JP4821495B2 - 配電システム - Google Patents

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Description

本発明は、ネットワーク通信に用いる通信機器を配電盤に内装し且つ通信機器に対して直流給電を一括して行う配電システムに関する。
最近インターネットやLAN等のネットワーク通信を行うために、モデム、ルータ、ハブ等のネットワーク用の通信機器が複数室内に配設され、しかもそれらを接続する多数のケーブルが室内に雑然と露出配線されていた。
一方、このような雑然とした配線を無くすための情報配線システムも提供されている(例えば特許文献1)。
この特許文献1に開示されている情報配線システムは、盤内にハブ装置、ISDNのDSU、LAN用の中継端子台を内器として備え、先行配線されたLANケーブルの一端を壁面などに配設しているLAN機器用コンセントに接続し、更にLANケーブルの他端を盤内の中継端子台を介してハブ装置に接続することで、室内側に設けたLAN機器用コンセントをスター接続したり、壁面に設けたISDNのモジュラージャックに先行配線されたISDNのケーブルをDSUに接続することで、ケーブルが室内に露出しないシステムを構築することができるようにしている。
特開2001−186161号公報(図3、段落0040−0045)
ところで、特許文献1に開示された構成では、盤内にはハブ装置等ケーブルを接続するための端子部や、回線に介在させるDSUを内蔵するものの、パソコン等のネット端末以外のネットワーク通信に欠かせない、ルータ(ゲートウェイ)、モデム等の通信機器は室内側で上述のLAN機器用コンセントやモジュラージャックに通信ケーブルを接続するとともに、近辺の電源コンセントに外部電源のACアダプタや、内蔵電源用の電源ケーブルを接続するため、電源コンセント周囲や、LAN機器用コンセントやモジュラージャック周りの配線が雑然となるのは、露出配線している従来と殆ど変化がなかった。また通信機器が室内に露出配設される点も変わりがなかった。
また、内器として盤内に収納される装置として電源を必要とするものは、内蔵電源部の電源端子に盤内に引き込んだ商用電源の電源線を接続することで得るようになっており、電源を必要とする装置の数が多ければ、盤内配線も雑然とするという問題があった。また夫々の装置に内蔵電源部を必要とするため、装置のコストも高くなるという課題があった。
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、通信機器を室内に暴露させることなく設けることができ、しかも配電盤内の通信機器への直流電力の給電を盤内で一括して行え、通信機器に内蔵電源部が不要で、通信機器のコストダウンも図れる配電システムを提供することにある。
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、商用交流電力を直流電力に変換する電力変換部と、該電力変換部から出力される直流電力の給電路となる導電バーと、該導電バーに接続されて前記直流電力の給電を受ける通信機器とを配電盤内に備え、前記通信機器は前記配電盤外の通信路を介して通信を行う通信機能を備え、該通信機器は、給電線を介して前記配電盤外に設けられる1乃至複数の端末機を接続し、該端末機に直流電源を供給する機能と、該端末機との間で給電線を前記通信路として通信を行う通信機能とを有する通信制御ユニットであり、前記通信制御ユニットは、前記配電盤内に配設される他の通信制御ユニットと連携動作するための連携関係情報の授受を行う通信機能を備え、前記通信制御ユニットの前記連携関係情報の授受は前記導電バー上の直流電圧に重畳する情報信号で行うことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、配電盤に備えた通信機器に直流電力を一括給電することができるため、通信機器に内蔵電源部を設ける必要がなくなって、通信機器のコストダウンが図れ、その上通信機器を室内に暴露させることなく通信機器を設置することができ、しかも配電盤内で一括給電するので、室内に通信機器を露出設置するような場合のように、個々の通信機器のACアダプタや電源ケーブルを電源コンセントに接続することによって起きる電源コンセント周りの雑然さを無くすことができ、室内の美観を損なわない。また、請求項1の発明によれば、室内側に設置した端末機を通信で制御するとともに給電する場合においても、通信制御ユニットを配電盤内に設け、配電盤外では分岐ブレーカでの分岐配線のように通信制御ユニットに接続した給電路や通信路を構成する線を配線するだけ良く、室内側の配線も整然と行える。さらに、請求項1の発明によれば、配電盤内に配設される通信制御ユニット間での連携動作のための連携関係情報の授受を配電盤内で行うことができ、その結果連携関係を持つ通信制御ユニットやその配下の端末機の動作を連携させることができる。また、請求項1の発明によれば、導電バーを利用して通信制御ユニットの連携関係情報の授受を行うことができ、そのため配電盤内に連携関係情報の通信路を別に設けることが不要となり、その結果配線盤内の配線が簡単となる上に盤内スペースを有効に使用でき、配電盤の小型化も可能となる。
請求項1の明とは別の発明で、商用交流電力を直流電力に変換する電力変換部と、該電力変換部から出力される直流電力の給電路と、該給電路に接続されて前記直流電力の給電を受ける通信機器とを配電盤内に備え、前記通信機器は配電盤外の通信路を介して通信を行う通信機能を備え、前記通信機器は、配電盤外から配電盤内に導入したLANやWAN等のネットワーク通信路に接続して配電盤外のネットワークに対する通信を行う通信機能を備えたネットワーク用通信ユニットであることを特徴とする特徴とする。
この発明によれば、LAN用のルータやハブ、インターネット等のネットワークに接続するためのモデム等のネットワーク用通信ユニットを配電盤に一括配設することで、配電盤外での配線はネット端末を接続するためのケーブルとモジュラージャック等からなるコンセントを配設すれば良く、これらケーブルやモジュラージャックを備えた配線器具を先行配線等によって設置する場合にあっても、室内側にモデムやルータを設置し、盤内のハブに先行配線で接続するようなシステムに比して配線数が少なくて良いため施工が容易となる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記通信制御ユニットと、端末機との間の通信は、前記通信制御ユニットが前記端末機に供給する直流電源電圧のオン/オフによるパターン信号を用いて行うことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、通信制御ユニットと端末機を接続する線が、給電線と通信線とを兼ねることができ、室内での配線を省線化でき、施工も容易となる。
請求項3の発明では、請求項1の発明において、前記通信制御ユニットと端末機との間の通信は、前記端末機に供給する直流電源電圧に重畳させた信号を用いて行うことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様に、通信制御ユニットと端末機を接続する線が、給電線と通信線とを兼ねることができ、室内での配線を省線化でき、施工も容易となる。
請求項4の発明では、請求項1の発明において、前記通信制御ユニットは、接続している端末機からの情報に基づいて予め対応付けてある他の通信制御ユニット若しくは他の通信制御ユニットに接続している端末機を動作させる前記連携関係情報を当該他の通信制御ユニットに送信する通信機能を備えていることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、自己の配下にある端末機からの情報に応じて当該通信制御ユニットから、連携動作の対象となる通信制御ユニットに連携関係情報を送信するだけで、連携対象となる通信制御ユニット又はその通信制御ユニットの配下の端末機を連携動作させることができ、また配電盤内での連携関係情報の授受によるため、連携関係動作を行う盤外の端末機間を結ぶ通信路を設ける必要もない。
請求項5の発明では、請求項1の発明において、制御要因を検出するセンサを備えた端末機を接続している一の通信制御ユニットと、前記センサが制御要因を検出したときに動作させる設備機器に対応する端末機を接続している他の通信制御ユニットとを備え、前記センサが制御要因を検出した検出情報を端末機から受け取った前記一の通信制御ユニットは、当該検出情報を前記連携関係情報として送信し、前記検出情報に対して予め対応関係を持つ他の通信制御ユニットは、前記検出情報を受信すると、当該検出情報に基づいて前記設備機器に対応する端末機に所定動作させる制御信号を送ることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、センサの動作を起因として、設備機器に対応する端末機を連携動作させる制御システムを簡単に構築することができる。
請求項6の発明では、請求項1の発明において、前記配電盤内に、前記導電バーに接続されて前記直流電力の給電を受ける連携制御ユニットを通信機器として備えるとともに、制御要因を検出するセンサを備えた端末機を接続している一の通信制御ユニットと、前記センサが制御要因を検出したときに動作させる設備機器に対応する端末機を接続している他の通信制御ユニットとを備え、前記センサが制御要因を検出した検出情報を端末機から受け取った前記一の通信制御ユニットは、当該検出情報を前記連携関係情報として前記連携制御ユニットへ送信し、前記連携制御ユニットは、前記検出情報を受け取ると、予めメモリ部に登録してある連携対応情報に基づいて、前記一の通信制御ユニットに対応付けてある他の通信制御ユニットに前記検出情報に対応付けた連携関係情報を送信し、該連携関係情報を受け取った前記他の通信制御ユニットは、当該連携関係情報に基づいて前記設備機器に対応する端末機に所定動作させる制御信号を送ることを特徴とする。
請求項6の発明によれば、センサの動作を起因として連携動作させる設備機器に対応した端末機との組み合わせや制御内容を連携制御ユニットのメモリ部に登録する連携対応情報により決めることができるため、通信制御ユニットに連携動作対象の組み合わせ、連携動作の内容を設定する必要がなく、そのため使用する通信制御ユニット自体に汎用性を持たせることができ、また連携動作対象の組み合わせや制御内容の自由度が高い制御システムの構築ができる。
請求項7の発明では、請求項6の発明において、前記連携制御ユニットは、前記配電盤外から前記配電盤内に導入したLANやWAN等のネットワーク通信路に接続して前記配電盤外のネットワークに対する通信を行う通信機能を備えたネットワーク用通信ユニットとの間で通信を行って、前記ネットワーク用通信ユニットがインターネット等のWANを通じてダウンロードした前記連携対応情報を受け取り、前記メモリ部に格納するダウンロード機能を備えていることを特徴とする。
請求項7の発明によれば、連携対応情報をインターネット等のネットワークからダウンロードして連携制御ユニットのメモリ部に登録することができ、そのため、連携動作に必要な連携対応情報の登録が施工業者等による遠隔操作によって行うことが可能となり、その結果、連携対応情報の登録のためのスキルをユーザーが必要とせず、ユーザーに負担をかけないシステムを構築できる。
請求項8の発明では、請求項6の発明において、前記メモリ部は、外部から着脱自在に装着される記憶媒体から成ることを特徴とする。
請求項8の発明によれば、システム規模に応じた記憶容量のメモリ部に変更することが容易に行え、また連携制御ユニットからメモリ部を外してコンピュータ等の装置で連携対応情報を登録したり、修正・変更等が行えるため、登録・修正・変更の作業性に優れている。
本発明は、配電盤に備えた通信機器に直流電力を一括給電することができるため、通信機器に内蔵電源部を設ける必要がなくなって、通信機器のコストダウンが図れ、その上通信機器を室内に暴露させることなく通信機器を設置することができ、しかも配電盤内で一括給電するので、室内に通信機器を露出設置するような場合のように、個々の通信機器のACアダプタや電源ケーブルを電源コンセントに接続することによって起きる電源コンセント周りの雑然さを無くすことができ、室内の美観を損なわないという効果がある。
以下本発明を実施形態により説明する。
(実施形態1)
図1は本実施形態1の概略システム図を示しており、図示するように本実施形態は、リミッター2、主幹ブレーカ3、更に分岐ブレーカ4など商用交流電力系の内器を本体1a内に配設した分電盤1とは別置される配電盤1’を用い、この配電盤1’の本体1b内に電力変換部5、後述する各種の通信機器(6a、6b…)及びバックアップ用のバッテリユニットBを配設してシステムを構築している。
尚分電盤1の本体1a内に引き込まれた、例えば単相3線の商用交流電源の電力線は、リミッター2を介して主幹ブレーカ3に接続され、主幹ブレーカ3の負荷側のL1、L2、Nの各極に対応した端子にはそれぞれ導電バー7の一端が接続され、N極の導電バー7と、L1又はL2の極の導電バー7に各分岐ブレーカ4のプラグイン式の電源側端子部(図示せず)が接続されて各分岐ブレーカ4によって屋内電力線が分岐配線されるようになっている。
これらの分岐ブレーカ4のプラグイン式の電源接続部の構成は、上述した特許文献1の分岐ブレーカの電源接続部のような周知の構成を用いれば良いので、この構成の図示及び説明は省略する。また各導電バー7は本体1aの正面方向から見て重なるように配設されているため、図1では一条に見えている。
そして分電盤1内の何れか一つの分岐ブレーカ4に接続され、分電盤1外へ導出された分岐電力線Lが配電盤1’の本体1b内に導入されて、配電盤1’内の電力変換部5の電源入力端に接続され、電力変換部5に商用交流電力を供給するようになっている。
配電盤1’内の電力変換部5は、図において、右側部に設けた正、負の各極に対応した直流電力出力端子部(図示せず)に直流給電路用の導電バー8の一端を接続してある。ここで正、負の各極の直流給電路用導電バー8は正面方向から見て重なるように配設されているため、図1では一条に見えている。
さて、この導電バー8の上下側には各種の通信機器(6a、6b…)を配設するとともに、バッテリユニットBの蓄電池モジュール9A…を配設し、各種の通信機器6(6a、6b…)は導電バー9側の端部に設けた電源入力用のプラグイン接続部10(図2参照)に導電バー8を挿入してプラグイン接続部10内の接触片10aを導電バー8に接離自在に接続するようになっている。
ここで通信機器6aはインターネットNTに通信網を介して接続するモデム、ルータ、更にローカルネットワークLANに接続するためのハブ等のネットワーク通信機能部10a(図3(a)参照)を備えたWAN用の通信ユニットであって、導電バー8を通じて電力変換部5からの直流電力を取り込んで動作電源としている。この通信機器(以下通信ユニットという)6aは内部回路として図3(a)に示すように上述のネットワーク通信機能部10a以外に、導電バー8を介して入力した直流電圧を所定電圧に変換して内部回路の動作電圧を得るDC/DCコンバータ10bと、導電バー8上の直流電圧に図3(b)に示すように重畳させた搬送信号Sによりネットワーク通信で受信した諸情報を送信するとともに導電バー8上の直流電圧に重畳して送られくる搬送信号を受信して情報を受け取る搬送通信部10cと、ネットワーク通信機能部10a及び搬送通信部10cの動作制御と夫々で送受信する情報の処理を行う機能を備えた演算処理部10dとを備えている。尚コンデンサCはカップリング用コンデンサである。以下カップリング用コンデンサには符号Cを付す。
通信機器6bは、汎用通信或いはLAN等のネットワークに対応した通信ユニットであって、該通信機器(以下通信ユニットという)6bは、上述の通信ユニット6aと同様にネットワーク通信機能部、DC/DCコンバータ、搬送通信部、演算処理部から構成されいる。尚ネットワーク通信機能部が汎用通信或いはローカルネットワークLANにのみ対応する点以外は通信ユニット6aと同じであるので、ここでは図示しない。
一方、通信機器6cは、給電線15を介して配電盤1’外に設けた端末機を構成する設備機器たるLED照明端末11を接続しているLEDコントローラたる通信制御ユニットであって、導電バー8を通じて直流電力を取り込んで動作電源とするとともに、取り込んだ直流電力をLED照明端末11に給電線15を介して給電する機能を備えている。
この通信機器(以下通信制御ユニットという)6cの内部回路は、図4(a)に示すように導電バー8を介して入力した直流電圧を所定電圧に変換して内部回路の動作電圧を得るDC/DCコンバータ18aと、LED照明端末11に給電する直流電圧を図4(b)に示すようにオン/オフ(デュティ比)制御してLED照明端末11に供給する直流電力量、つまり点灯電力量を制御して調光するためのスイッチ回路18bと、インターフェース18cを介して調光や点灯操作のための操作部19からの操作信号を取り込み、操作信号により指示される調光量となるようにスイッチ回路18bを制御し、また導電バー8上の直流電圧に重畳されて送られてくる搬送信号に含まれる連携関係情報に基づいて所定の調光量となるように上述と同様にスイッチ回路18bを制御する機能を備えた制御部18dと、導電バー8上の直流電圧に重畳されて送られてくる搬送信号Sを受信して搬送信号Sに含まれる連携関係情報を制御部18dに出力するとともにLED照明端末11の状態情報を必要に応じて搬送信号Sにより導電バー8上に送信する搬送通信部18eとから構成される。
また、通信機器6dは、信号線16を介して配電盤1’外に設けた端末機である防災センサ12を接続し、防災センサ12の検出情報処理を行う通信制御ユニットであって、導電バー8を通じて直流電力を取り込んで動作電源とするとともに、取り込んだ直流電力を防災センサ12に信号線16を介して給電し、また防災センサ12からの検出情報を受信して、検出情報処理を行う機能を備えている。
この通信機器(以下通信制御ユニットという)6dの内部回路は、図5に示すように導電バー8を介して入力した直流電圧を所定電圧に変換して内部回路の動作電圧を得るDC/DCコンバータ19aと、信号線16及び導電バー8の直流電圧に重畳されて送られてくる搬送信号Sを受信するとともに、直流電圧に重畳させて搬送信号Sを送信する搬送通信部19bと、搬送信号Sによって送られてくる情報の処理と、搬送信号Sによって送信する情報の生成処理とを行う制御部19cとから構成される。
ここで防災センサ12側には検出対象となる火災(制御要因)等を検出したときにその検出情報を搬送信号Sにより対応する通信制御ユニット6dに送信する機能を備えており、通信制御ユニット6dの制御部19cは、搬送通信部19bを介して該検出情報を受け取ると、予め対応付けられている通信制御ユニット6c、或いは通信ユニット6a、6bに連携関係情報を生成して搬送通信部19bから搬送信号Sにより送信させる検出情報処理を行うようになっている。
更に、通信機器6eは、信号線17を介して配電盤1’外に設けた端末機である防犯センサ13を接続し、防犯センサ13の検出情報処理を行う通信制御ユニットであって、導電バー8を通じて直流電力を取り込んで動作電源とするとともに、取り込んだ直流電力を防犯センサ13に信号線17を介して給電し、また防犯センサ13から搬送信号Sで送信される検出情報を受信して、処理を行う機能を備えている。尚通信機器(以下通信ユニットという)6eの内部回路は通信制御ユニット6dと基本的に同じであり、また検出情報の処理も同様に行うので、内部回路の図示は省略する。
図6は、本実施形態の電力変換部5とバッテリユニットBとの接続回路を示しており、図示する電力変換部5は、単相3線の200Vの商用交流電源を整流平滑するとともに、所定の直流電圧に変換する整流回路5Aと、この整流回路5Aで得た直流電圧を降圧して所定の直流電圧に変換するDC/DCコンバータ5Bを備え、このDC/DCコンバータ5Bから導電バー8、8を介して各通信ユニット6a、6bや通信制御ユニット6c、6d、6eに直流電力を給電するようになっている。
また、電力変換部5は、整流回路5AとDC/DCコンバータ5Bとの間の電路に抵抗R1を接続して該抵抗R1の両端電圧から商用交流電源の停電を検出するための電圧検出部5Cと、整流回路5Aから出力される電流を検出する電流センサ5Dと、この電流センサ5Dが検出する電流から電力変換部5の入力電流を監視する電流監視部5Eとを備えるとともに、電圧検出部5Cで検出される電圧が所定以下になると、通信部5Fを通じてバッテリユニットBに制御信号を送信する停電検出部としての機能、更に監視する入力電流が閾値を越えたことを電流監視部5Eが検出するとバッテリユニットBに停電検出時と同様に通信部5Fを通じて制御信号を送信する機能、DC/DCコンバータ5Bの動作を制御する機能を有する制御部5Gを備えている。
一方バッテリユニットBは、二次電池群からなる蓄電池モジュール9Aと、蓄電池モジュール9Aを電力変換部5内の整流回路5AとDC/DCコンバータ5Bとの間の電路に接続するのをオン/オフするスイッチ回路9Bと、電力変換部5からの制御信号が通信部9Cを介して受信している間、スイッチ回路9Bをオンさせる制御を行う電池制御部9Dとを備えており、スイッチ回路9Bをオンさせたときに、蓄電池モジュール9Aの直流電圧をDC/DCコンバータ5Bに入力させ、DC/DCコンバータ5Bから導電バー8、8を介し通信ユニット6a、6b、通信制御ユニット6c、6d、6eに蓄電池モジュール9Aの直流電力を給電するようになっている。尚電力変換部5の整流回路5Aから直流が出力されている間は、該出力によりバッテリユニットB内の蓄電池モジュール9AにはダイオードDを介して充電電流が流れて充電が行われる。尚スイッチ回路9Bは、蓄電池モジュール9Aの正の電極の接続をオン/オフし、負の電極を充電のためにスルーしている。
而して、図1において、商用交流電力が電力変換部5によって直流電力に変換され、導電バー8、8を通じて通信制御ユニット6cに供給されている通常時にあっては、通信制御ユニット6cは操作部19を用いた操作指示に応じてLED照明端末11の点灯を制御する動作を行うことができるのである。
つまり消灯中或いは調光点灯中において、操作部19の操作によって全点灯の指示があると、通信制御ユニット6cはスイッチ回路18bを連続的にオンさせて、最大の点灯電力量をLED照明端末11に供給し、LEDを全点灯させる。逆に点灯中に消灯の指示があると、スイッチ回路18bをオフさせてLED照明端末11への電力供給を止めて、LEDを消灯させる。
一方点灯中において、操作部19からアップ若しくはダウンの調光指示があると、その調光指示操作期間に応じてスイッチ回路18bのオンデュティを徐々に小さく或いは大きくしてLED照明端末11に供給する点灯電力量を変化させ、LEDの点灯を調光制御するのである。
次に、例えば防災センサ12が火災発生等を検出し、その検出情報が搬送信号Sにより信号線16を通じて通信制御ユニット6dに送られてくると、通信制御ユニット6dでは搬送通信部19bにより受信して検出情報を制御部19cに渡す。制御部19cは検出譲情報を受け取ると、予め連携動作対象としたLED照明端末11を接続している通信制御ユニット6c宛に連携関係情報を搬送通信部19bから搬送信号Sとして送信する。
ここで通信制御ユニット6c、6d、6e(及び通信ユニット6a、6b)は搬送通信での固有識別のアドレスが設定されているものとし、搬送信号Sで連携関係情報を送信する際に宛先アドレス及び送信元アドレスの情報もヘッダに付けて送信するものとする。
さて、通信制御ユニット6cの制御部18dは搬送通信部18eを介して自己宛の連携関係情報を受け取ると、予め連携動作に対応した動作モードに対応してスイッチ回路18bのオン/オフ動作を制御する。つまり、LED照明端末11の発光を調光制御するためにディティ比の制御を行ったり、或いは所定周期で点滅させるために所定周期で電力供給をオン/オフさせる制御を行い、これによりLED照明端末11の点灯状態から火災発生等をユーザーが知ることになるのである。
通信制御ユニット6eに信号線17で接続されている防犯センサ13が不法侵入(制御要因)を検出した場合も、防災センサ12の場合と同様に一連の連携動作処理を行えば、ユーザーに不法者侵入を知らせることができる。この場合火災検出時と不法侵入検出時とでLED照明端末11の点灯状態を異ならせるように制御すれば、LED照明端末11の点灯状態から火災発生なのか、不法侵入なのかを区別することができ、それに対応した処置を迅速に行えることになる。
ところで、上述した通信制御ユニット6cはLED照明端末11に直流電力を供給するための直流電圧をスイッチ回路18bでオン/オフ制御することで、LED照明端末11の点灯電力量を制御して調光を行うようにしたものであるが、スイッチ回路18bをオン/オフ制御する代わりにLED照明端末11へ調光制御情報を搬送通信部18eから給電線15上の直流電圧に重畳させる搬送信号Sにより送るようにしても良い。
この場合図7に示すようにLED照明端末11には、LED群からなる発光部11aと、上述のスイッチ回路18bと同様に直流電圧をオン/オフして発光部11aの点灯電力量を制御するスイッチ回路11bと、直流電圧に重畳して送られてくる搬送信号Sから調光制御情報を抽出してその制御内容を取得し、制御内容に応じてスイッチ回路11bの動作を制御する制御部11cとを備えている。尚制御部11cの動作電源は給電される直流電圧から得ている。
而して図7の回路構成によれば、複数のLED照明端末11を一つの通信制御ユニット6cで制御する際に個々のLED照明端末11に固有アドレスを付与し、この固有アドレス情報とともに調光制御情報を搬送信号Sで送れば、個々のLED照明端末11を制御することができる。従って、上述の防災センサ12或いは防犯センサ13の検出情報に基づいた連携動作時において点灯制御させるLED照明端末11を指定することが可能となって、一つの通信制御ユニット6cの配下に複数のLED照明端末11があっても所定のLED照明端末11の点灯制御ができ、ユーザーに火災発生や不法侵入を知らせる際の識別性を高めることができる。
尚上述の電力変換部5から停電検出信号をLEDコントローラである通信制御ユニット6cに送り、通信制御ユニット6cでLED照明端末11を所定のレベルで調光制御することで消費電力を低減するようにしても良い。
上述の連携関係情報の通信機器(通信制御ユニット6c、6d、6e)間の授受は、導電バー8上の直流電圧に重畳させる搬送信号Sを用いて行っているが、直流電圧を高い周波数で断続させて得られるパルス信号を用いて伝送するようにしても良い。また図8に示すように専用の通信線20を用い、通信線20を介して夫々に設けた通信部21によって連携関係情報の授受を行うようにしても良い。
また、図1のシステムでは配電盤1’内にバッテリユニットBを設けているが、図9に示すように配電盤1’とは別置されるバッテリ収納用盤1”に蓄電モジュール9Aを1乃至複数収納して構成するバッテリユニットBを用いて良い。
更に、図10に示すように分電盤1内に配電盤1’内の構成を組み込んでも良い。図10ではバッテリユニットBを別置としているが、勿論分電盤1に内装しても良い。また配電盤1’或いは分電盤1にバッテリユニットBを内装する場合1乃至複数の蓄電池モジュール9Aを導電バー8に接続してバッテリユニットBを構成しても良い、この場合には導電バー8を介して電力変換部5の直流電力で充電され、停電時には導電バー8を介して各蓄電モジュール9Aから直接バックアップ給電される。
更に上述のシステムではセンサ側の通信制御ユニット6d又は6eから連携関係情報を連携動作対象の設備機器側となる通信制御ユニット6cのアドレス宛に送るようにしているが、例えばセンサ側からセンサの検出情報を特に宛先を指定せずに連携関係情報として送信し、設備機器側の通信制御ユニット(実施形態では6c)では、導電バー8、8(或いは通信線20)上に連携関係情報が送信された場合、この連携関係情報を受信してその連携関係情報である検出情報が、当該通信制御ユニット(実施形態では6c)において予め連携動作に対応させて登録している検出情報内容と合致する場合、該検出情報に対応付けた内容で端末機(実施形態ではLED照明端末11)を制御するようにしても良い。
(実施形態2)
実施形態1は連携動作の対応関係と、連携動作に必要な連携動作対象の組み合わせや連携動作内容等の連携対応情報は予め夫々に対応する通信制御ユニット6c、6d、6eにおいて設定登録しているものとしているが、システムの拡張や縮小など、更に対応関係の変更等に対しては自在に対処できない。そこで、本実施形態では、連携動作のための連携制御ユニット6fを図11に示すように通信機器として備えている。
つまり、この連携制御ユニット6fも導電バー8にプラグイン接続により接続されて直流電力の給電を受けて動作するものであり、内部には図12(a)に示すように導電バー8から入力する直流電圧から動作電圧を得るためのDC/DCコンバータ22aと、導電バー8上に重畳伝送される搬送信号Sの受信と搬送信号Sの重畳送信を行う制御部22bと、連携対応情報を登録するフラッシュメモリ等からなる着脱自在なメモリ部22cとから構成されている。
このメモリ部22cに登録する連携対応情報は、センサ側通信制御ユニット(実施形態では6d、6e)に対して連携動作対象となる設備機器側通信制御ユニット(実施形態では6c)の組み合わせ情報や、連携動作時の制御内容等の情報からなり、この連携対応情報をメモリ部22cに新規登録したり、登録済みの連携対応情報の修正を行う場合には、連携制御ユニット6fからメモリ部22cを取り外してエディタ等のアプリケーションソフトを搭載しているパソコン等に装着し、該パソコンによって作成した連携対応情報を登録したり、或いは登録済みの連携対応情報の修正を行うようになっている。
而して、本実施形態における連携動作制御は次のように行われる。まず図12(b)で示すように防災センサ12で火災検出があったとすると、該防災センサ12に対応する通信制御ユニット6dは、検出情報を含む連携関係情報を連携制御ユニット6fのアドレス宛に搬送信号Sで送る(I)。連携制御ユニット6fでは受信した連携関係情報と、メモリ部22cに登録されている連携対応情報とに基づいて、対応する通信制御ユニット(実施形態ではLEDコントローラである通信制御ユニット6c)を検索し、該通信制御ユニット6c宛に上述の検出情報に対応した制御情報を連携関係情報として搬送信号Sにより送る(II)。
通信制御ユニット6cは自己宛に送られてきた連携動作内容の情報に基づいてLED照明端末11の動作を制御する処理を行う。
このようにして本実施形態の連携動作制御は、上述の連携対応情報を連携制御ユニット6fで登録することで、連携動作対象の組み合わせ関係の変更や、制御内容の変更を通信制御ユニット6c、6d、6e側を変更することなく行え、そのためシステムの拡張や縮小の変更に自在に対処することができ、また上述の通信制御ユニット以外の通信制御ユニットを用いた連携動作制御のシステムを構築することも簡単に行える。
また、メモリ部22cに連携対応情報等のデータの登録を、例えばインターネットNT側に設けたサーバー(図示せず)から通信ユニット6a宛に送り、通信ユニット6aでは、このデータを一旦バッファなどにダウンロードした上で、該データを連携制御ユニット6fに搬送信号Sを用いて転送し、連携制御ユニット6fでこの転送されてきたデータをメモリ部22cに格納して登録処理を行うようにしても良い。
この場合、連携対応情報の変更や新規設定、更にはメンテナンス等を施工業者(メーカー)などにおいて遠隔操作できるため、ユーザーに負担をかけることがない。尚ダウンロードの手順や登録処理などの動作プログラムは通信ユニット6aの制御部(図示せず)や、連携制御ユニット6fの制御部22bに予め搭載されているものとする。また使用するメモリ部22cは連携制御ユニット6fに内蔵固定したメモリ部であっても、上述のように着脱自在なメモリ部であっても良い。
実施形態1の概略システム構成図である。 実施形態1の通信機器と導電バーとの接続構造を示す一部破断省略した要部の側面図である。 (a)は実施形態1に通信ユニットの回路構成図、(b)は通信ユニットで送受信する搬送信号の説明図である。 (a)は実施形態1に用いる通信制御ユニットの回路構成図、(b)は通信制御ユニット6aのオン/オフ制御の説明図である。 実施形態1に用いる別の通信制御ユニットの回路構成図である。 実施形態1に用いる電力変換部とバッテリユニットの接続回路構成図である。 実施形態1に用いるLED照明端末の一例の回路構成図である。 実施形態1の連携関係情報の伝送系の別の例を示す配電盤内の概略構成図である。 実施形態1の他の例の概略システム構成図である。 実施形態1のその他の例の概略システム構成図である。 実施形態2の配電盤内の回路構成図である。 (a)は実施形態2の連携制御ユニットの回路構成図、(b)は実施形態2の動作説明図である。
符号の説明
1 分電盤
1a 本体
1’ 配電盤
1b 本体
2 リミッター
3 主幹ブレーカ
4 分岐ブレーカ
5 電力変換部
6a、6b 通信ユニット
6c、6d、6e 通信制御ユニット
7 導電バー
8 導電バー
11 LED照明端末
12 防災センサ
13 防犯センサ
15 給電線
16、17 信号線
NT インターネット
LAN ローカルネットワーク
B バッテリユニット
L 分岐電力線

Claims (8)

  1. 商用交流電力を直流電力に変換する電力変換部と、該電力変換部から出力される直流電力の給電路となる導電バーと、該導電バーに接続されて前記直流電力の給電を受ける通信機器とを配電盤内に備え、前記通信機器は前記配電盤外の通信路を介して通信を行う通信機能を備え、
    該通信機器は、給電線を介して前記配電盤外に設けられる1乃至複数の端末機を接続し、該端末機に直流電源を供給する機能と、該端末機との間で給電線を前記通信路として通信を行う通信機能とを有する通信制御ユニットであり、
    前記通信制御ユニットは、前記配電盤内に配設される他の通信制御ユニットと連携動作するための連携関係情報の授受を行う通信機能を備え、
    前記通信制御ユニットの前記連携関係情報の授受は前記導電バー上の直流電圧に重畳する情報信号で行うことを特徴とする配電システム。
  2. 前記通信制御ユニットと、端末機との間の通信は、前記通信制御ユニットが前記端末機に供給する直流電源電圧のオン/オフによるパターン信号を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の配電システム。
  3. 前記通信制御ユニットと端末機との間の通信は、前記端末機に供給する直流電源電圧に重畳させた信号を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の配電システム。
  4. 前記通信制御ユニットは、接続している端末機からの情報に基づいて予め対応付けてある他の通信制御ユニット若しくは他の通信制御ユニットに接続している端末機を動作させる前記連携関係情報を当該他の通信制御ユニットに送信する通信機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の配電システム。
  5. 制御要因を検出するセンサを備えた端末機を接続している一の通信制御ユニットと、前記センサが制御要因を検出したときに動作させる設備機器に対応する端末機を接続している他の通信制御ユニットとを備え、前記センサが制御要因を検出した検出情報を端末機から受け取った前記一の通信制御ユニットは、当該検出情報を前記連携関係情報として送信し、前記検出情報に対して予め対応関係を持つ他の通信制御ユニットは、前記検出情報を受信すると、当該検出情報に基づいて前記設備機器に対応する端末機に所定動作させる制御信号を送ることを特徴とする請求項1記載の配電システム。
  6. 前記配電盤内に、前記導電バーに接続されて前記直流電力の給電を受ける連携制御ユニットを通信機器として備えるとともに、制御要因を検出するセンサを備えた端末機を接続している一の通信制御ユニットと、前記センサが制御要因を検出したときに動作させる設備機器に対応する端末機を接続している他の通信制御ユニットとを備え、前記センサが制御要因を検出した検出情報を端末機から受け取った前記一の通信制御ユニットは、当該検出情報を前記連携関係情報として前記連携制御ユニットへ送信し、前記連携制御ユニットは、前記検出情報を受け取ると、予めメモリ部に登録してある連携対応情報に基づいて、前記一の通信制御ユニットに対応付けてある他の通信制御ユニットに前記検出情報に対応付けた連携関係情報を送信し、該連携関係情報を受け取った前記他の通信制御ユニットは、当該連携関係情報に基づいて前記設備機器に対応する端末機に所定動作させる制御信号を送ることを特徴とする請求項1記載の配電システム。
  7. 前記連携制御ユニットは、前記配電盤外から前記配電盤内に導入したLANやWAN等のネットワーク通信路に接続して前記配電盤外のネットワークに対する通信を行う通信機能を備えたネットワーク用通信ユニットとの間で通信を行って、前記ネットワーク用通信ユニットがインターネット等のWANを通じてダウンロードした前記連携対応情報を受け取り、前記メモリ部に格納するダウンロード機能を備えていることを特徴とする請求項6記載の配電システム。
  8. 前記メモリ部は、外部から着脱自在に装着される記憶媒体から成ることを特徴とする請求項6記載の配電システム
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