JP4823581B2 - 描画装置および描画方法 - Google Patents

描画装置および描画方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4823581B2
JP4823581B2 JP2005176349A JP2005176349A JP4823581B2 JP 4823581 B2 JP4823581 B2 JP 4823581B2 JP 2005176349 A JP2005176349 A JP 2005176349A JP 2005176349 A JP2005176349 A JP 2005176349A JP 4823581 B2 JP4823581 B2 JP 4823581B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
pixels
exposure
light spot
usable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005176349A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006030986A (ja
Inventor
克人 角
一輝 古和田
一誠 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2005176349A priority Critical patent/JP4823581B2/ja
Publication of JP2006030986A publication Critical patent/JP2006030986A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4823581B2 publication Critical patent/JP4823581B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、描画装置および描画方法に関し、特に、画像データが表す2次元パターンを多重描画により描画面上に形成する描画装置および描画方法に関するものである。
従来、描画ヘッドを備え、その描画ヘッドにより、画像データが表す所望の2次元パターンを描画面上に形成する描画装置が種々知られている。その代表的な例としては、半導体基板や印刷版の作成のために、露光ヘッドにより、所望の2次元パターンを、感光材料等の露光面上に形成する露光装置が挙げられる。かかる露光装置の露光ヘッドは、一般的に、光源アレイや空間光変調素子といったような、多数の画素を有し所望の2次元パターンを構成する光点群を発生させる画素アレイを備えている。この露光ヘッドを、露光面に対して相対移動させながら動作させることにより、所望の2次元パターンを露光面上に形成することができる。
なかでも近年、解像性の向上等のため、画素が2次元状に配された画素アレイを備えた露光ヘッドを、各画素からの光線の走査線が別の画素からの光線の走査線と一致するようにして用い、露光面上の各点を実質的に複数回重ねて露光する形式の露光装置がいくつか提案され始めている。
たとえば、特許文献1には、露光面上に形成される2次元パターンの解像性を向上させ、滑らかな斜め線を含むパターンの表現を可能にするため、複数のマイクロミラーが2次元状に配された矩形のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を、走査方向に対して傾斜させて用い、近接するマイクロミラーからの露光スポットが露光面上で一部重なり合うようになした露光装置が記載されている。
また、特許文献2には、やはり矩形のDMDを走査方向に対して傾斜させて用いることによって、露光面上で露光スポットを重ね合わせて合計の照明色度を変化させることによるカラーイメージの表現や、DMDの各画素に対応して設けられたマイクロレンズの一部欠陥等の要因によるイメージングエラーの抑制を可能とした露光装置が記載されている。
さらに、特許文献3にも、やはり矩形のDMDを走査方向に対して傾斜させて用いることにより、各マイクロミラーからの光線の光量ばらつきの影響を均して、露光面上に形成される2次元パターンの濃度むらを軽減することを可能とした露光装置が記載されている。
米国特許第6493867号明細書 特表2001−500628号公報 特開2004−9595号公報
しかしながら、画素が2次元状に配された画素アレイを、画素列を走査方向に対して傾斜させて用いて、多重露光を行う場合、画素アレイを含む露光ヘッドの取付角度の微調整は一般に難しく、画素列の走査方向に対する傾斜角度が理想の設定傾斜角度からわずかにずれることが多い。そのようなずれがあると、各画素列の端部付近のいくつかの画素からの光線により露光される露光面上の個所においては、露光スポットの密度や配列が、露光面上の他の部分とは異なったものとなり、形成される2次元パターンの解像性や濃度にむらが生じてしまう。
また、上記の取付角度のずれのみならず、画素アレイと露光面の間の光学系の各種収差や、画素アレイ自体の歪み等によって、露光面上において生じるパターン歪みも、形成される2次元パターンの解像性や濃度にむらを生じさせる原因となる。
これらのむらを解消する1つの策としては、露光ヘッドの取付角度の調整精度、画素の配置精度、および光学系の調整精度等を向上させることが考えられるが、これらの精度の向上を追求すると製造コストが非常に高くなってしまう。
同様の問題は、露光装置のみならず、たとえばインク滴を描画面に向けて吐出して描画を行うインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェットプリンタ等、他の種類の描画装置においても生じ得る。
本発明は、上記事情に鑑み、描画ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響による解像性や濃度のむらを軽減した、多重描画形式の描画装置および描画方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明に係る描画装置は、描画面をN重描画(Nは2以上の自然数)により描画し、画像データが表す2次元パターンをその描画面上に形成する描画装置であって、2次元状に配された多数の使用可能画素を有しその画像データに応じて上記の2次元パターンを構成する描画点群を発生させる画素アレイを備えた、1つまたは複数の描画ヘッドであって、上記の使用可能画素の画素列方向とその描画ヘッドの走査方向が所定の設定傾斜角度をなすように、上記の描画面に対して取り付けられた描画ヘッドと、その描画面に対して各々の描画ヘッドを上記の走査方向に相対移動させる移動手段と、各々の描画ヘッドについて、上記の多数の使用可能画素のうちのN重描画に使用する使用画素が実動するように設定する使用画素設定手段を備えていることを特徴とするものである。
前記使用画素設定手段は、前記描画点群が示す描画面上における実際の画素列方向と前記走査方向とがなす実傾斜角度とに基づいて使用画素を設定するものとすることができる。また、前記使用画素設定手段は、使用画素を指定する使用画素指定手段と、使用画素のみが実動するように設定を変更する設定変更手段とを備えたものとすることもできる。
ここで、本発明において「画素列」とは、画素アレイ上に2次元状に配された画素の2つの並び方向のうち、走査方向となす角度がより小さい方向の並びを指すものとし、「画素行」とは、走査方向となす角度がより大きい方向の並びを指すものとする。なお、画素アレイ上の画素の配置は、必ずしも矩形格子状でなくてもよく、たとえば平行四辺形状の配置等であってもよい。
また、本発明において「N重描画」とは、描画面上の描画エリアの略すべての領域において、走査方向に平行な直線が、描画面上に投影されたN本の使用画素の画素列と交わるような設定による描画処理を指す。ここで、描画エリアの「略すべての領域」と述べたのは、各画素アレイの両側縁部では、画素列を傾斜させたことにより、走査方向に平行な直線と交わる使用画素の画素列の数が減るため、かかる場合に複数の描画ヘッドをつなぎ合わせるように使用したとしても、描画ヘッド取付角度や配置等の誤差により、走査方向に平行な直線と交わる使用画素の画素列の数がわずかに増減することがあるため、また、各使用画素の画素列間のつなぎの、解像度分以下のごくわずかな部分では、取付角度や画素配置等の誤差により、走査方向と直交する方向に沿った画素ピッチが他の部分の画素ピッチと厳密に一致せず、走査方向に平行な直線と交わる使用画素の画素列の数が±1の範囲で増減することがあるためである。
一方、理想的なN重描画は、描画面上の描画エリアのすべての領域において、走査方向に平行な直線が、描画面上に投影されたN本の使用画素の画素列と過不足なく交わるような設定による描画処理を指す。
なお、以下の説明では、Nが2以上の自然数であるN重描画を総称して「多重描画」という。さらに、以下の説明では、本発明の描画装置または描画方法を露光装置または露光方法として実施した形態について、「N重描画」および「多重描画」に対応する用語として、「N重露光」および「多重露光」という用語を用いるものとする。
さらに、本発明における「使用画素指定手段」は、手動による使用画素の指定を受け付けるものであってもよいし、後述する位置検出手段や選択手段等を含み、自動的に最適な使用画素を選択するものであってもよい。
また、上記において「使用画素のみが実動するように設定を変更する」とは、たとえば使用可能画素のうち使用画素以外の画素をオフ設定とし動作しないようにする形態や、画像データのうち使用画素以外の画素に送られる部分を、オフ状態のデータ(すなわち描画しないことを示すデータ)とする形態であってもよいし、使用画素以外の使用可能画素も動作させるが、それらの画素からの光線やインクジェット等の描画媒体が描画面に到達しないように遮蔽等を行う形態であってもよい。
さらに、上記の本発明に係る描画装置において、上記の設定傾斜角度θは、上記の使用可能画素の各画素列をなす画素の個数s、それら使用可能画素の画素列方向の画素ピッチp、および上記の走査方向と直交する方向に沿ったそれら使用可能画素の画素列ピッチδに対し、
Figure 0004823581
の関係を満たす角度であることが好ましい。
また、上記の本発明に係る描画装置において、上記の使用画素指定手段は、使用画素を画素行単位で指定するものであってもよい。
さらに、上記の使用画素指定手段は、上記の描画点群が示す描画面上における実際の画素列方向と上記の走査方向とがなす実傾斜角度を特定し、その実傾斜角度と上記の設定傾斜角度との間の誤差を吸収するように、使用画素を画素行単位で指定するものであってもよい。その場合において、上記の使用画素指定手段は、使用可能画素の画素列のうちの複数に対応する描画面上の描画点の複数の列を代表描画点列とし、それら複数の代表描画点列の各々について、その代表描画点列の方向と上記の走査方向とがなす個別実傾斜角度を特定し、それら個別傾斜角度の代表値を、上記の実傾斜角度とするものであってもよい。ここで、上記の「個別傾斜角度の代表値」としては、たとえば特定したすべての個別傾斜角度の平均値、中央値、最大値および最小値のいずれかを用いることができる。
また、各々の前記描画ヘッドの前記画素アレイは、前記描画点群として光点群を発生させるもとしてもよい。
また、上記の本発明に係る描画装置においては、各々の描画ヘッドの画素アレイが、上記の描画点群として光点群を発生させるものであり、上記の使用画素指定手段が、各々の描画ヘッドについて、上記の光点群を構成する光点の描画面上における位置を検出する位置検出手段と、各々の描画ヘッドについて、その位置検出手段による検出結果に基づいて、描画面上の、上記の使用画素の画素列間のつなぎ部分による描画個所を少なくとも1つ含む代表領域において、理想的なN重描画に対して描画が冗長となる部分および理想的なN重描画に対して描画が不足となる部分の合計が最小となるように、上記の使用可能画素中の不使用画素を特定し、それらの不使用画素を除いた画素を上記の使用画素として選択する選択手段を備えているものであってもよい。
あるいは、各々の描画ヘッドの画素アレイが、上記の描画点群として光点群を発生させるものであり、上記の使用画素指定手段が、各々の描画ヘッドについて、上記の光点群を構成する光点の描画面上における位置を検出する位置検出手段と、各々の描画ヘッドについて、その位置検出手段による検出結果に基づいて、描画面上の、上記の使用画素の画素列間のつなぎ部分による描画個所を少なくとも1つ含む代表領域において、理想的なN重描画に対して描画が冗長となる部分の描画点数と、理想的なN重描画に対して描画が不足となる部分の描画点数とが等しくなるように、上記の使用可能画素中の不使用画素を特定し、それらの不使用画素を除いた画素を上記の使用画素として選択する選択手段を備えているものであってもよい。
あるいは、各々の描画ヘッドの画素アレイが、上記の描画点群として光点群を発生させるものであり、上記の使用画素指定手段が、各々の描画ヘッドについて、上記の光点群を構成する光点の描画面上における位置を検出する位置検出手段と、各々の描画ヘッドについて、その位置検出手段による検出結果に基づいて、描画面上の、上記の使用画素の画素列間のつなぎ部分による描画個所を少なくとも1つ含む代表領域において、理想的なN重描画に対して描画が冗長となる部分が最小となり、かつ、理想的なN重描画に対して描画が不足となる部分が生じないように、上記の使用可能画素中の不使用画素を特定し、それらの不使用画素を除いた画素を上記の使用画素として選択する選択手段を備えているものであってもよい。
あるいは、各々の描画ヘッドの画素アレイが、上記の描画点群として光点群を発生させるものであり、上記の使用画素指定手段が、各々の描画ヘッドについて、上記の光点群を構成する光点の描画面上における位置を検出する位置検出手段と、各々の描画ヘッドについて、上記の位置検出手段による検出結果に基づいて、描画面上の、上記の使用画素の画素列間のつなぎ部分による描画個所を少なくとも1つ含む代表領域において、理想的なN重描画に対して描画が不足となる部分が最小となり、かつ、理想的なN重描画に対して描画が冗長となる部分が生じないように、上記の使用可能画素中の不使用画素を特定し、それらの不使用画素を除いた画素を上記の使用画素として選択する選択手段を備えているものであってもよい。
また、上記の本発明に係る描画装置は、上記の不使用画素を画素行単位で特定するものであってもよい。
さらに、上記の本発明に係る描画装置において、上記の選択手段は、上記の位置検出手段による少なくとも2つの光点の位置の検出結果に基づいて、上記の光点群が示す描画面上に投影された実際の画素列方向と上記の走査方向とがなす実傾斜角度を特定し、その実傾斜角度に基づいて、上記の不使用画素を特定するものであってもよい。その場合において、上記の選択手段は、上記の使用可能画素の画素列のうちの1つに対応する描画面上の光点の1つの列を代表光点列とし、その代表光点列およびその近傍の光点列をなす光点のうち、少なくとも2つの光点の位置の上記の位置検出手段による検出結果に基づいて、上記の実傾斜角度を特定するものであってもよい。ここで、上記の1つの代表光点列としては、中心付近の光点列を選択することが好ましい。あるいは、上記の選択手段は、上記の使用可能画素の画素列のうちの複数に対応する描画面上の光点の複数の列を代表光点列とし、それら複数の代表光点列の各々について、その代表光点列およびその近傍の光点列をなす光点のうち、少なくとも2つの光点の位置の上記の位置検出手段による検出結果に基づいて、その代表光点列の方向と上記の走査方向とがなす個別実傾斜角度を特定し、それらの個別傾斜角度の代表値を、上記の実傾斜角度とするものであってもよい。ここでも、上記の「個別傾斜角度の代表値」としては、たとえば測定したすべての個別傾斜角度の平均値、中央値、最大値および最小値のいずれかを用いることができる。
また、上記の本発明に係る描画装置は、上記の使用画素指定手段において上記の使用画素を指定するため、各々の描画ヘッドについて、上記の多数の使用可能画素のうち、上記のNに対して(N−1)本おきの画素列を構成する画素のみを使用して、参照描画を行う参照描画手段をさらに備えているものであってもよい。
あるいは、上記の本発明に係る描画装置は、上記の使用画素指定手段において上記の使用画素を指定するため、各々の描画ヘッドについて、上記の多数の使用可能画素のうち、上記のNに対して、それら使用可能画素の全画素行数の1/N本に相当する互いに隣接する画素行の群を構成する画素のみを使用して、参照描画を行う参照描画手段をさらに備えているものであってもよい。ここで、使用可能画素の全画素行数がNで割り切れない本数である場合には、上記の「使用可能画素の全画素行数の1/N本に相当する互いに隣接する画素行の群」として、全画素行数の1/Nに最も近い本数、全画素行数の1/N以下の最大の本数または全画素行数の1/N以上の最小の本数の画素行から構成される群等を選択してもよい。
また、上記の本発明に係る描画装置は、上記の画像データが表す2次元パターンの所定部分の寸法が、指定された使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、その画像データを変換するデータ変換手段をさらに備えているものであってもよい。
さらに、上記の本発明に係る描画装置において、上記の画素アレイは、光源からの光を上記の画像データに応じて画素ごとに変調する空間光変調素子であってもよい。ここで、上記の「光源」は、各描画ヘッド(露光ヘッド)の内部に組み込まれているものであってもよいし、各描画ヘッドの外部に設けられた、描画ヘッドごとのまたは複数の描画ヘッド間で共有される光源であってもよい。
また、上記の本発明に係る描画装置において、上記のN重露光の数Nは、3以上7以下の自然数であることが好ましい。
本発明に係る描画方法は、2次元状に配された多数の使用可能画素を有し画像データに応じてその画像データが表す2次元パターンを構成する描画点群を発生させる画素アレイを備えた、1つまたは複数の描画ヘッドであって、上記の使用可能画素の画素列方向とその描画ヘッドの走査方向が所定の設定傾斜角度をなすように、描画面に対して取り付けられた描画ヘッドを用いた描画方法であって、各々の描画ヘッドについて、上記の多数の使用可能画素のうちのN重描画(Nは2以上の自然数)に使用する使用画素が実動するように設定を行なう工程と、描画面に対して各々の描画ヘッドを上記の走査方向に相対移動させながら、各描画ヘッドを動作させ、上記の2次元パターンを描画面上に形成する工程を含むことを特徴とするものである。
前記使用画素の設定は、前記描画点群が示す描画面上における実際の画素列方向と前記走査方向とがなす実傾斜角度とに基づいて行なうようにすることができる。
前記使用画素が実働するように設定する工程は、使用画素を指定する工程と、前記使用画素のみが実動するように設定を変更する工程とを含むものとすることができる。
ここで、「描画面に対して各々の描画ヘッドを走査方向に相対移動させながら、描画ヘッドを動作させ」るとは、描画ヘッドを常に移動させながら連続的に描画を行う形態であってもよいし、描画ヘッドを段階的に移動させながら、各移動先の位置で描画ヘッドを静止させて描画動作を行う形態であってもよい。
本発明の描画装置および描画方法によれば、描画ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響が最小限に抑えられる数の画素を使用画素として設定し、さらに残留する取付角度誤差やパターン歪みの影響を、多重描画による埋め合わせの効果で均すことができるので、描画が冗長となる部分や描画が不足となる部分を最小限に抑え、描画面上に形成される2次元パターンの解像性や濃度のむらを軽減することができる。
また、使用画素指定手段を、位置検出手段および選択手段を備えたものとした態様によれば、参照描画結果の目視による確認等により操作者が使用画素を手動で設定するといった熟練が要求される作業を必要とせず、自動的に、描画ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響が最小限に抑えられる数の使用画素を指定し、描画装置の設定を行うことができる。
さらに、上記の選択手段を、1つの代表光点列を特定して、代表光点列およびその近傍の光点列をなす光点のうち少なくとも2つの光点の位置の検出結果に基づいて、実傾斜角度を特定するものとした態様によれば、描画面上に投影された各画素列の方向が、残留するパターン歪みの影響により画素列ごとに異なる場合でも、適当な実傾斜角度を特定し、使用画素を選択することができる。とりわけ、中心付近の光点列を代表光点列として選択することとすれば、描画面上に形成される2次元パターンの、パターン歪みの影響による全体的な解像性や濃度のむらを軽減する効果がさらに高まる。
また、上記の選択手段を、複数の代表光点列を特定して、各代表光点列およびその近傍の光点列をなす光点のうち少なくとも2つの光点の位置の検出結果に基づいて、個別実傾斜角度を特定し、それらの代表値を実傾斜角度とする態様によっても、描画面上に投影された各画素列の方向が、残留するパターン歪みの影響により画素列ごとに異なる場合でも、適当な実傾斜角度を特定し、使用画素を選択することができ、かつ、描画面上に形成される2次元パターンの、パターン歪みの影響による全体的な解像性や濃度のむらを軽減する効果をさらに高めることができる。
さらに、(N−1)本おきの画素列を構成する画素、または使用可能画素の全画素行数の1/N本に相当する互いに隣接する画素行の群を構成する画素のみを使用して、参照描画を行うことを可能とした態様によれば、参照描画により、多重描画のパターンよりも単純な略1重描画のパターンを得ることができるので、操作者の目視確認等による使用画素の指定が容易となり、最適な使用画素をより指定しやすくなる。
また、所定部分の寸法が一致するように画像データを変換する態様によれば、指定された使用画素により実現可能な所定部分の寸法に、画像データが示す2次元パターンの寸法を一致させ、所望の2次元パターンどおりの高精細なパターンを描画面上に形成することができる。
以下、図面により、本発明の描画装置の1つの実施形態である露光装置について、詳細に説明する。
本実施形態に係る露光装置10は、図1に示すように、シート状の感光材料12を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置10には、移動手段としてのステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置124が設けられている。
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22が設けられている。コの字状のゲート22の端部の各々は、設置台18の両側面に固定されている。このゲート22を挟んで一方の側にはスキャナ24が設けられ、他方の側には感光材料12の先端および後端を検知する複数(たとえば2個)のセンサ26が設けられている。スキャナ24およびセンサ26はゲート22に各々取り付けられて、ステージ14の移動経路の上方に固定配置されている。なお、なお、スキャナ24、センサ26、およびステージ駆動装置124等は、これら各部の動作やタイミングを制御するコントローラ160に接続されている。ここで、説明のため、ステージ14の表面と平行な平面内に、図1に示すように、互いに直交するX軸およびY軸を規定する。
ステージ14の走査方向に沿って上流側(以下、単に「上流側」ということがある。)の端縁部には、X軸の方向に向かって開く「く」の字型に形成されたスリット28が、等間隔で10本形成されている。各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。ステージ14内部の各スリット28の下方の位置には、それぞれ単一セル型の光検出器122が組み込まれている。各光検出器122は、後述する位置特定部126に接続されており、位置特定部126は使用画素選択処理を行う選択手段である演算装置130に接続されている。
なお、スリット28、光検出器122、および位置特定部126は位置検出手段である位置検出部120を構成するものである。そして、使用画素指定手段である使用画素指定部140が上記位置検出部120および演算装置130を備えている。
スキャナ24は、図2および図3(B)に示すように、2行5列の略マトリックス状に配列された10個の露光ヘッド30を備えている。なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記する。
各露光ヘッド30は、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の画素列方向が走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている。したがって、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。ステージ14の移動に伴い、感光材料12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
また、図3の(A)および(B)に示すように、帯状の露光済み領域34のそれぞれが、隣接する露光済み領域34と部分的に重なるように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、その配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア3211と露光エリア3212との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア3221により露光することができる。
なお、各露光ヘッド30の中心位置は、上記の10個のスリット28の位置と略一致させられている。また、各スリット28の大きさは、対応する露光ヘッド30による露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
露光ヘッド30の各々は、図4および図5に示すように、入射された光を画像データに応じて各画素部ごとに変調する空間光変調素子として、米国テキサス・インスツルメンツ社製のDMD36を備えている。このDMD36は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えたコントローラ160に接続されている。このコントローラ160のデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド30ごとに、DMD36上の使用領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド30ごとにDMD36の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
図4に示すように、DMD36の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア32の長辺方向と一致する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源38、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系40、このレンズ系40を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42がこの順に配置されている。なお図4では、レンズ系40を概略的に示してある。
上記レンズ系40は、図5に詳しく示すように、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を平行光化する1対の組合せレンズ44、平行光化されたレーザ光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ46、および光量分布が補正されたレーザ光をDMD36上に集光する集光レンズ48で構成されている。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光材料12の描画面である露光面12A上に結像させるレンズ系50が配置されている。レンズ系50は、DMD36と感光材料12の露光面12A(以後、符号12Aの表記は省略する)とが共役な関係となるように配置された、2枚のレンズ52および54からなる。
本実施形態では、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光は、実質的に5倍に拡大された後、DMD36上の各マイクロミラーからの光線が上記のレンズ系50によって約5μmに絞られるように設定されている。
DMD36は図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々画素(ピクセル)を構成する多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。本実施形態では、1024列×768行のマイクロミラー58が配されてなるDMD36を使用するが、このうちのDMD36に接続されたコントローラ160により駆動可能すなわち使用可能なマイクロミラー58は、多数の使用可能画素からなる画素アレイを構成する1024列×256行のみからなるものであるとする。DMD36のデータ処理速度には限界があり、使用するマイクロミラー数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、このように一部のマイクロミラーのみを使用することにより1ライン当りの変調速度が速くなる。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジおよびヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD36のSRAMセル56に、所望の2次元パターンを構成する各点の濃度を2値で表した画像信号が書き込まれると、支柱に支えられた各マイクロミラー58が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±α度(たとえば±10度)のいずれかに傾く。図7(A)は、マイクロミラー58がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7(B)は、マイクロミラー58がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。したがって、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー58の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD36に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー58の傾き方向へ反射される。
なお図6には、DMD36の一部を拡大し、各マイクロミラー58が+α度または−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された上記コントローラ160によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
ファイバアレイ光源38は、図8に示すように、複数(たとえば14個)のレーザモジュール60を備えており、各レーザモジュール60には、マルチモード光ファイバ62の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ62の他端には、マルチモード光ファイバ62より小さいクラッド径を有するマルチモード光ファイバ64が結合されている。図9に詳しく示すように、マルチモード光ファイバ64のマルチモード光ファイバ62と反対側の端部は走査方向と直交する方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部66が構成されている。
マルチモード光ファイバ64の端部で構成されるレーザ出射部66は、図9に示すように、表面が平坦な2枚の支持板68に挟み込まれて固定されている。また、マルチモード光ファイバ64の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。マルチモード光ファイバ64の光出射端面は、光密度が高いため集塵しやすく劣化しやすいが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
本実施形態では、露光装置10により2重露光処理を行うこととし、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の上記の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない設計通りの理想的な状態であれば、1024列×256行のマイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用するものとする。この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の各画素列をなすマイクロミラー58の個数s、使用可能なマイクロミラー58の画素列方向の画素ピッチp、および走査方向と直交する方向に沿った使用可能なマイクロミラー58の画素列ピッチδに対し、
Figure 0004823581
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置ピッチが等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
Figure 0004823581
であり、上記の式(1)は、
Figure 0004823581
となる。本実施形態では、上記のとおりs=256、N=2であるので、式(3)より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。露光装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図10は、上記のように初期調整された露光装置10において、1つの露光ヘッド30の取付角度誤差およびパターン歪みの影響により、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。以下の図面および説明においては、露光ヘッド30により描画面上に描画された画素描画点である露光面上に投影された光点で構成される、露光面上における第m番目の光点行をr(m)、露光面上における第n番目の光点列をc(n)、第m行第n列の光点をP(m,n)とそれぞれ表記するものとする。図10の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光材料12の露光面上に投影される、使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示し、下段部分は、上段に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、露光面上に形成される露光パターンの状態を示したものである。なお、図10では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図10の例では、設定傾斜角度θを上記の角度θidealよりも若干大きくしたこと、および、露光ヘッド30の取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が上記の設定傾斜角度θからもわずかにずれてしまったことの結果として、露光面上のいずれの個所でも、奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンの双方で、各画素列の端部に対応する部分すなわち画素列間のつなぎの部分において、理想的な2重露光の状態よりも露光が冗長となり、すなわち2重露光の状態よりさらに重複して露光された状態となり濃度むらが生じてしまっている。
さらに、図10の例では、露光面上に現れるパターン歪みの一例である、露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一でなくなる角度歪みが生じている。このような角度歪みが生じる原因としては、DMD36と露光面の間の光学系の各種収差やアラインメントずれ、および、DMD36自体の歪みやマイクロミラーの配置誤差等が挙げられる。図10の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の画素列ほど小さく、図の右方の画素列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、上記の露光が冗長となっている部分の幅は、露光面上の図の左方に示した部分ほど小さく、図の右方に示した部分ほど大きくなっている。
上記のような露光面上に現れるむらを軽減するために、本実施形態では、位置検出部120を構成する上述のスリット28および光検出器122の組と位置特定部126を用いて、露光ヘッド30ごとに、露光面上に投影された光点すなわち描画面上に描画された画素描画点の位置を検出し、その後、位置特定部126に接続された演算装置130が、上記光点すなわち画素描画点からなる描画列の実傾斜角度θ’を特定するとともにその実傾斜角度θ’に基づいて実際に本露光処理に使用するマイクロミラーを選択する使用画素選択処理を行う。以下、図11および12を用いて、その実傾斜角度θ’の特定および使用画素選択処理について説明する。
図11は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を上方から見た様子を示す平面図である。すでに述べたように、スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態では、露光エリア32の略中心に位置する512番目の光点列を代表光点列として、この代表光点列の方向と走査方向とがなす角度を、上記の実傾斜角度θ’として測定する。具体的には、DMD36上の512列目1行目と512列目256行目のマイクロミラー58をオン状態とし、上記位置検出部120が、それぞれに対応する露光面上の光点P(1,512)およびP(256,512)の位置を検出し、それらの光点を結ぶ直線の走査方向に対する傾斜角度を実傾斜角度θ’として特定する。
図12は、光点P(256,512)の位置の検出手法を説明した平面図である。まず、P(256,512)を点灯させた状態で、ステージ駆動装置124の駆動によりステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、および、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における右方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y1)として記録する。
今度はステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における左方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y2)として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,512)の座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。同様の測定により、光点P(1,512)の座標も決定し、光点P(1,512)とP(256,512)を結ぶ直線の傾斜角度を導出して、実傾斜角度θ’として特定する。
なお、上記各光点の位置の検出は、光検出器122に接続された位置特定部126によって行なわれる。すなわち、位置特定部126が、光検出器122の上記各光点を検出したことを示す情報と、各光点を検出したときのステージ14の位置を示すコントローラ160から入力された情報とに基づいて上記のような手法により各光点の位置を求める。
その後、演算装置130が、上記各光点の位置を示す情報を入力し上記実傾斜角度θ’を特定する。そして、この演算装置130は、後述するように、さらに、上記特定された実傾斜角度θ’に基づいて実際に本露光処理に使用するマイクロミラーを選択する使用画素選択処理を行う。
なお、位置検出部120による位置検出では、コントローラ160の制御によるステージ駆動装置124の駆動によりステージ14をガイド20に沿って移動させるので、上記ステージ駆動装置124、ガイド20、ステージ14、およびコントローラ160等も、位置検出部120を構成する構成要素に含まれるものである。
上記演算装置130は、上記特定した実傾斜角度θ’を用い、
Figure 0004823581
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目の光点列付近の代表領域において、理想的な2重露光に対して露光が冗長となる部分および理想的な2重露光に対して露光が不足となる部分の合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目の光点列付近の代表領域において、理想的な2重露光に対して露光が冗長となる部分が最小になり、かつ、理想的な2重露光に対して露光が不足となる部分が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目の光点列付近の代表領域において、理想的な2重露光に対して露光が不足となる部分が最小になり、かつ、理想的な2重露光に対して露光が冗長となる部分が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
すなわち、演算装置130によって選択した実際に使用するマイクロミラーを示す情報(不使用画素を示す情報でもある)が、設定変更手段150に入力される。なお、使用可能な画素のうち、使用画素が実動するように設定する使用画素設定手段として、使用画素指定部140と設定変更手段150とを一体的に構成してもよい。
図13は、上記設定変更手段150により、実際に使用するマイクロミラーとして選択されたマイクロミラーのみを実動させるようにコントローラ160の設定を変更した後、その設定の変更されたコントローラ160の制御により露光を行う本露光時において、図10に示した露光面上のむらがどのように改善されるかを示した説明図である。この例では、上記の自然数TとしてT=253が導出され、1行目から253行目のマイクロミラーが、本露光時に実動させられたものとする。選択されなかった254行目から256行目のマイクロミラーには、常時、そのマイクロミラーの角度をオフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に本露光に使用されない。
本実施形態では、上記のとおり、512番目の光点列を代表光点列として実傾斜角度θ’が測定され、その実傾斜角度θ’を用いて式(4)により使用するマイクロミラー58を選択したので、図13に示すとおり、512番目の光点列付近では、画素列間のつなぎの部分における露光の冗長および不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な状態に極めて近い均一な2重露光が実現される。
図13の左方の領域(図中のc(1)側)では、上記した角度歪みにより、露光面上における光点列の傾斜角度が中央付近の領域での傾斜角度よりも小さくなっている。したがって、中央付近の光点列c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ’により選択されたマイクロミラーによる露光では、図に示すように、奇数列のマイクロミラーによる露光パターンと偶数列のマイクロミラーによる露光パターンとのそれぞれにおいては、画素列間のつなぎの部分に、露光が不足となる部分がわずかに生じてしまう。しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせた、実際の露光パターンにおいては、上記の露光が不足となる部分は互いに補間され、角度歪みの影響を、2重露光による埋め合わせの効果で均すことができる。
また、図13の右方の領域(図中のc(1024)側)では、上記した角度歪みにより、露光面上における光点列の傾斜角度が中央付近の領域での傾斜角度よりも大きくなっている。したがって、中央付近の光点列c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ’により選択されたマイクロミラーによる露光では、図に示すように、画素列間のつなぎの部分に、露光が冗長な部分がわずかに残留してしまう。しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせた、実際の露光パターンにおいては、残留している露光が冗長な部分による濃度むらは、2重露光による埋め合わせの効果で互いに均されて目立たなくなる。
以上のようにして、本実施形態の露光装置10によれば、各露光ヘッド30の取付角度誤差やパターン歪みの影響による解像性や濃度のむらを、その露光ヘッド30の露光エリア32全体に亘って軽減することができる。
なお、露光面上に生じ得るパターン歪みには、上記の例で説明した角度歪みの他にも、種々の形態が存在する。一例としては、図14の(A)に示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。別の例として、図14の(B)に示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪みおよびビーム径歪みは、主として、DMD36と露光面の間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。さらに別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と露光面の間の光学要素(たとえば1枚レンズである図5のレンズ52および54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、露光面上に形成されるパターンに解像性や濃度のむらを生じさせる。しかしながら、上記の実施形態に係る露光装置10によれば、本露光に実際に使用するマイクロミラーを選択した後の、これらの形態のパターン歪みの残留要素も、上記の角度歪みの残留要素と同様、2重露光による埋め合わせの効果で均すことができる。したがって、本実施形態の露光装置10によれば、角度歪み以外のパターン歪みの影響による解像性や濃度のむらも、各露光ヘッド30の露光エリア32全体に亘って軽減することができる。
以上、本発明の描画装置の1つの実施形態である露光装置10について詳細に説明したが、上記は一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
たとえば、上記の実施形態では、露光面上に投影された1つの光点列を代表光点列として選択して、その代表光点列の方向と走査方向がなす角度を実傾斜角度θ’として測定したが、これに代えて、露光面上に投影された使用可能なマイクロミラーからの光点列のうちの複数の光点列について、それらの光点列の方向と走査方向とがなす個別実傾斜角度を測定し、それらの個別傾斜角度の中央値、平均値、最大値または最小値等を実傾斜角度θ’とし、上記の式(4)等によって本露光に実際に使用するマイクロミラーを選択する形態としてもよい。ここで、個別傾斜角度の中央値または平均値を実傾斜角度θ’とすれば、露光が冗長となる部分と不足となる部分のバランスがよい本露光を実現することができ、たとえば、露光が冗長となる部分と不足となる部分の合計が最小に抑えられ、かつ、冗長となる部分と不足となる部分の光点数が等しくなるような本露光を実現することが可能である。一方、個別傾斜角度の最大値を実傾斜角度θ’とすれば、露光が冗長となる部分の排除をより重要視した本露光を実現することができ、たとえば、露光が不足となる部分を最小に抑え、かつ、描画が冗長となる部分が生じないような本露光を実現することが可能である。また、個別傾斜角度の最小値を実傾斜角度θ’とすれば、露光が不足となる部分の排除をより重要視した本露光を実現することができ、たとえば、露光が冗長となる部分を最小に抑え、かつ、描画が不足となる部分が生じないような本露光を実現することが可能である。
加えて、上記の実施形態では、代表光点列中の少なくとも2つの光点位置に基づいて、その代表光点列の方向と走査方向がなす角度を実傾斜角度θ’として特定することとしたが、この角度の特定は、必ずしも代表光点列中の光点の位置のみに基づいて行われるものに限られない。たとえば、代表光点列中の1つまたは複数の光点位置と、代表光点列近傍の光点列中の1つまたは複数の光点位置とから求めた角度を、実傾斜角度θ’として特定してもよい。具体的には、代表光点列中の1つの光点の位置と、その光点と走査方向に沿って直線状に並ぶ、近傍の光点列に含まれる1つまたは複数の光点の位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ’を求めることができる。あるいは、代表光点列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(たとえば、代表光点列を跨ぐような2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ’として特定してもよい。
また、上記の実施形態では、露光面上の光点の位置を検出するための手段として、スリット28と単一セル型の光検出器の組を用いたが、これに限られずいかなる形態のものを用いてもよく、たとえば2次元検出器等を用いてもよい。
さらに、上記の実施形態では、スリット28と光検出器122の組と位置特定部126による光点の位置検出結果を入力した演算装置130が実傾斜角度θ’を求め、さらに、この演算装置130がその実傾斜角度θ’に基づいて使用画素を選択するという、使用画素指定手段である使用画素指定部140の作用を示したが、上記使用画素指定手段は、実傾斜角度θ’の導出を介さずに使用可能なマイクロミラーのうちのN重描画に使用する使用画素を指定する形態としてもよい。さらには、たとえば使用可能なマイクロミラーを用いた後述する参照露光を行い、参照露光結果の目視による解像性や濃度のむらの確認等により、操作者が使用するマイクロミラーを手動で指定する使用画素指定手段の形態も、本発明の範囲に含まれるものである。
また、上記の実施形態の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)本おきの画素列を構成するマイクロミラー、または全画素行数の1/N本に相当する互いに隣接する画素行の群を構成するマイクロミラーのみを使用して、理想的な1重露光に近い状態を実現できるように露光する参照露光を行い、上記参照露光に使用したマイクロミラーのうちの本露光に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。すなわち、本露光に使用しないマイクロミラーを特定することにより、上記参照露光に使用された画素であるマイクロミラーのうちの本露光に使用するマイクロミラーを特定することができる。
図15は、(N−1)本おきの画素列を構成するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。この例では、本露光は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図15の(A)に実線で示した奇数列目の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。出力された参照露光結果に対し、操作者は、目視により解像性や濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、解像性や濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光において使用するマイクロミラーを指定することができる。たとえば、図15の(B)に斜線で覆って示す光点列に対応するもの以外のマイクロミラーが、奇数列目の画素列を構成するマイクロミラーのうち本露光において実際に使用されるものとして指定され得る。偶数列目の画素列については、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。このようにして本露光に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列目および偶数列目の双方のマイクロミラー列を使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。なお、参照露光結果の分析は、操作者の目視によるものに限らず、機械的な分析であってもよい。
図16は、全画素行数の1/N本に相当する互いに隣接する画素行の群を構成するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。この例では、本露光は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図16の(A)に実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。出力された参照露光結果に対し、操作者は、目視により解像性や濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、解像性や濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光において使用するマイクロミラーを指定することができる。たとえば、図16の(B)に斜線で覆って示す光点列に対応するもの以外のマイクロミラーが、1行目から128行目のマイクロミラーのうち本露光において実際に使用されるものとして指定され得る。129行目から256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、1行目から128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。このようにして本露光に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。なお、参照露光結果の分析は、操作者の目視によるものに限らず、機械的な分析であってもよい。
以上の実施形態および変更例は、いずれも本露光を2重露光とする場合について説明したが、これに限られず、2重露光以上のいかなる多重露光としてもよい。特に3重露光から7重露光程度とすることにより、高解像性の確保と、解像性および濃度のむらの軽減の効果のバランスがよい露光とすることができる。
また、上記の実施形態および変更例に係る露光装置には、さらに、画像データが表す2次元パターンの所定部分の寸法が、選択された使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、画像データを変換する機構が設けられていることが好ましい。そのように画像データを変換することによって、所望の2次元パターンどおりの高精細なパターンを露光面上に形成することができる。
なお、上記実施の形態の説明においては、移動手段等、各部の駆動機構は省略しているが、これらの駆動機構としては従来より知られているものを用いることができ、例えば、スライド機構としてはレール上に移動台を移動させるボール・レールシステム、あるいはエアスライドシステム等を採用することができ、回転機構としてはボールベアリング、空気軸受等を採用することができ、駆動力伝達機構としては、カム機構、リンク機構、ラック・ピニオン機構、ボールネジ・ボールブッシュ機構、エアスライド機構、あるいはピストン・シリンダ機構等を採用することができる。また、駆動原としては、モータ、油圧アクチュエータ、空圧アクチュエータ等を採用することができる。
上記露光装置10は本発明の描画装置の1例であり、本発明の描画装置は、描画面をN重描画(Nは2以上の自然数)により描画し、画像データが表す2次元パターンを該描画面上に形成するものであって、2次元状に配された多数の使用可能画素を有し前記画像データに応じて前記2次元パターンを構成する描画点群を発生させる画素アレイ、すなわち上記描画面上に上記2次元パターンを表す画素描画点を描画するための画素アレイを備えた、描画ヘッドであって、前記使用可能画素の画素列方向と上記描画ヘッドの走査方向が所定の設定傾斜角度をなす描画ヘッドを有するものであり、上記描画装置は、さらに、前記描画ヘッドに対して前記描画面を前記走査方向に相対移動させる移動手段と、前記描画ヘッドが有する前記多数の使用可能画素のうち、前記N重描画に使用する使用画素を指定する使用画素指定手段と、前記描画ヘッドの有する前記使用可能画素のうちの前記指定した使用画素のみを実動させるように設定を変更する設定変更手段とを備えている。
なお、描画点群を発生させる画素アレイは、DMD中に配列された多数のマイクロミラーとすることができ、上記配列された多数のマイクロミラーが、各マイクロミラーの露光・非露光状態に応じて、これらのマイクロミラーから描画点群である光束群を射出し露光面を露光する、すなわち描画面上に画素描画点を描画する。また、本実施の形態とは異なる画素アレイとしては、インクジェット方式用に配列された多数のノズルを挙げることができる、上記配列された多数のノズルが、各ノズルの描画・非描画状態に応じて、これらのノズルから描画点群であるインク粒子群を噴射し描画面を描画する、すなわち描画面上に画素描画点を描画する。
なお、前記「使用可能画素の画素列方向と描画ヘッドの走査方向が所定の設定傾斜角度をなす」とは、「使用可能画素の画素列方向と描画ヘッドに対する描画面の相対的な走査方向とのなす角度が所定の設定傾斜角度をなすこと」を意味するものであり、上記所定の設定傾斜角度は、上記画素列を構成する各画素を介して描画面上に描画した各画素描画点からなる画素描画点列の延びる方向と上記描画ヘッドに対する上記描画面の走査方向との成す角度によって示すことができる。
また、描画ヘッドの画素アレイは、上記描画面上に2次元パターンを表す画素描画点を描画するための各光束を、上記画素アレイを構成する各画素に対応させて描画面に向けて射出させるためのものとすることができる。この場合、使用画素指定手段は、前記各光束の照射を受けて描画面上に形成された画素描画点の位置の検出に基づいて上記画素アレイ中の画素の位置を取得する。
また、使用画素指定手段は、位置検出手段と選択手段とを備えたものとすることができる。そして、前記位置検出手段は、予め定められた設計上のN重描画を行なったときに、画素アレイを構成する各画素列間のつなぎ部分に対応する描画が冗長となった部分、あるいは上記各画素列間のつなぎ部分に対応する描画が不足となった部分を特定するものとすることができる。また、前記選択手段は、上記特定された描画冗長分および描画不足分に対応する画素を特定し、描画冗長分の画素を除去したり描画不足分の画素を補填したりして上記描画冗長分および描画不足分が無くなるように、画素アレイ中の本露光に使用する使用画素を使用可能画素の中から選択するものとすることができる。
また、上記前記選択手段は、前記描画冗長分の画素描画点の数が最小となり、前記描画不足分の画素描画点が無くなるように、画素アレイ中の本露光に使用する画素である使用画素を選択するものとすることもできる。
また、上記前記選択手段は、前記描画冗長分の画素描画点が無くなり、前記描画不足分の画素描画点の数が最小となるように、画素アレイ中の本露光に使用する画素である使用画素を選択するものとすることもできる。
ここで、上述の実傾斜角度θ’の導出を介さずに使用可能なマイクロミラーのうちのN重描画に使用する使用画素を指定する使用画素指定手段の形態について説明する。
以下に説明する使用画素指定手段の形態は、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)本おきの画素列を構成するマイクロミラー、または全画素行数の1/N本に相当する互いに隣接する画素行の群を構成するマイクロミラーのみを使用して、理想的な1重露光に近い状態を実現できるように露光する参照露光を行い、上記参照露光に使用したマイクロミラーのうちの本露光に使用しないマイクロミラーを指定する場合等に適用することができる。
なお、以下の説明においては、露光面上に投影された光点であって、実際に描画が行われれば描画点となる点を画素描画点と表記して説明する。
図17はつなぎ部ずれ量を取得する際に露光面上へ描画した画素描画点によって形成したX方向に延びる直線を示す図であり、図17(a)は上記つなぎ部ずれ量が生じていない状態を示す図、図17(b)は上記つなぎ部ずれ量が生じ描画が冗長となった状態を示す図、図17(c)は上記つなぎ部ずれ量が生じ描画が不足している状態を示す図である。また、図18は画素アレイ中の互いに隣り合う画素列を構成するマイクロミラーのつなぎ部ずれ量を取得する際の画素列の状態と上記画素列によって描画された直線との対応を示す図、図19はつなぎ部ずれ量を取得する際に露光したX軸方向に延びる直線の一部を示図、図20はリファレンススケールを示す図である。なお、図18はつなぎ部ずれ量が生じていない状態を示す図である。
上記実傾斜角度θ’の導出を介さずに使用するマイクロミラーを指定する方式は、N重露光に使用する設計通りの理想的に配列された画素で構成される画素アレイ中の互いに隣り合う画素列間のつなぎ部分を基準とした、実際の画素列間のつなぎ部分のずれ量であるつなぎ部ずれ量を得、このつなぎ部ずれ量に基づいて使用するマイクロミラー(すなわち使用画素)を指定するものである。上記つなぎ部ずれ量は、描画が冗長となる分の画素描画点の数、あるいは描画が不足となる分の画素描画点の数に応じて定めることができる。
上記つなぎ部ずれ量を取得する際には、露光ヘッド中のN重露光に使用する設計上の画素のうちの、(N−1)本おきに画素列を構成するマイクロミラーのみを使用して、露光面上に露光される画素描画点が上記走査方向(Y軸方向)と直交するX軸方向に並ぶ直線を形成するように露光を行う。上記露光面上に露光するX軸方向に延びる直線は、画素描画点1つ分の太さであってもよいし。画素描画点2つ分以上の太さであってもよい。なお、上記N重露光において(N−1)本おきの画素列を構成するマイクロミラーのみを使用する露光方式を以下「間引き参照露光」という。以下、間引き参照露光を行うものとして説明する。
また、露光ヘッドによる描画については、描画が冗長となる部分に対して想定される最大のつなぎ部ずれ量(以下「想定つなぎ部ずれ量」という)分の画素描画点の数を超える数のマイクロミラーを使用しないように、すなわち非露光状態にして露光を行う。上記想定つなぎ部ずれ量分のマイクロミラーの数とは、N重露光に使用する互いに隣接する画素列を構成する画素によって、露光面上の走査方向に重複描画されると想定される画素描画点の数に対応するものである。
以下、上記互いに隣接する画素列によって描画された画素描画点に基づいて実際のつなぎ部ずれ量を取得する場合について、上記図17(a)、(b)、(c)、および、図18を参照して説明する。
互いに異なる描画単位である画素列Sa、Sbのつなぎ部ずれ量を測定する場合には、描画単位である各画素列Sa、Sbそれぞれの縁Fa、Fbを間に挟んで互いに隣接するように描画されるべき各画素列Sa、Sb中のそれぞれの画素のうちの少なくともいずれか一方を含み上記画素列に沿って並ぶ予め定められた数の連続する画素からなる空白画素Sa(16,e)〜Sa(20,e)による5画素分描画を行うことなく、上記空白画素Sa(16,e)〜Sa(20,e)の両側に隣接する空白隣接画素Sa(15,e)およびSb(1,e+1)による描画を行なう。そして、露光面上に描画された各空白隣接画素にSa(15,e)およびSb(1,e+1)よって描画された画素描画点Qa(15,e)およびQb(1,e+1)間に挿入可能な画素描画点の数と前記空白画素Sa(16,e)〜Sa(20,e)の数とを比較して、画素列Saおよび画素列Sb間におけるつなぎ部ずれ量を得るものである。
なお、図17(a)に示すつなぎ部の状態が図18に示すつなぎ部の状態に対応しており、両者共につなぎ部にずれが生じていない状態を示す図である。また、図17(b)は描画が冗長となる状態でつなぎ部にずれが生じた様子を示しており、図17(c)は描画が不足となる状態でつなぎ部にずれが生じた様子を示している。
上記予め定められた数の画素からなる空白画素Sa(16,e)〜Sa(20,e)は、上記想定つなぎ部ずれ量を少し超える画素数によって構成されるものである。なお、図18の画素列Sa中の白丸の画素はその画素(マイクロミラー)により露光面上に露光が行われない状態であることを示しており、他の黒丸の画素はその画素(マイクロミラー)により露光面上に露光が行われる状態であることを示している。
上記空白画素描画点群は、画素描画点列Qa中にのみ配置されるようにしてもよいし、画素描画点列Qb中にのみ配置されるようにしてもよい。あるいは、画素描画点列Qaと画素描画点列Qbとに亘って配置されるようにしてもよい。
図18の下部および図19に上記のようにして露光面上に描画したX軸方向に延びる直線を示す。直線部分Laが画素アレイ中の画素列Saにより露光された領域であり、直線部分Lbが画素アレイ中の画素列Sbにより露光された領域である。直線部分Leは想定つなぎ部ずれ量に対応した画素数のマイクロミラー、すなわち空白画素Sa(16,e)〜Sa(20,e)に対応するマイクロミラーによる非露光の直線部分を示している。すなわち、直線部分Leは図17に示す空白画素描画点群Jに対応するものである。
そして、上記のように想定つなぎ部ずれ量に対応したマイクロミラーを非露光状態にして露光面を露光するとともに、別途、露光ヘッドによって、図20に示すような、リファレンススケールLsを露光する。リファレンススケールLsは、画素アレイ中の1つの画素列を構成するマイクロミラーによって露光したX軸方向に延びる直線であって、n個、n+1個、n+2個、n+3個、n−1個、n−2個およびn−3個からなる画素(マイクロミラー)を非露光状態とし、上記非露光状態の画素(マイクロミラー)に隣接する画素(マイクロミラー)を露光状態にした描画により非露光の直線部分L(n)、L(n+1)、L(n+2)、L(n+3)、L(n−1)、L(n−2)およびL(n−3)を形成したものである。
そして、リファレンススケールLsにおける各直線部分L(n)の画素描画点の数(n)は、想定つなぎ部ずれ量に対応したマイクロミラーの数(ここではn=5)と同じ数に設定されており、直線部分Leの長さとリファレンススケールLs中の各直線部分L(n−3)〜L(n+3)とを比較することにより上記つなぎ部ずれ量に対応するマイクロミラーの数を取得することができる。
例えば、直線部分Leの長さが直線部分L(n)と同じ長さであれば、上記つなぎ部ずれ量は0である。そして、直線部分Leの長さが直線部分L(n−3)と同じ長さであれば、上記つなぎ部ずれ量に対応するマイクロミラーの数は−3個である。すなわち、画素列Saと画素列Sbとがマイクロミラー3個分、すなわち3画素分重複していることになる。したがって、画素列Saおよび画素列Sbのうちのつなぎ部分における3個分のマイクロミラーを非露光状態とし使用しないように使用画素を指定して露光を行なうことにより、上記画素描画点列間のつなぎ部分のむらを抑制することができる。
また、例えば、直線部分Leの長さが直線部分L(n+2)と同じ長さであれば、上記つなぎ部ずれ量に対応するマイクロミラーの数は+2個であり、画素列Saと画素列Sbとがマイクロミラー2個分離れており、2画素分が不足していることになる。したがって、画素列Saおよび画素列Sbのうちのつなぎ部分に2画素分加えるように、2個分のマイクロミラーを新たに使用画素に指定して露光を行なうことにより、上記画素描画点列間のつなぎ部分のむらを抑制することができる。
上記のように、各画素列間のつなぎ部分に対応する描画が冗長となった部分あるいは上記予め定められた設計上のN重描画を行なったときに描画が不足となった部分を示す上記各直線部分La(Le)、Lb,L(n)の画像、および、リファレンススケールを構成する各直線部分L(n±1)・・・の画像を取得する。
そして、上記各直線部分の画像を示す情報に基づいて、描画が冗長となった部分あるいは描画が不足となった部分におけるつなぎ部ずれ量を取得し、上記描画冗長分および描画不足分が補償されるように、画素アレイ中の本露光に使用する画素である使用画素を使用可能画素の中から選択する。すなわち、つなぎ部分にムラが生じないように、使用可能画素中の不使用画素を特定し、上記特定された不使用画素を除いた画素を使用画素として選択する。
そして、使用可能画素のうちの上記選択した使用画素のみを実動させるように設定する。その後、上記設定により上記本露光を実行する。
なお、上記直線部分Leの長さと直線部分L(n)、L(n±1)・・・の長さの比較は目視で行うようにしてもよいし、あるいは、上記とは異なる形式の所定の装置により行なうようにしてもよい。
上記の実施形態に係る露光装置では、光源からの光を画素ごとに変調するDMDを画素アレイとして用いたが、これに限られず、DMD以外の液晶アレイ等の光変調素子や、光源アレイ(たとえば、LDアレイ、有機ELアレイ等)を使用してもよい。
また、上記の実施形態および変更例に係る露光装置の動作形態は、露光ヘッドを常に移動させながら連続的に露光を行う形態であってもよいし、露光ヘッドを段階的に移動させながら、各移動先の位置で露光ヘッドを静止させて露光動作を行う形態であってもよい。
さらに、本発明は、露光装置および露光方法に限らず、露光面をN重描画(Nは2以上の自然数)により描画し、画像データが表す2次元パターンを露光面上に形成する描画装置および描画方法であれば、いかなる装置および方法にも適用可能である。一例としては、たとえばインクジェットプリンタやインクジェット方式のプリント方法が挙げられる。すなわち、一般にインクジェットプリンタのインクジェット記録ヘッドには、記録媒体(たとえば記録用紙やOHPシートなど)に対向するノズル面に、インク滴を吐出するノズルが形成されているが、インクジェットプリンタのなかには、このノズルを格子状に複数配置し、ヘッド自体を走査方向に対して傾斜させて、多重描画により画像を記録可能なものがある。このような2次元配列が採用されたインクジェットプリンタにおいて、ヘッド自体の実際の傾斜角度が理想の傾斜角度からずれていたり、ノズル自体の配置誤差等によってパターン歪みが存在しても、本発明を適用することにより、ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響が最小限に抑えられる数のノズルを実際に使用するノズルとして指定し、さらに残留する取付角度誤差やパターン歪みの影響を、多重描画による埋め合わせの効果で均すことができるので、記録画像に生じる解像性や濃度のむらを軽減することができる。
以上、本発明の実施形態および変更例について詳細に述べたが、これらの実施形態および変更例は例示的なものに過ぎず、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲のみによって定められるべきものであることは言うまでもない。
本発明の描画装置の一実施形態である露光装置の外観を示す斜視図 図1の露光装置のスキャナの構成を示す斜視図 (A)は感光材料の露光面上に形成される露光済み領域を示す平面図、(B)は各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す平面図 図1の露光装置の露光ヘッドの概略構成を示す斜視図 図1の露光装置の露光ヘッドの詳細な構成を示す平面図および側面図 図1の露光装置のDMDの構成を示す部分拡大図 DMDの動作を説明するための斜視図 ファイバアレイ光源の構成を示す斜視図 ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列を示す正面図 露光ヘッドの取付角度誤差およびパターン歪みがある際に、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図 1つのDMDによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した平面図 露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための平面図 選択された使用画素のみが実動され、露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図 種々のパターン歪みの例を示した説明図 参照露光の第1の例を示した説明図 参照露光の第2の例を示した説明図 つなぎ部ずれ量を取得する際に露光面上へ描画された画素描画点によって形成された直線を示す図 つなぎ部ずれ量を取得する際のマイクロミラーの状態と画素描画点で形成された直線部分との対応を示す図、 つなぎ部ずれ量を取得する際に露光したX軸方向に延びる直線部分を示す図 リファレンススケールを示す図
符号の説明
10 露光装置
12 感光材料
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ
28 スリット
30 露光ヘッド
32 露光エリア
36 DMD
38 ファイバアレイ光源
140 使用画素指定手段
150 設定変更手段
160 コントローラ

Claims (19)

  1. 描画面をN重描画(Nは2以上の自然数)により描画し、画像データが表す2次元パターンを該描画面上に形成する描画装置であって、
    2次元状に配された多数の使用可能画素を有し前記画像データに応じて前記2次元パターンを構成する描画点群を発生させる画素アレイを備えた、1つまたは複数の描画ヘッドであって、前記使用可能画素の画素列方向と該描画ヘッドの走査方向が所定の設定傾斜角度をなすように、前記描画面に対して取り付けられた描画ヘッドと、
    前記描画面に対して各々の前記描画ヘッドを前記走査方向に相対移動させる移動手段と、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記多数の使用可能画素のうちの前記N重描画に使用する使用画素を用いて前記描画を行なうように設定する使用画素設定手段を備え
    前記使用画素設定手段が、前記使用画素を指定する使用画素指定手段と、前記使用画素のみを用いて前記描画を行なうように設定を変更する設定変更手段とを有するものであり、
    前記使用画素指定手段が、前記描画点群が示す前記描画面上における実際の画素列方向と前記走査方向とがなす実傾斜角度を特定し、該実傾斜角度と前記設定傾斜角度との間の誤差を吸収するように、前記使用画素を画素行単位で指定するものであることを特徴とする描画装置。
  2. 前記設定傾斜角度θが、前記使用可能画素の各画素列をなす画素の個数s、前記使用可能画素の前記画素列方向の画素ピッチp、および前記走査方向と直交する方向に沿った前記使用可能画素の画素列ピッチδに対し、
    Figure 0004823581
    の関係を満たす角度であることを特徴とする請求項記載の描画装置。
  3. 前記使用画素指定手段が、前記使用画素を画素行単位で指定するものであることを特徴とする請求項1または2記載の描画装置。
  4. 前記使用画素指定手段が、前記使用可能画素の画素列のうちの複数に対応する前記描画面上の描画点の複数の列を代表描画点列とし、複数の該代表描画点列の各々について、該代表描画点列の方向と前記走査方向とがなす個別実傾斜角度を特定し、該個別傾斜角度の代表値を、前記実傾斜角度とするものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の描画装置。
  5. 前記代表値が、前記個別傾斜角度の平均値、中央値、最大値および最小値のいずれかであることを特徴とする請求項記載の描画装置。
  6. 各々の前記描画ヘッドの前記画素アレイが、前記描画点群として光点群を発生させるものであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の描画装置。
  7. 描画面をN重描画(Nは2以上の自然数)により描画し、画像データが表す2次元パターンを該描画面上に形成する描画装置であって、
    2次元状に配された多数の使用可能画素を有し前記画像データに応じて前記2次元パターンを構成する描画点群を発生させる画素アレイを備えた、1つまたは複数の描画ヘッドであって、前記使用可能画素の画素列方向と該描画ヘッドの走査方向が所定の設定傾斜角度をなすように、前記描画面に対して取り付けられた描画ヘッドと、
    前記描画面に対して各々の前記描画ヘッドを前記走査方向に相対移動させる移動手段と、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記多数の使用可能画素のうちの前記N重描画に使用する使用画素を用いて前記描画を行なうように設定する使用画素設定手段を備え、
    前記使用画素設定手段が、前記使用画素を指定する使用画素指定手段と、前記使用画素のみを用いて前記描画を行なうように設定を変更する設定変更手段とを有するものであり、
    各々の前記描画ヘッドの前記画素アレイが、前記描画点群として光点群を発生させるものであり、
    前記使用画素指定手段が、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記光点群を構成する光点の前記描画面上における位置を検出する位置検出手段と、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記位置検出手段による検出結果に基づいて、前記描画面上の、前記使用画素の画素列間のつなぎ部分による描画個所を少なくとも1つ含む代表領域において、理想的な前記N重描画に対して描画が冗長となる部分および理想的な前記N重描画に対して描画が不足となる部分の合計が最小となるように、前記使用可能画素中の不使用画素を特定し、該不使用画素を除いた画素を前記使用画素として選択する選択手段を備えていることを特徴とする描画装置。
  8. 描画面をN重描画(Nは2以上の自然数)により描画し、画像データが表す2次元パターンを該描画面上に形成する描画装置であって、
    2次元状に配された多数の使用可能画素を有し前記画像データに応じて前記2次元パターンを構成する描画点群を発生させる画素アレイを備えた、1つまたは複数の描画ヘッドであって、前記使用可能画素の画素列方向と該描画ヘッドの走査方向が所定の設定傾斜角度をなすように、前記描画面に対して取り付けられた描画ヘッドと、
    前記描画面に対して各々の前記描画ヘッドを前記走査方向に相対移動させる移動手段と、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記多数の使用可能画素のうちの前記N重描画に使用する使用画素を用いて前記描画を行なうように設定する使用画素設定手段を備え、
    前記使用画素設定手段が、前記使用画素を指定する使用画素指定手段と、前記使用画素のみを用いて前記描画を行なうように設定を変更する設定変更手段とを有するものであり、
    各々の前記描画ヘッドの前記画素アレイが、前記描画点群として光点群を発生させるものであり、
    前記使用画素指定手段が、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記光点群を構成する光点の前記描画面上における位置を検出する位置検出手段と、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記位置検出手段による検出結果に基づいて、前記描画面上の、前記使用画素の画素列間のつなぎ部分による描画個所を少なくとも1つ含む代表領域において、理想的な前記N重描画に対して描画が冗長となる部分の描画点数と、理想的な前記N重描画に対して描画が不足となる部分の描画点数とが等しくなるように、前記使用可能画素中の不使用画素を特定し、該不使用画素を除いた画素を前記使用画素として選択する選択手段を備えていることを特徴とする描画装置。
  9. 描画面をN重描画(Nは2以上の自然数)により描画し、画像データが表す2次元パターンを該描画面上に形成する描画装置であって、
    2次元状に配された多数の使用可能画素を有し前記画像データに応じて前記2次元パターンを構成する描画点群を発生させる画素アレイを備えた、1つまたは複数の描画ヘッドであって、前記使用可能画素の画素列方向と該描画ヘッドの走査方向が所定の設定傾斜角度をなすように、前記描画面に対して取り付けられた描画ヘッドと、
    前記描画面に対して各々の前記描画ヘッドを前記走査方向に相対移動させる移動手段と、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記多数の使用可能画素のうちの前記N重描画に使用する使用画素を用いて前記描画を行なうように設定する使用画素設定手段を備え、
    前記使用画素設定手段が、前記使用画素を指定する使用画素指定手段と、前記使用画素のみを用いて前記描画を行なうように設定を変更する設定変更手段とを有するものであり、
    各々の前記描画ヘッドの前記画素アレイが、前記描画点群として光点群を発生させるものであり、
    前記使用画素指定手段が、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記光点群を構成する光点の前記描画面上における位置を検出する位置検出手段と、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記位置検出手段による検出結果に基づいて、前記描画面上の、前記使用画素の画素列間のつなぎ部分による描画個所を少なくとも1つ含む代表領域において、理想的な前記N重描画に対して描画が冗長となる部分が最小となり、かつ、理想的な前記N重描画に対して描画が不足となる部分が生じないように、前記使用可能画素中の不使用画素を特定し、該不使用画素を除いた画素を前記使用画素として選択する選択手段を備えていることを特徴とする描画装置。
  10. 描画面をN重描画(Nは2以上の自然数)により描画し、画像データが表す2次元パターンを該描画面上に形成する描画装置であって、
    2次元状に配された多数の使用可能画素を有し前記画像データに応じて前記2次元パターンを構成する描画点群を発生させる画素アレイを備えた、1つまたは複数の描画ヘッドであって、前記使用可能画素の画素列方向と該描画ヘッドの走査方向が所定の設定傾斜角度をなすように、前記描画面に対して取り付けられた描画ヘッドと、
    前記描画面に対して各々の前記描画ヘッドを前記走査方向に相対移動させる移動手段と、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記多数の使用可能画素のうちの前記N重描画に使用する使用画素を用いて前記描画を行なうように設定する使用画素設定手段を備え、
    前記使用画素設定手段が、前記使用画素を指定する使用画素指定手段と、前記使用画素のみを用いて前記描画を行なうように設定を変更する設定変更手段とを有するものであり、
    各々の前記描画ヘッドの前記画素アレイが、前記描画点群として光点群を発生させるものであり、
    前記使用画素指定手段が、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記光点群を構成する光点の前記描画面上における位置を検出する位置検出手段と、
    各々の前記描画ヘッドについて、前記位置検出手段による検出結果に基づいて、前記描画面上の、前記使用画素の画素列間のつなぎ部分による描画個所を少なくとも1つ含む代表領域において、理想的な前記N重描画に対して描画が不足となる部分が最小となり、かつ、理想的な前記N重描画に対して描画が冗長となる部分が生じないように、前記使用可能画素中の不使用画素を特定し、該不使用画素を除いた画素を前記使用画素として選択する選択手段を備えていることを特徴とする描画装置。
  11. 前記設定傾斜角度θが、前記使用可能画素の各画素列をなす画素の個数s、前記使用可能画素の前記画素列方向の画素ピッチp、および前記走査方向と直交する方向に沿った前記使用可能画素の画素列ピッチδに対し、
    Figure 0004823581
    の関係を満たす角度であることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項記載の描画装置。
  12. 前記不使用画素が画素行単位で特定されることを特徴とする請求項7から11のいずれか1項記載の描画装置。
  13. 前記選択手段が、前記位置検出手段による少なくとも2つの前記光点の位置の検出結果に基づいて、前記光点群が示す前記描画面上に投影された実際の画素列方向と前記走査方向とがなす実傾斜角度を特定し、該実傾斜角度に基づいて、前記不使用画素を特定するものであることを特徴とする請求項7から12のいずれか1項記載の描画装置。
  14. 前記選択手段が、前記使用可能画素の画素列のうちの1つに対応する前記描画面上の前記光点の1つの列を代表光点列とし、該代表光点列およびその近傍の光点列をなす光点のうち、少なくとも2つの光点の位置の前記位置検出手段による検出結果に基づいて、前記実傾斜角度を特定するものであることを特徴とする請求項13記載の描画装置。
  15. 前記選択手段が、前記使用可能画素の画素列のうちの複数に対応する前記描画面上の前記光点の複数の列を代表光点列とし、複数の該代表光点列の各々について、該代表光点列およびその近傍の光点列をなす光点のうち、少なくとも2つの光点の位置の前記位置検出手段による検出結果に基づいて、該代表光点列の方向と前記走査方向とがなす個別実傾斜角度を特定し、該個別傾斜角度の代表値を、前記実傾斜角度とするものであることを特徴とする請求項13記載の描画装置。
  16. 前記代表値が、前記個別傾斜角度の平均値、中央値、最大値および最小値のいずれかであることを特徴とする請求項15記載の描画装置。
  17. 前記画像データが表す前記2次元パターンの所定部分の寸法が、指定された前記使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、前記画像データを変換するデータ変換手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項記載の描画装置。
  18. 前記画素アレイが、光源からの光を前記画像データに応じて画素ごとに変調する空間光変調素子であることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項記載の描画装置。
  19. 前記Nが3以上7以下の自然数であることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項記載の描画装置。
JP2005176349A 2004-06-17 2005-06-16 描画装置および描画方法 Expired - Fee Related JP4823581B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005176349A JP4823581B2 (ja) 2004-06-17 2005-06-16 描画装置および描画方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004179586 2004-06-17
JP2004179586 2004-06-17
JP2005176349A JP4823581B2 (ja) 2004-06-17 2005-06-16 描画装置および描画方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006030986A JP2006030986A (ja) 2006-02-02
JP4823581B2 true JP4823581B2 (ja) 2011-11-24

Family

ID=35897343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005176349A Expired - Fee Related JP4823581B2 (ja) 2004-06-17 2005-06-16 描画装置および描画方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4823581B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4539257B2 (ja) * 2004-09-17 2010-09-08 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
WO2006104174A1 (ja) * 2005-03-28 2006-10-05 Fujifilm Corporation 記録素子設定方法、画像記録方法及び装置
JP4738227B2 (ja) * 2005-03-28 2011-08-03 富士フイルム株式会社 記録素子設定方法、画像記録方法及び装置
WO2006104170A1 (ja) * 2005-03-28 2006-10-05 Fujifilm Corporation 画像記録方法及び装置
US20090141256A1 (en) * 2005-03-28 2009-06-04 Fujifilm Croporation Image Recording Method and Device
US20080316458A1 (en) * 2005-03-28 2008-12-25 Fujifilm Corporation Light Quantity Adjustment Method, Image Recording Method, and Device
WO2006104171A1 (ja) * 2005-03-28 2006-10-05 Fujifilm Corporation 画像記録方法及び装置
JP4606949B2 (ja) * 2005-03-31 2011-01-05 富士フイルム株式会社 描画装置および描画方法
JP2006284842A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Fuji Photo Film Co Ltd パターン形成方法
JP2007003661A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Fujifilm Holdings Corp パターン形成方法
JP2007010785A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Fujifilm Holdings Corp 永久パターン形成方法
JP2007024969A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Fujifilm Holdings Corp セル内構造の製造方法及びセル内構造並びに表示装置
JP4348345B2 (ja) * 2006-03-22 2009-10-21 富士フイルム株式会社 描画装置及び描画方法
JP4948866B2 (ja) * 2006-03-27 2012-06-06 富士フイルム株式会社 描画状態調整方法及び装置
JP4948867B2 (ja) * 2006-03-27 2012-06-06 富士フイルム株式会社 描画状態調整方法及び装置
JP4874141B2 (ja) * 2007-03-23 2012-02-15 新光電気工業株式会社 描画方法およびそのコンピュータプログラム

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000131628A (ja) * 1998-10-27 2000-05-12 Fuji Photo Film Co Ltd 画像記録装置
JP2001255664A (ja) * 2000-03-14 2001-09-21 Fuji Photo Film Co Ltd 画像露光方法
JP4114184B2 (ja) * 2001-12-28 2008-07-09 株式会社オーク製作所 多重露光描画装置および多重露光描画方法
JP4731787B2 (ja) * 2002-04-10 2011-07-27 富士フイルム株式会社 露光ヘッド及び露光装置
JP2004009595A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Fuji Photo Film Co Ltd 露光ヘッド及び露光装置
JP4150250B2 (ja) * 2002-12-02 2008-09-17 富士フイルム株式会社 描画ヘッド、描画装置及び描画方法
JP4486323B2 (ja) * 2003-06-10 2010-06-23 富士フイルム株式会社 画素位置特定方法、画像ずれ補正方法、および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006030986A (ja) 2006-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4823581B2 (ja) 描画装置および描画方法
KR101112008B1 (ko) 묘화장치 및 묘화방법
JP4150250B2 (ja) 描画ヘッド、描画装置及び描画方法
US7177011B2 (en) Image drawing apparatus and image drawing method
JP2008098659A (ja) 描画方法および描画装置
JP4315694B2 (ja) 描画ヘッドユニット、描画装置及び描画方法
US20090296170A1 (en) Drawing device and drawing method
JP4606949B2 (ja) 描画装置および描画方法
US20100123745A1 (en) Frame data creation device, creation method, creation program, storage medium storing the program, and imaging device
JP2006030966A (ja) 描画方法および装置
US7339602B2 (en) Image-drawing device and image-drawing method
US20070291348A1 (en) Tracing Method and Apparatus
JP4606992B2 (ja) 描画装置及び描画方法
JP2005294373A (ja) マルチビーム露光装置
JP4348345B2 (ja) 描画装置及び描画方法
CN101189555A (zh) 绘图设备和方法
JP2006337614A (ja) 描画方法および装置
JP4209344B2 (ja) 露光ヘッド並びに画像露光装置および画像露光方法
JP2005202226A (ja) 感光材料の感度検出方法および装置並びに露光補正方法
JP2006030791A (ja) 光学装置
JP2008076590A (ja) 描画位置測定方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061211

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100720

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110816

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4823581

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees