JP4816049B2 - センサーパッケージおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、信頼性が高いセンサーパッケージと、このようなセンサーパッケージを簡便に製造するための製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、前記センサー本体は、前記接合部材よりも内側の領域に凹部を有し、該凹部に前記アクティブ面を備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記保護材は、前記接合部材よりも内側の領域に凹部を有し、該凹部が前記アクティブ面と対向するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記金属層は、Au/Ti積層、Au/Cr積層、Cu/Ti積層、Cu/Cr積層、Au/Ni/Cu/Ti積層、Au/Ni/Cu/Cr積層のいずれかであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記空隙部を気密封止する工程では、気密封止前に真空チャンバー内において減圧することにより前記空隙部を減圧状態とするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記微細貫通孔の壁面に金属層を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記センサー本体と前記保護材とを接合する工程を真空チャンバー内で行うような構成とした。
また、本発明のセンサーパッケージの製造方法では、接合部材によるセンサー本体と保護材との接合の際、空隙部内の気体が膨脹しても、保護材が備える微細貫通孔を介して気体が外部に自由に逃げることができるので、気体膨脹による接合部材の破損が防止され、センサー本体と保護材との接合完了後に微細貫通孔が閉塞されることにより、確実な気密封止が可能である。
[センサーパッケージ]
図1は、本発明のセンサーパッケージの一実施形態を示す平面図であり、図2は図1に示されるセンサーパッケージのA−A線での概略断面図である。図1及び図2において、本発明のセンサーパッケージ1は、センサー本体2と、このセンサー本体2のアクティブ面3に空隙部10を介して対向する保護材6と、アクティブ面3の外側領域に環状に配設され空隙部10を気密封止するようにセンサー本体2と保護材6とを接合する接合部材11とを備えている。
アクティブ面3が位置する凹部4の深さは、任意に設定することができ、例えば、5〜200μmの範囲で設定することができる。また、上記の端子5は、図示しない引き出し配線等によりアクティブ面の所望の部位と接続されている。
また、上記の微細貫通孔7は、図示例では1個であるが、複数個(例えば、2〜4個)であってもよい。また、微細貫通孔7の形状は特に制限はなく、その開口径は、例えば、5〜200μm程度とすることができる。
図3に示されるように、センサー本体2と保護材6とを接合する接合部材11は、ろう材層12を挟持するように金属層13,14を積層したような多層構造である。
ろう材層12は、融点が450℃以下である、いわゆる「軟ろう」であり、例えば、Sn−Au合金、Sn−Ag合金、Sn−Bi合金、Sn−Zn合金、Sn−Pb合金、Sn−In合金、In−Pb合金等の二元系、あるいは該二元系に他の金属を添加した三元系以上の合金のいずれかからなる層であってよい。このようなろう材層12の厚みは、空隙部10の設定厚み等を考慮して適宜設定することができ、例えば、5〜200μm程度で設定することができる。
一方、閉塞部材16は、図3に示されるように、微細貫通孔7の壁面に形成された金属層17と、微細貫通孔7内に充填されたろう材層18からなっている。
また、ろう材層18は、融点が450℃以下である、いわゆる「軟ろう」であり、例えば、Sn−Au合金、Sn−Ag合金、Sn−Bi合金、Sn−Zn合金、Sn−Pb合金、Sn−In合金、In−Pb合金等の二元系、あるいは該二元系に他の金属を添加した三元系以上の合金のいずれかからなるものであってよい。
センサーパッケージ21を構成するセンサー本体22は、上述のセンサー本体2と同様であり、凹部24にアクティブ面23を有していおり、また、接合部材31よりも外側の領域には複数の端子25を備えている。
保護材26と、センサー本体22のアクティブ面23との間に存在する空隙部30の厚みは、例えば、5〜200μmの範囲で設定することができる。この空隙部30は、アクティブ面23の保護のために、不活性ガスや窒素ガスが充填されていてもよく、また、10-1〜10-5Pa程度のやや低圧状態であってもよい。
ろう材層32の材質は、上述のろう材層12と同様とすることができる。また、センサー本体22と保護材26との間に位置するろう材層32の厚みは、空隙部30の設定厚み等を考慮して適宜設定することができ、例えば、5〜200μm程度で設定することができる。
また、金属層34は、保護材26の周縁角部に形成されており、図示例では、金属層34a、金属層34bとの積層である。このような積層状態の金属層34は、例えば、Au/Ti積層、Au/Cr積層、Cu/Ti積層、Cu/Cr積層、Au/Ni/Cu/Ti積層、Au/Ni/Cu/Cr積層等とすることができる。この金属層34の厚みは、例えば、0.1〜2μm程度とし、金属層34a、金属層34bの各厚みは、例えば、0.1〜2μm程度で設定することができる。
尚、金属層33,34は単層でも、また、上記の4層構造を含む3層以上の積層でもよい。
また、閉塞部材36は、図5に示されるように、微細貫通孔27の壁面に形成された金属層37と、微細貫通孔27に充填されたろう材層38からなっている。このような金属層37、ろう材層38からなる閉塞部材36は、上述の実施形態の閉塞部材16、金属層17、ろう材層18と同様とすることができる。
センサーパッケージ41を構成するセンサー本体42は、凹部を有していない点を除いて、上述のセンサー本体2と同様であり、接合部材51よりも外側の領域には複数の端子45を備えている。
このような保護材46の材質、厚みは、上述の保護材6と同様である。また、上記の微細貫通孔47の開口径は、例えば、5〜200μm程度とすることができる。
また、センサーパッケージ41を構成する接合部材51、微細貫通孔47を閉塞する閉塞部材56は、上述の実施形態の接合部材11、閉塞部材16と同様である。
尚、上述の実施形態であるセンサーパッケージ21においても、センサー本体22として、凹部24を有していないものを使用し、また、保護材26として、アクティブ面23と対向する面にアクティブ面23の形状に対応した凹部を備えたものを使用することができる。
センサーパッケージ61を構成するセンサー本体62は、上述のセンサー本体2と同様であり、接合部材71よりも外側の領域には複数の端子65を備えている。
また、センサーパッケージ61を構成する接合部材71、微細貫通孔67を閉塞する閉塞部材76は、上述の実施形態の接合部材11、閉塞部材16と同様である。
保護材66と、センサー本体62のアクティブ面63との間に存在する空隙部70の厚みは、例えば、10〜400μmの範囲で設定することができる。この空隙部70は、アクティブ面63の保護のために、不活性ガスや窒素ガスが充填されていてもよく、また、例えば、10-1〜10-5Pa程度のやや低圧状態であってもよい。
尚、上述の実施形態であるセンサーパッケージ21においても、保護材26として、アクティブ面23と対向する面にアクティブ面23の形状に対応した凹部を備えたものを使用することができる。
上述のセンサーパッケージは、例示であり、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態における保護材の微細貫通孔は、CCDやCMOS等のイメージセンサーである場合を考慮して、環状の接合部材の内側で、かつ、対向するアクティブ面の外側となる位置としたが、センサー本体がイメージセンサーではなく、加速度センサー、圧力センサー、ジャイロセンサー等の各種MEMSセンサーである場合には、微細貫通孔の位置は環状の接合部材の内側に位置すればよく、アクティブ面との対向部位に位置するものであってもよい。
次に、本発明のセンサーパッケージの製造方法について説明する。
図8及び図9は、本発明のセンサーパッケージの製造方法の一実施形態を、上述の図1〜図3に示すセンサーパッケージ1を例として示す工程図である。
まず、センサー本体2を作製し、また、保護材6に微細貫通孔7を穿設する(図8(A))。センサー本体2の作製は、例えば、シリコンウエハを多面付けで区画し、各面付け毎に、例えば、MEMS(Micro Electromechanical System)手法等を用いて作製する。作製したセンサー本体2は、凹部4にアクティブ面3を有し、また、後工程で環状の接合部材11が配設される部位の外側の領域に複数の端子5を有するものである。
次に、接合部材11で接合したセンサー本体2と保護材6を真空チャンバー100内に載置し、真空チャンバー100内を10-1〜10-6Pa程度まで減圧する(図8(C))。その後、真空チャンバー100内に不活性ガス(例えば、He)、または窒素ガスを常圧まで導入する(図9(A))。これにより、空隙部10の雰囲気を不活性ガスまたは窒素ガスの雰囲気とする。
次に、多面付けのセンサー本体と保護材とをダイシングすることにより、本発明のセンサーパッケージ1が得られる。
また、センサーパッケージ1の空隙部10を、不活性ガスまたは窒素ガスからなる雰囲気とせずに、低圧状態とする場合には、真空チャンバー100内を減圧した状態(上述の図8(C)に示される状態)で、保護材6の微細貫通孔7を閉塞して空隙部10を気密封止する。
尚、本発明の製造方法では、環状の接合部材11を介してセンサー本体2と保護材6とを接合する工程を、真空チャンバー100内で行ってもよい。
尚、上述の本発明のセンサーパッケージの製造方法は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態における保護材の微細貫通孔の穿設位置は、CCDやCMOS等のイメージセンサーである場合を考慮して、環状の接合部材の内側で、かつ、対向するアクティブ面の外側となる位置としたが、センサー本体がイメージセンサーではなく、加速度センサー、圧力センサー、ジャイロセンサー等の各種MEMSセンサーである場合には、微細貫通孔の穿設位置は環状の接合部材の内側に位置すればよく、アクティブ面との対向部位に位置するものであってもよい。
[実施例]
まず、厚み625μmのシリコンウエハを準備し、一辺5mmである正方形で多面付けに区画した。このシリコンウエハの両面に、プラズマCVD法により酸化珪素膜(厚み3μm)を成膜した。
次いで、このシリコンウエハの各面付け毎に、従来の手法によりセンサー本体(アクティブ面寸法:3500μm×3500μm、凹部寸法:4000μm×4000μm、深さ100μm)を作製した。各センサー本体は、アクティブ面の周囲に20個(1辺5個)の端子を備えるものであった。
一方、厚み500μmのガラス基板を保護材として準備し、一辺5mmである正方形で多面付けに区画した。
次いで、上記の保護材に形成した各金属層上に、Sn−Au合金(融点350℃)を溶融押出して、幅150μm、高さ100μmのろう材層を形成した。
次いで、接合が完了した多面付けのセンサー本体と保護材を真空チャンバー内に載置し、真空チャンバー内を10-3Paまで減圧した。次に、Heガスを真空チャンバーに供給して内部を常圧(1気圧)とした。
次に、真空チャンバー内を25℃に設定し、溶融したSn−Au合金を微細貫通孔に滴下して充填し、固化させることにより、微細貫通孔を閉塞した。その後、真空チャンバーから多面付け基板を取り出し、ダイシングして、図2に示されるようなセンサーパッケージを得た。
(Heリーク率の測定条件)
センサーパッケージを収納した容器を10-4Paに減圧し、120分間放置し
た間にセンサーパッケージから漏れたHe量をHe検出器(アルカラル(株)
製 ASM−180TD)で検出した。
実施例と同様にして、多面付けのセンサー本体を作製し、金属層を形成した。
また、保護材に微細貫通孔を形成しない他は、実施例と同様にして、多面付けの保護材を作製し、金属層を形成した。
次に、上記の多面付けのセンサー本体と保護材との接合を、He雰囲気中で行った他は、実施例と同様にして行い、その後、多面付け基板をダイシングして、センサーパッケージを得た。
このように作製したセンサーパッケージについて、実施例と同様にHeリーク率を測定した結果、10-6atm・cc/秒であり、実用レベルの気密性(10-9atm・cc/秒以下)が得られていないことが確認された。
2,22,42,62…センサー本体
3,23,43,63…アクティブ面
6,26,46,66…保護材
7,27,47,67…微細貫通孔
10,30,50,70…空隙部
11,31,51,71…接合部材
16,36,56,76…閉塞部材
Claims (11)
- センサー本体と、該センサー本体のアクティブ面に空隙部を介して対向する保護材と、前記センサー本体の前記アクティブ面の外側領域に環状に配設され前記空隙部を気密封止するように前記センサー本体と前記保護材とを接合する接合部材と、前記保護材の前記空隙部に位置する部位に穿設された微細貫通孔と、該微細貫通孔内に配設された閉塞部材と、を備え、前記センサー本体と前記保護材の対向する面の面積は、保護材の面積が小さく、前記保護材は、前記センサー本体と対向する面の周縁角部において前記接合部材により前記センサー本体に接合されており、前記接合部材は、ろう材層の上下に金属層を積層した多層構造であり、前記保護材の前記センサー本体と対向する面に位置する金属層の面積は、ろう材層を介してこれと対向する部位にある金属層の面積よりも小さいことを特徴とするセンサーパッケージ。
- 前記センサー本体は、前記接合部材よりも外側の領域に複数の端子を有することを特徴とする請求項1に記載のセンサーパッケージ。
- 前記センサー本体は、前記接合部材よりも内側の領域に凹部を有し、該凹部に前記アクティブ面を備えることを特徴する請求項1または請求項2に記載のセンサーパッケージ。
- 前記保護材は、前記接合部材よりも内側の領域に凹部を有し、該凹部が前記アクティブ面と対向することを特徴する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセンサーパッケージ。
- 前記ろう材層は、Sn−Au合金、Sn−Ag合金、Sn−Bi合金、Sn−Zn合金、Sn−Pb合金、Sn−In合金、In−Pb合金等の二元系、あるいは該二元系に他の金属を添加した三元系以上の合金のいずれかであることを特徴する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のセンサーパッケージ。
- 前記金属層は、Au/Ti積層、Au/Cr積層、Cu/Ti積層、Cu/Cr積層、Au/Ni/Cu/Ti積層、Au/Ni/Cu/Cr積層のいずれかであることを特徴する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のセンサーパッケージ。
- 対向するセンサー本体よりも小さい対向面形状を有する保護材に微細貫通孔を穿設する工程と、
センサー本体のアクティブ面と前記保護材の前記微細貫通孔とが環状の接合部位の内側となるように、前記保護材の前記センサー本体と対向する面の周縁角部において環状の接合部材を介して前記センサー本体と前記保護材とを接合する工程と、
前記保護材の微細貫通孔を閉塞して、前記センサー本体、前記保護材および前記接合部材で囲まれた空隙部を気密封止する工程と、を有し、 前記センサー本体と前記保護材の周縁角部の接合部位に、接合前に予め金属層を形成し、前記保護材の前記センサー本体と対向する面に形成する金属層の面積は、前記センサー本体に形成する金属層の面積よりも小さいものとし、 前記センサー本体の金属層と前記保護材の周縁角部の金属層とをろう材層を介して接合することにより、ろう材層の上下に金属層を積層した多層構造の前記接合部材で前記センサー本体と前記保護材とを接合することを特徴とするセンサーパッケージの製造方法。 - 前記空隙部を気密封止する工程では、気密封止前に前記空隙部の雰囲気を不活性ガスまたは窒素ガスの雰囲気とすることを特徴とする請求項7に記載のセンサーパッケージの製造方法。
- 前記空隙部を気密封止する工程では、気密封止前に真空チャンバー内において減圧することにより前記空隙部を減圧状態とすることを特徴とする請求項7に記載のセンサーパッケージの製造方法。
- 前記微細貫通孔の壁面に金属層を形成することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のセンサーパッケージの製造方法。
- 前記センサー本体と前記保護材とを接合する工程を真空チャンバー内で行うことを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のセンサーパッケージの製造方法。
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