JP4809980B2 - 抗動脈硬化症剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ユーカリ属の植物から抽出した抽出物を有効成分として含有する抗動脈硬化症剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
肥満は動脈硬化症等の種々の疾病の危険因子の一つである。このため、肥満の抑制、改善、予防が強く要望されている。肥満は体内に脂肪が過剰に蓄積した状態であり、脂肪が体内に蓄積する原因の一つに糖質(炭水化物)の過剰摂取が挙げられる。一般に、飲食物中に含まれる糖質は、体内に摂取されると、消化酵素によって消化され、主に単糖となって腸管より体内に吸収される。単糖は脂肪細胞内において脂肪に変換されて脂肪組織が形成される。このような脂肪組織のなかでも、腹腔内内臓脂肪の蓄積は様々な病態をひき起こす原因と考えられている。
【0003】
一方、ショ糖等の形でフルクトース等の糖類が大量に摂取された場合、該糖類の一部は肝臓中において脂肪酸合成を促進させ、さらに脂肪酸のエステル化も増大させる。その結果、大量のトリグリセリド(トリアシルグリセロール、中性脂肪)が生成する。
肝臓はトリグリセリドを超低密度リポタンパク(VLDL)等に変換して血清中に分泌する。その際、大量のトリグリセリドが生成されると、肝臓のリポタンパク産生能が追いつかなくなり、トリグリセリドが肝臓中に蓄積され、やがて脂肪肝から肝硬変に進行する。
【0004】
また、VLDLの分泌増加は高脂血症を惹起する。高脂血症は、糖質の過剰摂取によるインスリン感受性の低下(インスリン抵抗性)によっても惹起され、病状を悪化させる。血中VLDL濃度の増加は動脈硬化の主要原因でもある。動脈硬化は血栓を惹起し、さらに脳梗塞や心筋梗塞等の種々の循環器系疾患の要因の一つになっている。
【0005】
このように糖類の過剰摂取は肥満を招来し、種々の疾病をひき起こす要因となる。このため、従来より、肥満に至る経路のいずれかを阻害して、肥満の抑制、改善および予防を図ることができる抗肥満剤の開発が進められている。
代表的な抗肥満剤としては、糖質分解消化酵素阻害剤が挙げられ、α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばバイエル薬品株式会社製の「アカルボス」(Acarbose)等が医薬品として広く用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の抗肥満剤は化学合成品であるため、投与に際しては安全面で不安を覚える場合があった。また、日常生活の中で肥満の予防や改善を図りたいという要望には充分に答えることができなかった。特に、日常摂取する飲食品に抗肥満作用を付与できるならば、肥満の抑制、改善および予防に有益である。
【0007】
このため、植物等の天然物質由来の抗肥満剤が種々提案されている。例えば特開平5−252897号公報にはインド原産の植物であるギムネマ・イノドラム(Gymnema Indorum )の抽出物を含有するダイエット用飲食物が記載されている。特開平6−227996号公報には、ウーロン茶サポニンおよびウーロン茶ファイバーを含有する体重抑制剤が記載されている。特開平9−2963号公報には、漢方薬として使用されているマオウ(麻黄、Ephedra Herb)の抽出エキスを用いた糖質分解酵素阻害物質が記載されている。特開平9−291039号公報には、マメ科植物に属するタマリンド(Tamarindus indica L.) の種皮抽出物を有効成分とする抗肥満剤が記載されている。
【0008】
しかしながら、安全で、より高い抗肥満作用を有する抗肥満剤が求められている。さらに、脂肪蓄積抑制作用、トリグリセリド低下作用、血中コレステロール低下作用等にも優れた天然物質由来の活性成分が求められている。
【0009】
そこで、本発明の目的は、安全性が高く、かつ高い活性を有する抗動脈硬化症剤を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ユーカリ属(Eucalyptus属) の植物から抽出した抽出物が体重増加抑制作用をはじめ、脂肪蓄積抑制作用、トリグリセリド低下作用、血中コレステロール低下作用等の優れた活性を有するという新たな事実を見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の抗動脈硬化症剤は、ユーカリ属の植物から抽出した抽出物(以下、単にユーカリ抽出物という)を有効成分として含有したものである
【0013】
すなわち、本発明におけるユーカリ抽出物は、脂肪蓄積抑制作用、トリグリセリド低下作用および血中コレステロール低下作用をも有するため、高脂血症、血栓、コレステロール血症等の種々の疾病の抑制、改善および予防、さらにトリグリセリド量および血中コレステロール量の増加抑制または低減に有効である
【0014】
前記ユーカリ抽出物が体重増加抑制作用、脂肪蓄積抑制作用、トリグリセリド低下作用および血中コレステロール低下作用を有する原因としては、糖類消化酵素の活性阻害作用、腸管での単糖類の吸収阻害作用、肝臓での脂肪の生合成阻害作用などが考えられる。特に、本発明におけるユーカリ抽出物は、ショ糖(砂糖)またはその類縁物質の摂取に起因する肥満、脂肪蓄積症、高脂血症、血栓、コレステロール血症等の種々の疾病の抑制、改善および予防に有効である。
【0015】
ユーカリ抽出物は天然物由来の物質であるため安全性が高く、このため医薬品のほか、食品(飲食品)、食品添加物、動物飼料、動物飼料用添加剤等に配合して使用することができる。
【0016】
また、本発明は、ユーカリ属の植物から抽出した、肥満(体重増加)、脂肪蓄積症、高脂血症、動脈硬化症、血栓等の抑制、改善および予防、さらにトリグリセリド量および血中コレステロール量の増加抑制または低減に有効な物質をも提供するものである。該物質は抽出物それ自体のほか、抽出物から単離された、上記作用を有する1種または2種以上の物質であってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において使用されるユーカリ属の植物としては、例えばEucalyptus globulus, Eucalyptus robusta, Eucalyptus melliodora, Eucalyptus cornuta, Eucalyptus beyeri, Eucalyptus deglupta, Eucalyptus dealbata, Eucalyptus microcorys, Eucalyptus citriodora, Eucalyptus paniculata, Eucalyptus umbra, Eucalyptus crebra, Eucalyptus albens, Eucalyptus tereticornis, Eucalyptus botryoides, Eucalyptus deanei, Eucalyptus ovata, Eucalyptus maculata, Eucalyptus piluaris, Eucalyptus piperita, Eucalyptus propinqua, Eucalyptus colossea, Eucalyptus exerta, Eucalyptus longifolia, Eucalyptus resinifera, Eucalyptus sideroxylon, Eucalyptus acmenioides, Eucalyptus gomphocephala, Eucalyptus punctata, Eucalyptus smithii, Eucalyptus rostrata, Eucalyptus viminalis, Eucalyptus purvelulenta 等が挙げられ、Eucalyptus globulus, Eucalyptus robusta が好ましい。ユーカリ属の植物のうち、抽出に供する部分は、特に制限されないが、葉、実、幹、根等が挙げられ、特に葉が好ましい。
【0018】
ユーカリ属の植物からの抽出処理は、以下のようにして行う。まず、原料植物、好ましくは葉を粉砕して、水、有機溶媒またはこれらの混合物を使用して有効成分を抽出する。有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。抽出方法としては、特に制限はなく、常温ホモジナイズ抽出、還流抽出などが使用可能である。
【0019】
抽出後、必要に応じて、得られたエキスを水飽和n−ブタノール、酢酸エチル等でさらに抽出を行い、さらに得られた抽出エキスを水含有エタノール等で抽出処理を行ってもよい。抽出後、吸着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等を使用して有効成分を単離し、さらに常法に従って精製を行ってもよい。
【0020】
本発明におけるユーカリ抽出物は、ユーカリ属植物からの抽出処理によって得られるものゆえ、分画および精製が不十分であっても安全性に問題はなく、むしろ未精製であっても未検出成分との相乗作用(crude drug効果) 等が期待できる。
【0021】
また、本発明におけるユーカリ抽出物には、没食子酸、エラグ酸(ellagic acid)、イソクエルシトリン(isoquercitrin) 、テリマグランディン I(tellimagrandin I)、テリマグランディン II (tellimagrandin II) 、ペドゥンクラジン(pedunculagin)、1,2,4-トリ-O- ガロイル- β-D- グルコース、1,2,3,6-テトラ-O- ガロイル- β-D- グルコース、1,2,4,6-テトラ-O- ガロイル- β-D- グルコース、ペンタガロイルグルコース、1,3-ジ-O- ガロイル-4,6- ヘキサヒドロキシジフェノイル- β-D- グルコース、1,3-ジ-O- ガロイル-4,6- ヘキサヒドロキシジフェノイル- α-D- グルコースなどが含まれている。これらの物質の1 種または2 種以上が本発明にかかるユーカリ抽出物の活性に関与していると推測される。
【0022】
前記ユーカリ抽出物は、有効成分として、抗肥満剤、脂肪蓄積抑制剤、抗高脂血症剤、抗動脈硬化症剤、血栓防止剤、トリグリセリド低下作用剤および血中コレステロール低下作用剤に配合され、医薬品の形態で使用されるほか、食品(飲食物)、食品添加物、動物飼料、動物飼料用添加剤等にも配合される。ユーカリ抽出物の人または哺乳動物への投与量は、通常、1日当たり0.01〜300mg/kg体重の範囲であるのがよいが、投与量が300mg/kg体重/ 日を超えても、ユーカリ抽出物はユーカリ属植物由来の天然物であるゆえ安全性に問題はない。
【0023】
本発明の抗肥満剤、脂肪蓄積抑制剤、抗高脂血症剤、抗動脈硬化症剤、血栓防止剤、トリグリセリド低下作用剤および血中コレステロール低下作用剤を医薬品形態で使用するには、有効成分であるユーカリ抽出物に通常の製薬上許容される担体を加えて、固体、半固体または液体の形態に調製する。具体的な形態としては、例えば錠剤、カプセル、丸剤、顆粒剤、散剤、乳濁液、懸濁剤、シロップ剤、ペレット剤等の経口投与剤、注射液、点滴液、坐薬などの非経口投与剤があげられる。
【0024】
製剤化に際しては、剤形に応じて従来より使用されている界面活性剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤などの担体を使用することができる。好ましくは、例えばデンプン、乳糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩等の固形担体、蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の液体担体、さらに各種の動植物油、白色ワセリン、パラフィン、ロウ等の油性担体等が挙げられる。
【0025】
本発明の食品は、肥満、脂肪蓄積症、高脂血症、動脈硬化症、血栓症等の抑制、改善および予防を目的として、あるいはトリグリセリド量、血中コレステロール量の抑制または低減を目的として、ユーカリ抽出物を食品に使用される各種成分と混合して調製される。製造される食品の形態としては、例えば固形食品、クリーム状ないしジャム状の半流動食品、ゲル状食品、飲料等のあらゆる食品形態が可能である。また、ユーカリ抽出物はそのまま食品に配合してもよく、あるいは粉状、顆粒状、カプセル状、タブレット状、液状等の形態で配合してもよい。
【0026】
ユーカリ抽出物と共に食品に配合される各種成分は特に制限はなく、通常使用される各種成分がいずれも使用可能である。このような成分としては、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB群、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等が挙げられ、これらを食品の種類に応じて適宜配合すればよい。本発明では、特にユーカリ抽出物をショ糖(砂糖)、果糖等と併用して用いるのが肥満、脂肪蓄積等の抑制、改善および予防、さらにトリグリセリド量および血中コレステロール量の増加抑制または低減等に効果的である。
【0027】
本発明にかかる食品の具体例としては、清涼飲料、ジュース、コーヒー、紅茶、リキュール、牛乳、乳清飲料、乳酸菌飲料、キャンデー、チューインガム、チョコレート、グミ、ヨーグルト、アイスクリーム、プディング等が挙げられる。ユーカリ抽出物の食品への含有量は、0.5〜100mg/gの範囲が適当であるが、この範囲よりも多量に配合しても安全性や効果に問題はない。
【0028】
本発明の動物飼料は、肥満、脂肪蓄積症、高脂血症、動脈硬化症、血栓症等の抑制、改善および予防を目的として、あるいはトリグリセリド量、血中コレステロール量の抑制または低減を目的として、ユーカリ抽出物を動物飼料に使用される各種成分と混合して調製される。動物飼料の具体例としては、家畜用飼料、キャットフード、ドッグフード等のペットフード等が挙げられる。ユーカリ抽出物の動物飼料への配合量は0.5〜100mg/gの範囲が適当であるが、この範囲よりも多量に配合しても安全性や効果に問題はない。本発明では、特にユーカリ抽出物をショ糖(砂糖)、果糖等と併用して用いるのが、動物の肥満、脂肪蓄積等の抑制、改善および予防、さらにトリグリセリド量および血中コレステロール量の増加抑制または低減等に効果的である。
【0029】
本発明の食品添加剤および動物飼料用添加剤は、肥満、脂肪蓄積症、高脂血症、動脈硬化症、血栓症等の抑制、改善および予防を目的として、あるいはトリグリセリド量、血中コレステロール量の抑制または低減を目的として、食品に添加される。食品添加剤の形態としては、特に制限はなく、ユーカリ抽出物をそのまま食品に添加してもよく、あるいは粉末、顆粒、カプセル、シロップ、ゲル状、液状、固形状等の形態に調製されたものであってもよい。本発明の食品添加剤を添加する食品には、特に制限はなく種々の調理食品や加工食品が挙げられる。また添加量は前記した食品の配合量と同程度であればよい。本発明の動物飼料用添加剤を添加する動物飼料には、前記したような種類の動物飼料が挙げられる。食品添加剤の添加時期は調理前、調理中、調理後のいずれの段階でもよい。同様に、動物飼料の添加時期も製造時または製造後のいずれの段階でもよい。
【0030】
【実施例】
以下、参考例、実施例および試験例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0031】
参考例
Eucalyptus globulus の乾燥葉500gを33%エタノール4.5kgで2時間還流を行い、室温冷却後、ろ過し、ろ液を一晩冷蔵放置した。ついで、ろ液をさらにろ過し、得られたろ液を減圧濃縮し、さらに凍結乾燥してユーカリ抽出物を得た。
【0032】
試験例1
参考例で得たユーカリ抽出物を用いて以下の試験を行った。
(1) 体重測定試験
ウィスター系ラット(7週齢、雄)を1週間予備飼育後、4匹ずつ2群に群分けし、各群に表1に示す組成の試験食(高ショ糖食)を8週間自由摂取させ、体重の変化を調べた。なお、飼育は温度23±2℃、湿度55±5%、照明12時間/日の条件下にて行った。
【0033】
【表1】
Figure 0004809980
【0034】
試験結果を図1に示す。図1は、各週ごとに測定した各群ごとの体重の平均値を示している。同図から明らかなように、参考例で得たユーカリ抽出物を投与したユーカリ群は、コントロール群に比べて体重の増加が抑制されていることがわかる。
【0035】
(2) 脂肪蓄積量測定試験
上記(1) の飼育終了後、副睾丸を摘出し、この副睾丸の周辺に蓄積した脂肪組織の重量を測定した。これによって、内臓脂肪の多寡が推測できる。その結果を図2に示す。図2はコントロール群とユーカリ群とについて体重1kg当たりの副睾丸脂肪組織重量を示している。図2から明らかなように、ユーカリ群では、コントロール群に比べて内臓脂肪の蓄積が抑制されていた。この結果から、ユーカリ抽出物の投与が、抗肥満および体重増加抑制に有効であることがわかる。
【0036】
(3) 肝臓中のトリグセリド量測定試験
上記(1) の飼育終了後、肝臓を摘出し、常法により処理後、和光純薬(株)製の「トリグリセライドG−テストワコー」にて肝臓中のトリグセリド量を測定した。その結果を図3に示す。同図から明らかなように、ユーカリ群では、コントロール群に比べて肝臓中のトリグセリドの蓄積が抑制されていた。この結果から、ユーカリ抽出物の投与により、糖質摂取後の初期段階(肝臓での処理)で既に脂肪蓄積抑制作用が発現していることがわかる。また、脂肪肝や肝硬変の抑制、改善および予防に有効であることがわかる。
【0037】
(4) 血中のトリグセリド量およびコレステロール量測定試験
上記(1) の飼育終了後、心採血し、常法により処理後、上記(3) と同様にして血中のトリグリセリド量を測定し、また和光純薬(株)製の「コレステロールC−テストワコー」にて血中のコレステロール量を測定した。それらの結果を図4および図5に示す。
図4から明らかなように、ユーカリ群では、コントロール群に比べて血中トリグセリド量が低下していた。また、図5から明らかなように、ユーカリ群では、コントロール群に比べて血中コレステロール量が低下していた。これらの結果から、ユーカリ抽出物の投与が、血中トリグセリド量や血中コレステロール量が多いことに起因する疾病、例えば動脈硬化や抗コレステロール血症、血栓、高脂血症等の抑制、改善および予防に有効であることがわかる。
【0038】
試験例2
試験例2
5週齢のウィスター系ラット(雄)を用いて、7匹ずつ2群に分け、各群に前記表1に示す試験食を35日間自由摂取させた他は、試験例1と同様にして試験を行った。その結果を図6〜10に示す。この試験例からも、ユーカリ抽出物の投与が、肥満等の抑制、改善および予防に有効であることがわかる。
【0039】
実施例1(錠剤)
参考例で得たユーカリ抽出物150gを乳糖150gおよびステアリン酸マグネシウム5gと混合し、打錠機にて打錠して、錠剤を得た。
【0040】
実施例2(チョコレート)
参考例で得たユーカリ抽出物を用い、下記の組成によりチョコレートを製造した。
Figure 0004809980
【0041】
実施例3(クッキー)
参考例で得たユーカリ抽出物を用い、下記組成のクッキーを製造した。
Figure 0004809980
【0042】
実施例4(キャンデー)
参考例で得たユーカリ抽出物を用い、下記組成のキャンデーを製造した。
Figure 0004809980
【0043】
実施例5(ドッグフード)
参考例で得たユーカリ抽出物を用い、下記組成のドッグフードを製造した。
Figure 0004809980
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ユーカリ抽出物は優れた体重増加抑制作用を有するため、当該抽出物を有効成分として含有した本発明の抗肥満剤は、体重増加の抑制、改善および予防に有用である。また、前記ユーカリ抽出物は優れた脂肪蓄積抑制作用、トリグリセリド低下作用および血中コレステロール低下作用をも有するため、当該抽出物を有効成分として含有した本発明の抗動脈硬化症剤は、動脈硬化等の疾病の抑制、改善および予防に有用である
【0045】
本発明において使用されるユーカリ抽出物は、天然物由来の物質であるため安全性が高く、このため日常生活で摂取するのに最適であり、食品、食品添加剤、動物飼料、動物飼料用添加剤に配合して好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例における体重増加抑制作用を示すグラフである。
【図2】試験例における脂肪蓄積抑制作用を示すグラフである。
【図3】試験例における肝臓中トリグリセリド蓄積抑制作用を示すグラフである。
【図4】試験例における血中トリグリセリド低下作用を示すグラフである。
【図5】試験例における血中コレステロール低下作用を示すグラフである。
【図6】試験例2における体重増加抑制作用を示すグラフである。
【図7】試験例2における脂肪蓄積抑制作用を示すグラフである。
【図8】試験例2における肝臓中トリグリセリド蓄積抑制作用を示すグラフである。
【図9】試験例2における血中トリグリセリド低下作用を示すグラフである。
【図10】試験例2における血中コレステロール低下作用を示すグラフである。

Claims (1)

  1. ユーカリ属の植物から抽出した抽出物を有効成分として含有する抗動脈硬化症剤。
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