JP4819284B2 - 工具継手 - Google Patents

Description

【０００１】
発明の技術分野
本発明は好ましくは旋削工具の工具継手に関し、工具継手がアダプターと呼ばれる締結部品と工具ボディとを互いに連結し、工具ボディが切屑除去機械加工用の切削インサートを担示するか或いはそれ自体によって構成し、工具継手が第１の中心軸線を有する雄型部と、第２の中心軸線を有する雌型部とを含み、雄型部と雌型部は互いに嵌め合わさることになる。また、本発明は、雄型部、雌型部、及び切屑除去用の切削インサートの各々に関する。
【０００２】
先行技術
着脱可能な切削ボディ、いわゆるシャフトに取り付けられる抜き形先端はドイツ特許公開公報第３４０２５４７号から既知である。当該工具は、内側旋削加工に特に適している。切削ボディとシャフトとの間の接続は、三つの半径方向の溝が切削ボディに向かって回転するシャフトの端部に凹所が形成され、一方三つのリッジが切削ボディに配置されるように形成される。この接続の実際の位置において、軸方向のネジが切削ボディを貫通して伸びてシャフトの達し、このリッジが溝内に収容される。それによって、トルクをシャフトから切削ボディに伝達することができる。溝とリッジとを連結する側面の比較的平らな傾きによって、シャフトから切削ボディに関してから望まれる大きさのトルクを切削工具に伝達するために、比較的大きな軸力がシャフトと切削ボディとの間に必要である。大きな軸力が、ネジの伸びを生じさせることになる。さらに、リッジと溝との間の当接が生じる場合、これらは線形伸張であるので規定することが難しくする。
【０００３】
発明の目的と特徴
本発明の第１の目的は、序文に規定した種類の工具継手を記載することであり、工具継手は大きなトルクを伝達することを可能にする。
【０００４】
本発明の別の目的は、適度の軸予備応力で、加工に破壊を生じるようなトルク伝達の危険を特に小さくすることである。
【０００５】
本発明のさらに別の目的は、工具継手が自己芯だしを可能にすることである。
【０００６】
本発明のもう一つの目的は、工具継手の実施例に従って、工具継手が遊びのないことである。
【０００７】
少なくとも本発明の第１の目的は、請求項１に示される特徴を有する工具継手によって実現される。本発明の好ましい実施態様は、従属項に規定される。
【０００８】
以下に、本発明にしたがう工具継手の好ましい実施態様を添付する図面参照して説明する。
【０００９】
発明の好ましい実施態様の詳細な説明
図１〜３に図示する工具は、例えば突っ切り加工及び溝切り加工に用いられることになり、この工具は工具ホルダ１の形状のアダプタを含み、工具ホルダは本発明にしたがう工具継手に含まれる雄型部３を備え、この雄型部を以下にさらに詳細に説明する。工具ホルダ１は、また切屑除去機械加工用の切削インサートを収容するインサート座２（図示せず）を構成する。
【００１０】
図１に最も明確に示される雄型部３は、互いに離間配置する複数の第１の歯５を含み、歯は第１の中心軸線７に中心を有する仮想円に対して接線を形成し、且つ上記第１の中心軸線７から離れる方向に向けられる。第１の歯５は、複数の第１の凹所９によって離間配置され、また第１の凹所は互いに離間配置し、且つ第１の中心軸線７に中心を有する仮想円に対して接線を形成し且つ上記第１の中心軸線７から離れた方向に向けられる。好ましくは雄型部３が、僅かに円錐形状であり、もしそうであるなら、図４に示す円錐角βは、１度〜３０度好ましくは２度〜１４度である。雄型部３の中心では、第１の内側にネジ切りされた環状穴６は、第１の中心軸線７にそれらの中心を有する凹所が刻まれる。
【００１１】
図２に工具ボディが示され、工具ボディの一方の端部は、機械工具に対して締結されることになる。これらの反対側の端部では、工具ボディ１０は、本発明にしたがう工具継手に含まれる雌型部１１を備え、この雌型部は雄型部３に固定するために形成され、即ち、雄型部３は雌型部１１に収容されることになる。結果として、雄型部３に対するように、雌型部１１は複数の第２の歯１２を含み、第２の歯は、互いに離間配置され且つ第２の中心軸線１３に中心を有する仮想円に対して接線を形成し、且つ上記第２の中心軸線１３の方向に向けられる。第２の歯１２は、複数の第１の凹所１４によって離間配置され、また第２の凹所は互いに離間配置し、第２の中心軸線１３に中心を有する仮想円に対して接線を形成し、且つ第２の中心軸線１３の方向に向けられる。好ましくは雌型部１１が、僅かに円錐形状であり、雄型部３の円錐状態と等しい円錐状態を有する。雌型部１１の中心では、第２の内側にネジ切りされた環状穴１５は、第２の中心軸線１３にそれらの中心を有する凹所が刻まれる。
【００１２】
図１〜３にしたがう実施態様において、歯５、１２は凸部のない端部を有し且つ凹所９、１４は凹状の底を有する。しかしながら、歯５、１２及び凹所９、１４の形状は、本発明の特許請求の範囲では非常に広くすることができ、これを図１０〜１４に図示する。
【００１３】
上記のように、本発明にしたがう工具継手は、雄型部３と雌型部１１を備え、それらは互いに収容しあうために形成され、且つ工具ホルダ１と工具ボディ１０との間のトルク伝達に対するように力に関して連結するため、本発明にしたがう工具継手の組立状態においては、第１と第２の中心軸線７、１３は互いに一致する。図３に工具ホルダ１と工具ボディ１０との分解図が示され、それらは互いに継手とする位置にあり、すなわち、雄型部３は雌型部１１に収容される。必要な軸力をもたらすため、ネジ１７が配置され、このネジ１７はそれらの二つの端部にオネジ１８、１９を備える。このオネジ１８、１９はそれぞれ内側にネジ切りした穴６と１５と連結し、雄型部３はネジ１７の回転によって雌型部１１に収容される。通常は、これに関連して、工具ボディ１０に対する工具ホルダ１の非常に安全な固定が行なわれる。
【００１４】
図４に、この断面は雄型部３と雌型部１１の間の相互当接のための接続領域を貫通する図９のＡ−Ａ断面が示され、そこで直接当接が円錐面の間でなされ、本発明にしたがう工具継手の面の間に遊びが限定され、工具継手は回転の中心から最も離れて位置する。雄型部３の端面部と雌型部１１の底との間には大きな遊びがある。これは、互いに向き合う雄型部３と雌型部１１との付加的な軸方向変位に付いては、回転の中心から最も外側に位置する面が互いに当接することになり、一方、雄型部３と雌型部１１の反対側の面は互いに接触しないことを意味する。当接が回転の中心から最も外側に位置する面で行なわれるという事実が、工具継手の安定性の増加をもたらし、この安定性は、特に曲げ荷重に付随し、雄型部３と雌型部１１との反対側の面が互いに当接する場合に比較して達成される。
【００１５】
図５と６に旋削工具２１’を示し、この工具継手は３角形状の切削インサート２２’を有し、この切削インサートは旋削工具２１’に含まれるホルダ２３’のインサート座に収容される。切削インサート２２’は、切削インサート２２’の中央の穴２５’を貫通して伸びる固定ネジ２４’によって、通常の方法でインサート座に固定される。穴２５’の中心は中心軸線７’上に位置し、この中心軸線はネジ４’の中心軸線でもある。図６に、図７にはさらに明確に示されるように、切削インサート２２’は、本発明にしたがう工具継手内に含まれる雄型部３’を備える。この雄型部３’は、図１〜４にしたがう実施態様の雄型部３のような原則的に同一形状を有し、すなわち、この雄型部３’は、互いに離間配置された複数の第１の歯５’を含んでなり、そして第１の歯は、中心軸線７’に中心を有する仮想円に対して接線を形成し、且つこの中心軸線７’から離れた方向に伸びる。第１の歯’は、複数の第１の凹所）’によって離間配置され、また第１の凹所は互いに離間配置され、そして第１の凹所は、回転軸線７’に中心を有する仮想円に対して接線を形成し、且つこの回転軸線７’の方向に伸びる。結果として、この雄型部３に対するように、雄型部３’はわずか円錐形状である。
【００１６】
図６に概略的に示されるように、工具ホルダ２３’のインサート座は雌型部１１’が備えられ、雌型部はメス型１１のような原則的に同一形状である。すなわち、切削インサート２２’はそれらのインサート座に配置される場合は、この切削インサートの雄型部３’は、工具ホルダ２３’のインサート座内の雌型部１１’に収容される。固定するネジ２４’を締結することによって、雄型部３’と雌型部１１’は互いに当接することになり、この方法における当接が、好ましく図４に図示される。切削インサート２２’が割り出しされる場合、固定するネジ２４’が緩められて切削インサート２２’が適所に回転され、そこで雄型部３’と雌型部１１’が再び互いに備え付けられる。その後、固定するネジが再び締め付けされる。
【００１７】
図８には円形切削インサート２２”が示され、切削インサートはそれらの底側に本発明にしたがう工具継手に含まれる雌型部１１”を備え、この雌型部は原則的に雌型部１１のような同一の形状を有し、即ち、雌型部１１”は複数の第２の歯１２”を備え、第２の歯は互いに離間配置し、そして第２の中心軸線１３”に中心を有する仮想円に対して接線を形成し、且つ第２の中心軸線１３”に対して向けられる。第２の中心軸線１３”は複数の第２の凹所１４”によって離間配置されそして第２の凹所は第２の中心軸線１３”に中心を有する仮想円に対して接線を形成し、且つ第２の中心軸線１３”の方向に伸びる。好ましくはまた雌型部１１”は、わずかに円錐形状であり、雌型部１１の円錐状態と等しい円錐状態を有する。雌型部１１”の中心において、第２の内側にネジ切りされた環状穴１５”は第２の中心軸線１３”上にそれらの中心を有する凹所を形成する。
【００１８】
切削インサート２２”は、ホルダ（図示せず）のインサート座に固定されることを意図し、このインサート座において、雄型部が雌型部に備え付けられる形を有して配置される。環状切削インサート２２”は、３角形の切削インサート２２”のような相当する方法において、すなわち固定するネジ（図示せず）によってインサート座に固定される。
【００１９】
図９〜１４に、それぞれとが連結する歯と凹所との実施態様が示され、これらは本発明にしたがう工具継手に含まれる。すなわち、図示された歯が雄型部に一般的に含まれ、一方図示された凹所が一般的に雌型部に含まれる。
【００２０】
図９に雄型部３の歯５と雌型部１１の歯１２の詳細を示す。上記実施態様においては、雌型部１１は、雌型部１１の歯１２が雄型部３２の歯５と接触することによって、回転を雄型部３に加える。そうすることによって、一つまたは複数の接触領域Ｐが、これらの連接する歯５及び１２との間に生じる。駆動角αについては、この接触においては、歯５、１２の間の接触領域Ｐにおける力Ｆの面に対して垂直である線分Ｌと、並びに雄型部３の歯５に対する対称線分ＣＬ角度と、の間に形成される角度αであると理解すべきである。
【００２１】
図１０〜１４に、本発明にしたがう雄型部３と雌型部１１との歯と連接する凹所とについての種々の実施態様に対して、この駆動角αを簡単に示す。図１０〜１４に示されるように、歯と、連接する凹所とは、互いに類似する形状を備える必要はない。この接触においては、本質は、接触領域Ｐが歯５と１２との間に形成されることであり、そこにおいて原則的に、この接触領域Ｐの近くの歯と付随する凹所との間で相互に当接することではない。本発明にしたがい、駆動角αは、これが図９に規定されるように、−５度〜＋４５度、好ましくは−２度〜＋２５度の範囲にする必要がある。
【００２２】
雄型部３、３'及び雌型部１１、１１'の歯の個数は、３〜１２、好ましくは６〜８の間で変化させることができる。
【００２３】
発明の好ましい改良
上記実施態様において、雄型部と雌型部は、それらの外周面全体の沿って同一の歯が形成される。しかしながら、本発明の範囲では、本発明にしたがう雄型部と雌型部との歯は、それぞれ雄型部と雌型部との外周面に沿った種々の形状を備えることができる。それによって、雄型部と雌型部との相互の割り出しの案内をすることができ、すなわち、それらだけが限られた数の位置に互いに合わさる。
【００２４】
上記実施態様において、全ての歯は、中心軸線７、１３；７'、１３”から等しい大きさの引っ張りを受ける。しかしながら、本発明の範囲では、幾つかの歯は別の歯から逸脱する中心軸線７、１３；７'、１３”から引っ張りを受けることもできる。たとえば、工具継手が特別な位置に割り出されることを必要とするならば、これをベースにすることができる。
【００２５】
上記実施態様において、代わりに雄型部３、３'は、切削部材を支持する工具の一部に配置されるか、または切屑除去機械加工用の切削部材を構成する工具の一部に配置されるか、または一般的な工具本体／ホルダ上に構成する工具の一部に配置される。これらは、雌型部１１、１１'に対しても有効である。雄型部３、３'及び雌型部１１、１１'の配置変化は一般的である。
【００２６】
上記実施態様において、雄型部３、３'及び雌型部１１、１１'は僅かに円錐形であるが、一方本発明の範囲内では、雄型部及び雌型部は一般的に環状にすることは充分に可能である。しかしながら、これに関連して、環状の異形では、遊びのない継手を得ることは難しく、しかしながら、雄型部及び雌型部が僅かに円錐形であるならば達成されることを指摘する必要がある。
【００２７】
上述のように、本発明にしたがう工具継手は、それぞれ突っ切り及び旋削工具に関して記載した。しかしながら、このことは、本発明の工具継手が適用できる工具の例の単に一部をなすものである。
【００２８】
本明細書の記載導入部において、本発明にしたがう工具継手は好ましくは旋削甲を意図していることを述べた。図５〜７にしたがう実施態様に図示された切削インサートは、旋削加工のホルダに対して確実である。しかしながら、本発明にしたがう工具継手に含まれる雄型部および雌型部の双方を備える切屑除去用の切削インサートは、例えば、フライスカッタ及びドリル用の回転工具と共に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は突っ切り工具用の工具ホルダの斜視図を示し、工具ホルダは本発明にしたがう工具継手に備わる雄型部を有する。
【図２】 図２は、工具ボディの斜視図を示し、工具ボディは本発明にしたがう工具継手に備わる雌型部を有する。
【図３】 図３は、工具に備わる部品の斜視的な分解図であり、工具は本発明にしたがう工具継手を有する。
【図４】 図４は、工具継手に備わり、組み立てられえた状態の雄型部と雌型部の間の接触領域を貫通する図９のＡ−Ａに沿う断面を示す。
【図５】 図５は旋削工具の平面図を示し、旋削工具は本発明の工具継手を備える。
【図６】 図６は図５のＢ−Ｂに沿う断面を示す。
【図７】 図７は切削インサートを後方から斜めの斜視図を示し、切削インサートは本発明にしたがう工具継手に備えられる雄型部が備わる。
【図８】 図８は環状切削インサートを後方から斜めの斜視図を示し、切削インサートは本発明にしたがう工具継手に備えられる雌型部が備わる。
【図９】 図９は、歯と凹所とが本発明の工具継手と如何に連結するかを詳細に示す。
【図１０〜１４】 図１０〜１４は、連結する歯と凹所との追加の実施態様を示し、この歯と凹所と本発明にしたがう継手に含まれる。
【符号の説明】
１…工具ホルダ
２…インサート座
３…雄型部
５…第１の歯
５’…第１の歯
６…第１の環状穴
７…第１の中心軸線
７’…第２の中心軸線
９…第１の凹所
１０…工具ボディ
１１…雌型部
１１”…雌型部
１２…第２の歯
１２”…第２の歯
１３…第２の中心軸線
１４…第２の凹所
１４”…第２の凹所
１５…第２の環状穴
１５”…第２の環状穴
１７…ネジ
１８、１９…オネジ
２１’…旋削工具
２２’…３角形切削工具
２２”…環状切削工具
２３’…ホルダ
２４’…固定ネジ
２５…中央穴

Claims (4)

1. 工具継手が、アダプタと呼ぶ締結部（１０、２３'）と、切屑除去機械加工用の切削インサート（２２'、２２”）を支持または構成をする工具ボディ（１）と、を互いに連結し、 前記工具継手が、第１の中心軸線（７、７'）を有する雄型部（３、３'）と、第２の中心軸線１３、１３”）を有する第２の雌型部（１１、１１”）と、含み、且つ 前記雄型部（３、３'）と前記雌型部（１１、１１”）とは、互いに収容しあうことを意図し、さらに素子（１７、２４'）が、前記雄型部（３、３'）と前記雌型部（１１、１１”）とを前記工具継手の軸線方向に互いに保持する、旋削工具の工具継手であって、
   前記雄型部（３、３'）が、前記第１の中心軸線（７、７'）の方向から伸びる複数の第１の歯（５、５'）を含み、前記歯が、前記第１の中心軸線（７、７'）の方向に延びる複数の第１の凹所（９，９’）によって互いに離間配置され、且つ前記凹所が、前記歯（５、５'）の間に配置されて相互連結され、 前記雌型部（１１、１１”）が、第２の中心軸線（１３、１３”）の方向に突き出る第２の複数の第２の歯（１２、１２”）を含み、前記歯が、前記第２の中心軸線（１３、１３”）の方向から伸びる複数の第２の凹所（１４，１４’）によって互いに離間配置され、且つ前記凹所が、前記第２の歯（１２，１２”）の間に配置され、且つ 前記雄型部（３、３'）と前記雌型部（１１、１１”）とのそれぞれ前記歯（５、１２、５’、１２’）の間の接触領域（Ｐ）における駆動角（α）は、−５度〜＋４５度の範囲にあり、且つ前記雄型部（３、３'）と雌型部（１１、１１”）とが僅かに円錐形である、ことを特徴とする旋削工具の工具継手。
2. 前記歯（５、１２、５'、１２”）が、いずれの前記中心軸線（７、１３、７'、１３”）に中心を有する第１の仮想円に対して接線を形成し、且つ前記凹所（９、１４、９'、１４”）が、いずれの前記中心軸線（７、１３、７'、１３”）に中心を有する第２の仮想円に対して接線を形成することを特徴とする請求項１記載の工具継手。
3. 前記歯（５、１２、５'、１２”）及び凹所（７、１３、７'、１３”）が、前記中心軸線（７、１３、７'、１３”）の周りに一定のピッチで配置されることを特徴とする請求項１または２に記載の工具継手。
4. 前記歯（５、１２、５'、１２”）が自由端部を有し、且つ凹所（７、１３、７'、１３”）が、凹状の底を有することを特徴とする請求項１〜３のいずれか１に記載の工具継手。

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