鋼管の上部側面に回転用金具を設けたのと同じ構成にでき、かつ、施工後は前記鋼管建込み用治具の係合接続を解除して繰り返し使用することが可能なため、鋼管の建込みと沈設施工に際して、あらかじめ各鋼管の上部側面に溶接によって取付けておく必要があった極厚の回転用金具を鋼管自体に設ける必要がなくなり、その数を大幅に省略することができる。
また、鋼管建込み用治具は、鋼管の上端部に形成された継手と係合接続可能で、かつ、その外周部に回転用金具を取付け可能な長さがあれば良いため、鋼管建込み用治具における杭軸芯方向の長さを短く形成することができる。そのため、前記鋼管建込み用治具を長い鋼管に対して使用したとしても、鋼管全体としてさほど長くなることなく鋼管の上端側面に回転用金具を設けたのと同じ構成にすることができる。
その結果、鋼管の長さに関係なく利用することができ、大幅なコストダウンが図れると共に、沈設施工の作業性を向上させることができる鋼管建込み用治具を提供できるようになった。
また、鋼管建込み用治具を鋼管の上端部に形成された継手に嵌合接続させようとした場合、鋼管軸芯方向への近接移動により両者を嵌合させる必要があるため、鋼管建込み用治具を移動可能に支持する必要がある。そのため、鋼管建込み用治具に吊り用金具を設ける必要が生じるが、本発明のものだと、回転用金具と吊り用金具とを兼用化させるから、別途吊り用金具を設けることなく鋼管建込み用治具を移動可能に吊り支持することができる。
その結果、兼用化によって、部材点数を減らすことができ、別途吊り用金具を設けるものに比して、取付けの手間及び部材コストを低減することができるようになった。
つまり、外周部に回転用金具を取付けた鋼管建込み用治具を使用する本発明のものだと、鋼管の上端部に形成された継手に前記鋼管建込み用治具を嵌合接続させるだけで鋼管の上部側面に回転用金具を設けたものと同じ構成にでき、かつ、施工後は前記鋼管建込み用治具を繰り返し使用することが可能なため、鋼管の沈設施工に際して、あらかじめ各鋼管の上部側面に溶接によって取付けておく必要があった極厚の回転用金具の係合接続を解除して鋼管自体に設ける必要がなくなり、その数を大幅に省略することができると共に、吊込み用金具を利用して鋼管建込み用治具とともに鋼管を吊り上げて建込むことができる。
鋼管建込み用治具の雌継手を鋼管の上端部に設けた雄継手に嵌合接続させることによって、雄継手が外に露出しないように保護できるから、回転用キャップを回転用金具に嵌合させようとしたときに、雄継手が邪魔になったり、接触して雄継手を損傷してしまうといったことを防止できる。
その結果、鋼管の建て込みと回転による沈設施工の作業性を向上できると共に、大幅なコストダウンを図ることができる鋼管沈設方法を提供できるようになった。
その際、クレーン15のフック15aは治具14の回転用金具6の孔6aに通した吊りワイヤー16に引っ掛けるが、回転用金具6が治具14の重心を通る位置に突設されていることで、治具14は吊られても水平状態を保持し、かつ治具14の軸芯を鋼管1の軸芯と一致するように回転させることが容易なため、治具14の位置合わせおよび雌金具3と雄金具4との嵌合をきわめて容易に行うことができる。なお、例えば図6(e)に図示するように、片方の回転用金具6のみで治具14を吊り込んでもよい。
なお、回転抑えキー12は簡単なボルト止めで固定してもよいが、治具14に溶接するほうが治具14と鋼管1との連結と切り離しを簡単に行うことができる。
以上の作業で治具14は鋼管1の上端部に完全に固定され、治具14の取付けは完了したことになる。
また、図6(g)に図示する回転用キャップ18は、鋼管1の沈設作業と鋼管1を沈設する孔の掘削作業を同時に行う場合に使用されるもので、このため回転用キャップ18の中央部分にアースオーガー等の接続ロッドを通すための開口部18aが設けられており、上部は回転用の図示しないオーガーモーターに接続されている。また、鋼管1を地中に矢板として沈設する場合には、特に鋼管1は回転させなくてもよい。
以下に他の実施の形態を説明する。
これだと、養生キャップ26が複数の分割リング27により形成されているため、一体のリング状の養生キャップに比して、一つ一つの重量を軽くできるので雌継手3への取付け作業が容易となるだけでなく、固定ねじ取付け片27aを部分的に設けたことにより、リングの外周全てに設けるものに比して養生キャップ26を形成する際の材料を減らすことができるため、製作コストを抑制できると共に、重量を軽量化することが可能となる。
さらに、固定ねじ21を外側から締め付ける構成にしてあるから、雌継手3内部にねじ頭が突出することがないと共に、養生キャップ26の内周面にテーパー面27bを形成してあることにより、掘削装置や攪拌装置等を備えた回転ロッド等を鋼管1内に挿通させる際に、ねじ頭に引っ掛かることが無くなるだけでなく、テーパー面27bによって案内することができるから挿通作業が容易となる。
〈2〉 養生キャップは先の実施形態で説明した雄継手4と略同径の一体のリング状に形成すると共に、環状の溝部に雄継手4を挿入して、固定ねじ22により養生キャップ20を雄継手4に仮固定する構成のものに限るものではなく、例えば、図11に示すように、複数の分割リング29(本実施形態では3分割)により雄継手4と略同径のリング状に形成すると共に、分割リング夫々に複数の係止片29a(本実施形態では一つの分割リング29に対して2つ)を設け、分割リング29と係止片29aとの間に雄継手4を挿入して、分割リング29の外側に溶接された固定ナット24に螺合する固定ねじ22を外側から締め付けることにより雄継手4に養生キャップ28を仮固定する構成のものであっても良い。
これだと、養生キャップ28が複数の分割リング29により形成されているため、一体のリング状の養生キャップに比して、一つ一つの重量を軽くできるので雄継手4への取付け作業が容易となるだけでなく、係止片29aを部分的に設けたことにより、リングの内周全てに設けるものに比して養生キャップ28を形成する際の材料を減らすことができるため、製作コストを抑制できると共に、重量を軽量化することが可能となる。
また、雄継手4と雌継手3を嵌合させたときの姿勢を安定させるために形成してある雄継手4における環状凹部4aに嵌入係合可能な凸部29bを夫々の分割リング29に設ける構成であっても良い。これだと、仮固定したときの養生キャップ28の姿勢を安定させることができる。
尚、固定ねじ22による締め付けは、外側から行うものに限らず、前記係止片29aに固定ナット24を溶接して、固定ねじ22を固定ナット24に螺合して内側から締め付けて雄継手4に養生キャップ28を仮固定するものであっても良い。
〈3〉 雌継手3に取付ける養生キャップ26におけるテーパー面27bは上記実施形態で説明した同厚の板体を内側に折り曲げてテーパー面27bを形成するものに限るものではなく、例えば、図12に示すように、養生キャップ26の内面に雌継手内周面3Aに接当する肉厚形状のテーパー面27bを形成したものであっても良い。
これだと、掘削装置や攪拌装置等を備えた回転ロッド等を鋼管1内に挿通させる際に、テーパー面27bと激しく接触してもテーパー面27bを変形し難くすることができる。
〈4〉 養生キャップ26の形状は上記実施形態で説明したものに限るものではなく、上記実施形態の構成に加えて例えば、図13に示すように、雄継手4と雌継手3を嵌合させたときの姿勢を安定させるために雌継手3における環状凹部3aに嵌入係合可能な凸部27cを設けたものであっても良い。これだと、固定ねじ21の締め付けだけでなく雌継手3における環状凹部3aに凸部27cを嵌入係合させることで、仮固定したときの養生キャップ26の姿勢をさらに安定させることが可能となる。
〈5〉 上記実施形態では、回転抑えキー12を双方のキースリット11に跨る状態に嵌め込んで、2本の固定ボルト13または簡単な溶接によってキースリット11内に固定して筒体2と鋼管1との相対回転を防止し、筒体2側から鋼管1側に回転力が伝えられるように構成した例について説明したが、固定ボルト13の数は2本のものに限らず、図14に示すように、1本の固定ボルト13で回転抑えキー12を取付ける構成のものであっても良い。
つまり、双方のキースリット11に跨る状態に回転抑えキー12を嵌め込んだときの隙間を少なくすることにより、回転抑止キー12自体が固定ボルト13を軸芯として揺動するのを防止でき、キースリット11との係合を外れないようにできるため、1本の固定ボルト13で筒体2と鋼管1との相対回転を防止することが可能となる。そして、固定ボルト13の本数を減らせる分、回転抑えキー12を取付ける際の取付け作業の作業性を向上させることができる。
〈6〉 上記実施形態では、筒体2の外周部に溶接して突設させた2個の回転用金具6夫々に貫通孔6aを形成し、この貫通孔6aに吊りワイヤー16を通して治具14を吊り上げる構成について説明したが、治具14を吊り上げる箇所は回転用金具6だけではなく、図15、図16に示すように筒体2の内周面に吊りワイヤー16を通すための貫通孔30aを形成した複数の吊り用金具30(本実施形態では3個)を溶接して突設させ、夫々の回転用金具6の貫通孔6aと吊り用金具30の貫通孔30aに吊りワイヤー16を通して治具14を吊り上げる構成のものであっても良い。
これだと、2個の回転用金具6だけで治具14を吊り上げた構成のものに比して、吊り上げた治具14の姿勢を安定させることができる。
つまり、2個の回転用金具6だけで治具14を吊り支持するものだと、2点支持となるため治具14の吊り姿勢が不安定となり易いが、上記構成のものだと、さらに治具14を吊り支持するための支持点が増えるため(本実施形態では5点支持となる)治具14の吊り姿勢を安定させることができる。(図18参照)
尚、吊り用金具30を筒体2の内周面に設ける数は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、その数は任意である。
〈7〉 また、治具14に、図15、図17、図18に示すような筒体外周面より出退自在な取手部31を設けたものであっても良い。
前記取手部31は、筒体2に形成した取手用の開口2AにU字状に折り曲げ形成した棒材32を挿入し、筒体外周面より棒材32を突出させたときに筒体の内周面に接当して棒材32が筒体2から外に抜け出さないようにその両端部にナット33等を溶接固定して形成されている。
そして、治具14を吊りワイヤー16で吊り上げて搬送する際や、治具14の雌継手3を鋼管1の雄継手4に嵌合させる際等に取手部31を筒体2内から引き出し(図17(a)参照)、取手部31に対する作業員の把持操作によって、治具14搬送時の搬送姿勢を安定させることができると共に、継手同士の位置合わせを行い易くなる。
また、必要でないときは取手部31を筒体2内に引退させる(図17(b)参照)ことで他の作業の邪魔になるのを防止することができる。
3 雌継手
5 吊込み用金具
6 回転用金具
6a 貫通孔
14 治具(鋼管建込み用治具)
18 回転用キャップ
Claims (3)
- 建込み用の鋼管の上端の継手と係合される継手を備えた筒状の治具本体を設け、前記治具本体を吊るための吊り用金具と、前記治具本体を筒軸芯周りに回転させるための回転用金具とを兼用化させて前記治具本体に一体に設けてある鋼管建込み用治具。
- 前記鋼管と前記治具本体との継手間に介在して前記治具本体から前記鋼管に筒軸芯周りの回転力を伝達する回転抑えキーを嵌め込み自在なキースリットを、治具本体に形成してある請求項1に記載の鋼管建込み用治具。
- 上端部に継手と吊込み用金具がそれぞれ突設され、杭または矢板として設置される鋼管の上端部に、請求項1又は2の鋼管建込み用治具の前記吊り用金具を吊って双方の継手を嵌合させて取付け、次に前記鋼管の吊込み用金具を利用して鋼管建込み用治具とともに鋼管を吊り上げて建て込み、次に回転用金具を杭施工機の回転用キャップに嵌合させ、次に回転用キャップで鋼管を必要に応じて回転させながら地中に沈設することを特徴とする鋼管沈設方法。
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