JP4811159B2 - 走行路判定装置及び車両の駆動制御装置 - Google Patents

走行路判定装置及び車両の駆動制御装置 Download PDF

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本発明は、車両の走行路状態を判定する走行路判定装置及び、駆動輪の駆動を制御する車両の駆動制御装置に関する。
特許文献1では、駆動輪のスリップ量又はスリップ率の累積値が大きくなったときに、駆動トルクの抑制を緩和させている。これにより、例えば、砂地から駆動輪を脱出させることを可能にしている。
特開平8−14075号公報
しかしながら、特許文献1では、駆動輪のスリップ量又はスリップ率を基に駆動輪の駆動トルクを制御して砂地から駆動輪を脱出させているので、スリップ量又はスリップ率を検出するために駆動輪をある程度駆動させなければならず、その駆動により駆動輪が砂地に嵌ってしまうという課題は残る。
本発明の課題は、砂地を検出して、砂地に適合させて駆動輪の駆動を制御することである。
前記課題を解決するために、本発明に係る請求項1に記載の走行路判定装置は、駆動輪の駆動状態を駆動状態検出手段により検出し、車体に対する前記駆動輪の上下方向の移動を駆動輪上下動検出手段により検出し、前記駆動状態検出手段が駆動輪が駆動されたことを検出し、かつ前記駆動輪上下動検出手段が前記駆動輪の下方向への移動を検出した場合、車両の走行路が砂地であると砂地判定手段により判定する。
また、本発明に係る請求項6に記載の車両の駆動制御装置では、車両の走行路状態を走行路状態検出手段により検出し、駆動制御手段が、前記走行路状態検出手段が走行路が砂地であることを検出した場合、駆動輪の駆動トルクが、砂地に対して駆動輪が滑らないような駆動トルク相当に設定したしきい値を越えないように、該駆動トルクを制御する。
また、本発明に係る請求項に記載の車両の駆動制御方法は、走行路が砂地と判定された場合、砂地に対して駆動輪が滑らないような駆動トルク相当に予め設定したしきい値を駆動輪の駆動トルクが越えないように、該駆動トルクを制御する。
本発明によれば、走行路が砂地であることを検出できる。また、砂地に適合させて駆動輪の駆動トルクを制御できる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明に係る駆動力制御装置を搭載した第1の実施形態を示す車両の構成を示す。この車両は、前輪駆動車両である場合を示している。図中、1はエンジン、2は自動変速機、3、4はドライブシャフト、5、6は前輪(駆動輪)、7、8は後輪(従動輪)、9はスロットルバルブ、10はスロットル制御モータ、11はアンチスキッド制御(図ではABS(Anti-lockBrake System))/駆動力制御(図ではTCS(Traction Control System))コントロールユニット、12、13、14、15は車輪速度センサ、17はスリップインジケータ、18はTCS/OFFインジケータ、19はTCS/OFFスイッチ、20はエンジンコントロールユニット、21は自動変速機(図ではAT)コントロールユニット、22は多重通信線、23はエンジン回転数センサ、24はアクセル操作量センサ、25はスロットル開度センサ、26はエンジン回転速度センサ、27は前後加速度センサ、28、29、30、31は各輪の上下ストロークを検出するストロークセンサである。
このような構成において、エンジン1の吸気管路には、スロットルバルブ9の開度を制御するスロットル開度制御アクチュエータとしてのスロットル制御モータ10が設けられている。また、自動変速機2としては、多段階に変速段、すなわちギア位置が変更される有段変速機が用いられており、ATコントロールユニット21からの変速指令に応じて変速比、すなわちギア比やギア位置が制御される。
また、自動変速機2では、ATコントロールユニット21からの制御信号によってギア比の制御が行われる。このATコントロールユニット21で制御される自動変速機2内のギア比は、周知のように、出力軸回転速度として代用される車速とスロットル開度センサ25で検出されたスロットル開度とを変数として、或いはエンジン回転数センサ23で検出されたエンジン回転数を参照しながら制御される。ちなみに、本実施形態のATコントロールユニット21は、エンジンコントロールユニット20と相互に情報の授受を行ってエンジン1及び自動変速機2の通常走行時における最適化制御を実施しており、例えば選択されている現在のギア位置CURGPや変速シフト操作によって変更された次の目標ギア位置NEXTGPをエンジンコントロールユニット20に向けて出力し、駆動力制御用(以下、TCS制御用とも記す)ギア位置GRPOSをABS/TCSコントロールユニット11から取得する。
ABS/TCSコントロールユニット11は、トラクション制御としてエンジントルク(駆動トルク)を制御するために、アクセル操作量センサ24からのアクセル操作量ACC、各車輪速度センサ12〜15からの車輪速度VwFL〜VwRR、エンジン回転速度センサ26で検出されたエンジン回転速度NE、ATコントロールユニット21からの現在ギア位置CURGP及び次の目標ギア位置NEXTGPを読み込み、TCS制御用ギア位置GRPOSを算出すると共に、エンジントルク指令値TE−COMを算出してそれらをエンジンコントロールユニット20に向けて出力する。従って、エンジンコントロールユニット20では、このエンジントルク指令値TE−COM等を入力すると、そのエンジントルクが達成されるようにスロットル制御モータ10を制御する。
また、ABS/TCSコントロールユニット11は、通常行うトラクション制御とは別に砂地用のトラクション制御を行えるようにも構成されている。砂地用のトラクション制御では、自車両の走行路が砂地であることを検出した場合、予め設定した上限エンジントルクT内で駆動トルクを抑える制御を行う。すなわち、通常のトラクション制御では、車輪のスリップ状態に基づいて駆動トルクを制御、具体的には車輪がスリップした場合に駆動トルクを抑える制御をしており、砂地用のトラクション制御では、自車両の走行路が砂地であることを検出したことを条件に駆動トルクを抑えており、この点で通常のトラクション制御と異なる。ここで、砂地の検出については、ストロークセンサ28〜31からの検出値である車輪のストローク量を基に行っている。
エンジンコントロールユニット20は、図示されないマイクロコンピュータ等を内蔵して構成されており、例えばエンジン回転数センサ23で検出されたエンジン回転速度NE、アクセル操作量センサ24で検出されたアクセル操作量ACC、スロットル開度センサ25で検出されたスロットル開度等に基づいて、独自の演算処理に応じ、或いはATコントロールユニット21やABS/TCSコントロールユニット11からの要求信号や情報信号に応じて、燃料噴射装置、所謂インジェクタのON/OFF及びそのタイミングと燃料噴射量や、スロットル制御モータ10によるスロットルバルブ9のスロットル開度等を調整して空燃比や吸気量を調整することで、エンジン1の回転状態を制御して、これによりスムーズな加速感や必要にして十分な減速感を得たり、点火時期やアイドル回転数等を車両の状態に応じて最適制御したりする。
図2は、ABS/TCSコントロールユニット11による砂地検出のための演算処理の手順を示す。なお、この演算処理では、特に通信のためのステップを設けていないが、演算処理装置で算出された演算結果は随時記憶装置に記憶され、記憶装置に記憶されている情報は随時演算処理装置のバッファ等に伝達記憶されるようになっている。例えば、この演算処理は、10msec.程度の所定制御時間ΔT毎にタイマ割り込み処理によって実行される。
図2に示すように、処理を開始すると、先ずステップS1において、アクセル操作量センサ24で検出されたアクセル操作量ACCを基に、アクセル開度が0よりも大きいか否かを判定する。すなわち、運転者がアクセル操作をしているか否かを判定する。ここで、アクセル開度が0よりも大きい場合(アクセル開度>0)、ステップS2に進み、アクセル開度が0の場合(アクセル開度=0)、すなわち、運転者がアクセル操作をしていない場合、ステップS8に進む。
ステップS2では、四輪駆動状態か否かを判定する。ここで、四輪駆動状態の場合、ステップS3に進み、四輪駆動状態でない場合、すなわち、前輪又は後輪のいずれかで駆動している場合(駆動方式がFF又はFRの場合)、ステップS6に進む。
ステップS3では、ストロークセンサ28〜31の検出値に基づいて、駆動輪のストローク速度が0以下か否かを判定する。ここで、図3に示すように、ストローク速度が負値の場合、ストローク(サスペンション)が伸びる(増加する)方向に車輪が変位(移動)していることを意味する。
このステップS3で、駆動輪のストローク速度が0以下の場合(ストローク速度≦0)、車両の走行路が砂地であるとして、ステップS4に進み、そうでない場合(ストローク速度>0)、車両の走行路が砂地でない、例えばアスファルト路面であるとして、ステップS5に進む。
なお、前左右輪のうちの少なくとも何れかの駆動輪のストローク速度が0以下であり、かつ後左右輪のうちの少なくとも何れかの駆動輪のストローク速度が0以下である場合に、駆動輪のストローク速度が0以下の場合であるとして、ステップS4に進む。
また、この処理では、駆動輪のストローク速度が0以下か否かを判定しているが、駆動輪のストローク速度が0未満か否かを判定することもできる。
ステップS4では、砂地判定用フラグFを1に設定する。そして、当該図2に示す処理を終了する。
ステップS5では、砂地判定用フラグFを0に設定する。そして、当該図2に示す処理を終了する。
一方、ステップS6では、ストロークセンサ28〜31の検出値に基づいて、駆動輪のストローク速度が0以下で、かつ従動輪のストローク速度の絶対値(|従動輪のストローク速度|)がしきい値A以下か否かを判定する。しきい値Aは、図4に示すように、駆動トルク(エンジントルク)とともに増加する。ここで、駆動輪のストローク速度が0以下で、かつ従動輪のストローク速度の絶対値がしきい値A以下の場合(駆動輪のストローク速度≦0かつ|従動輪のストローク速度|≦A)、ステップS7に進み、そうでない場合(駆動輪のストローク速度>0又は|従動輪のストローク速度|>A)、ステップS8に進む。
ステップS7では、砂地判定用フラグFを1に設定する。そして、当該図2に示す処理を終了する。
ステップS8は、前記ステップS1でアクセル開度が0の場合でもあり、このステップS8では、砂地判定用フラグFを0に設定する。そして、当該図2に示す処理を終了する。
以上のように、ABS/TCSコントロールユニット11による砂地検出のための演算処理を行う。なお、エンジンコントロールユニット20により、砂地検出のための演算処理を行うこともできる。
図5は、ABS/TCSコントロールユニット11によるトラクション制御のための演算処理の手順を示す。なお、この演算処理では、特に通信のためのステップを設けていないが、演算処理装置で算出された演算結果は随時記憶装置に記憶され、記憶装置に記憶されている情報は随時演算処理装置のバッファ等に伝達記憶されるようになっている。例えば、この演算処理は、10msec.程度の所定制御時間ΔT毎にタイマ割り込み処理によって実行される。
図5に示すように、処理を開始すると、先ずステップS21において、砂地判定用フラグFが1か否かを判定する。ここで、砂地判定用フラグFが1の場合、ステップS22に進み、砂地判定用フラグFが0の場合、ステップS25に進む。
ステップS25では、通常のトラクション制御を行う。すなわち、車輪のスリップ状態に基づいて駆動トルクを制御する。そして、当該図5に示す処理を終了する。
ステップS22では、上限エンジントルク(砂地用トラクション制御介入しきい値)Tを設定する。上限エンジントルクTは、駆動輪を駆動させるが、その駆動により駆動輪が砂地に対して滑らない又は砂地に沈み込むことがない程度の値として設定される。例えば、実験値や経験値により、又は車両諸元に基づいて上限エンジントルクTを設定する。さらに、車体速度Vに応じて上限エンジントルクTが変化するように設定する。例えば、図6に示すように、車体速度Vが大きくなるほど、上限エンジントルクTを大きくする。この車体速度Vに対する上限エンジントルクTの特性についても、実験値や経験値として得る。
ステップS23では、現在のエンジントルクが前記ステップS22で設定した上限エンジントルクTよりも大きいか否かを判定する。ここで、現在のエンジントルクが前記ステップS22で設定した上限エンジントルクTよりも大きい場合(現在のエンジントルク>T)、ステップS24に進み、そうでない場合(現在のエンジントルク≦T)、前記ステップS25に進む。
ステップS24では、砂地用トラクション制御を実施する。具体的には、実エンジントルク(駆動トルク)を上限エンジントルクTまで減少させる処理を行う。そして、当該図5に示す処理を終了する。
(動作)
動作は次のようになる。
先ず、砂地検出を行う。すなわち、アクセル開度が0よりも大きく、四輪駆動状態であり、かつ駆動輪のストローク速度が0以下の場合、砂地判定用フラグFを1に設定する(ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4)。また、アクセル開度が0よりも大きいが、四輪駆動状態でなければ、すなわち、駆動方式がFF又はFRのときには、駆動輪のストローク速度が0以下で、かつ従動輪がストローク速度の絶対値がしきい値A以下の場合、砂地判定用フラグFを1に設定する(ステップS1→ステップS2→ステップS6→ステップS7)。
一方、アクセル開度が0の場合、砂地判定用フラグFを0に設定する(ステップS1→ステップS8)。さらに、アクセル開度が0よりも大きいが、駆動輪のストローク速度が0以下でなければ、砂地判定用フラグFを0に設定する(ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5又はステップS1→ステップS2→ステップS6→ステップS8)。
そして、前記砂地検出結果(砂地判定用フラグFの設定結果)に応じたトラクション制御を行う。すなわち、砂地判定用フラグFが1の場合、上限エンジントルクTを設定し、現在のエンジントルクがその設定した上限エンジントルクTよりも大きければ、砂地用トラクション制御を実施する(前記ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24)。すなわち、砂地用トラクション制御として、上限エンジントルクTを越えないように実エンジントルクを制御する。また、現在のエンジントルクが上限エンジントルクT未満の場合、実エンジントルクを上限エンジントルクTまで減少させる処理を行うことなく、処理を終了する(前記ステップS21→ステップS22→ステップS23→処理終了)。一方、砂地判定用フラグFが0の場合、通常のトラクション制御を行う(前記ステップS21→ステップS25)。通常のトラクション制御では、車輪のスリップ状態に基づいて駆動トルクを制御する。
(作用及び効果)
作用及び効果は次のようになる。
前述のように、スロットル開度が0よりも大きく、駆動輪のストローク速度が0以下の場合(駆動輪のストレークがある速度で伸びる場合)、すなわち、運転者のアクセル操作に対応して駆動輪が駆動され、その駆動輪のストローク速度が0以下になる場合、車両の走行路が砂地であると判定している。これは、砂地で駆動輪が回転を開始すると(その回転が1回転に満たない場合でも)、該駆動輪が砂地に沈み始める。このとき、少なくとも駆動輪のストロークが伸びる方向に変化する(駆動輪のストロークが変化しないことを含む)。このように、駆動輪が回転直後に砂地に沈み始めたタイミングを、運転者のアクセル操作に対応して駆動された駆動輪のストローク速度が0以下になることを条件とすることで、検出している。これにより、駆動輪が砂地に沈み始める早い段階、又は駆動輪を1回転させるまでの間に、砂地の検出を可能している。
また、前述のように、駆動方式がFF又はFRの場合、従動輪のストローク速度の絶対値(|従動輪のストローク速度|)がしきい値A以下になることも条件として、車両の走行路が砂地である判定している。前述のように、走行路が砂地の場合、駆動輪は砂地に沈むようになるが、従動輪については、駆動輪の駆動が路面(砂地)に伝わり難くなっていることで、駆動輪の駆動による車体の荷重移動が少なくなることで、そのストローク速度の変化は0又はほぼ0になる。このようなことから、砂地で駆動輪が駆動され始めても、従動輪のストローク速度の絶対値(|従動輪のストローク速度|)がしきい値A以下になっていることを条件として含めて、砂地を判定している。これにより、より精度よく砂地の検出をすることができる。
また、そのしきい値Aについては、駆動トルクとともに増加している。これは、駆動トルクが増加すれば、駆動輪の駆動による車体の荷重移動も多くなっていく、すなわち、従動輪のストローク速度も多少変化をみせるようになる。このようなことから、駆動トルクとともにしきい値Aを増加させることで、そのような実情を踏まえて、砂地を判定できるようになる。これにより、より精度よく砂地の検出をすることができる。
また、しきい値Aをアスファルト路面等の通常の路面の走行時(特に発進時)に得られる従動輪のストローク速度(絶対値)よりも小さくしておくことで、アスファルト路面を砂地と誤判定してしまうのを防止できる。
また、前述のように、砂地用トラクション制御では、予め設定した上限エンジントルクTを越えないように実エンジントルクを制御している。そして、この上限エンジントルクTは、駆動輪を駆動させるが、その駆動により駆動輪が砂地に対して滑らない又は砂地に沈み込むことがない値である。これにより、砂地を検出したタイミングで上限エンジントルクTが設定されるので、砂地用トラクション制御は、砂地を検出した直後から、砂地に対して滑ることなく又は砂地に沈み込むことなく駆動輪を駆動させることができる。
また、上限エンジントルクTについては、車体速度Vとともに増加している。例えば、砂地走行では、車速がある程度のってきた場合、むしろその車速を抑制しないようにするのが好ましい。例えば、減速させてしまうと駆動輪が砂地に沈み込む可能性が大きくなるなどの理由からである。このようなことから、車体速度Vとともに上限エンジントルクTを増加させることで、そのような実情を踏まえた砂地用トラクション制御を実現できる。
なお、図7は、駆動方式(FF、FR、4WD)と車輪のストローク変位(変位方向)との関係を示す。
図7に示すように、駆動方式に関係なく、砂地であれば、駆動輪のストローク変位がストロークが伸びる方向に変化する。
なお、砂地以外の路面、例えばアスファルト路面では、駆動方式に関係なく、車両の進行側に位置する車輪(例えば前進するFF車であれば前輪)のストローク変位がストロークが伸びる方向に変化し、その反対側に位置する車輪(例えば前進するFF車であれば後輪)のストローク変位がストロークが縮む方向に変化する。これは、駆動力の変化により、車両において荷重移動が発生するからである。
例えば、このような図7に示す関係に基づいて走行路を判定することもできる。この場合、車両の進行方向を判定する車両進行方向判定手段と、車体に対する車輪の上下方向の移動を検出する車輪上下動検出手段と、前記車両進行方向判定手段の判定結果と前記車輪上下動検出手段の検出結果とに基づいて、車両の走行路状態を判定する走行路状態判定手段と、を備え、前記走行路状態判定手段は、前記進行方向判定手段が判定した車両進行方向側の車輪について、前記車輪上下動検出手段が下方向への移動を検出し、かつ前記進行方向判定手段が判定した車両進行方向とは反対側の車輪について、前記車輪上下動検出手段が上方向への移動を検出した場合、車両の走行路が砂地以外の路面、具体的には、砂地よりも路面摩擦係数が大きい路面であると判定し、それ以外の場合、車両の走行路が砂地であると判定する。ここで、車両進行方向判定手段及び走行路状態判定手段をABS/TCSコントロールユニット11により実現し、車輪上下動検出手段をストロークセンサ28〜31により実現する。
また、図8は、砂地で車両を発進させた際の駆動トルク(エンジントルク)Tの経時変化(同図の(a))及び車体速度Vの経時変化(同図の(b))を示す。図8において、実線は本発明(砂地用トラクション制御)を適用して得られる結果を示し、点線は従来(通常のトラクション制御)による結果を示す。
同図(a)に示すように、従来(点線)では、駆動トルクTがある値(スリップする駆動トルク)になってから(同図に示すB領域)、該駆動トルクTが抑制される。すなわち、ドライバが要求すると駆動トルク(ドライバ要求トルク)に応じて駆動トルクTを上昇させたときに駆動輪のスリップを検出した場合、該駆動トルクTを減少させている。これに対して、本発明を適用した場合(実線)、発進時に瞬時に砂地であることを検出し、設定した上限エンジントルクTを上限値として駆動トルクTを制御している。
このような駆動トルクTの変化に対応して、同図(b)に示すように、従来(点線)では、車体速度Vが一旦増加する(同図に示すB領域)。これに対して、本発明を適用した場合(実線)、発進直後から車体速度Vがそのような増加を示すことなく徐々に増加するようになる。
なお、前記実施形態を次のような構成により実現することもできる。
すなわち、前記実施形態では、車輪の上下方向の移動を車輪のストローク速度に基づいて得ている。これに対して、車輪のストローク量(変位量)、ストローク加速度(変位加速度)に基づいて車輪の下方向への移動を得ることもできる。また、車輪の移動をストロークセンサ以外の他の検出で検出することもできる。
また、前記実施形態では、駆動輪のストローク速度が0以下の場合、すなわち、駆動輪がそのストロークが伸びる方向に変位したとき、車両の走行路が砂地であると判定している。これに対して、ストローク速度が0以下であり、かつそのストローク速度(絶対値)がある程度の大きさになっていることを条件に、車両の走行路が砂地であると判定することもできる。
なお、前記実施形態の説明において、ABS/TCSコントロールユニット11のステップS1の処理は、駆動輪の駆動状態を検出する駆動状態検出手段を実現しており、ストロークセンサ28〜31は、車体に対する前記駆動輪の上下方向変位を検出する駆動輪上下動検出手段を実現しており、ABS/TCSコントロールユニット11のステップS3及びステップS4又はステップS6及びステップS7の処理は、前記駆動状態検出手段が駆動輪が駆動されたことを検出し、かつ前記駆動輪上下動検出手段が前記駆動輪の下方向への変位を検出した場合、車両の走行路が砂地であると判定する砂地判定手段を実現している。
また、ストロークセンサ28〜31は、車体に対する従動輪の上下方向の移動を判定する従動輪上下動判定手段を実現している。
また、ABS/TCSコントロールユニット11は、駆動輪の駆動状態を制御する駆動制御手段を実現しており、ABS/TCSコントロールユニット11のステップS21の処理は、車両の走行路状態を検出する走行路状態検出手段を実現しており、ABS/TCSコントロールユニット11のステップS22〜ステップS24の処理は、前記駆動制御手段が、前記走行路状態検出手段が走行路が砂地であることを検出した場合、前記駆動輪の駆動トルクが、砂地に対して駆動輪が滑らないような駆動トルク相当に設定したしきい値を越えないように、該駆動トルクを制御することを実現している。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を説明する。
(構成)
第2の実施形態は、砂地用のトラクション制御の作動を運転者の手動によりオン及びオフするためのスイッチを備えている。すなわち、前記第1の実施形態では、ストロークセンサの検出値に基づいて車両の走行路状態を検出し、砂地を検出した場合、砂地用のトラクション制御を作動させており、これに対して、第2の実施形態では、運転者による手動操作で砂地用のトラクション制御を作動させている。
図9は、第2の実施形態の車両の構成を示す。
図9に示すように、第2の実施形態の車両の基本的構成は、前記図1に示した第1の実施形態の車両の構成と同一であるが、第2の実施形態の車両では、特に、砂地用のトラクション制御の作動を手動操作するためのスイッチ41を備えている。なお、以下の説明では、第2の実施形態の車両において、前記第1の実施形態の車両の構成と同一符号を付してある構成については、特に言及しない限りは同一である。
図10は、第2の実施形態の車両における処理手順を示す。
図10に示す第2の実施形態における処理手順の基本的な部分は、前記図1に示した第1の実施形態における処理手順と同一であるが、第2の実施形態の処理では、特に、前記ステップS21に換えてステップS31を設けている。なお、以下の説明では、第2の実施形態の処理において、前記第1の実施形態の処理と同一符号を付してあるものについては、特に言及しない限りは同一である。
ステップS31では、スイッチ41がオン操作されているか否かを判定する。ここで、スイッチ41がオン操作されている場合、ステップS22に進み、スイッチ41がオン操作されていない場合(オフ状態の場合)、ステップS25に進む。ステップS22以降の処理又はステップS25以降の処理は、前記第1の実施形態と同様な処理になる。
(動作)
これにより、特に第2の実施形態では、スイッチ41が運転者によりオン操作されている場合、上限エンジントルクTを設定し、現在のエンジントルクがその設定した上限エンジントルクTよりも大きければ、砂地用トラクション制御を実施する(前記ステップS31→ステップS22→ステップS23→ステップS24)。一方、スイッチ41がオフ状態の場合、通常のトラクション制御を行う(前記ステップS31→ステップS25)。
(作用及び効果)
これにより、運転者による手動操作で砂地用のトラクション制御の作動状態をオン及びオフさせることができるようになり、運転者の感覚に合致させて砂地用のトラクション制御を作動させることができる。これにより、例えば、ストロークセンサの検出値に基づいて砂地を検出できないような状況下でも、運転者の判断で砂地用のトラクション制御を作動させることができるようになり、最適な状況や最適タイミングで砂地用のトラクション制御を作動させることができる。
また、前記第2の実施形態では、ストロークセンサに換えて、スイッチ41を設けているが(前記図9参照)、ストロークセンサとスイッチ41とを同時に備えていても良い。これにより、例えば、ストロークセンサの検出値に基づいて砂地を検出して、砂地用のトラクション制御を作動させ、その後、運転者の判断で、スイッチ41を操作することで、該砂地用のトラクション制御をオフ状態にすることが可能になる。これにより、砂地用のトラクション制御の作動状態を運転者の感覚に合致させることができる。
なお、前記第2の実施形態の説明において、スイッチ41は、前記駆動制御手段による制御の作動状態を手動操作でオン及びオフするための操作手段を実現している。
本発明の第1の実施形態の車両の構成を示す概略構成図である。 ABS/TCSコントロールユニットによる砂地検出のための演算処理のフローチャートである。 ストローク速度の説明に使用した図である。 駆動トルク(エンジントルク)としきい値Aとの関係を示す特性図である。 ABS/TCSコントロールユニットによるトラクション制御のための演算処理の手順を示す。 車体速度Vに応じて上限エンジントルクTとの関係を示す特性図である。 駆動方式と車輪のストローク変位との関係を示す特性図である。 砂地で車両を発進させた際の駆動トルクTの経時変化((a))及び車体速度Vの経時変化((b))を示す。 本発明の第2の実施形態の車両の構成を示す概略構成図である。 第2の実施形態における、ABS/TCSコントロールユニットによるトラクション制御のための演算処理の手順を示す。
符号の説明
1 エンジン、2 自動変速機、3,4はドライブシャフト、5,6 前輪(駆動輪)、
7,8 後輪(従動輪)、9 スロットルバルブ、10 スロットル制御モータ、11 ABS/TCSコントロールユニット、12,13 車輪速度センサ、14,15 車輪速度センサ、20 エンジンコントロールユニット、21 自動変速機コントロールユニット、23 エンジン回転数センサ、28〜31 ストロークセンサ、41 スイッチ

Claims (7)

  1. 駆動輪の駆動状態を検出する駆動状態検出手段と、
    車体と前記駆動輪との間の上下方向距離の変化である前記駆動輪の上下方向の移動を検出する駆動輪上下動検出手段と、
    前記駆動状態検出手段が前記駆動輪が非駆動状態から駆動されたことを検出し、かつ前記駆動輪上下動検出手段が前記車体に対する前記駆動輪の下方向への移動を検出した場合、車両の走行路が砂地であると判定する砂地判定手段と、
    を備えることを特徴とする走行路判定装置。
  2. 車体に対する従動輪の上下方向の移動を判定する従動輪上下動判定手段をさらに備え、前記砂地判定手段は、前記駆動状態検出手段が前記駆動輪が非駆動状態から駆動されたことを検出し、かつ前記駆動輪上下動検出手段が前記駆動輪の下方向への移動を検出した場合において、前記従動輪上下動判定手段が前記従動輪が上下方向で位置が維持されていると判定したとき、車両の走行路が砂地であると判定することを特徴とする請求項1に記載の走行路判定装置。
  3. 前記駆動輪上下動検出手段は、前記駆動輪の上下方向の変位速度及び変位加速度のうちの少なくとも何れかに基づいて、前記駆動輪の下方向への移動を検出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の走行路判定装置。
  4. 前記従動輪上下動判定手段は、前記従動輪の上下方向の変位速度及び変位加速度のうちの少なくとも何れかが、該変位速度又は変位加速度に対応して設定したしきい値未満となる場合、前記従動輪が上下方向で位置が維持されていると判定することを特徴とする請求項2に記載の走行路判定装置。
  5. 車速が大きくなるほど、前記しきい値を大きくすることを特徴とする請求項4に記載の走行路判定装置。
  6. 駆動輪の駆動状態を制御する駆動制御手段と、
    車両の走行路状態を検出する走行路状態検出手段と、を備え、
    前記走行路状態検出手段は、前記駆動輪の駆動状態を検出する駆動状態検出手段と、車体と前記駆動輪との間の上下方向距離の変化である前記駆動輪の上下方向の移動を検出する駆動輪上下動検出手段と、前記駆動状態検出手段が前記駆動輪が非駆動状態から駆動されたことを検出し、かつ前記駆動輪上下動検出手段が前記駆動輪の下方向への移動を検出した場合、車両の走行路が砂地であると判定する砂地判定手段と、を備え
    前記駆動制御手段は、前記走行路状態検出手段が走行路が砂地であることを検出した場合、前記駆動輪の駆動トルクが、砂地に対して駆動輪が滑らないような駆動トルク相当に設定したしきい値を越えないように、該駆動トルクを制御することを特徴とする車両の駆動制御装置。
  7. 駆動輪が非駆動状態から駆動されたことを検出し、かつ車体と前記駆動輪との間の上下方向距離の変化から前記駆動輪の下方向への移動を検出することで、走行路が砂地と判定された場合、砂地に対して駆動輪が滑らないような駆動トルク相当に予め設定したしきい値を駆動輪の駆動トルクが越えないように、該駆動トルクを制御することを特徴とする車両の駆動制御方法。
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