JP4822823B2 - ピアノ用の蝶番およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アコースティックピアノなどにおいて、鍵盤蓋や大屋根などを回動自在に取り付けるためピアノ用の蝶番、およびその製造方法に関する。
ピアノには一般に、構成部品を開閉自在に取り付けるために蝶番が用いられている。そのようなピアノ用の蝶番には、鍵盤蓋や大屋根を取り付けるための、それらのほぼ全長にわたる長尺の蝶番(以下「長蝶番」という)と、譜面台などの取付用の比較的短い蝶番(以下「短蝶番」いう)がある。これらの長蝶番および短蝶番はいずれも、一対の羽部を備え、各羽部の一端部には、カーリングした複数の軸受部が互いに間隔を隔てて設けられており、互いに噛み合わされた両羽部の複数の軸受部に、軸芯が挿入され、回動自在に嵌合している。
上記のピアノ用の蝶番のうち、長蝶番の場合には、その全体長さが非常に大きいため、軸受部と軸芯との嵌合が強すぎると、鍵盤蓋などの開閉時にきしみ音が発生しやすく、逆にこの嵌合が弱すぎると、蝶番がピアノ音に共振することなどによって、ノイズが発生しやすい。このため、鍵盤蓋などの取付時に、軸受部と軸芯との適度な嵌合強さが得られるよう、調整が行われる。しかし、ピアノの長期間の使用による開閉の繰り返しなどによって、軸芯が軸受部に対して長さ方向にずれる、いわゆる「芯抜け」が発生し、鍵盤蓋などの開閉動作に支障を来すことがある。なお、このような芯抜けの現象は、鍵盤蓋などの取付後、ピアノの塗装のためにバフ掛けを行った際の振動などによって、ピアノの製造時にも生じ得る。
軸受部に対する軸芯の長さ方向の移動を規制するようにした従来の蝶番として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この蝶番は、柱などに扉を取り付ける建築用のものであり、扉にねじ止めされる扉側羽部と、柱にねじ止めされる柱側羽部と、両羽部を回動自在に連結する軸芯を備えている。扉側羽部の一端部の上半部には、カーリングした上軸受部が設けられ、柱側羽部の一端部の下半部には、同様の下軸受部が設けられている。扉側羽部の上軸受部の下端部には、軸芯孔を有する有底短円筒状のワッシャがはめ込まれている。このワッシャの外壁には、切欠が形成されており、この切欠に扉側羽部の基部の下端部がきつく嵌合している。また、軸芯の表面の所定位置には、回り止め突起が設けられており、軸芯は、この回り止め突起を柱側羽部の上軸受部の基端部と終端との間の巻終わり間隙に係合させた状態で、上軸受部に上方から挿入されるとともに、ワッシャの軸芯孔にきつく嵌合している。
一方、上軸受部の基端部の内面には、上軸受部の上端付近の所定位置に、抜け止め突起が内方に突出するように形成されている。この抜け止め突起の形成は、上記のように軸芯を上軸受部に挿入し、ワッシャの下面から第1所定長さD1だけ突出させた状態で、軸芯の回り止め突起のすぐ上側の上軸受部の部分を、その外側から、例えばプレス機によりポンチ打ちすることによって、行われる。その後、軸芯は、上軸受部に完全に挿入され、それにより、ワッシャの下面から第2所定長さD2(>D1)だけ突出した軸芯の部分に、柱側羽部の下軸受部が挿入され、蝶番の組立が完了する。
この蝶番は、その扉側羽部および柱側羽部を扉および柱にそれぞれねじ止めすることによって、両者の間に取り付けられ、扉が柱に開閉自在に取り付けられる。また、この取付後、扉をその調整などのために一旦、取り外す場合には、まず軸芯を上方に移動させる。これに伴い、軸芯がワッシャの下面から所定長さD1だけ突出する高さまで(D2−D1の距離)上昇したときに、軸芯の回り止め突起が上軸受部の抜け止め突起に当接することによって、軸芯のそれ以上の上昇が阻止される。これにより、軸芯の下端部が柱側羽部の下軸受部から抜けずに、それに入った状態に保持されるので、扉から手を離しても、扉が柱から外れることがない。この状態から、扉を所定長さD1以上、持ち上げると、軸芯が下軸受部から外れることによって、柱から扉を外すことが可能になる。
しかし、この従来の蝶番は、所定距離(D2−D1)を超える軸芯の移動は阻止するものの、扉を取り外す際に、軸芯を扉側羽部からある程度、引き抜けるよう、上記の所定距離(D2−D1)までは、軸芯の移動を許容するように構成されている。このため、この蝶番をピアノの長蝶番として用いた場合には、羽部に対する軸芯の移動・ずれを防止できず、芯抜けが発生することは避けられない。
また、この蝶番では、軸芯を上軸受部に挿入した後、軸芯の回り止め突起のすぐ上側の位置において、抜け止め突起を上軸受部の基端部の内面に外側から形成しなければならないため、その加工が微妙で、非常に難しく、所望の抜け止め突起を確実に形成することができない。例えば、外側からのポンチ打ちが強すぎると、抜け止め突起を突出させるだけでなく、その周囲の上軸受部の部分をも内方に変形させることがあり、その場合には、軸芯を下方に挿入することが困難になる。逆に、ポンチ打ちが弱すぎたために、抜け止め突起の突出量が小さすぎた場合には、抜け止め突起に軸芯の回り止め突起が良好に係合しないため、軸芯の抜け止めを確実に行うことができない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ピアノが長期間、使用された場合でも、軸芯の芯抜けを確実に防止することができるピアノ用の蝶番を提供するとともに、そのような蝶番を効率良く安価に製造することができるピアノ用の蝶番の製造方法を提供することを目的としている。
実開平7−10335号公報
この目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ピアノの構成部品を開閉自在に取り付けるためのピアノ用の蝶番であって、互いに間隔を隔てた、カーリングした複数の軸受部を一端部にそれぞれ有し、複数の軸受部が互いに噛み合う一対の羽部と、一対の羽部の複数の軸受部に挿入され、一対の羽部を回動自在に連結する単一の軸芯と、を備え、軸芯の外周面には、一対の羽部の一方の複数の軸受部のうちの少なくとも1つの内周面に食い込んだ状態で係合する突起が設けられており、突起は、軸芯の径方向に互いに対向する一対の第1突起と、一対の第1突起に対して軸芯の長さ方向に隣接し且つ軸芯の長さ方向および周方向の異なる位置に配置され、軸芯の径方向に互いに対向する一対の第2突起と、によって構成されていることを特徴とする。
このピアノ用の蝶番では、一対の羽部の一端部にそれぞれ設けられた、カーリングした複数の軸受部が互いに噛み合わされるとともに、これらの複数の軸受部に挿入された単一の軸芯によって、一対の羽部が互いに回動自在に連結されている。また、軸芯の外周面には突起が設けられており、この突起は、一方の羽部の少なくとも1つの軸受部の内周面に食い込んだ状態で係合している。この突起の係合により、軸芯が突起を介して一方の羽部に係止され、一体化されることによって、羽部に対する軸芯の長さ方向の移動が阻止されるので、ピアノが長期間、使用された場合でも、軸芯の芯抜けを確実に防止することができる。また、突起が一方の羽部の軸受部にのみ係止されることで、軸芯は他方の羽部に対して回動自在であるので、蝶番の回動を支障なく確保することができる。
また、軸芯の突起は、各一対の第1および第2突起で構成されており、第1および第2突起はいずれも、軸芯の径方向に互いに対向するように、すなわち周方向に180度間隔で配置されている。このため、第1および第2突起がそれぞれ、羽部の軸受部に、径方向に対向する位置でバランス良く係合することによって、軸芯を羽部に良好に係止することができる。同じ理由から、各一対の突起を、例えば軸芯の両側からのプレスによって容易に形成することができる。
また、軸受部に対する軸芯の設置位置によっては、例えば、第1および第2突起の一方(例えば第2突起)が、係合すべき軸受部の長さ方向の端部に位置したために、その突起が軸受部に十分に食い込まず、それによる係止力が不足する場合がある。この場合、軸芯の長さ方向に隣接し、かつ長さ方向の異なる位置に配置された他方の突起(例えば第1突起)が軸受部に十分に食い込むことによって、軸芯の係止力を十分に確保することができる。
さらに、軸芯の設置角度によっては、例えば、第1および第2突起の一方の1つ(例えば1つの第2突起)が、カーリングした軸受部の基端部と終端との間の巻終わり間隙に位置したために、軸受部に十分に食い込まず、それによる係止力が不足する場合がある。この場合には、軸芯の周方向の互いに異なる位置に配置された他方の突起(例えば第1突起)が軸受部に十分に食い込むことによって、軸芯の係止力を十分に確保することができる。
また、前述した目的を達成するため、請求項に係る発明は、ピアノの構成部品を開閉自在に取り付けるためのピアノ用の蝶番の製造方法であって、互いに間隔を隔てた、カーリングした複数の軸受部を一端部にそれぞれ有する一対の羽部を準備する羽部準備工程と、一対の羽部の複数の軸受部を互いに噛み合わせた後、軸芯の一部を一対の羽部の一端部の外側に残した状態で、軸芯を複数の軸受部に挿入する軸芯挿入工程と、一対の羽部の外側に残された軸芯の部分の外周面に突起を形成する突起形成工程と、突起が一対の羽部の一方の所定の軸受部内に位置するように、軸芯を前記複数の軸受部に所定の長さ、さらに挿入する軸芯再挿入工程と、複数の軸受部を全体的に締め付けることによって、突起を所定の軸受部の内周面に食い込ませ、係合させる軸受部締付工程と、一対の羽部から突出した軸芯の部分を切断する軸芯切断工程と、を備えることを特徴とする。
このピアノ用の蝶番の製造方法によれば、軸芯の芯抜けをその表面に形成した突起によって阻止するようにしたピアノ用の蝶番を製造することができる。また、この製造方法では特に、突起形成工程において、軸芯への突起の形成を、軸芯を軸受部に挿入した状態で羽部の一端部の外側に残された軸芯の部分に対して、羽部の外側で行うので、例えばプレスなどによって、軸芯に突起を確実かつ容易に形成することができる。その後、軸芯再挿入工程において、軸芯を再挿入し、あらかじめ形成した突起を一方の羽部の所定の軸受部内に位置させた後、軸受部締付工程において、複数の軸受部を全体的に締め付けることによって、軸受部の内周面に突起を食い込ませ、係合させる。したがって、この軸受部の締付を、その外側から例えばプレスなどによって容易に行えるとともに、軸受部の締付により、突起を軸受部の内周面に十分に食い込ませることによって、軸芯を羽部に良好に係止することができる。さらに、軸芯を軸受部に挿入した状態で、突起の形成、軸受部の締付による突起の係合、および軸芯の切断を、一連の工程として行うことができ、したがって、蝶番を効率良く安価に製造することができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載のピアノ用の蝶番の製造方法において、所定の軸受部が、一方の羽部の複数の軸受部のうちの一端部側の最も外側に位置する軸受部であることを特徴とする。
この構成によれば、羽部の一端部の外側で形成した突起をそれに最も近い軸受部に係合させるので、軸芯再挿入工程における軸芯の挿入量を最小限に留め、その挿入を効率良く行えるとともに、この軸芯の挿入中に軸受部の内周面と接触することによる突起の欠損などを防止でき、したがって、軸芯の係止をより確実に行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1および図2は、本発明を適用した長蝶番1を示している。この長蝶番1は、例えば、図6に示すように、アップライトピアノの奥屋根11に鍵盤蓋12を開閉自在に取り付けるのに用いられるものである。なお、図6の符号13は、鍵盤蓋12の裏面に譜面台14を開閉自在に取り付けるための短蝶番である。
蝶番1は、一対の羽部2、2と、両羽部2、2を回動自在に連結する軸芯3を備えている。各羽部2は、真鍮製のものであり、細長い板状の本体部4と、本体部4の幅方向の一端部に設けられた複数の軸受部5で構成されている。本体部4には、その長さ方向に等間隔に、羽部2を奥屋根11や鍵盤蓋12にねじ止めするための複数の孔4aが形成されている。複数の軸受部5は、本体部4の長さ方向に等間隔に設けられており、各軸受部5は、本体部4の一端部をカーリングすることによって、断面円形状に形成されている。一方の羽部2の複数の軸受部5と他方の羽部部2の複数の軸受部5は、互いに隙間のない状態で噛み合っており、このように噛み合った両羽部2、2の複数の軸受部5に、軸芯3が挿入されている。
軸芯3は、断面円形の鋼製のものであり、羽部2、2の全体にわたって延びるとともに、軸受部5にぴったり嵌合している。図3および図4に示すように、軸芯3の外周面の一端部には、複数の突起6が形成されている。これらの突起6は、軸芯3の一端から所定の第1距離L1だけ内側の位置に形成された一対の第1突起6、6と、これに隣接し、第1突起6、6から所定の第2距離L2だけ内側の位置に形成された一対の第2突起6、6で構成されている。
第1突起6、6は、軸芯3の径方向に互いに対向するように、すなわち周方向に180度の間隔で、配置されている。また、第2突起6、6は、第1突起6、6と同様に径方向に互いに対向するとともに、第1突起6、6に対して周方向に90度の間隔で配置されている。図2に示すように、これらの第1および第2突起6は、長蝶番1の最外側に位置する一方の羽部2の軸受部5に食い込んだ状態で係合している(同図には一方の突起6のみ図示)。
この第1および第2突起6の係合により、軸芯3が、第1および第2の突起6を介して一方の羽部2に係止され、一体化されることによって、羽部2に対する軸芯3の長さ方向の移動が阻止され、それにより、軸芯3の芯抜けが防止される。また、上記のような突起6の係合は一方の羽部2の最外側に位置する軸受部5に対してのみ行われ、軸芯3は、他方の羽部2の各軸受部5に単純に嵌合し、他方の羽部に対して自由に回動できるので、長蝶番1の回動は支障なく確保される。
次に、図5を参照しながら、長蝶番1の製造方法を説明する。まず、同図(a)に示すような、前述した構成の一対の羽部2、2を準備する(羽部準備工程)。この段階では、各軸受部5のカーリングがまだ緩く、その内径は、最終的に得られるべき内径よりも若干大きくなっている。
次いで、同図(b)に示すように、羽部2、2の複数の軸受部5を互いに噛み合わせた後、軸芯3を軸受部5に挿入し、その両端から突出させる(軸芯挿入工程)。次に、羽部2の一端側(同図の左端側)から突出した軸芯3の部分を、プレス機(図示せず)でプレスすることによって、その外周面の所定位置に第2突起6、6を形成する。また、軸芯3を、第2所定距離L2に相当する長さだけ、軸受部5にさらに挿入するとともに、90度回転させた後、プレス機で再びプレスすることによって、第1突起6、6を形成する(同図(c)、突起形成工程)。
次に、同図(d)に示すように、軸芯3を軸受部5に所定長さ、さらに挿入することによって、第1および第2突起6を最外側の軸受部5内に位置させる(軸芯再挿入工程)。次いで、すべての軸受部5をプレス機によって全体的に締め付ける(軸受部締付工程)。これにより、図2に示すように、第1および第2突起6が最外側の軸受部5の内周面に強固に食い込み、係合する。次いで、羽部2、2の両端から突出した軸受3の部分を切断する(軸芯切断工程)。これにより、同図(e)に示す長蝶番1が得られ、その製造が完了する。
以上のように、本実施形態の長蝶番1によれば、軸芯3の第1および第2突起6が一方の羽部2の軸受部5に食い込んだ状態で係合することにより、軸芯3が、第1および第2の突起6を介して一方の羽部2に係止され、一体化されるので、羽部2に対する軸芯3の長さ方向の移動を阻止でき、したがって、ピアノが長期間、使用された場合でも、軸芯3の芯抜けを確実に防止することができる。また、軸芯3は、他方の羽部2の各軸受部5に単純に嵌合し、他方の羽部2に対して自由に回動できるので、長蝶番1の回動を支障なく確保することができる。
また、第1突起6、6および第2突起6、6がそれぞれ、軸芯3の径方向に対向する位置に配置されていて、軸受部5にバランス良く係合するので、軸芯3を羽部2に良好に係止することができる。同じ理由から、各一対の突起6、6を、例えば軸芯3の両側からのプレスによって容易に形成することができる。
さらに、例えば、第2突起6が、軸受部5の長さ方向の端部付近、すなわち2番目の軸受部5との境界付近に位置したために、軸受部5に十分に食い込んでいない場合でも、第2突起6に隣接する第1突起6が軸受部5に強固に食い込むことによって、軸芯3の係止力を十分に確保することができる。また、例えば、1つの第2突起6が、軸受部5の巻終わり間隙5a(図2参照)に位置したために、軸受部5に十分に食い込んでいない場合でも、第2突起6と周方向位置の異なる第1突起6が軸受部5に強固に食い込むことによって、軸芯3の係止力を十分に確保することができる。
また、本実施形態の長蝶番1の製造方法によれば、軸芯3への第1および第2突起6の形成を、軸芯3を軸受部5に挿入した状態で羽部2から外側に残された軸芯3の部分に対し、羽部2の外側からプレスによって行うので、軸芯3に突起6を確実かつ容易に形成することができる。また、その後、軸芯3を再挿入し、形成した第1および第2突起6を最外側の軸受部5内に位置させた後、すべての軸受部5をプレスにより全体的に締め付けるので、この軸受部5の締付をその外側から容易に行えるとともに、突起6を軸受部5の内周面に強固に食い込ませることによって、軸芯3を羽部2に良好に係止することができる。
さらに、軸芯3を軸受部5に挿入した状態で、突起6の形成、軸受部5の締付による突起6の係合、および軸芯3の切断を、一連の工程として行うことができ、したがって、長蝶番1を効率良く安価に製造することができる。また、羽部2の一端部の外側で形成した第1および第2突起6をそれに最も近い最外側の軸受部5に係合させるので、第1および第2突起6を軸受部5内に位置させる際の軸芯3の挿入量を最小限に留め、その挿入を効率良く行える。また、この軸芯3の挿入中に軸受部5の内周面と接触することによる突起6の欠損などを防止でき、したがって、軸芯3の係止をより確実に行うことができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、突起6を、軸芯3の長さ方向に隣接し且つ周方向に90度間隔で互い違いに配置された各一対の第1突起6、6および第2突起6、6で構成しているが、その数や配置は、適宜、変更することが可能である。例えば、1つの軸受部5に係合させる突起6を、一対のみの突起あるいは3対以上の突起で構成してもよく、あるいは、軸芯3の同じ長さ方向位置に形成する突起6の数を、3つ以上に増やしてもよい。
また、実施形態では、突起6を最外側の軸受部5にのみ係合させているが、同一の羽部2の軸受部5である限り、突起6を複数の軸受部5に係合させるようにしてもよい。この場合、突起6は、係合させるべき軸受部5に対応して、複数の組のものがあらかじめ形成される。さらに、実施形態は、本発明を、アップライトピアノの鍵盤蓋12に用いられる長蝶番1に適用した例であるが、本発明は、他の長蝶番、例えばグランドピアノの大屋根後と大屋根前を連結する長蝶番はもとより、図6に例示した鍵盤蓋12の短蝶番13にも適用できるなど、ピアノ用の蝶番に広く適用することが可能である。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、細部の構成を適宜、変更することができる。
本発明の実施形態による長蝶番の平面図である。 図1の線II−IIに沿う断面図である。 図5(c)のIII部分の拡大図である。 図3の線IV−IVに沿う断面図である。 長蝶番の製造方法を示す図である。 長蝶番をアップライトピアノの鍵盤蓋に用いた例を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 長蝶番(蝶番)
2 羽部
3 軸芯
5 軸受部
6 突起
12 鍵盤蓋(ピアノの構成部品)
13 短蝶番(蝶番)

Claims (3)

  1. ピアノの構成部品を開閉自在に取り付けるためのピアノ用の蝶番であって、
    互いに間隔を隔てた、カーリングした複数の軸受部を一端部にそれぞれ有し、当該複数の軸受部が互いに噛み合う一対の羽部と、
    当該一対の羽部の前記複数の軸受部に挿入され、前記一対の羽部を回動自在に連結する単一の軸芯と、を備え、
    当該軸芯の外周面には、前記一対の羽部の一方の前記複数の軸受部のうちの少なくとも1つの内周面に食い込んだ状態で係合する突起が設けられており、
    当該突起は、
    前記軸芯の径方向に互いに対向する一対の第1突起と、
    当該一対の第1突起に対して前記軸芯の長さ方向に隣接し且つ当該軸芯の長さ方向および周方向の異なる位置に配置され、前記軸芯の径方向に互いに対向する一対の第2突起と、によって構成されていることを特徴とするピアノ用の蝶番。
  2. ピアノの構成部品を開閉自在に取り付けるためのピアノ用の蝶番の製造方法であって、
    互いに間隔を隔てた、カーリングした複数の軸受部を一端部にそれぞれ有する一対の羽部を準備する羽部準備工程と、
    当該一対の羽部の前記複数の軸受部を互いに噛み合わせた後、軸芯の一部を前記一対の羽部の一端部の外側に残した状態で、前記軸芯を前記複数の軸受部に挿入する軸芯挿入工程と、
    前記一対の羽部の外側に残された前記軸芯の部分の外周面に突起を形成する突起形成工程と、
    前記突起が前記一対の羽部の一方の所定の前記軸受部内に位置するように、前記軸芯を前記複数の軸受部に所定の長さ、さらに挿入する軸芯再挿入工程と、
    前記複数の軸受部を全体的に締め付けることによって、前記突起を前記所定の軸受部の内周面に食い込ませ、係合させる軸受部締付工程と、
    前記一対の羽部から突出した前記軸芯の部分を切断する軸芯切断工程と、
    を備えることを特徴とするピアノ用の蝶番の製造方法。
  3. 前記所定の軸受部が、前記一方の羽部の前記複数の軸受部のうちの前記一端部側の最も外側に位置する軸受部であることを特徴とする、請求項2に記載のピアノ用の蝶番の製造方法。
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