JP6860366B2 - アルミニウム用熱間圧延油、アルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法 - Google Patents
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10〜30質量%の合成エステルと、
1.0〜5.0質量%のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤と、
0.010〜2.0質量%のアルカノールアミンとを含有し、
残部が2種以上の精製鉱油からなり、
40℃における動粘度が25〜75mm2/sであり、
100℃における動粘度が40℃における動粘度の0.10〜0.30倍であり、
350℃における加熱残分が5.0〜25質量%であり、
上記合成エステルにおける、カルボン酸に由来する構成単位の平均炭素数が10以上18以下である、アルミニウム用熱間圧延油にある。
1〜10体積%の上記アルミニウム用熱間圧延油を含有しており、
上記アルミニウム用熱間圧延油の油滴は、1〜7μmの体積平均粒径を有している、アルミニウム用熱間圧延クーラントにある。
上記熱間圧延油の40℃における動粘度を上記特定の範囲とすることにより、熱間圧延中に、圧延ロールとアルミニウム材との間に上記熱間圧延油の油膜を容易に形成することができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間に適度な潤滑性を付与し、噛み込み不良の発生を抑制するとともに、圧延板の平滑性を向上させることができる。
上記熱間圧延油の100℃における動粘度を上記特定の範囲とすることにより、熱間圧延中に、圧延ロールとアルミニウム材との間に上記熱間圧延油の油膜を容易に形成することができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間に適度な潤滑性を付与し、噛み込み不良の発生を抑制するとともに、圧延板の平滑性を向上させることができる。
上記熱間圧延油の350℃における加熱残分を上記特定の範囲とすることにより、熱間圧延中に、圧延ロールとアルミニウム材との間に上記熱間圧延油の油膜を容易に形成することができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間に適度な潤滑性を付与し、噛み込み不良の発生を抑制するとともに、圧延板の平滑性を向上させることができる。
・合成エステル:10〜30質量%
脂肪酸及び合成エステルは、圧延ロールとアルミニウム材との摩擦を低減する油性剤である。これらの油性剤の含有量をそれぞれ上記特定の範囲とすることにより、圧延ロールの表面に脂肪酸や合成エステルを吸着させ、これらの油性剤を含む潤滑膜を容易に形成することができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間に適度な潤滑性を付与し、噛み込み不良の発生を抑制するとともに、圧延板の平滑性を向上させることができる。
・アルカノールアミン:0.010〜2.0質量%
上記非イオン界面活性剤及びアルカノールアミンは、上記クーラント中に上記熱間圧延油の油滴を形成するための乳化剤である。これらの乳化剤の含有量をそれぞれ上記特定の範囲とすることにより、圧延ロールに付着する上記熱間圧延油の量を適正な範囲に調整することができる。その結果、圧延ロールとアルミニウム材との間に適度な潤滑性を付与し、噛み込み不良の発生を抑制するとともに、圧延板の平滑性を向上させることができる。
精製鉱油としては、ナフテン系精製鉱油、パラフィン系精製鉱油及び芳香族系精製鉱油等を使用することができる。前記熱間圧延油には、これらの鉱油のうち2種以上が併用されている。アルミニウム材の噛み込み不良を抑制する観点からは、精製鉱油中のナフテン系精製鉱油の比率が多いほど好ましい。
・合成エステル
NPG−C14 :ネオペンチルグリコールミリスチン酸ジエステル
NPG−C16 :ネオペンチルグリコールパルミチン酸ジエステル
TMP−C12 :トリメチロールプロパンラウリン酸トリエステル
TMP−C18F1:トリメチロールプロパンオレイン酸トリエステル
TMP−C20 :トリメチロールプロパンアラキジン酸トリエステル
PE−C10 :ペンタエリスリトールカプリン酸テトラエステル
PE−C8 :ペンタエリスリトールカプリル酸テトラエステル
・非イオン系界面活性剤
PEG−C18F1:ポリオキシエチレンオレイン酸エステル
PEG−C12 :ポリオキシエチレンラウリルエーテル
精製鉱油、脂肪酸、合成エステル、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、アルカノールアミンを表1〜表3に示す比率で混合し、熱間圧延油(試料1〜29)を調製した。表1〜表3に示すとおり、本例において用いた合成エステルは、多価アルコールと、炭素数10〜18のカルボン酸とのエステルである。それ故、合成エステルにおける、カルボン酸に由来する構成単位の平均炭素数は10以上18以下である。なお、精製鉱油については、その組成及びISO粘度グレードを表中に記載した。非イオン系界面活性剤については、化合物名及びHLB値を表中に記載した。
・アルミニウム材の材質:JIS A5182
・アルミニウム材の寸法:40mm幅×500mm長×5.0mm厚
・圧延ロールの表面粗さ:板幅方向に測定したときの算術平均粗さRa=0.3〜0.4μm、最大高さRz=3.5〜4.0μm
・圧延開始時の板温度:450℃
・圧延速度:40m/min
・圧下率:60%
まず、一対の圧延ロールの間隙を、圧延ロール間にアルミニウム材が噛み込まれない程度に狭く設定した。この状態において熱間圧延を試み、アルミニウム材が噛み込まれなかった場合には、圧延ロールの間隙を段階的に大きくして再度熱間圧延を試みた。この操作を繰り返し、圧延ロール間にアルミニウム材が噛み込まれた際の噛み込み角を、表1〜表3の「最大噛み込み角」の欄に記載した。
潤滑性の評価では、図1に示すように、一対の圧延ロール2(2a、2b)のうち一方の圧延ロール2aの側面に複数のポンチ21を取り付けた状態で熱間圧延を行った。そして、圧延ロール2aの周方向におけるポンチ21同士の距離L1[mm]と、アルミニウム材1に転写されたポンチ痕11同士の距離L2とを測定し、下記式(1)に基づいて先進率δを算出した。
δ=(L1−L2)/L1 ・・・(1)
R2=R×{1+16×(1−ν2)×P/[π×E×b×(h1−h2)]} ・・・(2)
μ=0.5×[(h1−h2)/R2]0.5/{1−2×[(1−r)×δ/r]0.5} ・・・(3)
熱間圧延後の圧延板の色調を目視観察した。その結果、表面に黄変がない場合には表1〜3中の「圧延板の色調」の欄に記号Aを、表面がわずかに黄変した場合には記号Bを、顕著に黄変した場合には記号Cを記載した。そして、記号A及び記号Bの場合を、圧延板表面の黄変を十分に抑制できているため合格と判定した。
本例においては、表4及び表5に示す比率で各成分を含有する熱間圧延油(試料30〜50)を調製し、これらの試料を用いて実施例と同様の評価を行った。
表4及び表5に示したように、試料36〜43は、脂肪酸、合成エステル、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤及びアルカノールアミンのいずれかの含有量が上記特定の範囲から外れている。
試料46〜49は、クーラント中の熱間圧延油の含有量または油滴の体積平均粒径が上記特定の範囲から外れている。
Claims (7)
- 3.0〜10質量%の脂肪酸と、
10〜30質量%の合成エステルと、
1.0〜5.0質量%のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤と、
0.010〜2.0質量%のアルカノールアミンとを含有し、
残部が2種以上の精製鉱油からなり、
40℃における動粘度が25〜75mm2/s以下であり、
100℃における動粘度が40℃における動粘度の0.10〜0.30倍であり、
350℃における加熱残分が5.0〜25質量%であり、
上記合成エステルにおける、カルボン酸に由来する構成単位の平均炭素数が10以上18以下である、アルミニウム用熱間圧延油。 - 上記脂肪酸の含有量が5.0〜7.0質量%である、請求項1に記載のアルミニウム用熱間圧延油。
- 上記合成エステルの含有量が15〜25質量%である、請求項1または2に記載のアルミニウム用熱間圧延油。
- 上記精製鉱油中のナフテン系精製鉱油の割合が50質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム用熱間圧延油。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム用熱間圧延油が水中に分散しているアルミニウム用熱間圧延クーラントであって、
1〜10体積%の上記アルミニウム用熱間圧延油を含有しており、
上記アルミニウム用熱間圧延油の油滴は、1〜7μmの体積平均粒径を有している、アルミニウム用熱間圧延クーラント。 - 上記アルミニウム用熱間圧延クーラントは、上記アルカノールアミンと低級脂肪酸との塩を10〜1000ppm含有している、請求項5に記載のアルミニウム用熱間圧延クーラント。
- 請求項5または6に記載のアルミニウム用熱間圧延クーラントを用いてアルミニウム鋳塊の熱間圧延を行う、アルミニウム圧延板の製造方法。
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JP2018123278A JP2018123278A (ja) | 2018-08-09 |
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