JP2669649B2 - 自動車のスリップ制御装置 - Google Patents

自動車のスリップ制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両の駆動輪のスリップを防止して走行安
定性の向上を図るようにした自動車のスリップ制御装置
の改良に関する。
(従来の技術) 従来より、この種の自動車のスリップ制御装置とし
て、例えば特開昭61−182434号公報に開示されるよう
に、車両の駆動輪と従動輪との速度差を検出し、この速
度差が所定値になるようエンジンのスロットル弁開度制
御でもってエンジン出力をフィードバック制御すること
により、駆動輪の速度を調整してそのスリップを有効に
防止し、車両の走行安定性の向上を図るようにしたもの
が知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかるに、上記従来のものでは、エンジン出力のフィ
ードバック制御でもって駆動輪のスリップを防止する関
係上、大スリップの発生時には、エンジン出力の低下が
遅く、駆動輪の回転の抑制に時間を要して、スリップの
素早い収束性を得るためには改善の余地がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その
目的は、駆動輪のスリップ発生時(発生初期)には、フ
ィードフォワード制御を採用することにより、エンジン
出力を短時間で低下させて駆動輪の収束性を早め、走行
安定性の一層の向上を図ることにある。
その場合、単にエンジン出力を低下側にフィードフォ
ワード制御する場合には、駆動輪の良好な収束性が得ら
れるものの、その後のフィードバック制御の開始時に
は、エンジン出力状態が低いことから、駆動輪速度の目
標値への収束に遅れが生じて復帰応答性が低下し、良好
な加速性が得られない憾みが生じる。このため、本発明
では、エンジン出力をフィードフォワード制御により低
下及び復帰制御することにより、スリップの収束性に加
えて、スリップ収束後の加速性をも良好に確保すること
も目的とする。
さらに、その場合、フィードフォワード制御でエンジ
ン出力を低下制御及び復帰制御する時、その低下目標値
及び復帰目標値を一義的に固定設定するときには、走行
中の路面の状況(舗装路や雪道等)や車速よってはスリ
ップを十分に抑制できないこともある。例えば舗装路で
は車輪の駆動力を少し低下制御すれば収束するものの、
雪道では零付近にまで低下制御しなければスリップは収
束しない。また、高速走行時は、車両の走行抵抗が増加
していること、及び一般に高速ギヤ段で駆動トルクは小
さくなっていること等から低速時に比してスリップしに
くい。したがって、本発明では、フィードフォワード制
御の低下目標値及び復帰目標値を路面の摩擦係数及び車
速に応じて可変設定することとしている。
また、変速機のシフトアップ時には、その動力伝達経
路の切換途中でエンジンの慣性エネルギーが放出される
ために駆動輪に一時的なスリップが生じることがある
が、このスリップは慣性エネルギーの放出が終了した時
点で自然に収束するものである。それ故、大きな駆動力
の作用した通常のスリップ時と同様にエンジン出力を低
下,復帰制御するときには、その出力低下の度合が大き
過ぎて運転者は減速感を感じるから、本発明では、変速
機のシフトアップ時でのスリップ発生時には、フィード
フォワード制御の低下目標値及に復帰目標値をエンジン
出力の増大側に補正することとする。
(課題を解決するための手段) 以上の目的を達成するため、請求項1に係る発明の解
決手段は、第1図に示す如く、エンジン1の出力を調整
して駆動輪のスリップを防止するようにした自動車のス
リップ制御装置を前提とする。そして、エンジン出力を
調整する出力調整手段10と、駆動輪のスリップを検出す
るスリップ検出手段24,24′と、該スリップ検出手段24,
24′で検出したスリップ発生時にエンジン出力を設定制
限値に低下させるよう上記出力調整手段10をフィードフ
ォワード制御する低下制御手段25と、該低下制御手段25
によるエンジン出力の低下制御後所定時間のあいだ、該
低下制御手段25により低下制御されたエンジン出力を設
定復帰値に復帰させるよう出力調整手段10をフィードフ
ォワード制御する復帰制御手段26とを設ける。さらに、
上記低下制御手段25の設定制限値及び復帰制御手段26の
設定復帰値を、少くとも路面の摩擦係数及び車速に応じ
て予め設定する構成としている。
さらに、請求項2に係る発明では、上記請求項1の如
き低下制御手段25及び復帰制御手段26を備えるととも
に、更に第1図に破線で示す如く、変速機のシフトアッ
プ時を検出するシフトアップ検出手段28と、該シフトア
ップ検出手段28及びスリップ検出手段24,24′の出力を
受け、変速機のシフトアップに伴う駆動輪のスリップ発
生時に、少なくとも上記低下制御手段25の設定制限値を
エンジン出力の増大側に補正する補正手段29とを設ける
構成としている。
(作用) 以上の構成により、請求項1及び請求項2に係る発明
では、駆動輪のスリップ発生時には、エンジン出力が先
ず低下制御手段25でフィードフォワード制御されて設定
制限値にまで素早く低下するので、駆動輪の速度が短時
間で大きく低下して、そのスリップが素早く収束する。
そして、その後は、エンジン出力が復帰制御手段26でフ
ィードフォワード制御されて設定復帰値に増大復帰する
ので、駆動輪速度は目標値近傍に素早く復帰できて復帰
応答性が良好になり、良好な加速性が得られる。
その場合、請求項1に係る発明では、設定復帰値及び
設定復帰値が車速及び路面の摩擦係数に応じて可変設定
されているので、舗装路や高車速時では車輪の駆動力は
最少限に低下制御され、加速性の低下が必要最少限にと
どめられる一方、雪道や低車速時では大きく低下制御さ
れて、スリップの収束性の向上が図られ、スリップは路
面の状況や車速に拘らず確実に抑制,防止される。
また、請求項2に係る発明では、変速機のシフトアッ
プ時にこれに伴う一時的なスリップが発生しても、この
スリップはエンジンの慣性エネルギーの放出が終了すれ
ば直ちに収束するものであるので、この時にエンジン出
力の低下の度合が通常のスリップ発生時に比べて小さく
制御されると、減速感を生じることなく駆動輪のスリッ
プが有効に抑制,防止されることになる。
(発明の効果) 以上説明したように、請求項1に係る発明の自動車の
スリップ制御装置によれば、駆動輪のスリップ発生時に
は、フィードフォワード制御でエンジン出力の低下,復
帰制御を行ったので、スリップを素早く収束できて収束
性の向上を図ることができると共に、その収束後の駆動
輪速度の復帰応答性を良好にして加速性の向上を図るこ
とができ、一層の走行安定性の向上を図ることができ
る。しかも、エンジン出力の低下制限値及び復帰値を路
面の摩擦係数及び車速に応じて可変設定したので、路面
の状況や車速に応じて最適なスリップ制御が実行できス
リップの収束性と加速性との両立を図ることができる。
また、請求項2に係る発明では、スリップの収束性及
びその後の加速性の向上を図りつつ、変速機のシフトア
ップに伴う駆動輪の一時的なスリップ発生時には、フィ
ードフォワード制御におけるエンジン出力の低下の度合
を少なく制限したので、減速感を招くことなく、駆動輪
のスリップを有効に防止することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を第2図以下の図面に基いて説
明する。
第2図は本発明に係る自動車のスリップ制御装置の全
体概略構成を示し、1はエンジン、2は例えば前進4
段、後退1段の自動変速機であって、該自動変速機2で
変速されたエンジン動力は、変速機2の後方に配置した
推進軸3、差動装置4及び後車軸5を介して左右の後輪
6,6に伝達され、該後輪6を駆動輪とし、左右の前輪7,7
を従動輪としている。
また、上記エンジン1の吸気通路1aには、吸入空気量
を制御してエンジン出力を調整する出力調整手段として
のスロットル弁10が配置されている。該スロットル弁10
は、アクセルペダル11とは機械的な連動関係がなく、ス
テップモータ等で構成されたスロットルアクチュエータ
12により電気的に開度制御される。
さらに、前後左右の車輪6,7近傍には、各々、車輪の
回転速度を検出する車輪速度センサ13,13…が設けられ
ていると共に、アクセルペダル11の開度を検出する開度
センサ14、ステアリング舵角を検出する舵角センサ15、
ブレーキペダルの踏込時を検出するブレーキセンサ16、
自動変速機2のレンジを検出するレンジセンサ17が設け
られている。而して、以上の各センサ13〜17の検出信号
は、CPU等を有するコントローラ20に入力されていて、
該コントローラ20により、スロットル弁10の開度制御に
よりエンジン出力を制御して、後輪(駆動輪)6のスリ
ップを抑制,防止するようにしている。
次に、コントローラ20によるスリップ制御を第3図な
いし第6図の制御フローに基いて説明する。
先ず、第3図のメインフローから説明するに、ステッ
プSM1でシステムをイニシャライズした後、ステップSM2
で車速及びアクセルペダル11の踏込量に応じた自動変速
機2の変速段を設定する変速制御を行い、次いでステッ
プSM3で第5図の判定フローに基づき変速機2のシフト
アップ時でのスピン発生時か否かを判定する。さらに、
ステップSM4でアクセルペダル11の踏込み量に応じたス
ロットル弁10の目標開度NTAGを演算し、ステップSM5
駆動輪6のスリップ制御を第6図のスリップ制御フロー
に基いて行い、基本的にスリップ制御時にはその制御開
度STAGにスロットル弁10を開度制御し、スリップ制御を
要しない通常制御時には上記ペダル踏込み量に応じた目
標開度NTAGに制御することとして、ステップSM2に戻る
ことを繰返す。
次に、第4図の制御フローを説明するに、該制御フロ
ーは上記第3図のメインフローに所定時間毎に割込んで
開始し、ステップSI1で車速速度、アクセルペダル開
度、舵角等の各種データを入力すると共に信号処理した
後、ステップSI2で各種制御タイマに対しデクリメント
等の処理をし、ステップSI3で目標変速段にすべく変速
機2の各種ソレノイド弁をON/OFF制御して変速を開始
し、その後、ステップSI4でスロットル弁10の開度を実
際に上記目標開度NTAG又は制御開度STAGに制御して終了
する。
次に、第5図のシフトアップスピン判定フローを説明
する。先ずステップSU1でシフトアップスピンフラグSUS
Fの値(変速機のシフトアップ時に伴うスピン発生時にS
USF=0)と判別し、SUSF≠0の場合には、ステップSU2
でスピン発生時か否かを判別する(この判別は後述のス
ピンフラグSPINがSPIN=255→0又は100に変化した時か
否かで判別する)。そして、スピン発生時には更にステ
ップSU3で所定時間前に変速機2のシフトアップがあっ
たか否かを判別し、YESの場合にはステップSU4でシフト
アップスピンフラグSUSFをSUSF=0に設定して終了す
る。
一方、上記ステップSU1で既にSUSF=0の場合には、
ステップSU5でエンジン出力のフィードバック制御中か
否かを判別し、NOのフィードバックフォワード制御中の
場合にはSUSF=0を維持し、その後にフィードバック制
御に移行した場合に限りSUSF=FFに初期値に再設定して
終了する。
続いて、第6図のスリップ制御フローを説明する。先
ず、ステップS1でスリップ制御の要/不要を運転者が選
択するトラクショクスイッチのON/OFF状態で判別し、ON
状態でスリップ制御を要求する場合には、ステップS2
降で駆動輪(後輪)6のスリップ制御を行う。
而して、ステップS2以降でスリップの程度及び路面の
摩擦係数(以下μという)を判別する。先ずステップS2
で後輪速度(駆動輪速度)WRと前輪速度(従動輪速度)
FWとを比較する。ここに、駆動輪速度WRは左右の後輪の
うち大きいほうの速度を用い、従動輪速度FWは左右の両
輪の回転速度の平均を用いる。而して、WR−FWが大きい
大スピン時には、ステップS3でスピンフラグSPIN(大ス
ピン時にSPIN=0)の値を判別し、SPIN≠0の場合には
大スピンの発生時と判断して、ステップS4でスピンフラ
グSPIN=0に設定すると共に、ステップS5で路面のμ判
定用タイマGTIMを所定値(例えばGTIM=33)に初期設定
すると共に、路面のμ判定終了フラグGGF(μ判定終了
でGGF=FF)をGGF=0に初期設定し、また今回の従動輪
速度FWを前回の従動輪速度FWOLDとしてステップS11進む
こととする。
一方、上記ステップS2で前後輪の速度差(WR−FW)が
大きくない場合には、更にステップS6でスピンフラグSP
INの値を判別し、SPIN=0の大スピン時に限り、ステッ
プS7で所定時間計測用のタイマRECTMを所定値(例えばR
ECTM=22)に初期設定する。そして、ステップS8で前後
輪の速度差(WR−FW)が中程度か否かを判別し、中程度
の場合にはステップS9でスピンフラグSPINをSPIN=100
に、速度差(WR−FW)が小さい場合にはステップS10でS
PIN=255に各々設定する。
しかる後、ステップS11以降で路面のμを判定するこ
ととし、先ずステップS11でμ判定終了フラグGGF=0の
場合(μ判定前)に限り、ステップS12で路面のμ判定
用タイマGTINの値を判別し、大スピン発生時からGTIN=
0になった所定時間経過時に、ステップS13でこの時の
従動輪速度FWと前回(大スピン発生時点)の従動輪速度
FWOLDとの差から従動輪の加速度GG(=FW−FWOLD)を把
握して、ステップS14で今回の従動輪速度FWと従動輪の
加速度GGとに基いて同ステップ中に示すマップから路面
のμを把握する。ここに、マップ上、同一の従動輪速度
FWでは従動輪の加速度GGが高いほど路面μも高いから、
領域MU=1ではμは低く、領域MU=2ではμは中程度、
領域MU=3ではμは高い。そして、路面のμを判定した
後は、ステップS15でμ判定終了フラグGGFをGGF=FF
(μ判定終了)に設定して、ステップS16以降のスリッ
プ制御に移ることとする。
ステップS16以降でのスリップ制御では、先ずステッ
プS16でアクセルペダル11の踏込みの有無を判別し、踏
込み時(ON時)限りスリップ制御を行うこととし、ステ
ップS17でスリップ制御中フラグSPINC(スリップ制御中
で0)の値を判別し、SPINC≠0のスリップ制御開始時
では、更にステップS18でスピンフラグSPINの値を判別
し、SPIN=255のスピン収束状態ではスロットル弁開度
をアクセルペダルの踏込み量に応じた開度値に設定すべ
く、直ちにステップS36に進む。
一方、上記ステップS18でSPIN≠255の場合は、ステッ
プS19でスリップ制御中フラグSPINCをSPINC=0に設定
した後、ステップS20で駆動輪の回転速度のフィードバ
ック制御における前後輪の回転速度差を路面のμに応じ
た所定値ΔNにすべく、駆動輪の目標回転速度MOKUを、
MOKU=FW+ΔNに予め設定する。
しかる後、ステップS21及びS22で各々スピンフラグSP
INの値及び大スピン収束後の計測タイマRECTMの値を判
別し、SPIN=0の大スピン発生時には、ステップS23
進んでスロットル弁10の開度を設定制限値にフィードフ
ォワード制御することとする。このスロットル弁開度の
設定制限値は、詳しくは第7図の設定フローに基いて可
変設定される。つまり第7図において、ステップSL1
びSL2で走行中の路面の推定μの程度を把握し、この路
面μの程度に応じてステップSL3〜SL5で同各ステップ中
に示すマップに基いて従動輪の回転速度FWに応じた設定
制限値STAGを求める。
ここに、各マップは、従動輪の回転速度FW(つまり車
速)が高くなるのに応じて大開度に設定されていると共
に、各マップ相互間で、領域MU=3(高μ域)での設定
制限値STAG(基準値α)が最も高く、領域MU=1(低
μ域)での設定制限値STAG(基準値α)が最も低い
(α>α>α)。また、車速の上昇に対する設定
制限値STAGの開度変化の度合は、領域MU=3(高μ域)
が最も大きく、領域MU=1(低μ域)で最も小さい(各
マップ中での特性線の傾きがθ>θ>θに設定さ
れている)。これは、高μ域では加速性を確保する必要
があり、低μ域では車速とはさほど関係が無いからであ
る。
而して、上記の大スピン発生時には、上記マップから
求めた設定制限値STAGを変速機2のシフトアップに起因
するスピン発生時の場合には変更すべく、第6図のステ
ップS24でシフトアップスピンフラグSUSFの値を判別
し、SUSF=0(シフトアップに起因するスピン発生時)
に限り、ステップS25で上記の設定制限値STAGを所定倍
(1.2倍)してスロットル弁開度値を大開度側に補正す
る。
また、第6図の制御フローにおいて、ステップS21
大スピンが幾分収まってSPIN≠0となると、タイマRECT
M≠0の所定時間経過前では、上記の如く小開度値に設
定した設定フォワード制限値STAGを短時間で復帰させる
ようフィードフォワード制御することとし、ステップS
26で従動輪の回転速度FW(車速)に応じた目標の設定復
帰値STAGを第8図の設定フローのステップSR1〜SR5に基
いて求める。この設定復帰値STAGの算出は、上記第7図
の設定制限値STAGの算出と同様に行われる。つまり、第
8図の各マップは、車速が高くなるのに応じて大開度に
設定されていると共に、各マップ間では、領域MU=3
(高μ域)での設定復帰値STAG(基準値β)が最も高
く、領域MU=1(低μ域)での設定復帰値STAG(基準値
β)が最も低い(β>β>β)。更に、設定復
帰値STAGの開度変化の度合は、領域MU=3(高μ域)で
最も大きく、領域MU=1(低μ域)で最も小さい(特性
線の傾きξ>ξ>ξに設定されている)。
そして、その後は、上記マップから求めた設定復帰値
STAGを変速機2のシフトアップに起因するスピン発生時
の場合には変更することとし、ステップS27でシフトア
ップスピンフラグSUSFの値を判別し、SUSF=0(シフト
アップに起因するスピン発生時)に限り、ステップS28
で上記の設定復帰値STAGを所定倍(1.2倍)してスロッ
トル弁開度値を大開度側に補正する。
而して、第6図の制御フローのステップS21,S2でSPIN
≠0で且つタイマRECTM=0になると、ステップS29で駆
動輪の目標回転速度MOKUになるようフィードバック制御
(例えばPI−PD方式)により目標開度値STAG1を設定す
る。この場合、目標開度値STAG1が全閉近傍にまで小さ
くなる時もあって、この時にはスピン収束後の加速性が
損なわれるから、目標開度値STAGの最小値をリミッタ値
に制限することとしている。つまり、ステップS30でリ
ミッタ値STAG2を上記ステップS23と同様のマップに基い
て従動輪速度FWから求め、その後、ステップS31でフィ
ードバック制御から求めた目標開度値STAG1をSTAG2と比
較し、その大きな値の方をステップS32及びS33で求め
て、最小でもリミッタ値STAG2に制限している。
その後は、ステップS34でこのスリップ制御での目標
開度STAGと、アクセルペダル踏込み量に応じた目標開度
NTAGとを比較し、STAG≦NTAGの場合には、スリップ制御
の必要時であるので、ステップS35で実際に制御すべき
開度値TAGETをスリップ制御により求めた目標開度STAG
として制御して、終了する。
一方、STAG>NTAGの場合には、通常通りアクセルペダ
ルに応じた開度に制御すべく、ステップS36でスリップ
制御中フラグSPINCをSPINC=255(スリップ制御の不要
時)に設定すると共に、ステップS37で路面のμ判定終
了フラグGGFをGGF=FFに設定(μ判定終了)して、ステ
ップS38で実際に制御すべき開度値TAGETをアクセルペダ
ル踏込み量に応じた目標開度NTAGとして制御して、終了
することとする。
よって、4個の車輪速度センサ13,13…及び第6図の
制御フローのステップS2,S8により、駆動輪6のスリッ
プを検出するようにしたスリップ検出手段24を構成して
いる。また、第6図の制御フローにおいて、ステップS
23により、上記スリップ検出手段24で検出したスリップ
発生時に、エンジン出力を設定制限値にまで低下させる
よう、スロットル弁10(出力調整手段)の開度を第9図
(イ)に示す如く設定制限値STAGにまでフィードフォワ
ード制御するようにした低下制御手段25を構成してい
る。
また、同制御フローのステップS22,S26により、上記
低下制御手段25によるエンジン出力の低下制御後所定時
間のあいだ、該低下制御手段25のスロットル弁開度制御
に基づいて低下制御されたエンジン出力を設定復帰値に
復帰させるよう、スロットル弁10の開度を同図(ロ)示
す如く設定制限度値からフィードフォワード制御により
復帰開度値STAGにまで増大制御するようにした復帰制御
手段26を構成している。さらに、第7図及び第8図の各
マップには、上記低下制御手段25の設定制限値及び復帰
制御手段26の設定復帰値が、対応するスロットル弁10の
開度の設定制限値STAG及び復帰制御手段26の設定復帰値
STAGにて路面のμ及び車速に応じて予め設定されている
構成としている。
また、第5図のシフトアップスピン判定フローにおい
て、ステップSU2により、駆動輪のスリップを検出する
ようにしたスリップ検出手段24′を構成していると共
に、ステップSU3により、変速機のシフトアップ時を検
出するシフトアップ検出手段28を構成している。また、
同判定フローのステップSU4及び第6図の制御フローの
ステップS24,S25,S27,S28により、上記シフトアップ検
出手段28及び上記スリップ検出手段24′の出力を受け、
変速機2のシフトアップに伴う駆動輪6のスリップ発生
時には、スロットル弁開度の設定制限値STAG及び設定復
帰値STAGを大開度側に補正して、低下制御手段25の設定
制限値及び復帰制御手段26の設定復帰値をエンジン出力
の増大側に補正するようにした補正手段29を構成してい
る。
したがって、上記実施例においては、スリップ量の多
い大スリップ発生時には、スロットル弁10のフィードバ
ック制御に先立ってスロットル弁10のフィードフォワー
ド制御が低下制御手段25及び復帰制御手段26で順次行わ
れる。このことにより、両車輪の回転速度差(GW−FW)
は第10図に示す如く大きい状況だが、この時には第11図
に示す如く、スロットル弁10の開度が先ず低下制御手段
25により制御されて、従動輪(前輪)の回転速度FWに応
じた目標の設定制限値STAGにまで素早く減少制御され
る。このことにより、エンジン出力は短時間で大きく低
下して駆動輪6の回転速度が即座に低下し、そのスピン
の収束が速くなる。
そして、その後は、スロットル弁10の開度が復帰制御
手段26で制御されて、従動輪の回転速度FWに応じた目標
の設定復帰値STAGにまで素早く復帰制御されてエンジン
出力が増大し、駆動輪6の回転速度GWはその後に行われ
るフィードバック制御における目標回転速度MOKU近傍に
素早く復帰して、この状態が所定時間RECTMの間だけ維
持されるので、復帰応答性が良好になり、良好な加速性
が得られる。
そして、その後は、スロットル弁10の開度が通常通り
フィードバック制御されるので、駆動輪6の回転速度GW
は第9図(ハ)に示す如く従動輪速度FWに対して所定速
度隔てた目標回転速度MOKUに良好に収束し、その後のス
リップが有効に防止される。
ここに、低下制御手段25によるスロットル弁開度のフ
ィードフォワード制御における設定制御値STAG、及び復
帰制御手段26による設定復帰値STAGは、各々第7図及び
第8図に示す如く、車速及び路面のμに応じて設定され
ているので、低車速時や低μ路走行時には、スロットル
弁開度をほぼ全閉近傍にまで調整してエンジン出力を大
きく減少制御して、スリップを有効に抑制,防止でき
る。
また、変速機2のシフトアップに伴う駆動輪6の一時
的なスリップ発生時には、エンジン1の慣性エネルギー
の放出後は直ちに収束する状況であり、エンジン出力を
通常通り大きく減少制御する場合には、減速感を生じる
が、このスリップ時には、低下制御手段25の設定制限値
STAG及び復帰制御手段26の設定復帰値STAGの双方が補正
手段29により大開度側に補正されて、エンジン出力の減
少制御が小さく止められるので、減速感を招くことなく
駆動輪スリップを有効に抑制,防止できる。
尚、上記実施例では、変速機2のシフトアップに伴う
スリップ時には、フィードフォワード制御によるスロッ
トル弁開度の設定制限値STAG及び設定復帰値STAGの双方
を大開度側に補正したが、シフトアップ時のエンジンの
慣性エネルギーの放出時間との関係から、少なくとも設
定制限値STAGを補正すればよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すブロック図である。第2図
〜第9図は本発明の実施例を示し、第2図は全体概略構
成図、第3図〜第8図はそれぞれ各々コントローラによ
る駆動輪のスリップ制御を示すフローチャート図、第9
図はフィードフォワード制御によるエンジン出力の減少
制御及び復帰制御、並びにフィードバック制御によるス
ロットル弁開度制御を示す説明図、第10図は大スリップ
時の駆動輪及び従動輪の回転速度の変化の様子を示す説
明図、第11図は大スリップ時におけるスロットル弁開度
の変化の様子を示す作動説明図である。 1……エンジン、6……後輪(駆動輪)、7……前輪
(従動輪)、10……スロットル弁(出力調整手段)、13
……車輪速度センサ、20……コントローラ、24、24′…
…スリップ検出手段、25……低下制御手段、26……復帰
制御手段、28……シフトアップ検出手段、29……補正手
段。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの出力を調整して駆動輪のスリッ
    プを防止するようにした自動車のスリップ制御装置であ
    って、エンジン出力を調整する出力調整手段と、駆動輪
    のスリップを検出するスリップ検出手段と、該スリップ
    検出手段で検出したスリップ発生時にエンジン出力を設
    定制限値に低下させるよう上記出力調整手段をフィード
    フォワード制御する低下制御手段と、該低下制御手段に
    よるエンジン出力の低下制御後所定時間のあいだ、該低
    下制御手段により低下制御されたエンジン出力を設定値
    復帰に復帰させるよう出力調整手段をフィードフォワー
    ド制御する復帰制御手段とを備え、上記低下制御手段の
    設定制限値及び復帰制御手段の設定復帰値は、少くとも
    路面の摩擦係数及び車速に応じて予め設定されているこ
    とを特徴とする自動車のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】エンジンの出力を調整して駆動輪のスリッ
    プを防止するようにした自動車のスリップ制御装置であ
    って、エンジン出力を調整する出力調整手段と、駆動輪
    のスリップを検出するスリップ検出手段と、該スリップ
    検出手段で検出したスリップ発生時にエンジン出力を設
    定制限値に低下させるよう上記出力調整手段をフィード
    フォワード制御する低下制御手段と、該低下制御手段に
    よるエンジン出力の低下制御後所定時間のあいだ、該低
    下制御手段により低下制御されたエンジン出力を設定復
    帰値に復帰させるよう出力調整手段をフィードフォワー
    ド制御する復帰制御手段とを備えるとともに、変速機の
    シフトアップ時を検出するシフトアップ検出手段と、該
    シフトアップ検出手段及び上記スリップ検出手段の出力
    を受け、変速機のシフトアップに伴う駆動輪のスリップ
    発生時に、少なくとも上記低下制御手段の設定制限値を
    エンジン出力の増大側に補正する補正手段とを備えたこ
    とを特徴とする自動車のスリップ制御装置。
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