JP4826150B2 - シリコーンモノマーの製造方法 - Google Patents

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本発明はシリコーンモノマーの製造方法に関する。本発明の方法によって得られたシリコーンモノマーを重合して得られたポリマーはコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などの眼用レンズの原料として特に好適に用いられる。
従来、眼用レンズ用モノマーとして、シロキサニル基などのケイ素を含有するモノマーが知られている。
Figure 0004826150
そのようなモノマーの一つとして、上記式(b)又は(b’)で表されるモノマーが知られている(例えば、特許文献1)。一般に化合物の合成においては溶媒を使用するので、純度を高めるためには溶媒を留去する必要がある。この文献に掲げられた方法では、合成中の重合を阻害するため、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン等の重合禁止剤を添加している。反応終了後に溶媒で希釈してアルカリ洗浄を行った後、重合禁止剤と溶媒の除去を行うが、重合禁止剤を除去して溶媒を留去する際に系を減圧しながら加熱するため、モノマーがゲル化もしくは固化することがあるという欠点があった。これは減圧することで空気中に含まれる酸素による重合禁止効果も失われるためであると考えられ、溶媒除去に長時間を要するモノマーの大量合成が困難である。
そのような問題を解決すべく、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の減圧、加熱下においても、禁止効果を発揮する重合禁止剤を添加して、溶媒を留去する事で、濃縮の際のゲル化、固化を防ぐ方法が提案されている(特許文献2)。しかし、該重合禁止剤は除去が比較的難しく、モノマーを重合してポリマーを得ようとする際に重合を阻害したり、ポリマー中に残留してコンタクトレンズとしたときにしみ出しによる不快感を引き起こす可能性が考えられた。
特開昭56−22325号公報 実施例4 特開2004−115790号公報
すなわち、本発明の課題とするところは、シリコーンモノマーを含む溶液から溶媒を除去する際に、該モノマーのゲル化や固化を防ぐと共に、添加した重合禁止剤も簡便に取り除くことができ、モノマーを重合する際の重合の阻害やポリマー品質としても、高い品質のポリマーが得られるシリコーンモノマーの製造方法を提供することにある。
上記の目標を達成するために、本発明は下記の構成を有する。すなわち、
(A)下記一般式(a)および/または(a’)で表されるシリコーンモノマーを含む溶液に、(1)ブチルカテコールを加えて溶液の溶媒の留去を行う工程、(2)その後に吸着剤に接触せしめて前記ブチルカテコールを除去する工程、を有することを特徴とする、シリコーンモノマー組成物の製造方法、
Figure 0004826150
(ここで、Aはシロキサニル基を表す。Rは重合性基を含む炭素数1〜20の有機基を表す。R〜Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20の有機基または−X−Aを表す。Xは炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
(B)一般式(a)および(a’)中のR−COO−部分が、アクリロキシ基またはメタクリロキシ基、R〜Rが水素、−X−A部が3−[メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル]プロポキシメチル基または3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロポキシメチル基で、溶媒を留去して、溶媒含有量が0.1重量%以下となったときのシリコーンモノマーを25℃で測定したときの粘度が25mPa・sec以下であることを特徴とする、上記(A)項記載のシリコーンモノマーの製造方法、
(C)シロキサニル基がトリス(トリメチルシロキシ)シリル基、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル基、ジメチル(トリメチルシロキシ)シリル基からなる群から選ばれた基であることを特徴とする、上記(A)項記載のシリコーンモノマーの製造方法、
(D)前記(2)の工程が、シリコーンモノマーを含む溶液に吸着剤を添加して、ブチルカテコールの除去を行うものである前記(A)項記載のシリコーンモノマーの製造方法、
(E)前記(2)の工程の後に重合禁止剤(ブチルカテコールを除く)を添加する工程を有する前記A項記載のシリコーンモノマーの製造方法、である。
本発明により、溶媒残分を低く抑えて純度を高めると共に、ゲル化や固化分の少ないシリコーンモノマーとして得ることができる。また、本発明によるシリコーンモノマーは重合性も良好であり、また、重合禁止剤などの不純物の含有量も少ないので、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などの眼内レンズ用の原料として好適である。
本発明におけるシリコーンモノマーは、下記一般式(a)および/または(a’)で表される構造を有するものである。
Figure 0004826150
(ここで、Aはシロキサニル基を表す。Rは重合性基を含む炭素数1〜20の有機基を表す。R〜Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20の有機基または−X−Aを表す。Xは炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
は重合性基を有する炭素数1〜20の有機基である。ここで重合性基を含むとは、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有する基を含むことをいう。また、一般式(a)、(a’)に含まれるR−COO−基の例としては、ビニロキシ酢酸基、アリロキシ酢酸基、(メタ)アクリル酸基、クロトン酸基、2−(メタ)アクリロイルプロパン酸基、3−(メタ)アクリロイルブタン酸基、4−ビニル安息香酸基等を挙げることができる。これらのうち、シリコーンモノマー(a)および/または(a’)を合成する際に触媒として用いることができるカルボン酸塩が入手しやすいことから、R−COO−基としては、アクリル酸基または(メタ)アクリル酸基であることが好ましい。
このシリコーンモノマーの純度は80%以上、好ましくは、90%以上である。純度が低ければ、得られたコンタクトレンズ等の物性が安定しない可能性がある。
Xは炭素数1〜20の2価の有機基である。該有機基は炭素や水素以外の元素が含まれていても良い、係るXの例としては、メチレン、プロピレン、2−オキサペンタメチレンなどの脂肪族基、またはフェニレン、メチルフェニレン、ナフタレンなどの芳香族基をいう。
Aはシロキサニル基を表す。本発明においてシロキサニル基とは、少なくとも一つのSi−O−Si結合を有する基を表す。シロキサニル基としては、下記式(s)で表されるものが、原料の入手のしやすさや、合成の容易さの点で好ましく使用される。
Figure 0004826150
[式(s)中、A〜A11はそれぞれが互いに独立に水素、置換されてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる。nは0〜200の整数を表し、a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜20の整数を表す。ただしn=a=b=c=0の場合は除く。]
式(s)中、A〜A11は水素、置換されてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基であるが、アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基等が挙げられ、アリール基としてはナフチル基等が挙げられる。これらの中で、最も好ましいのはメチル基である。
式(s)中、nは0〜200の整数であるが、好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜20である。a、b、cがそれぞれ互いに独立に0〜20の整数であるが、好ましくはa、b、cの組み合わせはa=b=c=1、またはa=b=1かつc=0である。
式(s)で表される置換基の中で、工業的に比較的安価に入手できることから、特に好適なものはトリス(トリメチルシロキシ)シリル基、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル基、ジメチル(トリメチルシロキシ)シリル基、ポリジメチルシロキサン基、ポリメチルシロキサン基、ポリ−コ−メチルシロキサン−ジメチルシロキサン基等で挙げられ、特に好ましいものは、トリス(トリメチルシロキシ)シリル基、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル基、ジメチル(トリメチルシロキシ)シリル基である。
〜Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20の有機基または−X−Aを表す。(尚、Xは炭素数1〜20の2価の有機基を表し、Aは既に説明したとおりである)
本発明に係るシリコーンモノマーの合成方法としては、先述の特開昭56−22325号公報等を参考に、例えば原料となるエポキシシランに(メタ)アクリル酸を反応させて合成することができ、合成反応終了後に溶媒で希釈してアルカリ洗浄を行って得ることができる。
本発明の本旨とするところは、こうしてアルカリ洗浄したモノマー溶液から溶媒を除去するにあたり、前記公知文献で挙げられたようなハイドロキノンやメトキシハイドロキノンなどの重合禁止剤ではなく、重合禁止剤であるブチルカテコールを添加して行い、後に吸着剤にて、添加した重合禁止剤を吸着させて、取り除くところにある。但し、ハイドロキノンやメトキシハイドロキノンなどの重合禁止剤は本発明の目的を阻害しない範囲においてブチルカテコールと併用できないわけではない。
本発明の製造方法において、シリコーンモノマーを希釈するのに用いられる溶媒は、シリコーンモノマーを溶解し、水と相分離し、かつ減圧にすることで、留去可能な溶媒であれば使用できる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の各種芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の各種脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル、ジエチルエーテル等の各種エーテル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒等である。
本発明においては、前記のシリコーンモノマー溶液に重合禁止剤であるブチルカテコールを添加して溶媒の除去を行うが、その添加量としては10〜10000ppmが好ましい。より好ましくは、50〜500ppmである。10ppm未満であると、十分な重合禁止効果が得られない恐れがあり、10000ppmを超えると量に見合う重合禁止効果が期待できない一方、ブチルカテコールの除去に時間がかかるためである。
本発明においては溶媒の留去に際してブチルカテコールを添加するが、他の重合禁止剤、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル等のごとき低酸素濃度下では十分な禁止効果を発揮しないものは溶媒除去の工程でシリコーンモノマーがゲル化・固化することとなる。一方、ブチルヒドロキシトルエンのような低酸素濃度下でも重合禁止効果を発揮し得るものは、総じて極性が低く、製品となったシリコーンモノマー溶液から取り除くことが困難であり、その後の重合工程に悪影響がでたり、残留した重合禁止剤による影響が懸念される。このため、本発明者らは、本発明の課題を克服するべく、数多くの試行錯誤を繰り返し、鋭意検討した結果、低濃度酸素下でもある程度の重合禁止効果があり、かつ、アルミナ等の吸着剤で除去しうるブチルカテコールを用いることを見出した。また逆に上述の本発明が解決しようとする課題の認識が無ければ数ある重合禁止剤の中からブチルカテコールを選択することに行き着かなかったとも言える。なお、ブチルカテコールとしては、n−ブチルカテコール、iso−ブチルカテコール、tert−ブチルカテコールのいずれであっても構わない。
溶媒を留去する際の温度は、シリコーンモノマー組成物のゲル化、固化を防止するため、60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、10〜40℃が最も好ましいが、これは、60℃を超える温度では、ゲル化・固化の可能性が高くなる。また、低すぎる場合は溶媒の除去に時間がかかり好ましくない。また、減圧下で溶媒の留去を行う場合の減圧度については、100mmHg以下、更に好ましくは20mmHg以下である。100mmHgを超える場合、溶媒の飛びが悪く、溶媒の留去に長時間を必要とする。
本発明のシリコーンモノマーの製造方法においては、溶媒留去して、溶媒の含有量が0.1重量%となったときの、25℃で測定したときの粘度は25mPa・sec以下であることが好ましい。25mPa・secを超えたときは、コンタクトレンズの品位が低下したり、場合によってはコンタクトレンズの製造自体が行えないおそれがある。
シリコーンモノマーの純度を上げるために、得られたシリコーンモノマーは、溶媒を留去する前若しくは後に、蒸留、又は、アルミナやシリカゲルなどのカラム等により、精製してもよい。特に溶媒留去後、カラムで精製した場合は展開溶媒を使用するため、再度溶剤の除去を行う必要があり、その際、精製シリコーンモノマーに含まれる重合禁止剤の含有量が少ないと、ゲル化、固化が発生してしまう。ブチルカテコールはシリカゲルではトラップされず、アルミナにはトラップされるため、カラムで精製する場合は、シリカゲルを用いる方が好ましい。そうすれば、カラム精製後、再度、ブチルカテコールを添加する必要がなく、溶媒除去を行う事が可能である。しかし、アルミナを用いても、後に、ブチルカテコールを添加すれば問題ない。
溶媒を留去した後、シリコーンモノマー溶液から、ブチルカテコールを除去する必要がある。ブチルカテコールが残っていると、モノマーの重合を阻害し、十分な重合率が得られないからである。目的とする重合体がコンタクトレンズの様な医療用具である場合、未反応モノマーが残る等、重合率が不十分であると、製造したコンタクトレンズがべたつく、コンタクトレンズを装用した際の不快感(しみ等)に繋がり、場合によっては、角膜障害などの重大な眼障害等を引き起こすことも考えられる。
本発明においては、吸着剤を用いてブチルカテコールの除去を行うが、吸着剤としては、例えば、アルミナ、活性炭等を挙げることができる。中では、シリコーンモノマーが吸着されにくく、収量が高いのでアルミナを用いることが好ましい。
吸着剤を用いてブチルカテコールを除去する方法としては、カラムに吸着剤を充填して、そのカラムに溶媒を留去した後のシリコーンモノマー溶液を通過させるカラム法や、該シリコーンモノマー溶液に吸着剤を添加し、次いで濾過などにより吸着剤を分離する添加分離法等が挙げられる。中では、処理時間が短くて済み、展開溶媒が不要で、モノマーの吸着ロスの少ない、添加分離法が好ましい。
また、本発明においては、本発明の目的を阻害しない範囲において、ブチルカテコールとその他の低酸素濃度下でも重合禁止効果を発揮し得る重合禁止剤を併用することも可能である。例えば併用する重合禁止剤としてブチルヒドロキシトルエンのような比較的除去が難しいものであれば、その添加量は後にシリコーンモノマーを重合する際に、重合を阻害したり、コンタクトレンズとしたときにしみ出しによる眼への不快感が起こらない量であるべきであり、1000ppm以下とすることが好ましく、より好ましくは500ppm以下である。ブチルヒドロキシトルエンは除去は困難であるが溶媒を留去する際の不純物の生成を抑える効果を有する。なお、ブチルヒドロキシトルエン単独で溶媒の留去時にシリコーンモノマーのゲル化や固化を十分に防止するためには通常1000〜10000ppmを必要とし、こうした量がシリコーンモノマー中に残存した場合は、重合の阻害やコンタクトレンズとしたときにしみ出しによる不快感を引き起こす可能性が考えられる。一方、ブチルカテコールと併用した場合は、少ない添加量でゲル化や固化を十分に防ぐことができ、且つ、不純物の少ない、重合性の良好なシリコーンモノマーを得ることができる。
以上の方法により、溶媒や重合禁止剤の残留が殆ど無く、純度の高いシリコーンモノマーを得ることができるが、運搬・保存の時間など重合までの経過時間の間の安定性(ポットライフ)の安定が望まれる。このような時、本発明の方法においては、さらに通常酸素濃度下では重合禁止能が発現し、低濃度酸素雰囲気下において重合禁止能が無い重合禁止剤を添加することが好ましい。係る重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどが挙げられる。すなわち、本発明に用いるシリコーンモノマーは通常不活性ガス雰囲気下で重合を行うため、係る条件下では該重合禁止剤は作用せず、十分な重合度をもったポリマーとして得ることができる。
本発明のシリコーンモノマーは、他の重合性モノマーと共重合し、コンタクトレンズ、眼用レンズ、人工角膜などの眼用レンズの製造に好適に用いられる。例えば、米国特許第3,408,429号および同第3,496,254号、またはコンタクトレンズ製造のための他の公知の方法によってコンタクトレンズに形成され得る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
(テスト1)
内容積100mLのナスフラスコに、特開昭56−22325号公報記載の方法により合成した下式(c)及び(c’)
Figure 0004826150
で示されるシリコーンモノマーの混合物20gに重合禁止剤としてt−ブチルカテコールを500ppm、ヘキサンを20mlを加えて、オイルバスの温度を60℃に設定したエバポレータ(真空度50mmHg)で溶媒の含有量が0.1重量%以下となるまで溶媒の留去を行った。試料は液状を保っており、ゲル化や固化は認められなかった。
(テスト2)
次いで、溶媒留去後のシリコーンモノマー溶液を、シリカゲル30gを充填したカラムに通過させて、ヘキサン/酢酸エチル=3/1で溶出した後に、シリコーンモノマーを含むフラクションを集め、25℃に設定したロータリーエバポレータ(真空度15mmHg)で、溶媒の含有量が0.1重量%以下となるまで溶媒を留去した。サンプルは液状を保っており、ゲル化していなかった。
(テスト3)
得られた精製シリコーンモノマー5gを、酸化アルミナ0.7gを充填したカラムに通過させて、サンプルを取り出した。シリコーンモノマーの回収率は96%であった。また、該サンプルをガスクロマトグラフィーで定量したが、t−ブチルカテコールは全く検出されなかった。また、該モノマーを用いてポリマーを重合したが、重合性には全く問題はなく、コンタクトレンズとした後もゲル化物や不純物による欠陥は認められなかった。
実施例2
(テスト3’)
実施例1の(テスト1)及び(テスト2)と同様の方法にて得られた精製シリコーンモノマー5gに、酸化アルミナ0.7gを添加し、25℃、3時間攪拌した後に、加圧濾過器にて濾過を行ってサンプルを得た。回収率は95%であった。該サンプルをガスクロマトグラフィーで定量したが、t−ブチルカテコールは検出されなかった。また、該モノマーを用いてポリマーを重合したが、重合性には全く問題は無く、コンタクトレンズとした後もゲル化物や不純物による欠陥は認められなかった。
実施例3
(テスト3”)
実施例1の(テスト1)及び(テスト2)と同様の方法にて得られた精製シリコーンモノマー5gに、活性炭0.5gを添加して、25℃、3時間攪拌した後に、加圧濾過器にて濾過を行ってサンプルを得た。回収率は89%であった。本サンプルをガスクロマトグラフィーで定量したところ、t−ブチルカテコールは検出されなかった。また、該モノマーを用いてポリマーを重合したが、重合性には全く問題はなく、コンタクトレンズとした後もゲル化物や不純物による欠陥は認められなかった。
実施例4
重合禁止剤として、t−ブチルカテコールを500ppm、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを500ppm用いた以外は、実施例1と同様に(テスト1)と(テスト2)の手順を行った。(テスト2)後のサンプルは液状を保っており、ゲル化は認められなかった。次いで、実施例1同様に(テスト3)の手順で処理を行いサンプルを得た。シリコーンモノマーの回収率は95%であった。該サンプルをガスクロマトグラフィーで定量したところ、t−ブチルカテコールは検出されず、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールは470ppmであった。また、該シリコーンモノマーを用いてポリマーを重合したところ重合性には致命的な影響はなく、コンタクトレンズとした後もゲル化や不純物による欠陥は殆ど認められなかった。
実施例5
実施例2において、(テスト1)、(テスト2)、(テスト3’)を経て得られた精製シリコーンモノマーにヒドロキノンモノメチルエーテル100ppmを加えて、25℃、10日間放置しておき、その後、実施例1と同様に重合を行ってポリマーを得た。ポリマーの重合性には全く問題はなく、また、コンタクトレンズとした後も、ゲル化物や不純物による欠陥は認められなかった。
一方、何も加えずに、25℃、10日間放置したものについて、その後、実施例1と同様に重合を行ってポリマーを得たところ、一部にゲル化が認められ、コンタクトレンズの製造ができなかった。
比較例1
重合禁止剤を加えなかった以外は、実施例1と同様の方法で行ったところ、(テスト1)の溶媒の留去の工程でゲル化してしまい、(テスト2)以降の工程に供することは不可能となった。
比較例2
重合禁止剤として、ヒドロキノンモノメチルエーテル1000ppmを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実験を行ったところ、(テスト1)の溶媒留去の工程でゲル化してしまい、(テスト2)以降の工程に供することは不可能となった。
比較例3
重合禁止剤として、ヒドロキノン1000ppmを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実験を行った。(テスト1)及び(テスト2)を経過した段階で、各段階毎のシリコーンモノマーの粘度を、東機産業製E型粘度計VISCO−ELD型を用いて、25℃で測定したところ、(テスト1)を経過した段階では、27mPa・sec、(テスト2)を経過した段階では、43mPa・secと粘度の増大が見られ、ゲル化が進行していることが確認され、コンタクトレンズの製造ができなかった。
実施例1〜4及び比較例1〜3の結果を、表1にまとめて示す。
Figure 0004826150

Claims (4)

  1. 下記一般式(a)および/または(a’)で表されるシリコーンモノマーを含む溶液に、(1)ブチルカテコールを加えて溶媒の留去を行う工程、(2)その後に吸着剤に接触せしめて前記ブチルカテコールを除去する工程、(3)前記(2)の工程の後に、重合禁止剤(ヒドロキノンまたはメトキシハイドロキノン)を添加する工程を有することを特徴とするシリコーンモノマーの製造方法。
    Figure 0004826150
    (ここで、Aはシロキサニル基を表す。Rは重合性基を含む炭素数1〜20の有機基を表す。R〜Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20の有機基または−X−Aを表す。Xは炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
  2. 一般式(a)および(a’)に含まれるR−COO−部が、アクリロキシ基またはメタクリロキシ基、R〜Rが水素、−X−A部が3−[メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル]プロポキシメチル基または3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロポキシメチル基であって、溶媒を留去して、溶媒含有量が0.1重量%以下となったときのシリコーンモノマーを25℃で測定したときの粘度が25mPa・sec以下であることを特徴とする請求項1記載のシリコーンモノマーの製造方法。
  3. シロキサニル基がトリス(トリメチルシロキシ)シリル基、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル基、ジメチル(トリメチルシロキシ)シリル基からなる群から選ばれた基であることを特徴とする請求項1記載のシリコーンモノマーの製造方法。
  4. 前記(2)の工程が、シリコーンモノマーを含む溶液に吸着剤を添加して、ブチルカテコールの除去を行うものである請求項1記載のシリコーンモノマー組成物の製造方法。
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