JP4269901B2 - 車両挙動制御装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、車両走行時の車体の振動状態を推定可能し、車体の振動を抑制する車両挙動制御装置等に関する。
従来より、例えば、特許文献1に開示されているように、車両の駆動系が共振した際に、駆動系の軸に出力するトルクを制御することで、該共振を抑制する装置があることが知られている。
この装置は、車速、トルク指令値等がどのような領域にあるときに共振が発生するかを予め実験的に定めてマップデータとしたものを有し、そのマップデータに基づいて車両に共振が発生しているか否かを推定する。そして、前輪駆動系あるいは後輪駆動系の軸が共振していると推定した場合には、共振の発生が推定された駆動系の軸に出力するトルクを減少させる一方、共振の発生が推定されなかった駆動系の軸に出力するトルクを増加させることで、前後輪トルク比を変動させ、それにより共振を抑制させる。
特開2002−78110
上記特許物件1に記載の発明は、ある車輪や軸に発生する振動はその軸に作用させた駆動力により生じたり変動したりする、という考え方に基づいている。
しかし、現実には車輪や軸の振動は他の部位の動きと密接な関係を持っており、他の部位の動作の影響を受けて振動する場合がある。すなわち、車輪の軸上にはばねを介して車体が配置されており、車体の位置が上下動するとばねが伸縮して車輪に作用する上下方向の力、所謂各輪の接地荷重が変動するが、これにより車輪や軸の回転方向の力も変化せしめられるので、それにより振動が発生する。
具体的には、自動車が加速している状態では相対的に車体の前部が持ち上げられ、後部が沈められるような動作を生じる。同様に減速している状態では、車体の前部が沈められ、後部が持ち上げられるような動作を生じる。これにより各輪やその軸に作用する力が変化して振動する。さらに各輪やその軸に作用する力が変化すると、車体も振動するので、軸と車体がお互いに影響を及ぼし合いながら振動することとなる。
これらの振動を防止するには、例えば、車輪や軸とそれ以外の自動車の部位との関係を逐一明確にし、それに基づいて駆動力を調整する、といった方法がありうるが、自動車の構造は複雑なので、各部位間の関係全てを明確にしてそれらを補償するのは極めて困難である。このため、振動を生じせしめる原因を統一的に扱うことができる視点を設定し、それに基づいた補償を実施することが望ましい。
そこで、本発明は、自動車各部位の振動を生ぜしめる原因を統一的に扱うことで、簡単な処置により自動車各部位の振動を好適に抑制できる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両挙動制御装置では、駆動トルク検出手段が、車両に駆動力を付与する駆動力付与手段から駆動軸に出力される駆動トルクを検出し、路面伝達トルク検出手段が、駆動軸から伝達される駆動トルクに基づき駆動される車両の駆動輪が路面に伝達する路面伝達トルクを検出する。そして、比較手段が、上記のように検出
された駆動トルクと路面伝達トルクとを比較する。
ここでいう駆動トルクは、駆動力付与手段が発生するエネルギーを反映するものであり、路面伝達トルクは駆動力付与手段で発生した駆動力のうち自動車の前後、横、回転の各運動に有効に使われているエネルギーを反映するものである。
そして、駆動トルクと路面伝達トルクの差がそれ以外、すなわち、例えば、車体や軸(駆動軸を含む)等の自動車各部位の振動等、望ましくない形で消費されているエネルギーに対応する。
従って、駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさを小さくできれば(好ましくはこの差を無くしてしまえば)、その原因によらず自動車各部位の振動に消費されているエネルギーを小さくできるので(好ましくは無くすことができるので)、振動という現象そのものを抑制することが可能となる。
本発明では、比較手段が、駆動力付与手段から駆動軸に出力されるエネルギーに対応する駆動トルクと、自動車の前後、横、回転の各運動に有効に使われているエネルギーに対応する路面伝達トルクとを比較するが、上述のように、両者の差は自動車各部位の振動のために消費されるエネルギーに対応するものである。
よって、本発明によれば、自動車各部位の振動の状態を好適に評価することが可能となる。そして、このように好適に評価された振動状態に基づき駆動力付与手段からの駆動トルクを調整するなどの車両状態制御を行なえば、自動車各部位の振動を好適に抑制できることになる。
比較手段の具体的態様としては、駆動トルクが路面伝達トルクよりも大きいか否かを判断するものであっても良い。この場合は、駆動トルクが路面伝達トルクよりも大きいと判断されたときを、自動車各部位での振動が発生している状態と推定できる。
また、比較手段としては、駆動トルクと路面伝達トルクとの差(トルク差)を算出するものであっても良い。この場合は、得られるトルク差が自動車各部位の振動のために消費されるエネルギーに対応するものであることから、自動車各部位の振動の程度を定量的に評価可能となる。
本発明の車体挙動推定装置では、車両の各駆動輪の回転速度を夫々検出する駆動輪回転速度検出手段、各駆動輪から出力されるトルクである駆動輪トルクを夫々検出する駆動輪トルク検出手段、及び、車両の車体速度を検出する車体速度検出手段、が設けられていても良い。
そして、本発明において、路面伝達トルク検出手段は、路面伝達トルクを検出できるよう構成されたものであれば、特定のものに限定されないが、例えば、次のように構成されていても良い。
つまり、路面伝達トルク検出手段は、上記の駆動輪回転速度検出手段、駆動輪トルク検出手段、及び、車体速度検出手段により検出された各駆動輪の回転速度、駆動輪トルク、車両の車体速度を用いて、下記演算式
Td_tire=(Tdr・Vwdr+Tdl・Vwdl)/Vd
(但し、Td_tire:路面伝達トルク、Tdr:右側駆動輪の駆動輪トルク、Vwdr:右側駆動輪の回転速度、Tdl:左側駆動輪の駆動輪トルク、Vwdl:左側駆動輪の回転速度、Vd:車両の車体速度)
に基づき、路面伝達トルクを推定するものであっても良い。
なお、車体速度検出手段は特定のものに限定されないが、車両が、前輪駆動車両、後輪駆動車両といった従動輪を有するものである場合には、車体速度検出手段を次のように構成しても良い。
つまり、本発明の車両挙動制御装置に、車両の各従動輪の回転速度を夫々検出するため、従動輪回転速度検出手段を設ける。そして、車体速度検出手段を、従動輪回転速度検出手段により検出された各従動輪の回転速度の平均値を車体速度として検出するものとして構成する。このようにすれば、適切に車体速度検出値を得ることができる。
また、本発明の車両挙動制御装置において、駆動軸に出力される駆動トルクは、駆動力付与手段から変速機を介して駆動軸に出力されるよう構成されていても良い。
この場合、駆動トルク検出手段は、特定のものに限定されないものの、例えば、次のように構成されていても良い。
すなわち、まず、本発明の車両挙動制御装置に、駆動力付与手段の出力トルクを検出する出力トルク検出手段や、変速機の変速比を検出する変速比検出手段を設ける。そして、駆動トルク検出手段を、検出された出力トルクと変速比に基づき、駆動軸に出力される駆動トルクを推定するものとして構成する。このようにすれば、駆動トルクを適切に検出可能となる。
一方、本発明の車両挙動制御装置では、駆動トルク調整手段が、上記の駆動トルク検出手段や路面伝達トルク検出手段により検出された駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさが小さくなるよう駆動力付与手段から駆動軸に出力される駆動トルクを調整する。
また、本発明の車両挙動制御装置は、上述の駆動トルク検出手段と、路面伝達トルク検出手段と、駆動トルク検出手段により検出された駆動トルクと路面伝達トルク検出手段により検出された路面伝達トルクとの差の大きさが小さくなるよう駆動力付与手段から駆動軸に出力される駆動トルクを調整する駆動トルク調整手段と、を備えたものであっても良い。
このように構成された本発明の車両挙動制御装置によれば、自動車各部位の振動を好適に抑制できる。
つまり、上述したように、自動車各部位の振動等の望ましくない形で消費されるエネルギーは、駆動トルク検出手段により検出される駆動トルクと、路面伝達トルク検出手段により検出される路面伝達トルクとの差に対応した大きさを有している。
よって、本発明の車両挙動制御装置のように、駆動トルク調整手段が、駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさが小さくなるよう駆動力付与手段からの駆動トルクを調整すれば、自動車各部位の振動のために消費されるエネルギーがその調整分だけ小さくなる。そして、結果的に、自動車各部位での振動が好適に低減される。
上述の比較手段を備えた本発明の車両挙動制御装置では、比較手段により駆動トルクが路面伝達トルクよりも大きいと判断された際に、駆動トルク調整手段が、駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさが小さくなるよう駆動力付与手段からの駆動トルクを調整するものであることが好ましい。
つまり、まず、理論的には、駆動トルクが路面伝達トルクよりも小さくなることはあり得ない。これは、駆動トルクが、駆動力付与手段から駆動軸に出力されるエネルギーに対応するものであり、路面伝達トルクが、この駆動力付与手段より駆動軸に出力されたエネルギーのうち自動車の前後、横、回転の各運動に有効に使われているエネルギーに対応するものであるため明らかである。
しかし、実際には、駆動トルクや路面伝達トルクの検出誤差により、検出値上、駆動トルクが路面伝達トルクよりも小さくなることがあり得る。
このようなことが起こるのは、例えば、上述のように、路面伝達トルクTd_tireを「(Tdr・Vwdr+Tdl・Vwdl)/Vd」に等価なものとして検出する場合では、駆動輪がホイールスピンを起こした場合が考えられる。駆動輪がホイールスピンすると、駆動輪の回転速度Vwdr、Vwdlが車体の走行速度である車体速度Vdに対応しない非常に大きなものとして検出され、Td_tireが実際の路面伝達トルクに比べて大きなものとして検出されるからである。
従って、駆動トルク調整手段により、検出値上の駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさが小さくなるよう、駆動力付与手段からの駆動トルクを調整するのは、自動車各部位での振動を適切に抑制させる観点から、駆動トルクや路面伝達トルクが比較的正確なものとして検出された場合、すなわち、少なくとも、比較手段により、検出値上、駆動トルクが路面伝達トルクよりも大きいと判断された場合、とするのが望ましい。
本発明の車両挙動制御装置において、駆動トルク調整手段は、車両の車体加速度を検出し、該検出した車体加速度に基づき、駆動力付与手段からの駆動トルクを調整するものであっても良い。
具体的には、例えば、駆動トルク調整手段は、検出した車体加速度に基づき車両が加速状態にあるか減速状態にあるかを判断し、車両が加速状態にあると判断した際には、駆動力付与手段からの駆動トルクを下げることで、駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさを小さくさせるものであっても良い。
例えば、[発明が解決しようとする課題]の項に記載したように、車両が加速している場合には、車体の前部が持ち上げられるような揺れが発生し得るが、このような場合に、上記のように駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさが小さくなる程度に駆動力付与手段からの駆動トルクを下げれば、下げない場合に比べ、車体の前部の持ち上がり量が小さくなる。つまり、自動車各部位での振動が好適に抑制される。
また、例えば、駆動トルク調整手段は、検出した車体加速度に基づき車両が減速状態にあると判断した際には、駆動力付与手段からの駆動トルクを上げることで、駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさを小さくさせるものであっても良い。
例えば、[発明が解決しようとする課題]の項に記載したように、車両が減速している場合には、車体の後部が持ち上げられるような揺れが発生し得るが、このような場合に、上記のように駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさが小さくなる程度に駆動力付与手段からの駆動トルクを上げれば、上げない場合に比べ、車体の後部の持ち上がり量が小さくなる。つまり、この場合も自動車各部位での振動が好適に抑制される。
なお、上記のうちいずれかの車両挙動制御装置における駆動トルク検出手段、路面伝達トルク検出手段、及び比較手段は、コンピュータを機能させるプログラムとして実現できる。また、上記のうちいずれかの車両挙動制御装置における駆動トルク検出手段、路面伝達トルク検出手段、比較手段、及び駆動トルク調整手段を、コンピュータを機能させるプログラムとして実現しても良い。更に、上記のうちいずれかの車両挙動制御装置における
駆動トルク検出手段、路面伝達トルク検出手段、及び駆動トルク調整手段を、コンピュータを機能させるプログラムとして実現しても良い。
そして、このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより用いることができる。また、ネットワークを介してロードして起動することにより用いることもできる。
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態をとり得る。
図1は、実施例の車両挙動制御装置の構成が示されたブロック図である。なお、本実施例は、本発明の車両挙動推定装置、車両挙動制御装置がフロントエンジン・リアドライブ(FR)方式の車両に適用された例を示す。
図1に示す如く、この車両では、駆動力付与手段としてのエンジン11(内燃機関等)から出力された出力トルクが、変速機としての自動変速機13(多段変速機;以下単に「AT」という。)を介して、駆動軸15に駆動トルクとして出力される。駆動軸15に出力された駆動トルクは、LSD(Limited Slip Differential;作動制限装置)等のディファレンシャルギヤ17を介して左右の後輪(駆動輪)(左後輪19RL、右後輪19RR)に分配される。
この車両の各車輪(従動輪である左前輪19FLと右前輪19FR、駆動輪である左後輪19RLと右後輪19RR)には、各車輪19FL〜19RRに制動力を付与する油圧式ブレーキ装置21FL、21FR、21RL、21RRが夫々設けられている。
ブレーキ装置21FL〜21RRは、運転者によるブレーキペダル(図示省略)操作や後述のS190の処理(図3参照)等に対応したブレーキECU55(後述)からの制御信号に基づき駆動される。
また、各車輪19FL〜19RRには、各車輪19FL〜19RRの回転速度を検出するための車輪速度センサ23FL、23FR、23RL、23RRが夫々設けられている。このうち、駆動輪19RL、19RR用の車輪速度センサ23RL、23RRは、本発明の駆動輪回転速度検出手段に相当し、従動輪19FL、19FR用の車輪速度センサ23FL、23FRは、本発明の従動輪回転速度検出手段に相当する。
この車両には、エンジン11、AT13、ブレーキ装置21FL〜21RRを夫々制御するためのエンジンECU51、ATECU53、ブレーキECU55が設けられている。また、この車両には、ステア角センサ25により検出される、運転者のステアリング操作時の操舵角に基づき、操舵輪である従動輪19FL、19FRの舵角を変更するアクチュエータ28に舵角変更のための制御信号を出力するステアリングECU57、カーエアコン35の動作制御を行うエアコンECU59も設けられている。
このうち、エンジンECU51は、エンジン11の回転数を検出するエンジン回転数センサ27、エンジン11への吸入空気の流量を検出する吸入空気量センサ29からの検出信号を入力できるよう構成されている。また、エンジンECU51は、エンジン11の出力トルクの一部を用いて車載バッテリ31の充電を行うオルタネータ33に制御信号を出力できるようにも構成されている。ATECU53は、運転者が操作するシフトレバー(図示省略)の操作位置(シフト位置)を検出するシフトポジションスイッチ(図示省略)等からの検出信号を入力できるよう構成されている。また、ブレーキECU55は、運転者のブレーキペダル操作に応じてブレーキ油を圧送するマスタシリンダ(図示省略)の油圧を検出するマスタシリンダ圧センサ(図示省略)等の他、車輪速度センサ23FL〜23RRからの検出信号を入力できるよう構成されている。
この車両には、更に、上記のエンジンECU51、ATECU53、ブレーキECU55、ステアリングECU57、エアコンECU59に対して動作指針情報を送信する車両統括ECU61が設けられている。
車両統括ECU61は、当該車両統括ECU61以外の各ECU51、53、55、57、59から当該車両統括ECU61を含む各ECU51、53、55、57、59、61間を接続する信号ラインLを介して入力される車両状態を特定する各データ(上記の各センサ検出値等)に基づき、車両の各構成要素に対する動作指針情報を統括的に生成し、各ECU51、53、55、57、59に送出する。この構成により、この車両では、車両全体として最適な制御が実現される。
なお、各ECU51、53、55、57、59、61は、夫々、マイクロコンピュータを中心に電子制御装置として構成されたものであり、CPU、ROM、RAM等を備えた構成を有している。
次に、これら各ECU51、53、55、57、59、61において実行される制御処理について説明する。
図2は、各ECU51、53、55、57、59、61において実行される制御処理を機能ブロックで表すブロック図である。同図に示すように、本実施例では、車両統括ECU61に、車両制御コーディネータ71、車両運動コーディネータ73、運動系動作指針発生部75、駆動系コーディネータ77、駆動系動作指針発生部79が搭載されている。また、車両統括ECU61以外の各ECU51、53、55、57、59には、エンジン11、AT13、ブレーキ装置21FL〜21RR、アクチュエータ28、カーエアコン35の動作制御を行うためのエンジン制御コンポーネント91、AT制御コンポーネント93、ブレーキ制御コンポーネント95、ステアリング制御コンポーネント97、エアコン制御コンポーネント99が夫々設けられている。
この構成においては、各コンポーネント91、93、95、97、99で検出された車両制御のための情報が車両統括ECU61に入力され、該情報を必要とする車両統括ECU61内の各構成要素間で共有される。
車両制御のための情報は、例えば、次のようにして各コンポーネントから送出され車両統括ECU61に入力される。
まず、エンジン制御コンポーネント91は、エンジン回転数センサ27、吸入空気量センサ29からの検出信号に基づき、エンジン回転数、吸入空気量を算出すると共に、オルタネータ33の作動状態を示す情報をオルタネータ33から入力し、これらの情報(エンジン回転数、吸入空気量、オルタネータ33の作動状態情報)を車両統括ECU61に送出する。AT制御コンポーネント93は、シフトポジションスイッチからの検出信号等に基づき、AT13による変速比を算出し、これを車両統括ECU61に送出する。ブレーキ制御コンポーネント95は、車輪速度センサ23FL〜23RRからの検出信号に基づき各車輪19FL〜19RRの回転速度を検出し、これを車両統括ECU61に送出する。また、エアコン制御コンポーネント99は、カーエアコン35の作動状態を示す情報をカーエアコン35から入力し、これを車両統括ECU61に送出する。
車両統括ECU61では、車両制御コーディネータ71が、上記の各コンポーネント91、93、95、97、99からの情報を受けて、車両運動コーディネータ73と駆動系コーディネータ77との間の協調制御を行う。そして、車両運動コーディネータ73は、車両制御コーディネータ71からの指示に応じて、当該コーディネータ73に接続されたブレーキ制御コンポーネント95やステアリング制御コンポーネント97に対して、動作指針情報を送出する。この際に送出される動作指針情報は車両制御コーディネータ71からの指示に応じて運動系動作指針発生部75にて生成される。また、同様に、駆動系コーディネータ77は、車両制御コーディネータ71からの指示に応じて、当該コーディネータ77に接続されたエンジン制御コンポーネント91、AT制御コンポーネント93、エアコン制御コンポーネント99に対して、動作指針情報を送出する。この際に送出される動作指針情報は車両制御コーディネータ71からの指示に応じて駆動系動作指針発生部79にて生成される。動作指針情報を受けた各コンポーネント91、93、95、97、99は、当該各コンポーネントの制御対象を当該動作指針情報に応じて制御する。
次に、車両統括ECU61の構成要素であるCPUが当該ECU61中のROMに格納されたプログラムに基づいて車両走行時に繰り返し実行する制御処理のうちの1つである車両振動抑制処理につき、図3を用いて詳細に説明する。
図3に示すように、車両振動抑制処理が開始されると、まず、S110にて、ブレーキECU55(ブレーキ制御コンポーネント95)から右側駆動輪19RRの回転速度Vwdrと左側駆動輪19RLの回転速度Vwdlを入力する。
そして、続くS120では、車両の走行速度である車体速度Vdを検出する。ここでは、例えば、ブレーキECU55(ブレーキ制御コンポーネント95)から右側従動輪19FRの回転速度Vwcrと左側従動輪19FLの回転速度Vwclを入力し、これらの回転速度Vwcr、Vwclの平均値を車体速度Vdとして検出する処理が実行される。
次に、S130では、S120で検出された車体速度Vdの微分演算を行うこと等により車体加速度dVdの検出を行う。
続くS140では、エンジン11からAT13を介して駆動軸15に出力される駆動トルクTDの検出を行う。この処理は、例えば、次のように実行される。
まず、エンジンECU51(エンジン制御コンポーネント91)からエンジン回転数とエンジン11への吸入空気量を入力する。
次に、入力されたエンジン回転数、吸入空気量に基づきエンジン11の出力トルク(換言すれば、エンジン11からAT13の入力軸に入力されるトルク;以下、「エンジン出力トルク」ともいう。)を算出する。この算出は、例えば、予め車両統括ECU61のROMに登録された、エンジン回転数、吸入空気量とエンジン出力トルクとの関係を示したマップデータに基づいて行っても良い。
次に、ATECU53(AT制御コンポーネント93)からAT13による変速比を入力する。そして、エンジン出力トルクと変速比とを乗算することにより駆動トルクTDを得る。
次のS150では、駆動トルクTDに基づき、右側駆動輪19RRから出力されるトルクである右側駆動輪トルクTdrと、左側駆動輪19RLから出力されるトルクである左側駆動輪トルクTdlとを算出する。これらの駆動輪トルクTdr、Tdlは、例えば、S140で得られた駆動トルクTDに予め定められたディファレンシャルギヤ17の挙動を考慮した機械損失を乗算することにより夫々算出される。
次に、S160では、S150で検出された駆動輪トルクTdr、Tdlに対応して駆動輪19RL、19RRが路面に伝達するトルクである路面伝達トルクTd_tireを検出する。
この処理では、例えば、S110で得られた駆動輪19RR、19RLの回転速度Vwdr、Vwdl、S120で得られた車体速度Vd、S150で得られた駆動輪トルクTdr、Tdlを用いた下記式(1)に基づき路面伝達トルクTd_tireが算出される。
Td_tire=(Tdr・Vwdr+Tdl・Vwdl)/Vd …(1)
そして、続くS170では、S140で得られた駆動トルクTDとS160で得られた路面伝達トルクTd_tireとを比較する。具体的には、駆動トルクTDが路面伝達トルクTd_tireよりも大きいか否かの判断を行う。
S170で駆動トルクTDが路面伝達トルクTd_tireよりも大きいと判断した場合(S170:YES)には、S180に移行する一方、駆動トルクTDが路面伝達トルクTd_tire以下と判断された場合(S170:NO)には、S210に移行する。なお、S170で肯定判断を行う際(S170:YES)には、S170で駆動トルクTDと路面伝達トルクTd_tireとのトルク差ΔT(=TD−Td_tire)を算出した上、S180に移行しても良い。但し、トルク差ΔTについては、後述のS190、S200で個別に算出しても良い。
本実施例では、このように駆動トルクTDと路面伝達トルクTd_tireとを比較することにより、自動車各部位の振動の状態を好適に推定できる。その理由は次の通りである。
エンジン11からAT13を介して駆動軸15に出力されるエネルギーに関しては、その一部が自動車の前後、横、回転の各運動に有効に使われるが、残りは車体や軸(駆動軸15を含む)等の自動車各部位の振動等、望ましくない形で消費される。
このことから、自動車各部位の振動のために消費されるエネルギーは、エンジン11からAT13を介して駆動軸15に出力されるエネルギーに対応する駆動トルクTDと自動車の前後、横、回転の各運動に有効に使われるエネルギーに対応する路面伝達トルクTd_tireとのトルク差ΔTに対応したものと推定できる。
よって、S170のようにTDとTd_tireの比較を行って、TDがTd_tireよりも大きいと判断されたときを、自動車各部位の振動が発生している状態と推定できる。
また、特に上記のようにS170で肯定判断を行う際(S170:YES)にTDとTd_tireの比較処理の一環として両者のトルク差ΔTを算出する場合においては、ΔTが自動車各部位の振動のために消費されるエネルギーに対応するものであることから、自動車各部位の振動の程度を定量的に評価可能となる。
なお、路面伝達トルクTd_tireが、エンジン11からAT13を介して駆動軸15に出力されたエネルギー(駆動トルクTDに対応)を部分的に自動車の前後、横、回転の各運動のために分配してなるエネルギーに対応するものであるという位置付けを考慮すると、理論的には、駆動トルクTDが路面伝達トルクTd_tireよりも小さくなることはあり得ない。
しかし、実際には、検出誤差により駆動トルクTDが路面伝達トルクTd_tireよりも小さくなることがあり得る。本実施例では、駆動輪19RR、19RLでホイールスピンが起きた場合にこのような事態となり得る。この場合には、S110で、駆動輪の回転速度Vwdr、Vwdlが、ホイールスピンにより、車体速度Vd(S120で検出)に対応しない非常に大きなものとして検出され、その結果、(1)式に基づき、路面伝達トルクTd_tireが実際の路面伝達トルクに比べて大きなものとして検出されるからである。
よって、本実施例では、上記の知見に基づき、駆動トルクTDと路面伝達トルクTd_tireが比較的正確に検出された場合、すなわち、少なくとも、S170で、駆動トルクTDが路面伝達トルクTd_tireよりも大きいと判断された場合にだけ、後述のS190、S200で両者のトルク差ΔTに基づく制御処理が実行されるよう構成している。
なお、駆動トルクTDと路面伝達トルクTd_tireとが等しくなる場合(ΔT=0であるため自動車各部位の振動が好適に抑制された状態と推定される場合)があり得るが、この場合は、トルク差ΔTが零(0)となる。この場合、S170で肯定判断(S170:YES)して、後述のS190、S200の処理が行われるようにしても良いが、上述したように、S190、S200の処理は、トルク差ΔTに基づく制御処理であるため、トルク差ΔTが零(0)の場合には、S190、S200で実質的な処理は行われないことになる。よって、本実施例では、トルク差ΔTが零(0)の場合、便宜上、S170で否定判断(S170:NO)して、S210に移行するものとして構成した。
S170で肯定判断(S170:YES)され、S180に移行すると、S130で得られた車体加速度dVdに基づき車両が加速状態にあるか減速状態にあるかを判断する。
そして、車体加速度dVdが0以上である場合には車両が加速状態にあると判断して(S180:YES)、S190に移行し、車体加速度dVdが0より小さい場合には車両が減速状態にあると判断して(S180:NO)、S200に移行する処理が行われる。
S190では、エンジン11からAT13を介して駆動軸15に出力される駆動トルク(以下、「エンジン11からの駆動トルク」あるいは単に「駆動トルク」という。)を低減させることで、TDとTd_tireとのトルク差ΔTの大きさを小さくさせる処理を行う。例えば、車両が加速状態にある場合には、車体の前部が持ち上げられるような揺れが発生し得る。そして、この振動のために消費されるエネルギーは、上述したように、トルク差ΔTに対応したものである。
よって、トルク差ΔTの大きさを小さくさせるべくエンジン11からの駆動トルクを低減させるS190の処理を行うことにより、自動車各部位の振動が好適に低減されることになる。
なお、エンジン11からの駆動トルクTDを過度に減少させると路面伝達トルクTd_tireも連動して減少してしまい、車両の加速性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
よって、S190では、路面伝達トルクTd_tireが連動して減少することのない程度に駆動トルクTDを減少させて、トルク差ΔTの大きさを小さくさせる処理が実行されることが望ましい。
そこで、実際には、路面伝達トルクTd_tireが連動して減少することができるだけ防がれるようS190での駆動トルク低減量は、例えば、α(TD−Td_tire)=α・ΔTに設定しておくと良い(αは、車両に応じて予め設定された係数)。
ここで、S190において駆動トルクTDを低減させるために実行される具体的処理としては種々のものが考えられる。
本実施例では、車両統括ECU61以外のECU51、53、55、57、59(コンポーネント91、93、95、97、99)から車両統括ECU61に入力される情報や、トルク差ΔTの大きさ、候補となる処理のうちいずれを行うかにつき予め定められた優先順位等に基づき、具体的処理内容が決定され実行される。
具体的には、例えば、エンジンECU51(エンジン制御コンポーネント91)からオルタネータ33による発電がなされていない旨、あるいは、オルタネータ33による発電量が比較的小さい旨の作動状態情報が入力されている場合には、バッテリ31の状態等に応じてオルタネータ33による発電量を現状よりも大きくする旨の動作指針情報をエンジンECU51に送出しても良い。
また、例えば、エアコンECU59(エアコン制御コンポーネント99)からカーエアコン35がON状態にある旨の作動状態情報が入力されている場合には、カーエアコン35を出力アップさせる旨の動作指針情報をエアコンECU59に送出しても良い。
また、例えば、ブレーキECU55(ブレーキ制御コンポーネント95)にブレーキ装置21FL〜21RRによる各車輪19FL〜19RRに制動力を増加させる旨の動作指針情報を送出しても良い。
このように、動作指針情報に基づき、オルタネータ33、カーエアコン35、ブレーキ装置21FL〜21RRのうちの少なくとも1つを作動させれば、エンジン11にかかる負荷がそれまでより大きくなり、エンジン11からの駆動トルクが低減される。
一方、S200に移行した場合は、エンジン11からの駆動トルクを上げることで、トルク差ΔTの大きさを小さくさせる処理を行う。例えば、車両が減速状態にある場合には、車体の後部が持ち上げられるような揺れが発生し得る。そして、この振動のために消費されるエネルギーも、上述したように、トルク差ΔTに対応したものである。
よって、トルク差ΔTの大きさを小さくさせるべくエンジン11からの駆動トルクを上げるS200の処理を行うことにより、自動車各部位の振動が好適に低減されることになる。
なお、エンジン11からの駆動トルクTDを過度に増加させると路面伝達トルクTd_tireも連動して増加してしまい、車両の減速性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
よって、S200では、路面伝達トルクTd_tireが連動して増加することのない程度に駆動トルクTDを増加させて、トルク差ΔTの大きさを小さくさせる処理が実行されることが望ましい。
そこで、実際には、路面伝達トルクTd_tireが連動して増加することができるだけ防がれるようS200での駆動トルクTD増加量は、例えば、β(TD−Td_tire)=β・ΔTに設定しておくと良い(βは、車両に応じて予め設定された係数)。
ここで、S200においてエンジン11からの駆動トルクTDを上げるために実行される具体的処理も種々のものが考えられる。
本実施例では、この点についても、車両統括ECU61以外のECU51、53、55、57、59から車両統括ECU61に入力される情報や、トルク差ΔTの大きさ、候補となる処理のうちいずれを行うかにつき予め定められた優先順位等に基づき、具体的処理内容が決定され実行される。
具体的には、例えば、エンジンECU51からオルタネータ33による発電がなされている旨の作動状態情報が入力されている場合には、バッテリ31の状態等に応じてオルタネータ33による発電量を現状よりも小さくする旨の動作指針情報をエンジンECU51に送出しても良い。
また、例えば、エアコンECU59(エアコン制御コンポーネント99)からカーエアコン35がON状態にある旨の作動状態情報が入力されている場合には、カーエアコン35を出力ダウンさせる旨の動作指針情報をエアコンECU59に送出しても良い。
このように、動作指針情報に基づき、オルタネータ33、カーエアコン35等のうちの少なくとも1つを作動させれば、エンジン11にかかる負荷がそれまでより小さくなり、駆動トルクTDは上がる。
一方、S170で否定判断(S170:NO)され、S210に移行した場合は、必要に応じてスリップ防止のためのトラクション制御が実行される。これは、上述のように駆動トルクTDが路面伝達トルクTd_tireよりも小さくなる場合として、駆動輪19RR、19RLでホイールスピンが起きた場合が考えられるためである。
そして、上記のようにS190、S200、S210のうちのいずれかの処理が実行されると、当該車両振動抑制処理が一旦終了され、再びS110から当該処理が実行される。
ここで、上記実施例においては、S120が車体速度検出手段としての処理に相当する。また、S140中のエンジン回転数、吸入空気量に基づきエンジン出力トルクを得る処理が出力トルク検出手段としての処理に相当し、同じS140中のATECU53からAT13による変速比を入力する処理が変速比検出手段としての処理に相当し、同じS140中のエンジン出力トルクと変速比とを乗算することにより駆動トルクTDを得る処理が駆動トルク検出手段としての処理に相当する。また、S150が駆動輪トルク検出手段としての処理に相当し、S160が路面伝達トルク検出手段としての処理に相当し、S170が比較手段としての処理に相当し、S130,S180〜S200が駆動トルク調整手段としての処理に相当する。
なお、上記実施例では、AT13が多段変速機であるとして説明したが、これは無段変速機(CVT;Continuously Variable Transmission)であってもよい。
この場合には、無段変速機の変速比を連続的に変えることで駆動トルクTDの滑らかな変更制御が可能となることから、S190、S200では、無段変速機の変速比を変更させる旨の動作指針情報をATECU53に送出することでトルク差ΔTの大きさを小さくさせても良い。
具体的には、S190では、無段変速機の変速比を小さくする(高速比側にする)旨の動作指針情報を送出することで、エンジン11からの駆動トルクを低減させても良い。また、S200においては、無段変速機の変速比を小さくする旨の動作指針情報を送出することで、エンジン11からの駆動トルクを増加させても良い。
また、S190、S200では、エンジン11への吸入空気量、燃料供給量を変化させる旨の動作指針情報をエンジンECU51に送出することでトルク差ΔTの大きさを小さくさせても良い。
また、上記実施例では、本発明をFR方式の車両に適用した場合について説明したが、FF、RR、MR等の他の方式の車両に適用しても良く、これらの場合も上記実施例と同様の効果が得られる。
更に、上記実施例では、ECUをハード的にエンジンECU51、ATECU53、ブレーキECU55、ステアリングECU57、エアコンECU59、車両統括ECU61に分割されているものとして説明したが、他の態様であっても良いのは勿論である。
また、上記実施例では、TDとTd_tireとを比較するS170の処理を行なうものを示したが、この処理は省いても良い。
実施例の車両挙動制御装置の構成が示されたブロック図である。 実施例の車両挙動制御装置を構成する各ECUにおいて実行される制御処理を機能ブロックで表すブロック図である。 実施例の車両振動抑制処理を表すフローチャートである。
符号の説明
11…エンジン、13…AT、15…駆動軸、21FL,21FR,21RL,21RR…ブレーキ装置、23FL,23FR,23RL,23RR…車輪速度センサ、27…エンジン回転数センサ、29…吸入空気量センサ、31…バッテリ、33…オルタネータ、35…カーエアコン、51…エンジンECU、53…ATECU、55…ブレーキECU、59…エアコンECU、61…車両統括ECU

Claims (9)

  1. 車両に駆動力を付与する駆動力付与手段から駆動軸に出力される駆動トルクを検出する駆動トルク検出手段と、
    前記駆動軸から伝達される前記駆動トルクに基づき駆動される前記車両の駆動輪が路面に伝達する路面伝達トルクを検出する路面伝達トルク検出手段と、
    前記車両の各駆動輪の回転速度を夫々検出する駆動輪回転速度検出手段と、
    該各駆動輪から出力されるトルクである駆動輪トルクを夫々検出する駆動輪トルク検出手段と、
    前記車両の車体速度を検出する車体速度検出手段と、
    前記検出された駆動トルクと路面伝達トルクとを比較する比較手段と、
    検出された駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさが小さくなるよう駆動力付与手段からの駆動トルクを調整する駆動トルク調整手段と、
    を備え、
    前記路面伝達トルク検出手段は、
    前記検出された各駆動輪の回転速度、駆動輪トルク、車両の車体速度を用いて、下記演算式
    Td_tire=(Tdr・Vwdr+Tdl・Vwdl)/Vd
    (但し、Td_tire:路面伝達トルク、Tdr:右側駆動輪の駆動輪トルク、Vwdr:右側
    駆動輪の回転速度、Tdl:左側駆動輪の駆動輪トルク、Vwdl:左側駆動輪の回転速度、
    Vd:車両の車体速度)
    に基づき、路面伝達トルクを推定すること
    を特徴とする車両挙動制御装置
  2. 請求項1に記載の車両挙動制御装置において、
    前記車両の各従動輪の回転速度を夫々検出する従動輪回転速度検出手段を備え、
    前記車体速度検出手段は、
    前記従動輪回転速度検出手段により検出された各従動輪の回転速度の平均値を車体速度として検出することを特徴とする車両挙動制御装置
  3. 請求項1または2に記載の車両挙動制御装置において、
    前記駆動軸に出力される駆動トルクは、前記駆動力付与手段から変速機を介して前記駆動軸に出力されるよう構成され、
    前記駆動力付与手段の出力トルクを検出する出力トルク検出手段と、
    前記変速機の変速比を検出する変速比検出手段と、
    を備え、
    前記駆動トルク検出手段は、
    前記検出された出力トルクと変速比に基づき、前記駆動軸に出力される駆動トルクを推定することを特徴とする車両挙動制御装置
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の車両挙動制御装置において、
    前記駆動トルク調整手段は、前記比較手段により、駆動トルクが路面伝達トルクよりも大きいと判断された際に、駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさが小さくなるよう前記駆動力付与手段からの駆動トルクを調整することを特徴とする車両挙動制御装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の車両挙動制御装置において、
    前記駆動トルク調整手段は、前記車両の車体加速度を検出し、該検出した車体加速度に基づき、前記駆動力付与手段からの駆動トルクを調整することを特徴とする車両挙動制御装置。
  6. 請求項5に記載の車両挙動制御装置において、
    前記駆動トルク調整手段は、
    前記検出した車体加速度に基づき車両が加速状態にあるか減速状態にあるかを判断し、前記車両が加速状態にあると判断した際には、前記駆動力付与手段からの駆動トルクを下げることで、また、前記車両が減速状態にあると判断した際には、前記駆動力付与手段からの駆動トルクを上げることで、駆動トルクと路面伝達トルクの差の大きさを小さくさせることを特徴とする車両挙動制御装置。
  7. コンピュータを、請求項1〜のいずれかに記載の車両挙動制御装置における駆動トルク検出手段、路面伝達トルク検出手段、及び比較手段として機能させるためのプログラム。
  8. コンピュータを、請求項1〜6のいずれかに記載の車両挙動制御装置における駆動トルク検出手段、路面伝達トルク検出手段、比較手段、及び駆動トルク調整手段として機能させるためのプログラム。
  9. コンピュータを、請求項1〜6のいずれかに記載の車両挙動制御装置における駆動トルク検出手段、路面伝達トルク検出手段、及び駆動トルク調整手段として機能させるためのプログラム。
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