JP6925581B2 - ポリオキシエチレン共重合体および眼用デバイス - Google Patents
ポリオキシエチレン共重合体および眼用デバイス Download PDFInfo
- Publication number
- JP6925581B2 JP6925581B2 JP2017207924A JP2017207924A JP6925581B2 JP 6925581 B2 JP6925581 B2 JP 6925581B2 JP 2017207924 A JP2017207924 A JP 2017207924A JP 2017207924 A JP2017207924 A JP 2017207924A JP 6925581 B2 JP6925581 B2 JP 6925581B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- monomer
- meth
- acrylamide
- polyoxyethylene
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
すなわち、本発明は下記の通りである。
各構成単位の比率が、
(A)/{(A)+(B)}=0.1〜50
(B)/{(A)+(B)}=99.99〜50
である共重合体。
2.前記親水性単量体(B)が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドンからなる群から選択される、前項1に記載の共重合体。
3.前記親水性単量体(B)が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドンからなる群から1以上選択される、前項1又は2に記載の共重合体。
4.前項1〜3のいずれか1に記載の共重合体を含む眼用デバイス。
[本発明の共重合体]
(末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン単量体(A)に基づく構成単位)
本発明の共重合体は、式(1)で表される末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン基を有する単量体(本発明の単量体)に基づく構成単位を含む。式(1)で表される末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン単量体(A)は、単独又は2種以上であってもよい。
また、本発明の共重合体は、少なくとも1種類の式(1)で表される末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン単量体(A)を1〜40重量%、及び少なくとも1種類の親水性単量体(B)を60〜99重量%の比率で重合して得られることができる。
本発明の共重合体は、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドンから選ばれる親水性単量体(B)に基づく構成単位を含む。親水性単量体(B)は、単独又は2種以上であってもよい。
本発明の共重合体は、後述のその他の単量体(C)に基づく構成単位を含んでもよい。その他の単量体(C)は、単独又は2種以上であってもよい。
末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン単量体(A)の合成方法は、特に限定されないが、以下の方法を例示することができる。
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル{参照:下記式(2)}等を公知の方法によりアクリルアミド化することにより式(1)で表される本発明の末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン単量体(A)を得ることができる。
末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン単量体(A)及び親水性単量体(B)を重合して得られる共重合体(本発明の共重合体)は、式(1’)で表される構成単位を含む。
本発明の共重合体中の式(1’)で表される構成単位{末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン単量体(A)に基づく構成単位}の含有比率(モル比)は、通常0.1〜50mol%、好ましくは0.1〜40mol%、より好ましくは0.1〜30mol%、さらに好ましくは0.1〜20mol%である。
本発明の共重合体中の親水性単量体(B)に基づく構成単位の含有比率(モル比)は、通常99.99〜50mol%、好ましくは99.99〜60mol%、より好ましくは99.99〜70mol%、さらに好ましくは99.99〜80mol%である。
本発明の共重合体中のその他の単量体(C)に基づく構成単位の含有比率(モル比)は、式(1’)で表される構成単位及び親水性単量体(B)に基づく構成単位の合計100mol%に対して通常0.01〜70mol%、好ましくは0.01〜50mol%である。
本発明の共重合体に重合可能なその他の単量体(C)としては、眼用デバイスの含水率を増強させることを目的として、以下の単量体を含めることができる。
例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルアミノ)エチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−エチルカルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−プロピルスルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−ブチルスルホベタイン、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−ブチルスルホベタイン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド等の水溶性単量体を用いることができる。
その他の単量体(C)として水溶性単量体を用いる場合の使用量は、共重合体の単量体(A)と単量体(B)の合計100質量部に対して、合計で通常10〜50質量部、好ましくは20〜40質量部である。
ポリジメチルシロキサン骨格含有(メタ)アクリレート類としては、α‐メチル‐ω‐メタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量1,000)、α,ω‐ジメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量1,000)等が挙げられ、例えば、JNC Corporationから販売されているFM‐0711やFM‐7711等を用いることができる。
トリメチルシロキシ基含有(メタ)アクリレート類としては、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル(メタ)アクリレート(TRIS)、3−[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]プロピル(メタ)アクリレート、3−[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]プロピル(メタ)アクリレート、[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]メチル(メタ)アクリレート、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]メチル(メタ)アクリレート、[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]メチル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチルコハク酸3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル(参照:WO2010/082659号)等が挙げられる。
トリメチルシロキシ基を有する(メタ)アクリルアミド類としては、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル(メタ)アクリルアミド、3−[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]プロピル(メタ)アクリルアミド、3−[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]プロピル(メタ)アクリルアミド、[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]メチル(メタ)アクリルアミド、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]メチル(メタ)アクリルアミド、[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]メチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
トリメチルシロキシ基を有するスチレン類としては、[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]スチレン、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]スチレン、[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]スチレン等が挙げられる。
トリメチルシロキシ基を有するカルバミン酸ビニル類としては、N−[3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル]カルバミン酸ビニル、N−[3−[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]プロピル]カルバミン酸ビニル、N−[3−[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]プロピル]カルバミン酸ビニル等が挙げられる。
その他の単量体(C)としてシリコーン単量体を用いる場合の使用量は、共重合体の単量体(A)と単量体(B)の合計100質量部に対して、通常10〜300質量部、好ましくは20〜200質量部である。
例えば、ポリアルキレングリコールビス(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラキス(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルオキサゾリドン、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピラジンが挙げられる。
その他の単量体(C)として眼用デバイスの柔軟性をコントロールするための単量体を用いる場合の使用量は、共重合体の単量体(A)と単量体(B)の合計100質量部に対して、通常1〜50質量部、好ましくは10〜40質量部である。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;両末端に炭素−炭素不飽和結合を有するシロキサンマクロマーやエチレングリコールジメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジン等の芳香族ビニルモノマー類;酢酸ビニル等のビニルエステル類が挙げられる。
その他の単量体(C)として眼用デバイスの形状維持性を高めるための単量体を用いる場合の使用量は、共重合体の単量体(A)と単量体(B)の合計100質量部に対して通常1〜60質量部、好ましくは10〜20質量部である。
以上により、本発明の共重合体を合成することができる。本発明の共重合体は、重合の際に所望の形状に成型することで、本発明の共重合体を含む眼用デバイスを製造することができる。
該製造方法は、以下の工程を含む。
(I)式(1)で表される末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン単量体(A)及び親水性単量体(B)、さらに必要に応じて本発明の共重合体に重合可能なその他の単量体(C)及び重合開始剤を混合する工程、及び
(II)(I)で得た混合物を重合する工程。
該製造方法は、さらに以下の工程を含んでもよい。
(III)未反応成分の除去工程。
(A):式(5)で表される単量体、式(8)で表される単量体、式(5)で表される単量体及び式(8)で表される単量体
(B)2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、及びそれらの組合せ
(C)メタクリル酸、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、及びそれらの組合せ
(ポリオキシエチレン中間体1の合成)
温度計、窒素吹き込み管、撹拌機、Dean−Stark管及び冷却管を付した1L四つ口フラスコに、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(重量平均分子量約2,000, n=約45)を200g(100mmol)、トルエン600gを加え、撹拌、窒素吹込みをしながら40℃に加温して溶解した。110℃に昇温し、トルエンと共沸させながら約300gの留分を抜き取り、脱水を行った。40℃まで冷却し、クロロホルム1.0kgを加え、フタルイミド44g(300mmol)、トリフェニルホスフィン79g(300mmol)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル61g(300mmol)を加え、室温で2時間反応させた。その後、酢酸エチル2.0kgに40℃で溶解し、室温に冷却後n‐ヘキサン1.0kgを加えて結晶化し、濾取した結晶をn‐ヘキサン1.0kgで洗浄した後、結晶を濾取して真空下で乾燥した。
これにメタノール700g、エチレンジアミン78g(1.0mol)を加え、60℃で4時間反応させた。これにトルエン2.0kg、吸着剤(キョーワード700、協和化学工業(株)製、商品名)50gを加え、40℃で30分間撹拌し、吸着処理を行い、その後濾過した。40℃、微減圧下で約2.0kgの留分を抜き取り、その後室温まで冷却し、これにn‐ヘキサン1.0kgを加えて結晶化した。結晶を濾取した後、酢酸エチル2.0kgに40℃で溶解し、室温に冷却後n‐ヘキサン1.0kgを加えて結晶化し、濾取した結晶をn‐ヘキサン1.0kgで洗浄した。結晶を濾取して真空下で乾燥して、重量平均分子量約2,000の式(9)で表されるポリオキシエチレン中間体1を171g得た。合成した式(9)で表されるポリオキシエチレン中間体1の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で決定した。
詳細には、検出器には示差屈折計を用い、GPCカラムとしてはSHODEX KF801L、KF803L及びKF804L(各カラムサイズはφ8mm×300mm)を3本直列に繋ぎ、カラムオーブンの温度を40℃とし、溶離液としてはテトラヒドロフランを用い、流速は1分当たり1mLとし、試料の濃度は0.1質量%とし、抽入容量は0.1mLとして測定を行った。また、得られた化合物の分子構造を1H−NMRで確認した。以下に1H−NMRの分析結果を示す。なお、重合度nは、GPCから決定した重量平均分子量をエチレンオキシドの式量で除することで算出した。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):3.08(2H,t,−CH 2NH2)、3.38(3H,s,−OCH 3)、3.54−3.86(215H,m,−O(CH 2CH 2O)n−CH 2CH2NH2)。
(ポリオキシエチレン単量体1の合成)
温度計、窒素吹き込み管、撹拌機、Dean−Stark管及び冷却管を付した1L四つ口フラスコに、式(9)で表されるポリオキシエチレン中間体1(重量平均分子量約2,000, n=約45)を200g(100mmol)、トルエン800gを加え、撹拌、窒素吹込みをしながら40℃に加温して溶解した。110℃に昇温し、トルエンと共沸させながら約200gの留分を抜き取り、脱水を行った。30℃まで冷却し、トリエチルアミン30g(300mmol)、アクリル酸クロライド18g(200mmol)を加え、40℃で6時間反応した。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):3.38(3H,s,−OCH 3)、3.47−3.90(216H,m,−O(CH 2CH 2O)n−CH 2CH−NH−)、5.60−5.63(1H,m,−CH=CH 2)、6.12−6.22(1H,m,−CH=CH 2)、6.27−6.33(1H,m,−CH=CH2)。
(ポリオキシエチレン中間体2の合成)
温度計、窒素吹き込み管、撹拌機、滴下ロートを付した1L四つ口フラスコに、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(重量平均分子量約2,000, n=約45)を200g(100mmol)とイオン交換水200gを加え、40℃に加温して溶解した。溶解後、10℃以下に冷却し、50%水酸化カリウム水溶液12.5gを加えた。続いて、5〜10℃を保ちながらアクリロニトリル106g(1mol)を2時間かけて滴下した。滴下後、更に2時間反応させ、塩酸11gを滴下し中和した。続いて、反応液にイオン交換水400gを加えて分液漏斗に移し変え、酢酸エチルを120g加えて撹拌後、静置し、上層の酢酸エチル層を廃棄した。この酢酸エチル抽出は、6回繰り返した。抽出終了後、水層に食塩50gを溶解し、クロロホルム200gを用いて抽出した。得られたクロロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、濃縮した。濃縮液に酢酸エチル1.6kgを加えて溶解し、ヘキサンを結晶が析出するまで加えた。結晶を濾取し、再度酢酸エチル1.6kgに加温溶解し、室温に冷却後、結晶が析出するまでヘキサンを加えた。その後、結晶を濾取、乾燥し、式(11)で示されるポリオキシエチレン中間体2を得た。合成したポリオキシエチレン中間体2の重量平均分子量は、GPCを用いポリオキシエチレン中間体1と同様の方法により決定した。また、分子構造は1H−NMRより決定した。以下に、1H−NMRの分析結果を示す。
(ポリオキシエチレン中間体3の合成)
1Lオートクレーブにポリオキシエチレン中間体2を200g、トルエン2kg、ラネーニッケル18gを加え、60℃まで昇温した。アンモニアで内圧0.7MPaになるまで加圧し、その後、水素を内圧4.5MPaとなるまで加圧し、130℃で3時間反応させた。反応後、反応液を70℃に冷却し、アンモニア臭が消えるまで窒素パージを繰り返した。反応液を全量抜き取り、濾過し、濾液を室温まで冷却後、ヘキサンを結晶が析出するまで加えた。結晶を濾取、乾燥し、式(12)で示されるポリオキシエチレン中間体3を得た。合成したポリオキシエチレン中間体3の重量平均分子量は、GPCを用いポリオキシエチレン中間体1と同様の方法により決定した。また、分子構造は1H−NMRより決定した。以下に、1H−NMRの分析結果を示す。
(ポリオキシエチレン単量体2の合成)
温度計、窒素吹き込み管、撹拌機、Dean−Stark管及び冷却管を付した1L四つ口フラスコに、式(12)で表されるポリオキシエチレン中間体3(重量平均分子量約2,000, n=約46)を200g(100mmol)、トルエン800gを加え、撹拌、窒素吹込みをしながら40℃に加温して溶解した。110℃に昇温し、トルエンと共沸させながら約200gの留分を抜き取り、脱水を行った。30℃まで冷却し、トリエチルアミン30g(300mmol)、アクリル酸クロライド18g(200mmol)を加え、40℃で6時間反応した。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.82(2H,m,−CH2CH 2CH2NH2)、3.38(3H,s,−OCH 3)、3.40−4.00(215H,m,−O(CH 2CH 2O)n−CH 2CH2CH 2NH−)、5.57−5.60(1H,m,−CH=CH 2)、6.07−6.14(1H,m,−CH=CH 2)、6.23−6.29(1H,m,−CH=CH2)。
表面親水性を以下の手順で評価した。後述の通りに作製した含水フィルムを保存液から取り出し、付着している保存液を含水フィルム表面から除去するために、200mLの生理食塩液中で3回洗浄した。3回目の洗浄後、無風の室内にて、含水フィルムをこの生理食塩液から取り出して照明にかざした。水膜が破綻し、含水フィルム表面が露出するのに要する時間(WBUT)を目視により記録した。このWBUTが5秒未満の場合は「0」、5秒以上15秒未満の場合は「1」、15秒以上の場合は「2」のスコアを与えた。
表面潤滑性を以下の手順で評価した。後述の通りに作製した含水フィルムを生理食塩液10mLに浸漬し、終夜振盪した。このように調製した含水フィルムについて、親指と人差し指でさする時の潤滑性の程度を10名の被験者に評価してもらい、スコアの平均値を算出した。なお、潤滑性評価は、ブリスターパックから取り出したばかりのシード 1dayFine((株)シード製)の評価点数を2点とし、プロクリア(登録商標) ワンデー(クーパービジョン・ジャパン(株)製)の評価点数を8点として、1〜10点の範囲内でスコア化した。
(ポリオキシエチレン単量体1に基づく構成単位を含む眼用デバイス)
ポリオキシエチレン単量体1を5質量部(0.34mol%)、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを95質量部(99.66mol%)、エチレングリコールジメタクリレートを0.5質量部(ポリオキシエチレン単量体1及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートの合計100mol%に対して0.25mol%)、アゾビスイソブチロニトリルを0.5質量部を混合溶解した。この溶液を、厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレートシートをスペーサーとしてガラス板とポリプロピレン板の間に挟みこんだセル内に流し込みオーブン内の窒素置換を行った後、100℃で2時間加熱することにより重合し、フィルム状に成型した。本発明の評価項目は、表面親水性と表面潤滑性であるため、実験を簡便に行うためにレンズ形状ではなく、フィルム状に成型した。重合後、硬化フィルムをセルから取り出し、エチルアルコール(EtOH)とイオン交換水の3/1混合液に12時間浸漬、さらにイオン交換水に12時間浸漬して含水フィルムを作製した。前記の通りに作製した含水フィルムで表面親水性、表面潤滑性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示す種類及び量の成分を使用した以外は、実施例2−1と同様の手順に従って作製した。各実施例の表面親水性及び表面潤滑性を表1に示す。
また、ポリオキシエチレン単量体3〜6は、実施例1−1〜1−5と同様の方法で合成できる。ポリオキシエチレン単量体3は、R1が水素、aが0、nが21、重量平均分子量1,000の式(1)で表される単量体を意味する。ポリオキシエチレン単量体4は、R1が水素、aが1、nが21、重量平均分子量1,000の式(1)で表される単量体を意味する。ポリオキシエチレン単量体5は、R1がメチル、aが0、nが21、重量平均分子量1,000の式(1)で表される単量体を意味する。ポリオキシエチレン単量体6は、R1が水素、aが0、nが9、重量平均分子量500の式(1)で表される単量体を意味する。
表2に示す種類及び量の成分を使用した以外は、実施例2−1と同様に含水フィルムを作成した。比較例1−1の表面親水性及び表面潤滑性を表2に示す。
Claims (2)
- 以下の共重合体を含む眼用デバイス、
該共重合体は、少なくとも1種類の下記の式(1)で表される末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン単量体(A)に基づく構成単位と少なくとも1種類の親水性単量体である構成単位(B)を含み、
該親水性単量体(B)は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドンからなる群から1以上選択され、
各構成単位の比率が、
(A)/{(A)+(B)}=0.1〜50モル%
(B)/{(A)+(B)}=99.9〜50モル%であり、
又は、
該共重合体は、少なくとも1種類の下記の式(1)で表される末端に(メタ)アクリルアミド基を有するポリオキシエチレン単量体(A)に基づく構成単位、少なくとも1種類の親水性単量体である構成単位(B)並びに該単量体(A)と該単量体(B)以外のその他の単量体である(メタ)アクリル酸、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレート、若しくは、エチレングリコールジメタクリレートに基づく構成単位を含み、
該親水性単量体(B)は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドンからなる群から1以上選択され、
各構成単位の比率が、
(A)/{(A)+(B)}=0.1〜50モル%
(B)/{(A)+(B)}=99.9〜50モル%であり、
該単量体である(メタ)アクリル酸は該単量体(A)と該単量体(B)の合計100質量部に対して10〜50質量部であり、該単量体であるメチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレートは該単量体(A)と該単量体(B)の合計100質量部に対して10〜300質量部であり、又は該単量体であるエチレングリコールジメタクリレートは該単量体(A)と該単量体(B)の合計100質量部に対して0.5〜60質量部である、
眼用デバイス。
- 前記親水性単量体(B)が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドンからなる群から1以上選択される、請求項1に記載の眼用デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017207924A JP6925581B2 (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | ポリオキシエチレン共重合体および眼用デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017207924A JP6925581B2 (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | ポリオキシエチレン共重合体および眼用デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019077842A JP2019077842A (ja) | 2019-05-23 |
JP6925581B2 true JP6925581B2 (ja) | 2021-08-25 |
Family
ID=66627320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017207924A Active JP6925581B2 (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | ポリオキシエチレン共重合体および眼用デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6925581B2 (ja) |
-
2017
- 2017-10-27 JP JP2017207924A patent/JP6925581B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019077842A (ja) | 2019-05-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2287169B1 (en) | Process for making cationic hydrophilic siloxanyl monomers | |
TWI269912B (en) | Long wearable soft contact lens | |
JP6807011B2 (ja) | 表面にホスホリルコリン基含有親水性ポリマーを有するコンタクトレンズ | |
JPWO2019194264A1 (ja) | ホスホリルコリン基含有ポリシロキサンモノマー | |
KR20210025598A (ko) | Uv 및 고 에너지 가시광의 중합성 흡수제 | |
JP2014514422A (ja) | 疎水性セグメントを含有するマクロ開始剤 | |
JP6944124B2 (ja) | 眼科用剤 | |
JP6925581B2 (ja) | ポリオキシエチレン共重合体および眼用デバイス | |
JP2012017285A (ja) | シリコーンモノマー、その製造方法、単量体組成物及び重合体 | |
JP7243632B2 (ja) | 医療材料用表面処理剤及び医療材料 | |
JP6874762B2 (ja) | 末端に多水酸基を有するポリオキシエチレン化合物およびコンタクトレンズ | |
WO2021187394A1 (ja) | コンタクトレンズ用モノマー組成物およびコンタクトレンズ用重合体 | |
JP7424372B2 (ja) | ホスホリルコリン基含有ビニル系単量体 | |
JP6860827B2 (ja) | 分岐型ポリオキシエチレン化合物およびコンタクトレンズ | |
JPWO2017188375A1 (ja) | コンタクトレンズ用表面処理剤およびコンタクトレンズ | |
JP2913068B2 (ja) | 汚れにくいコンタクトレンズ | |
JP6879446B2 (ja) | 共重合体、医療デバイスおよびその製造方法、医療デバイス用湿潤剤および化合物 | |
WO2013098966A1 (ja) | シリコーンモノマー及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200623 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200716 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210310 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210318 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210511 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210531 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210705 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210718 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6925581 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |