JP2765125B2 - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

Info

Publication number
JP2765125B2
JP2765125B2 JP29974989A JP29974989A JP2765125B2 JP 2765125 B2 JP2765125 B2 JP 2765125B2 JP 29974989 A JP29974989 A JP 29974989A JP 29974989 A JP29974989 A JP 29974989A JP 2765125 B2 JP2765125 B2 JP 2765125B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
throttle valve
control
acceleration slip
standby
slip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29974989A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03164540A (ja
Inventor
哲哉 多田
邦久 林
裕治 宮崎
隆喜 中富
健治 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP29974989A priority Critical patent/JP2765125B2/ja
Priority to US07/553,756 priority patent/US5096016A/en
Priority to CA002021431A priority patent/CA2021431C/en
Priority to EP90113772A priority patent/EP0409200B1/en
Priority to DE69006553T priority patent/DE69006553T2/de
Publication of JPH03164540A publication Critical patent/JPH03164540A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2765125B2 publication Critical patent/JP2765125B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は内燃機関を動力源とする車両の加速時のス
リップ制御装置に関する。
〔産業上の利用分野〕
高出力車両では加速時にエンジンの出力がタイヤ面と
路面との間の摩擦力を上回るとタイヤはグリップを失い
スリップが発生することがある。スリップの発生を防止
するための技術として、アクセルペダルと独立して吸入
空気量を制御することが可能な副スロットル弁を設け、
又はスロットル弁をリンクレスとして構成し、スリップ
の発生を駆動輪の回転数と従動輪の回転数の差として知
り、吸気スロットル弁をアクセルペダルの踏込量で決る
本来の開度から閉鎖することによりエンジンの発生する
出力を下げてスリップを抑制し、それからスロットル弁
を本来の開度に戻してゆく制御を行う。
全開発信の場合には車両が動く前のスロットル弁の開
度は全間近くであり、スリップが発生した場合にスロッ
トル弁を閉じても、エンジントルクが低下するのが遅
れ、トルクは急には降下しないため、過大スリップが長
時間継続される。そこで、特開昭63−137034号公報で
は、リンクレススロットル弁車両において、発振時にス
リップが始まる前に予め駆動輪への付与トルクを低減し
ておくこと(所謂スタンバイ制御)を提案している。付
与トルクの低減のため制動を加えるか、アクセルペダル
開度に比べてスロットル弁開度を絞ることが提案されて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来技術では発進時の付与トルクの低減量は一定とさ
れていた。この低減量はスロットル弁開度の変化に対す
るトルクの値の特性曲線において、トルクの急降下を惹
起させるスロットル弁開度付近の開度となるように設定
され、これによりスタンバイ制御の実行によるトルクの
変化が実質的に起こらないようにしていた。しかしなが
ら、トルクの急降下を惹起させるスロットル弁開度は路
面状態によって変化し、或る路面状態ではスタンバイ制
御の実行によるスロットル弁開度の閉鎖量が不足のた
め、迅速なスリップ制御ができなかったり、逆に別の路
面状態ではトルクの落とし過ぎによる加速性能の悪化の
おそれがあった。
この発明は路面変化に係わらず最適なスタンバイ制御
を実行することができるようにすることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の車両のスリップ制御装置は、第1図におい
て、 アクセルペダルに機械的に連結されるスロットル弁と
は独立して設けられ又はアクセルペダルから機械的に切
り離されていてアクセルペダル操作とは無関係に内燃機
関へ導入される吸入空気の量を制御することができる弁
部材Aを有し、 加速スリップ制御条件成立時には、前記弁部材を所定
開度まで開弁することにより内燃機関の吸入空気量を制
限して駆動輪Bの過大トルクを低減する加速スリップ制
御を行う車輌の加速スリップ制御装置において、 前記加速スリップ制御条件不成立時でかつ、車輌の加
速スリップを予測する加速スリップ予測手段Cにより加
速スリップの発生が予測された時には、内燃機関の運転
状態に応じて算出され出力トルクの急降下を惹起させる
開度付近の開度まで前記弁部材Aを所定量閉弁させるス
タンバイ制御手段Dを有し、スタンバイ制御実行後に加
速スリップが発生した場合に次回のスタンバイ制御実行
時において弁部材Aの閉弁量をその運転条件において算
出される前記所定閉弁量を増大補正した閉弁量に変更す
る閉弁量変更手段Eを有することを特徴とする 〔実施例〕 この発明が応用される副スロットル弁を備えたスタン
バイ制御付きスリップ制御装置について先ず説明する第
2図において、8は後輪駆動の車体の輪郭を表し、内燃
機関が搭載される。10は内燃機関の本体、12は吸気管、
14はサージタンク、16は主スロットル弁、18はアクセル
ペダル、20はエアローメータ、23はエンジン水温センサ
である。アクセルペダル16によって駆動される主スロッ
トル弁16の上流に副スロットル弁22が設けられ、副スロ
ットル弁20はアクチュエータ(例えばステップモータ)
24に連結される。アクチュエータ24は加速時の副スロッ
トル弁22の閉鎖制御を行うものである。エンジン10の回
転軸は変速機28に連結され変速機28の出力軸30はディフ
ァレンシャルギヤ32を介して駆動側の車輪(後輪)34R,
34Lに連結される。34R,34Lは従動側の車輪(前輪)であ
る。
エンジン制御回路46はこの発明の直接に関係しないた
め説明しない燃料制御などに加えてこの発明の副スロッ
トル弁22の閉鎖制御を行うものである。この制御の実行
のため種々のセンサが制御回路46に接続されており、ま
ずエンジン回転数センサ44はエジン回転数NEに応じた信
号を発生し、スロットル弁開度センサ46は主スロットル
弁46の開度TAMに応じた信号を発生する。後輪である左
右の駆動輪34R,34Lに対向して駆動輪回転速度センサ48
R,48Lが設けられ、駆動輪34R,34Lの回転速度VWRR,VWRL
を知ることができる。一方、前輪である従動輪36R,36L
に対向して従動輪回転速度センサ50R,50Lが設けられ、
従動輪36R,36Lの回転速度VWFR,VWFLを知ることができ
る。
次にエンジン制御回路46の作動を第3図のフローチャ
ートによって説明する。このルーチンは一定時間毎に実
行されるものとする。ステップ50では駆動側の右後輪の
回転速度VWRR、左後輪の回転速度VWRL、従動側である右
前輪の回転速度VWFR、左前輪の回転速度VWFLのセンサ48
R,48L,50R,50Lによる実測値が読み出される。ステップ5
2では今回の右後輪の回転速度VWRRと前回の右後輪の回
転速度VWRRBとの差、 DLVWRR=VWRR−VWRRB 今回の左後輪の回転速度VWRLと左後輪の回転速度VWRLB
との差、 DLVWRL=VWRL−VWRLB および今回と前回とで車速の差 DELVTO=VTO−VTOB が算出される。
ステップ54では右前輪の回転速度VWFRと左前輪の回転
速度VWFLとの平均値、 VTO(VWFR+VWFL)/2 が算出される。この値は車両の速度の推定値となる。
ステップ56では右後輪(駆動輪)34Rの回転速度VWRR
≧VTO+X1が成立するか否か判別される。ステップ52で
は左後輪(駆動輪)34Lの回転速度VWRL≧VTO+X2が成立
するか否か判別される。ここにX1,X2は所定値である。
これらの条件が成立することは駆動輪の速度が車速より
相当大きいことを(スリップがあったことを)意味す
る。
スリップが発生していないと判別されるときはステッ
プ60に進み、FTRC=1か否か判別される。FTRCはステッ
プ制御時にセット(=1)され、ステップ非制御時にリ
セット(=0)されるフラグである。スリップ非制御時
とすればステップ62に進み、FSTBY=1か否か判別され
る。FSTBYはスタンバイ制御時にセット(=1)され、
スタンバイ非制御時にリセット(=0)されるフラグで
ある。ここに、スタンバイ制御とはスリップが発生しそ
うな時を予測し、スリップが抑制される方向に予め副ス
ロットル弁22を閉鎖する制御のことをいう。FSTBY=0
とすればステップ64に進み、吸入空気量−回転数比変化
率ΔQ/N≧aか否がか判別される。この判別はスタンバ
イ条件か否かの判別であり、吸入空気量−回転数比(そ
の外の因子含む)により代表される負荷の変化率が所定
値より大きいときにスタンバイ制御を実行するものとす
る。スタンバイ非制御時(ΔQ/N<a)と判別すればス
テップ66に進み、FSTBYがリセット(=0)され、CTSTB
Yがリセットされる。ここにCTSTBYはスタンバイ制御の
継続時間のカウンタである。ステップ68ではTAGETにMax
が入れられる。ここに、TAGETは副スロットル弁22の開
度に応じたアクチュエータ24の制御信号であって、同信
号のレベルに応じて副スロットル弁22の開度が制御され
る。Maxは副スロットル弁22の全開に相当する。スタン
バイ制御を実行しないときは副スロットル弁22は全開さ
れる。
スタンバイ制御条件が成立(Q/N≧a)するときはス
テップ64よりステップ70に進み、FSTBY(スタンバイフ
ラグ)がセット(=1)され、次にステップ72に進み、
CTSTBY(スタンバイ制御の継続時間のカウンタ)がイン
クリメントされる。ステップ74ではCTSTBY≧Aが成立す
るか否か判別される。この判別は所定の時間スタンバイ
制御が継続されたか否かをみている。CTSTBY<Aが成立
するときはステップ76−82のスタンバイ制御に進む。ス
テップ76では吸入空気量補正係数QGainがマップ1(第
4図)により算出され、ステップ78では回転数補正係数
NGainがマップ2(第5図)によって算出され、ステッ
プ80ではエンジン水温補正係数TGainがマップ2より算
出される。
ステップ82では副スロットル弁開度制御信号レベルが TAGET=TK×QGain×NGain×TGain によって算出される。TKは副スロットル弁22を全開から
閉じる値であり、そのときのアクセルペダル開度に対し
て一定開度だけ閉じる値であり、QGain(第4図)、NGa
in(第5図)、TGain(第6図)によって補正が行われ
る。ここに、ここにQGain,NGainはそのスタンバイ制御
の時点において得られるエンジンのトルクの因子に応じ
てその所定値(スタンバイ制御量)を変化させるもので
ある。単純に所定値だけスロットル弁を閉じるのである
と、全ての運転条件に亙って満足な値とすることはでき
ない。この発明では、スリップが発生するという予測が
外れたときの加速悪化防止のためスタンバイ制御量をス
タンバイ制御を開始するとききのエンジントルク因子に
応じて設定する。これによりスリップの抑制と加速向上
との矛盾する要求を調和させているのである。この実施
例では、スタンバイ制御量を調整するゲインであるQGai
n,NGainによってトルク因子によるゲインの算出をして
いる(第4図、及び第5図のマップ参照)。(又は、TK
×QGainをQをパラメータとして与えるようにしてもよ
い。)第7図はスロットル弁開度−出力トルクの関係を
示す。スタンバイ制御時の最適なスロットル弁開度は第
7図におけるスロットル弁開度−出力トルクとの関係に
おいて、スロットル弁開度を小さくしていった場合にエ
ンジン出力トルクが急激に降下を開始する時点に設定す
るが(例えばA点)、このスロットル弁開度はエンジン
回転数、吸入空気量に応じて変化し、単純に副スロット
ル弁を所定量TK小さくするだけでは得られない。そこ
で、吸入空気量、エンジン回転数で代表されるトルク因
子によってスロットル弁の閉じる量を調整するものであ
る。
吸入空気量Qと回転数比NEUの代わりに、その外の因
子、例えば、単純にそのときのエンジン回転数単独でス
タンバイ制御量を設定してもよい。同様に、吸入空気量
Qのみでスタンバイ開度を設定してもよく、またメイン
スロットル弁16の開度によってスタンバイ制御を設定し
てもよい。また、これらの因子を、例えば、スロットル
弁開度と、エンジン回転数のように適当に組み合わせる
ことができる。また、変速機のシフト位置に応じて、例
えば、シフト位置が低速段ほどスタンバイ制御量(スロ
ットル弁を閉じる量)を大きくすることができる。これ
は、加速スリップの予測がはずれても、低速段の方が駆
動力の回復が早く、加速性の悪化度合いが小さいので、
スリップが起こったときのスリップ抑制力を大きくする
趣旨である。
尚、ステップ80のTGainはスタンバイ制御開始時のエ
ンジン冷却水温THWによってスロットル弁閉鎖量TAGETを
制御する因子である。水温が低い程、スタンバイ制御時
の副スロットル弁22の閉じる量は大きく修正される。室
温が低いと、TRC制御時に通常行われる燃料カットが行
い得ないので(第2実施例のフローチャート(第2図)
のステップ252−266の燃料カット制御)、エンジントル
クを落としぎみにしておくものである。
スタンバイ制御に入ってからスタンバイ制御のまま一
定の時間が経過するとCTSTBY≧Aとなり、ステップ74よ
りステップ66に流れ、スタンバイ制御をキャンセルされ
る。これは、加速に移行したのにスリップが起こらず、
摩擦係数μの高い路面と判断し、スタンバイ制御をキャ
ンセルするものである。
加速スリップ制御時はステップ56、58または60よりス
テップ83に進みトラクション制御(TRC)が許可されて
いるか否か判別される。例えば、フェイル制御実行時は
ステップ83でNoと判別される。ステップ84てはトランク
ション制御が終了したか否か判別される。例えば、副ス
ロットル弁22の開度が主スロットル弁16の開度より大き
くなったときはトラクション制御は終了する。ステップ
84でNoのときは、ステップ86で目標車速VT3が VT3=VTO×(1+α) によって算出される。ここに、αはスリップ率である。
スリップ率はその車速に対して最も大きなグリップが得
られるように適当に設定される。スリップ88では制御一
時偏差DELVが、 DELV=VT3−(VWRR+VWRL)/2 によって算出される。DELVは目標車速の左右駆動輪の回
転数の平均値との差として表される一次偏差(偏差の大
きさ)を意味している。ステップ90では制御二次偏差DE
LGが、 DELG=DELVTO−(DLVWRR+DLVWRL)/2 によって算出される。DELGは車速及び左右駆動輪の回転
数の時間変化の平均値との差として表される二次偏差
(偏差の時間変化の大きさ)を示す。DELVTOは車速VT0
は車速VTO(ステップ54)の時間変化量である。ステッ
プ92では副スロットル弁22の閉鎖制御信号における制御
量INCTAMが INCTAM=k1×DELV+k2×DELG によって算出される。k1,k2はフィードバックゲインを
示す。ステップ94ではTAGETが、 TAGET=TAGET+INCTAM によって算出運される。この式はスリップ制御時の副ス
ロットル弁22の開度が偏差の大きさおよび偏差の変化の
方向に応じて制御されることを意味している。
トラクション制御が許可されていない場合、又はスリ
ップが解消され、トラクション制御条件が終了するとス
テップ83又はステップ84よりステップ96に流れ、FTRCが
リセット(=0)される。
ステップ98はステップ68、82、94で算出された副スロ
ットル弁制御信号のアクチュエータ24への出力を示し、
ステップ100では次回の処理のためVWRR,VWRL,VTOがそれ
ぞれVWRRB,VWRLB,VTOBに入れられる。
第8図(イ)は第1実施例におけるトラクション制御
時の主スロットル弁16、副スロットル弁22、回転数NE、
駆動輪回転VWRR、車体速度VTOの変化を示す。時刻t1
ΔQ/Nが判定値aを超えると(第8図(ロ))、スタン
バイ制御が開始され、FSTBY=1とセットされ(第8図
(ハ))、副スロットル弁22はスタンバイ開度まで閉鎖
され、その開度はエンジントルクに関係するパラメータ
である吸入空気量、エンジン回転数に基づいて制御され
る。吸入空気量−回転数比Q/Nにより制御される。駆動
輪のスリップによって時刻t2でTRC制御条件に移行する
とFTRC=1とセットされる。破線はスタンバイ制御しな
い場合を示す。
次に、この発明が応用されるリンクレス型スロットル
弁を備えたスタンバイ制御付きスリップ制御装置につい
て説明するスロットル弁22は一個のみ設置され、アクセ
ルペダル18はスロットル弁22と切り離され、制御回路46
によってアクセルペダル18の踏込量に応じたスロットル
弁22の開度が得られる。アクセルペダル18の開度を検出
するためのセンサ46′が設けられる。そして、トラクシ
ョン制御時はスリップに応じてスロットル弁22の開度が
制御される。また、第1実施例と同様に内燃機関のトル
ク因子に応じたスタンバイ制御が実行される。更に、こ
の実施例ではトラクション制御開始時に燃料カットを行
う制御を組み込んでいる。
次に、第2実施例のエンジン制御回路46の作動を第10
図のフローチャートによって説明する。このルーチンは
一定時間毎に実行されるものとする。ステップ200では
アクセルペダル18の踏込量θac、駆動側の右後輪の回転
速度VWRR、左後輪の回転速度VWRL、従動側である右前輪
の回転速度VWFR、左前輪の回転速度VWFLのセンサ46′,4
8R,48L,50R,50Lによる実測値が読み出される。ステップ
202では今回の右後輪の回転速度VWRRと前回の右後輪の
回転速度VWRRBとの差、 DLVWRR=VWRR−VWRRB 及び、今回の左後輪の回転速度VWRLと左後輪の回転速度
VWRLBとの差、 DLVWRL=VWRL−VWRLB が算出される。
ステップ204では右前輪の回転速度VWFRと左前輪の回
転速度VWFLとの平均値、 VTO=(VWFR+VWFL)/2 及びこの平均値VTOと前回の平均値VTOBとの差 DELVTO=VTO−VTOB が算出される。
ステップ206ではスロットル弁22の今回の開度TAMと前
回の開度TAMBとの差ΔTAMが算出される。ΔTAMはスロッ
トル弁の開度の時間変化割合である。
ステップ208では右後輪(駆動輪)34Rの回転速度VWRR
≧VTO+X1が成立するか否か判別される。ステップ210で
は左後輪(駆動輪)34Lの回転速度VWRL≧VTO+X2が成立
するか否か判別される。
スリップが発生していないと判別されるときはステッ
プ212に進み、スリップ制御フラグFTRC=1か否か判別
される。スリップ非制御時とすればステップ214に進
み、スタンバイフラグFSTBY=1か否か判別される。FST
BY=0とすればステップ215に進み、CLDYがインクリメ
ントされる。CDLYはスタンバイ制御が時間制限により終
了した場合にその終了後の継続時間を計測するカウンタ
である。ステップ218ではCDLY≧Cか否か判別される。
ここにCDLYはスタンバイ制御が時間制限(CSTBY≧A)
で終了したとき、その終了後の経過時間を計測するカウ
ンタである。スタンバイ制御が時間制限で終了してから
所定時間が経過したときは、ステップ220でCDLY=Cと
され、ステップ222でスロットル弁開度TAMの時間変化量
ΔTAM≧bか否か(即ち、スタンバイ条件が成立したか
否か)判別される。ΔTAM≧bが成立したときはステッ
プ224に進み、スタンバイフラグFSTB=1とされる。
スタンバイ制御が時間制限で終了してから所定時間が
経過していないとき(CDLY<C)のときはステップ222
のスタンバイ条件か否かの判断を迂回する。それは、ス
タンバイ制御が時間制限で終了したということは摩擦係
数μが大きい路面であることを示し、スロットル弁22は
後述するステップ232で算出される本来の開度に急速に
復帰し、スロットル弁開度TAMの変化は大きくなる。こ
のときスタンバイ制御条件でないのにステップ222のΔT
AM≧bの条件がクリヤされ、スタンバイ制御に移行して
しまう恐れがある。そこで、ステップ222の判断を回避
している。CDLY<Cのときはステップ226,228によりス
タンバイ条件を判別している。即ち、ステップ226では
右後輪(駆動輪)34Rの回転速度VWRR≧VTO+X1/2が成立
するか否か判別される。ステップ210では左後輪(駆動
輪)34Lの回転速度VWRL≧VTO+X2/2が成立するか否か判
別される。VWRR≧VTO+X1/2またはVWRL≧VTO+X2/2が成
立するときはステップ224に進む。ステップ226,228はTR
Cを開始する程(ステップ208,210でYes)スリップは大
きくないが、スリップの直前とみなされる。(ここにX1
/2,X2/2は適宜に設定される値であり、かならずしもこ
の通りでなくてもよい。)そこでスタンバイフラグFSTB
Y=1とし、スタンバイ制御している。尚、一旦トラク
ション制御に移行し、それが終了するとCDLY=C(後述
のステップ284)であるため、ステップ218では必ずYes
と判別され、ΔTAM≧bの判定ステップ222を通過され
る。
スタンバイ非制御時はステップ230に進み、FSTBYがリ
セット(=0)され、CTSTBYがリセットされ、カウンタ
CTSTBYがリセットされ、FTAMがリセットされる。ステッ
プ232はアクセルペダル踏込量θacに応じてスロットル
弁22の制御量ATAGETが算出される。ステップ232はリン
クレススロットル弁22における通常の制御であり、アク
セルペダル18の踏み込み量に応じたスロットル弁開度目
標値ATAGETのマップを持ち、このマップよりその時のア
クセルペダル踏み込み量に応じたスロットル弁開度目標
値ATAGETの補間演算が実行される。
スタンバイ条件成立時はステップ234でカウンタCLDY
がクリヤされ、ステップ236でCTSTBYがインクリメント
される。ステップ238ではCTSTBY≧Aが成立するか否か
判別される。この判別は所定の時間スタンバイ制御が継
続されたか否かをみている。CTSTBY<Aが成立するとき
はステップ240−244のスタンバイ制御が実行される。即
ち、ステップ240ではFTAM=1か否か判別される。FTAM
はイニシャルでは0であり、ステップ242に進み、スロ
ットル弁閉鎖量KTAMが算出される。KTAMはスタンバイ制
御時に、ステップ232で算出される本来のスロットル弁
開度から、どれだてスロットル弁を閉鎖させるか決める
値であり、第1実施例の第2図のステップ82で設定され
るTAGETに相当する。KTAMはこの実施例ではスロットル
弁開度TAMと、KTAMとのマップが具備され、そのときの
スロットル弁開度TAMに対するKTAMが補間演算される。
ステップ244ではスタンバイ制御時のスロットル弁開度
目標値が、 ATAGET=TAM−KTAM として算出される。KTAMは第1の実施例と同様に、その
ときのエンジントルク(TAMがその因子である)に対し
て最適なスタンバイ開度(第7図の特性において出力ト
ルクが急に落ちるのを開始するスロットル弁開度)が得
られるように、各TAMによって設定される値である。次
のステップ245でFTAM=1とされる。即ち、ステップ242
に処理はスタンバイ制御移行後一回のみで行われる。
加速スリップ制御時はステップ208,210または212より
ステップ250に進み、トラクション制御許可か否か判別
され、ステップ252でFTRC=1とされる。ステップ254以
下はトラクション制御移行時に通常行われる燃料カット
制御を示す。ステップ524ではFTRC=1か否か判別され
る。FTRCはトラクション制御移行時に0から1にセット
されるフラグである。トラクション制御に入った最初に
このステップを通過するときFTRC=0であるためステッ
プ256に流れ、FFC=1とされる。FFCは燃料カットフラ
グであり、FFC=1のとき内燃機関10の図示しない燃料
噴射システムにおいて周知の燃料カットルーチンが実行
され、燃料噴射が停止される。燃料噴射を一時的に停止
することで、トラクション移行時のエンジントルクを急
速に下げ、スリップを抑制しようとするものである。ス
テップ256でFFCR=1としれ、ステップ260では燃料カッ
ト時でスロットル弁22の目標開度ATAGETが回転数のマッ
プf(NE)によって算出される。
次に、このルーチンを実行後、ステップ254でFFCR=
1であるからステップ262に進み、FFC=1か否か判別さ
れる。最初はFFC=1(ステップ256)であり、ステップ
264に進み、燃料カット開始からのエンジン回転数の低
下量ΔNE>Δ1か否か判別する。所定量のエンジン回転
数の低下があったとき、即ちΔNE>Δ1の成立時ステッ
プ266でFFC=0とされ、内燃機関における燃料カットは
停止される。
FFC=1とされるの、次回のルーチンにおいてステッ
プ262によりステップ270に進み、トラクション制御(TR
C)が終了したか否か判別される。ステップ272では目標
車速VT3が VT3=VTO×(1+α) によって算出される。ここに、αはスリップ率である。
スリップ率はその車速に対して最も大きなグリップが得
られるように適当に設定される。ステップ274では制御
一次偏差DELVが、 DELV=VT3−(VWRR+VWRL)/2 によって算出される。DELVは目標車速と左右駆動輪の回
転数の平均値との差として表される一次偏差(偏差の大
きさ)を意味している。ステップ276では制御二次偏差D
ELGが、 DELG=DELVTO−(DLVWRR+DLVWRL)/2 によって算出される。DELGは車速と左右駆動輪の回転数
の時間変化の平均値との差として表される二次偏差(偏
差の時間変化の大きさ)を示す。ステップ278ではスロ
ットル弁の開度制御信号における制御量INCTAMが INCTAM=k1×DELV+k2×DELG によって算出される。k1,k2はフィードバックゲインを
示す。ステップ280ではATAGETが、 ATAGET=ATAGET+INCTAM によって算出される。この式はスリップ制御時の副スロ
ットル弁の開度が偏差の大きさおよび偏差の変化の方向
に応じて制御されることを意味している。
トラクション制御禁止条件、若しくはスリップが解消
され、トラクション制御条件が終了するとステップ250,
270よりステップ282に流れ、FTRCがリセット(=0)さ
れ、ステップ284でCDLY=Cとされる。
ステップ290ではステップ232,244,260,280で算出され
た副スロットル弁制御信号のアクチュエータ24への出力
を示し、ステップ292では次回の処理のためVWRR,VWRL,V
TO,TAMがそれぞれVWRRB,VWRLB,VTOB,TAMBに入れられ
る。
第10図の実施例の燃料カット時の制御(ステップ254
−266)は第1実施例にも組み込むことができる。スタ
ンバイ制御との関係を説明すると、トラクション制御移
行時の燃料カットはエンジンのトルクを下げるため行わ
れるが、燃料カット時の吸気管圧力が高い(負圧が弱
い)と、内燃機関の点火栓の点火要求電圧が高く、点火
装置の絶縁電圧を超えることがあり、その耐久性に好ま
しくない。従来の燃料カットを行うトラクション制御で
は、要求電圧が非常に高いスロットル弁全開時に燃料カ
ットが実行されることになるが、この実施例によりこれ
を回避することができる。
第11図は、第9図に示されるリンクレススロットル弁
におけるスタンバイ制御の別実施例を示すもので、第10
図のステップ240,242,244,245に置き換えるべきもので
ある。この実施例ではスタンバイ制御のためのスロット
ル弁閉鎖量KTAM(ステップ306)はエンジン回転数NEと
スロットル弁開度TAMとのマップ(第12図)によって算
出される。
第1実施例、第2実施例を通じてスタンバイ制御時の
スロットル弁閉鎖量(第1実施例のTAGET、第2実施例
のKTAM)はその外の手法によってエンジントルク因子に
応じて算出することができる。
以上説明した副スロットル弁付き(第2図)又はリン
クレススロットル弁型(第9図)スタンバイ制御装置に
おいて、本発明はスタンバイ制御実行後に加速スリップ
が発生した場合に次回のスタンバイ制御実行時において
弁部材Aの閉弁量をその運転条件において算出される前
記所定閉弁量を増大補正した閉弁量に変更する(学習制
御を行う)ことを特徴としている。即ち、スタンバイ制
御実行後にTRC制御に入った場合にスタンバイ制御量
(第2図のステップ82のTAGET、第9図ではステップ244
のKTAM)に補正係数KX(>1.0)を掛算したもの、 TAGET=KX×TAGET又は KTAM=KX×KTAM をスタンバイ制御量とする。これは、スタンバイ制御し
たにも係わらずスリップが起こったのはスタンバイ時の
スロットル弁の閉鎖量TAGET又はKTAMが足りないとみ
て、より大きなスタンバイ制御量が得られるようにこれ
を補正し、スリップが起きないようにするものである。
学習の解除は、イグニッションキースイッチをOFFした
ときとする。
〔効果〕
この発明によれば、加速運転時にスリップを予測して
スロットル弁を閉鎖するスタンバイ制御を行うトラクシ
ョン制御装置において、スタンバイ制御の実行後に加速
スリップが発生したときスタンバイ制御の閉弁量をその
運転条件に応じた値に対して増大修正(学習)すること
により、路面の変化に係わらず迅速なスリップ制御をい
つも行うことができる効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の機能ブロック図。 第2図は通常のリンク付スロットル弁を備えた車両への
応用を示す第1実施例の構成図。 第3図は第1実施例の制御回路の作動を示すフローチャ
ート。 第4図は吸入空気量とQGainとの関係を示すグラフ。 第5図はエンジン回転数とNGainとの関係を示すグラ
フ。 第6図はエンジン水温と、TGainとの関係を示すグラ
フ。 第7図は各エンジン回転数におけるスロットル弁開度と
エンジントルクとの関係を示すグラフ。 第8図は第1実施例の作動を説明するタイミング図。 第9図はリンクレススロットル弁を備えた車両への応用
を示す第2実施例の構成図。 第2実施例の 第10図は第2実施例の制御回路の作動を示すフローチャ
ート。 第11図は第2実施例におけるスタンバイ開度の設定の別
作動を示すフローチャート。 第12図は第11図におけるKTAMの設定の仕方を説明するグ
ラフ。 ある。 8……車両、10……エンジン本体、12……吸気管、 16……主スロットル弁、18……アクセルペダル、 22……副スロットル弁、23……水温センサ、 24……アクチュエータ、34R,34L……駆動輪、 36R,36L……従動輪、44……回転数センサ、 46……制御回路、48R,48L……駆動輪速度センサ、 50R,50L……従動輪速度センサ。
フロントページの続き (72)発明者 中富 隆喜 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 近藤 健治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−29031(JP,A) 特開 昭63−32136(JP,A) 特開 昭63−314332(JP,A) 特開 平3−50354(JP,A) 特開 平2−119644(JP,A) 特開 昭63−137034(JP,A) 特開 平1−269628(JP,A) 実開 平1−127947(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/02 F02D 41/04 F02D 45/00 F02D 9/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクセルペダルに機械的に連結されるスロ
    ットル弁とは独立して設けられ又はアクセルペダルから
    機械的に切り離されていてアクセルペダル操作とは無関
    係に内燃機関へ導入される吸入空気の量を制御すること
    ができる弁部材を有し、 加速スリップ制御条件成立時には、前記弁部材を所定開
    度まで開弁することにより内燃機関の吸入空気量を制限
    して駆動輪の過大トルクを低減する加速スリップ制御を
    行う車輌の加速スリップ制御装置において、 前記加速スリップ制御条件不成立時でかつ、車輌の加速
    スリップを予測する加速スリップ予測手段により加速ス
    リップの発生が予測された時には、内燃機関の運転条件
    に応じて算出され出力トルクの急降下を惹起させる開度
    付近の開度まで前記弁部材を所定量閉弁させるスタンバ
    イ制御手段を有し、スタンバイ制御実行後に加速スリッ
    プが発生した場合に次回のスタンバイ制御実行時におい
    て弁部材の閉弁量をその運転条件において算出される前
    記所定閉弁量を増大補正した閉弁量に変更する閉弁量変
    更手段を有することを特徴とする車輌の加速スリップ制
    御装置。
JP29974989A 1989-07-19 1989-11-20 車両のスリップ制御装置 Expired - Fee Related JP2765125B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29974989A JP2765125B2 (ja) 1989-11-20 1989-11-20 車両のスリップ制御装置
US07/553,756 US5096016A (en) 1989-07-19 1990-07-16 Traction control system for a vehicle with an internal combustion engine
CA002021431A CA2021431C (en) 1989-07-19 1990-07-18 Traction control system for a vehicle with an internal combustion engine
EP90113772A EP0409200B1 (en) 1989-07-19 1990-07-18 Traction control system for a vehicle with an internal combustion engine
DE69006553T DE69006553T2 (de) 1989-07-19 1990-07-18 Antriebssteuerungssystem eines Fahrzeugs mit Brennkraftmaschine.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29974989A JP2765125B2 (ja) 1989-11-20 1989-11-20 車両のスリップ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03164540A JPH03164540A (ja) 1991-07-16
JP2765125B2 true JP2765125B2 (ja) 1998-06-11

Family

ID=17876509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29974989A Expired - Fee Related JP2765125B2 (ja) 1989-07-19 1989-11-20 車両のスリップ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2765125B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000054886A (ja) 1998-08-06 2000-02-22 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03164540A (ja) 1991-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08119002A (ja) 車両用クラッチ制御装置
KR100262696B1 (ko) 차량의 구동력 제어방법
EP0554892B1 (en) Traction control apparatus for automotive vehicle equipped with automatic transmission
EP0587149B1 (en) Traction control apparatus for automotive vehicle
KR100222151B1 (ko) 차량용 구동력 제어 장치
JP3675018B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
US5459661A (en) Traction control apparatus in which a driving force is increased when a stalling condition is detected
EP0409200B1 (en) Traction control system for a vehicle with an internal combustion engine
JP2765125B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP2858496B2 (ja) 車両の出力制御装置
JP2913822B2 (ja) 加速スリップ制御装置
EP1253042A2 (en) Vehicle traction control system
JP3397115B2 (ja) 無段変速機を備えた車両の制御装置
JPS62203939A (ja) 自動車のスキツド制御装置
JP3204079B2 (ja) 車両用駆動力制御装置
JP3564862B2 (ja) 車両用駆動力制御装置
JP3575223B2 (ja) 車両用駆動力制御装置
JPH07174042A (ja) 車両の駆動トルク制御装置
JP3820626B2 (ja) エンジン制御装置
JP3835164B2 (ja) エンジントルク制御装置
JP2669654B2 (ja) 自動車のスリップ制御装置
JP2658559B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JPH0436031A (ja) 車両用駆動力制御装置
JPS63113131A (ja) 車両スリツプ制御装置
JPH04365957A (ja) 車両用エンジンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees