JP2913068B2 - 汚れにくいコンタクトレンズ - Google Patents

汚れにくいコンタクトレンズ

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JP2913068B2
JP2913068B2 JP2210340A JP21034090A JP2913068B2 JP 2913068 B2 JP2913068 B2 JP 2913068B2 JP 2210340 A JP2210340 A JP 2210340A JP 21034090 A JP21034090 A JP 21034090A JP 2913068 B2 JP2913068 B2 JP 2913068B2
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恒夫 保木
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はコンタクトレンズに関するものである。更に
詳しくいえば、装用時のレンズの耐汚れ付着性及び汚れ
離脱性に優れたコンタクトレンズに関するものである。
〔従来の技術〕 コンタクトレンズは、ポリメチルメタクリレート、ポ
リヒドロキシエチルメタクリレート、シロキサニル系共
重合体などが用いられてきた。それぞれ強度、水濡性と
柔軟性、酸素透過性に特徴を有している。しかしながら
コンタクトレンズを使用する上で、涙液による汚れ付着
がなく、たとえタンパク質、脂質などが付着しても容易
に離脱する自己洗浄能を有するコンタクトレンズはなか
った。このため、コンタクトレンズ装用者は毎日あるい
は一定期間ごとにレンズ洗浄剤で洗浄する必要があり使
用上、不便であった。
これを解決するために、近年、フッ素含有単量体を共
重合させたコンタクトレンズが検討されているが(例え
ば、特開昭51-553911号公報、特開昭54-29660号公報、
特開昭61-73706号公報)耐汚れ付着性、及び離脱性の点
で不充分なものである。
〔本発明が解決しようとする課題〕
本発明は、コンタクトレンズの基本的特性である強
度、水濡れ性、酸素透過性に加え、耐汚れ付着性と汚れ
離脱性に優れたコンタクトレンズを提供することを目的
とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の問題点を解決した新規なコンタ
クトレンズを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の
構造をもつ含フッ素単量体が、その目的に適合すること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
1.式(I)で表される単量体2〜35重量部及びこれと共
重合可能な単量体9 9.5〜71重量部からなるコンタクトレンズ。
(式中、Rは水素又はチメル基、Xは水素又はフッ
素、nは1〜4の整数) 本発明の式(I)で表わされる単量体は、フッ素と、
水酸基を有することを必要とし、水酸基1つに対して、
フッ素が2〜9の範囲のものである。フッ素が9よりも
多く含まれるもの、すなわち、式(I)のnが4を越え
て大きくなると、汚れ付着量が多くなり、汚れの離脱性
も悪くなり好ましくない。
本発明の式(I)で表わされる単量体を使用した共重
合体からなるコンタクトレンズが、汚れが付着しにく
く、かつ付着した汚れが離脱しやすい理由はかならずし
も明らかになっていないが、単に、フッ素を含有する単
量体を混合して共重合した場合と比較して、共重合体の
表面において、フッ素原子と、親水性基である水酸基が
近接して存在しているため、タンパク質、脂質などの汚
れ成分が、共重合体表面に近づきにくく、たとえ付着し
たとしてもその結合状態が極めて弱く、簡単に離脱され
るものと考えられる。
本発明で使用するこれらの単量体は新規なものであ
る。これらの新規な単量体は対応するフッ素含有エポキ
シ化合物とメタクリル酸あるいはアクリル酸とを公知の
方法(例えば、高分子論文集、42〔55〕P.345〜350(19
85)、特開昭61-73706号公報)に準じて反応させて製造
される。
例えば、1,1,2,2−テトラフロオロエトキシ−2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレートは、2−ヒドロキシパ
ーフルオロエチルグリシジルエーテル1モルに対し、水
酸化カリウム0.13モルを加え、窒素ガス気流下、メタク
リル酸2モルを滴下して加え、70〜90℃の温度で反応さ
せ、反応完結後放冷し、クロロホルムで希釈して濾過
し、濾液を希アルカリ水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し
た後、クロロホルム層を分離し、乾燥剤で脱水した後、
減圧下で溶媒を除いて得られた。
b.p.93℃/1mmHg、 C,41.1%、H,4.7%、F,29.0%(理論値、41.5%、4.65
%、29.2%) 式(I)で表わされる単量体、及び式(II)で表わさ
れる単量体から選ばれた単量体2〜35重量部の範囲で使
用される。0.1重量部未満であると汚れの付着が多くな
り、汚れの離脱性も悪くなり好ましくない。これらの単
量体の含有量が多いほど汚れの付着は少くなり、離脱性
も良くなるが、他の物性とのバランスから99.9重量部以
下で使用される。
本発明で使用される式(I)で表わされる単量体と共
重合可能な単量体としては、例えば、トリフルオロエチ
ルアクリレート、テトラフルオロエチルアクリレート、
テトラフロオロプロピルアクリレート、ペンタフルオロ
プロピルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレ
ート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ヘプ
タフルオロブチルアクリレート、オクタフルオロペンチ
ルアクリレートなどのアクリル酸フルオロアルキルエス
テル及び対応するメタクリル酸のフルオロアルキルエス
テルなどのフッ素含有単量体、例えばメチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリレー
ト類、及びこれらに対応するアクリレート類、スチレ
ン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳
香族ビニル化合物などの単量体がコンタクトレンズに硬
さを付与し、機械的強度を高めるために使用される。こ
れらの単量体の中で、トリフルオロエチルメタクリレー
ト、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、メチ
ルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、な
どが好ましい。
これら共重合可能な単量体は、一般に3〜95重量%の
範囲内で使用される。
また、コンタクトレンズに酸素透過性を付与するため
に、シロキサン系の単量体ないしはオリゴマーが使用さ
れる。例えば、 一般式(III) (式中のR1及びR2はそれぞれ水素又はメチル基、lは
1〜5の整数、mは1〜3の整数である)で表わされる
一官能性有機シロキサン単量体であり、このような単量
体としては、例えばトリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピルメタクリレート、ビス(トリメチルシロキ
シ)メチルシリルプロピルメタクリレート、トリス(ト
リメチルシロキシ)シリルエチルメタクリレート、トリ
ス(トリメチルシロキシ)シリルブチルメタクリレー
ト、トリス(トリメチルシロキシ)シリルヘプチルメタ
クリレート、ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピ
ルメタクリレート及びこれらのアクリレートなどがあ
る。
一般式(IV) (式中のR5及びR6はそれぞれ水素又はメチル基、X1、X
2、X3、X4、X5及びX6はそれぞれ同一又は異なるアルキル
基、ハロゲン化アルキル基又はトリメチルシロキサニル
基、p及びqはそれぞれ同一又は異なる1〜5の整数、
nは0又は1〜100の整数である) で表わされる二官能性有機シロキサン単量体であり、こ
のような単量体としては、例えば1,3−ビス(3−メタ
クリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサン、1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)テ
トラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、1,5−
ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3,5,5−
ヘキサメチルトリシロキサン、1,3−ビス(2−メタク
リロキシエチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、1,7−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,7−
テトラキス(トリメチルシロキシ)−3,5−テトラメチ
ルテトラシロキサン及びこれらに対応するアクリレー
ト、α,ω−ビス(3−メタクリロキシプロピルジメチ
ルシロキシ)3,3,3トリフルオロプロピル−メチルポリ
シロキサン、α,ω−ビス(3−メタクリロキシプロピ
ル)テトラキス(トリメチルシロキシ)シリル3,3,3ト
リフルオロプロピルメチルポリシロキサン、α,ω−ビ
ス(2−メタクリロキシプロピルジメチルシロキシ)3,
3,3トリフルオロプロピルメチルポリシロキサン、α,
ω−ビス(3−メタクリロキシプロピル)ジメチルポリ
シロキサン、α,ω−ビス(3−メタクリロキシプロピ
ル)テトラキス(トリメチルシロキシ)シリルジメチル
ポリシロキサン、α,ω−ビス(2−メタクリロキシエ
チル)ジメチルポリシロキサン、などがある。
一般式(V) (式中、R1及びR2は水素又はメチル基、R3及びR′3
直鎖又は分枝の炭素原子数2〜7の2価の炭化水素基又
はpが1〜20であるCH2CH2−Op基であり、R4,R5,R
4′及びR5′はそれぞれ炭素数1〜12の炭化水素基又は
トリメチルシロキシ基であり、R6,R7,R6′及びR7′はそ
れぞれ炭素数1〜12の炭化水素基又はハロゲン置換され
た炭化水素基であり、R8は炭素数4〜13の2価の炭化水
素基、XはR8に結合した−COO−基又は−NHCOO−基であ
り、l及びl′は0〜20の整数であり、m及びnは0〜
100の整数である) で表わされる二官能性有機シロキサンオリゴマーがあ
る。
これら単量体ないしオリゴマーは3〜95重量%の範囲
内で使用される。
これらシロキサン単量体ないしはオリゴマーの中で、
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリ
レート(一般式III)、α,ω−ビス(3−メタクリロ
キシプロピル)ジメチルポリシロキサン(一般式IVにお
いてn≒45)、ヘキサメチレンジイソシアネートにα,
ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ジメチルポリシロ
キサンを付加し、更にグリシジルメタクリレートを付加
させたシロキサンオリゴマー(一般式Vにおいてm=n
≒45,l=l′=1)が好ましい。
又、コンタクトレンズに更に親水性を付与して、水濡
れ性を良くしたり、含水させてソフトコンタクトレンズ
にするために、例えばメタクリル酸、アクリル酸、イタ
コン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、グリセロールメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールメタクリレート、N,N′−ジメチルアクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン
など親水性単量体が使用される。
これら親水性単量体は一般に5〜90重量%の範囲内で
使用される。
これら親水性単量体の中で、メタクリル酸、イタコン
酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、グリセロールメタクリレ
ート、N−ビニルピロリドンが好ましく使用される。
又、コンタクトレンズの寸法安定性を良くするため
に、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビ
スフェノールAジメタクリレート、ビニルメタクリレー
ト、アクリルメタクリレート及びこれらのメタクリレー
ト類に対応するアクリレート類、ジビニルベンゼン、ト
リアクリルイソシアヌレートなどから選ばれた架橋性単
量体が使用される。
これらの中で、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレートが好ましく使用される。
これら架橋性単量体は、0.1〜15重量%の範囲内で使
用される。
コンタクトレンズの光学特性、酸素透過性、機械的強
さ、変形回復性、涙液中での寸法安定性とその経時変化
などの特性バランスを良くするためこれら共重合可能な
単量体を組み合わせた混合物を使用することができる。
たとえば、ハードコンタクトレンズの場合には、シロ
キサン系単量体40〜85重量部、アルキルメタクリレート
5〜20重量部、親水性単量体5〜15重量部、架橋性単量
体0.1〜10重量部及び本発明の式(I)で表わされる単
量体2〜50重量部の範囲内の混合物が好ましく、含水ソ
フトコンタクトレンズの場合には、親水性単量体70〜98
重量部、アルキルメタクリレート0〜20重量部、架橋性
単量体0.1〜10重量部及び本発明の式(I)で表わされ
る単量体2〜30重量部の範囲内の混合物が好ましい。
本発明のコンタクトレンズは、単量体混合物に通常用
いられているラジカル重合開始剤を混合して、加熱、紫
外線の照射などにより重合した重合体から切削・研磨法
又は鋳型中で重合するキャスト法などにより製造するこ
とができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドな
どのパーオキサイド類、アゾビスイソブチロニトリル、
アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物など
が使用できる。その使用量は通常全単量体混合物100重
量部当たり、0.01〜1重量部の範囲内である。
又、光重合においては、例えばベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチ
ルケタール、アセトフェノン、α,α′−ジエトキシア
セトフェノン、アントラキノンなどの光増感剤を全単量
体混合物100重量部当たり、0.05〜3重量部の範囲内で
使用される。
また、本発明のコンタクトレンズには、所望により着
色剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含有させることが出
来る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明は
これらの例によってなんら限定されるものではない。な
お、物性は次の様にして求めた。
《汚れ付着性、離脱性》 日本コンタクトレンズ学会誌、23P.10〜14(1981)に
記載されているタンパク質定量法を使用して測定した。
〈汚れ付着性〉 濃度1ppmのタンパク水溶液中に、モデルレンズ(直径
13mm、厚さ0.2mm、ベースカーブ7.8mm、パワー0.0)を2
5℃で20時間浸漬し、レンズを取出しレンズ表面を一定
量の精製水で洗浄し、洗浄液を浸漬液と合わせて、この
中の残存タンパク量を定量し、初めのタンパク含有量と
の差を計算して、レンズ1枚当りに付着したタンパク量
で汚れ付着性とした。
〈汚れ離脱性〉 17ppmの濃度に調整したタンパク水溶液中にモデルレ
ンズを25℃で20時間浸漬して、取り出して、精製水で洗
浄して、汚れを付着させたモデルレンズを作成した。こ
のレンズを、0.75%ドデシル硫酸ナトリウム(SDSと略
す)水溶液に40℃24時間浸漬し、レンズからタンパクを
抽出した。レンズを取り出し、その表面を一定量のSDS
水溶液で洗浄し、抽出液と合わせて、この中のタンパク
量を定量し、その値を汚れ離脱性とした。
実施例1 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下HEMAと略
す)90重量部、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ−2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート(以下、TFHMAと
略す)10重量部、エチレングリコールジメタクリレート
(以下、EDと略す)、1.0重量部を均一に混合し、アゾ
ビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略す)0.1重量部
を溶解させ、真空下で脱気した後、厚さ5mmのスペーサ
ーを入れた2枚のガラス板の間に注入して、60℃で12時
間、90℃で36時間加熱して重合させた。得られた重合体
から切削研磨法でコンタクトレンズを製作した。このレ
ンズを生理食塩水中に48時間浸漬して含水ソフトコンタ
クトレンズとした。
このレンズの汚れ付着性と離脱性を評価した結果タン
パク汚れの付着量は0.4μg/レンズ1枚であり、汚れの
離脱量は、1.4μg/レンズ1枚であった。
比較例1 実施例1において、HEMA100重量部に、ED1.0重量部、
AIBN0.1重量部を均一に混合・溶解させて重合させた重
合体からコンタクトレンズを製作し、実施例1と同様の
処理をした後、汚れ付着性と離脱性を評価した結果、タ
ンパク付着量が1.5μg/レンズ1枚であり、汚れ離脱量
は0.3μg/レンズ1枚であった。
実施例1と比較例1とを比較して、本発明の共重合体
が、タンパクを付着させにくく、かつ、付着したタンパ
クを離脱しやすいことは明らかである。
比較例2 実施例1において、TFHMAの代りに、フッ素原子だけ
を含有するトリフルオロエチルメタクリレート(以下、
3FMと略す)を使用して重合させた重合体から含水ソフ
トコンタクトレンズを製作した。このものの汚れ付着性
と離脱性を評価した結果、第1表に示した通り、3FMの
添加ではタンパク付着性は改善されず、離脱性も改善さ
れないことが明らかである。
実施例1と比較例1及び2を比較して明らかな通り、
本発明の共重合体が汚れ付着性及び離脱性にきわめて特
異的な特性を有することが分かる。
比較例3 MMA100重量部のみで重合させて重合体からコンタクト
レンズを製作した。このものの汚れ付着性と離脱性を評
価した結果を表1に示した。
実施例2 メチルメタクリレート(以下MMAと略す)90重量部とT
FHMA10重量部を均一に混合し、AIBN0.1重量部を溶解さ
せ、真空下で脱気した後、実施例1と同じキャスト重合
用のガラスセルに注入して、60℃で96時間加熱して重合
させた。得られた重合体からコンタクトレンズを加工し
てハードコンタクトレンズとした。このレンズの汚れ付
着性と離脱性を評価した結果、第1表に示した通り、汚
れが付着しにくく、離脱しやすいものであった。
実施例3及び4 実施例2において、MMAの代りに、トリス(トリメチ
ルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(以下TSSM
Aと略す)及びトリフルオロエチルメタクリレートを使
用し、第1表に示した組成でそれぞれ重合させ、重合体
を得た。
得られた重合体からハードコンタクトレンズを製作
し、汚れ付着性と離脱性を評価した。第1表に示した通
り、汚れが付着しにくく、離脱しやすいものであった。
参考例 TFHMA99.9重量部とED0.1重量部を重合させ共重合体を
得た。得られた共重合体からコンタクトレンズを製作
し、生理食塩水中に48時間浸漬して含水コンタクトレン
ズとした。
このレンズの汚れ付着性と離脱性を評価した結果、第
1表に示した通り、汚れ付着が著しく少いものであっ
た。なお汚れ離脱量が小さい値になっているのは、付着
量が極めて少くなっている為と考えられる。
実施例5 2−ヒドロキシエチルメタクリレート80重量部、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート(以下HPMAと略す)15重
量部、TFHMA5重量部、ED1.5重量部、AIBN0.1重量部を均
一に混合し、真空下で脱気した後、長さ180mm、内径16m
mの試験管に約30gづつ注入し、40℃で8時間、60℃で12
時間、90℃で48時間、加熱して重合させた。得られた重
合体は透明で、光学歪のない均一なものであった。この
重合体から厚さ5mm、直径12.7mmの円盤状のボタンを切
削加工し、デシケーター内で24時間乾燥させた後、切
削、研磨法でコンタクトレンズを製作した。得られたレ
ンズを生理食塩水中に48時間浸漬して、含水ソフトコン
タクトレンズとした。このコンタクトレンズの汚れ付着
性と離脱性を評価したところ、タンパク汚れが付着しに
くく、付いた汚れも離脱しやすいものであった。結果を
第2表に示した。なお、この共重合体の膨潤率は1.21で
あった。
実施例6及び7 実施例5の単量体を使用し、その混合組成を第2表に
示した組成に変更した外は、実施例5と同じ方法で重合
体を得た。得られた重合体からレンズを試作し、汚れ付
着性と離脱性を評価した。結果を第2表に示した。
実施例8 TSSMA63重量部TFHMA25重量部、MMA12重量部、テトラ
エチレングリコールジメタクリレート(以下、4EDと略
す)6重量部、AIBN0.086重量部を均一に混合し、真空
下で脱気した後、長さ180mm、内径16mmの試験管に約28g
ずつ注入し、60℃で40時間、90℃で48時間、110℃で10
時間加熱して重合させた。
得られた重合体は透明で、ビッカース硬度7.6、酸素
透過係数83×10-11ml・cm/cm2・sec・mmHgで光学歪のな
い均一なものであった。この重合体から厚さ5mm、直径1
2.7mmの円盤状のボタンを切削加工し、真空デシケータ
ー内で24時間乾燥させた後、切削・研磨法でコンタクト
レンズを製作した。得られたハードコンタクトレンズ
を、生理食塩水と非イオン界面活性剤とからなる保存液
中で1週間保存した後、汚れ付着性と離脱性を評価し
た。結果を第2表に示した。
実施例9 実施例8の単量体を使用し、その混合組成を第2表に
示した組成に変更した外は、実施例8と同じ方法で重合
体を得た。得られた重合体からレンズを試作し、汚れ付
着性と離脱性を評価し、結果を第2表に示した。
比較例4 実施例5において、TFHMAを使用せずに第2表に示し
た単量体組成で重合して共重合体を得た。得られた共重
合体からレンズを製作し汚れの付着性と離脱性を評価し
た。結果を第2表に示した。第2表から、本発明のコン
タクトレンズがタンパク質を付着させにくく、付着した
汚れも容易に離脱することが明らかである。
比較例5 実施例8において、TFNMAの代りにMMAを使用した他
は、実施例8と同じ方法で共重合体を製造した。得られ
た共重合体からレンズに加工し、その汚れ付着性と離脱
性を評価した。
実施例10 α,ω−ビス(3−メタクリロキシプロピル)ジメチ
ルポリシロキサン(一般式IVにおいてnが約45のもの)
55重量部、n−ブチルアクリレート20重量部、トリフル
オロエチルアクリレート15重量部、TFHMA11重量部、ED4
重量部を均一に混合し、これに、ベンジルジメチルケタ
ール0.5重量部を溶解させて、真空中で脱気し、これを
ポリプロピレンで成形したレンズ製作用の鋳型(凹型)
に注入し、この上に同じくポリプロピレン製の鋳型(凸
型)をのせて、350nmに主波長を有する紫外線ランプで
照射して重合させた。得られたレンズを、生理食塩水中
に2日間浸漬して保存した後、汚れ付着性と、離脱性を
評価した。リゾチームをモデル汚れとした時の付着性は
0.2μg/枚で、離脱性は1.4g/枚であった。
また、このレンズの共重合体は硬度(IRHD)84で柔軟
性のある引張強度340g/3402、引張破断伸度70%、酸素
透過係数220×10-11m・cm/cm2・sec・mmHgの性能を示
すソフトタイプの共重合体であった。
比較例6 実施例10において、TFHMA11重量部の代りに、n−ブ
チルアクリレート5重量部(計25重量部)、メタクリル
酸6重量部を使用した他は、実施例10と同様の方法でキ
ャスト重合法によりレンズを製作した。得られたレンズ
は硬度(IRHD)83の軟らかいソフトレンズであった。こ
のレンズの汚れ付着性と離脱性を評価した結果、汚れ付
着性2μg/枚、離脱性0.9μg/枚であった。
〔発明の効果〕 本発明のコンタクトレンズは、タンパク質や脂質など
の汚れが付着しにくく、かつ、付着した汚れが離脱しや
すいコンタクトレンズであり、ハードコンタクトレンズ
及びソフトコンタクトレンズとして装用しやすく、長期
間装用してもレンズの曇りや、視力の低下がなく、角膜
への障害も少なく、日常の洗浄作業も容易であって、非
常に有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)で表される単量体2〜35重量部及
    びこれと共重合可能な単量体99.5〜71重量部を重合させ
    た共重合体からなるコンタクトレンズ。 (式中、Rは水素又はメチル基、Xは水素又はフッ素、
    nは1〜4の整数)
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