JPH11245105A - 丸駒型スローアウェイチップ及びそれを用いた切削工具 - Google Patents

丸駒型スローアウェイチップ及びそれを用いた切削工具

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JPH11245105A
JPH11245105A JP10048355A JP4835598A JPH11245105A JP H11245105 A JPH11245105 A JP H11245105A JP 10048355 A JP10048355 A JP 10048355A JP 4835598 A JP4835598 A JP 4835598A JP H11245105 A JPH11245105 A JP H11245105A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】丸駒型チップの回旋量の割り出しを正確に行う
ことができ、また、丸駒型チップの位置決めを感覚的に
瞬時に確認でき、丸駒型チップをしっかりと正確に拘束
し、刃先を所定通り位置決めすることにより精密な加工
ができ、さらに、あらゆる方向からの荷重に対して、回
動防止能力、ビビリ振動防止能力に優れた、丸駒型チッ
プおよびそれを用いた切削工具を提供する。 【解決手段】丸駒型チップ１の底面５側に、軸中心に滑
らかな湾曲凹凸を有する係合ギア７を形成する。およ
び、このような丸駒チップ１を用いる切削工具８におい
て、工具本体先端に概ね丸形状の底面を備えたチップ取
付座１０を形成し、該取付座１０に上記丸駒型チップ１
の係合ギア７に対応する辺縁形状を有する段上がり部１
１を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具本体に形成さ
れたチップ取付座に着脱自在に固定される丸駒型のスロ
ーアウェイチップ（以下、チップと略称する）、および
丸駒型チップを用いた切削工具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】上記丸駒型チップは、多角形平板状のチ
ップに比べて切刃強度が大きく、また、滑らかに平面や
曲面を形成することができるため、難削材の切削加工や
倣い加工等に有用であり、工具本体の先端部に設けられ
たチップ取付座に固定用ボルトやチップクランプ駒など
により着脱自在に固定されるものであり、エンドミルや
カッタのような転削工具に用いられる他、バイト先端に
固定されて、スローアウェイ式の旋削工具に用いられる
場合もある。
【０００３】ところで、上記丸駒型チップを用いた切削
工具では、円周状の切刃の一部分のみが同時に切削に用
いられ、その使用切刃部分が摩耗や欠損などで使用不能
となった時に、一旦、固定用ボルトやチップクランプ駒
などを緩めて切刃の未使用部分が使用位置にくるように
適当な角度分だけ丸駒型チップを回旋させ、再度、固定
を行う。このようにして切刃を周方向に順次使用し、全
周を使い切ってからチップの交換を行うように使用され
ていた。
【０００４】しかしながら、チップの回旋量の割り出し
は、作業者が任意に行うもので、熟練度や経験に頼った
ものであったため、経験の乏しい作業者では、使用した
切刃部分を再度、使用させてしまったり、未使用部分を
残してチップを交換してしまったりなどの不具合があ
り、さらに、切削加工時に回旋方向の荷重が加わって、
丸駒型チップが回旋したり、動いてしまって、精密な加
工ができないなどの問題もあった。
【０００５】そこで近年、このような問題点を解決する
べく図３に示すような、側面２１の円周方向の等間隔お
きに平坦面２２を形成した丸駒型チップ２０が用いられ
ている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の丸駒型チッ
プ２０は、図４に示すように前記平坦面２２と工具本体
３０側の平坦拘束面３１で位置決めと回り止めをするも
のであったが、チップ取付時の位置調整が難しいという
問題点があった。
【０００７】すなわち、図４に示す矢印Ｃ方向に取付け
位置がずれると、中心軸２３から平坦面２２までの距離
Ａと、下面の円周状部分の周縁までの距離ＲがＲ＞Ａで
あるため、図５に示すように丸駒型チップ２０が浮いた
状態で上記平坦面２２以外の側面２１が工具本体３０の
湾曲拘束面３２と当接することとなる。間違って、この
ように装着されてしまった場合にも、作業者がそれを直
ぐ感じ取り難く、加えて、切刃が所定よりも芯高とな
り、加工精度に狂いが生じたり、丸駒型チップ２０の下
側が浮いてしまうので欠損しやすく、さらには、丸駒型
チップ２０が回旋しやすくビビリ等が発生する恐れがあ
るなどの問題点があった。
【０００８】また、このような取付け間違いがなくて
も、上記丸駒型チップ２０を用いる場合、その平坦面２
２とホルダーの平坦拘束面３１が高い精度で形成される
必要がある。すなわち、これら平坦面２２の位置や角度
が少しでもずれていると、位置ずれやビビリ振動の原因
となるので、両者を極めて高い精度で加工しておかなけ
ればならない。
【０００９】本発明は、これら従来技術の問題点を解決
するべく成されたものであり、丸駒型チップの回旋量の
割り出しを正確に行うことができ、また、丸駒型チップ
の位置決めを感覚的に瞬時に確認でき、丸駒型チップを
しっかりと正確に拘束し、刃先を所定通り位置決めする
ことにより精密な加工ができ、さらに、あらゆる方向か
らの荷重に対して、回動防止能力、ビビリ振動防止能力
に優れた、丸駒型チップおよびそれを用いた切削工具を
提供することを課題とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべ
く、本発明は、工具本体先端に形成されたチップ取付座
に着脱自在に固定される丸駒型のスローアウェイチップ
であって、上記取付座に着座する底面側に、軸中心の滑
らかな湾曲状凹凸を有する係合ギアを形成したこと、お
よび、工具本体先端に概ね丸形状の底面を備えたチップ
取付座を形成し、該取付座に、前記係合ギアに対応の辺
縁形状を有する段上がり部を設けたことを特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図によ
り説明する。
【００１２】図１に本実施形態の丸駒型チップ１を示
し、同図（ａ）（ｂ）はそれぞれ異なる方向からの斜視
図で（ａ）は斜め上側からの図、（ｂ）は斜め下側から
の図であり、また、（ｃ）は上面図、（ｄ）は側面図で
ある。
【００１３】同図に示すように、丸駒型チップ１は上面
２の周縁に切刃２ａが形成され、切刃２に続いて、ブレ
ーカー溝３を備え、中央にはボルト固定用の貫通孔４が
形成されている。また、底面５の周縁部と逃げ面１２の
下端部を適宜切り欠くことによって、軸中心（中心軸
６）の滑らかな湾曲状凹凸を有する係合ギア７を形成し
ている。なお、該係合ギア７の側面はテーパー角度α°
＝５°〜４５°で傾斜している。
【００１４】図２は、上記丸駒型チップ１を用いた本発
明実施形態のエンドミル８を示す分解斜視図であり、同
図に示すように、エンドミル８は略円柱状の工具本体９
の先端にチップ取付座１０を備え、該チップ取付座１０
に上記丸駒型チップ１の底面５を着座し、不図示の固定
用ボルトでもって丸駒型チップ１を着脱自在に固定する
構造となっている。また、上記工具本体９には、丸駒型
チップ１の逃げ面１２を拘束するため、上記チップ取付
座１０に対して段上がり部１１を介して起立しするチッ
プ拘束壁１３が設けられ、さらにその後方には、切屑排
出のためのポケット１４が設けられている。
【００１５】上記段上がり部１１は、上記丸駒型チップ
１の係合ギア７に嵌合すべく対応する辺縁形状と高さを
有している。すなわち、チップ着座時に、係合ギア７と
段上がり部が嵌合するよう構成されている。これによ
り、切刃２ａの使用部分が欠損したり、切れ味が鈍くな
り、他の部分を使用しようとする際に、丸駒型チップ１
の回旋量の割り出しを正確に行うことができる。また、
上記円周方向等間隔毎に中心軸６に対して湾曲状に凹凸
を繰り返す回転防止用の係合ギア７とこれに対応する段
上がり部１１の嵌合であるので、両者の形状が精密に一
致していなくても、すなわち、完全な面接触でなくと
も、複数の線、または面で両者が接合することにより、
丸駒型チップ１をしっかりと正確に拘束することが可能
であり、刃先を所定通り位置決めすることができるので
精密な加工ができる。さらに、上記係合ギア７の凹凸の
繰り返しを多数とすることにより、丸駒型チップ１を小
角度毎に回旋させることができるので、切刃２ａを無駄
なく使用することも可能である。
【００１６】また、上記係合ギア７による嵌合によれ
ば、嵌合の成否が作業者の指先の間隔で判断しやすいと
いう利点も有している。例えば、係合ギア７が上記段上
がり部１１と嵌合していない場合には、切刃の位置が大
きく外方になるか、あるいは、丸駒型チップ１が段上が
り面１１に乗り上げて隙間が大きく空くので、肉眼でも
嵌合していないことが一目で確認できる。
【００１７】さらに、係合ギア７の側面が丸駒型チップ
１の中心軸６に対して湾曲状に凹凸を繰り返す形状であ
ることから、あらゆる方向からの荷重に対して、回動を
防止するような多方向の拘束力を有しているので、回動
防止能力、ビビリ振動防止能力に優れている。なお、上
記係合ギア７の平面形状、奥行きＡ、および、高さＢに
ついては、丸駒型チップ１を拘束する力、係合ギア７の
強度、底面５の着座面積等のファクターを勘案して任意
とすることができる。なお、係合ギア７の側面に前記テ
ーパー角度α°（図１参照）５°〜４５°を付与するの
は、係合ギア７を形成する加工が容易となることと、着
座面接触面積を小さくして工具本体９と被削材とのクリ
アランスを大きく取ることができるためである。但し、
上記テーパー角度α°が５°未満の場合、このクリアラ
ンスを大きくする効果があまり発現せず、他方、４５°
を超えると、丸駒型チップ１の拘束力が小さくなり、安
定的に支持できなくなる恐れがあるためである。
【００１８】ところで、本実施形態の上記丸駒型チップ
１では、ブレーカ溝３内の円周方向等間隔毎に多数の窪
部３ａを設けることにより、切屑処理能力が良好となっ
た。
【００１９】この窪部３ａの形状は任意であるが、等間
隔毎に同形状のものを多数個設けることが重要である。
【００２０】以上、本発明の実施形態を詳述したが、本
発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の
目的を逸脱しない限り任意の形態とすることができるこ
とは言うまでもない。
【００２１】
【発明の効果】叙上のように本発明によれば、丸駒型チ
ップの回旋量の割り出しを正確に行うことができ、ま
た、丸駒型チップの位置決めを感覚的に瞬時に確認で
き、丸駒型チップをしっかりと正確に拘束し、刃先を所
定通り位置決めすることにより精密な加工ができ、さら
に、あらゆる方向からの荷重に対して、回動防止能力、
ビビリ振動防止能力に優れた、丸駒型チップおよびそれ
を用いた切削工具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明実施形態の丸駒型チップを示し、同図
（ａ）（ｂ）はそれぞれ異なる方向からの斜視図で
（ａ）は斜め上側からの図、（ｂ）は斜め下側からの図
であり、また、（ｃ）は上面図、（ｄ）は側面図であ
る。
【図２】図１の丸駒型チップを用いた本発明実施形態の
エンドミルの分解斜視図である。
【図３】従来の丸駒型チップの下面側からの斜視図であ
る。
【図４】図３の丸駒型チップを工具本体に取り付ける状
態を示す図で、（ａ）は上面図、（ｂ）は側面図であ
る。
【図５】図３の丸駒型チップを位置間違えして取り付け
た状態を示す側面図である。
【符号の説明】
１ 丸駒型チップ ２ 上面 ２ａ 切刃 ３ ブレーカ溝 ４ 貫通孔 ５ 底面 ６ 中心軸 ７ 係合ギア ８ エンドミル ９ 工具本体 １０ チップ取付座 １１ 段上がり部 １２ 逃げ面 １３ チップ拘束壁 １４ ポケット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】工具本体先端に形成されたチップ取付座に
    着脱自在に固定される丸駒型のスローアウェイチップで
    あって、上記取付座に着座する底面側に、軸中心の滑ら
    かな湾曲状凹凸を有する係合ギアを形成してなる丸駒型
    スローアウェイチップ。
  2. 【請求項２】前記係合ギアの側面を５°〜４５°のテー
    パー状にしてなる請求項１記載の丸駒型スローアウェイ
    チップ。
  3. 【請求項３】工具本体先端に概ね丸形状の底面を備えた
    チップ取付座を形成し、該取付座に、前記係合ギアに対
    応の辺縁形状を有する段上がり部を設けてなる前記請求
    項１乃至２のスローアウェイチップを用いた切削工具。
JP04835598A 1998-02-27 1998-02-27 丸駒型スローアウェイチップを用いた切削工具 Expired - Lifetime JP3777043B2 (ja)

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