JP4828843B2 - アルミニウム板矯正用潤滑油及びアルミニウム板の矯正方法 - Google Patents

アルミニウム板矯正用潤滑油及びアルミニウム板の矯正方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム板の形状不良を矯正する際に用いられるアルミニウム板矯正用潤滑油、及び該潤滑油を用いるアルミニウム板の矯正方法に関する。なお、ここでいうアルミニウムは、アルミニウム及びアルミニウム合金を含む。
一般に、アルミニウム板は、鋳造スラブを熱間圧延及び冷間圧延によって所定の板厚に圧延することにより製造される(特許文献1〜3参照)。圧延時には、材料特性を制御するため、目的に応じて各種の圧延条件が選択される。また、圧延の前後には、容体化処理、軟化調質、安定化処理等の目的で熱処理が加えられる。
アルミニウム板の製造においては、このように板厚や材料特性等を制御するだけでなく、板製造中に生じる形状不良(平坦度、そり、曲がり、ねじれ等)を修正する必要がある。このような修正を行う工程として矯正がある。
アルミニウム板の矯正は、外観不良の矯正が主目的であるが、同時に材料の残留応力を軽減する目的もある。矯正するアルミニウム板の主な形状不良には、平坦度不良(ひずみ)やそり不良(巻きぐせ)等がある。平坦度不良の矯正には、引っ張り矯正機(ストレッチャーレベラー、テンションレベラー)又はローラ矯正機(ローラレベラー)が用いられ、そり不良の矯正には、ローラ矯正機が用いられる。
ローラ矯正機は、一般に千鳥状に配列した回転性のロール(矯正ロール)を有する。ローラ矯正機による矯正においては、ロール間にアルミニウム板を通し、アルミニウム板に曲げを与える。この曲げを繰り返し行うことにより、アルミニウム板の表面に圧縮応力及び引っ張り応力を生じさせ、伸びの少ない部分は伸ばし、伸びすぎている部分を縮めて伸びの差を少なくし、平坦度やそりを修正することができる。
また、そりのみを矯正する場合には、ロール本数が比較的少ない2段ローラレベラーが用いられる。そりだけでなく平坦度も矯正する場合には、一般に6段レベラーが用いられる。
ローラ矯正機の矯正能力はロール径に依存し、また、板厚が大きいほど矯正効果が大きくなる。硬質の薄板等は、引っ張り矯正機やローラ矯正機には適しておらず、連続引っ張り矯正機とローラレベラーを組み合わせた機構を有するテンションローラレベラーが適している。
このようなテンションローラレベラーとしては、例えば図1に示すものがある。
同図に示すごとく、テンションローラレベラー1は、アルミニウム板10を巻き出す巻出し用リール11と、アルミニウム板10を巻き取る巻取り用リール12とを備える。巻出し用リール11と巻取り用リール12との間には、図2に示すごとく内部に複数(6段)の矯正ロール21と、これらの矯正ロール21を収納するハウジング22とを供えるローラレベラー2が配設されている。また、図1に示すごとくローラレベラー2の前後には、ローラレベラー2を挟むようにブライドルロール15が2つずつ配置されている。
図1及び図2に示すごとく、テンションローラレベラー1においては、アルミニウム板10が巻出し用リール11から巻取り用リール12へ送り出される際に、ローラレベラー2内の矯正ロール21によりアルミニウム板10の表面に圧縮応力や引っ張り応力が加えられて矯正が行われる。このとき、一般にブライドルロール15の回転等を制御することにより、ローラレベラー2内のアルミニウム板に張力をかけながら矯正が行われる。
このようなテンションローラレベラー等の矯正機には、すでに圧延された状態のアルミニウム板が供給される場合が多い。一般に、圧延された状態のアルミニウム板には、その表面に、圧延油、様々な汚染物、及び圧延時のアルミ摩耗粉等が残留している。このような状態のアルミニウム板をローラ矯正機にかけると、アルミニウム板の表面に残留する圧延油が多い場合等に、スリップが発生し、充分に矯正を行うことができなくなるおそれがある。また、アルミニウム板の表面にアルミ摩耗粉が多く残留している場合には、このアルミ摩耗粉がローラ矯正機のロール表面に堆積或いは凝集し固着して、アルミニウム板の表面にキズをつけてしまうおそれがある。また、圧延油が残存しない場合には、ロールとの摩擦によりアルミニウム板表面に焼き付きが発生してしまうおそれがある。
上述の問題を回避するため、従来においてはソルベントと称する低コストの炭化水素油をローラ矯正機の矯正ロールに供給することが行われていた。このソルベントは矯正処理後においてもアルミニウム板の表面に残留し、後工程に悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、ソルベントとしては常温で揮発し易いような炭化水素油が用いられてきた。具体的には、IBP(初留点)が150℃程度、EP(蒸留終点)が200℃程度で、さらにΔT(蒸留終点―初留点)が20〜30℃程度の分留性状の炭化水素油が一般的に用いられている。
しかしながら、上記のような炭化水素油からなるソルベントをローラ矯正機に供給して矯正を行った場合においても、上述のごとく板表面に残留していたアルミ摩耗粉がロール表面で凝集し、板表面にキズをつけてしまう場合があった。また、ソルベント中でもアルミ摩耗分が凝集し易く、矯正機周辺や配管壁等に付着し、その付着物が流れ落ちてロールとアルミニウム板との間に入り込み、アルミニウム板に大きなキズをつけてしまう場合があった。また、アルミニウム板の表面にアルミニウム摩耗粉の凝集体が付着し、後工程でのデフロールあるいは圧延ロール等においてアルミニウム摩耗粉の凝集体が板表面に押し込まれ、最終製品として欠陥品となってしまうおそれがあった。
近年においては、特に、アルミニウム板に要求される表面品質がより一層高まってきている。従来、矯正時においては、アルミニウム板の表面品質の低下を防止するために、機械的な矯正条件等を調整することが行われていたが、矯正条件等の検討だけでは、近年の表面品質に対する高い要求に充分に対応することができなくなってきた。表面品質を向上させるためには、優れた矯正用潤滑油の開発が望まれているが、その開発はこれまでほとんど行われておらず、安価で潤滑性を示すという理由で上述のソルベントが用いられていた。
特開平5−214356号公報 特開平9−248604号公報 特開平9−78168号公報
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、板表面に残留し難く、アルミニウム摩耗粉が凝集し難いアルミニウム板矯正用潤滑油及び該アルミニウム板矯正用潤滑油を用いたアルミニウム板の矯正方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、圧延後のアルミニウム板の形状不良を矯正ロールで矯正する際に用いられるアルミニウム板矯正用潤滑油であって、
該潤滑油は、鉱油からなる基油と、炭素数4〜20の脂肪族アミン、炭素数4〜20のアルカノールアミン、炭素数4〜20の脂環式アミン及びそれらのアルキレンオキシド付加物(但し、アルキレンオキシドの付加モル数は1〜4)から選ばれる1種以上の添加剤とを含有し、
該添加剤の含有量は、0.01〜1.0重量%であり、
温度40℃における動粘度が1.0〜3.0mm 2 /sであることを特徴とするアルミニウム板矯正用潤滑油にある(請求項1)。
本発明のアルミニウム板矯正用潤滑油は上記構成を有するため、上述した従来の問題を一気に解消することができる。
すなわち,本発明のアルミニウム板矯正用潤滑油は、如何なる材質のアルミニウム板に対しても、アルミ磨耗粉の凝集および矯正ロール表面での固着を抑制することができる。そのため、アルミニウム板の表面のキズの発生や押し込み欠陥を防止することができる。
また、上記アルミニウム板矯正用潤滑油は、容易に蒸発させることができる。そのため、矯正終了後、乾燥により容易に除去することができる。それ故、上記アルミニウム板矯正用潤滑油が矯正後の後工程にまで残存し、悪影響を及ぼすことを防止することができる。
また、上記アルミニウム板矯正用潤滑油は、臭いがほとんどなく、肌に接触しても肌荒れ等の問題をほとんど生じることがない。そのため、上記アルミニウム板矯正用潤滑油は、上記アルミニウム板の製造における作業環境を改善させることができる。
このように上記第1の発明によれば、板表面に残留し難く、アルミニウム摩耗粉が凝集し難いアルミニウム板矯正用潤滑油を提供することができる。
第2の発明は、圧延後のアルミニウム板をローラ矯正機を用いて矯正する方法において、
上記ローラ矯正機の矯正ロール及び/又はアルミニウム板の表面に、請求項1又は2に記載の上記アルミニウム板矯正用潤滑油を供給しながら上記アルミニウム板の矯正を行うことを特徴とするアルミニウム板の矯正方法にある(請求項3)。
上記第2の発明においては、上記第1の発明のアルミニウム板矯正用潤滑油を上記矯正ロール及び/又はアルミニウム板の表面に供給しながら矯正を行う。
そのため、上記アルミニウム板矯正用潤滑油の優れた特長を生かして、矯正時におけるアルミ磨耗粉の凝集および矯正ロール表面での固着を抑制することができる。それ故、アルミニウム板の表面にキズや押し込み欠陥等が発生することを防止して矯正を行うことができ、高品質のアルミニウム板を製造することができる。
また、上記アルミニウム板矯正用潤滑油の優れた乾燥性を生かして、矯正後の乾燥等により、上記アルミニウム板矯正用潤滑油を簡単に除去することができる。そのため、残留した上記アルミニウム板矯正用潤滑油が後工程に悪影響を及ぼすことを防止でき、高品質のアルミニウム板を製造することができる。また、上記アルミニウム板矯正用潤滑油は、臭いや肌荒れ等の問題を生じることなく、より良い作業環境でアルミニウム板の矯正を行うことができる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のアルミニウム板矯正用潤滑油は、上記基油として鉱油を含有する。該鉱油としては、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等のノンアロマ系鉱油を用いることができる。また、アロマ成分を含有するアロマ系鉱油を用いることもできる。
上記鉱油中のアロマ成分の含有量は2重量%以下であることが好ましい。2重量%を越える場合には、自然環境に対する安全性が低下するおそれがある。
また、上記基油としては、上記鉱油と合成油との混合油を用いることもできる。
上記アルミニウム板矯正用潤滑油においては、基油として、上述のような鉱油を採用することにより、低コストで、かつ臭いや肌荒れによる作業環境の悪化を好適に防止し得る。
また、上記鉱油は、そのアニリン点が70℃以上であることが好ましい。上記鉱油のアニリン点が70℃を超える場合には、上記アルミニウム板矯正用潤滑油と圧延油等の他の潤滑油との相溶性が高くなり、上記アルミニウム板矯正用潤滑油を遠心分離等により分離して再利用することが困難になるおそれがある。なお、アニリン点は、上記鉱油がアニリンと完全に溶け合って均一な溶液をつくるために必要な最低温度をいう。
また、上記鉱油としては、特にノンアロマ系鉱油が好ましい。この場合には、排気設備等が充分に整備されていない作業環境においても快適に上記アルミニウム板矯正用潤滑油を使用することができる。
また、上述のような鉱油を基油として使用することにより、コストの低減を図ることができる。
また、上記基油は、ノンアロマ系鉱油及び/又はアロマ系鉱油からなり、上記アルミニウム板矯正用潤滑油は、温度40℃における動粘度が1.0〜3.0mm2/sであり、その引火点が40〜100℃であることが好ましい
この場合には、上記アルミニウム板矯正用潤滑油の常温における乾燥性を向上させることができる。またこの場合には、矯正ロール表面での潤滑性がより良好になり、アルミニウム板にキズを発生させることをより抑制することができる。上記アルミニウム板矯正用潤滑油の動粘度及び引火点は、上記基油の種類及び配合量、後述の添加剤の種類及び配合量を変えること等によって調整することができる。
上記アルミニウム板矯正用潤滑油の動粘度が1.0mm2/s未満の場合には、上記アルミニウム板矯正用潤滑油が矯正ロールとアルミニウム板との間に入り難く、潤滑不良を引き起こし、アルミニウム板の表面に悪影響を及ぼすおそれがある。また、この場合には、分子が低分子化するため、必然的に引火点がさがるおそれがある。その結果、上記アルミニウム板矯正用潤滑油を用いて矯正を行う際に、例えば温度50℃〜150℃という高温状態になる圧延後のアルミニウム板を冷却する必要があり、この冷却時間がより長くなるおそれがある。一方、粘度が3.0mm2/sを越える場合には、矯正ロールとアルミニウム板との間における潤滑油量が多くなり、スリップの原因となるおそれがある。また、この場合には、分子が高分子化するため矯正処理後に揮発し難くなり、アルミニウム板の表面に残留する潤滑油量が多くなり、矯正後の工程に悪影響を及ぼすおそれがある。
上記アルミニウム板矯正用潤滑油の温度40℃における動粘度は、例えばキャノン・フェンスケ粘度計(毛管粘度計の一種)により、一定量の試験油(アルミニウム板矯正用潤滑油)が毛管を通過するのに要する時間から測定することができる(キャノン・フェンスケ粘度測定方法)。
また、上記アルミニウム板矯正用潤滑油の引火点が40℃未満の場合には、矯正前における上記アルミニウム板の冷却時間が長くなるおそれがある。一方、引火点が100℃を越える場合には、上記アルミニウム板矯正用潤滑油が矯正後においても上記アルミニウム板の表面に残留しやすくなるおそれがある。その結果、上記アルミニウム板矯正用潤滑油を除去するために乾燥設備等が必要となり、アルミニウム板の製造コストが増大するおそれがある。
また、上記アルミニウム板矯正用潤滑油は、アミン類、そのアルキレンオキシド付加物、アルキルスルホン酸、及びその塩から選ばれる1種以上の添加剤を含有する。
上記アミン類としては、例えば脂肪族アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、及び複素環アミン等がある。また、これらのアミン類には、ヒドロキシル基、エーテル基が含まれていても良い。
脂肪族アミンの具体例としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、カプリルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ブチルオクチルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン等がある。
アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−イソプロピルエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、N−イソプロピルイソプロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルイソプロパノールアミン、モノn−プロパノールアミン、ジn−プロパノールアミン、トリn−プロパノールアミン、N−メチルn−プロパノールアミン、N,N−ジメチルn−プロパノールアミン、N−エチルn−プロパノールアミン、N,N−ジエチルn−プロパノールアミン、N−イソプロピルn−プロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルn−プロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン、N−メチルブタノールアミン、N,N−ジメチルブタノールアミン、N−エチルブタノールアミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、N−イソプロピルブタノールアミン、N,N−ジイソプロピルブタノールアミン等がある。
脂肪族ポリアミンの具体例としては、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン 、トリエチレンテトラアミン、ヘキサメチレンジアミン、硬化牛脂プロピレンジアミン等がある。
芳香族アミンの具体例としては、アニリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン等がある。
脂環式アミンの具体例としては、例えばN−シクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジ(3−メチル−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(2−メトキシ−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(4−ブロモーシクロヘキシル)アミン等がある。
複素環アミンの具体例としては、例えばピロリジン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ピペコリン、2,6−ピペコリン、3,5−ルペチジン、ピペラジン、ホモピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−プロピルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、N−アセチルピペラジン、N−アセチルホモピペラジン、1−(クロロフェニル)ピペラジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジン等がある。
上記のアミン類の中でも、上記添加剤としては、油に対する溶解性の面から分枝鎖を有する全炭素数4以上の炭化水素基を有するアミン類が好ましい。また、全炭素数が20を超える場合には、矯正後のアルミニウム板に残留しやすくなるおそれがある。また、焼鈍を行う場合にはオイルステインが発生し易くなるおそれがある。
また、上記添加剤として用いられるアミン類のアルキレンオキシド付加物は、上記のアミン類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、α−オレフィンオキシド、スチレンオキシド等のアルキレンオキシド等を付加重合することにより得ることができる。付加させるアルキレンオキシド等の重合形態は特に限定されず、1種類のアルキレンオキシド等の単独重合、2種類以上のアルキレンオキシド等のランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合等であってよい。
また、アルキレンオキシドの付加モル数は1〜6が好ましく、より好ましくは1〜4がよい。アルキレンオキシドの付加モル数が6を越える場合には、基油への溶解性が悪くなるおそれがある。
また、上記添加剤として用いられるアルキルスルホン酸及びその塩としては、例えばアルキルスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、アミドスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等がある。
特に好ましくは、工業的に安価なジアルキルスルホコハク酸ナトリウムがよい。そのアルキル基の炭素数(C数)としては、4〜18であることが好ましい。アルキル基の炭素数が4未満の場合には、上記添加剤の基油に対する分散性が低下するおそれがある。一方18を越える場合には、粘度が高くなりすぎるため、上記添加剤の取り扱いが困難になり、上記アルミニウム板矯正用潤滑油の調整が困難になるおそれがある。
また、上記アルミニウム板矯正用潤滑油において、上記添加剤の含有量は、0.01〜1.0重量%である。
上記添加剤の含有量が0.01重量%未満の場合には、上記アルミニウム板矯正用潤滑油のアルミ摩耗粉に対する凝集効果が不充分となり、矯正時にアルミニウム板の表面にキズや押し込み欠陥を発生させてしまうおそれがある。また、上記添加剤の含有量が1.0重量%を越える場合には、上記アルミニウム板矯正用潤滑油の揮発性が低下し、乾燥により上記アルミニウム板矯正用潤滑油の除去が困難になり、アルミニウム板の品質を劣化させるおそれがある。
また、上記アルミニウム板矯正用潤滑油には、本発明の効果を妨げない範囲で、酸化防止剤、さび止め剤、腐食防止剤、消泡剤等から選ばれる1種以上を添加することができる。この場合には、上記アルミニウム板矯正用潤滑油をより工業適用途に適したものにすることができる。
酸化防止剤としては、例えばDBPC(2,6−ジターシャリー−ブチル−p−クレゾール)等のフェノール系化合物、フェニル−α−ナフチルアミン等の芳香族アミン、ソルビタンモノオレート等の多価アルコールの部分エステル、リン酸エステル及びその誘導体等がある。
腐食防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール等があり、消泡剤としてはシリコン系のもの等がある。
また、上記第2の発明においては、ローラ矯正機により形状不良を矯正してアルミニウム板を製造する際に、上記アルミニウム板矯正用潤滑油を上記ローラ矯正機の矯正ロール及び/又はアルミニウム板の表面に供給して矯正を行う。ローラ矯正機としては、矯正用のロールを備えた矯正機を用いることができ、具体的には、例えばローラレベラーや、ローラレベラーの機構と連続引っ張り矯正機の機構とを組み合わせたテンションローラレベラー等がある。
(実施例1)
本発明のアルミニウム板矯正用潤滑油にかかる実施例につき、具体的に説明する。
本例では、表1に示すごとく本発明の実施例として複数種類のアルミニウム板矯正用潤滑油(試料E1〜E11)と、表2に示すごとく比較例として複数種類の潤滑油(試料C1〜C12)を作製し、これらの各試料について各種性能の比較試験を行った。
試料E1〜試料E11は、基油(パラフィン30容量%とナフテン70容量%とを混合してなる鉱油)と添加剤とを混合して作製した。添加剤としては、、オレイルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミンエチレンオキシド2モル付加物、又はN−エチルイソプロパノールアミンを用いた。
表1に試料E1〜試料E11の配合割合、粘度、引火点を示す。なお、各試料の粘度は、上述のキャノン・フェンスケ粘度測定方法によって測定した。
また、試料C1としては、パラフィン30容量%とナフテン70容量%とからなる鉱油を用いた。試料C1は、添加剤を含有しない。
試料C2〜試料C9は、上記試料E1〜試料E11とは異なる配合割合で基油(パラフィン30容量%とナフテン70容量%とを混合してなる鉱油)と添加剤とを混合して作製したものである。これらのうち、試料C2及び試料C3は、粘度及び引火点が互いに異なる鉱油(パラフィン30容量%とナフテン70容量%とを混合してなる鉱油)を用いて作製したものである。
また、試料C10〜試料C12は、試料E1〜試料E11において使用した添加剤とは異なるその他の添加剤と基油(パラフィン30容量%とナフテン70容量%とを混合してなる鉱油)とを混合して作製したものである。その他の添加剤としては、オレイン酸、ジ−2−エチルスルホコハク酸ナトリウム、又はトリプロピレングリコールを用いた。
表2に試料C1〜試料C12の配合割合、粘度、引火点を示す。
Figure 0004828843
Figure 0004828843
次に、本例では、上記試料E1〜E11、および試料C1〜C12を用い、各種の評価試験を以下のようにして行った。
各種評価試験の結果は、後述の表3(試料E1〜試料E11)及び表4(試料C1〜試料C12)に示す。
「分散性評価試験」
50mLのメスシリンダー中に各試料(試料E1〜試料E11、試料C1〜試料C12)を50mlずつ入れ、この各試料にそれぞれ平均粒径0.6μmのアルミ粉末を1.0mass%添加し、超音波撹拌にてアルミ粉を分散させた。その後65時間静置し、上層、中層、下層の三層に分離させた。次いで、中層から試料液を抜き出し、該試料液にレーザー光をあて、レーザー光の透過率を測定した。その結果を表3及び表4に示す。
「乾燥性評価試験」
φ50mm、壁高さ7mmのアルミカップを準備し、このアルミカップ内に各試料1.0gを入れ、温度30℃の雰囲気下で65時間放置した。その後、アルミカップ内の残油量を測定し、アルミニウムカップ内に入れた試料の量(1g)に対する残油量(g)を100分率で表し、残留率(%)とした。その結果を表3及び表4に示す。
「ロールコーティング量評価試験」
矯正ロールの代わりに圧延機を用いて、供試材としてのアルミニウム板500枚を低圧下率で圧延するスキンパスを行うことによりアルミニウム板の矯正を行った。このとき、各試料油(試料E1〜試料E11及び試料C1〜試料C12)を圧延機のワークロール(ロール矯正機の矯正ロールに相当)及び供試材に供給しながら矯正を行った。
その後、ワークロールに付着しているアルミ粉のコーティングを水酸化ナトリウム水溶液によって溶解し、脱脂綿で回収した。次いで、脱脂綿中のアルミニウム溶解液を純粋で抽出し、原子吸光法によりアルミニウム量を定量した。その結果を表3及び表4に示す。
なお、本評価試験において用いる供試材としては、JIS A−1050 H18に規定の材質からなる供試材を用いた。この供試材としては、幅40mm、長さ450mm、厚み2.0mmのものを用いた。また、供試材は、圧延したままの材料であり、その表面に圧延油及びアルミ摩耗粉等が付着しているものを用いた。
Figure 0004828843
Figure 0004828843
一般に、アルミニウム板矯正用潤滑油としては、分散性評価試験における透過率が75%以下で、乾燥評価試験における残留率が0.3%以下で、かつロールコーティング量が25mg/m2以下であるものが求められる。
表3より知られるごとく、試料E1〜試料E11のアルミニウム板矯正用潤滑油は、上述の透過率75%以下、残留率0.3%以下、ロールコーティング量25mg/m2以下という3つの条件をすべて満足していた。そのため、試料E1〜試料E11は、乾燥により簡単に除去できるためアルミニウム板表面に残留し難く、アルミニウム摩耗粉の分散性に優れて凝集が起こり難いことがわかる。
これに対し、表4より知られるごとく、試料C1〜試料C12のアルミニウム板矯正用潤滑油は、透過率、残留率、ロールコーティング量の少なくともいずれか一つ以上が上記の条件を満足できなかった。
以上のごとく、本発明の実施例にかかるアルミニウム板矯正用潤滑油(試料E1〜試料E11)は、板表面に残留し難く、アルミニウム摩耗粉が凝集し難いものであることがわかる。
従来技術にかかる、テンションローラレベラーの構成を示す説明図。 従来技術にかかる、テンションローラーレベラーにおけるローラーレベラー部分の断面説明図。
符号の説明
1 テンションローラーレベラー
10 アルミニウム板
11 巻出し用リール
12 巻取り用リール
15 ブライドルロール
2 ローラレベラー
21 矯正ロール

Claims (3)

  1. 圧延後のアルミニウム板の形状不良を矯正ロールで矯正する際に用いられるアルミニウム板矯正用潤滑油であって、
    該潤滑油は、鉱油からなる基油と、炭素数4〜20の脂肪族アミン、炭素数4〜20のアルカノールアミン、炭素数4〜20の脂環式アミン及びそれらのアルキレンオキシド付加物(但し、アルキレンオキシドの付加モル数は1〜4)から選ばれる1種以上の添加剤とを含有し、
    該添加剤の含有量は、0.01〜1.0重量%であり、
    温度40℃における動粘度が1.0〜3.0mm 2 /sであることを特徴とするアルミニウム板矯正用潤滑油。
  2. 請求項1において、上記基油は、ノンアロマ系鉱油及び/又はアロマ系鉱油からなり、上記アルミニウム板矯正用潤滑油は、その引火点が40〜100℃であることを特徴とするアルミニウム板矯正用潤滑油。
  3. 圧延後のアルミニウム板をローラ矯正機を用いて矯正する方法において、
    上記ローラ矯正機の矯正ロール及び/又はアルミニウム板の表面に、請求項1又は2に記載の上記アルミニウム板矯正用潤滑油を供給しながら上記アルミニウム板の矯正を行うことを特徴とするアルミニウム板の矯正方法。
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