JP4826285B2 - 作業車両における変速操作装置 - Google Patents

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Description

この発明は、農業、建築、運搬用の作業車両に関し、特に無段式変速装置を備え、車体の前後進を切り替える所謂シャトル操作式の前後進切替レバーと車速を調整する変速レバーを有する作業車両の変速操作装置に関する。
従来、農業用トラクタには、ギヤ式の前後進切替機構とギヤ式変速装置を備え、ハンドル下方に備える所謂シャトル操作式の前後進切替レバーにて前記前後進切替機構を操作し、操縦席側方に備える変速レバーにて変速装置を操作する構成が知られている。また前記トラクタには、変速装置をHSTにて構成し、単一のレバー(変速レバー)にて車両の前後進と変速を操作する構成も知られている。
前記のようにギヤ式変速装置を備え、前後進切替レバーと変速レバーにて車両を操作するトラクタでは、主に前後進を繰り返す高負荷作業、例えばローダ作業等に利用され、一方HSTを備えたトラクタでは、主に細かな車速調整が要望される芝刈作業などに利用される。
特開2003−134903号
そして、トラクタのユーザは、主たる作業に応じて、前記HSTを備え、単一のレバーにて車体を操作する仕様か、若しくはギヤ式変速装置を備え、前後進切替レバーと変速レバーにて車体を操作する仕様を選択するものであるので、主たる作業以外の作業、例えばギヤ式変速装置を備えたトラクタで芝刈作業を行う場合は、細かな車速調整ができず操作性が悪く、またHSTを備えたトラクタでは、前後進を繰り返すローダ作業や圃場内での牽引作業で、前後進を切り替える毎に変速位置を調整する必要が生じて前記同様、操作性を損なうものであった。またこれら変速装置を、スイッチやモータといった電気または油圧機器にて構成すると、生産コストが高くつくという課題が想定される。
この発明は上記課題を鑑みて、作業車両の変速操作装置を以下のように構成した。
即ち、請求項1の発明では、エンジン(E)の回転動力を走行装置(1F,1R)へ伝達する無段変速装置(3)と、該無段変速装置(3)と、該無段変速装置(3)の出力回転速度を変速操作する変速レバー(6)と、前後進切替レバー(5)の切換操作に基づいて前記変速レバー(6)の同一操作方向に対する無段変速装置(3)の出力回転方向を正転方向と逆転方向に切り替えることのできる連動機構(L)を設ける作業車両における変速操作装置であって、連動機構(L)は、第1係止溝(55b)とこの係止溝(55b)に係合する第1係合ピン(53p)と第2係止溝(55a)とこの係止溝(55a)に係合する第2係合ピン(54p)とを備える回転台(55)、該回転台(55)を縦軸(X)回りに回動可能に支持しかつ該回転台(55)を横方向に往復移動可能に支持する回転台支持筒(65)、及び、回転台(55)の往復移動に伴う前記第2係合ピン(54p)の変位を前記トラニオン軸(7)に伝達するトラニオン軸連動機構(54b,54,54a,56,7a)を備え、前記回転台支持筒(65)は前記変速レバー(6)の操作に連動して往復移動すべく構成し、前記第1係合ピン(53p)を前後進切替レバー(5)の操作に連動して揺動させることにより回転台(55)を前記縦軸(X)回りに回動させてトラニオン軸(7)の回動可能範囲を前進域(F)から後進域(R)に、又は後進域(R)から前進域(F)に切替えるよう構成した作業車両における変速操作装置とした。
以上のように構成した請求項1の発明では、前後進切替レバー(5)を操作すると、変速レバー(6)の同一操作方向に対する無段変速装置(3)の出力回転方向は正転方向または逆転方向に切り替わる。
従って進行方向を所定に設定の出力回転にて逆転移動できる。
また、連動機構(L)は、第1係止溝(55b)とこの係止溝(55b)に係合する第1係合ピン(53p)第2係止溝(55a)とこの係止溝(55a)に係合する第2係合ピン(54p)とを備える回転台(55)、該回転台(55)を縦軸(X)回りに回動可能に支持しかつ該回転台(55)を横方向に往復移動可能に支持する回転台支持筒(65)、及び、回転台(55)の往復移動に伴う前記第2係合ピン(54p)の変位を前記トラニオン軸(7)に伝達するトラニオン軸連動機構(54b,54,54a,56,7a)を備え、前記回転台支持筒(65)は前記変速レバー(6)の操作に連動して往復移動すべく構成し、前記第1係合ピン(53p)を前後進切替レバー(5)の操作に連動して揺動させることにより回転台(55)を前記縦軸(X)回りに回動させてトラニオン軸(7)の回動可能範囲を前進域(F)から後進域(R)に、又は後進域(R)から前進域(F)に切替えるよう構成した。
上記のように構成すると、前後進切替レバー(5)を所定に操作し、第1係合ピン(53p)を介して回転台(55)が縦軸(X)回りに回動してトラニオン軸(7)を前進域にて回動するか後進域にて回転するか設定される。この状態から変速レバー(6)を操作すると、回転台支持筒(65)を介して回転台(55)を連動し、第2係止溝(55a)に係合する第2係合ピン(54p)が変位する。この変位をトラニオン軸連動機構(54b,54,54a,56,7a)を介してトラニオン軸(7)に伝達し、増減速する。また、この状態から前記前後進切替レバー(5)を操作すると、第1係合ピン(53p)によって回転台(55)を縦軸(X)回りに回転させ、変速レバー(6)操作を維持した状態でトラニオン軸(7)を前進域(F)と後進域(R)とに相互に切り替える。
請求項1に記載の発明では、細かな車速調整が必要な作業においては、変速レバー(6)にて車速を無段階に調整することができ、また前後進を繰り返す作業では、ギヤ式変速装置を有する車両と同様に、前後進切替レバー(5)にて前後進の切り替え操作ができるので、両形態の作業共に操作性が良い。またこれら連動機構(L)を機械的に構成すると、センサやアクチュエータなど電気、油圧機器にて構成することと比較して安価に構成することができる。
以下、図面に基づいて、この発明を農業用トラクタに搭載した形態について説明する。
最初にトラクタTの全体構成について説明する。
トラクタTは、図1〜図4に示すように、車体前部のボンネット11内にエンジンEを設け、同エンジンEの回転動力を、伝動ケース12(前方からクラッチハウジング12A、スペーサケース12B、ミッションケース12C)内の伝動機構を介して走行装置となる左右前輪2,2と左右後輪3,3へ伝達する構成としている。また、前記ミッションケース12Cの後上部には、作業機昇降用油圧シリンダ13を内装するシリンダケース15を設け、このシリンダケース15の左右両側にリフトアーム14,14を回動自在に枢着し、前記シリンダ13のピストン伸縮操作により前記リフトアーム14,14を上下に回動操作する構成となっている。また前記ミッションケース12Cの後部には、トップリンクと左右ロワリンクとから成る三点リンク機構を設け、同リンク機構に各種作業機を連結する構成となっている。
また前記エンジンEの後方には、ハンドルコラム17を立設し、同コラム17にステアリングハンドル19を突設支持すると共に、コラム側部に車体の進行方向を前後に切り替える所謂シャトル操作式の前後進切替レバー5を突設し、レバーガイドに沿わせて前後移動できる構成となっている。また前記前後進切替レバー5は、レバーガイドの係止溝にて「前進」と「中立」と「後進」の三つの操作位置に位置決めする構成となっている。
また前記ハンドル19下方のフロア20上には、左右ブレーキペダル21L,21Rやクラッチペダル22、更にはアクセルペダルを備える構成となっている。
また前記ハンドル19の後方には操縦席2を設け、この操縦席2側方のフェンダー23上に、図9に示すように、前記リフトアーム14を上下回動操作するポジションレバー18と無段変速装置(以下、HST)3の出力回転数を調整する変速レバー6、更には副変速装置の変速位置を切り替える副変速レバー27を設けている。
次に図4に基づいてトラクタTの動力伝達構成について説明する。
前記エンジンEから出力された回転動力は、前記クラッチペダル22の踏み込み操作にて入り切りされる主クラッチ30を介し、伝動軸を介して無段式変速装置となる前記HST3のポンプ入力軸31へ伝達される。そしてHSTポンプ3pへ入力された回転は、後述するトラニオン軸7の操作角度に応じてHSTモータ3mのモータ出力軸32から出力される。
尚、前記HST3は、図5に示すように、HSTポンプ3pのトラニオン軸7を車体左右中央位置で上向きに突設した状態で配置し、同ポンプ3pの左右一側にHSTモータ3mを備える構成となっている。
また前記モータ出力軸32から出力された回転動力は、L,M,Hの三段変速可能なコンスタントメッシュギヤ式副変速装置33へ伝達され、同変速装置で変速された回転を、後輪デフ機構34を介して左右後輪1R,1Rへ伝達し、また前記前輪増側機構35及び前輪デフ機構36を介して左右前輪1F,1Fへ伝達する構成となっている。
また前記エンジンEの回転動力は、PTO系正逆切替機構及びPTO変速装置を介して前記ミッションケース12Cの背面に突設したPTO軸38へ伝達する構成となっている。
尚、図中の符号39は、前記ブレーキペダル21L(21R)の踏み込み操作、若しくは油圧シリンダのピストン伸縮操作で制動する左右後輪ブレーキを示す。
次に図6に基づいてトラクタの油圧回路構成について説明する。
トラクタTは、第一及び第二の油圧ポンプP1,P2を設け、夫々のポンプは、前記伝動ケース3内に充填した作動油兼潤滑油を吸い上げて、各油圧アクチュエータへ送り込む構成となっている。前記第一ポンプP1は、回路上手側でパワーステアリング用油路L19に圧油を送り込み、この余剰油をHST3の閉回路L3内にチャージ油として送り込む構成となっている。また前記第二ポンプP2は、切替制御弁39を介して前記作業機昇降用油圧シリンダ13へ圧油を送り込む構成となっている。
尚、図中、符号7はHSTポンプ3pの斜板を操作するトラニオン軸を示し、中立位置から正・逆転、即ち車両を前進側または後進側に連動操作されるようになっており、該中立位置Nを挟んで前進域Fと後進域Rとに渡って操作され、中立位置Nからの回転角度が増すほど出力回転数が小から大に変更されるようになっている。図中符号40はオイルクーラ、41はフィルターを示す。
次に、この発明の要部となる前記HST3の変速操作装置の構成について説明する。
この変速操作装置は、前記前後進切替レバー5と変速レバー6と、前記スペーサケース12B内に備えたレバー連動機構(連動機構)L等から構成されている。
詳しくは、図7に示すように、前記前後進切替レバー5の基部は、前記ハンドルコラム17内の連動軸50を介してクラッチハウジング12A上面の連動アーム51に連動連結され、同アーム51とスペーサケース12B上面に突出した前後進入力アーム52とを長さ調整具となる伸縮調整ロッド53Aを介して連結する構成となっている。これにより、連動軸50回りの回動操作力が連動アーム51,伸縮調整ロッド53A,入力アーム52を経て前後進入力軸53に伝達され、該前後進入力軸53を正逆に回動しうる構成である。なお、伸縮調整ロッド53Aの長さ調整によって前後進入力アーム52の回動位置を調整し、後述するHST3のトラニオン軸7の中立位置を調整することができる。
また前記前後進入力アーム52は、図8に示すように、スペーサケース12B内に貫通させ、且つ上下方向に配す前後進入力軸53に取り付けられ、この前後進入力軸53は、軸下部に二本のアーム片(以下、上連動アーム54aと下連動アーム54b)を有する筒軸54に回転自在に挿通支持されるもので、同軸下端部にアーム片(以下、前後進切替アーム53a)を固設する構成となっている。
また前記前後進切替アーム53aの先端部には、下方へ突設する第1係合ピン53pを設けると共に、前記筒軸54の下連動アーム54bの先端部にも、下方へ突設する第2係合ピン54pを設ける。両ピン53p,54pを前記前後進入力軸53の下方に配置した回転台55の長穴状第1係止溝55a、及び第2係止溝55bに係止する構成となっている。
そして前記回転台55は前後進入力軸53に平行の縦軸Xを備えて該入力軸53近傍に配置され、第1係合ピン53pの揺動に伴い、回転台55を中立位置を挟んで前進側連動姿勢(a)と後進側連動姿勢(b)に姿勢変更する構成としている。即ち、第1係合ピン53pは回転台55の第1係止溝55bに係合しているため、第1係合ピン53pの揺動運動は回転台55を縦軸Xまわりに回動して、上記前進側または後進側連動姿勢(a)(b)に切り替わるようになっている(図9(B))。
また前記上連動アーム54aは、連動プレート56を介して前記トラニオン軸7と一体のトラニオン軸操作アーム7aへ回動自在に連結する構成となっていて、下連動アーム54b,筒軸54,上連動アーム54a,連動プレート56及びトラニオン軸操作アーム7aをもってトラニオン軸連動機構を構成する。
一方、前記変速レバー6の基部は、前記フェンダー23内側の連動軸を介して変速入力軸63に連結する構成となっている。この変速入力軸63には、軸先端部にシフターアーム63aを固設し、同アーム63aを回転台支持筒65に係合させて前記回転台55を前後に移動可能に設けている。即ち、回転台支持筒65は前後方向に軸心を配する支持軸64に沿って前後にスライド自在に支持される構成となっている。
上記の回転台支持筒65のスライド移動は、回転台55を直線的に前後移動するものであり、例えば、前記前進側連動姿勢(a)で回転台55が前側に移動すると、前記長孔状係止溝55aが平行移動してこれに嵌合する第2係合ピン54pが摺動して移動するが、係止溝55aの方向性に規制された動きとなるため第2係合ピン54pの動きは、例えば図10(A)においてシフターアーム63aがSminからSmax側に向けた動きを採ると、図10中(E)の実線から仮想線に示すように縦軸X回りに時計方向に変位し、これに伴い、上連動アーム54bを図10(C)中時計回りに連動させることにより、連動プレート56を押してトラニオン軸7を中立位置Nから前進域Fの範囲を揺動させる。逆にシフターアーム63aがSmaxからSminに向けて移動するとトラニオン軸7は前進域Fの範囲で中立位置Nを限界としてこの位置まで戻される構成である。
また、前記回転台55が後進側連動姿勢(b)にあってシフターアーム63aがSminからSmax側に向けた動きを採ると、図11(E)のように第2係合ピン54pは反時計方向に変位し、これに連動して上連動アーム54bを図11(C)中反時計回りとさせることにより、連動プレート56を引いてトラニオン軸操作アーム7aを中立位置Nから後進域Rの範囲を揺動させる。逆にシフターアーム63aがSmaxからSminに向けて移動するとトラニオン軸7は後進域Rの範囲で中立位置Nを限界としてこの位置まで戻される構成である。
上記のように、回転台支持筒65のスライド移動は、前記変速レバー6の前後揺動運動に連動するシフターアーム63aの支点周りの揺動運動による。また、スライド移動が第2係合ピン54pを連動し、トラニオン軸7を前進域Fまたは後進域Rの範囲で回転させるが、変速レバー6の前後揺動量に比例するトラニオン軸7回転量となるよう、本実施例では、前記シフターアーム63aの支点周りの回転範囲を前後振り分け配置位置(角度αの範囲で回動する)よりやや前側に位相をずらせた位置(角度βの範囲で回動する)に設定している(図13)。その結果、図14実線に示すように、変速レバー6の操作量に対してトラニオン軸7の回転量が略比例的に推移する。このため、変速レバー6の中立位置に近い側から遠ざかる側にかけて略比例的に速度が変更できるものとなって操作感覚を良好となす。即ち、変速レバー(6)の操作量と出力回転数の増減量が比例するため、僅かな操作量で急に車速が変動したり、大きく揺動操作しても車速がさほどに変化しないなど操作上の違和感をなくし得て、操作感覚を良好とする。
なお、図14の点線で示すように、上記前後振り分け配置では急に速度が増して危険である。
また、上記角度α(の範囲で回動)と角度β(の範囲で回動)とのずれ量はシフターアーム63aの有効長、支点周りの回動量、その後の連動機構のリンク比等に影響されるものであるが、上記のようにシフターアーム63aの変速入力軸63に対する円周方向の取付位置の調整設定によってトラニオン軸7回転量の動きを調整することで、変速レバー6の操作と前後進切替レバー5の操作とを融合させる回転台55の動きを直接制御でき、当該調整も容易に行なうことができる。調整の具体的構成は、変速操作入力軸63とシフターアーム63aとをセレーション嵌合することで変速操作入力軸63の外周所定の位置にシフターアーム63aを固定することができる。セレーション嵌合のほか、止めボルトで押し付け固定する構成でもよい。
なお、ミッションケースに対して変速操作入力軸63を支持する支持メタル63bをボルトによって締結する構成である。
尚、図8中符号66は、前記支持軸64に備える部材をスペーサケース12Bのコーナ部に取り付ける取付ブラケットを示す。
さらに変速入力軸63に記載した一点鎖線Sminは、前記変速レバー6を最低速位置に設定した時のシフターアーム63aの位置を示し、一点鎖線Smaxは変速レバー6を最高速位置に設定した時のシフターアーム63aの位置を示す。
以上のように構成したレバー連動機構Lは、前記前後進切替レバー5を「前進」位置、「中立」位置、「後進」位置に回動保持することで、前後進入力軸53及び前後進切替アーム53aを回動させ、同アーム53aに備えた第1係合ピン53pの位置を前記「前進」位置、「中立」位置、「後進」位置に対応する位置にそれぞれ位置決めする。これにより、前記回転台55の角度、詳しくは前進、後進、中立位置での初期位置が設定される。即ち、前記トラニオン軸7に対する位置を変更する。そして前記夫々の初期位置で、前記変速レバー6を前後に操作すると、変速入力軸63及びシフターアーム63aを回転させ、回転台支持筒65を支持軸64上をスライド移動させる。これにより、係合するピン54p及び筒軸54が回転し、更に上連動アーム54a、連動プレート56、トラニオン軸操作アーム7aの連動を介して前記トラニオン軸7の回動位置が変更される。よって、HSTモータ3mから出力される回転動力が変速され、車速が変速される。
各状態の作用を具体的に説明する。
図12は、前後進切替レバー5を「中立」位置に設定し、変速レバー6を「最低速」位置に設定したレバー連動機構Lを示す。この場合、平面視で前記回転台55と支持軸64が略平行状態であり、前記前後進入力軸53及び同軸53と一体のピン53pと筒軸54のピン54pが略一直線上に配置される為、変速レバー6を高速若しくは低速側へ回動操作しても、前記回転台55の係止溝55a内を両ピン53p,54pが摩擦抵抗無く移動するだけであり、下連動アーム54bは回動角を維持する。よって、変速レバー6の操作をトラニオン軸7へ伝達しない構成、即ち変速操作を無効とする。
また図10は、前後進切替レバー5を「前進」位置に設定し、変速レバー6を「最低速」位置に設定した状態を示す。この場合、前記前後進切替アーム53aの前記第1係合ピン53pは、支持軸64に対し平面視(図10中(C))で、前記「中立」位置に設定した場合よりも、離れた位置に設定される。そして、前記変速レバー6を高速側へ回動操作すると、前記変速入力軸63の回動と共に回転台55が支持軸64上を前方へスライド操作され、前記ピン53pが回転台55の係止溝55a内で摩擦摺動することで、前記ピン54p及びこれと一体の筒軸54が回転し、上連動アーム54a、連結プレート56、トラニオン軸取付アーム7aの動きを介してトラニオン軸7を前進操作域で回動する。よって、車両を前進域で変速する。
また図11は、前後進切替レバー5を「後進」位置に設定し、変速レバー6を「最低速」位置に設定した状態を示す。この場合、前記前後進切替アーム53aの前記第1係合ピン53pは、支持軸64に対し平面視(図11中(c))で、前記「中立」位置に設定した場合よりも、接近した位置に設定される。そして、前記変速レバー6を高速側へ回動操作すると、前記変速入力軸63の回動と共に回転台55が支持軸64上を前方へスライド操作され、前記ピン53pが回転台55の係止溝55a内で摩擦摺動することで、前記ピン54p及びこれと一体の筒軸54が回転し、上連動アーム54a、連結プレート56、トラニオン軸取付アーム7aの動きを介してトラニオン軸7を後進操作域で回動する。よって、車両を後進域で変速する。
また、前記図10(E)の仮想線の状態、即ち前進域Fの所定速に選択した状態から、前後進切替レバー5を後進側に操作すると、第1係合ピン53pは第1係止溝55bを介して回転台55を後進側連動姿勢(b)に切替える。このとき回転台支持筒65は移動せず、縦軸Xを維持した状態で図9(B)の実線状態から仮想線に示す状態に回転台55は回転できる。従って、第2係合ピン54pは図9(B)の実線位置から仮想線に示す状態に大きく変位し、トラニオン軸(7)を前進域(F)から中立位置を越えて後進域(R)の所定速まで迅速に移行する。オペレータは前後進切替レバー5を切替するだけで変速レバー6操作を必要としないため前進、後進の反復を頻繁に行うローダ作業に適している。
そして、前後進切替レバー5の切換操作に基づいて出力回転方向を正転方向と逆転方向に切り替えられるが、速度を変更するときは、出力回転方向が正転方向か逆転方向かに関係なく前記変速レバー6を後方に操作すると減速し、前方に操作すると増速することができる。
また前記レバー連動機構Lでは、前記前後進切替アーム53aを前記支持軸64に対し若干角度を持たせ、前後進切替レバー5を「中立」操作時、ピン53pが「前進」位置に変位させることで、前後進切替レバー5を「後進」位置に設定した場合は、「前進」位置に設定した場合よりも、変速範囲が狭く、且つ高車速とならないように設定している。
以上のように構成したHSTの変速操作装置は、細かな車速調整が必要な作業においては、従来通り、変速レバー6にて車速を無段階に調整することができ、また前後進を繰り返す作業では、ギヤ式変速装置を有する車両と同様に、前後進切替レバー5にて前後進の切り替え操作ができるので、両形態の作業共に操作性が良い。またこれら連動機構を機械的連動機構にて構成したので、同操作装置をセンサやアクチュエータなど電気、油圧機器にて構成することと比較して安価に構成することができる。
また前記レバー連動機構Lでは、前後進切替レバー5を「前進」位置、若しくは「後進」位置に操作し、クラッチを接続すると同時に、車両が発進する構成となっているので、例えば変速レバー6を別途操作しないと発進しない構成と比較して、操作位置を間違え難くまた作業を迅速に開始することができる。
次に図15他に基づいて、前記レバー連動機構Lの取り付け構成について説明する。
前記ブラケット66は、前部と後部に取付穴66f,66rを備え、この取付穴66f,66rを前記スペーサケース12B内コーナ部の壁面にボルトにて取り付ける構成となっている。またケース12B内には、ラインXの位置の高さまで潤滑油兼HSTの作動油を充填する構成となっている。
これにより、前記レバー連動機構Lの一部、詳しくは、回転台33の高さまで潤滑油に浸かる為、磨耗による作動不良を防止することができる。また同レバー連動機構は、詳しくは前後進入力軸53と変速入力軸63以下の伝動下手側の部材は、異物との接触や腐食による作動不良を防止することができる。
回転台支持筒65のスライド移動は回転台支持筒65を前後方向の支持軸64に支持されることで可能となるが、図16の実施例では、この支持軸64を左右一対に設けてなり、回転台支持筒65の支持を安定よく行なうことができる。
シフターアーム63aの操作回動入力軸63に対する取付角度を異ならせて構成することにより、変速レバー6の回動操作量に対するトラニオン軸7の回転量を所定に設定できるものであるが、この支点位置の設定を前記支持メタル63bの着脱により、ミッションケースの外部から調節設定可能に構成することにより、変速レバー6操作感覚とトラニオン軸7の回転量とを調節設定でき、オペレータの好みの操作感覚を得ることができる。例えば、低速走行時には変速レバー6の小さい揺動操作量xで所定角θのトラニオン軸7回転を得るようになし、一方高速走行時には変速レバー6の大きい揺動操作量y(>x)で所定角θのトラニオン軸7回転を得るように設定すると、高速での変速レバー6揺動操作は大きくても変速増大量は小さくなるため速度の急増大を防止して安全である(図14中一点鎖線)。また、逆に熟練度の高いオペレータで、変速レバー6を高速位置において走行させる機会が多いときは、低速走行時には変速レバー6の大きい揺動操作量yで所定角θのトラニオン軸7回転を得るようになし、一方高速走行時には変速レバー6の小さい揺動操作量x(<y)で所定角θのトラニオン軸7回転を得るように設定する。高速操作側を敏感に設定することで感度の良い操作感覚を得ることができる(同図中二点鎖線)。
図16(D)は、連動プレート56とトラニオン軸操作アーム7aとの連結構成の改良に係り、操作アーム7a側から突設するピン部材7bを連動プレート56側において該プレート56の長手方向に形成する長孔56aに嵌合させて両者を連動させるよう構成している。このように構成することによって、連動プレート56の連繋機構に撓みやがたを生じていてもこれを吸収でき、トラニオン軸操作アーム7aに作用させる中立復帰機構7c(ばね、ボール等)に追随した中立位置を確保でき、不測に車体が動く恐れがない。
図17は、燃料給油タンク置き台の改良に関する。車体のフレーム部側面に横フレーム70aと縦フレーム70bとからなる支持フレーム70を着脱自在に固定し、該支持フレーム70の上部には、支点ピン71を水平姿勢に取り付けており、この支点ピン71に平面視矩形に形成した置き台72を該支点ピン71周りに上下に回動自在に取り付ける。そして、置き台72側に支持フック73を枢着し、先端部に形成する凹部73aを縦フレーム70b側に固定した支持ピン74に係脱可能に設けている。図 のように支持ピン74に支持フック73を係合させると置き台72は水平姿勢に保持でき、給油タンク75を載せて給油作業を行う。収納するときは、支持フック73を外し、該フック73を置き台72の適宜の内壁に沿わせる収納状態とする。なお符号76はこのフック73を収納状態に保持するマグネットである。また、前記支持フレーム70はミラー77の支持枠として利用できる。
トラクタの全体側面図。 各ミッションケースの側面図。 フェンダー上の各レバーの配置を示す平面図。 トラクタの伝動機構線図。 ミッションケースの正面図。 油圧回路図。 ミッションケースの平面図。 前後進を中立位置、変速位置を最低速位置としたレバー連動機構の斜視図。 (A)前後進を後進位置、変速位置を最高速位置としたレバー連動機構の斜視図。(B)同じく平断面図。 (A)前後進を前進位置、変速位置を最低速位置としたレバー連動機構の側面図。(B)同じくレバー連動機構の正面図。(C)同じくレバー連動機構の平面図。(D)同じくレバー連動機構の斜視図。(E)同じくレバー連動機構の平断面図。 (A)前後進を後進位置、変速位置を最低速位置としたレバー連動機構の側面図。(B)同じくレバー連動機構の正面図。(C)同じくレバー連動機構の平面図。(D)同じくレバー連動機構の斜視図。(E)同じくレバー連動機構の平断面図。 (A)前後進を中立位置、変速位置を最低速位置としたレバー連動機構の側面図。(B)前後進を中立位置、変速位置を最低速位置としたレバー連動機構の正面図。(C)前後進を中立位置、変速位置を最低速位置としたレバー連動機構の平面図。 連動機構一部側面図。 操作回動入力軸角度−トラニオン軸角度関係グラフ。 レバー連動機構の取付状態を示すミッションケースを破断した斜視図。 (A)一部異なる連動機構を示す正面図、(B)側面図、(C)平面図、(D)一部拡大平面図。 (A)燃料タンク置き台一例を示す正面図、(B)側面図、(C)平面図、(D)収納状態正面図。
E エンジン
L レバー連動機構(連動機構)
T トラクタ
1F 前輪
1R 後輪
3 HST
5 前後進切替レバー
6 変速レバー
7 トラニオン軸
7a トラニオン軸操作アーム(操作アーム)
12 伝動ケース
53p 第1係合ピン
54a 前後進切替アーム(連動アーム)
54p 第2係合ピン
55 回転台
63 操作回動入力軸
63a シフターアーム

Claims (1)

  1. エンジン(E)の回転動力を走行装置(1F,1R)へ伝達する無段変速装置(3)と、該無段変速装置(3)と、該無段変速装置(3)の出力回転速度を変速操作する変速レバー(6)と、前後進切替レバー(5)の切換操作に基づいて前記変速レバー(6)の同一操作方向に対する無段変速装置(3)の出力回転方向を正転方向と逆転方向に切り替えることのできる連動機構(L)を設ける作業車両における変速操作装置であって、連動機構(L)は、第1係止溝(55b)とこの係止溝(55b)に係合する第1係合ピン(53p)と第2係止溝(55a)とこの係止溝(55a)に係合する第2係合ピン(54p)とを備える回転台(55)、該回転台(55)を縦軸(X)回りに回動可能に支持しかつ該回転台(55)を横方向に往復移動可能に支持する回転台支持筒(65)、及び、回転台(55)の往復移動に伴う前記第2係合ピン(54p)の変位を前記トラニオン軸(7)に伝達するトラニオン軸連動機構(54b,54,54a,56,7a)を備え、前記回転台支持筒(65)は前記変速レバー(6)の操作に連動して往復移動すべく構成し、前記第1係合ピン(53p)を前後進切替レバー(5)の操作に連動して揺動させることにより回転台(55)を前記縦軸(X)回りに回動させてトラニオン軸(7)の回動可能範囲を前進域(F)から後進域(R)に、又は後進域(R)から前進域(F)に切替えるよう構成した作業車両における変速操作装置。
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