JP2014153472A - 酸素透過含水性コンタクトレンズおよびそのための組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】共重合反応の際に重合体の強度を低下させるような有機溶媒の使用を回避でき、かつ、共重合反応後に重合体の表面を改質することを回避できる、酸素透過含水性コンタクトレンズに適した組成物を提供する。
【解決手段】(i)一般式(I)

(R1はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基、R2は四員環〜八員環の環状炭化水素基、R3は親水性基、または1もしくは複数個の親水性基により置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−4アルキル基、R4はケイ素含有基、eは1または2)で示されるモノマー、(ii)親水性モノマー、および(iii)ケイ素含有モノマーを含む、酸素透過含水性コンタクトレンズ用硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、組成物および該組成物から製造される酸素透過含水性コンタクトレンズに関する。より詳細には、本発明は、ケイ素含有部分、少なくとも1つの親水性基、環状炭化水素基およびアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を分子内に有するモノマー;親水性モノマー;およびケイ素含有モノマーを含む酸素透過含水性コンタクトレンズ用組成物ならびに該組成物から得られる酸素透過含水性コンタクトレンズに関する。
コンタクトレンズは、ハードコンタクトレンズ(以下、「HCL」という)とソフトコンタクトレンズ(以下、「SCL」という)とに大別される。HCLは装用感に劣るものの、優れた酸素透過性を有する。一方SCLは、柔軟性が高く装用感に優れるものの、酸素透過性が低いことから、長時間装用することで角膜が酸素欠乏状態になるという問題がある。
そこで近年、SCLにおいても眼に対する安全性を考慮し、酸素透過性の高いシリコーン系の素材を構成成分に有するシリコーンハイドロゲルレンズ(以下、「SHGCL」という)が開発された。SHGCLは親水性モノマーと疎水性シリコーン含有モノマーとを混合した後、これらを共重合することによって得られる。しかし、これらのモノマーは相溶性が低いことから、均一な溶液を調整することが困難であり、さらには形成されるSHGCLに透明性を付与することは困難であった。
そこで、アルコール類やケトン類などの有機溶媒を両親媒性物質として介在させることによって、親水性モノマーおよびシリコーン含有モノマーの相溶性を高める方法が開示されている(特許文献1)。
また、重合性シリコーン化合物にヒドロキシル基を導入することによって、親水性モノマーおよびシリコーン含有モノマーの相溶性を向上させる方法が開示されている(特許文献2)。
さらに、重合性シリコーン化合物および親水性モノマーの相溶化剤として、ビニルモノマーを用いる方法が開示されている(特許文献3)。
特開平11−228644号公報 特表2005−518826号公報 特開2009−14977号公報
特許文献1において開示されている手法によって調整される溶液は透明であることから、該溶液を重合することで透明な重合体が得られる。しかし、有機溶媒を相溶化剤とする場合、重合時の連鎖移動により重合率が低下することから、得られる重合体の強度は低下するという問題がある。したがって、引用文献1において開示されている方法を利用して得られる重合体をコンタクトレンズとして使用する場合、該重合体の強度を改善する必要がある。
特許文献2は、分子中にヒドロキシル基を有する重合性シリコーン化合物を構成成分として配合することから、シリコーン含有モノマーと親水性モノマーとの間の相溶性は改善されており、透明な混合溶液および重合体が得られる。しかし、該重合体の表面にはシリコーン部位が配向することから、重合体表面の濡れ性が低下するという問題がある。
特許文献3において開示された手法は、相溶化剤として共重合性の化合物を使用していることから、得られる重合体の重合度および強度は優れている。しかし、ビニル化合物を含有するポリマーのガラス転移温度が低く、得られる重合体の表面は粘着性が生じやすくなり、かつ、撥水性が高いという問題がある。
したがって、引用文献2および3において開示されている方法を利用して得られる重合体は、その表面の撥水性が強く、疎水性相互作用により涙液中の脂質が付着し易くなるという問題があることから、コンタクトレンズとして適していない。そこで、このような重合体をコンタクトレンズとして使用するためには、重合体の表面を親水性に改質する処理が必要である。しかしながら、重合体の表面を改質する作業は煩雑であり、さらに重合体自体が劣化する可能性があるという問題を有している。
そこで本発明は、酸素透過含水性コンタクトレンズに適した重合体を製造し得る組成物を提供することを、本発明が解決しようとする課題とした。より詳しくは、本発明の目的は、共重合反応に供することにより酸素透過含水性コンタクトレンズに適した重合体を製造するための組成物であって、該共重合反応の際に重合体の強度を低下させるような有機溶媒の使用を回避でき、かつ、該共重合反応後に重合体の表面を改質することを回避できる前記組成物を提供することにある。また、このような組成物を利用して得られる酸素透過含水性コンタクトレンズを提供することを、本発明が解決しようとする第二の課題とした。
本発明は、酸素透過含水性コンタクトレンズに適した重合体および該重合体の構成成分を提供する。本発明の組成物は、ケイ素含有部分、少なくとも1つの親水性基、ケイ素含有部分よりも嵩高い構造を有する環状炭化水素基およびアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を分子内に有するモノマー;親水性モノマー;ならびにケイ素含有モノマーを含むものであり、共重合することによって、有機溶媒の使用を回避しつつ、表面を親水性に保つ重合体を形成する。本発明者らは、(i)ケイ素含有部分、少なくとも1つの親水性基、環状炭化水素基およびアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を分子内に有するモノマー、(ii)親水性モノマーならびに(iii)ケイ素含有モノマーを含有する組成物を用いることによって、共重合反応での有機溶媒の使用を回避でき、かつ、得られた重合体の表面の改質を回避できる、酸素透過含水性コンタクトレンズに適した重合体が得られることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成された発明である。
したがって、本発明によれば、(i)下記一般式(I)
(I)

(式中、
はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、
は四員環〜八員環の環状炭化水素基を表し、
は親水性基、または1もしくは複数個の親水性基により置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−4アルキル基を表し、
はケイ素含有基を表し、および
eは1または2である)
で示されるモノマー;
(ii)親水性モノマー;および
(iii)ケイ素含有モノマー
を含む、酸素透過含水性コンタクトレンズ用組成物が提供される。
好ましくは、Rはアクリロイルオキシ基である。
好ましくは、Rは下記一般式(II)
(II)

(式中、
、RおよびRはそれぞれ独立して、−CH、−C、−OSiR10および−(OSiR10からなる群から選ばれる;
ただし、R、RおよびR10はそれぞれ独立して、−CHまたは−Cであり、fは0から3までの整数、好ましくは2であり、およびnは1から10までの整数、好ましくは2から5までの整数である)
で示されるケイ素含有基である。
好ましくは、一般式(I)で示されるモノマーの配合率は、ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、5重量%から70重量%である。
本発明の他の実施態様によれば、本発明の組成物を共重合することにより得られる酸素透過含水性コンタクトレンズおよびその製造方法が提供される。
本発明の組成物を使用することによって、共重合反応において有機溶媒の使用を回避でき、かつ、重合体表面の改質を回避できることから、酸素透過含水性コンタクトレンズに適した強度および表面の濡れ性を有する重合体を得ることができる。
本発明の組成物は、(i)ケイ素含有部分、少なくとも1つの親水性基、環状炭化水素基およびアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を分子内に有するモノマー、(ii)親水性モノマーならびに(iii)ケイ素含有モノマーを含有することから、有機溶媒を用いることなく、均一な混合溶液として調整され得る。また、本発明の組成物を共重合反応に供することによって得られる重合体は、コンタクトレンズに適した透明性を有する。
さらに、本発明の組成物に含有される成分である、ケイ素含有部分、少なくとも1つの親水性基、環状炭化水素基およびアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を分子内に有するモノマーは、親水性基が嵩高い環構造に導入されていることから、共重合後にはケイ素含有モノマーより優位に重合体表面に発現される。このように重合体表面に親水基が配向することによって、重合体表面はコンタクトレンズに適する良好な濡れ性を有する。さらに、表面の濡れ性が向上することによって脂質の付着を抑制することが可能となる。
本発明の組成物により得られる重合体は、酸素透過含水性コンタクトレンズとして利用可能である。すなわち、本発明の組成物により得られる本発明の酸素透過含水性コンタクトレンズは、従来のものと比べて、透明性、強度および表面濡れ性が優れたものである。
本発明の組成物は、(i)ケイ素含有部分、少なくとも1つの親水性基、環状炭化水素基およびアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を分子内に有するモノマー、(ii)親水性モノマーならびに(iii)ケイ素含有モノマーを含む。
ケイ素含有部分、少なくとも1つの親水性基、環状炭化水素基およびアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を分子内に有するモノマーは、下記一般式(I)
(I)

(式中、
はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、
は四員環〜八員環の環状炭化水素基を表し、
は親水性基、または1もしくは複数個の親水性基により置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−4アルキル基を表し、
はケイ素含有基を表し、および
eは1または2である)
で示されるモノマーである。
上記一般式(I)において、Rはアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であり、好ましくはアクリロイルオキシ基である。アクリロイルオキシ基は別名としてアクリロキシおよびアクリレートがある。メタクリロイルオキシ基は別名としてメタクリルオキシおよびメタクリレートがある。
上記一般式(I)において、RおよびRは共に親水性基および環状炭化水素基を形成する。したがって、一般式(I)で示されるモノマーは、親水性基および環状炭化水素基を有するモノマーであり、分子内でRはRに化学的に結合している。RおよびRにより形成される親水性基および環状炭化水素基において、Rは環状炭化水素部であり、かつ、Rは親水性部である。
とRとからなる親水性環状炭化水素基において、環状炭化水素部であるRがケイ素含有基であるRよりも嵩高い構造を有する。本明細書で使用されているとおり、嵩高い構造は、有機基がアクリレートに結合してエステルを形成する場合に、25°Cおよび圧力1.03キログラム/cm(一気圧)において、シクロブチルアクリレートのモル体積と同等またはそれよりも大きいモル体積を占めることを意味する。本発明の組成物を利用して得られる重合体は表面にRである親水性基が発現し、重合体の表面はコンタクトレンズに適した濡れ性を有し得る。そこで、Rは、嵩高い構造を採るものとして、たとえば、4員環以上の環状炭化水素基であればよい。ただし、重合反応における立体障害を考慮した場合、Rは8員環以下であるのが好ましい。さらに本発明の組成物から得られる重合体をコンタクトレンズへ適用した際のレンズの表面の濡れ性および重合反応性の調和を考慮すると、Rは6員環の飽和環状炭化水素または6員環の不飽和環状炭化水素であるのが好ましい。
本発明の組成物を硬化することによって得られる重合体をコンタクトレンズへ適用した際のレンズ表面の濡れ性は、一般式(I)におけるRである親水性基の数および構造に影響される。親水性基の数は、1以上であれば特に制限されないが、3以上である場合、一般式(I)のモノマーと親水性モノマーとの相溶性は向上するものの、ケイ素含有モノマーとの相溶性が低下することから、好ましい親水性基の数は1または2である。
また、RとRとからなる親水性環状炭化水素基において、親水性部であるRの構造は、親水性基のみからなる構造である場合と、1以上の親水性基で置換された炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である場合とがある。Rが1以上の親水性基で置換された炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である場合、炭素数の増加とともに親水性が低下し、親水性モノマーとの相溶性および得られる重合体(コンタクトレンズ)表面の濡れ性が低下することから、好ましい炭素数は1または2であり、より好ましい具体例として、−CHOH、−COHが挙げられる。Rにおける親水性基は特に制限されないが、たとえば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられ、好ましくはヒドロキシル基または−NHの構造を有するアミノ基である。
一般式(I)におけるRは、ケイ素含有基であれば特に限定されないが、得られるコンタクトレンズに好適な酸素透過性を付与する1以上のSi−O−Si結合を有することが好ましい。Rの好ましい例としては、下記一般式(II)
(II)

(式中、
、RおよびRはそれぞれ独立した基であり、かつ、−CH、−C、−OSiR10および−(OSiR10のいずれか一つの基を表す。
ただし、R、RおよびR10はそれぞれ独立した基であり、かつ、−CHまたは−Cを表し、fは0から3までの整数であり、好ましくは2であり、および、nは1から10までの整数であり、好ましくは2から5までの整数である)
で示されるケイ素含有基を含む。
一般式(I)で示されるモノマーとして好ましい具体例は、特に限定されるものではないが、以下の式(III)および(IV)の化合物が挙げられる。
(III)

(IV)
一実施態様において、ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル基への(メタ)アクリルオキシ基の立体化学は、シクロヘキシル基のトランス−1,3−置換である。いかなる理論にもとらわれるわけではないが、シクロヘキシル基のトランス−1,3−置換は、本発明のモノマーを含有する重合体へより多くの無作為性(エントロピー)を導入することから、自由体積が大きくなり、かつ、酸素透過性が良好になると見られている。3−(メタ)アクリルオキシ−置換(ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基を含有するトリシロキサンの代表的かつ非限定的な例としては、アクリル酸2−ヒドロキシ−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル、およびメタクリル酸2−ヒドロキシ−3−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)−メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル、ならびにそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、3−(メタ)アクリルオキシ−置換(ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基を含有するトリシロキサンの代表的かつ非限定的な例としては、アクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル、メタクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル、アクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−3−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)−メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルおよびメタクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−3−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル、ならびにそれらの混合物が挙げられる。より好ましくは、3−(メタ)アクリルオキシ−置換(ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基を含有するトリシロキサンの代表的かつ非限定的な例としては、式(V):
(V)

(式中、Rは水素またはメチルである)
の立体化学構造を有する、アクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルおよびメタクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)−メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルが挙げられる。
式(V)により示されている化学構造において、(メタ)アクリルオキシ基が結合する環上の炭素原子は、環の1位(C−1)に当たる。(メタ)アクリルオキシ基は、シクロヘキサン環のアキシアル位におけるC−1炭素に結合する。ヒドロキシル基は、シクロヘキサン環のC−2炭素原子のアキシアル位を占める。ヒドロキシル基の立体化学は、(メタ)アクリルオキシ基との関係でトランスである。2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル基は、シクロヘキサン環のC−5炭素原子上のエクアトリアル位を占め、かつ、(メタ)アクリルオキシ基との関係でトランスである。
一実施態様において、組成物は異性体混合物である。アクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルの組成物は、アクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルおよびアクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−シス−4−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルの全重量に対して、好ましくは85重量%より大きく、より好ましくは95重量%より大きい。メタクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルの組成物は、メタクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルおよびメタクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−シス−4−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルの全重量に対して、好ましくは85重量%より大きく、より好ましくは95重量%より大きい。
別の一実施態様において、3−(メタ)アクリルオキシ−置換(ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基組成物を含有するトリシロキサンは、2つの異性体の全重量に対して、40から99重量%までのアクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルおよび1から60重量%までのアクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−シス−4−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル、または2つの異性体の全重量に対して、40から99重量%までのメタクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルおよび1から60重量%までのメタクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−シス−4−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルを含む。
一般式(III)または(IV)を有する3−(メタ)アクリルオキシ−置換(ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基を含有するトリシロキサンを製造する方法は以下の工程を含む:
(a)ヒドロシリル化触媒の存在下で、エテニル−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンを1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチル−トリシロキサンと反応させ;
(b)工程(a)の生成物を(メタ)アクリル酸と反応させ、オキシラン環を開環し、かつ、任意に別の触媒の存在下で、3−(メタ)アクリルオキシ−置換(ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基を含有するトリシロキサンを得る。
特に好ましい3−エテニル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンの立体化学は、C−1エクアトリアル位およびC−6アキシアル位で、シクロヘキシル基の1−炭素原子および6−炭素原子に結合しているオキシラン環の酸素原子を有する。これらの立体異性体は、エポキシ環上で(メタ)アクリレート求核剤のアキシアル攻撃を促進することにより、ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル基との関係で、シクロヘキシル環の(メタ)アクリルオキシ基との1,3−置換を促進する。
市販の3−エテニル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンは、それぞれ4−ビニル−シクロヘキセンおよび2−ビニル−シクロヘキセンのエポキシ化によって生成される。置換度がより高い炭素−炭素の二重結合のエポキシ化は、アルケンを1つの酸素元素を付与するペルオキシド含有試薬と処理することによって達成できる。典型的なペルオキシド含有試薬としては、過酸化水素、ペルオキシカルボン酸(in−situで生成された、または予め生成されたもの)、アルキルヒドロペルオキシドおよびジメチルジオキシランが挙げられる。より具体的には、エポキシ化剤は、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、モノペルフタル酸および過酢酸からなる群から選ばれる。これらのエポキシ化剤は生成されたエポキシドの単離を可能にさせる。この反応は、例えば、塩素処理した炭化水素、エーテルまたはエステル等の有機溶媒で実施してもよい。代表的かつ非限定的な溶媒の例として、メチレンクロライド、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよび酢酸エチルが挙げられる。
エポキシ化反応は、3−エテニル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンの2つの立体異性体を生成する。3−エテニル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンの立体異性体が1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチル−トリシロキサンとの反応に先だって相互に分離されていることが好ましい。立体異性体は、分別蒸留、予備ガスクロマトグラフィー、予備液体クロマトグラフィーまたは他の立体異性体を分離するために一般的に使用されている方法によって分離することができる。好ましくは、立体異性体は高温かつ低大気圧、大気圧または高大気圧にて、立体異性体の混合物の分別蒸留を使用して分離される。最も好ましくは、立体異性体は、大気圧、165℃から170℃までの温度範囲にて、理論段数が20より大きい調整カラムを用いた分別蒸留により分離される。
3−エテニル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンは、C−1エクアトリアル位およびC−6アキシアル位でシクロヘキシル基の1および6−炭素原子に結合したオキシラン環の酸素原子を有し、かつ、エクアトリアル位でシクロヘキシル環の3−炭素原子に結合したビニル基を有するものであり、2つの立体異性体の全重量に対して、好ましくは85重量%より多く、より好ましくは95重量%より多い。
1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチル−トリシロキサンは種々の方法によって作製してもよく、トリメチルクロロシランおよびメチルジクロロシランを加水分解および縮合し、次いで生成物を分離し、またはシラン性シリコーン流体を用いてヘキサメチルジシロキサンを平衡化し、および分別蒸留を使用して目的物質を分離することが挙げられる。再蒸留などのさらなる精製をしばしば使用して、純度が高い1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチル−トリシロキサン(標準沸点142℃)を作製することができ、高分子量のオリゴマーやヘキサメチルジシロキサンの残留が抑えられる。
1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチル−トリシロキサンおよびエテニル−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンとの間のヒドロシリル化反応は、ヒドロシリル化触媒、特に貴金属のヒドロシリル化触媒の存在下で実施する。触媒としてはプラチナ、パラジウム、ルテニウム、イリジウムおよびロジウムに加えて、これらの金属を含有する化合物が挙げられる。これらの触媒は活性炭、酸化アルミニウムおよびセラミック材料等に担持してもよく、または金属塩の還元によりin situでよく形成されるコロイド懸濁液中にあってもよい。均一触媒が好ましく、エタノール、イソプロパノールまたはオクタノール中に溶解したクロロプラチニック酸およびキシレンまたはポリジメチルシロキサン油中に溶解された、カルシュテット触媒として知られている、プラチナ(0)−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン複合体が挙げられる。
触媒は、ヒドロシリル化反応を誘導および完了するのに十分な量の触媒として使用する。特に、触媒の量は、金属の重量ならびに1,1,1,2,3,3,3−ヘプタメチル−トリシロキサンおよびエテニル−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタンの全重量に対して、1から100ppmまでの金属触媒である。ヒドロシリル化反応は、連続処理またはバッチ処理で実施してもよく、反応剤が反応槽に導入され、および混合物の温度は0℃から180℃まで、より具体的には20℃から120℃までの範囲内に調整される。触媒を追加するとき、反応は通常75℃から200℃までの温度に、発熱のピークがある。反応は、窒素等の不活性雰囲気で実施することができる。
一般式(I)によって示されるモノマーの配合率は特に限定されるものではなく、併用する親水性モノマーおよびケイ素含有モノマーの種類によって適宜変更可能であるが、たとえば、ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、5重量%〜70重量%が好ましく、10重量%〜50重量%がより好ましい。本明細書で使用されているとおり、ラジカル重合性モノマー成分はフリーラジカルと反応することができる基を有する有機化合物であり、かつ、オリゴマーまたはポリマー化合物を形成する少なくとも1個のラジカル重合性モノマー成分である。一般に、フリーラジカルと反応でき、かつ、少なくとも1個のラジカル重合性モノマー成分である基は、ビニル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基等の炭素−炭素の二重結合である。配合率が5重量%未満の場合、親水性モノマーとケイ素含有モノマーが相溶しないことから、均一な溶液が得られない可能性が高い。また、配合率が70重量%を超えると、親水性モノマーの配合率が低下し、かつ、得られるコンタクトレンズは十分な柔軟性を有さないことから、装用感が低下する可能性が高い。
本発明の組成物では、得られるコンタクトレンズに所望の含水率を付与するために、親水性モノマーを構成成分として配合する。
親水性モノマーとしては、分子内にラジカル重合可能な基および親水性を示す基をそれぞれ少なくとも1以上有しているものであれば特に限定されない。
一実施態様において、親水性モノマーは下記一般式(VI):
(VI)

(式中、
11は、下記一般式(VII):
(VII)

(式中、R14はそれぞれ独立して水素、メチルまたはエチルであり、Aは−O−または−NR14−の化学結合であり、hは0または1である)を有するラジカル重合性基であり;
12は化学結合または1から30までの炭素原子および任意に酸素原子または窒素原子を有する有機基であり;
13はヒドロキシル基、−N(R14基、−N(R14)C(=O)R14基およびピロリドニル基からなる群から選ばれる親水性基であり;および
gは1または2である)
を有する有機化合物である。
親水性モノマーの代表的かつ非限定的な例としては、N、N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、グリセロールメタクリレート、N−ビニルピロリドン(NVP)、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルホルムアミド、N−ビニルホルムアミドなどが挙げられる。これらを単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
親水性モノマーの配合率は、ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、20重量%〜70重量%が好ましいが、より好ましくは25重量%〜60重量%である。配合率が20重量%未満の場合、得られるコンタクトレンズに十分な柔軟性や含水性を付与できない可能性がある。また、配合率が70重量%を超える場合、ケイ素含有モノマーの配合率が低下することから、得られるコンタクトレンズに十分な酸素透過性を付与することができない可能性がある。
本発明の組成物では、得られるコンタクトレンズに好適な酸素透過性を付与するために、ケイ素含有モノマーを構成成分として配合する。ケイ素含有モノマーとしては、分子内に少なくとも1以上のラジカル重合可能な基および少なくとも1個のケイ素−酸素−ケイ素結合を有する少なくとも1以上のケイ素含有基を有しているものであれば特に限定されない。
一実施態様において、ケイ素含有モノマーは一般式(VIII):
(VIII)

(式中、
15は水素またはメチルであり;
は化学結合である−O−または−NR15−であり;
16は化学結合または二価の分岐鎖状もしくは直鎖状の炭素原子が1から10まで、好ましくは1から4までであるアルキレン基であり;
17は水素、炭素原子が1から10までであるアルキル基または式(IX):
(IX)

(式中、
18は水素またはメチルであり、Aは化学結合である−O−または−NR18−であり、R19は化学結合または二価の分岐鎖状もしくは直鎖状の炭素原子が1から10まで、好ましくは1から4までであるアルキレン基であり、およびqは0または1である、ただし、qが1である場合、R19は化学結合ではない)
を有するラジカル重合性基であり;
iは0または1であり、ただし、iが1である場合、R16は化学結合ではない;および
pは2から150までの整数、好ましくは5から75までの整数、より好ましくは10から40までの整数である)
を有するラジカル重合性化合物である。
ケイ素含有モノマーの代表的かつ非限定的な例は、α−モノ(メタクリロキシメチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ(メタクリロキシメチル)ポリジメチルシロキサン、α−モノ(3−メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ(3−メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α−モノ(3−メタクリロキシブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ(3−メタクリロキシブチル)ポリジメチルシロキサン、α−モノビニルポリジメチルシロキサン、α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサンなどが挙げられるが、好ましくは、α,ω−ジ(3−メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサンである。
ケイ素含有モノマーの配合率は、ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、10重量%〜60重量%が好ましいが、より好ましくは20重量%〜50重量%である。該配合率が10重量%未満の場合、得られるコンタクトレンズに十分な酸素透過性が付与されない可能性があり、また、60重量%を超えると親水性モノマーの配合率が低下することから、得られるコンタクトレンズに好適な柔軟性が付与されない可能性がある。
表1は、本発明の目的に従って、(i)一般式(I)で示されるモノマー;(ii)親水性モノマー;および(iii)ケイ素含有モノマーの組み合わせの代表的かつ非限定的な例を表す:
本発明の組成物では、上記モノマーに加えて、得られるコンタクトレンズの機械的強度や弾性の調節を行うためにラジカル重合可能な官能基を2個以上有する架橋性モノマーを配合することができる。具体的には、架橋剤モノマーとしては(メタ)アクリレート系架橋性モノマーが挙げられる。
架橋剤モノマーの代表的かつ非限定的な例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエリチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートに加えて;アリルメタクリレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリアリルホスフェート、トリアリルトリメリテート、ジアリルエーテル、N、N−ジアリルメラミンおよびジビニルベンゼン等のビニル系架橋性モノマーなどが挙げられる。
架橋剤モノマーの好ましい配合率は、ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、0.10重量%〜5.0重量%であるが、より好ましくは0.20重量%〜3.0重量%である。該配合率が0.10重量%未満の場合、得られるコンタクトレンズに十分な機械的強度が付与できない可能性があり、また、5.0重量%を超えると得られるコンタクトレンズの柔軟性が損なわれることから、装用感が悪化する可能性がある。
本発明の組成物では、得られるコンタクトレンズの機械的強度、形状安定性、柔軟性などの物性を調整するために、物性調整用の疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーを配合できる。具体的には、疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーとしては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル(メタ)アクリレート、フッ素原子含有アルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーの代表的かつ非限定的な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、N−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。フッ素原子含有アルキル(メタ)アクリレートの代表的かつ非限定的な例は、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、テトラフルオロペンチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーは、単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。本発明においては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートおよびテトラフルオロペンチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
物性調整用の疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーモノマーの好ましい配合率は、ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、20重量%未満であるが、より好ましくは15重量%未満である。該配合率が20重量%以上であるとケイ素含有モノマーや親水性モノマーの配合率が不十分であることから、得られるコンタクトレンズに良好な酸素透過性や含水性を付与できない可能性がある。
本発明の組成物を共重合反応に供する際には、本発明の組成物に重合開始剤を添加する。重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤が挙げられる。重合開始剤の代表的かつ非限定的な例は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチルエステルおよび2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)に加えて、ジイソブチリールパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド、ジ−N−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリーヘキシルパーオキシネオデカノエート、ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリーヘキシルパーオキシピバレート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
本発明の組成物の場合、重合開始剤は、70℃〜100℃程度で重合反応を開始することができるアゾ系の重合開始剤が好ましく、詳しくは2,2’−アゾビスイソブチロニトリルがより好ましい。また、重合開始剤の配合率は、ラジカル重合性モノマー成分の全重量である100重量部に対して0.001重量部〜1.0重量部が好ましく、より好ましくは0.01重量部〜1.0重量部である。
本発明のコンタクトレンズは、紫外線吸収剤を配合することができる。具体的には、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−5−t−ブチルベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシメチル安息香酸フェニル等が挙げられ、所望の紫外線吸収能に合わせ、任意の量を配合すればよい。
一実施態様の組成物は以下のものを含む:
(i)一般式(I)
(I)

(式中、
はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、
は四員環〜八員環の環状炭化水素基を表し、
は親水性基、または1もしくは複数個の親水性基により置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−4アルキル基を表し、
はケイ素含有基を表し、および
eは1または2である)
を有する、ケイ素含有部分、親水性基、環状炭化水素基およびアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を分子内に有するモノマー、
ただし、成分(i)はラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、5重量%から70重量%までの量である;
(ii)ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、20重量%から70重量%までの量である親水性モノマー;
(iii)ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、10重量%から60重量%までの量であるケイ素含有モノマー;および
ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、0.1重量%から5重量%までの量である架橋剤モノマー
別の一実施態様の組成物は以下のものを含む:
(i)一般式(I)
(I)

(式中、
はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、
は四員環〜八員環の環状炭化水素基を表し、
は親水性基、または1もしくは複数個の親水性基により置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−4アルキル基を表し、
はケイ素含有基を表し、および
eは1または2である)
を有する、ケイ素含有部分、親水性基、環状炭化水素基およびアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を分子内に有するモノマー、
ただし、成分(i)はラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、10重量%から50重量%までの量である;
(ii)ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、25重量%から60重量%までの量である親水性モノマー;
(iii)ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、20重量%から50重量%までの量であるケイ素含有モノマー;および
ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、0.2重量%から3重量%までの量である架橋剤モノマー
本明細書で使用されているとおり、これらの量は、ラジカル重合性モノマー成分の全重量に基づいており、成分(i)、(ii)、(iii)ならびに、もし存在するならば、架橋剤モノマーおよび疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーの総量であることが好ましい。
本発明の組成物が含有するモノマー成分を共重合せしめることによって得られる重合体は、酸素透過含水性コンタクトレンズに適している。モノマー成分を共重合させる際の時間や温度などの反応条件は、重合開始剤の種類などを指標として当業者であれば適宜設定できる。
本発明の組成物は、酸素透過含水性コンタクトレンズに適した組成物であるが、たとえば、以下の(1)〜(4)の態様を含む。
態様(1):
(i)下記一般式(I)
(I)

(式中、
はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、
は四員環〜八員環の環状炭化水素基を表し、
は親水性基、または1もしくは複数個の親水性基により置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−4アルキル基を表し、
は下記一般式(II)
(II)

(式中、
、RおよびRはそれぞれ独立して、−CH、−C、−OSiR10および−(OSiR10からなる群から選ばれる;
ただし、R、RおよびR10はそれぞれ独立して、−CHまたは−Cであり、fは0から3までの整数であり、およびnは1から10までの整数である)を有するケイ素含有基を表し、および
eは1または2である)
で示されるモノマー;
(ii)親水性モノマー;および
(iii)ケイ素含有モノマー
を含む、酸素透過含水性コンタクトレンズ用硬化性組成物。
態様(2):
(i)下記一般式(I)
(I)

(式中、
はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、
は四員環〜八員環の環状炭化水素基を表し、
は親水性基、または1もしくは複数個の親水性基により置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−4アルキル基を表し、
は下記一般式(II)
(II)

(式中、
、RおよびRはそれぞれ独立して、−CH、−C、−OSiR10および−(OSiR10からなる群から選ばれる;
ただし、R、RおよびR10はそれぞれ独立して、−CHまたは−Cであり、fは0から3までの整数であり、およびnは1から10までの整数である)を有するケイ素含有基を表し、および
eは1または2である)
で示されるモノマー;
(ii)親水性モノマー;および
(iii)ケイ素含有モノマー;ならびに
任意に架橋剤モノマー、疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーおよび重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの追加成分を含む硬化性組成物から得られる硬化組成物であって、
前記硬化性組成物は酸素透過性である、前記硬化組成物。
態様(3):
(i)下記一般式(I)
(I)

(式中、
はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、
は四員環〜八員環の環状炭化水素基を表し、
は親水性基、または1もしくは複数個の親水性基により置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−4アルキル基を表し、
は下記一般式(II)
(II)

(式中、
、RおよびRはそれぞれ独立して、−CH、−C、−OSiR10および−(OSiR10からなる群から選ばれる;
ただし、R、RおよびR10はそれぞれ独立して、−CHまたは−Cであり、fは0から3までの整数であり、およびnは1から10までの整数である)を有するケイ素含有基を表し、および
eは1または2である)
で示されるモノマー;
(ii)親水性モノマー;および
(iii)ケイ素含有モノマー;ならびに
任意に架橋剤モノマー、疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーおよび重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの追加成分を含む硬化性組成物の反応産物を含む組成物。
態様(4)
(i)下記一般式(I)
(I)

(式中、
はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、
は四員環〜八員環の環状炭化水素基を表し、
は親水性基、または1もしくは複数個の親水性基により置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−4アルキル基を表し、
は下記一般式(II)
(II)

(式中、
、RおよびRはそれぞれ独立して、−CH、−C、−OSiR10および−(OSiR10からなる群から選ばれる;
ただし、R、RおよびR10はそれぞれ独立して、−CHまたは−Cであり、fは0から3までの整数であり、およびnは1から10までの整数である)を有するケイ素含有基を表し、および
eは1または2である)
で示されるモノマー;
(ii)親水性モノマー;および
(iii)ケイ素含有モノマー;ならびに
任意に架橋剤モノマー、疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーおよび重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの追加成分を含む硬化性組成物の反応産物を含む組成物であって、
前記反応産物は酸素透過性である、前記組成物。
本発明の酸素透過含水性コンタクトレンズは、本発明の組成物を共重合せしめることによって得られる。本発明のコンタクトレンズの製造方法としては、レンズ形状の成形型を用いて重合する方法や、チューブ状の容器中で重合した後にレンズ形状に切削、研磨する方法など公知の方法が採用できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。特許請求の範囲において使用されているとおり、「を含む」およびその文法上の論理的に異なる用語はまた、たとえば、限定されるものではないが、「基本的に〜からなる」および「〜からなる」などの範囲を変化し、かつ、異ならせる表現を内在し、かつ、含む。
必要に応じ、範囲が提供されており、そしてそれらの範囲はその間にあるすべての下位の範囲を含む。このような範囲は連続もしくはマーカッシュ群または複数の群と見なされてもよく、1群または複数の群がその下限および上限によって十分に定義される異なる対の数値限定からなる。これらの範囲のバリエーションについて、当業者は想起することが期待される。科学および技術の進歩は、現在は予期されていないが、本明細書に開示された発明および特許請求の範囲に記載のある発明に変わらずに伴う同等物および代替物を可能にするであろうこともまた予期される。本明細書で参照されているすべての特許および特許出願は、本明細書と共におよび本明細書によって、それら全体について、全文が記載されているものとして、具体的に参照により援用される。
本発明の実施例および比較例に係るコンタクトレンズを製造するためのモノマー混合溶液を表2に示す配合率で調製した。各成分を試験管内で混合し、均一に混合した後、ポリプロピレン製の樹脂型に分注し、80℃で6時間加温し、コンタクトレンズを得た。得られたコンタクトレンズを、エタノールで残留原料を取り除くために洗浄し、および膨潤した後、リン酸緩衝液(pH8.0)で置換した。
[評価方法]
実施例および比較例における原料モノマーの相溶性およびコンタクトレンズの特性を評価方法として、以下の試験手順と評価基準を採用した。
<相溶性>
各原料モノマーを順次ビーカーに量り込み、室温にて30分攪拌静置した。目視にて混合溶液が均一であるか確認した後、分光光度計を用い光線透過率を測定した。
(相溶性の評価基準)
〇:光線透過率90%以上
×:混合液が均一でない。あるいは、光線透過率90%未満
<表面濡れ性>
得られたコンタクトレンズを37℃±2℃リン酸緩衝液(pH 8.0)に24時間浸漬したのち、取り出した際の表面濡れ性を目視にて評価した。
(表面濡れ性の評価基準)
〇:水はじきが確認されない
×:水はじきが確認される
<透明性>
得られたコンタクトレンズの透明性を、分光光度計を用い光線透過率を測定し、評価した。
(透明性の評価基準)
〇:光線透過率が90%以上
×:光線透過率が90%未満
<酸素透過性>
得られたコンタクトレンズの酸素透過係数をコンタクトレンズ製造・輸入承認申請マニュアル(日本コンタクトレンズ協会)に記載の「改良電極法によるDk値測定作業手順書」に基づき測定した。好ましい酸素透過係数は、70×10−11(cm/sec)・(ml O/ml×mmHg)より大きく、より好ましくは80×10−11(cm/sec)・(ml O/ml×mmHg)より大きく、最も好ましくは90×10−11(cm/sec)・(ml O/ml× mmHg)よりも大きいことである。
<強度>
得られたコンタクトレンズの強度を、「プラスチックの引っ張り試験法(JIS K7113)」に基づき、破断強度により評価した。
<含水性>
得られたコンタクトレンズの含水性を、「ハイドロゲルレンズの含水率測定(ISO 10339:1997)」に基づき測定した。
(実施例1〜4、および比較例1〜3)
得られたコンタクトレンズについて評価を行った結果を表2に示す。実施例1〜4では、モノマー調製において透明な混合溶液が得られ、また該溶液を重合して得られたコンタクトレンズは、良好な透明性、強度、表面濡れ性を有しており、また、酸素透過性、含水性も良好であった。
比較例1では、相溶化剤を添加していないため、均一な溶液が得られず、また、コンタクトレンズを作製するに至らなかった。
比較例2では、相溶化剤として非重合性の有機溶媒であるターシャリーブタノールを添加したため、透明な混合溶液を得ることができたが、重合率の低下により、コンタクトレンズの強度が低下する結果となった。
比較例3では、相溶化剤として、分子中に環構造を有さず、かつ、主鎖に親水性基が結合した構造を有するモノマーである[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]−1−ヒドロキシプロピルメタクリレートを配合したため、透明な混合溶液を得ることができ、また、透明で強度に優れたコンタクトレンズを得られた。しかし、配合したシリコーン化合物は、親水性部位に比し、ケイ素含有部位が嵩高い構造であることから、得られたコンタクトレンズ表面の濡れ性が低い結果となった。
比較例4では、相溶化剤として重合性を有するターシャリーブチルビニルエーテルを配合したため、透明な混合溶液を得ることができ、さらに透明で強度に優れたコンタクトレンズを得られた。しかしながら、配合したビニル化合物の影響により、コンタクトレンズの表面濡れ性が低い結果となった。
以上より、親水性モノマーおよびケイ素含有モノマーに加えて、相溶化剤として上記一般式(I)によって示されるモノマーを配合した組成物によれば、透明な混合溶液が得られ、かつ、透明であり、強度および表面濡れ性に優れた酸素透過含水性コンタクトレンズを得ることができた。
なお、表中の化合物の略称は以下のとおりである。
FM−0711: モノメタクリロキシポリ(ジメチルシロキサン)(チッソ社製)
Y6:実施例5で作製したアクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル
DMA:ジメチルアクリルアミド
NVP:N-ビニルピロリドン
ED: エチレングリコールジメタクリレート
A:メタクリル酸
Tris:[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート
Tris−OH:[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]-1-ヒドロキシプロピルメタクリレート
TB−VE:ターシャリーブチルビニルエーテル
Tert−Bu: ターシャリーブタノール
(実施例5)
実施例1〜4を作製するのに使用されたアクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル
温度調節器、加熱マントルおよびコンデンサーを備えた500mLの丸底フラスコにおいて、3−エテニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(57.8グラム、0.47モル)を加えた。溶液をマグネチックスターラーで攪拌し、75℃にまで加熱した。クロロプラチニック酸(20ppm)を加え、次いで漏斗を用いてゆっくりと1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン(100グラム、0.45モル)を添加した。発熱は85℃を越えないように抑えた。上記添加後、75℃で2時間反応を続けた。得られた生成物を真空0.9トール条件下で6インチのビグリューカラムによって蒸留した。生成物である、3−[ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンを110〜120℃で放出した。精製生成物(151.1グラム、収率96%)は澄明な無色の液体であった。
3−[ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(100グラム、0.288モル)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(0.0034グラム)およびチタニウムテトラエトキシド(0.44グラム)を、マグネチックスターラーを備えた3口丸底フラスコに入れた。フラスコを90℃にまで加熱した。次いでアクリル酸(20.8グラム、0.288モル)をフラスコに加えて、90℃、大気圧で8時間にわたって攪拌した。次いで、反応したフラスコをさらに3時間、90℃で加熱した。生成物を室温で冷却し、窒素下で保存した。ガスクロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィー/質量分析法による生成物の分析から、次のことが明らかになった:

0.4重量% 3−[ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン
42.0重量% アクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル
4.5重量% アクリル酸シス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル
43.4重量% アクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−4−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル
2.9重量% アクリル酸シス−2−ヒドロキシ−トランス−4−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル
0.8重量% アクリル酸2−アクリロイルオキシ5−[ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステル
3.3重量% アクリル酸5−[ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−2−(5−[ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−2−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−シクロヘキシルエステルおよび関連する二量体

Claims (16)

  1. (i)下記一般式(I)
    (I)

    (式中、
    はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、
    は四員環〜八員環の環状炭化水素基を表し、
    は親水性基、または1もしくは複数個の親水性基により置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−4アルキル基を表し、
    はケイ素含有基を表し、および
    eは1または2である)
    で示されるモノマー;
    (ii)親水性モノマー;および
    (iii)ケイ素含有モノマー
    を含む、酸素透過含水性コンタクトレンズ用硬化性組成物。
  2. 前記Rがアクリロイルオキシ基である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記Rが下記一般式(II)
    (II)

    (式中、
    、RおよびRはそれぞれ独立して、−CH、−C、−OSiR10および−(OSiR10からなる群から選ばれる;
    ただし、R、RおよびR10はそれぞれ独立して、−CHまたは−Cであり、fは0から3までの整数であり、およびnは1から10までの整数である)
    で示されるケイ素含有基である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記(i)のモノマーの配合率が、ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、5重量%〜70重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、前記(i)のモノマーの配合率が5重量%〜70重量%であり、前記(ii)の親水性モノマーの配合率が20重量%〜70重量%であり、前記(iii)のケイ素含有モノマーの配合率が10重量%〜60重量%である、請求項1から4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、前記(i)のモノマーの配合率が10重量%〜50重量%であり、前記(ii)の親水性モノマーの配合率が25重量%〜60重量%であり、前記(iii)のケイ素含有モノマーの配合率が20重量%〜50重量%である、請求項1から4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記(i)のモノマーが、アクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルもしくはメタクリル酸トランス−2−ヒドロキシ−トランス−5−[2−ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシラニル−エチル]−シクロヘキシルエステルまたはそれらの混合物である、請求項1から6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記(ii)の親水性モノマーが、N,N−ジメチル−アクリルアミド(DMAA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、グリセロールメタクリレート、N−ビニルピロリドン(NVP)、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルホルムアミドおよびN−ビニルホルムアミドからなる群から選ばれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記(iii)のケイ素含有モノマーが、α−モノ(メタクリルオキシメチル)−ポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ(メタクリルオキシメチル)ポリジメチル−シロキサン、α−モノ(3−メタクリルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ(3−メタクリルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α−モノ(3−メタクリルオキシブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ(3−メタクリルオキシブチル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノビニルポリジメチルシロキサンおよびα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサンからなる群から選ばれる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリアリルホスフェート、トリアリルトリメリテート、ジアリルエーテル、N,N−ジアリルメラミンおよびジビニルベンゼンからなる群から選ばれる架橋剤モノマーをさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. 前記架橋剤モノマーが、ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、0.1重量%〜5.0重量%の量で使用される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  12. ラジカル重合性モノマー成分の全重量に対して、20重量%未満の量で使用される疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーをさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  13. 前記疎水性ラジカル重合性非ケイ素含有モノマーが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、N−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートおよびテトラフルオロペンチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる、請求項12に記載の硬化性組成物。
  14. 2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチルエステル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジイソブチリルペルオキシド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジステアロイルペルオキシド、ジ−N−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)ペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ(3−メトキシブチル)ペルオキシジカーボネート、クミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシネオデカノエート、ターシャリーヘキシルペルオキシネオデカノエート、ターシャリーブチルペルオキシネオデカノエート、ターシャリーヘキシルペルオキシピバレートおよびターシャリーブチルペルオキシピバレートからなる群から選ばれる重合開始剤をさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の硬化性組成物を共重合することにより得られる酸素透過含水性コンタクトレンズ。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の硬化性組成物を共重合する工程を含む、酸素透過含水性コンタクトレンズの製造方法。
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