JP4828244B2 - 熱収縮性筒状ラベル - Google Patents
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Description
通常、かかる熱収縮性筒状ラベルには、容器から筒状ラベルを除去するため、ラベル分断用のミシン目が形成されている。
このようなミシン目が形成された熱収縮性筒状ラベルは、容器に外嵌された後、加熱することによって周方向に収縮し、容器に装着される。そして、該筒状ラベル付き容器の使用後、筒状ラベルの上縁(又は下縁)に爪などを入れ、筒状ラベルの上端部(又は上端部)を摘んで引き取ることによりミシン目に沿って切取線が形成されていく。これにより、筒状ラベルを縦方向に分断して、これを容器から除去できる。
この点、特開2005−193984の図9に、筒状ラベルの上縁又は/及び下縁に切込部を形成することが開示されている。このように上縁又は/及び下縁に、2本の切込部を縦方向に形成することにより、筒状ラベルの上端部(又は下端部)を摘み易くなる。
しかしながら、図12に示すように、筒状ラベル100の上縁が、容器800の凹み部801に位置して装着されている場合、該筒状ラベル100の上縁に爪を入れ難く、分断起点となる筒状ラベル100の上端部を摘むことが困難である。尚、下縁についても同様である。
すなわち、従来技術のように、筒状ラベルの上下縁に2本の切込部が形成されているものでは、熱収縮性筒状ラベルの上縁又は下縁が容器の凹み部に位置して装着されている場合、該2本の切込部の間の筒状ラベルの上端部を摘み難い。この点、本発明の熱収縮性筒状ラベルは、筒状フィルムの一面に、分断起点用の切り目が周方向に伸びて形成されているので、切り目から筒状フィルムの面部分を開口することができる。
このように筒状フィルムの面部分を開口できるので、熱収縮性筒状ラベルの上下縁が容器の凹み部に位置して装着されていても、切り目から開口し、該開口縁に於ける筒状フィルムの一部分を摘んで引き取ることにより、筒状ラベルを分断することができる。
この点、上記熱収縮性筒状ラベルは、切り目の少なくとも両端部に於けるフィルム部分が厚肉状に形成されているので、切り目の両端部が補強され、上記亀裂の発生を防止でき、耐衝撃性にも優れている。
さらに、上記熱収縮性筒状ラベルは、切り目がセンターシールを横断しているので、切り目によって厚肉状のセンターシールを容易に切断できる。また、センターシールの両側にそれぞれ分断補助線が設けられ且つ切り目の両端部がそれぞれ分断補助線の近傍に位置しているので、切り目でセンターシールを切断した後、切り目の両端部からそれぞれ切取線が形成され始め、その切取線がセンターシールの両側の分断補助線に至り、センターシールを帯状分断片として切り取ることができる。よって、筒状ラベルを縦方向に確実に分断できる。
かかる熱収縮性筒状ラベルは、切り目がフィルムを溶断することにより形成されているので、切り目の少なくとも両端部に於けるフィルム部分が厚肉状になると共に硬化するため、上記亀裂の発生をより防止することができる。
また、上記熱収縮性筒状ラベルは、切り目の両端部が厚肉状に形成されているので、これを装着した容器に衝撃が加わっても、筒状ラベルが破断し難い。従って、耐衝撃性に優れた熱収縮性筒状ラベルを提供できる。
図1及び図2に於いて、1は、基材を筒状に成形してなる筒状フィルム2と、該筒状フィルム2の縦方向に形成された分断補助線3と、該筒状フィルム2の一部分を切断することにより形成された分断起点用の切り目5と、を備える熱収縮性筒状ラベルを示す。
具体的には、該筒状フィルム2は、例えば、熱収縮性の基材を筒状にしてその両側端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部分を溶剤又は接着剤などで接着することによってセンターシール21が形成された態様からなる。
上記センターシール21の幅は特に限定されないが、通常、2〜7mm程度が例示される。
但し、熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)−(幅方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
具体的には、図1及び図2に示すように、分断補助線3は、隣接して形成された2本の分断補助線3,3を1組とし、この1組の分断補助線3,3が、センターシール21の両側にそれぞれ形成されている。つまり、センターシール21の一方側には、隣接して2本の分断補助線3,3が形成され、センターシール21の他方側にも同様に、隣接して2本の分断補助線3,3が形成されている。以下、センターシール21の一方側に形成された2本の分断補助線3を、第1補助線31、第2補助線32といい、同他方側に形成された2本の分断補助線3,3を、第3補助線33、第4補助線34という。
各切込部6は、筒状フィルム2を厚み方向に切り込むことにより形成されており、例えば、図3(b)に示すように、筒状フィルム2の外面2aから内面2bにまで貫通する線状の開口によって形成されている。つまり、切込部6は、筒状フィルム2の外面2aから内面2bに亘って、筒状フィルム2の厚み方向に連続した略同形状(略同面積)の線状開口を形成することにより構成されている。
図3(a)に示すように、各切込部6の周長さ6X及び縦長さ6Yは、筒状ラベル1の耐衝撃性などの観点から、周長さ6X:縦長さ6Yが、3:2〜5:1程度に形成されていることが好ましく、更に、2:1〜5:1程度に形成されていることが好ましい。具体的には、切込部6の周長さ6Xは、例えば0.3〜1.0mm程度が例示され、切込部6の縦長さ6Yは、例えば0.1〜0.5mm程度が例示される。また、上下の切込部6の形成間隔(非切込部7の縦長さ7Y)は、余りに間隔が狭いと耐衝撃性に劣り、余りに広いと筒状ラベル1の分断性が悪くなるので、0.2〜3.0mm程度に形成されていることが好ましい。
尚、第1及び第2補助線31,32の切込部6の形成位置は、上記に限られず、例えば、図5に示すように、第1補助線31の切込部6の上下間に、第2補助線32の切込部6が位置するように、第1補助線31の切込部6と第2補助線32の切込部6を互い違いに形成することもできる(第3及び第4補助線33,34についても同様に変更できる)。
該分断起点用の切り目5は、例えば、周方向に伸びる切込線51と非切込部52が交互に形成された態様からなる。該切り目5の一方端は、センターシール21の一方側に形成された分断補助線3(第2補助線32)の切込部6の近傍に位置し、切り目3の他方端は、センターシール21の他方側に形成された分断補助線3(第3補助線33)の切込部6の近傍に位置している。切り目5(切込線51)の両端部に於けるフィルム部分は、厚肉状に形成されている。
切り目5の一方端と分断補助線3(第2補助線32)の切込部6の間隔は、例えば、0.5〜3.0mm程度が好ましい。また、切り目5の他方端と分断補助線3(第3補助線33)の切込部6の間隔についても同様である。
尚、筒状ラベル1の分断性が良好になること、及び切り目5の切込線51が長くなり過ぎないことなどから、切り目5の一方端及び/又は他方端は、分断補助線3の切込部6の近傍に位置して形成されていることが好ましい。もっとも、これに代えて、切り目5の一方端及び/又は他方端が、分断補助線3の切込部6に交わって形成されていてもよい。
切り目5を形成する縦方向位置は、特に限定されず、筒状フィルム2の上縁寄り、下縁寄り、縦方向中央部などの適宜の位置に形成することができる。但し、切り目5は、筒状ラベル1の分断起点として利用される点から、切り目5は、筒状フィルム2の上縁寄り又は下縁寄りに形成されていてもよく、例えば、筒状フィルム2の上縁又は下縁から縦方向に3mm以上、具体的には、3〜6mm程度離れた位置に形成される。
特に、切り目5は、装着する容器の凹み部(又はパネル面)に対応する位置に形成することが好ましい。かかる切り目5が形成された熱収縮性筒状ラベル1は、容器に装着した際、容器の凹み部に対応して切り目5が位置する。従って、切り目5の内面側が空間となり、筒状ラベル1の外面から押すことにより断続状の切込線51を容易に開口でき、切り目5を通じて筒状フィルム2の一部分を摘むことができる。
尚、図示した例では、筒状フィルム2の上縁寄りにのみ1本の切り目5を形成したものを例示しているが、これに代えて、筒状フィルム2の下縁寄りにのみ1本の切り目5を形成してもよいし、或いは、筒状フィルム2の上縁寄り及び下縁寄りに、それぞれ切り目5を形成してもよい。
切り目5の切込線51及び非切込部52の周長さは、特に限定されないが、余りに切込線51が短すぎたり、非切込部52が長すぎると、切り目5を通じて筒状フィルム2の一面を開口させることが困難となる。この点を考慮すると、切り目5の切込線51の周長さ51Xは、2〜15mm程度、同非切込部52の周長さ52Xは、2mm以下程度に形成されていることが好ましい。切り目5(切込線51)の縦長さは、例えば、0.1〜2.0mm程度である。
厚肉状の両端部51aの厚みは、通常、筒状フィルム2の厚みの1.1〜2.0倍程度に形成される。
このように切り目5を構成する切込線51の両端部51aを厚肉状に形成することにより、切込線51の両端部51aの強度が増し、切込線51の端部から亀裂が生じることを防止できる。さらに、レーザービームなどを用いたフィルム溶断により切込線51が形成されている場合、切込線51の両端部51aに於けるフィルム部分が厚肉状になると共に硬化するため、より亀裂が入りにくく好ましい。特に、切り目5(切込線51)の両方端が、分断補助線3の切込部6の近傍に位置して形成されている場合、仮に亀裂が入っても、切り目5と分断補助線3が繋がって大きな裂け目となることを防止できる。
レーザービームの種類としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、アルゴンレーザー、半導体レーザーなどを用いることができ、炭酸ガスレーザーを用いることが好ましい。
熱収縮性筒状ラベル1は、飲料容器、食品容器、化粧品容器などの所望の収納物が収納された各種容器8に熱収縮装着できる。
容器8の材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製容器(例えばPETボトル等)、発泡樹脂製容器、ガラス容器、金属製容器など、様々な材質のものに本発明の熱収縮性筒状ラベル1を熱収縮装着することができる。
また、容器8の形状についても特に限定されず、円筒状、角柱状などの胴部81の上方に次第に縮小する傾斜状の肩部82が形成された容器8(例えば、図示したようなボトル型容器など)、このような肩部を有しない円筒状や角柱状の筒状容器、その他、瓢箪型容器、円錐状などの錐状容器など、各種形状の容器に装着することができる。
上記熱収縮性筒状ラベル1は、分断補助線3の切込部6が、筒状フィルム2の周方向に伸びる線状に形成されているので、熱収縮時、周方向に大きな引張り力が加わっても、分断補助線3の切込部6が、楕円形状などに拡がることを防止できる。よって、該熱収縮性筒状ラベル1が装着されたラベル付き容器に衝撃が加わっても、筒状ラベル1が破断し難くなる。また、装着時、分断補助線3の切込部6が拡がらないことから、美麗な外観を呈するラベル付き容器を提供できる。
具体的には、筒状ラベル1の上縁又は下縁が容器8の凹み部に位置して装着されている場合、筒状ラベル1の上縁又は下縁に指先が入らない程度で凹み部に沿って密着しているので、この上端部又は下端部を摘むことは困難である。この点、上記熱収縮性筒状ラベル1は、筒状フィルム2の一面に、分断起点用の切り目5が周方向に伸びて形成されているので、切り目5に爪などを入れることにより、筒状フィルム2の一面領域を開口し、この開口縁から筒状フィルム2の一部分を摘むことができる。このように筒状フィルム2の面部を開口できるので、筒状ラベル1の容器に対する装着位置に拘わらず、筒状フィルム2の一部分を容易に摘むことができる。特に、切り目5が容器の凹み部に対応して装着すると、上述のとおり、切り目5の内面側が空間となり、筒状ラベル1の外面から押すことにより断続状の切込線51を容易に開口できる。
ところで、分断補助線3の切込部6は、周方向に伸びる線状に形成されているので、分断途中に於いて、切取線9が、第2補助線32の切込部6又は第3補助線33の切込部6の端部から周方向に向きを変える虞がある。
この点、センターシール21の両側の分断補助線3は、それぞれ少なくとも2本隣接して形成されているので、例えば、切取線9が、第2補助線32の切込部6の端部から周方向に向きを変えても、該切取線9は、隣接して形成された第1補助線31に至り、再び縦方向に向きを戻す。従って、切取線9は、分断補助線3に沿って縦方向に確実に形成されていき、これにより、筒状ラベル1を縦方向に確実に分断することができる。
上記実施形態に於いて、分断補助線3は、センターシール21を挟んでその両側にそれぞれ形成されていることが好ましいが、図7(a)に示すように、センターシール21の何れか一方側にのみ形成されていてもよい。
また、厚肉状のセンターシール21を分断片として帯状に切り取ることができるので、分断補助線3は、センターシールの近傍に沿って形成することが好ましいが、例えば、図7(b)に示すように、センターシール21の形成されていない領域に、分断補助線3を形成することもできる。
また、上記実施形態では、分断補助線3は、隣接して2本隣接して形成されているが、例えば、図11(a)に示すように、1本の分断補助線3が形成されているものでもよい。また、3本以上の分断補助線3を隣接して形成することも可能である。
例えば、図8に示すように、分断補助線3の切込部6は、筒状フィルム2の厚み方向に貫通する線状開口であって、筒状フィルム2の外面2aに開けられた開口の周長さが筒状フィルム2の内面2bに開けられた開口の周長さよりも短く形成されたものでもよい。かかる分断補助線3によれば、筒状フィルム2の外面2aの開口面積が小さくなるので、外観上も好ましい。
かかる外面2aと内面2bに於ける開口の周長さが異なる切込部6は、図示したような筒状フィルム2の厚み方向に開口面積が次第に拡大するように形成されたものが含まれる。
尚、上記とは逆に、分断補助線3の切込部6は、筒状フィルム2の外面2aに開けられた開口の周長さが筒状フィルム2の内面2bに開けられた開口の周長さよりも長く形成されたものでもよい。
尚、上記とは逆に、非貫通態様の切込部6は、筒状フィルム2の外面2a側から形成された線状の凹みで構成されていてもよい。
分断補助線3の切込部6が、非貫通態様であっても、該切込部6の形成された部分は切れやすくなるので、該分断補助線3に沿って筒状ラベル1を分断できる。
但し、上記外面2aと内面2bに於ける開口の周長さが異なる切込部6の周長さ、及び非貫通状の切込部6の周長さは、切込部6の開口の最も長い部分を指す。
上記実施形態では、切り目5は、切込線51が断続状に形成されたものからなるが、切り目5は、図11(a)に示すように、1本の切込線51によって形成されていてもよい。もっとも、この変形例の場合、切込線51の周長さが相対的に長くなるため、筒状ラベル付き容器の搬送・保管時に、該切り目5から異物が筒状ラベル1の内側に入り込んだり、切り目5から不用意に筒状ラベル1が破断する虞がある。この点考慮すると、切り目5は、上記実施形態のように、切込線51が断続状に形成されたものが好ましい。
また、切り目5は、周方向に平行に形成されている構成に限られず、例えば、図11(b)に示すように、周方向に対して斜め(傾斜状)に形成されていてもよい。また、切り目5は、正面視直線状に限られず、例えば、正面視円弧状や波形状などに形成されていてもよい。
さらに、切り目5は、必ずしもセンターシール21を横断して形成されているものに限られず、例えば、図7(b)に示すように、筒状フィルム2のセンターシール21の形成されていない領域に切り目5を形成してもよい。
Claims (2)
- 基材を筒状にしてその両側端部を重ね合わせて接着したセンターシールが形成された、熱収縮性を有する筒状フィルムの前記センターシールの両側に、縦方向に断続的に形成された切込部からなる分断補助線がそれぞれ設けられており、
前記筒状フィルムの一面に、前記センターシールを横断して周方向に伸びる分断起点用の切り目が形成され、前記切り目の少なくとも両端部に於けるフィルム部分が、厚肉状に形成されており、
切り目の一方端がセンターシールの一方側に設けられた分断補助線の切込部の近傍に位置し且つ切り目の他方端がセンターシールの他方側に設けられた分断補助線の切込部の近傍に位置していることを特徴とする熱収縮性筒状ラベル。 - 前記切り目が、フィルムを溶断することにより形成されている請求項1記載の熱収縮性筒状ラベル。
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