JP2007196966A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】余分なエネルギー消費を抑制することが可能な車両用制御装置を提供すること。
【解決手段】車両挙動により生じる車輪の発熱、によって発生するエネルギーの消費を抑制する、車両用制御装置1であって、車輪の発熱を生じる車両挙動を検出する車両挙動検出手段と、車両挙動検出手段の検出結果に基づいて、エネルギーの消費を抑制するように車両内の機器を制御する制御手段90と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、余分なエネルギーの消費を抑制する車両用制御装置に関する。
従来、車両の旋回走行時に車輪の横滑りを抑制するべく、エンジン出力を低下させたり車輪のブレーキ制御を行なったりする制御システムが、VSC(Vehicle Stability Control)等の名称で知られている。
また、主に車両の発進及び加速時に、急なスロットル操作に基づく過大なトルクに起因する駆動輪の空転を抑制するべく、エンジン出力を低下させたり車輪のブレーキ制御を行なったりする制御システムが、TRC(Traction Control)等の名称で知られている。
さらに、こうした車両挙動を安定させるためのブレーキ制御を、モータによる回生制御を利用して行なうことにより、エネルギーの一部を回収してエネルギー効率を向上させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−237420号公報
ところで、近年、環境保護の観点や、エネルギー価格の上昇を背景として、余分なエネルギー消費を抑制する必要が高まっている。上記従来のVSCやTRC等の制御システムでは、車輪の空転や横滑りを車載センサーにより検出した際に上記の制御を行なっているが、これは車両の挙動を安定化することを主眼としており、実際には、若干の車輪の空転や横滑りによって、車輪に発熱が生じることとなる。また、摩擦ブレーキ装置を用いて上記の制御を行なったとすれば、ブレーキ装置においても発熱が生じることとなる。これらの熱エネルギーは、ガソリン等の、本来車両の走行や車載機器の駆動に用いられるべきエネルギーが転化したものである。従って、この熱エネルギーを抑制することにより、余分なエネルギー消費を抑制することができる。
上記従来の特許文献1に記載の装置では、摩擦ブレーキ装置を用いたとすればブレーキ装置において発生するであろう熱エネルギーの一部を、回生制御により再生可能に回収することが可能であるものの、やはり車輪に発熱が生じる場合がある。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、余分なエネルギー消費を抑制することが可能な車両用制御装置を提供することを、主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、余分なエネルギーの消費を抑制する車両用制御装置であって、車輪の発熱を生じる車両挙動を検出する車両挙動検出手段と、車両挙動検出手段の検出結果に基づいて、エネルギーの消費を抑制するように車両内の機器を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
この本発明の一態様によれば、車輪の発熱を生じる車両挙動を検出する車両挙動検出手段の検出結果に基づいてエネルギーの消費を抑制するように車両内の機器を制御するから、余分なエネルギー消費を抑制することができる。
また、本発明の一態様において、制御手段は、車輪の発熱を生じる将来の車両挙動を予測し、該予測に基づいて車両内の機器を制御する手段であるものとしてもよい。
また、本発明の一態様において、例えば、車両挙動検出手段は、車両のヨー方向の角速度を検出するヨー方向角速度検出手段と、車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、を備える手段であり、制御手段は、操舵角検出手段により検出された車両の操舵角、及び車速検出手段により検出された車速に基づいて、目標ヨー方向角速度を計算する、目標ヨー方向角速度検出手段と、計算された目標ヨー方向角速度とヨー方向角速度検出手段により検出された車両のヨー方向の角速度とが相等しくなる目標車速を計算する、目標車速計算手段と、を備え、計算された目標車速に基づいて車両が走行するように、車両内の機器を制御する手段である。
また、本発明の一態様において、例えば、車両前方のカーブ形状を検出する、カーブ形状検出手段を備え、制御手段は、カーブ形状検出手段により検出された車両前方のカーブ形状に基づいて、目標車速及び目標ヨー方向角速度を設定する、目標車速ヨー方向角速度設定手段を備え、設定された目標車速及び目標ヨー方向角速度に基づいて車両が走行するように、車両内の機器を制御する手段である。
また、本発明の一態様において、例えば、車両内の機器は、走行用の駆動力を出力する内燃機関、及び内燃機関の出力軸に接続された電動モータを含み、車両挙動検出手段は、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段を備える手段であり、制御手段は、アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度が過大であることにより、車輪がスリップを生じると予測したときには、電動モータにより前記内燃機関の出力の一部を回生するように、電動モータを制御する手段である。
また、本発明の一態様において、例えば、車両内の機器は、走行用の駆動力を出力する内燃機関、及び内燃機関の出力軸に接続された電動モータを含み、車両挙動検出手段は、各車輪の速度を検出する車輪速検出手段を備え、制御手段は、車輪速検出手段により車輪のスリップが検出されたときには、電動モータにより前記内燃機関の出力の一部を回生するように、前記電動モータを制御する手段である。
また、本発明の一態様において、好ましくは、制御手段は、車両挙動を安定させるために車両内の機器を制御する第1のモードと、第1のモードに比して車輪の発熱をより抑制するように車両内の機器を制御する第2のモードと、を切替え可能な手段である。
本発明によれば、余分なエネルギー消費を抑制することが可能な車両用制御装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
以下、図1〜5を用いて、本発明に係る車両用制御装置の一実施例について説明する。図1は、本発明の一実施例に係る車両用制御装置1の全体構成の一例を示す図である。図示する如く、車両用制御装置1は、主要な構成として、ヨーレートセンサー10と、Gセンサー20と、車輪速センサー30と、道路情報取得装置40と、ステアリング装置50と、ブレーキ装置60と、駆動モータ70及びこれに電気的に接続されたバッテリー72と、エンジン74及びその回転数Neを計算するためのクランク角センサー75と、アクセル開度センサー76と、入力スイッチ80と、装置全体を制御する電子制御ユニット(以下、ECUと称する)90と、を備える。なお、以下の説明における車両内の機器間の通信は、CAN(Controller Area Network)等の適切なシリアル通信プロトコルを用いて行なわれる。
ヨーレートセンサー10は、例えば、車両のセンターコンソール部の下方に取り付けられ、圧電セラミックスの歪み量と方向により、車両の鉛直軸方向の回転角速度(ヨーレート)を検出する。
Gセンサー20は、例えば、車両のセンターコンソール部の下方に取り付けられ、車両の加速度に応じて発生するセンサー内のビームの歪みを計測することにより、車両の前後方向に対して異なる角度を有する2方向の加速度を検出し、この検出値の組み合わせにより、水平方向の全ての方向における加速度を検出する。
車輪速センサー30は、例えば、各輪に配設され、車輪速に応じた周期でパルス信号を発信する。なお、車輪速センサー30の検出値に基づいて、車速Vが計算される。
道路情報取得装置40は、例えば、ナビゲーション装置やカメラセンサー等から構成され、車両前方の道路形状、特にカーブの曲率に関する情報を取得して、ECU90に送信する。すなわち、ナビゲーション装置においては、地図データベース上の地図データと、GPS(Global Positioning System)受信機により検出された自車両の現在位置とを参照して、車両前方の道路形状を検出する。また、カメラセンサーにおいては、車両前方を撮像した画像を処理することにより、車両前方の道路形状を検出する。
ステアリング装置50は、例えば図2に示す如く、主要な構成として、ステアリング操舵角センサー52と、トルクセンサー54と、アシストモータ56と、コントローラー58と、を備える。ステアリング操舵角センサー52は、例えば、ステアリングコラム内部に配設され、ステアリング操舵角Strを検出して、コントローラー58及びECU90に送信する。トルクセンサー54は、例えば、ステアリングコラム内部に配設され、入力軸と出力軸との間に取り付けられたトーションバーの捩じれを検出することにより、ステアリングトルク応じた信号をコントローラー58に送信する。アシストモータ56は、例えば、コラムハウジング部に配設された直流モータであり、車両の操舵に必要なトルクを出力して運転者のステアリング操作をアシストする。アシストモータ56が出力するトルクは、ウォームギヤ及びホイールギヤによって偏向されると共に減速されてコラムシャフトに伝達され、最終的に車輪の向きを変える。
コントローラー58は、トルクセンサー54からのステアリングトルク信号やその他の車両状態信号(車速やヨーレート等)に基づいて、車両の操舵に必要なトルクを出力するように、アシストモータ56の駆動回路に制御信号を出力する。一方で、ECU90からの指示信号に基づいてアシストモータ56を制御することにより、運転者のステアリング操作とは無関係に操舵トルクを出力することも可能である。
ブレーキ装置60は、例えば、電子制御式の油圧ブレーキ装置である。ブレーキ装置60は、各車輪に配設された、周知のディスクブレーキユニット及びドラムブレーキユニット(本実施例では、前輪にディスクブレーキユニットが、後輪にドラムブレーキユニットが、それぞれ配設されているものとした)に油圧を供給することにより、各車輪を制動する。図3は、ブレーキ装置60における油圧系の主要な構成の一例を示す図である。
図示する如く、ブレーキ装置60は、ブレーキ装置60全体を制御するブレーキECU60Aと、ブレーキペダルになされたブレーキ操作が伝達されるマスターシリンダー61と、ブレーキ液を蓄えるリザーバータンク62と、ストロークシミュレーター63と、各車輪に出力される制動力を調節するブレーキアクチュエーター64と、を備える。
ブレーキアクチュエーター64は、ポンプ65及びこれを駆動するモータ66と、ポンプ65から圧送される油圧によって内部の油圧が高圧に維持されるアキュームレーター67と、マスターシリンダー61からの油圧を遮断可能な切替バルブ68と、各車輪に対して設けられ、開閉動作によって、各車輪に出力される制動力を調節する各車輪用制御バルブ69A、69B、69C、及び69D(図3では、簡便のため、一つのブロックとして記載している)と、を備える。なお、各車輪からリザーバータンク62に還流する油圧経路については、図示及び説明を省略する。
ブレーキ装置60は、以下の原理に基づいて制動力を出力する。まず、通常時においては、切替バルブ68は閉状態となっており、マスターシリンダー61と各車輪用制御バルブ69A〜69Dとの間が遮断されている。一方、アキュームレーター67内部のアキュームレーター圧は、ブレーキECU60Aにより監視されており、これが所定の圧力を下回ると、アキュームレーター圧を上昇させるようにモータ66が駆動される。
この状態で運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると、マスターシリンダー61内部の液圧室に発生するマスターシリンダー圧が、通信によりブレーキECU60Aに入力される。ブレーキECU60Aは、マスターシリンダー圧に応じた制動力を出力するように、各車輪用制御バルブ69A〜69Dを制御する。なお、この際に、ストロークシミュレーター63は、マスターシリンダー61からの油圧経路が遮断されている状態においても、運転者のブレーキ踏力に応じた自然なブレーキストロークを発生させる。また、切替バルブ68が開状態とされるのは、主にポンプ65やモータ66が故障した際である。
ブレーキ装置60は、上記の如くブレーキペダル操作に応じた制動力を出力することも可能であるし、ECU90からの指示信号に基づいて各車輪用制御バルブ69A〜69Dを制御することにより、運転者のブレーキ操作とは無関係に制動力を出力することも可能である。
モータ70は、例えば、発電可能なIPM(Interior Permanent Mgnetic)モータである。モータ70は、間接的に車軸に接続されており、ECU90から図示しない駆動回路に駆動信号が送信されることにより、走行用の駆動力を出力する。また、回生制御により、発電を伴って車軸に制動力を出力することも可能である。バッテリー72は、例えば、ニッケル水素バッテリーであり、モータ70の駆動に用いられる電力を供給すると共に、モータ70が発電した電力を蓄える。
エンジン74は、ガソリン等の燃料により、車軸に走行用の駆動力を出力する。エンジン74は、図示しないエンジンECUにより、燃料噴射制御(EFI;Electronic Fuel Injection)や点火時期制御(ESA;Electronic Spark Advance)、アイドル回転数制御(ISC;Idle Speed Control)等の制御が集中的に行なわれている。エンジン74が出力する駆動力は、変速機やギヤ機構、車軸等を経て、最終的に駆動輪に出力される。
アクセル開度センサー76は、アクセルペダルに取り付けられ、アクセル開度Acを検出する。
入力スイッチ80は、後述するエネルギー消費抑制モードへの切替を入力可能なスイッチであり、ECU90に入力信号を送信する。
ECU90は、例えば、CPUを中心とするコンピューターであり、ROMやRAM等の記憶手段を備える。ECU90は、入力スイッチ80からの入力信号に基づいて、VSC(Vehicle Stability Control)制御やTRC(Traction Control)制御等の、車両挙動を安定させるための制御を行なう通常モードと、主に車輪の発熱を抑制することにより、通常モードに比してエネルギーの消費を抑制するエネルギー消費抑制モード制御と、を切替えて、ブレーキ装置60やモータ70、エンジン74等の制御を行なう。
まず、通常モードにおける制御について説明する。VSC制御は、後輪横滑りを抑制する制御と、前輪横滑りを抑制する制御と、を含む。
後輪横滑りが生じたことは、車体のスリップ角βと、車体のスリップ角速度βdを、それぞれ閾値と比較することにより判定される。ここで、車体のスリップ角βは、車体の前後速度Vx(=車速V)に対する車体の横すべり速度Vyの比Vy/Vxである。また、Vyは、Gセンサー20により検出される横加速度Gyと、車速V及びヨーレートYrの積V*Yrと、の偏差Gy−V*Yrとして求められる車輌の横すべり加速度Vydの積分値である。ECU90は、後輪横滑りが生じたと判定したときには、横滑りの大きさ(上記β及びβdから計算される)に応じて、旋回外側の車輪に対しブレーキをかけるように、ブレーキ装置60に指示する。
前輪横滑りが生じたことは、ヨーレートセンサー10により検出される実ヨーレートYrからステアリング操舵角センサー52により検出される操舵角Str及び車速Vから計算される目標ヨーレートYr´を差し引いた偏差を閾値と比較することにより行なわれる。ECU90は、前輪横滑りが生じたと判定したときには、エンジン74の出力を低下させるようにエンジンECUに指示し、また前後輪にブレーキをかけるように、ブレーキ装置60に指示する。
TRC制御は、車輪速センサー30により検出される、駆動輪(例えば、後輪)の車輪速と、従動輪(例えば、前輪)の車輪速との偏差を閾値と比較することにより、過大な駆動力によりスリップが生じたか否かを判定して行なわれる。ECU90は、過大な駆動力によりスリップが生じたと判定したときには、エンジン74の出力を低下させるようにエンジンECUに指示する。
このように、VSC制御や、TRC制御は、横滑りや過大な駆動力によるスリップを検出してこれを抑制することにより、車両挙動を安定させることを主眼としている。従って、制御に用いられる閾値等は、車両挙動が不安定とならない範囲で、若干の横滑りやスリップを許容する程度の適合値となっている。このため、車輪やブレーキ装置60のブレーキパッドに若干の発熱が生じることとなるが、これらの熱エネルギーは、本来車両の走行や車載機器の駆動に用いられるべきエネルギーが転化したものである。従って、この熱エネルギーを抑制することにより、余分なエネルギー消費を抑制することができる。
そこで、本実施例の車両用制御装置1では、入力スイッチ80の操作により、上記通常モードに比してエネルギー消費を抑制することが可能な、エネルギー消費抑制モードを選択可能にしている。
エネルギー消費抑制モードにおける制御は、VSC制御やTRC制御と同様に、横滑り及び過大な駆動力によるスリップを抑制するものである。横滑りを抑制する制御は、(A)目標ヨーレートYr´と実ヨーレートYrに基づいて目標車速を設定する目標車速設定制御、及び(B)カーブ形状を予測すると共に目標車速及び目標ヨーレートYr´を設定するカーブ形状予測制御、が並行して行なわれる。
(A)目標車速設定制御は、実ヨーレートYrと目標ヨーレートYr´の偏差が閾値を超える場合に、実ヨーレートYrと目標ヨーレートYr´とが相等しくなる(すなわち、横滑りを生じない)車速を目標車速V´として計算し、この目標車速V´に従って走行するように制御を行なうものである。目標車速V´は次式(1)により計算される。ここで、nは、ステアリングギヤ比であり、lは、ホイールベースであり、Khは、スタビリティファクタである。
V´=Yr/(Str/(n・l)−Kh・Gy) ‥(1)
目標車速V´が設定されると、車速Vが目標車速V´を上回る場合に、モータ70により回生制御を行なうと共に、エンジン74の出力を低下させるようにエンジンECUに指示し、必要に応じて前後輪にブレーキをかけるようにブレーキ装置60に指示する。この際に出力すべき制動力は、例えば、車速Vと目標車速V´との差、及び車速Vに応じて制動力を導出するマップによって定められる。なお、制動力の出力に際しては、モータ70による回生制御を優先的に行なうことが、応答性やエネルギー回収の点でより効果的である。
図4は、目標車速設定制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、ECU90は、実ヨーレートYrと目標ヨーレートYr´の偏差を計算し(S100)、この偏差が閾値Aを超えるか否かを判定する(S110)。偏差が閾値Aを超えない場合は、何も処理を行なわず、本フローの1ルーチンを終了する。
偏差が閾値Aを超える場合は、目標車速V´を計算し(S120)、車速Vが目標車速V´を超えるか否かを判定し(S130)、車速Vが目標車速V´を超える場合は、上記の如く制動力を出力する(S140)。
目標車速設定制御によれば、車速Vが、実ヨーレートYrと目標ヨーレートYr´とが相等しくなる目標車速V´を超えないように制動力が出力される。この結果、車輪が横滑りを生じ、発熱することを抑制することができる。ここで、車輪の横滑りによる発熱は、エネルギーとして回収することができないものである。本実施例では、予め回生制御により制動力を出力することで、車輪の横滑りによる発熱を抑制する一方で、この発熱により消費されてしまう筈であったエネルギーの一部を回収することができる。従って、エネルギー消費を抑制することができる。
(B)カーブ形状予測制御は、道路情報取得装置40により得られた、車両前方の所定範囲内(例えば、0[m]〜数[km]等)の道路形状における最小旋回半径を、目標旋回半径R´として設定し、これを車速Vと実ヨーレートYrから計算される実旋回半径Rと比較して、偏差が閾値を超える場合に、目標旋回半径R´で走行可能となるように制御を行なうものである。具体的には、目標旋回半径R´から目標車速V´及び目標ヨーレートYr´を導出するマップを用いて、目標車速V´及び目標ヨーレートYr´を設定し、これに従って走行するように、ステアリング装置50やモータ70、エンジンECU、ブレーキ装置60に指示する。なお、この車速の制御においても、モータ70による回生制御を優先的に行なうことが、応答性やエネルギー回収の点でより効果的である。
図5は、カーブ形状予測制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、ECU90は、道路情報取得装置40から道路形状に関する情報を取得し(S200)、目標旋回半径R´と、実旋回半径Rを計算する(S210)。ここで、実旋回半径Rは、車速Vを実ヨーレートYrで除して求めることができる。
そして、実旋回半径Rから目標旋回半径R´を差し引いた偏差が閾値Bを超えるか否かを判定し(S220)、偏差が閾値Bを超える場合は、上記の如く制動力及び操舵力を出力する(S230)。
カーブ形状予測制御によれば、車両前方の所定範囲内の道路形状における最小旋回半径である目標旋回半径R´から計算される、目標車速V´及び目標ヨーレートYr´に従って走行するように制動力及び操舵力を出力するから、車両前方のカーブを、横滑りを抑制しながら走行することが可能となる。従って、前述の如く、予め回生制御により制動力を出力することで、エネルギーとして回収することができない車輪の横滑りによる発熱を抑制し、この発熱により消費されてしまう筈であったエネルギーの一部を回収することができる。従って、エネルギー消費を抑制することができる。
過大な駆動力によるスリップを抑制する制御は、(C)予測駆動力に基づいた制御、及び(D)スリップを検出して行なう制御が並行して行なわれる。
(C)予測駆動力に基づいた制御は、アクセル開度センサー76により検出されたアクセル開度Acに基づいて、所定時間後に出力される駆動力を予測し、この予測値に基づいてスリップを生じると判定した場合に、モータ70により回生制御を行なうものである。ここで、この判定は、例えば、アクセル開度Acとエンジン74の回転数Neから所定時間(例えば0コンマ数[sec]〜数[sec]等)後にエンジン74が出力するトルクを導出するマップを用いて、トルクを予測し、この予測値が閾値Cを超える場合に、スリップを生じると判定する。
予測駆動力に基づいた制御によれば、アクセル開度Acに基づいて所定時間後のトルクを予測して、スリップを抑制するためにモータ70による回生制御を行なうから、実際にスリップを検出してからトルクを抑制するものに比して、より車輪の発熱を抑制することができる。また、モータ70による回生制御を用いてトルクを抑制するから、エンジン74の出力を抑制するものに比して応答性の点で優位であると共に、ブレーキ装置60によりトルクを抑制する場合のように、ブレーキ装置60の発熱によるエネルギー消費を回避することもできる。従って、エネルギー消費をより抑制することができる。
(D)スリップを検出して行なう制御は、前述したTRC制御と同様に、駆動輪(例えば、後輪)の車輪速と、従動輪(例えば、前輪)の車輪速との差を閾値と比較することにより行なわれる。但し、エネルギー消費をより抑制するべく、閾値をTRC制御に比して小さいものにして行なっている。
なお、これらの制御は、並行して行なわれてもよいし、単一のフローチャートを用いて繰り返し行なわれてもよい。
このように、本発明の一実施例に係る車両用制御装置によれば、車輪やブレーキ装置60の発熱を抑制することにより、エネルギー消費をより抑制することができる。
なお、エネルギー消費抑制モードにおいても、補完のため、VSC制御やTRC制御を並行して行なってもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について一実施例を用いて説明したが、本発明はこうした一実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した一実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、通常時にはVSC制御やTRC制御を実行し、エネルギー消費抑制モードを選択可能な装置として例示したが、VSC制御やTRC制御を実行せず、上記のエネルギー消費抑制のための制御のみを実行するものとしてもよい。
また、上記のエネルギー消費抑制のための制御により減少したエネルギー消費を計算し、これをナビゲーション装置の液晶表示画面等に表示して、エネルギー消費の抑制に関する啓蒙を行なってもよい。
また、車両に対して制動力や操舵力を出力するものに限られず、例えば、ナビゲーション装置のスピーカー等を用いて、音声案内により車速Vやステアリング操舵角Strに関するアドバイスを行なうものとしてもよい。
また、目標旋回半径R´を取得した場合、目標車速V´を、V‘=√(Gy´・R´)として求め、この目標車速V´を車速Vが超えないよいに、制動力を出力する制御を行なってもよい。ここで、Gy´は、目標とする横加速度であり、路面の動摩擦係数μと車重とに基づく関数値として求めることができる。
またモータ70は、走行用の駆動力を出力するIPMモータに限られず、エンジン74が出力する動力の一部を用いて車載機器に用いられる電力を発電するオルタネータであってもよい。
本発明は、少なくともエネルギーの消費を抑制するように車両内の機器を制御する装置に利用できる。搭載される車両の外観、重量、サイズ、走行性能等は問わない。
本発明の一実施例に係る車両用制御装置1の全体構成の一例を示す図である。 ステアリング装置50における主要な構成の一例を示す図である。 ブレーキ装置60における油圧系の主要な構成の一例を示す図である。 目標車速設定制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。 カーブ形状予測制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両用制御装置
10 ヨーレートセンサー
20 Gセンサー
30 車輪速センサー
40 道路情報取得装置
50 ステアリング装置
52 ステアリング操舵角センサー
54 トルクセンサー
56 アシストモータ
58 コントローラー
60 ブレーキ装置
60A ブレーキECU
61 マスターシリンダー
62 リザーバータンク
63 ストロークシミュレーター
64 ブレーキアクチュエーター
65 ポンプ
66、70 モータ
67 アキュームレーター
68 切替バルブ
69A、69B、69C、69D 各車輪用制御バルブ
70 モータ
72 バッテリー
74 エンジン
75 クランク角センサー
76 アクセル開度センサー
80 入力スイッチ
90 電子制御ユニット

Claims (7)

  1. 余分なエネルギーの消費を抑制する車両用制御装置であって、
    車輪の発熱を生じる車両挙動を検出する車両挙動検出手段と、
    該車両挙動検出手段の検出結果に基づいて、エネルギーの消費を抑制するように車両内の機器を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする、車両用制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制御装置であって、
    前記制御手段は、車輪の発熱を生じる将来の車両挙動を予測し、該予測に基づいて車両内の機器を制御する手段である、
    車両用制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用制御装置であって、
    前記車両挙動検出手段は、
    車両のヨー方向の角速度を検出するヨー方向角速度検出手段と、
    車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、を備える手段であり、
    前記制御手段は、
    前記操舵角検出手段により検出された車両の操舵角、及び前記車速検出手段により検出された車速に基づいて、目標ヨー方向角速度を計算する、目標ヨー方向角速度検出手段と、
    該計算された目標ヨー方向角速度と前記ヨー方向角速度検出手段により検出された車両のヨー方向の角速度とが相等しくなる目標車速を計算する、目標車速計算手段と、を備え、
    該計算された目標車速に基づいて車両が走行するように、車両内の機器を制御する手段である、
    車両用制御装置。
  4. 請求項1ないし3に記載の車両用制御装置であって、
    車両前方のカーブ形状を検出する、カーブ形状検出手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記カーブ形状検出手段により検出された車両前方のカーブ形状に基づいて、目標車速及び目標ヨー方向角速度を設定する、目標車速ヨー方向角速度設定手段を備え、
    該設定された目標車速及び目標ヨー方向角速度に基づいて車両が走行するように、車両内の機器を制御する手段である、
    車両用制御装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用制御装置であって、
    前記車両内の機器は、走行用の駆動力を出力する内燃機関、及び該内燃機関の出力軸に接続された電動モータを含み、
    前記車両挙動検出手段は、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段を備える手段であり、
    前記制御手段は、前記アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度が過大であることにより、車輪がスリップを生じると予測したときには、前記電動モータにより前記内燃機関の出力の一部を回生するように、前記電動モータを制御する手段である、
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用制御装置であって、
    前記車両内の機器は、走行用の駆動力を出力する内燃機関、及び該内燃機関の出力軸に接続された電動モータを含み、
    前記車両挙動検出手段は、各車輪の速度を検出する車輪速検出手段を備え、
    前記制御手段は、該車輪速検出手段により車輪のスリップが検出されたときには、前記電動モータにより前記内燃機関の出力の一部を回生するように、前記電動モータを制御する手段である、
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の車両用制御装置であって、
    前記制御手段は、車両挙動を安定させるために車両内の機器を制御する第1のモードと、
    該第1のモードに比して車輪の発熱をより抑制するように車両内の機器を制御する第2のモードと、を切替え可能な手段である、
    車両用制御装置。
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