JP4826048B2 - 薬剤包装装置 - Google Patents

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【発明の属する技術分野】
本発明は、錠剤や散薬を患者が1回に服用する量にまとめて包装する包装装置の清掃装置に関する技術であり、さらに詳しくは、本発明は、散薬包装装置における分配円盤、掻出装置、ホッパー、シュート等の散薬や錠剤が粉末化した物が、接触する散薬接触部材に散薬が付着した散薬や粉末化した錠剤を、清掃材を使用して除去するようにして、後処理薬の汚染を防止するとともに、清掃性を向上するようにした技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図25に示すように、分配円盤101は、環状でアール溝102を有し、304ステンレス鋼からなり、研磨剤で鏡面に近いレベルまで研磨されている。そして、この分配円盤101に均一に堆積させた散薬を掻出装置103のシリコンゴム104との接触により掻き出して包装装置に供給するようにしている。しかし、このような分配円盤101で乳酸カルシウムからなる散薬を分割すると、掻出装置103のシリコンゴム104と分配円盤101のアール溝102の表面との間に乳酸カルシウムの粒子が挟まり、掻出装置103のシリコンゴム104により圧縮される。この結果、図12に示すように、乳酸カルシウム105に含まれる乳酸成分が液状に粒子の表面に浮き上がり、その液状乳酸成分106がカルシウムを巻き込みながら分配円盤101のアール溝102表面に付着して、図26に示すように、こびり付くという問題があった。
【0003】
また、薬剤包装装置において用いられる清掃装置は、図27に示す散薬包装装置においては、調剤師が使用する図示しない掃除機ノズルや、自動回転吸引清掃装置によって自動清掃していた図示しない掃除機ノズル公報特開平09−132201参照)
【0004】
また、錠剤包装装置においては、薬剤通路を解体して内部を空けることで、清掃できる構造とし、調剤師が定期的に点検して布や不織布等で薬剤の通り道を拭き取って清掃していた公報特開平09−201399参照)
【0005】
特に散薬の場合、静電気や、物質の吸着力、熱によって薬剤がホッパー、分割器等に付着することが多々発生し、包装する薬剤が、劇薬や毒薬、向精神薬、麻薬などの強い作用を持つ薬剤の場合、少量であっても後の患者に混入することは好ましくなく、ピリン系薬剤にアレルギー等がある患者にピリン系薬剤が極利用少量混入しただけでもアレルギー反応を起こすことがある。
【0006】
このため、前記強い作用を持つ薬剤を包装した後は、調剤師が、前記清掃具を持って念入りに清掃する他に、適量の乳糖や調剤でんぷん等の不剄剤を投入ホッパーから投入して、数包包装することで、散薬の付着経路に若干残っていた薬剤が不剄剤と共に包装されて、残薬が著しく減少する。
【0007】
錠剤カプセル錠の場合、錠剤移動経路に粉末化するなどによって残留することはないが、裸錠や、糖衣錠、圧縮固形錠等は、落下の衝撃や、接触によって粉末屑が発生して、その粉末屑が、経路に残留し、後から包装するカプセル錠や糖衣錠等に付着して患者に薬剤成分が極少量服用される恐れがあり、ピリン系薬剤の場合、このような危険を防止するため、共通経路を通じて包装しないように、また、ピリン系薬剤のみ、別包装によって処方するように最新の注意施している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、薬剤包装装置の残薬処理は、薬剤師の清掃技術によって支えられその作業は、凡雑で手間、時間をかけなければならない作業である。また清掃の注意を怠ると、確実に後の患者に、強い作用を持った薬剤が混入する危険性が増し、神経を使う作業のひとつであった。
【0009】
本発明は、以上の問題点を解決するためなされたもので、本発明によって薬剤師の労力を軽減し、患者により安全な薬剤を提供するために、残薬を確実に清掃した後、後患者の薬剤を包装処理するようにすることによって安全な薬剤の提供を課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段を説明する前に、薬剤付着の原理について説明する。薬剤包装装置で使用される薬剤を粉体とすると、物体の壁面への粉体の付着は、物体の吸着エネルギー、静電気、および液架橋力が要因となることが知られている。大部分の薬剤は、物体の吸着エネルギーと静電気が主な付着の要因となる。一部の薬剤、例えば乳酸カルシウムは、前述したように、圧力や振動を付与すると粒子中の水分が表面に浮き出し、その水分を介して物体に付着するため、液架橋力も付着の要因となる。
【0011】
第1の要因である吸着エネルギーは、物体間の引力である。物体の吸着エネルギーは、Hamaker定数によって表される。Hamaker定数が大きいほど、物体の吸着エネルギーが高く、付着しやすい。異なる物質からなる複合系には、次式で示すHamaker定数の結合則が成立する。
【数1】
A12=√(A11A22)
A12:物質1と物質2の間のHamaker定数
A11:物質1と物質1の間のHamaker定数
A22:物質2と物質2の間のHamaker定数
【0012】
また、物体の吸着エネルギーは、球対球の場合と、球対平面の場合とで異なる。球対球の場合は、球対平面より接触面積が小さいので、吸着エネルギーは小さい。散薬包装装置では、散薬と散薬接触部材とは球対平面になるので、吸着エネルギーが大きく、散薬が散薬接触部材に付着しやすい環境になっている。通常、物体は0.4ナノミクロンで接触しているとされているが、物体に表面粗さがあると、物体の吸着エネルギーは小さくなる特性がある。例えば、10ミクロンの球体同士の接触の場合、両者に0.1ミクロンの粗さがあると、粗さが無い場合に比べて、物体の吸着エネルギーは6万分の1に減少する。したがって、物体の吸着エネルギーを小さくするには、表面にHamaker定数の小さい材料を採用するとともに、適度な粗さを与えて接触面積を小さくする必要がある。
【0013】
第2の要因である静電気による吸着は、粒子あるいは接触面が帯電するしないに拘わらず作用する接触帯電による付着と、粒子あるいは接触面が帯電して起こる静電気による付着がある。
【0014】
接触帯電による付着は、接触する物体間の接触電位の差により電荷が移動して安定しようとする作用により生じる。同一材料では、接触電位差がないので、接触帯電により付着は生じにくい。しかし、同一材料でも、生産場所や加工方法の相違により多少接触電位差が生じることがある。接触帯電による付着応力(Maxwellの応力)Pceは、次式で表される。
【数2】
Pce=−(1/2)ε
ε:物体の誘電率
E:物体のもつ電界強度
【0015】
前式において、電界EをVc/zとすると、次式が得られる。
【数3】
Pce=−εV /2
Vc:静電容量
z:物体間の接触する距離(通常、0.4nm以下)
【0016】
散薬包装装置におけるような球対平面の接触の場合、前式を面積要素dsで積分すると、接触帯電による付着力は、次式で表される。
【数4】
Fce=∫Pceds≒Pce・S
S:接触面積(=πa2)
【0017】
ここで、散薬粒子のような柔らかい物質は、接触の際、接触面がゴムボールのように大きくなることを考慮すると、Hertz理論より、接触円の半径は、次式で表される。
【数5】
a=(3Fkd/8) 1/3
k:弾性特性定数
(=(1−ν1 )/E1+(1−ν2 )/E2)
【0018】
接触帯電による付着力は、粒径が大きいほど増加する。しかし、実際には、重力や遠心力、振動等によって分離する分離力が、粒径の3乗に比例するので、相対的には、粒径の小さい粒子ほど付着しやすくなり、分離もしにくい。
【0019】
静電気による付着は、物体が帯電することで発生する。この付着力は、帯電量の増加に伴って増加する反面、帯電した電子を失った途端に消失する。接近した帯電粒子間の静電気付着力は、次式で表される。
【数6】
Fe=−πσ1σ2 /ε0
σi:表面電荷密度(=−qi/πDpi
qi:電荷
Dpi:粒径
d:換算粒子径
ε0:真空の誘電率
【0020】
静電気による吸着は、+帯電対−帯電で発生し、帯電電位が同じ極性の場合は反発する。このような静電気による吸着を最小限に抑えるには、接触電位差をできるだけ小さくし、帯電電位が移動しやすい導電材料を選択する必要がある。
【0021】
第3の要因である液架橋力による吸着は、粉体粒子の外面に水分の膜が形成され、この膜と膜が水分の表面張力で吸着する現象である。散薬包装装置に使用される散薬は、水分が微量であるため、通常は液架橋力による吸着まで発展しない。しかし、薬剤分割や移送時の圧縮、摺動、振動等の機械的要因により、液架橋力による吸着が生じる。すなわち、散薬に圧力が作用したり、振動が長時間作用すると、散薬粒子中の水分が外面に出て膜を形成し、液架橋力による吸着が生じる。この液架橋力による吸着を抑えるには、散薬接触部材の接触面を撥水処理することも考えられる。
【0022】
以上、粉体付着に対する対策をまとめると、物体の吸着エネルギーによる吸着に対しては、次の措置が考えられる。
(1)粉体接触面をHamaker定数の小さい物質で被覆する。
(2)Hamaker定数の結合則により粉体接触面を選定する。
(3)散薬接触面に適度な粗さを設ける。
また、静電気による吸着に対しては、次の措置が考えられる。
(1)散薬接触面を表面処理しあるいは材料を選択して接触電位差を下げる。
(2)表面を硬くあるいは粉体粒子径に対して粗くして接触面積を下げる。
(3)帯電を抑制し、電荷の移動を促進する。
液架橋力による吸着に対しては、次の措置が考えられる。
(1)散薬接触面の表面処理により撥水効果を高める。
【0023】
これらのことから、残薬を除去する為には、付着する粒子と清掃材間をHamaker定数が大きい関係を作り、付着薬剤の自重を増加させることでも残薬が減少する事が判る。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたもので、
投入ホッパーを介して投入された散薬を分割装置に供給し、該分割装置で散薬を1回服用分毎に分割し、分割された薬剤を包装ホッパーを介して包装装置に供給し、該包装装置で散薬を包装袋に包装する薬剤包装装置において、
前記投入ホッパーに食品系の粉末からなる清掃材を内壁面に向けて供給し、前記投入ホッパーから前記包装ホッパーの出口までの薬剤経路を通過させて、前記薬剤径路に残留した散薬と共に前記清掃材を回収するようにした。
【0024】
投入ホッパーに供給し前記薬剤経路を通過した清掃材を前記包装装置で少なくとも1つの回収袋に包装して回収するようにすることで、清掃作業が効率的に行うことができる。
【0025】
前記投入ホッパーに供給し前記薬剤経路を通過した清掃材を、吸引式の清掃装置によって回収するようにしてもよい。
また、前記包装ホッパーの出口に、前記散薬を包装袋に導く包装経路と、前記清掃材を回収する回収容器に導く回収経路を備え、清掃材の回収時に、前記包装経路から前記回収経路に切り替えて、前記回収容器に清掃材を回収するようにしてもよい。
【0026】
また、各カセットの供給口と包装ホッパーの出口までの薬剤経路材に導入するための清掃材供給口と、前記包装ホッパーの出口に包装袋につながる経路と、前記清掃材を回収する回収容器につながる経路を備え、清掃材の回収時に、包装材への経路を切り替える切り替え装置と、前記薬剤経路を移動する清掃材を強制移動させるため、薬剤経路内の末端部である包装ホッパー出口である回収容器内に、吸引するバキューム装置を備え、清掃時に前記清掃材を薬剤経路に供給した後、粉末化して残留した錠剤と共に清掃材を前記薬剤経路から回収することで薬剤経路を清掃するようにすることもできる。
【0027】
バキューム装置においては、清掃材と粉末及び排気を分離するフィルター装置を備え、一度清掃材供給口から供給した清掃材を再度供給口付近に向けて分離フィルターから清掃材を分離して供給する供給装置を備え、薬剤経路内を清掃材のみループするようにするとよい。
【0028】
清掃材をループさせて使用した後、分離フィルタを経路から切り替えて粉末、清掃材、排気と共に収集し、三種混合の状態から粉末、清掃材と排気に分離する粉塵フィルターによって、前記清掃材を回収するようにすると、清掃材が経済的に使用できる。また、バキューム装置は、市販掃除機を前記経路内に配管することで行うようにするとよい。
【0029】
前記清掃材を包装して回収する包装帯の一部あるいは全部に、清掃材を包装していることを示す表記事項を印字する印字装置を備えると、薬剤と清掃材を容易に区別することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
1.投入ホッパー
【0031】
投入ホッパー1は逆角錐の形状に形成したもので、図1に示す振動フィーダ2の上方に配置され、薬剤を定量送り出す為の貯留機能を備えている。この内部に薬剤を貯留し、該薬剤を振動フィーダ2で搬出すると、投入ホッパー2の内壁に微粉末が付着する。例えば図2に示すように薬剤がアスピリンで、投入ホッパー1が既存のステンレスであると、振動フィーダ2の振動により静電気を発生するが、投入ホッパー1や振動フィーダトラフ3をアースに落としているので、通常静電気(クーロン力)による帯電はほとんどない。しかし、アスピリンは、0.2mm〜0.8mm角の長方体で形成された結晶体であるため、該結晶体の平面部が投入ホッパー1の内壁に対して煉瓦を積んだようにきれいに並んだ状態で付着し、少々の打撃では落下しない強力な付着力が発生する。
【0032】
この付着の主な原因は、アスピリンとステンレスの投入ホッパー1の間の面対面の接触による強い吸着エネルギーである。投入ホッパー1は金属であるため、Hamaker定数の値が大きく、吸着エネルギーも大きい。また、アスピリンは結晶体であるためその平面部がステンレスの投入ホッパー1の平面部と大きく作用することも付着力が強力となっている原因である。例えば、投入ホッパー1をポリカーボーネートで製作して、同様の試験を行うと、樹脂系材料はHamaker定数の値が小さいため、アスピリンを壁面に付着させる力が弱く自重で落下する。また、樹脂系材料は、絶縁材料であるため、振動による帯電電位をアースで落とすことができない。しかし、帯電電位がステンレスの投入ホッパー1に較べて高くても、アスピリンの帯電による付着はみられない。このように、アスピリンが、ステンレスの投入ホッパー1に付着する主な原因は、物体の吸着エネルギーであることが判明した。
【0033】
投入ホッパー1を樹脂化した場合、一番問題になるのが静電気(クーロン力)対策である。薬剤包装装置の場合、複数種類にわたる薬剤に対応したものでなければならない。投入ホッパー1の材料として導電材料を樹脂に練り込んだ材料を使用して成形することにより、静電気による薬剤の帯電付着はある程度改善される。しかし、投入ホッパー1と薬剤の間の接触電位が高いと、樹脂系材料であっても微粉末系の薬剤に対しては効果が薄い。この微粉末系薬剤は、自重が軽いため、少々の打撃では落とすことはできない。このような薬剤の微粉末を落とす為のエネルギーは、粒径が10μmの場合、その粒径重量の1万倍の力を必要とし、分離するための力は、粒径の3乗に比例するので、粒径が細かくなるほど、少々の打撃では落とすことはできない。また騒音も激しくなる。つまり、微粉末系の薬剤を打撃で落とすにしても、Hamaker定数の値が小さい材料を選択すると共に、且つ接触電位差が複数種類の薬剤との間で小さくなる条件を設定して、少々の打撃で落とせるように、トータル的な対策が求められる。
【0034】
本発明者が検討したところ、投入ホッパー1の表面に以下に説明する複合材料を用いることが、物体の吸着エネルギーを抑え、静電気対策(クーロン力)に効果的な処理であることが分かった。
<複合材料1>
【0035】
投入ホッパー1の表面に用いる複合材料1は、投入ホッパー1をアルミで成形し、その表面に酸化膜を形成して、該酸化膜に生じるクラック又は多孔質の内部に樹脂を含浸させて表面を被覆するものである。
【0036】
この表面処理は、図4に示すように、アルミ母材4上にアルマイト層5を5〜100μmほどの厚みで成膜し、アルマイト成膜過程で生じる多孔質部分の孔6にテフロン(登録商標)樹脂7を含浸させる。
【0037】
あるいは、図5に示すように、アルマイト層5を300〜400℃に加熱して急冷するなどにより、アルマイト層5の表面にクラック8を発生させ、該クラック8と多孔質部の孔6にテフロン樹脂を含浸させる。
【0038】
アルミ母材4は、アルミ材又はアルミ合金材に限定され、ダイカスト材は成膜状態が良くない傾向がある。このように処理された表面は、酸化アルミとフッ素樹脂の分散複合膜であり、それぞれの良い特性を有している。例えばHamaker定数の値は、酸化アルミ15.5、樹脂3.2〜12.3であり、ステンレス(Fe/Ni合金)49.2に較べて低い値になる。
【0039】
アルミ母材4の成形は、板金溶接による成形も考えられるが、溶接部の材質が変化し、表面処理を行うと色斑が発生するため、製品品質上好ましくない。このため、へら押し加工、プレス絞り加工、ロストワックス、ダイカスト、鋳造などによる成形が品質保持上好ましいが、このうちロストワックス、ダイカスト、鋳造は前述したようにアルマイトの品質があまり良くない。
【0040】
アルミ部材4の好ましい成形法としては、例えば、図6(a)に示すようにへら押しローラ9で円錐状にへら押し加工したものを、図6(b)に示すようにプレス加工で角錐に成形し、図6(c)に示すように余分な部分をカットするとともに取っ手部10を残し、図6(d)に示すように取っ手部10を曲げ加工する。この成形法は、磨き材を使用することを必要としない上、成形効率が良いため、コストを抑えることができる。
【0041】
薬剤の付着を抑えるにはある程度の表面粗さが必要であることは前述したが、表面粗さが、12μm以上になってくると溝部に残る薬剤が目立つようになるため、表面粗さは12μm以下が好ましい。
【0042】
成形したホッパーには、皮膜形成液中で電界を印加するための電極を備える。この電極は、散薬の受入れに支障の無い位置に固着するか、その位置にクリップで支持する。電極を固着したものは、表面処理後に切断して仕上げることもできるため、仕上がり品質が向上する。クリップで支持する場合は、どうしてもクリップの部分に表面処理ができないため、その部分がダーク色の表面処理部分に対して白く目立つ上、粉体が付着しやすくなる。
【0043】
ホッパーは上方が広く下方が狭い角錐形状の筒となっている。ホッパー外周部にはホッパを装置に装着するための支持金具11が溶接される。支持金具11は、溶接の代わりに、接着剤で固着しても良い。接着剤は、処理過程で剥がれないものを使用すると、表面処理の過程で美しく仕上がり、必要に応じて前述した図6の工程を得て部品付けすることが好ましい。
【0044】
ここでアルマイト処理の基本的な流れを図7のフロチャートに従って説明する。
【0045】
アルマイト処理を受け付ける際、まず処理材の材料に問題ないかチェックする。例えば、テープや塗料などの付着、皮膜成形の処理方法が相違する銅合金系の材料の選別、キズの有無等もチェックされる。
【0046】
材料受入チェックに合格した処理材は、枠付け工程で、製品に電気を流すための電極枠に、アルマイトを最適に処理できるように取り付けられる。
【0047】
枠付けが終了すると、処理材を脱脂処理槽に枠ごと浸漬して、脱脂を行う。脱脂の種類には、大きく分けて無浸食脱脂、艷消し脱脂、電解脱脂がある。脱脂の種類毎に、処理液が相違するが、主にアルカリ系の液が使用されており、例えば水酸化ナトリウム系や中性、又は有機系洗剤がその大半を占める。酸性脱脂液としてはフッ酸や硝酸、塩酸を使用する。脱脂時間は処理液や処理方法によって相違するが、艶消し脱脂の場合1〜3分位である。脱脂終了後、処理材を水洗槽に浸漬し、脱脂液を洗浄する。
【0048】
次に、処理材のアルマイト表面に自然に形成された酸化膜(薄い自然アルマイト皮膜)を除去するために、エッチングを行う。エッチング処理は大きく分けて、電解研磨法と化学研磨法がある。電解研磨法の場合、処理材を硫酸や燐酸の液に浸漬して電解研磨を行う。化学研磨の場合、燐酸や硝酸、酢酸などを使用する。燐酸を使用する場合、温度80〜100℃の処理液に処理剤を6秒から120秒浸漬し、水洗槽で洗浄する。この後、エッチング処理の種類に応じて中和工程、水洗工程を必要とすることがある。
【0049】
これら前処理工程が完了すると、アルマイト処理工程を行う。アルマイト皮膜は処理溶液の種類により、成長速度や多孔質の粗さが変化し、膜の色彩も変化する。
【0050】
硬質アルマイトを形成する場合、蓚酸系または硫酸系の浴槽液が使用される。蓚酸系の場合、100〜2000A/ の電流を流し、60分以上かけて皮膜を形成させる。この時、多孔質の密度を小さくするために、浴槽液の温度を5〜10℃に保持する。浴槽液の温度が高すぎると、多孔質が粗くなり、表面硬度が低下して、硬質アルマイトが形成されない。皮膜が成長するに従い、表面部分が絶縁され電流値が降下するため、皮膜の状況は電流値によって確認できる。
【0051】
アルマイト皮膜が仕上がると、浴槽から出して水洗槽で洗浄する。このとき洗浄が不十分であると、液焼けと言われる色斑が発生する。
【0052】
次に含浸処理を行うが、アルマイト皮膜に発生する多孔質部分に含浸可能なものであるなら何でもよいが、本発明の目的である薬剤の非付着性に効果のない着色含浸は説明を省略する。
【0053】
例えば、PTFEを含浸させる場合、図10に示すように、液体フッ素潤滑溶液を過フッ化溶剤などで希釈した溶剤を容器12に収容し、該容器12の溶剤中に処理材1’を浸漬する。そして、この容器12を超音波浴槽13の水中に沈めて、発振素子14上の網状の台15の上に載置する。このとき含浸を促進させるため、超音波発生装置16によって振動を与える。この後、処理材1’の水洗いを行い、必要に応じて封孔処理として蒸気を吹き付け、湯洗いした後、乾燥し、枠を外して検査を行う。
【0054】
金属イオンを含浸させる場合も、同様の手順を取るが、銀イオンを含浸させる場合、陰極側に処理材を取り付け、陽極側に銀電極を取り付ける。
【0055】
以上、フッ素系、金属系の含浸工程を説明したが、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等も含浸することができる。
【0056】
このようにしてアルマイトにPTFE含浸した処理材の表面は、図8に示すように、アルマイトAl とPTFE樹脂の並びで形成されている。薬剤粒子の付着力は、接触電位差による影響が高い場合、アルマイト>PTFEの関係が成立し、逆に静電気(クーロン力)による影響が高い場合、アルマイト<PTFEの関係が成立する。
【0057】
ここで、薬剤の凝集力が大きい場合、凝集によって生じる粒子径dxの値が大きくなるため、少々の打撃や振動で表面から剥離し易い。これに対し、薬剤の凝集力が小さい場合、薬剤粒子の径dの大きさが打撃や振動による剥離作用に大きく影響し、当然ながら薬剤粒子の径dの径が小さいと、剥離に要する打撃や振動力は薬剤粒子の径dの3乗に比例するため、落としにくい。
【0058】
接触電位差による影響が高い場合を考えると、薬剤粒子の付着力はアルマイト>PTFEの関係が成立するため、接触抵抗の低いPTFE領域に付着した薬剤だけは、一定の打撃力に対して剥離作用が働くが、接触抵抗の高いアルマイト領域に付着している薬剤は留まろうとする。つまり残薬となる可能性が高いのは、アルマイト領域に付着している薬剤である。また、その薬剤の凝集力が大きい場合、凝集によって生じる粒子径dxの値が大きくなるため、当然一定の振動に対しての剥離作用が一段と高まる反面、PTFE領域周辺(アルマイト領域に付着している薬剤)の薬剤も凝集する。ここで剥離作用が上回ると、アルマイトエリアに付着している薬剤も凝集力によって剥離するため、前述した条件より残薬の量が減少する結果となる。この結果は、剥離作用の弱いアルマイト領域の付着力が小さい程有効である。
【0059】
次に、静電気(クーロン力)による影響が高い場合を考えると、前記剥離作用が逆転する。アルマイトは静電気の影響を受けにくいため、静電気の影響を受けやすいPTFE領域に付着する薬剤は留まろうとする反面、アルマイト領域に付着している薬剤は一定の振動で剥離作用が働く。このため、残薬はPTFE領域で生じやすい。この場合も、薬剤の凝集力が大きいと、アルマイト領域に付着している薬剤は一定の振動で剥離作用が容易に働くため、PTFEエリアに付着する薬剤をも巻き込んで剥離する。その結果全体の残薬量が減少する。
【0060】
アルマイトに金属イオンを含浸した処理材についても、接触電位差による影響が高い場合と、静電気(クーロン力)による影響が高い場合に、2種の表面材料が交互に作用しあい、多種にわたる薬剤に対して残薬量を全体的に軽減させるものと考えられる。
【0061】
このようにアルマイトにフッ素系樹脂や金属イオンを含浸したホッパーは、外的応力を付与することで、一時的に付着する薬剤を容易に剥離することができる。外的応力とは、ホッパーに打撃や振動を加えたり、あるいは掃除機による吸引などをいう。
【0062】
また、アルマイト処理面に含浸する材料としては、後の複合材料2で詳しく説明するが、例えば、銅、金、銀、ニッケル、錫、チタン等の金属材料でもよい。薬剤付着防止対策には、特に、銀や酸化チタンが効果的である。これらの含浸材料は、前述したように接触電位差による影響が高い場合と静電気(クーロン力)による影響が高い場合に2種の表面材料が互いに作用しあい、多種にわたる薬剤に対して残薬量を全体的に軽減させるものと考えられる。
【0063】
前述した表面処理を施すこのとき注意しなければならないことは、電極を薬剤の付着とは無縁の位置に設けることである。
【0064】
なお、含浸処理は、普通アルマイト、硬質アルマイトを問わず、可能である。
【0065】
含浸する樹脂は、PTFE、PFAの他、ポリエチレンなども可能であるが、PTFEが一般的である。含浸方法も樹脂材料に応じてそれぞれの手法がある。
【0066】
樹脂を含浸した場合、樹脂がベース面に形成される孔から抜けないように封孔処理する方が、品質が長期にわたり安定するので好ましい。
【0067】
薬剤の粉体の非付着性は、酸化アルミAl のベース面と、該ベース面の孔に含浸された樹脂例えばフッ素樹脂の面との複合面により粉体と面の間の接触電位差が小さくなることにより、向上する。
【0068】
基本的に、粉体の非付着特性は、酸化アルミAl のベース面と樹脂の面から形成される複合面の粉体に対する接触電位差が大きいか、小さいかが焦点である。フッ素樹脂の非付着特性が直接影響して粉体の非付着特性が高まるのでは無い。酸化アルミAl のベース面に対するフッ素樹脂の面の割合が高まると、フッ素との接触で生じる接触電位差の影響を大きく受けるため、粉体の非付着特性が悪化する。
【0069】
一般的に単一材料の場合、金属は接触電位差が高くなる傾向があるが、アルミはその中でも接触電位差が小さく、酸化することで更に接触電位差を小さく抑えることができる。
【表1】
Figure 0004826048
【0070】
樹脂は、一般的に接触電位差は低いが、絶縁性が高いものが多く、逆に粉体が接触離反を繰り返すうちに帯電し、その影響で粉体が付着する。
【0071】
酸化アルミAl のベース面は絶縁体であるが、表面下の中層はアルミ又はアルミ合金で良導電性が高い。このため、膜厚50μm前後のアルマイト処理では、帯電が原因として粉体が付着することはない。含浸された樹脂との間で発生する静電気は、樹脂の粒子が非常に小さいため、大きな静電容量として機能しな。このため、仮に帯電したとしても、薄い皮膜裏面に電子が移動するため、樹脂を含浸したアルマイト処理表面に高い静電気を帯びることはない。
<複合材料2>
【0072】
次に、投入ホッパー1の表面に用いる複合材料2は、粉体の非付着性の効果が確認できる金属の含浸材料として酸化チタンと銀イオンを使用し、これをアルマイト表面に含浸したものである。
【0073】
含浸工程で銀イオンを含浸させるには、銀を陽極板として処理槽に入れ、電流を流し、含浸処理溶液に銀をイオン溶解させて、その溶液にアルマイト処理した処理材を入れて陰極電圧を印加すると、アルマイト層に生じた孔にイオン化した銀が含浸する。この銀イオンを含浸した表面は、材質の影響により、粉体の非付着特性の善し悪しが大きく作用する。 アルマイトは硬質アルマイト処理したもので、表面に形成される孔は比較的緻密に形成される。
【0074】
比較的粉体の非付着特性が良いものは、A1100−O材(焼きなまし材)A2017−O材(焼きなまし材)に含浸したもので、前記PTFE樹脂を含浸したものと同等の効果がある。同じA2017材でも、熱処理品T5、T6(高温急冷人工時効硬化処理、溶体化処理後に人工時効硬化処理)やF(製造のままのもの)では、逆に非付着特性が悪化する。また、A5052−O材や6061−O材も非付着特性が良くない。このことは、合金副材料の影響を大きく受けているものと考えられる。例えばA2017材の場合、アルマイト処理過程で、Cu金属がイオン化しながらアルマイトを形成するため、表面状態も荒れやすく、孔の数や密度、大きさが変化し、銀を含浸させると、表面に広がる銀の分布割合が増減する。銀の割合が増加すると、表面の接触電位差が上がり、粉体を付着させるものと考えられる。
【0075】
酸化チタンを含浸させたものは、酸化チタンの接触電位差が元々低いため、材料の性質的影響を受けにくい。
【0076】
このように、粉体の非付着特性を向上させるには、接触電位差が元々低い材料を使用した複合材を使用することで効果があることが分かった。また、銀イオンを含浸するものは、アルマイト表面の導電性が向上して、静電気の帯電電位が低くなり、静電気による付着についても改善された結果、粉体の非付着特性が向上したものと考えられる。
【0077】
これらの酸化チタンや銀イオンを含浸した場合も、含浸処理後にベース面に形成される孔から抜けないように封孔処理する方が、品質が長期にわたり安定するので好ましい。
【0078】
以上説明した複合材料1や複合材料2からなる表面処理は、図9に示す包装部17の包装ホッパー18にも採用することができる。包装ホッパー18は、包装部17のヒーターローラ19で加熱された乾燥空気の影響で静電気が発生し易く、且つ散薬を包装ホッパー18内に一時貯留させながら包装部17に供給するように構成されているので、粒子の微細な薬剤が包装ホッパー18内部に付着しやすい。しかし、包装ホッパー18にも前述した表面処理を施すことで、包装ホッパー18内部に付着する粒子の微細な薬剤の量が減少する。仮に微細な薬剤が包装ホッパー18内部に残っても、処方間で行う打撃装置の打撃によってほとんどの薬剤を容易に落とすことができる。
【0079】
この包装ホッパー18の薬剤の非付着性を更に向上させる手段として、超音波振動素子を包装ホッパー18に固着して振動させると効果的に思えるが、材質がアルミになると超音波振動素子の振動共振効率が半減する問題がある。そこで図9(a)に示すように包装ホッパー18の外側面にステンレス板20を張り付け、振動作用を包装ホッパー18全体に拡散するようにすると、ある一定の値までは超音波振動素子21の振動共振効率が回復する。しかし、ステンレスホッパーに直接付ける場合に較べ超音波振動素子21の振動共振効率は良くない。そこで、包装ホッパー18として、アルミナセラミックスを成形して焼成した後、フッ素を含浸させたものを使用し、その外側面に直接、超音波振動素子21を取り付けると、コスト的に高価となるが特性は優れたものが期待できる。
【0080】
前述した包装ホッパー18は、基材が金属やセラミックであるため、ヒーターローラ19付近の熱で溶けたり、型くずれしたりしない上、樹脂成形品のように燃えることもない。しかし、ヒーターローラ13の熱により包装ホッパー18が約60℃程度に温度上昇すると、包装ホッパー18内に溜まったり滑り落ちる散薬も温度上昇して包装ホッパー18の内表面に付着しやすくなる。特に、ジゴシン散、バイシリン、フェバノール、メジゴン等は付着しやすい。そこで、図9(b)に示すように、包装ホッパー18の外面にヒートパイプ22を配設し、その吸熱側が包装ホッパー18の下部に放熱側が包装ホッパー18の上部になるように取り付けるとともに、発熱側にヒートシンク23を取り付けて、包装ホッパー18を冷却するようにしてもよい。あるいは図9(c)に示すように、包装ホッパー18の近傍にファン24を設けて包装ホッパー18に設けたフィン25に沿って送風し、包装ホッパー18を冷却することもできる。
【0081】
基本的に、酸化物系材料は、接触電位差の値が小さくなるため、金属酸化物を形成し易いアルミやマグネシウム、チタンを使用することが好ましい。
【0082】
加工や材料特性を考慮すると、アルミが薬剤付着防止に有望で、ホッパーを深絞り加工するなどで、生産コストを抑えることも可能となる。
【0083】
また、へら押し加工も、生産コストを抑える上で有望である。
2.振動フィーダトラフ
【0084】
振動フィーダートラフ3は、ステンレスの表面を電解研磨してすりガラス状に表面を仕上げたものが一般的である。このようなトラフ3では、図11に示すように、乳酸カルシウムがトラフ3の表面に編み目模様に残る現象が確認されている。このような残薬が発生すると、患者が服用する薬剤が実際に投与する量より目減りすることになる。このような現象を包装機における薬剤回収率という。通常、粉末系の薬剤ほど回収率が悪くなるが、まれに顆粒などでは分配中の跳ね等で回収率が落ちることがある。
【0085】
前述したトラフ3の表面に編み目模様に薬剤が残る現象を解決するためには、基本的に非付着性処理を表面に行えばよいのであるが、表面の状況に対して逆に非付着特性が悪化することがある。
【0086】
例えば、塗装の場合には、塗装剤にPTFE樹脂を混合し、さらにセラミックなどの粉体を混合して表面硬度を強化する。このような塗装剤で処理すると、図13に示すように、吹き付けで生じる表面の凹凸に細かい粉体粒子が入り込んで、うっすら全体に付着してしまい、非付着特性が悪化する。
【0087】
また、PTFE樹脂を多く混入すると、今度は静電気の影響により振動フィーダの振動で帯電してしまい、うっすら全体に粉体付着が生じる。PTFE樹脂の混入率は15%〜30%位が好ましい。塗装膜厚については、30μmを越えると徐々に静電気の影響を受けやすくなる。これは、基材が金属であっても塗装表面の帯電した電子が基材を通じて移動しにくくなるのが原因と思われる。
【0088】
塗装表面の状態を滑らかに仕上げるには、スクリーン印刷によって塗布することが好ましいが、塗装材の粘度を低く抑えることができれば、吹きつけによる塗装でも効果はあるが、膜厚が厚くならないように注意しなければならない。例えば、印刷によって塗布したもので、フッ素樹脂が入ったカラー鋼板がある。
【0089】
通常このような材料は、ガスレンジなどの表面化粧板として使用されるが、この材料を使用してトラフを製作すると、従来、発生した乳酸カルシウムがトラフ表面に編み目模様に薬剤が残る現象が解消される上、清掃性に優れることが判明した。
【0090】
この鋼板の構成は、図12に示すように、鋼板31表面にアルミ−亜鉛合金メッキ32を施し、さらにその上に化成被膜33を施し、その表面の化成被膜33にプライマー34を介してフッ素樹脂塗装35をスクリーン印刷したものを200℃前後で焼成したもので、裏面は、コストの安いポリエステル樹脂塗装36をスクリーン印刷している。
【0091】
また、このようなフッ素樹脂入りカラー鋼板は、溶接するなどの加工ができないため、トラフに採用する場合、振動素子との機構的接続や切断面の錆びなどが問題となる。そこで、絞り加工でトラフを成形し、図14に示すように、通常の切断部を曲げ返しにしてカール部37を形成することで切断面が表面に出ないようにすると共に、振動素子との機構的接続用の耳部38を折り曲げ加工で成形すれば、これらの問題点は解消できる。
【0092】
トラフ3の表面処理として、アルマイトにフッ素樹脂を含浸させる処理も考えられる。
【0093】
このような含浸処理の場合も、トラフ3の表面に編み目模様に薬剤が残る現象を解決することができるが、振動や薬剤の量によっては若干編み目模様に薬剤が残る現象が発生する場合がある。しかし、掃除機等で容易に清掃することができる。
【0094】
なぜ、アルマイトにフッ素樹脂を含浸させる処理の場合には振動や薬剤の量によって編み目模様に薬剤が残る現象が発生することがあるのか、その原因は表面の平滑度に関係すると思われるが、現時点では原因が究明されていない。
【0095】
アルマイトにフッ素樹脂を含浸させる処理の場合、幅約2〜5μm、深さ1〜3μmくらいの僅かな溝が表面に無数に存在する。また、トラフ3の共振によりトラフ3の表面部に振動の強弱エリアが発生し、トラフ3上の乳酸カルシウムに含まれる微量の乳酸が振動により液化して乳酸カルシウム粉体粒子の表面に膜を張ったように浮いてくる。このような状況から想定すると、前記表面の無数の溝が平面部に比較して乳酸カルシウムの付着作用が高まり、振動や薬剤の量で、処理面に乳酸カルシウムが部分的に付着したり、しなかったりするものと考えられる。
【0096】
このように、トラフ3の表面に存在する無数の溝によって多少の非付着特性が悪化するようではあるが、掃除機などで清掃すると編み目模様に残る薬剤は容易に吸引除去することができる。
【0097】
このため、図15に示すように、清掃装置のトラフクリーナーノズル39をトラフ3の表面に沿って自動で移動させることで、表面処理との相乗効果でコンタミ(汚染)を防止することができる。また、このトラフクリーナーノズル39を落下センサー39aのレンズ部分まで移動させると、落下センサー39aに微粉末が付着して検出不可状態に陥って分配工程からいつまでも移動しないといった従来の問題も解消できる。
【0098】
このトラフクリーナーノズル39を動作させるには、図16に示すような動作手順が必要となる。
【0099】
まず、供給動作が完全に終了すると、投入ホッパー1はトラフ3から一時退避する。次に、清掃装置の掃除機が吸引を開始し、トラフクリーナーノズル39が降下してトラフ3の表面に接触する。トラフクリーナーノズル39の接触部はCRスポンジやブラシなど、やわらかいものを採用するとよい。次に、トラフ表面をトラフクリーナーノズル39が移動し、末端部を図示しないセンサーが検出するとそのまま、反対方向に移動を折り返す。続いて、トラフ先端部を検出すると、トラフクリーナーノズル39はそのまま落下センサー39aのレンズまで清掃して、定位置に戻る。清掃動作の最後がトラフ先端部から落下センサー39aのレンズとした理由は、スポンジやブラシに付いた薬剤が吸引されずにトラフ3上に残ることを防止するためである。トラフクリーナーノズル39が定位置を検出すると、またはその定位置に近づいている過程で、投入ホッバー1を定位置に戻す。トラフクリーナーノズル39と投入ホッパー1が定位置を検出すると、次処方受け入れ信号を発生する。この信号により、次の処方処理が可能となったことを表示したり、待機投入装置に投入薬剤を待機させれば、自動投入させることなどができる。
【0100】
フッ素樹脂入りカラー鋼板の場合、処理表面特性が非常に優れており、マスク印刷で20μmほどの膜厚に抑えて塗布しているため平滑性が高く、表面に露出するPTFEの分布が一定である。このため、トラフ3の共振により発生するトラフ3の表面の振動の強弱エリアのうち振動が強い場所でも、非付着特性は保証でき、編み目模様に乳酸カルシウムが残ることはない。
【0101】
トラフ3の表面にフッ素樹脂入りカラー鋼板を使用する場合、成形方法が深絞りプレス加工に限定され、小ロットで供給する場合には金型などのコストが跳ね上がり現実的ではない。そこで、このような小ロットに対応する処理として、フッ素樹脂を約15%以上表面に分散させる分量だけ粘性の低い塗装材に混入し、20μm前後に吹き付け、220度の温度で焼き付ける。これにより、表面にフッ素樹脂の非付着特性を兼ね備えた表面に仕上がり、前記フッ素樹脂入りカラー鋼板と同様に目模様に残る薬剤は発生しない。
【0102】
なお、フッ素樹脂入り塗装材は、塗装材や表面硬度等を保護するための副材料の条件によって特性が大きく左右されるが、基本的に表面の平滑度と非付着性材料の表面分布割合と静電気による帯電性のバランスがとれていることが好ましい。
3.掻出装置
【0103】
図18に示すように、掻出装置40は、R円盤上に堆積する散薬を堰き止めて掻き寄せるための丸ゴムディスク41と、掻き寄せた散薬を包装部19(図9参照)に掻き出すための掻き板ゴム42と、掻き寄せた薬剤が次の分の領域に零れないようにガードする仕切ゴム43とから構成されている。
【0104】
これらの部品は、従来ステンレスにシリコンゴムを焼き付けて使用していたが、ステンレス部分に粉体が付着する問題があった。このため、ステンレスやシリコンゴム部分に付着した薬剤を除去するために、ゴムへらやブラシ等で除去しているがあまり効果はなく、調剤師が掃除機を使用して手動で清掃している。
【0105】
本発明の場合、図17に示すように、丸ゴムディスク41をアルミ材料からなる2枚の有孔円板44,45と環状のシリコンゴム46とで構成した。丸ゴムディスク41は、一方の円板44の孔44aの縁に形成した環状突起47を他方の円板45の孔45aに圧入し、2つの円板44,45の外周縁に円錐面状に形成した焼き付け面44b,45bの間にシリコンゴム46を挟持するようになっている。従来、シリコンゴムの焼き付け強度を保つため、余分な焼き付けしろを設けていたが、シリコンゴムの露出面積が多いと薬剤の付着も多くなるため、本発明では、シリコンゴム46の幅と直径方向の消耗しろのみ露出するようにした。さらに、アルミ材からなる2つの円板44,45の表面をアルマイト処理すると共に、そのアルマイト層にテフロンを含浸処理した。
【0106】
このような表面処理を行うと薬剤の付着強度が低下するため、図18に示すように掃除機のノズル48を接近させるだけで、付着した薬剤を除去することが容易にできる。すなわち、掻出装置の原点位置に掃除機ノズル48を設け、掻出工程が終了すると、丸ゴムディスク41、掻き板ゴム42および仕切ゴム43の表面の薬剤を自動でクリーニングすることができる。
【0107】
掃除機ノズル48を設けた理由は、打撃による落下は、比較的大きな粒子には効果があるが、掻出装置40の動作中に発生する煙幕状の散薬微粒子には効果が全く望めない上、薬剤を落下させた後の処理に問題があるためである。
【0108】
掃除機ノズル48に掻出装置40が接近すると、掃除機ノズル48が吸引を開始し、同時に掻出装置が回転する。掻き板ゴム42が掃除機ノズル48の吸引口に接近する毎に吸引口が離反、接近を繰り返すようにすると、掻出装置40のボス部分に渡り清掃できるので好ましい。
【0109】
また、清掃効果を向上させるため、掃除機ノズル48付近にブラシ49を設けると清掃効果が向上する。
【0110】
このブラシ49は、アクリル繊維などの植毛対であっても良いし、CRスポンジを使用してもよい。また、異物混入を避ける上で、ブラシ49などの清掃器具の設置位置は、R円盤の上面から外れた位置とすることが好ましい。
【0111】
本発明の場合、アルミにフッ素樹脂を含浸させた表面処理を採用しているが、条件によっては鋼板表面にフッ素樹脂を塗料と共に混入したものをマスク印刷して表面精度を向上させたものでも、薬剤との接触電位差が小さくなるものであるなら問題ない。
4.V桝円盤
【0112】
従来、V桝円盤はステンレスを採用していたが、薬剤が桝内面に付着するため、包装処理工程で回収できない薬剤が多かった。この回収率を上げるため、掻き落としへらを使用して付着した僅かな薬剤をR円盤に落としている。また、外リングは、開閉動作の時、内円盤を傷つけるため長年使用すると、薬剤付着量も増加する問題があった。
【0113】
このため、図19に示すようにV桝円盤50の内リング51に、厚さ3mmのアルミ合金A5052材を採用し、硬質アルマイト処理した後、フッ素含浸処理することで、薬剤の非付着性を高める。また、V桝円盤50の外リング52に、厚さ1mmのアルミ合金A5052材を採用し、硬質アルマイト、又は普通アルマイト処理した後、フッ素含浸処理する。これらの成形加工は、へら押し、又はプレス加工する。
【0114】
このようにV桝円盤を加工することで、外リング52の開閉動作の時、付着した薬剤が衝撃で落下するため、回収率が向上し、掻き落としへらを必要としない。
【0115】
また、V桝円盤50の内リング51の非付着性処理は、硬質アルマイト処理した後、フッ素含浸処理するものが最適であり、ニッケルフッ素共析鍍金などと比較しても付着性や表面硬度から考えても有利である。特に、ニッケルフッ素共析鍍金の表面は、硬質アルマイト処理にフッ素含浸処理するものに較べて、接触電位差が高い値を示し、V桝円盤50の開閉動作による衝撃では容易に薬剤を落とすことができない。
【0116】
また、塗装系の非付着性処理も表面硬度が確保できないため、V桝円盤50の非付着性処理として好ましくない。
【0117】
なお、V桝円盤50のアルミ合金材として、A5052材を採用している理由は、硬質アルマイトの硬度が非常に硬く仕上がるためである。
【0118】
V桝円盤50の外リング52の場合、硬質アルマイト処理した後、フッ素含浸処理するものでも良いが、硬い材料同士が衝撃的接触を繰り返すと、双方が摩耗するため、V桝円盤50の外リング52は、普通アルマイト処理した後、フッ素含浸処理したものを採用し、外リング52の接触円が摩耗するようにすることが好ましい。なお、アルマイト処理が相違するため、通常であればV桝円盤50の内リング51と外リング52の色が相違することになる。しかし、A5052材を使用すると、アルマイト処理が相違するにも関わらず、色相がシルバー系にそろって違和感はない。例えばA6063材などを使用すると、V桝円盤50の内リング51が暗い浅黄色に仕上がり、外リング52がシルバーに仕上がる。 この色の差を抑えるには、V桝円盤50の内リング51のアルマイト膜厚を20〜30μmにすることで、違和感を抑えることはできるが、色相の相違は容易に確認することができる。
【0119】
図20は、V桝円盤50のクリーナ53を示すものである。図19に示すように、V桝円盤50とその下部に配置されるR円盤54の回転軸が互いにずれた位置でV桝円盤50に薬剤を分配し、分配終了後、前記V桝円盤50の回転軸とR円盤54の回転軸を同芯上に移動した位置でV桝円盤50の底を開放し、分配した薬剤をR円盤54上に落下させる。薬剤の受け渡しが済むと、V桝円盤50は分配位置に戻り、次の処方に備える。
【0120】
ここで、図20に示すように、モータ55によりV桝ダクト56が回転してV桝円盤50にCRスポンジ56aが接触する。この動作と共に、モータ55により駆動伝達ベルト57、スカートノズル回転ギア58を介してスカートノズル59が回転して、V桝円盤50の内リング51のスカート部分にCRスポンジ59aが接触する。この状態で、図示しないバキューム装置を作動させ、V桝円盤50を回転してV桝円盤50のクリーニングを行う。終了後、V枡ダクト56とスカートノズル59は元の位置に戻る。
【0121】
このように、V桝円盤50をアルマイト処理した後、フッ素含浸処理することで、清掃性も向上するため、従来以上に薬剤が残らず、このためコンタミを防止することができるようになった。
5.V桝
【0122】
図21に示すように、V桝60に薬剤を撒いて表面を平らに均し、V桝60の底部を開放して下方の分割器70に薬剤を落とし、分割器70内の薬剤を包装ホッパー18を介して包装部に落として1包ずつ包装する装置に、非付着性処理を施す場合を考える。
【0123】
従来、V桝には硬質アルマイト処理を行っていたが、薬剤の非付着性はあまり良くもなく悪くもない状態で、微粉末系の薬剤は表面に付着していた。このように、表面にうっすら残る薬剤は、掃除機で清掃して処理しているが、当然のことながら薬剤の回収率は悪化する。
【0124】
そこで、本発明では、V桝60に硬質アルマイト処理した後、フッ素含浸処理を行ったが、V桝60の底部を開放した時に薬剤は完全には落ちず、やはり表面にうっすらと微粉末系の薬剤が残った。但し、清掃性は非常に向上し、ノズルを接近させるだけでうっすらと残る薬剤が除去できた。
【0125】
V桝60に前記表面処理を施しても薬剤がさほど落ちない理由は、V桝60の開閉動作が静かに動作するものであり、この開閉動作時に振動が発生しないことによると考えられる。
【0126】
そこで、図21に示すように、V桝60を支持部材61を介して共振バネ材62で支持し、開閉動作時にソレノイド等で打撃を付与する。これにより、表面にうっすら付着する薬剤が、打撃力にもよるが8割方落とすことができた。つまり、このような表面処理は、表面の非付着性を高めた上で、振動を付与することにより効果が増大するものであり、表面処理のみで薬剤の非付着性を改善することはできない。
【0127】
V桝60を振動させる手段として、V枡60の前板63の支持板64に複数の溝65を形成し、V枡60の適宜の固定部分に弾性片66を取り付けてその先端部に設けた突起66aを前記溝65に接触するようにして、V枡60の開閉時に突起65aが溝65を順次乗り越えるときにV桝60全体が振動するようにしてもよい、また、V枡60をソレノイド打撃装置で打撃したり、超音波振動素子で振動させてもよい。このとき振動が長く効果的に働くように、V桝60の支持を板バネなどで受けると効果的である。さらに、集塵ダクト67で、付着した薬剤を吸引してもよい。
【0128】
V桝60の表面処理は、表面硬度が要求されないため、塗装系の表面処理でもかまわないが、振動を付与しない場合、あまり効果が期待できない。
【0129】
V桝60の他に、表面を均す均しへらも表面処理し、使用後へらの軸を叩くと薬剤が容易に落とせるため効果的である。
7.分割器
【0130】
分割器70についても、非付着性処理が効果的である。
【0131】
コストをかけずに、アルマイト層にフッ素含浸処理を行うには、図23に示すような部品で構成すると可能となる。すなわち、2つの端面ブロック板71、2つの側面ブロック板72、多数の仕切板73およびシャッター74で構成し、これらの材料をアルミ材で製作し、図の形状にプレス加工する。側面ブロック板71に設ける仕切板用支持溝76は、300屯刻印プレスで形成する。側面ブロック板72の外周部に設けたスリット76は反りを防ぐものである。
【0132】
仕切板73は、肉厚がシャッター74側で薄く、上に向かって厚くなるように、テーパを有している。このため、図24のように組み付けた状態では、分割器70の隣接する仕切板73の側面間の間隔は、図22(b)に示すように、シャッター74側が広く、上に向かって狭くなっている。シャッター74は、側面ブロック板72に設けたシャッター支持板77の軸孔77aに回動可能に軸支され、側面ブロック板72に設けた磁石78によって吸着されて分割器70の底を閉鎖するようになっている。
【0133】
出願人は、分割器70の残薬を解消するため、清掃装置に関する特願平09−67831の出願を行っている。前述の非付着性処理とこの清掃装置の発明を採用することで、全くと言って良いほどコンタミは解消された。
【0134】
しかし、この分割器70のシャッター74を開いた場合、分割器70自体は、V桝60の時と同様振動することはない。つまり非付着性処理を分割器70に施しても、分割器70内面に微粉末系薬剤がうっすらと付着する現象が発生し、その残った薬剤は、清掃装置で除去され、当然薬剤の回収率は落ちることになる。
【0135】
この問題を解決するために、分割器70に振動を与えることが好ましい。例えば、分割器70の長手方向に複数の溝を形成し、先端部に突起を設けた弾性片を摺動させて、その突起を前記溝に接触させることにより、分割器に振動を与える方法が好ましい。また、シャッター74やその開閉機構に打撃装置を設けたり、超音波振動素子を設けるなどの手段が考えられる。このような手段を設けることで、非付着性処理が効果的に作用する。
【0136】
なお、ここまでの説明は、出願人が行った特願2001−58343に記載される内容に基づくものである。
【0137】
これより本発明の主要部を説明する。なお、同じ構成部品は同一の符号を使用している。
【0138】
図27は散薬包装装置の一例を示すものである。この散薬包装機では、投入ホッパー1に散薬を投入し、投入ホッパー1下部に設けた振動供給装置2によりトラフ3を振動させるとトラフ3の下部で一定速度で回転する分割円盤110外周付近に設けたR溝111にトラフ3より散供給され、R溝111に均一に堆積する。
【0139】
投入ホッパー1は、図示しないが開口の大きさ、出口とトラフ3の表面との間の隙間を自在に調節することができる。
【0140】
記分割円盤110を患者が1回服用する量に相当する角度ずつ回転させ、掻出装置103を動作させると、分割円盤110に均一に堆積した薬剤は、包装ホッパー18に供給され、包装装置113により包装される。
【0141】
包装帯114は、プリンター112により包装内容の情報が印字できるようになっている。
【0142】
装帯114は搬送コンベア115によって排出口に搬送される。トラフ3からの散薬供給が終了すると、投入ホッパー1に打撃振動を打撃装置116により印加して付着した薬剤を落下させ、トラフ3最大振動で駆動し、トラフ上に残った残薬も供給するようになっている。薬剤の包装が終了すると、ブラシ付き吸引清掃装置117、R溝111に接触した状態で動作させ、且つ、分割円盤110を回転し、残薬を清掃する
【0143】
投入ホッパーの清掃
図28は、清掃材ホッパー118及び投入ホッパー付近の拡大図である。清掃材ホッパー118を回転すると、供給ノズル119が投入ホッパ1の真上に配置される。
【0144】
29、図30に示すように、清掃材ホッパー118の下部には、供給ノズル119に向かって清掃材を供給するスクリューフィーダ120を備えている。スクリューフィーダ120は、その一端に配置されるモータ121の回転によって動作する。
【0145】
スクリューフィーダ120の供給方向端部には供給ノズル119が接続されている。供給ノズル119はその供給口を開閉可能なシャッター122と、そのシャッター122を回転させる回転軸123その回転軸の上端に形成された穴123aに挿入され係合されたスプライン軸124と、そのスプライン軸124を駆動させるシャッター回転モーター125を備えている。また、回転軸123の上端に設けられた磁性体123bと対向し、シャッター122を開閉する電磁石126と、シャッター122を閉塞方向に作用するバネ127とを備えている。前記シャッターには、羽128が設けられている。
【0146】
清掃材ホッパー118は、防湿キャップ129で封止されている。
【0147】
図28のように、供給ノズル119が投入ホッパー上に停止した状態で、前記電磁石126に電力を供給すると、図29に示す状態から、図30に示すように、回転軸123の端部に設けられた磁性体123bが電磁石126に吸着するため、バネ127が圧縮されてシャッター122が下方に降下し、供給ノズル119の供給口が開放され。回転軸123はその穴123aとスプライン軸124との適度の隙間によって軸方向のスライドを可能としている。
【0148】
次に、シャッター回転モーター125を動作すると、前記シャッター122が高速回転して、シャッター122上部の清掃材を周方向に飛散させて供給し、投入ホッパー1の内壁に沿って清掃材が落下するようになっている。
【0149】
シャッター回転モーター125が回転すると、スクリューフィーダ120がモータ121により回転し、連続的に清掃材が供給ノズル119を通じて供給される。一定量供給されると、先にスクリューフィーダ120を回転させるモータ121停止し、続いて、シャッター回転モーター125を停止、前記電磁石126に電力を止める。これにより、回転軸123の端部に設けられた磁性体123bが電磁石126から離反し、バネ127の付勢によってシャッター122が上方に移動し、供給口が閉塞する。
【0150】
このように、投入ホッパーの側面に清掃材を積極的に飛散させて、壁面に残留する薬剤を清掃材に吸着し、清掃材の重量と共にトラフ上に残薬を落としている。
【0151】
また、清掃材を投入ホッパー1の内壁面に供給している時、並行して投入ホッパー1に打撃振動を打撃装置116により与えると、残薬効果的に除去することができる。
【0152】
更に先に説明したように投入ホッパーをアルミで製造し、硬質アルマイトを施した後、フッ素粒子を含浸させると、投入ホッパー1の表面の付着力が弱まるため、本件発明と兼用することで、完全に残薬をなくすことができる。
トラフの清掃
トラフ3の清掃を行う場合、前記投入ホッパー1と一緒に行うとよい。トラフ3の場合、供給中に投入ホッパー1最下出口より、薬剤が上に上がって来るため、清掃材が前記薬剤が上がってきた位置まで到達しにくい問題があり、残薬が清掃材に触れず残ってしまう。
【0153】
このような問題を解決するには、3つの方法が考えられる。1つ目の方法は、前回包装した薬剤の使用量以上に清掃材を投入して投入ホッパー1内の薬剤をある程度清掃した後、投入ホッパー1出口とトラフ3の隙間を大きくした後でトラフ3に振動供給装置2より振動を与え、薬剤が上に上がって来た位置まで清掃材が到達した後、前記振動供給装置2の振動値を最大に上げて清掃する方法である。しかし、この方法は、清掃材を多く使用するため経済的ではない。
【0154】
2つ目の方法は、トラフ3の側壁に沿って供給装置を配置し、清掃材をトラフ3の側壁に直接滑り落として清掃する方法がある。このような方法は、初めから振動供給装置2の振動値を最大に上げておくと、直接滑り落ちてきた清掃材が、トラフ3の側壁に付着した残薬を効果的に除去することができる反面、清掃材をトラフ3の側壁に直接滑り落すスペースや供給装置を設けなければならなくなり、コストを押し上げる原因となる。
【0155】
3つ目の方法は、先に説明した図15のトラフ表面を吸引式清掃装置により清掃するとともにホッパー1に供給した清掃材を使用して清掃する方法である。少量の清掃材トラフ表面に供給、ホッパーの清掃が完了した後トラフクリーナー39吸引を行わずに移動し、トラフ表面に残留した薬剤に清掃材が接触するようにし、トラフ3振動供給装置2の振動値を最大に上げて薬剤を落とし、清掃材の大部分が供給された後、前記トラフクリーナーノズル39から吸引除去するようにするとよい。
【0156】
この3つ目の構成は、1つ目や2つ目の手段と違って、図11のような状態の残薬を除去することができるため、残薬を完全に除去することができる上、清掃材も少量で済むため経済的である。
【0157】
これらの清掃方法は、トラフの表面処理の技術を採用すると、効果が増強される。
【0158】
V桝円盤の清掃図19及び図20に示すようなV桝円盤50の清掃も3つの方法がある。
【0159】
1つ目はV桝円盤50に堆積した薬剤の量に相当する分の清掃材を供給する方法である。この方法は、前記トラフと同様、清掃材を多く使用するため経済的ではない。V桝円盤50に堆積した薬剤の量に相当する分の清掃材を供給したあと、V桝円盤50の下部R円盤54を対向させてからV桝円盤50を開いて清掃材を下部R円盤54に落とし、V桝ダクト56によってV桝円盤50内部を清掃する。供給中V桝円盤50は回転させる。
【0160】
2つ目は、トラフ3の先端より落下する清掃材をV桝円盤50の壁面に落とすように分散して供給する方法がある。この場合、V桝円盤50の壁面に直接清掃薬剤が接触するため、1つ目の時に比べて少な目の清掃材で清掃することができる。V桝円盤50に清掃材を供給したあと、V桝円盤50下部R円盤54を対向させてからV桝円盤50を開いて清掃材を下部R円盤54に落とし、V桝ダクト56によってV桝円盤50内部を清掃する。この分散装置は、後で説明する包装ホッパー18内に分散するものを採用できるが、板によって落下方向を制御してもよい。供給中V桝円盤50は回転させる。
3つ目の方法は、V桝円盤50専用の図3や図4で説明した供給装置を備え、直接V桝円盤50に供給する方法である。この場合も、V桝円盤50の壁面に直接清掃薬剤が接触するため、1つ目の時に比べて少な目の清掃材で清掃することができる。V桝円盤50に清掃材を供給したあと、V桝円盤50下部R円盤54を対向させてからV桝円盤50を開いて清掃材を下部R円盤54に落とし、V桝ダクト56によってV桝円盤50内部を清掃する。
【0161】
ここでは、次のユニットに清掃材を供給した後、V桝ダクト56によってV桝円盤50内部を清掃する説明をしたが、後ユニットに直接後ユニットに清掃材を備えたものは、V桝ダクト56によって清掃材を吸い込んでしまって清掃してもよい。
【0162】
R円盤の清掃
【0163】
R円盤110,54の清掃を行うには、様々な清掃材の供給手段が考えられる。前記V桝円盤50からの清掃材の供給であったり、トラフ3から振動供給装置2の振動によって清掃材を供給するもの、または、専用の図3や図4で説明した清掃材供給装置を備えたものがある。このR円盤110,54には、通常ブラシ付き吸引清掃装置117や図18に示す掻出装置40を備えているため、清掃する場合、これらの2つのユニットを使用して行う事ができる。
【0164】
前記3つの供給手段によって一定量の清掃材を供給した後、掻出装置40を使用してR円盤110,54下部に設けた包装ホッパー18に清掃材を供給しながら残薬を処理する。残薬処理を効率的に行うため、掻出回数は3から4回程度とし、その間にR円盤110,54を1回転させると、図18に示すように、丸ゴムディスク41がR円盤110,54に清掃材を接触させながらR円盤110,54に付着した残薬を処理することができる。なお、前工程で、清掃材を大量に使用した場合は、必然的に掻出回数を増加させることが好ましい。
【0165】
また、ブラシ付き吸引清掃装置117を使用して清掃することもできるが、この場合、後工程である包装ホッパー18に専用の清掃材供給ユニットを備える構成であることが好ましい。ブラシ付き吸引清掃装置117を使用する場合、供給された清掃材をそのまま吸引してしまう方法もあるが、前記掻出装置40を使用した後で清掃作業を行ってもよく、清掃材が多い場合には、ブラシ付き吸引清掃装置117のみで清掃するには好ましくない。
【0166】
更に、掻出装置40を使用して清掃すると、清掃材が前記掻出装置40の丸ゴムディスク41等にも付着するため、これらの部分に付着する残薬も掃除機ノズル48によって除去されるためよい。
【0167】
なお、図25の説明で行ったようにR円盤110,54に乳酸カルシウム等の強力な付着があると、清掃材によっても落とせないため、ニッケルフッ素共析鍍金等を行っておくとよい。
【0168】
包装ホッパーの清掃
包装ホッパー18は、図31に示すように、包装ホッパー18上部から掻出装置40によって供給される清掃材を包装ホッパー18の壁面に分散させる分散装置130を備えいる。この分散装置130は、図示しない支持部材に回転モータ132、回転軸133、分散ヘッド134から構成される。図示しない支持部材は、分散ヘッド134が薬剤の包装を妨げない位置に退避可能な退避位置と、包装ホッパー18内に分散ヘッド134を挿入可能な動作位置との移動可能な駆動機構を備えている。分散ヘッド134は、単なる円錐上の平板でもよいが、供給ノズル119で説明したような羽128を備えてもよい。
【0169】
清掃は、次のように行われる。包装ホッパー18の内部に分散装置130の分散ヘッド134を挿入し、続いて、掻出装置40から供給される清掃材を分散ヘッド134に供給する。供給された清掃材は、分散ヘッド134の回転によって包装ホッパー18の壁面方向に分散する。このとき、ここでは図示しない打撃装置によって、包装ホッパー18に打撃振動を付与すると効果的である上、先に説明した表面処理を施すと、完全に残薬が除去することができる。また、打撃装置に代えて、振動モータや、超音波素子により振動を与えてもよい。
【0170】
なお、先に説明した包装ホッパー18専用の清掃材供給ノズル119と清掃材ホッパー118から包装ホッパー18に清掃材を供給するようにしてもよい。
【0171】
その他の清掃
本発明は、特開平2−4602や特開平8−133202の散薬包装装置にも利用することができる。特に、特開平8−133202のV桝に清掃材を供給する場合、図32に示すような筒状の清掃材供給装置135を設ける。清掃材供給装置135は、その一端に設けた清掃材ホッパー118と図示しないスクリューフィーダによって清掃材が供給される筒状供給装置135は、底壁が開口した2つの筒部137を軸137aによって回動可能に接続したもので、その底壁の開口に山型の案内板136を備え、筒部137が回動すると、底部の開口が開閉可能になっている。
【0172】
通常、V桝60に薬剤を投入する場合、前記筒状の清掃材供給装置135は、V桝60から離反した図32(a)の位置に配置しているが、清掃が必要な場合、(b)に示す位置に移動し、(c)に示すように筒状供給装置135の筒部137を回動してその底壁の開口を開放することで、V桝60内面に直接的に清掃材を供給することができる。
【0173】
以後、V桝60の下部に設けた分割容器70に清掃材を供給するため、V桝60底部を開放して分割容器70に清掃材を供給する。このとき、V桝60には振動モータや打撃装置によって振動を付与すると、V桝60内部の残薬が、清掃材と共に分割容器70に供給され、残薬が残らず、V桝60に表面処理を施しておくと、残薬は全く残らない。分割容器70内の清掃については、特開平10−258111の技術を採用すると清掃材と共に、残薬が掃除機で除去される。
【0174】
錠剤包装機の清掃
【0175】
従来の錠剤包装機は、各所を開閉可能にすることで錠剤の粉塵で汚れた包装部までの案内経路を布等で清拭によって清掃していたが、煩わしい作業であった。
【0176】
ここでは、錠剤包装機の自動清掃について説明する。
【0177】
まず、清掃材は散薬の時のように粉体を使用せず、粒子状の清掃材であることを前提とする。図33は錠剤包装機の斜視図である。
【0178】
錠剤は、種類毎にカセット139に収納されその下部に設けたモーターベース140が落下案内通路141に沿って設けられている。落下案内通路141には中間シャッター141aが設けられている。落下案内通路141の下部には、収集ホッパー142が設けられ、ドラムの中心付近に設けられた出口からその下部に配置した包装ホッパー18を配置し、包装部113によって包装され、包装帯114は搬送コンベア117によって取り出し口まで搬送される。
【0179】
包装紙143は、ロール状に巻かれた状態で軸に装着され、この軸と包装部113の間にはプリンター112が設けられている。
【0180】
錠剤包装機の内部には、清掃用の配管が施してあり、錠剤包装機上部に配置した分離装置144を備えている。この分離装置144には、入力側のA配管と、出力側のB、C配管が備えられ、B配管の末端は、掃除機差込口145と繋がっている。一方、出力側のC配管は、粒子状清掃材を再度落下案内通路141に戻す為の配管である。入力側のA配管は、図34、図35に示すように包装ホッパー18の出口に接続された吸引口146に接続している。C配管より、粒子状清掃材を再度落下案内通路141に戻された清掃材は、吸引口146から粉塵と共に分離装置144に吸い上げられる。
【0181】
吸引口146は、包装ホッパー18に接近、離反させる駆動支持部147を備え、通常の薬剤包装中は包装ホッパー18より離反しているが、清掃工程になったとき包装ホッパー18の出口に接近する。清掃工程と通常の切り替えは、切り替えスイッチを設けて行えばよい。前記掃除機差込口145の隣にはコンセント148を備え、掃除機の電源供給が行え、清掃工程に切り替えスイッチを切り替えたときコンセント148へ給電され、通常に切り替えるとコンセント148へ給電は停止する。
【0182】
図36は、分離装置144の斜視図である。分離装置144のA配管から錠剤粉塵と粒子状清掃材と空気が、図37の分離室149に導入される。分離室149の内部には4つの羽を持ったスキージ150が、図36に示すスキージモータ151によって回転する。図37の分離室149のようにA配管から錠剤粉塵と粒子状清掃材と空気が導入されるエリアは、上下方向60度に広がる網152が備えられ、網152を越えた側はB配管に接続されている。この網152は、図示しない駆動モーターによって、現在の位置から約120度回転させることができ、図39は回転後の位置を示す。
【0183】
前記スキージ150は、各スキージ150の回転方向後方側に60度の角度で広がる閉塞板153を備え、前記網152の一部を閉塞するようになっている。この閉塞板153と網152は図36からも判るように、A配管の左右にそれぞれ設けられている。
【0184】
図37、38は、スキージ150の回転によって、粒子状清掃材をC配管に送る状態と、掃除機差込145に接続される吸引エアーが、A配管側の吸引口146に集中するための関係が示されている。図37の状態では、上下に向くスキージ150が、網152の陰圧に対してC配管からの空気流入を阻害しているため、A配管から網152へ空気の移動が行われる。
【0185】
次に図38に示すように、スキージ150が60度回転すると、A配管下部にあるスキージ150後方の閉塞板153が網152の下部を閉塞し、A配管下部にあるスキージ150間の空間が集中して減圧することがないため、図37から図38までの間で、スキージ150が回転する時に、配管Cから網152への空気の流入がなく、吸引口146の吸引力が低下することがない。
【0186】
このような一連の課程で、網152に蓄積した清掃材は、スキージ150の回転によって集められ、C配管に供給され、錠剤包装機のすべての落下案内通路141に分散して供給される。
【0187】
このようにして一定時間清掃材を連続して供給すると錠剤が粉砕して発生した錠剤粉塵が清掃材と共にB配管に接続された掃除機によって清掃される。清掃材を使用しないで、空気のみ通過させるものは、堆積した粉塵が舞い上がらないためほとんど効果がないが、清掃材が、落下する衝撃等で堆積した粉塵が舞い上がり、空気の流れに乗って排出され、内部の清掃が完了すると、図39に示すように、網152を約120度回転させると、その後方に設けた開口部154がB配管に通じるため、清掃材共々、掃除機に回収され、錠剤包装機内部の清掃は完了する。
【0188】
清掃材の投入は、カセット139の一部を使用してもよく、清掃工程に切り替えた後、供給口を経路の一部に設け、そこから清掃材を手作業で供給してもよい。
【0189】
清掃材について散薬包装機と錠剤包装機に使用する清掃材は、相違することを説明したがここでは詳細に清掃材について説明する。
【0190】
散薬包装機に使用する清掃材は、調剤師が手作業で行う場合、乳糖や調剤でんぷんを使用することが多く、これらは劇薬等の強い成分の薬剤を賦形剤と呼ばれている。乳糖は、成分に糖質を含んでいるため、吸水性がありこの適度の吸水性が物質の吸着力を強めるが、反面、各所ユニットへの付着量も増加してしまう問題がある。特に、熱に弱く、包装部のシール熱の影響を受けて液化することもあるため、純粋な乳糖のみを散薬包装機に清掃材として流すことは好ましくない。
【0191】
一方、調剤でんぷんは、男爵芋を原料としているため、主成分が炭水化物で、吸湿性は粉体という性質で比較すると弱く、粒子形状も大きくてさらっとした感じがあるが、物質の吸着、特に残薬を積極的に吸着させる力は弱い。しかし、吸着させると粒子形状が大きい分、少々の打撃で落としやすい効果を備える。
【0192】
好ましい清掃材は、清掃材として散薬包装機のユニットに残ったとしても患者に影響しないもので無ければならないが、その候補を考えると、食品系粉末が好ましい。たとえば、小麦粉、そば粉、コーンスターチ、塩、砂糖、等上げればきりがない。
【0193】
その中でも、清掃材として使えないほどの影響はないが、植物性、動物性油脂を多く含む物は、粒子形状を細か過ぎると残薬と一緒に付着してまう傾向がある。
【0194】
このような粉体には、ごま粉、スキムミルク、等が上げられる。
【0195】
反面、残薬の吸着力等清掃材の性能を発揮しやすい粉体としてそば粉が、好ましい事がわかった。スキムミルクについては、脱脂成分で構成され、粒子が比較的大きいものは効果があるが、清掃材に使用するにはコストが高く、乳製品アレルギーなどを考慮しなければならない。
【0196】
ヒエ、アワなどの雑穀粉末も、油脂分が少ない為、清掃効果があり、患者アレルギーも起こしにくいため清掃材として使用できる。
【0197】
出願人が行った清掃材のレシピとして、複数の粉末を混合するものが各粉末が持つ欠点を補ってよい結果が出た。
【0198】
その中で、そば粉2、でんぷん0.5、乳糖0.5で混合した粉末や、コーンスターチ1、でんぷん0.5、乳糖0.5の組み合わせが清掃材としての効果が高い。清掃効果の高い清掃材はその他、数々の組み合わせが考えられる。
【0199】
結晶性粉末、たとえば、化学調味料も清掃材して考えられるが、静電気の影響を受けやすい事も判明している。
【0200】
錠剤包装機の清掃材としての候補は、たとえば、小サイズの大豆や、小豆、米、等が効果が得られた、大豆の場合、掃除機の吸引力が十分でないと包装ホッパーから錠剤包装機上部に上がらず、詰まってしまう問題がある。その中で米を削って丸くしたものはある程度効果があるが、欠けた米が網152を目詰まりさせる問題がある。その点小豆は、大きさ、使い勝手などから好ましいようである。シリコンボールを清掃材として使用することができる。このとき、清掃材内部に無線起電式IDを封止すると残留シリコンボールの所在が判るため、包装中にシリコンボールが混入して患者に手渡る事を防止することができるし、洗浄することで何度も使用できる。このシリコンボールは、径が3mmから8mm位のもので効果が確認された。
【0201】
清掃動作の制御
【0202】
清掃動作の制御をより自動化するために制御予約を設定するとよい。特に、後の患者に混入したら問題となる薬剤である劇薬、毒薬、麻薬、向精神薬、ピリン系薬剤などのアレルギー反応を激しく起こすものについては管理薬剤として、図40に示すように薬剤登録マスターで登録し、この管理薬剤と、清掃動作制御を関連づけておくと、散薬包装機や錠剤包装機がデータ通信されて処理している薬剤が何であるか機械側で判明する場合に使用できる。
【0203】
簡単な操作としては、薬剤師が清掃を必要と感じた場合にスタートさせるスタートボタンを設けてもよい。
【0204】
本発明の趣旨は、清掃が必要な時、清掃材を自動で供給し、各所の清掃を行うものであって、調剤師が、清掃材を準備し、包装数を設定して清掃材を包装することで清掃するものは本発明の趣旨から外れる。
【0205】
【発明の効果】
本発明によれば、毒薬、劇薬、向精神薬、麻薬、抗癌剤、ピリン系薬剤等、後処方で包装する患者に前記危険度の高い薬剤が混入することをほぼ完全に近い状況まで防止することができると共に、調剤師の手を煩わす事無く、設定、スタートボタンなどの手段によって、薬剤投入部から分割装置は元より包装ホッパーに至るまで、薬剤の付着残量多少に関わらず、清掃材を必要に応じて自動で供給し、前記薬剤投入部から分割装置は元より包装ホッパーに至るまで、清掃材に残薬を含ませてから清掃材と共に、前記薬剤投入部から分割装置は元より包装ホッパーに至るまで、除去することができる。また、投入ホッパーに清掃材を供給するようにしているため、供給装置を最小限に配置することができると共に、清掃材も最小限の量ですべての各ユニットを清掃することできる。
【0206】
投入ホッパーに供給し前記薬剤経路を通過した清掃材を前記包装装置で少なくとも1つの回収袋に包装して回収することで、清掃作業が効率的に行うことができる。
また、前記清掃材を包装して回収する包装帯の一部あるいは全部に、清掃材を包装していることを示す表記事項を印字する印字装置を備えたので、薬剤と清掃材を容易に区別することができる。
【0207】
また、前記投入ホッパーに供給し前記薬剤経路を通過した清掃材を、吸引式の清掃装置によって回収することによって、
前記清掃材を回収すると清掃材の回収によって使用される包装シートを最小限に節約することが可能となる。
また、前記包装ホッパーの出口に、前記散薬を包装袋に導く包装経路と、前記清掃材を回収する回収容器に導く回収経路を備え、清掃材の回収時に、前記包装経路から前記回収経路に切り替えて、前記回収容器に清掃材を回収することによって、包装シートを清掃時にまったく使用することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の散薬接触部材としての投入ホッパーとその振動機構を示す正面図。
【図2】 散薬付着状況を示すホッパーの断面図。
【図3】 散薬付着状況を示すホッパーの断面図。
【図4】 非付着性アルマイト層の一例を示す図。
【図5】 非付着性アルマイト層の他の例を示す図。
【図6】 ホッパーの成形工程を示す図。
【図7】 アルマイト処理の工程図。
【図8】 成膜表面を示す図。
【図9】 (a)は、ホッパーの振動装置を示す側面図、(b)は、冷却手段としてヒートパイプを取り付けたホッパーの側面図、(c)は、冷却手段としてファンおよびフィンを取り付けたホッパーの側面図。
【図10】 含浸処理槽を示す概略図。
【図11】 散薬付着状態を示すトラフの平面図。
【図12】 トラフの非付着性層の断面図。
【図13】 散薬付着状態を示すトラフの平面図。
【図14】 トラフの平面図、側面図、一部拡大図。
【図15】 トラフと清掃装置の正面図。
【図16】 トラフの製造装置の動作を示すフローチャート。
【図17】 掻出装置の製造工程図および分解断面図。
【図18】 掻出装置の斜視図。
【図19】 V枡円盤と分配円盤の斜視図。
【図20】 V枡円盤の断面図。
【図21】 V枡の断面図。
【図22】 分割器の拡大図。
【図23】 分割器の全体分解斜視図。
【図24】 分割器の全体斜視図。
【図25】 従来の散薬接触部材としての分配円盤と掻取装置の斜視図。
【図26】 散薬粒子の拡大図。
【図27】 散薬包装機の概略斜視図。
【図28】 散薬包装機の投入ホッパー、清掃材供給装置を示す斜視図。
【図29】 清掃材供給装置断面図シャッター閉塞。
【図30】 清掃材供給装置断面図シャッター開放。
【図31】 散薬包装ホッパーと分散装置を示す側面図
【図32】 V桝への清掃材供給を示す斜視図。(a)は定位置、清掃待機状態を示す。(b)は、清掃状態で供給装置がV桝上部に移動した状態(c)は、シャッターを開放して清掃材を供給している状態
【図33】 錠剤包装機の概略を示す斜視図。
【図34】 包装ホッパーと吸引ノズルを示す図 清掃中。
【図35】 包装ホッパーと吸引ノズルを示す図 清掃待機中。
【図36】 分離装置の斜視図。
【図37】 分離装置の分離室断面図。スキージ動作A
【図38】 分離装置の分離室断面図。スキージ動作B
【図39】 分離装置の分離室断面図。網の動作
【図40】 薬品登録マスター画面。
【符号の説明】
1 投入ホッパー
3 振動フィーダトラフ
18 包装ホッパー
39 トラフクリーナ
40 掻出装置
50 V桝円盤
56 V桝ダクト
103 掻出装置
110 分割円盤
111 R溝
113 包装装置
116 打撃装置
117 ブラシ付き吸引清掃装置
118 清掃材ホッパー
119 供給ノズル
120 スクリューフィーダ
122 シャッター
128 羽
129 防湿キャップ
130 分散装置
134 分散ヘッド
135 筒状供給装置
137 シャッター
144 分離装置
145 掃除機差込
148 コンセント
149 分離室
150 スキージ
152 網
153 閉塞板
154 開口部

Claims (9)

  1. 投入ホッパーを介して投入された散薬を分割装置に供給し、該分割装置で散薬を1回服用分毎に分割し、分割された薬剤を包装ホッパーを介して包装装置に供給し、該包装装置で散薬を包装袋に包装する薬剤包装装置において、
    前記投入ホッパーに食品系の粉末からなる清掃材を内壁面に向けて供給し、前記投入ホッパーから前記包装ホッパーの出口までの薬剤経路を通過させて、前記薬剤径路に残留した散薬と共に前記清掃材を回収することを特徴とする薬剤包装装置。
  2. 前記投入ホッパーに供給し前記薬剤経路を通過した清掃材を前記包装装置で少なくとも1つの回収袋に包装して回収するようにしたことを特徴とする請求項に記載の薬剤包装装置。
  3. 前記清掃材を包装して回収する包装帯の一部あるいは全部に、清掃材を包装していることを示す表記事項を印字する印字装置を備えたことを特徴とする請求項2に記載の薬剤包装装置。
  4. 前記投入ホッパーに供給し前記薬剤経路を通過した清掃材を、吸引式の清掃装置によって回収するようにしたことを特徴とする請求項に記載の薬剤包装装置。
  5. 前記包装ホッパーの出口に、前記散薬を包装袋に導く包装経路と、前記清掃材を回収する回収容器に導く回収経路を備え、清掃材の回収時に、前記包装経路から前記回収経路に切り替えて、前記回収容器に清掃材を回収するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤包装装置。
  6. 前記投入ホッパーに清掃材を供給する供給ノズルを備えた清掃材ホッパーを設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の薬剤包装装置。
  7. 前記清掃材ホッパーの供給ノズルに、前記投入ホッパーの壁面に向けて清掃材を飛散させる飛散装置を設けたことを特徴とする請求項6に記載の薬剤包装装置。
  8. 前記投入ホッパーに清掃材を供給する際に前記投入ホッパーに打撃振動を与える打撃装置を設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の薬剤包装装置。
  9. 前記食品系の粉末からなる清掃材は、乳糖、でんぷん、小麦粉、そば粉、コーンスターチ、塩、砂糖、ごま粉、スキムミルク、ヒエ、アワ、及びこれらの混合粉末からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の薬剤包装装置。
    【0001】
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