JP3564862B2 - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動輪の空転を防いで車両の安定性及び運転性を確保する駆動力制御装置に関し、特に自動変速機を備えた駆動力制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加速時等に駆動輪が空転して、加速性能、発進性能が低下するのを防止する駆動力制御装置(あるいはTCS=トラクションコントロールシステム)としては、アクチュエータに駆動される第2スロットルの開度や燃料噴射カット、点火時期制御などによりエンジン出力を制御するものが従来から知られており、さらに、自動変速機を備えた車両の駆動力制御装置としては、例えば、特開平3−234964号公報等が知られている。
【0003】
これは、自動変速機を備えた車両の変速動作が、車速とスロットル開度TVOに応じて行われ、例えば、通常走行中の1速から2速へシフトアップは、変速コントローラに予め設定された図6の実線に示すシフトスケジュールに従って変速を行うが、駆動輪が空転して駆動力制御が開始されると、図中破線で示すように、予め設定した高速側のシフトスケジュールに移行することで変速タイミングを遅延させ、駆動力制御中の変速動作を抑制し、安定した駆動力制御を行おうとするものである。
【0004】
そして、駆動輪の空転時にエンジンの出力を制御する駆動力制御装置としては、特開平3−246335号公報等に開示されるように、駆動輪の空転が検知されると、図7に示すように、駆動輪のスリップの大きさ等に応じて燃料噴射カットを行う気筒数を段階的に変更して、エンジンの出力を抑制するものも知られている。
【0005】
さらに、このような燃料カット制御に加えて、図7のように、駆動輪のスリップ等に応じて駆動される第2スロットル開度の制御を加えたものも知られており、上記のような自動変速機を備えた車両の駆動力制御は、第2スロットルの開度や燃料カットのエンジン制御を組み合わせて、駆動輪の空転を抑制しており、特に、氷結路等の低μ路等では、第2スロットルを全閉にするとともに、燃料カットを行って、安定性を確保している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンの制御では、スロットルが全閉状態となってもエンジンがストール(停止)しないように、補助空気及び燃料を導入して所定のアイドルトルク及び回転数(アイドル回転数)を確保するエンストリミット制御(またはアイドル回転数制御)が図9に示すように行われている。このエンストリミット制御は、図9に示すように、エンジンの冷間時から冷却水温が所定値以上となる暖機終了後(以下、完暖時)までの幅広い状況に対応するため、エンジンの冷却水温TXNELに応じて予め設定された所定のエンジン回転数(またはアイドル回転数)を維持するように燃料制御(暖機時補正制御)などが行われ、例えば、水温が−30℃未満のときにアイドル回転数は最大となる一方、水温が70℃以上ではアイドル回転数が最小値となるように可変制御される。エンジンの完暖時にはアイドル回転数は最小値に設定される。なお、このようなエンジンの冷間時の制御は、暖機補正制御等として知られている。このエンストリミット制御により、上記のような駆動力制御によって第2スロットルを全閉にしても、エンジンの出力は所定のアイドルトルクを維持することができ、駆動力制御中であってもエンジン回転数が所定値未満となるとエンストリミット制御によって燃料カット制御は禁止され、エンジン回転数は所定のアイドル回転数以上に維持される。
【0007】
しかしながら、上記従来例では、駆動力制御が開始されると、スロットル開度TVO(またはアクセル開度)にかかわらず、図6の破線のように自動変速機のシフトスケジュールを高速側へ移動させているが、氷結路などの低μ路でスロットル開度がほぼ全閉に近い状態(例えば、TVO≦2/8)で、自動変速機のシフトアップが行われると、図8に示すように、エンジン回転数Neはエンストリミット制御によって維持される所定のアイドル回転数(図中破線)未満となるため、燃料カット制御が禁止されてしまう。
【0008】
エンジン側では所定のアイドルトルクを確保するとともに、自動変速機は1速から2速へのシフトアップするため、駆動輪へ伝達される駆動力は燃料カット制御が禁止されるため減少せず、制御可能な駆動輪速の最小値が増大して、駆動輪のスリップが増大して車両の安定性が低下するという問題があり、さらに、燃料カット制御が禁止されるアイドル回転数は、上記図9のようにエンジンの冷却水温TXNELに応じて可変制御されており、例えば、水温が−30℃未満のときにはアイドル回転数は約1275rpmに設定され、上記従来例のようなシフトスケジュールに従ってシフトアップすると、燃料カット制御不能な領域に入って、円滑な駆動力制御が行えない場合があった。
【0009】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、自動変速機を備えた車両の駆動力制御を、エンジンの運転状態にかかわらず確実に行うことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、図10に示すように、自動変速機100を介してエンジン104に連結された駆動輪101と、前記エンジン104の冷却水温に応じて所定の回転数を維持するエンジン制御手段120と、車両の運転状態に応じて予め設定された複数のシフトスケジュールのうちのひとつを選択して前記自動変速機100を制御する変速制御手段102と、前記駆動輪101の路面に対するスリップが所定値を超えたときに駆動輪101の空転を判定する駆動力制御開始判定手段103と、前記駆動力制御開始判定手段103が駆動輪の空転を判定したときに前記エンジン104の駆動力を燃料カット制御を用いて低減する駆動力抑制手段105とを備えた車両用駆動力制御装置において、前記変速制御手段102は、通常走行用の第1のシフトスケジュールと、前記駆動力抑制手段105が作動したときの第2のシフトスケジュールとを選択的に切り換える切換手段106を備え、前記第2のシフトスケジュールは、前記エンジン制御手段で維持される所定の回転数に応じて、その所定の回転数以上の車速で変速するように、運転者の操作に応動する第1スロットル開度が低開度側で前記第1シフトスケジュールよりも高速側に変速線を設定する。
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記第2シフトスケジュールは、エンジン制御手段で維持される所定の回転数に応じて、その所定の回転数以上の車速でシフトアップするように、運転者の操作に応動する第1スロットル開度が低開度側及び中開度領域の変速線を前記第1シフトスケジュールよりも高速側に設定する。
また、第3の発明は、前記第1の発明において、前記第2シフトスケジュールは、エンジン制御手段で維持される所定の回転数に応じて、その所定の回転数以上の車速でシフトダウンするように、運転者の操作に応動する第1スロットル開度がほぼ7/8以下の領域の変速線を前記第1シフトスケジュールよりも高速側に設定する。
また、第4の発明は、前記第2または第3の発明において、前記第2シフトスケジュールは、運転者の操作に応動する第1スロットル開度が高開度領域の変速線を前記第1シフトスケジュールよりも低速側に設定する。
【0011】
また、第5の発明は、図10に示すように、前記第1ないし第4の発明のいずれか一つにおいて、前記第2シフトスケジュールは、エンジンの冷却水温が所定値以上のときの完暖時モードと、同じく冷却水温が所定値未満のときの暖機時モードと、前記冷却水温に応じてこれら完暖時モード及び暖機時モードを選択的に切り換えるTCS制御モード切換手段121とを備える。
【0013】
また、第6の発明は、図10に示すように、前記第1ないし第5の発明のいずれか一つにおいて、前記駆動力抑制手段105は、エンジン104の吸気管路に配設されてアクチュエータに駆動される第2のスロットル109と、前記エンジンへ104の燃料供給を一時的に停止する燃料カット手段110とを有する。
【0014】
【作用】
したがって、第1ないし第3の発明は、エンジン制御手段は冷却水温に応じて所定のエンジン回転数を維持するようにエンジンを制御しており、例えば、冷却水温が低い冷間時ではエンジン回転数(あるいはアイドル回転数)を高く、冷却水温が高ければエンジン回転数を低く設定する。駆動力抑制手段は、駆動輪の路面に対するスリップが所定値を超えるとエンジンの駆動力を低減して、駆動輪のスリップを抑制するが、このとき、変速制御手段は、シフトスケジュールを通常走行用の第1のシフトスケジュールから第2のシフトスケジュールへ切り換える。この第2シフトスケジュールは、エンジン制御手段で維持されるエンジン回転数以上の車速で第1シフトスケジュールよりも高速側に変速線を設定したため、変速後にエンジン制御手段が維持するエンジン回転数を下回ることがなくなって、例えば、変速後の燃料カット制御等の駆動力抑制制御を可能にし、エンジンの冷却水温に拘わらず駆動力制御を確実に行うことができる。
また、第4の発明は、第2シフトスケジュールが、運転者の操作に応動する第1スロットル開度が高開度領域で、第1シフトスケジュールよりも低速側に設定したので、エンジン回転数が高回転域となってから変速を行うことを防いで、変速ショックによる駆動力抑制制御の安定性の低下を防止する。
【0015】
また、第5の発明は、エンジンの冷却水温に応じて完暖時モード及び暖機時モードを選択的に切り換えることで、駆動力制御中に変速を行っても、冷却水温に応じて変化する所定のエンジン回転数を下回ることがなく、例えば、暖機中あるいは暖機終了後のエンジンの状態に拘わらず、変速後の燃料カット制御等の駆動力抑制制御を確実に行うことができる。
【0017】
また、第6の発明は、エンジン制御手段は第2スロットルが全閉となっても冷却水温に応じた所定の回転数を維持するようにエンジンを制御しており、駆動輪の空転が判定されると、駆動力抑制手段は、第2のスロットルと燃料カット手段を制御することでエンジンの駆動力を低減して、駆動輪の空転を抑制し、駆動力制御中の第2シフトスケジュールは、エンジンの冷却水温に応じて第1シフトスケジュールよりも高速側に変速線を設定したため、変速後にエンジン制御手段が維持するエンジン回転数を下回ることがなくなって、変速後の燃料カット制御を可能にし、エンジンの冷却水温に拘わらず駆動力制御を確実に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、駆動力制御装置はマイクロコンピュータ等から構成されたTCSコントローラ1を主体に、アクチュエータ9を介してこのTCSコントローラ1に制御される駆動力抑制手段としての第2スロットル10NO開度THRと、TCSコントローラ1の指令に応じてエンジンコントローラ2で行われる燃料カット制御から構成した場合を示す。
【0020】
自動変速機6に連結されたエンジン4は、エンジンコントローラ2によって燃料噴射量や点火時期等を運転状態に応じて制御されており、前記従来例と同様にエンジンコントローラ2は、第1または第2スロットル開度TVO、THRが全閉となっても、エンジン回転数Neが所定のアイドル回転数を維持するようにエンストリミット制御を行っている。さらに、エンジンコントローラ2はTCSコントローラ1からの駆動力制御要求に応じて、前記図7に示したような、燃料カットなどの出力制御を行う。
【0021】
そして、エンジン4の吸気通路には、アクセルペダル7に応動する第1スロットル8と、アクチュエータ9を介してTCSコントローラ1に制御される第2スロットル10が配設され、開度センサ11によって検出された第1スロットル8の開度TVOは、TCSコントローラ1及びATコントローラ3へ送出される。
【0022】
なお、エンジンコントローラ2のエンストリミット制御は、前記従来例の図9と同様に、冷却水温TXNELに応じて設定されたアイドル回転数を維持するもので、第1又は第2スロットル8、10の全閉時になってもエンジン4の停止を防いでおり、検出した水温TXNELをTCSコントローラ1へ送出している。
【0023】
一方、自動変速機6は、ATコントローラ3の指令に応じて変速動作を行うもので、ATコントローラ3は、第1スロットル開度TVOと車速等の車両の運転状態に応じた変速比となるように自動変速機6を制御し、図3、図4の破線で示すように、通常走行中の変速に用いる変速線であるノーマルモードと、同じく図中実線で示すように、TCSコントローラ1の駆動力制御中に用いられる変速線を、エンジン4の暖機中の暖機時TCS制御モードと、エンジン4の暖機が終了した完暖時TCS制御モードの複数のシフトスケジュールを予め備えて、エンジン4の状態に応じたTCSコントローラ1からの駆動力制御要求に応じて、これらシフトスケジュールを切り換える。
【0024】
なお、自動変速機6は後輪RR、RLと連結されるFR式を構成しており、以下、左右後輪RL、RRを駆動輪とし、左右前輪FL、FRを従動輪とする。
【0025】
TCSコントローラ1には、各車輪または車軸の回転速度を検出する車輪速センサ12FR、12FL、12RR、12RLの検出信号がそれぞれ入力され、TCSコントローラ1は、これら各車輪速VWFR、VWFL、VWRR,VWRLに基づいて駆動輪RR、RLの空転と車両の前後加速度Xgを検出し、駆動輪RR、RLが空転した場合には、アクチュエータ9を介して第2スロットル10を制御するとともに、エンジンコントローラ2へ駆動力制御要求を送出して前記従来例の図7のように燃料カットを行ってエンジン4の出力を調整し、さらにTCSコントローラ1はATコントローラ3へエンジン4の水温に応じて駆動力制御要求を送出し、ATコントローラ3はこの信号に応じてシフトスケジュールを、図3に示すように、通常走行中のノーマルモード(破線)から、完暖時TCS制御モードまたは暖機時制御モードのうちの一方のTCS制御モードへ切り換える。
【0026】
ここで、ATコントローラ3で行われる変速制御について、図3に示した1速から2速へのシフトアップ線(変速線)及び図4に示す2速から1速へのシフトダウン線(変速線)の一例を参照しながら説明する。
【0027】
まず、シフトアップ側の通常走行中のノーマルモードは、前記従来例の図6の実線に示したシフトスケジュールと同様である。
【0028】
一方、シフトアップ側のTCS制御モードは、前記従来例のようにノーマルスケジュールを高速側へ移動したものではなく、エンジン4の水温TXNELに応じて暖機時と完暖時についてそれぞれ設定したものであり、この暖機時と完暖時は後述するように、所定の水温を境に区分けされる。
【0029】
まず、エンジン4の暖機が終了した完暖時TCS制御モードについて説明する。
【0030】
第1スロットル開度TVOが小さい2/8以下の領域(図中A部、B部)では、車速が十分上昇するまで1速から2速へのシフトアップ線を高速側に移動させて、駆動力制御中の変速動作を遅延させている。
【0031】
特に、スロットル開度TVOが1/8以下となるほぼ全閉の領域(図中A部)のシフトアップ線は、1速から2速へシフトアップした場合にもエンジン回転数Neが、エンストリミット制御によるアイドル回転数未満とならないような車速に設定される。すなわち、図9において、水温TXNEL=0℃以上を完暖時、0℃未満を暖機時とした場合では、完暖時TCS制御モードの図3のA部は、2速へシフトアップすると、水温=0℃のときにエンストリミット制御で決定されるアイドル回転数以上の車速となるように設定され、例えば、約22Km/hに設定される。
【0032】
したがって、エンジン4の完暖時では、駆動力制御中にTVO≦1/8でシフトアップを行っても、エンジン4の回転数は燃料カット制御可能領域内を維持してエンジンコントローラ2による燃料カット制御を可能にして、変速ショックと駆動力制御の安定性を両立させている。
【0033】
そして、図中C部のスロットル開度TVOが2/8〜4/8の中開度領域では、シフトアップ線はノーマルモードよりも高速側に移動されて、駆動力制御中の変速動作を遅延させているが、図中D部のスロットル開度TVOが4/8を超える高開度領域では、通常走行中のノーマルスケジュールモードよりもシフトアップを行う車速を低速側へ移動させており、シフトアップ線はノーマルスケジュールモードより低速側に設定されて、TCS制御中にシフトアップが抑制されて、エンジン回転数Neが高回転域となってから変速を行うことを防いで、変速ショックによる駆動力制御の安定性の低下を防止する。
【0034】
一方、エンジン4の暖機時に選択される暖機時TCS制御モードは、図3において、完暖時TCS制御モードのA部、B部を、より高速側のA’部及びB’部に変更したものであり、その他、C部以上は完暖時制御モードと同一である。
【0035】
暖機時TCS制御モードでは、まず、第1スロットル8がほぼ全閉となるTVOが3/16未満のA’部で、エンジン水温TXNELが0℃未満に設定される最大アイドル回転数(約1275rpm)のときに2速へシフトアップしても燃料カット制御可能なエンジン回転数Neとなるような車速(約27Km/h)に設定され、第1スロットル開度TVOが3/16から2/8の図中B’部では、上記完暖時TCSモードよりも低速側にシフトアップ線を設定し、変速ショックよりも駆動力制御の安定性を確保するように設定される。
【0036】
また、図4に示す2速から1速へのシフトダウン側についても、上記と同様にして、通常走行用のノーマルモード(図中破線)と、TCS制御が開始されたときに、エンジン4の冷却水温TXNELが所定値以上の完暖時TCS制御モード(図中E)と、エンジン水温TXNELが所定値未満の暖機時TCS制御モード(図中E’)が予め設定される。
【0037】
まず、シフトダウン側の通常走行用のノーマルモードのシフトダウン線は、前記従来例と同様であり、第1スロットル開度TVOが0/8〜7/8では、車速が約9Km/hに設定され、同じく開度TVOが7/8以上では車速が約50Km/hのときに2速から1速へのシフトダウンを行うように設定される。
【0038】
一方、シフトダウン側のTCS制御モードは、上記シフトアップ側と同様にエンジン4の冷却水温TXNELに応じて暖機時と完暖時についてそれぞれ設定され、エンジン水温TXNELが所定値以上となる完暖時TCS制御モードは図中Eのように、第1スロットル開度TVOが0/8〜7/8では、ノーマルモードよりも高速側にシフトダウン線を設定し、例えば、車速VCAR≒18Km/hに設定されて、シフトダウン前にも燃料カット制御可能なエンジン回転数Neとなる。
【0039】
一方、開度TVOが7/8以上ではノーマルモードよりも低速側の車速にシフトダウン線を移動して、例えば、車速が約45Km/hのときに2速から1速へのシフトダウンを行うように設定され、エンジン4の回転数の増大を抑制して、駆動力制御を安定させる。
【0040】
そして、エンジン水温TXNELが所定値未満となる暖機時TCS制御モードは、図中E’のように、第1スロットル開度TVOが0/8〜7/8では、完暖時TCS制御モードよりもさらに高速側にシフトダウン線を設定し、例えば、車速VCAR≒25Km/hに設定されて、エンストリミット制御によりアイドル回転数が増大したエンジン4の低水温時に、シフトダウン前でも、燃料カット制御可能なエンジン回転数Neとするものである。なお、第1スロットル開度TVOが7/8以上では、上記完暖時TCS制御と同様に設定される。
【0041】
次に、TCSコントローラ1とATコントローラ3で行われる駆動力制御及び変速制御の一例を図2のフローチャートに示し、以下、このフローチャートを参照しながら駆動力制御と変速制御について詳述する。なお、このフローチャートに基づく制御は所定時間毎に実行されるものである。
【0042】
まず、ステップS1〜S10はTCSコントローラ1で行われる制御を示し、ステップS11〜S13はTCSコントローラ1の指令に応じてATコントローラ3で行われる制御を示す。
【0043】
ステップS1では、TCSコントローラ1が各車輪速センサ12FR〜12RLの出力を読み込んで、各車輪の速度VWFR、VWFL、VWRR,VWRLを求める。
【0044】
そして、ステップS2では、車速VCARを従動輪である左右前輪FR、FLの車輪速VWFR、VWFLの平均値より求め、ステップS3では、同様にして駆動輪の平均速度VRRを左右後輪RR、RLの車輪速VWRR、VWRLから求める。
【0045】
次に、ステップS4では、駆動輪の空転を検出するため、駆動輪平均速VRRと車速VCARの差から駆動輪の路面に対するスリップSを求める。
【0046】
ステップS5では、上記車速VCARの現在の値VCAR(n)と、前回の処理で求めた値VCAR(n−1)の差に所定の変換定数Kを乗じて車両の前後加速度Xgを求める。
【0047】
Xg={VCAR(n)−VCAR(n−1)}×K
この前後加速度Xgは、駆動輪が空転したときに車両に発生した加速度であり、このときの前後加速度Xgを路面摩擦係数μとして扱う。
【0048】
上記ステップS1〜S5で、駆動輪平均速VRR及び前後加速度Xg(路面摩擦係数μ)を求めてから、ステップS6では、あらかじめ設定した駆動力制御の目標値となるスリップの目標値SBと、上記ステップS4で求めたスリップSとを比較して駆動力制御の開始を判定する。
【0049】
つまり、スリップSと所定の目標値SBとを比較して、スリップSが目標値SBを超えたときには、駆動輪が空転したと判定してステップS7の処理へ進む一方、スリップSが目標値SB以下の場合には、通常走行中であると判定してステップS13の処理へ進む。
【0050】
なお、スリップの目標値SBは、路面に対する駆動輪のスリップが所定値となるように設定され、例えば、駆動輪速VRRが車速VCARより若干大きい所定値となるように、目標値SB≒2〜3Km/h等に設定される。
【0051】
ステップS7では、現在の路面状況が氷結路等の低μ路であるかを判定するもので、上記ステップS5で求めた路面摩擦係数μに応じた値としての前後加速度Xgと、所定値LOMYUとを比較することで、発生した前後加速度Xgから現在の路面が低μ路と高μ路のいずれであるかを判定する。
【0052】
この所定値LOMYUは、低μ路を判定するために予め設定された加速度であり、例えば、0.3G等に設定される。
【0053】
車両に発生した前後加速度Xgが所定値LOMYU以上である場合には、変速制御を禁止してステップS13へ進む一方、前後加速度Xgが所定値LOMYU未満の低μ路と判定された場合には、駆動輪RR,RLの空転を抑制して車両の安定性を確保するため、ステップS8で第2スロットル10を駆動するとともに、エンジンコントローラ2へ駆動力制御要求を送出してエンジン4の燃料カットを行う。このエンジン4の出力制御は、前記従来例と同等である。
【0054】
TCSコントローラ1は駆動力制御を開始するとともに、ステップS9でエンジンコントローラ2からエンジン4の冷却水温TXNELを読み込んでから、ステップS10で、エンジン4が暖機中か暖機終了後のいずれであるかを判定して、ATコントローラ3へ指令するシフトスケジュールを切り換える。
【0055】
すなわち、エンジン水温TXNELを所定値、例えば、0℃と比較して、上記したように、エンジン水温TXNELが0℃未満であれば、暖機中と判定してステップS11へ進んで、TCSコントローラ1は図3に示した、暖機時TCS制御モードを選択するようATコントローラ3へ指令する一方、エンジン水温TXNELが0℃以上であれば暖機終了と判定してステップS12へ進み、図3に示した完暖時TCS制御モードを選択するようATコントローラ3へ指令する。
【0056】
ATコントローラ3はステップS11又はS12で、TCSコントローラ1から信号に呼応して、シフトスケジュールを図3に示したように、ノーマルモードから暖機時又は完暖時のTCS制御モードへ切り換える。
【0057】
一方、ステップS13では、駆動力制御を行わないため、ATコントローラ3は、図3の破線に示した通常走行用のノーマルモードを選択する。
【0058】
以上のような制御を所定時間毎に行うことにより、エンジン4の冷却水温TXNELの影響によるアイドル回転数の変動に拘わらず、低μ路等で発進、加速する際に駆動輪の空転を確実に抑制しながらも変速ショックを低減することができ、さらに、高μ路では運転者の意図に応じた加速を行うことが可能となり、以下にその一例を示す。
【0059】
氷結路のような低μ路等での発進で、第1スロットル開度TVOが小さい状態(例えば、TVO≦1/8)で駆動輪が空転して、駆動力制御が開始されると、TCSコントローラ1は第2スロットル10を駆動するとともに、エンジンコントローラ2へ駆動力制御要求を送出して、前記従来例に示した図7と同様に、第2スロットル開度THRと燃料カット気筒数を制御しながら駆動輪の空転を抑制する。
【0060】
このとき、TCSコントローラ1はエンジン4の冷却水温TXNELに応じて、駆動力制御中のシフトスケジュールを完暖時TCS制御モードと暖機時TCS制御モードのうちの一方へ切り換えるようにATコントローラ3へ指令を送出する。
【0061】
いま、駆動輪が空転したときにエンジン水温TXNELが所定値以上の完暖時であれば、ATコントローラ3は、シフトスケジュールを図3の実線A〜Dで示した、完暖時TCS制御時モードに切り換えられる。
【0062】
TCSコントローラ1及びエンジンコントローラ2による第2スロットル開度THR及び燃料カット制御が開始されて、駆動輪の空転の減少に応じて車速も増大するため、例えば、第1スロットル開度TVOが所定値である1/8以下であれば、車速が約20Km/hを超えると(図3のA部)、自動変速機6では1速から2速へシフトアップが行われ、エンジン回転数Neは、図5に示すように1速から2速へのシフトアップに応じて一時的に減少した後、第2スロットル開度THRに応じて増大する。
【0063】
このとき、1速から2速へのシフトアップによりエンジン回転数Neは一時的に減少するが、図3のA部でシフトアップを行っても、図9に示したように、エンジンコントローラ2で行われるエンストリミット制御で維持される回転数(この場合、水温TXNEL≧0℃のアイドル回転数)を下回らないように設定される。
【0064】
このため、図5のように、2速へシフトアップした後も、エンジンコントローラ2はTCSコントローラ1の要求に応じて燃料カットを継続可能なエンジン回転数Neを確保でき、前記従来例のようにシフトアップによってエンジン回転数Neがエンストリミット制御の目標値未満となって燃料カットが不能となるのを防いで、第1スロットル開度TVOが小さい場合であっても確実に駆動輪の空転を防いで、車両の安定性を確保することができるのである。
【0065】
そして、第1スロットル開度TVOが所定値より大きい状態(例えば、TVO≧4/8)で駆動輪が空転した場合では、上記のような駆動力制御によって駆動輪の空転を抑制しながら車速が増大し、ATコントローラ3は、車速が図3に示すC、D部を超えると、1速から2速へのシフトアップが行われ、このシフトアップは通常のノーマルモードのシフトアップ線(TVO=7/8で約70Km/h)よりも低い車速(約50Km/h)で行われるため、エンジン回転数Neは高回転域まで増大することなく、記従来例のようにエンジン回転数Neが過大になってから変速動作を行うのを防いで、変速ショックの発生を抑制しながら駆動力制御を円滑に継続することができ、前記従来例に比して、車両の安定性を確保しながら運転者に違和感や不快感を与えることがなくなり、駆動力制御装置を備えた自動変速機付き車両の運転性を向上させることができる。
【0066】
一方、駆動輪が空転したときにエンジン水温TXNELが所定値未満の暖機時であれば、ATコントローラ3は、シフトスケジュールを図3の実線A’、B’〜Dで示した、暖機時TCS制御時モードに切り換える。
【0067】
上記と同じくエンジン4の駆動力制御によって駆動輪の空転が減少して車速も増大し、例えば、第1スロットル開度TVOが所定値である1/8以下であれば、車速が完暖時TCS制御モードのシフトアップ線よりも大きい約27Km/hを超えてから(図3のA’部)、自動変速機6は1速から2速へシフトアップを行う。
【0068】
このときの、エンジン回転数Neは、図5に示すように、1速から2速へのシフトアップに応じて一時的に減少するが、図9に示した暖機時(水温TXNEL<0℃)にエンストリミッタ制御で維持されるアイドル回転数を下回ることがないため、2速へシフトアップした後も、エンジンコントローラ2はTCSコントローラ1の要求に応じて燃料カットを継続することができ、前記従来例のようにシフトアップによってエンジン回転数Neがエンストリミット制御の目標値未満となって燃料カットが不能となるのを防ぐことができる。
【0069】
こうして、エンジン4の冷却水温TXNELに拘わらず、すなわち、エンジン4の暖機状態に拘わらず、第1スロットル開度TVOが小さい場合であっても確実に駆動輪の空転を防いで、車両の安定性を確保することができるのである。
【0070】
なお、図3の完暖時及び暖機時TCS制御モードにおいては、第1スロットル開度TVOが1/8を超えてから4/8までの間では、通常走行用のノーマルモードよりもシフトアップ線を高速側へ移行させ、駆動力制御中の変速動作を遅延させて、変速(シフトアップ)による影響を抑制して車両の安定性を向上させることができ、さらに、上記ステップS7では、ステップS6の判定で駆動輪のスリップSが目標値SBを超えて空転した場合であっても、路面摩擦係数μが所定値LOMYU以上の高μ路であれば変速制御を禁止するため、高μ路の登坂路などで駆動輪が空転しても、加速に必要な駆動力を確保することができ、駆動力制御を行った場合の駆動力の低下による加速性能の低下を防いで、運転者の意図に応じた加速を行うことが可能となる。
【0071】
なお、上記実施形態において、車両に発生する加速度を前後加速度Xgのみで検出し、この値を路面摩擦係数μとして扱うことで低μ路の判定を行ったが、図示はしないが、車両の横加速度Ygを検出する横加速度センサを設け、上記ステップS5で求めた、前後加速度Xgに加えて、検出した横加速度Ygと上記前後加速度Xgから路面摩擦係数μを示す値を推定して、低μ路の判定を行ってもよい。
【0072】
また、TCS制御時のシフトスケジュールを、図3、図4のように1速から2速及び2速から1速へのシフトアップ、ダウン線のみについて述べたが、図示はしないが、2速から3速等、他のシフトスケジュールについても第1スロットル開度と車速に応じて完暖時と暖機時のTCS制御時モードをそれぞれ設定しておけばよい。
【0073】
また、TCS制御時のシフトスケジュールを、冷却水温TXNELに応じて完暖時と暖機時の2つのモードを選択的に切り換えたが、図示はしないが、冷却水温TXNELの増大に応じて第1スロットル開度TVOの低開度側(TVO≦2/8)の変速線を高速側に移動させるようなマップや関数としてもよい。
【0074】
また、ATコントローラ3に設定された通常走行用のシフトスケジュールを単一のノーマルモードのみとした場合を示したが、この通常走行用のシフトスケジュールを、ノーマルモードに加えてパワーモードやエコノミーモード等複数のシフトスケジュールを設定してもよく、ATコントローラ3はこれら複数の通常走行用のシフトスケジュールと、完暖時または暖機時TCS制御時モードをTCSコントローラ1の要求に応じて選択的に切り換えれば、上記と同様にエンジン4の水温TXNELに拘わらず駆動輪の空転を抑制しながら円滑な変速動作を行うことができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように第1ないし第3の発明は、駆動輪の路面に対するスリップが所定値を超えるとエンジンの駆動力を低減して、駆動輪のスリップを抑制するが、このとき、変速制御手段は、シフトスケジュールを通常走行用の第1のシフトスケジュールから第2のシフトスケジュールへ切り換えるが、この第2シフトスケジュールは、エンジン制御手段で維持されるエンジン回転数以上の車速で第1シフトスケジュールよりも高速側に変速線を設定したため、変速後にエンジン制御手段が維持するエンジン回転数を下回ることがなくなって、例えば、変速後の燃料カット制御等の駆動力抑制制御を可能にし、エンジンの冷却水温に拘わらず駆動力制御を確実に行うことができ、自動変速機付き車両の駆動力制御装置の制御精度及び運転性を向上させることが可能となる。
また、第4の発明は、第2シフトスケジュールが、運転者の操作に応動する第1スロットル開度が高開度領域で、第1シフトスケジュールよりも低速側に設定したので、エンジン回転数が高回転域となってから変速を行うことを防いで、変速ショックによる駆動力抑制制御の安定性の低下を防止する。
【0076】
また、第5の発明は、エンジンの冷却水温に応じて完暖時モード及び暖機時モードを選択的に切り換えることで、駆動力制御中に変速を行っても、冷却水温に応じて変化する所定のエンジン回転数を下回ることがなく、例えば、暖機中あるいは暖機終了後のエンジンの状態に拘わらず、変速後の燃料カット制御等の駆動力抑制制御を確実に行うことができ、また、冷却水温の高い完暖時では、変速ショックの抑制と安定した駆動力制御を両立でき、一方、冷却水温の低い暖機時には変速ショックの抑制よりも駆動力制御を優先させることで、自動変速機付き車両の駆動力制御装置の制御精度と運転性及び安定性を向上させることが可能となる。
【0078】
また、第6の発明は、エンジン制御手段は第2スロットルが全閉となっても冷却水温に応じた所定の回転数を維持するようにエンジンを制御しており、駆動輪の空転が判定されると、駆動力抑制手段は、第2のスロットルと燃料カット手段を制御することでエンジンの駆動力を低減して、駆動輪の空転を抑制し、駆動力制御中の第2シフトスケジュールは、エンジンの冷却水温に応じて第1シフトスケジュールよりも高速側に変速線を設定したため、変速後にエンジン制御手段が維持するエンジン回転数を下回ることがなくなって、変速後の燃料カット制御を可能にし、エンジンの冷却水温に拘わらず駆動力制御を確実に行うことができ、自動変速機付き車両の駆動力制御装置の制御精度を向上さることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す駆動力制御装置の概略図。
【図2】同じくTCSコントローラ及びATコントローラで行われる制御の一例を示すフローチャート。
【図3】通常走行用ノーマルモードと駆動力制御モードにそれぞれ設定されたATコントローラの1速から2速へのシフトアップのスケジュールで、第1スロットル開度TVOと車速に応じた変速線の関係を示す。
【図4】通常走行用ノーマルモードと駆動力制御モードにそれぞれ設定されたATコントローラの2速から1速へのシフトダウンのスケジュールで、第1スロットル開度TVOと車速に応じた変速線の関係を示す。
【図5】駆動力制御中のエンジン回転数の変化を示し、エンジン回転数Neと時間tのグラフである。
【図6】従来の変速コントローラのシフトスケジュールを様子を示すグラフで、車速とスロットル開度に応じた変速位置を示すグラフである。
【図7】同じく、駆動輪空転時の燃料カット制御、第2スロットルによるエンジン駆動力の抑制の様子を示し、エンジン回転数、燃料カット気筒数及び第2スロットル開度と時間の関係を示すグラフ。
【図8】同じく、低スロットル開度でシフトアップした場合の、エンジン回転数とエンストリミット制御によるエンジン回転数の関係を示すグラフである。
【図9】冷却水温に応じたエンストリミット制御の一例を示し、冷却水温と目標エンジン回転数の関係を示すグラフである。
【図10】第1ないし第4の発明のいずれかひとつに対応するクレーム対応図である。
【符号の説明】
1 TCSコントローラ
2 エンジンコントローラ
3 ATコントローラ
4 エンジン
6 自動変速機
7 アクセルペダル
8 第1スロットル
9 アクチュエータ
10 第2スロットル
11 スロットル開度センサ
12FR、12FL、12RR、12RL 車輪速センサ
100 自動変速機
101 駆動輪
102 変速制御手段
103 駆動力制御開始判定手段
104 エンジン
105 駆動力抑制手段
106 切換手段
109 第2スロットル
110 燃料カット手段
120 エンジン制御手段
121 TCS制御モード切換手段

Claims (6)

  1. 自動変速機を介してエンジンに連結された駆動輪と、
    前記エンジンの冷却水温に応じて所定の回転数を維持するエンジン制御手段と、
    車両の運転状態に応じて予め設定された複数のシフトスケジュールのうちのひとつを選択して前記自動変速機を制御する変速制御手段と、
    前記駆動輪の路面に対するスリップが所定値を超えたときに駆動輪の空転を判定する駆動力制御開始判定手段と、
    前記駆動力制御開始判定手段が駆動輪の空転を判定したときに前記エンジンの駆動力を燃料カット制御を用いて低減する駆動力抑制手段とを備えた車両用駆動力制御装置において、
    前記変速制御手段は、通常走行用の第1のシフトスケジュールと、前記駆動力抑制手段が作動したときの第2のシフトスケジュールとを選択的に切り換える切換手段を備え、
    前記第2のシフトスケジュールは、前記エンジン制御手段で維持される所定の回転数に応じて、その所定の回転数以上の車速で変速するように、運転者の操作に応動する第1スロットル開度が低開度側で前記第1スケジュールよりも高速側に変速線を設定したことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  2. 前記第2シフトスケジュールは、
    エンジン制御手段で維持される所定の回転数に応じて、その所定の回転数以上の車速でシフトアップするように、運転者の操作に応動する第1スロットル開度が低開度側及び中開度領域の変速線を前記第1シフトスケジュールよりも高速側に設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動力制御装置。
  3. 前記第2シフトスケジュールは、
    エンジン制御手段で維持される所定の回転数に応じて、その所定の回転数以上の車速でシフトダウンするように、運転者の操作に応動する第1スロットル開度 がほぼ7/8以下の領域の変速線を前記第1シフトスケジュールよりも高速側に設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動力制御装置。
  4. 前記第2シフトスケジュールは、
    運転者の操作に応動する第1スロットル開度が高開度領域の変速線を前記第1シフトスケジュールよりも低速側に設定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用駆動力制御装置。
  5. 前記第2シフトスケジュールは、
    エンジンの冷却水温が所定値以上のときの完暖時モードと、同じく冷却水温が所定値未満のときの暖機時モードと、前記冷却水温に応じてこれら完暖時モード及び暖機時モードを選択的に切り換えるTCS制御モード切換手段とを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載の車両用駆動力制御装置。
  6. 前記駆動力抑制手段は、エンジンの吸気管路に配設されてアクチュエータに駆動される第2のスロットルと、前記エンジンへの燃料供給を一時的に停止する燃料カット手段とを有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載の車両用駆動力制御装置。
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