JP4113062B2 - 振動部品用パッケージとその製造方法及び電子デバイス - Google Patents

振動部品用パッケージとその製造方法及び電子デバイス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は振動部品である圧電振動子やジャイロセンサーなどを一定の気圧状態で密封するための表面実装型の振動部品用パッケージとその製造方法、及び振動部品である圧電振動子やジャイロセンサーなどを一定の気圧状態で密封した電子デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話、携帯情報端末等の電子機器において、小型薄型化の要求が非常に高まっている。そうした状況の中でそれらに用いられる圧電振動子やジャイロセンサー等の振動部品をパッケージングした電子デバイスも小型薄型化が要求されている。特に中でも回路基板上に直接実装可能な表面実装タイプの電子デバイスが求められている。
【0003】
このような要求に応えるため、以下に示すような電子デバイス構造が従来より提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図8は従来の電子デバイスの構造と密封方法を示した図である。
【0004】
以下に従来の表面実装タイプの電子デバイスの構成を説明する。図8(a)に示すように、従来の電子デバイスではパッケージ基台100上に支持部材30によって振動部品500が支持固定される。パッケージ基台100は3層のセラミック基板101、102、103が積層されてできており、3層目のセラミック基板103は、2層のセラミック基板101、102の周囲の部分だけを囲んで、内部に振動部品500を収めるための空間(凹部110)を形成している。従来、これらセラミック基板101、102、103には、セラミックグリーンシートを成形して焼結した酸化アルミニウム質焼結体が使用されていた。
【0005】
またパッケージ基台100の3層目のセラミック基板103の上端には、接合部材40を介して、パッケージ上蓋20を接合するようになっていた。
【0006】
次に、振動部品500を振動部品用パッケージ内に密封する方法を順を追って説明する。まず図8(a)に示すように、振動部品500をパッケージ基台100に固定し、さらにそのパッケージ基台100にパッケージ上蓋20を接合する。なおパッケージ基台100を構成する第2の基板102には第1の貫通孔121が開けられ、第1の基板101にはこの第1の貫通孔121より大きい第2の貫通孔122が開けられている。これら第1の貫通孔121、第2の貫通孔122が重なり合うことによって段付きの貫通孔が形成されることになる。
【0007】
図8(a)に示す段階において、パッケージ基台100の底面を構成する2層のセラミック基板101、102に開けられた貫通孔(第1の貫通孔121、第2の貫通孔122)によって、パッケージの内部と外部とは連通しており、完全な密封はされていない状態にある。
【0008】
その後、図8(b)、図8(c)に示すような工程を経ることによって封止が行われる。以下にその封止工程を説明する。まず振動部品500を収めるための空間(凹部110)内を十分に排気し、高真空状態にする。さらにその状態において、2層のセラミック基板101に開けられた第2の貫通孔122内に球状の封止材50を収める(図8(b))。なおこの時、球状の封止材50には第1の貫通孔121の内径よりも大きな直径のものが選ばれ、球状の封止材50がパッケージ内に入り込むのを防いでいる。
【0009】
その後、図8(c)に示すように、第2の貫通孔122に収められた球状の封止材50に、レーザービーム発生装置あるいは電子ビーム発生装置等による封止用のビームを照射して、溶融させる。すると、溶融した封止材55は第2の貫通孔122の内部に濡れ広がる。
【0010】
その後、溶融金属が冷えると、硬化した封止材55は第2の貫通孔122の内周面と段部とに好適に接合し、十分な接合面積でこの第2の貫通孔122を塞ぐので、パッケージと外部とは完全にシールされる(図8(c))。
【0011】
以上のようにして、従来はパッケージ内が高真空で密封された電子デバイスを完成させていた。
【0012】
さらに、従来は、以上の構成において、第1の貫通孔121の内径を0.3mm以下とすると、以下のような利点があるとされていた。まず、第1の貫通孔121の内径が0.3mm以下という十分小さな孔径であっても、パッケージ内の空気を抜いて、内部の真空封止を行う工程において、空気抜きの穴として確実に作用することができるという点が挙げられる。さらに、第1の貫通孔121の内径が0.3mm以下という十分に小さい孔径にすることによって、封止の工程においては、封止材55がその表面張力により、極めて小さな孔である第1の貫通孔121を通過することができず、パッケージ内に封止材55が入り込むのを確実に防止できる。以上の理由によって、第1の貫通孔121の内径は、0.3mm以下であることが好ましいとされていた。
【0013】
従来の電子デバイス構造による密封工程によれば、以下に示すような利点が挙げられる。まず、パッケージ上蓋20を接合する時に接合剤40から発生する有害なアウトガスを予め図8(a)の状態で第1の貫通孔121、第2の貫通孔122から真空引きしてしまうことができ、高真空状態での密封がしやすいという利点である。
【0014】
さらにレーザビーム等のビーム加熱により封止材50付近だけを局所的に加熱するため、振動部品500やパッケージ基台100等へのダメージが少ないという利点もある。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−9577号公報(第7頁、図6)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従来の表面実装タイプの電子デバイスでは、3枚のセラミック基板を重ね合わせた3層構造からなるパッケージ基台を用いていた。これらセラミック基板にはセラミックグリーンシートが用いられ、これらを位置合わせして重ね合わせた後焼結してパッケージ基台を完成させていた。
【0017】
セラミックグリーンシートからなる3枚のセラミック基板を位置合わせする時、通常10倍から100倍程度のスコープを用いて光学的に位置合わせを行う。よって、数十μm程度の位置ズレが多く発生していた。
【0018】
さらにセラミックグリーンシートを焼結する時に、3枚のセラミック基板それぞれで収縮率が異なり、その結果位置ズレがより大きくなる傾向もみられた。
【0019】
以上のようにして作製される従来のパッケージ基台では、第1の貫通孔と第2の貫通孔は互いに位置がずれた状態で形成されてしまうことが多かった。
【0020】
図9は従来の電子デバイスの密封工程における不良状態を示した図である。図9(a)は従来のパッケージ基台の貫通孔周辺部を示した図である。従来のパッケージ基台では、上述のような理由により、セラミック基板102に開口される第1貫通孔121の中心軸とセラミック基板101に開口される第2の貫通孔122の中心軸とがずれて形成される事が多々ある(図9(a))。例えばこの位置ズレ量が数十μmから百μm程度あると、パッケージ内を密封する工程で以下に示すような不具合を生じさせることになる。
【0021】
図9(b)はパッケージ基台に開けられた位置ズレした貫通孔内に球状の封止材50を収めた状態を示している。第1の貫通孔121と第2の貫通孔122とは、その中心軸が互いにずれているため、第2の貫通孔122内に球状の封止材50を収めても第1の貫通孔121を閉口させることはできない。
【0022】
その後、第2の貫通孔122に収められた球状の封止材50に封止用のビームを照射して溶融させるが、図9(c)に示すように、第1の貫通孔121と第2の貫通孔122とはその中心軸が互いにずれているため、溶融した封止材56は第2の貫通孔122を埋めつくすことができず、封止不良を発生させることが多かった。
【0023】
その結果、パッケージ内に備え付けられた水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品を一定の気圧状態で密封することができなくなり、振動部品が動作不良になることが多かった。
【0024】
本発明の目的は、水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品を一定の気圧状態で安定して密封することができる信頼性の高い振動部品用パッケージとその製造方法を提供することにある。さらに水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品が安定して動作する信頼性の高い電子デバイスを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の振動部品用パッケージは、振動部品を支持固定するパッケージ基台と、該振動部品を外界から遮断するようにして該パッケージ基台に固定されるパッケージ上蓋とを有する振動部品用パッケージであって、前記パッケージ基台が水晶からなり、前記パッケージ基台の一部に貫通孔を有し、該貫通孔はパッケージ内部側の開口部の面積よりもパッケージ外部側の開口部の面積の方が大きく、前記貫通孔の開口部形状がパッケージ内部側とパッケージ外部側とで異なっていることを特徴とする。
【0027】
さらに、前記パッケージ基台にあけられた貫通孔は、パッケージ内部側からパッケージ外部側に向かって開く斜面を備えていることを特徴とする。
【0028】
さらに、パッケージ基台には、凹部が形成されており、凹部の一部に貫通孔が開口しているのが望ましい。
【0030】
さらに、前記パッケージ基台にあけられた貫通孔のパッケージ外部側では開口部形状が円形で前記パッケージ基台平面に対して垂直に形成される壁面を有し、パッケージ内部側では開口部形状が略正三角形で前記パッケージ基台平面に対して所定の角度で傾いて形成される3つの斜面を有することを特徴とする。
【0031】
さらに、パッケージ基台に形成される貫通孔がウェットエッチング法によって形成されるのが望ましい。
【0033】
た、振動部品を支持固定するパッケージ基台と、該振動部品を外界から遮断するようにして該パッケージ基台に固定されるパッケージ上蓋とを有する振動部品用パッケージであって、前記パッケージ上蓋が水晶からなり、前記パッケージ上蓋の一部に貫通孔を有し、該貫通孔はパッケージ内部側の開口部の面積よりもパッケージ外部側の開口部の面積の方が大きく、前記貫通孔の開口部形状がパッケージ内部側とパッケージ外部側とで異なっていることを特徴とする。
【0034】
さらに、前記パッケージ上蓋にあけられた貫通孔は、パッケージ内部側からパッケージ外部側に向かって開く斜面を備えていることを特徴とする。
【0035】
さらに、パッケージ上蓋には、凹部が形成されており、凹部の一部に貫通孔が開口しているのが望ましい。
【0037】
さらに、前記パッケージ上蓋にあけられた貫通孔のパッケージ外部側では開口部形状が円形で前記パッケージ上蓋平面に対して垂直に形成される壁面を有し、パッケージ内部側では開口部形状が略正三角形で前記パッケージ上蓋平面に対して所定の角度で傾いて形成される3つの斜面を有することを特徴とする。
【0038】
さらに、パッケージ上蓋に形成される貫通孔がウェットエッチング法によって形成されるのが望ましい。
【0041】
また、本発明の振動部品用パッケージの製造方法は、振動部品を支持固定するパッケージ基台と、該振動部品を外界から遮断するようにして該パッケージ基台に固定されるパッケージ上蓋とを有する振動部品用パッケージの製造方法であって、水晶基板の平面上に水晶のエッチング液に対して耐食性を有する保護膜を成膜し、該保護膜を凹部形状でパターン化する工程と、水晶基板をウェットエッチング法により加工し、凹部形状を形成する工程と、水晶基板の平面上に水晶のエッチング液に対して耐食性を有する保護膜を成膜し、該保護膜を貫通孔形状でパターン化する工程と、水晶基板をウェットエッチング法により加工し、前記凹部面に貫通孔を開口させ、該貫通孔のパッケージ外部側では開口部形状が円形で前記水晶基板平面に対して垂直に形成される壁面を有し、パッケージ内部側では開口部形状が略正三角形で前記水晶基板平面に対して所定の角度で傾いて形成される3つの斜面を有する形状に形成する工程とを有することを特徴とする。
【0043】
また、本発明の電子デバイスは、振動部品と、該振動部品を支持固定するパッケージ基台と、該振動部品を外界から遮断するようにして該パッケージ基台に固定されるパッケージ上蓋とを有する電子デバイスであって、前記パッケージ基台が水晶からなり、前記パッケージ基台の一部に、パッケージ内部側の開口部の面積よりもパッケージ外部側の開口部の面積の方が大きく、且つ前記パッケージ内部側の開口部形状と前記パッケージ外部側の開口部形状とが異なっている貫通孔が形成されており、該貫通孔が封止材によって塞がれていることを特徴とする。
【0051】
た、本発明の電子デバイスは、振動部品と、該振動部品を支持固定するパッケージ基台と、該振動部品を外界から遮断するようにして該パッケージ基台に固定されるパッケージ上蓋とを有する電子デバイスであって、前記パッケージ上蓋が水晶からなり、前記パッケージ上蓋の一部に、パッケージ内部側の開口部の面積よりもパッケージ外部側の開口部の面積の方が大きく、且つ前記パッケージ内部側の開口部形状と前記パッケージ外部側の開口部形状とが異なっている貫通孔が形成されており、該貫通孔が封止材によって塞がれていることを特徴とする。
【0057】
(作用)
図4はシリコン基板をウェットエッチング法によって加工して形成した貫通孔の形状を示した図である。図5は水晶基板をウェットエッチング法によって加工して形成した貫通孔の形状を示した図である。本発明の上記手段では、パッケージ基台はシリコン(Si)もしくは水晶からなる1枚の板状部材を加工して形成される。その加工法にはウェットエッチング法を利用するが、本発明で用いられるSiや水晶は異方性エッチングの性質を有しており、ある所定の結晶面のみ非常にエッチング速度が遅いという現象が生じる。よってSiや水晶をウェットエッチング法によって加工すると、ある所定の結晶面はほとんどエッチングされずにそれ以外の結晶面のみが加工されてゆき、その結果、一定の規則に従った特異な形状が出来上がることになる。
【0058】
図4(a)はSi基板をウェットエッチング法によって加工して形成した貫通孔を斜め上から見た斜視図であり、図4(b)はSi基板をウェットエッチング法によって加工して形成した貫通孔を上から見た平面図である。例えば、ウェットエッチング法によって、平面が(100)面の結晶面であるSi基板に貫通孔を形成した場合、図4に示されるように、平面に対して所定の角度で傾いて形成される4つの斜面(斜面δ、斜面ε、斜面ζ、斜面η)を内壁とする貫通孔が開口する。なお、これら4つの斜面は図4(b)に示されるように、孔の中心軸に対し同心円上に90度間隔で等間隔に形成される。
【0059】
また図5(a)は水晶基板をウェットエッチング法によって加工して形成した貫通孔を斜め上から見た斜視図であり、図5(b)は水晶基板をウェットエッチング法によって加工して形成した貫通孔を上から見た平面図である。例えば、ウェットエッチング法によって、結晶軸のZ軸に対して垂直な面が平面になるようにカットされた水晶基板(一般にこのようにカットされた水晶基板をZ板と呼ぶ。)に貫通孔を形成した場合、図5に示されるように、平面に対して垂直に形成される壁面と、平面に対して所定の角度で傾いて形成される3つの斜面(斜面α、斜面β、斜面γ)を内壁とする貫通孔が開口する。なお、これらの3つ斜面は図5(b)に示されるように、孔の中心軸に対し同心円上に120度間隔で等間隔に形成される。
【0060】
以上のようにSi基板や水晶基板にウェットエッチング法によっての貫通孔を形成すると異方性エッチングの性質によって、貫通孔の内壁に斜面が必ず形成される。この斜面は貫通孔の一方の開口部側から他方の開口部側に向かって傾斜しており、その結果、貫通孔の一方の開口部は、反対側の他方の開口部よりも外側に向かって大きく口を開けて開口されることになる。
【0061】
本発明ではこのような独特の内壁形状(一方の開口部が、反対側の別の開口部よりも外側に向かって大きく口を開けて開口している形状)で形成される貫通孔を振動部品用パッケージの貫通孔として利用している。すなわち、大きく口を開けている側がパッケージの外側になるように構成し、そこに球状の封止材を挿入するようにして利用している。この場合、貫通孔の反対側すなわちパッケージの内側の開口部は狭まっているため、球状の封止材がパッケージ内に入り込むことはない。
【0062】
本発明の構成によって以下に挙げるような利点が生じる。本発明では一回のウェットエッチング工程で貫通孔を形成しており、それによって開口された貫通孔の内壁は、上述のように孔の中心軸に対し同心円上に等間隔に形成される。よって、従来、大きさの異なる2つの貫通孔を重ね合わせることによって生じていた孔の中心軸の位置ズレを完全に解消することができた。
【0063】
その結果、球状の封止材を貫通孔の中心軸上にしっかりと位置精度よく収めることができる。その後、球状の封止材に封止用のビームを照射して溶融させると、溶融した封止材は貫通孔内に均等に埋め尽くされ、その結果、パッケージ内部を完全に密封することができ、従来のような封止不良を無くすことができた。
【0064】
以上のようにして本発明によってパッケージの封止不良を無くすことができた結果、パッケージ内に備え付けられた水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品を一定の気圧状態で安定して振動させることができるようになり、電子デバイスの動作不良を非常に少なくすることができた。
【0065】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は本発明のシリコンを利用した振動部品用パッケージの構造及びそれを用いた電子デバイスの構造と密封方法を示した図である。なお本発明のシリコンを利用した振動部品用パッケージは、図1(a)における振動部品500、支持部材30を取り除いたパッケージ基台10、パッケージ上蓋20、接合部材40で構成されたものを指す。また図1(c)には本発明のシリコンを利用した振動部品用パッケージを用いた電子デバイスの構造が示されているが、本発明の電子デバイスは上述の振動部品用パッケージ内部に振動部品500が搭載されたものを指す。図1(c)に示すように、本実施形態の電子デバイスでは、材質がシリコン(Si)からなるパッケージ基台10上に支持部材30によって振動部品500が支持固定され、さらにパッケージ基台10の上端には接合部材40を介してガラス材料からなるパッケージ上蓋20が接合されている構成になっている。またパッケージ基台10には貫通孔12aが開けられており、その貫通孔12aを封止材55が塞ぐことによって、パッケージ内を一定の高真空状態に保つように密封している。なお本発明において振動部品500は水晶振動子、圧電振動子もしくは水晶ジャイロ等であり、振動する部品であればいかなる部品であってもかまわない。なおパッケージ上蓋20にガラス材料を使用している理由は、振動部品500を密封した後、透明なパッケージ上蓋20を透過させてレーザービームを振動部品500に照射し、レーザー加工によって周波数調整ができるからである。
【0066】
本実施形態におけるパッケージ基台10には、内部に振動部品500を収めるために掘り下げられた空間(凹部11a)とその凹部11aの底面に開けられた貫通孔12aとが形成されている。これら凹部11aと貫通孔12aは、Si基板をウェットエッチング法によって加工して形成される。なお本発明の実施形態では、平面が(100)面の結晶面であるSi基板を用いてウェットエッチング法による加工を行った。
【0067】
平面が(100)面の結晶面であるSi基板にウェットエッチング法によって貫通孔を加工した場合、図4に示されるように、平面に対して所定の角度で傾いて形成される4つの斜面(斜面δ、斜面ε、斜面ζ、斜面η)を内壁とする貫通孔が開口する。なお、これら4つの斜面は図4(b)に示されるように、孔の中心軸に対し同心円上に90度間隔で等間隔に形成される。
【0068】
本実施形態のパッケージ基台10には、ウェットエッチング法を利用することによって、外に向かって開く4つの斜面を内壁に有する貫通孔12aが形成されている。すなわち、その貫通孔12aはパッケージ内部側から外部側に向かって大きく口を開けて開口するような形状になっている。なお本実施形態での貫通孔12aは、パッケージ外側の開口部が一辺0.25mmの正方形、パッケージ内側の開口部が一辺0.05mmの正方形で形成されている。よって貫通孔12aは、パッケージ外側の開口部の面積(0.0625mm2 =0.25mm×0.25mm)の方がパッケージ内側の開口部の面積(0.0025mm2 =0.05mm×0.05mm)よりも大きい。
【0069】
本実施形態のパッケージ基台10は以下のようにして製造することができる。図6は本発明の振動部品用パッケージの製造方法を示した図である。まず始めに、平面が(100)面の結晶面である厚さ0.5mmのSi基板200を用意し、一方の平面上には凹部の平面形状でパターン化されたマスク層310を、他方の平面上にはほぼその全面にマスク層320をそれぞれ形成する(図6(a))。マスク層310とマスク層320として利用される膜はSiのエッチング液に対して耐食性を有する材料から選ばれる。本実施形態ではSiのエッチング液として70℃の40wt%水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いることとし、マスク層310とマスク層320には、耐食性と密着性を考慮して、上層が金(Au)、下層がクロム(Cr)からなる積層膜を選択した。マスク層310、マスク層320となるAu膜とCr膜はすべてスパッタリング法によって成膜し、それぞれの膜厚はAu膜0.2μm、Cr膜0.05μmとした。
【0070】
なおマスク層310の凹部形状のパターン化はLSI分野で広く用いられているフォトリソグラフィー法を用いて行った。フォトリソグラフィー法とはパターン化しようとする膜の上に感光性レジストを塗布し、所望の形状で感光性レジストを露光し現像した後、感光性レジストが現像され除去された部分の膜だけをエッチング法によって除去しパターン化する手法である。
【0071】
次に図6(a)の状態にあるSi基板200をウェットエッチング法によってエッチングした。すると図6(b)に示すように、マスク層310が形成されていないSi平面部分のみがエッチングされ、Si基板210に凹部11aが形成される。本実施形態では上述のように70℃の40wt%水酸化カリウム(KOH)水溶液からなるエッチング液を使用して約6時間のエッチング処理を行い、0.4mmの深さの凹部11aを形成した。
【0072】
次にマスク層310及びマスク層320を除去し、新たにSi基板210の凹部11aが形成されている側にマスク層330を、その反対側にマスク層340をそれぞれ形成した(図6(c))。なおマスク層330は凹部11aの全てを覆うように形成し、マスク層340は貫通孔の平面形状、すなわち本実施形態では一辺の長さが0.25mmの正方形、でパターン化して形成した。フォトリソグラフィー法はミクロンレベルの寸法精度でパターン化することができる点が特徴であり、もし一辺0.25mmの正方形よりも小さいパターンを希望したとしても十分にパターン化する事が可能である。
【0073】
図6(c)においても図6(a)と同様にマスク層330、マスク層340として上層が金(Au)、下層がクロム(Cr)からなる積層膜を使用し、スパッタリング法によってAu膜0.2μm、Cr膜0.05μmの厚さで形成した。なお、マスク層340の貫通孔形状のパターン化も図6(a)と同様にフォトリソグラフィー法によって行った。
【0074】
さらにその後、図6(c)の状態にあるSi基板210をウェットエッチング法によってエッチングする。そうすると今度は図6(d)に示すように、マスク層340が形成されていない部分のみがエッチングされ、Si基板220に貫通孔12aが形成される。本工程においても70℃の40wt%水酸化カリウム(KOH)水溶液からなるエッチング液を使用し、約2時間のエッチング処理によって、貫通孔12aを開口させた。なおこの状態では貫通孔12aはマスク層330によって塞がれた状態にあり、まだ貫通していない。
【0075】
最後に、マスク層330及びマスク層340を除去して、一方の面に深さ0.4mmの凹部11aが形成され、さらに一辺0.25mmの正方形をした開口部を有する貫通孔12aが形成されたパッケージ基台10が完成する。
【0076】
本発明の電子デバイスでは、以上のようにして製造されたパッケージ基台10を用いて、振動部品500をパッケージ内に密封させるが、その密封方法を以下に説明する。まず図1(a)に示すように、振動部品500を本発明のSiからなるパッケージ基台10の凹部11a上に支持部材30を介して固定し、さらにそのパッケージ基台10上に接合剤40を介してガラス材料からなるパッケージ上蓋20を接合する。なおパッケージ基台10と振動部品500の接合にはシリコーン系やエポキシ系の接着剤からなる支持部材30を用い、パッケージ基台10とパッケージ上蓋20の接合には、Au−Sn系、Sn系、Pb−Sn系、Agロウ系、低融点ガラス、シリコーン系やエポキシ系の接着剤からなる接合部材40を用いるのが好ましい。
【0077】
なお図1(a)に示す段階において、パッケージ基台10の凹部11a面に開けられた貫通孔12aによって、パッケージの内部と外部とは連通しており、完全な密封はされていない。
【0078】
その後、図1(b)、図1(c)に示すような工程を経ることによって封止が行われる。まず振動部品500を収めるための空間(凹部11a)内を十分に排気し、高真空状態にする。さらにその状態において、パッケージ基台10に開けられた貫通孔12aに球状の封止材50を収める(図1(b))。
【0079】
図3は本発明の球状封止材を収めた状態にある貫通孔の斜視図である。図3(a)は図1(b)に示されるA部を上下反転させて見た図になっている。本実施形態では直径が0.15mmの球状の封止材50を使用したが、図3(a)に示されるように貫通孔12aはパッケージ内部から外部に向かって(図3(a)では下から上に向かって)大きく口を開けて開口しており、パッケージ内部側の開口部の大きさは直径0.15mmよりも小さく形成されている(パッケージ内部側の開口部は一辺0.05mmの正方形である。)。そのため、球状の封止材50がパッケージ内に入り込むことはなかった。またこの時、本貫通孔12aの内壁は上述のように孔の中心軸に対し同心円上に等間隔に形成されてできているため、球状の封止材50は貫通孔12aの中心軸上にしっかりと位置精度良く収めることができた。
【0080】
その後、貫通孔12aに収められた球状の封止材50に、レーザービーム発生装置あるいは電子ビーム発生装置等による封止用のビームを照射して封止材50を溶融させる。本発明では、球状の封止材50は貫通孔12aの中心軸上にしっかりと位置精度よく収められているため、封止用のビームを照射して封止材50を溶融させると溶融した封止材55は貫通孔12a内を均等に埋め尽くし、その結果、従来に起こっていたような封止不良はほとんど起こらなくなった。その後、溶融金属が冷えると、硬化した封止材55は貫通孔12aの内壁と好適に接合し、パッケージ内部は完全な密封状態になる。
【0081】
以上のようにして、本発明の本実施形態によってパッケージの封止不良を無くすことができ、その結果、パッケージ内に備え付けられた水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品500を一定の気圧状態で安定して振動させることができるようになり、電子デバイスの動作不良を非常に少なくすることができた。
【0082】
(第2の実施形態)
図2は本発明の水晶を利用した振動部品用パッケージの構造及びそれを用いた電子デバイスの構造と密封方法を示した図である。なお本発明の水晶を利用した振動部品用パッケージは、図2(a)における振動部品500、支持部材30を取り除いたパッケージ基台15、パッケージ上蓋20、接合部材40で構成されたものを指す。また図2(c)には本発明のシリコンを利用した振動部品用パッケージを用いた電子デバイスの構造が示されている。図2(c)に示すように、本実施形態の電子デバイスでは、材質が水晶からなるパッケージ基台15上に支持部材30によって振動部品500が支持固定され、さらにパッケージ基台15の上端には接合部材40を介してパッケージ上蓋20が接合されている構成になっている。またパッケージ基台15には貫通孔12bが開けられており、その貫通孔12bを封止材55が塞ぐことによって、パッケージ内を一定の高真空状態に保つように密封している。なお本実施形態ではパッケージ基台15が水晶からなっているため、振動部品500を密封した後、透明なパッケージ基台15を透過させてレーザービームを振動部品500に照射し、レーザー加工によって周波数調整をすることも可能であり、本実施形態の利点の一つでもある。
【0083】
本実施形態におけるパッケージ基台15には、内部に振動部品500を収めるために掘り下げられた空間(凹部11b)とその凹部11bの面上に開けられた貫通孔12bとが形成されている。これら凹部11bと貫通孔12bは、水晶基板をウェットエッチング法によって加工して形成される。なお本発明の実施形態では、結晶軸のZ軸に対して垂直な面が平面になるようにカットされた水晶基板(Z板と称する。)を用いてウェットエッチング法による加工を行った。
【0084】
Z板である水晶基板にウェットエッチング法によって貫通孔を加工した場合、図5に示されるように、平面に対して垂直に形成される壁面と、平面に対して所定の角度で傾いて形成される3つの斜面(斜面α、斜面β、斜面γ)を内壁とする貫通孔が開口する。なお、これらの3つ斜面は図5(b)に示されるように、孔の中心軸に対し同心円上に120度間隔で等間隔に形成される。
【0085】
本実施形態のパッケージ基台15には、ウェットエッチング法を利用することによって、外に向かって開く3つの斜面を内壁に有する貫通孔12bが形成されている。すなわち、その貫通孔12bはパッケージ内部側から外部側に向かって大きく口を開けて開口するような形状になっている。なお本実施形態での貫通孔12bの場合、パッケージ内側の開口部は3つの斜面から形成される3つの稜線を有する形状で形成され、パッケージ外側の開口部では直径0.2mmの円形状で形成されている。このように本実施形態のパッケージ基台15にあけられた貫通孔12bは、パッケージ内部側と外部側とで形状が異なっているのが特徴である。なお、パッケージ内側の開口部に形成される3つの稜線はいずれも直径0.2mmの円形の内側にあり、よってこのことから、貫通孔12bは、パッケージ外側の開口部の面積の方がパッケージ内側の開口部の面積よりも大きいことは明らかである。
【0086】
本実施形態のパッケージ基台15は図6に示すSiからなるパッケージ基台10とほとんど同じ製造方法で製造することができる。但し、水晶からなる本実施形態のパッケージ基台15ではエッチング液として、50℃の50wt%フッ酸水溶液を用いた。
【0087】
以上のようにして製造されたパッケージ基台15を用いて、振動部品500は以下の要領でパッケージ内に密封される。まず図2(a)に示すように、振動部品500を本発明の水晶からなるパッケージ基台15の凹部11b上に支持部材30を介して固定し、さらにそのパッケージ基台15上に接合剤40を介してガラス材料からなるパッケージ上蓋20を接合する。この状態において、パッケージの内部と外部とは貫通孔12bによって連通しており、まだ完全な密封状態ではない。
【0088】
その後、振動部品500を収めるための空間(凹部11b)内を十分に排気し、高真空状態にし、さらにその状態においてパッケージ基台15に開けられた貫通孔12bに球状の封止材50を収める(図1(b))。
【0089】
図3(b)は図2(b)に示されるB部を上下反転させて見た図になっている。図3(b)に示されるように貫通孔12bはパッケージ内部から外部に向かって(図3(b)では下から上に向かって)大きく口を開けて開口しており、さらに途中からは内径0.2mmの大きさで円筒状に開口している。本実施形態では直径が0.15mmの球状の封止材50を使用したが、パッケージ内部側の開口部の大きさは直径0.15mmよりも小さく形成されているため、球状の封止材50がパッケージ内に入り込むことはなかった。またこの時、本貫通孔12bの内壁は上述のように孔の中心軸に対し同心円上に等間隔に形成されてできているため、球状の封止材50は貫通孔12bの中心軸上にしっかりと位置精度良く収めることができた。
【0090】
その後、貫通孔12bに収められた球状の封止材50に、レーザービーム発生装置あるいは電子ビーム発生装置等による封止用のビームを照射して封止材50を溶融させる。本発明では、球状の封止材50は貫通孔12bの中心軸上にしっかりと位置精度よく収められているため、封止用のビームを照射して封止材50を溶融させると溶融した封止材55は貫通孔12b内を均等に埋め尽くし、その結果、従来に起こっていたような封止不良はほとんど起こらなくなった。その後、溶融金属が冷えると、硬化した封止材55は貫通孔12bの内壁と好適に接合し、パッケージ内部は完全な密封状態になる。
【0091】
以上のようにして、本実施形態の水晶からなるパッケージ基台15を用いてもパッケージの封止不良を無くすことができ、その結果、パッケージ内に備え付けられた水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品500を一定の気圧状態で安定して振動させることができるようになり、電子デバイスの動作不良を非常に少なくすることができた。
【0092】
(第3の実施形態)
図7は本発明の電子デバイスの別の構造を示した図である。図7(a)は振動部品用パッケージを構成するパッケージ上蓋26をシリコンで形成した図である。図7(a)に示すように、本実施形態のパッケージ上蓋26には、振動部品500を収める空間を得るために、凹部11cが形成されている。さらにその凹部11cの底面部には貫通孔12cがあけられており、封止材55によって貫通孔12c内部が埋められている。一方、パッケージ基台16は板状の形状をしており、本実施形態ではガラス基板を用いた。また、パッケージ基台16上には支持部材30を介して振動部品500が固定されており、パッケージ基台16とパッケージ上蓋26は、接合部材40によって接合される構造になっている。
【0093】
本実施形態のパッケージ上蓋26もウェットエッチング法によって凹部11cと貫通孔12cを形成した。その製造方法は、図6に示すパッケージ基台10の製造方法と同様の方法で行った。
【0094】
図7(a)に示す構造の電子デバイスにおいて、振動部品500をパッケージ基台16とパッケージ上蓋26の中に収め、パッケージ基台16とパッケージ上蓋26を接合部材40によって接合した後、パッケージ上蓋26にあけられた貫通孔12cから排気を行った。さらに十分な排気が行われた後、図1に示す密封方法と同様の方法で封止材55で封止を行い、電子デバイスを完成させた。
【0095】
本実施形態においても、振動部品500をパッケージ内に一定の気圧状態で安定して密封することが可能であり、封止不良を無くすことができた。さらにその結果、水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品を安定して動作させることができ、信頼性のある電子デバイスを提供することができた。
【0096】
なお、本実施形態の電子デバイスの場合、ガラス基板からなるパッケージ基台16を透過させてレーザービームを振動部品500に照射することにより、振動部品500の周波数調整をを行うことができた。
【0097】
また、本実施形態ではパッケージ上蓋26をシリコンで形成したが、パッケージ上蓋26に水晶を使用して同様の方法で形成しても、同様に封止不良を無くすことができ、信頼性のある電子デバイスを提供することができた。
【0098】
(第4の実施形態)
図7(b)は振動部品用パッケージを構成するパッケージ上蓋28を水晶で形成し、パッケージ基台18をシリコンで形成した図である。図7(b)に示すように、本実施形態のシリコンからなるパッケージ基台16には、振動部品500を収める空間を得るために、ウェットエッチング法によって凹部11dが形成されている。一方、水晶からなるパッケージ上蓋28は板状の形状をしており、その一部にウェットエッチング法によって貫通孔12dがあけられている。なお、パッケージ基台18上には支持部材30を介して振動部品500が固定されており、パッケージ基台18とパッケージ上蓋28は、接合部材40によって接合される構造になっている。
【0099】
図7(b)に示す構造の電子デバイスにおいて、振動部品500をパッケージ基台18とパッケージ上蓋28の中に収め、パッケージ基台18とパッケージ上蓋28を接合部材40によって接合した後、パッケージ上蓋28にあけられた貫通孔12dから排気を行った。さらに十分な排気が行われた後、図2に示す密封方法と同様の方法で封止材55で封止を行い、電子デバイスを完成させた。
【0100】
本実施形態においても、振動部品500をパッケージ内に一定の気圧状態で安定して密封することが可能であり、封止不良を無くすことができた。さらにその結果、水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品を安定して動作させることができ、信頼性のある電子デバイスを提供することができた。
【0101】
なお、本実施形態の電子デバイスの場合、水晶からなるパッケージ上蓋28を透過させてレーザービームを振動部品500に照射することにより、振動部品500の周波数調整をを行うことができた。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品を一定の気圧状態で安定して密封することが可能な信頼性の高い振動部品用パッケージを提供できるようになった。
【0103】
さらに、水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品を一定の気圧状態で安定して密封することが可能な信頼性の高い振動部品用パッケージの製造方法を提供できるようになった。
【0104】
さらに、水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品をパッケージ内に一定の気圧状態で安定して密封することが可能になり、その結果、水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品の動作が安定し、信頼性の高い電子デバイスを提供できるようになった。
【0105】
さらに、水晶を利用した振動部品用パッケージを用いることによって、振動部品用パッケージ内に搭載される水晶振動子や水晶ジャイロ等の振動部品の周波数調整が容易にできるようになり、高精度で信頼性の高い電子デバイスを提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコンを利用した振動部品用パッケージの構造及びそれを用いた電子デバイスの構造と密封方法を示した図である。
【図2】本発明の水晶を利用した振動部品用パッケージの構造及びそれを用いた電子デバイスの構造と密封方法を示した図である。
【図3】本発明の球状封止材を収めた状態にある貫通孔の斜視図である。
【図4】シリコン基板をウェットエッチング法によって加工して形成した貫通孔の形状を示した図である。
【図5】水晶基板をウェットエッチング法によって加工して形成した貫通孔の形状を示した図である。
【図6】本発明の振動部品用パッケージの製造方法を示した図である。
【図7】本発明の電子デバイスの別の構造を示した図である。
【図8】従来の電子デバイスの構造と密封方法を示した図である。
【図9】従来の電子デバイスの密封工程における不良状態を示した図である。
【符号の説明】
10、15、16、18 パッケージ基台
11a、11b 凹部
12a、12b 貫通孔
20、26、28 パッケージ上蓋
30 支持部材
40 接合部材
50、55、56 封止材
100 パッケージ基台
101、102、103 セラミック基台
110 凹部
121 第1の貫通孔
122 第2の貫通孔
200、210、220 Si基板
310、320、330、340 マスク層
500 振動部品

Claims (13)

  1. 振動部品を支持固定するパッケージ基台と、該振動部品を外界から遮断するようにして該パッケージ基台に固定されるパッケージ上蓋とを有する振動部品用パッケージであって、前記パッケージ基台が水晶からなり、前記パッケージ基台の一部に貫通孔を有し、該貫通孔はパッケージ内部側の開口部の面積よりもパッケージ外部側の開口部の面積の方が大きく、前記貫通孔の開口部形状がパッケージ内部側とパッケージ外部側とで異なっていることを特徴とする振動部品用パッケージ。
  2. 前記パッケージ基台にあけられた貫通孔は、パッケージ内部側からパッケージ外部側に向かって開く斜面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の振動部品用パッケージ。
  3. 前記パッケージ基台には、凹部が形成されており、該凹部の一部に前記貫通孔を有することを特徴とする請求項1または請求項に記載の振動部品用パッケージ。
  4. 前記パッケージ基台にあけられた貫通孔のパッケージ外部側では開口部形状が円形で前記パッケージ基台平面に対して垂直に形成される壁面を有し、パッケージ内部側では開口部形状が略正三角形で前記パッケージ基台平面に対して所定の角度で傾いて形成される3つの斜面を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の振動部品用パッケージ。
  5. 前記パッケージ基台に形成される貫通孔がウェットエッチング法によって形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の振動部品用パッケージ。
  6. 振動部品を支持固定するパッケージ基台と、該振動部品を外界から遮断するようにして該パッケージ基台に固定されるパッケージ上蓋とを有する振動部品用パッケージであって、前記パッケージ上蓋が水晶からなり、前記パッケージ上蓋の一部に貫通孔を有し、該貫通孔はパッケージ内部側の開口部の面積よりもパッケージ外部側の開口部の面積の方が大きく、前記貫通孔の開口部形状がパッケージ内部側とパッケージ外部側とで異なっていることを特徴とする振動部品用パッケージ。
  7. 前記パッケージ上蓋にあけられた貫通孔は、パッケージ内部側からパッケージ外部側に向かって開く斜面を備えていることを特徴とする請求項6に記載の振動部品用パッケージ。
  8. 前記パッケージ上蓋には、凹部が形成されており、該凹部の一部に前記貫通孔を有することを特徴とする請求項6または請求項に記載の振動部品用パッケージ。
  9. 前記パッケージ上蓋にあけられた貫通孔のパッケージ外部側では開口部形状が円形で前記パッケージ上蓋平面に対して垂直に形成される壁面を有し、パッケージ内部側では開口部形状が略正三角形で前記パッケージ上蓋平面に対して所定の角度で傾いて形成される3つの斜面を有することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の振動部品用パッケージ。
  10. 前記パッケージ上蓋に形成される貫通孔がウェットエッチング法によって形成されることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の振動部品用パッケージ。
  11. 振動部品を支持固定するパッケージ基台と、該振動部品を外界から遮断するようにして該パッケージ基台に固定されるパッケージ上蓋とを有する振動部品用パッケージの製造方法であって、水晶基板の平面上に水晶のエッチング液に対して耐食性を有する保護膜を成膜し、該保護膜を凹部形状でパターン化する工程と、水晶基板をウェットエッチング法により加工し、凹部形状を形成する工程と、水晶基板の平面上に水晶のエッチング液に対して耐食性を有する保護膜を成膜し、該保護膜を貫通孔形状でパターン化する工程と、水晶基板をウェットエッチング法により加工し、前記凹部面に貫通孔を開口させ、該貫通孔のパッケージ外部側では開口部形状が円形で前記水晶基板平面に対して垂直に形成される壁面を有し、パッケージ内部側では開口部形状が略正三角形で前記水晶基板平面に対して所定の角度で傾いて形成される3つの斜面を有する形状に形成する工程とを有することを特徴とする振動部品用パッケージの製造方法。
  12. 振動部品と、該振動部品を支持固定するパッケージ基台と、該振動部品を外界から遮断するようにして該パッケージ基台に固定されるパッケージ上蓋とを有する電子デバイスであって、前記パッケージ基台が水晶からなり、前記パッケージ基台の一部に、パッケージ内部側の開口部の面積よりもパッケージ外部側の開口部の面積の方が大きく、且つ前記パッケージ内部側の開口部形状と前記パッケージ外部側の開口部形状とが異なっている貫通孔が形成されており、該貫通孔が封止材によって塞がれていることを特徴とする電子デバイス。
  13. 振動部品と、該振動部品を支持固定するパッケージ基台と、該振動部品を外界から遮断するようにして該パッケージ基台に固定されるパッケージ上蓋とを有する電子デバイスであって、前記パッケージ上蓋が水晶からなり、前記パッケージ上蓋の一部に、パッケージ内部側の開口部の面積よりもパッケージ外部側の開口部の面積の方が大きく、且つ前記パッケージ内部側の開口部形状と前記パッケージ外部側の開口部形状とが異なっている貫通孔が形成されており、該貫通孔が封止材によって塞がれていることを特徴とする電子デバイス。
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