JP4808963B2 - 高感度で光学的に粒子を計数し、粒径判定するためのセンサ及び方法 - Google Patents

高感度で光学的に粒子を計数し、粒径判定するためのセンサ及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、流体懸濁液の中の異なる粒径を持つ個別の粒子を計数すること及び粒径判定することを含めた光学的感知方法及び装置に関し、特に、従来設計の光センサよりも高い感度及び高い一致濃度を提供する方法及び装置に関する。
以下の説明の中では、単独粒子光学感知(SPOS)と呼ばれる従来の光学的粒子計数の方法の基礎を成す原理を再検討することは有益である。SPOSの実現に使用されるセンサは、吸光(LE)又は光散乱(LS)という物理的技法、あるいはそれら2つの技法の何らかの組み合わせに基づく。LE技法に基づく、従来のSPOSセンサの光学的構造は図1に概略的に示される。気体又は液体から構成され、内部に様々な粒径の粒子が懸濁する流体は、通常、矩形の横断面を有する物理的流路10を通って流動する。流路を規定している対向する平行な面のうちの2つの面12及び14は不透明であるが、それら1対の不透明な面に対して垂直な残りの2つの対向する平行な面16及び18は透明である。これ等の平行な面16及び18は、流れセル10の「正面」と「背面」の窓を構成する。適切な形状の光のビーム20は、流れセル10の正面の窓16に入射し、流動している流体及び粒子を通過し、背面の窓18を経て流れセル10から射出し、相対的に離れた場所にある吸光検出器DLEに入射する。
x軸により規定される方向に沿った正面の窓16及び背面の窓18の幅は、「a」として定義される(図1)。入射光ビームの軸と平行であるy軸により規定される方向に沿った流れセル10の奥行は、「b」として定義される。関心懸濁粒子はz軸により規定される方向に沿って(図1の上から下へ)、1秒又は1分当たりのミリリットル(ml)単位で表される適切な定常流量Fで流れセル10を通過する。
センサの光学感知ゾーン22(「OSZ」)、すなわち、「ビューボリューム」は、流路10の4つの内面及び流路10を横切るリボン状の光のビームにより規定される薄い空間領域である。その結果形成されるOSZの形状は薄く、ほぼ矩形のスラブ(以下に説明するように、凹形の上面及び下面を有する)に似ており、流れセル10の長手方向軸に対して垂直な向きの最小厚さは2wと定義される(図1)。照明源24は、通常はレーザーダイオードであり、楕円形又は円形のいずれかのビームを有し、2つの互いに直交する軸の各々に沿ってガウス強さプロファイルを有し、ビームの中心で強さは最大になる。流路10の正面の窓及び背面の窓と共にOSZを規定する入射光ビームの所望の形状を作成するために、通常は2つの光学要素が必要とされる。第1の光学要素は通常はレンズ26であり、流れセル10の中心(x‐y平面)に開始コリメートビームを集束するために使用される。集束後のビームの「くびれ」、すなわち、「幅、2w」は、レンズの焦点距離に比例し、開始コリメートビームの1/e強さ値により定義される開始コリメートビームの幅に反比例する。ビームの横断面が円形でない場合には、集束後のビーム幅である2wはビームの向きによっても左右される。
第2の光学要素は、通常は円柱レンズ28であり、一方向へ、すなわち、x軸に沿って光ビームを「拡張」し、それにより、光ビームの幅を広げるために使用される。実際には、円柱レンズ28は、このレンズがなければ一様に集束され、且つ流れセルに入射する(横断面が楕円形又は円形の)ビームになったであろう光を、x軸と平行に流路10と交差する集束「線光源」に変換する。円柱レンズ28の焦点距離及び配置場所は、流れセルの中心におけるx軸に沿ったビーム幅(ビームの1/e強さポイントにより定義される)が流路10の幅aよりはるかに大きくなるように選択される。その結果、センサの正面の窓16は、ガウスビームの強さがほぼ均一である上部のみを取込む。センサの最適な分解能を実現するためには、流路10の幅(x軸)に沿って入射光の強さをほぼ均一にすることが不可欠である。これにより得られるリボン状光ビームのz軸に沿った強さプロファイルもガウスプロファイルとなる。強さプロファイルはOSZの中心で最も明るく、その「上方」と「下方」の縁部/面で1/eまで落ちるが、その場合、それらの強さポイントの間の距離がOSZの厚さである2wを規定する。
OSZ22の形状は、図1で示唆される理想化された矩形のスラブの形状からずれる。入射光ビームがy軸に沿って集束されるために、y‐z平面におけるOSZの横断面形状はスラブではなく、むしろ蝶ネクタイ又は砂時計に似ている。しかし、センサの光学的設計が最適化されていると仮定すると、集束レンズの焦点距離は、流れセルの奥行bよりはるかに大きく、ビームの厚さがO2 x 2wまで拡張するy軸に沿った2つのポイントの間の距離として定義される集束ビームの「被写界深度」は、流れセルの奥行bよりかなり大きく、光の強さの変動はy軸に沿って最小になる。
リボン状光ビームは流体‐粒子懸濁液を通過し、適切な光検出器DLE(通常はシリコンフォトダイオード)に入射する。OSZに粒子が存在していないとき、検出器DLEは、ビームを最大照度で受光する。OSZを通過する粒子は、検出器DLEに入射する入射光のわずかな一部分を瞬間的に「遮蔽」する。その結果、検出器DLEの光電流出力は、瞬間的に減少し、適切な信号調整手段により発生され且つ光電流出力に対応する電圧「VLE」も低下する。これにより得られる信号は、図2に概略的に示される、相対的に大きな値Vの直流「基線」レベル32に、波高△VLEの負に向かうパルス30が重畳されたものから構成されている。粒子が大きくなるほど、パルス波高△VLEは、絶対値単位でも、Vの割合単位でも大きくなることは自明である。
検出器信号VLEは電子回路34により処理される。電子回路34は、通常、VLEから一定の直流電圧を減算するか、又は適切な広域フィルタを使用する「交流結合」を実行するかのいずれかの方法により、基線電圧Vを有効に除去する。このアクションにより、様々な波高△VLEの負に向かう所望のパルスを取込むことができる。その結果、得られる信号パルスは、この後、通常は反転及び増幅を含めて、更に「調整」される。各パルスは、高速、高分解能アナログ/デジタル(A/D)変換器を使用してデジタル化され、それにより、パルスの波高は相対的に高い正確さで判定される。所望の粒径範囲全体にわたる既知の粒径dを有する一連の「標準」粒子(通常はポリスチレンラテックスの球体)を使用して、校正テーブルが生成される。この△VLEとdとの関係を表す不連続の値から成る集合は、コンピュータメモリに格納され、通常は、点を結ぶ連続する曲線を伴って、log △VLEとlog dとの関係として表示される。測定されたパルス波高△VLEの集合は、校正テーブル値の補間によって、粒径dの集合に容易に変換される。
原理上、吸光効果に寄与できる物理的メカニズムはいくつか存在している。それらには屈折、反射、回折、散乱及び吸収が含まれる。屈折及び反射のメカニズムは、入射光の波長より著しく大きい、通常は0.6〜0.9マイクロメートル(μm)の粒子に対してLE効果を及ぼす。屈折の場合、粒子に入射した光線は、その粒子の屈折率が粒子の周囲を取り囲んでいる流体の屈折率より大きいか又は小さいかに応じて、ビームの軸に向かって偏向されるか又はビームの軸から離れる方向に偏向される。それら2つの屈折率が十分に異なり且つ流れセルから十分に大きな距離をおいて(小さな)検出器要素DLEが配置されていると仮定すれば、屈折された光線は検出器DLEに入射できないほど大きく発散し、それにより、所望の信号△VLEを提供する。反射のメカニズムは、必然的に屈折を伴い、粒子と流体との屈折率の「対比」が大きいほど、粒子により反射される入射光の割合は多くなる。主な光の強さの極大値及び極小値と関連する角度は、遠隔場所にある検出器DLEにより規定される代表的な立体角より小さいため、回折の現象がLE信号に及ぼす影響は、通常、無視できるほどわずかである。
しかし、これとは対照的に、光散乱現象は、通常はLE信号に対して重大な寄与を果たす。光散乱現象は、入射光の波長に匹敵する粒径又はそれより小さい粒径を有する粒子については最も有力なメカニズムである。散乱光の強さの値及び角度分布は、粒子の粒径、形状及び向き、並びに屈折率の対比及びビームの波長によって決まる。周知のミー及びレイリーの散乱理論は、光散乱の強さの挙動を詳細に説明している。入射光ビームの軸から離れて、軸を外れて散乱される光の量が多いほど、吸光検出器DLEに到達する光束は少なくなる。
吸収のメカニズムは、濃く染色されたか又は着色された粒子に関しては重大である。この効果の大きさは入射光の波長、並びに粒子の粒径によって決まる。吸収のLE信号全体に対する寄与は、波長より著しく大きい粒子に関して重大である。
粒径とLE信号の大きさ△VLEとの間には単純な近似関係が存在する。OSZに粒子がない状態で検出器DLEに入射する総光束は、照明の面積Aに比例する。これは次の式により近似される。
≒2aw (1)
流路10に入射するビームの強さがその幅aと、ビームの厚さ2wの双方に沿って一様であると仮定する(すなわち、ガウスプロファイルではなく、矩形プロファイルを有すると仮定する)。
1つの粒子がそれに入射する光を完全に遮蔽する(すなわち、完全な100%吸光)という補足的な簡略化のための仮定をすれば、粒子の横断面の面積をDAとすると、粒子により遮蔽される入射光の割合は△A/Aにより表される。粒径が<2wである場合の吸光信号のパルス波高△VLEは次の式により表されることが可能である。
△VLE = (△A/A)V (2)
簡単にするため、粒子の形状及び向きに関連する複雑で詳細な事項を回避するように、粒子は球形で均質であると仮定する。従って、粒径dを有する1つの粒子に関する量?Aは次の式により表される。
△A =πd/4 (3)
粒子が入射する光のうちの100%未満しか遮蔽しない場合、例えば、吸光の有力なメカニズムが屈折及び反射ではなく、主に光散乱である場合には、量△Aは実際の物理的面積より狭い「有効」横断面面積を表す。
OSZを通過する粒子の速度vは次の式により表される。
V = F/ab (4)
パルス幅△tはOSZを通過する粒子の通過時間、すなわち、幅2wを規定する1/e強さポイントの間の通過時間を表す。量2wと比較した場合の粒子の粒径を無視すると、パルス幅は次の式により表される。
△t = 2w/v (5)
a=400μm、b=1,000μm、及び2w≒35μmである代表的なLEセンサ、すなわち、Model LE400−1Eセンサ(Particle Sizing Systems、カリフォルニア州、Santa Barbara)に関して、F=60ml/minと仮定して、上記のパラメータの値を計算することは有益である。
= 1.4 x 104mm
v = 250cm/sec
△t = 14 x 10−6sec = 14msec
信頼性をもって通常検出できる(すなわち、△VLEが典型的なr.m.s.雑音レベルを少なくとも2:1の比で超えるような)最小の粒径は、約1.3μmである。これは、0.000095、すなわち、0.01%未満の物理的遮蔽比DA/Aに対応する。
理論の上では、光源の強さが増しても、吸光型センサの感度、すなわち、粒径下限に対して影響が及ぶべきではない。所定の基線電圧Vに対して、パルス波高△VLEは、照明されている検出器の面積のうち、粒子により有効に遮蔽される面積の割合△A/Aによってのみ決定される。(試料の濁りの影響については後述する。)より強力な光源がより少ない雑音を有している場合に限り、センサは、有効遮蔽面積のより小さな割合変化を確実に検出することができ、従って、より小さな粒径を検出することができる。しかし、そのような性能の改善があっても、S/N比が大きくなるために、二次的効果しか現れず、その改善は通常は大きなものではない。
先に述べたLE型センサのパラメータを使用して、OSZの有効ボリュームの推定値VOSZを求めることができる。
OSZ = 2abw = 1.4 x 107mm
= 1.4 x 10−5cm (6)
OSZボリュームの逆値である1/VOSZは、1cm3(すなわち、1ml)の流体の中に含まれる「ビューボリューム」の数に等しい。すなわち、上記の例の場合、1/VOSZ≒7x104である。
量1/VOSZは、粒子が流体の全体にわたって均一な間隔で離間され、各々の粒子がある所定の時点で有効に1つのビューボリュームを占めていると仮定した場合のセンサの「一致限界」の尺度、すなわち、粒子が一度に1つずつOSZを通過するときの濃度(#粒子/ml)を提供する。現実には、粒子が流体の全体にわたって任意の場所に位置していることは自明である。従って、OSZの中に一度に唯1つの粒子が存在することを保証するためには、この「理想」値に関して相当に、すなわち、10:1以上の割合で、粒子濃度を減少させる必要がある。通常、センサの実際の一致限界は、粒子カウントのうちのわずか1%が同時にOSZを通過する2つ以上の粒子と関連している濃度として定義されており、これは、おそらく誇張されたパルス波高を有する単一の検出パルスを出現させることになる。従って、センサの有効一致限界は、通常、値1/VOSZのわずか10%(以下)である。上記の例を利用すると、これは約7,000粒子/mlの一致濃度を示唆する。実際には、所定の構造のセンサの一致限界は粒径の関数でもある。指示値は、OSZの有効厚さ2wよりはるかに小さい粒径を有する非常に微細な粒子の場合には適切である。パラメータ2wに匹敵する粒径又はそれより大きな粒径の粒子の場合には、一致限界はそれよりかなり低くなる。従って、実際には、誤った粒子「カウント」及びその結果として生じる粒径分布(PSD)のひずみを排除するために、先に示された値のわずか50%(以下)の粒子濃度でデータを収集することを選択する場合が多い。
濃縮された懸濁液及び分散液を含む用途に関しては、開始試料の大幅な希釈の必要性が少なくなるように、センサの一致濃度を増すことが強く望まれる。第1に、この改善は試料を希釈するために必要とされる清浄な流体の体積を減少させ、希釈剤流体が粒子汚染を防ぐ程度を低減させる。第2に、開始時の濃縮懸濁液の大幅な希釈が、例えば、粒子凝集の促進によってPSDの著しく大きな変化を招くような場合には、大幅な希釈は実現不可能であろう。これは第1の点より重要である。その例には、化学的機械的平坦化(CMP)として知られている方法により半導体ウェハを処理するために使用されるpH感知酸化物「スラリ」が含まれる。また、多様な用途において、SPOS方法の感度を高めること、すなわち、検出可能な最小粒径を小さくすることは不可欠とはいえないまでも、有用である。一致濃度の増加と、LE型センサの感度の改善は通常は関連性を持っており、双方のパラメータの改善を実現できる方法はいくつかある。
吸光型センサの感度を改善できる最も自明な方法は、照明の横断面面積Aを縮小するという方法である。上記の例を利用すると、これはセルの側方寸法a又は入射ビームの厚さ2wを減少させるか、あるいはその双方を減少させることにより実現される。後者の方法でアクションを起こした場合に関しては、OSZの有効厚さ2wは限られた範囲でしか減少させることができない。これは、集束レンズの焦点距離と、流れセルの奥行と、開始光ビームの幅との関係によって制限される。ガウスビーム光学系の性質が付与され、回折により制限が課されると仮定すると、パラメータ2wを約5μmより減少させることは実用的ではない。この減少は、上記の例で想定される35μmの値に対してわずか7分の1の改善を表しているにすぎない。更に、より小さな粒子に対して相対的に高い粒径分解能を実現するためには、粒径dに対する吸光パルス波高△VLEの二次依存性を保持することが有用であり、これは、2wより(相当に)小さいdの値に対してのみ得られるものである。従って、多くの重要な用途に関して最適の性能を実現するためには、OSZの厚さを約10μmよりかなり薄くすることは通常は望ましくない。
それよりむしろ、OSZの側方寸法aを、例えば、(上記の例を利用して)400μmから40μmに減少させるほうがよい。第1の近似(非線形信号/雑音効果を無視する)では、このAの10分の1の減少は、所定の遮蔽面積の割合△ALE/Aを実現するために要求される有効横断面面積△ALEも同様に10分の1に縮小させる。
第2の重大な利点は、流路10の幅を10分の1に縮小する結果として得られる。OSZのボリューム(式6)も同様に10分の1に縮小され、その結果、一致濃度が同じ割合で減少される。従って、作業試料の濃度を10倍に増すことができ、開始時の濃縮粒子分散液について要求される希釈の範囲を10分の1にすることができる。先に考慮したセル幅aではなく、セルの奥行bを10分の1に縮小することによっても、同じように一致濃度の10倍の増加を実現できるのは言うまでもない。しかし、センサ感度の改善は得られなくなってしまう。寸法「a」及び「b」はVOSZを判定すること、従って、一致濃度を判定することに関して同等の役割を果たしているが、それらはセンサ感度に及ぼす影響に関しては同等ではないことが明らかである。
残念ながら、提案されているこの方式には重大な欠点がある。寸法a(又は更に言うならば、b)をそのような程度まで(すなわち、100μmより著しく小さくなるように)減少させることは実用的ではなく、その理由はSPOS技術の利用を熟知している当業者には自明である。実際に、寸法をそれほど小さくしてしまうと、希釈剤流体の中の汚染物質(「汚れ」)粒子及び/又は試料に関連して、過大な「外来」粒及び小さな「一次」粒子の凝集体などの大きな粒子が必然的に存在するようになるという事態によって、流路10の目詰まりが引き起こされる。一般に、LE型センサにおける流路10の最小側方寸法(a又はbのいずれか)は、関心試料の中に現れると予測される最大の粒子の少なくとも2倍、好ましくは3倍から4倍でなければならない。さもなければ、流れセルの頻繁な目詰まりが起こることは避けられず、従って、「エレクトロゾーン」感知又は「抵抗孔」感知として知られている、SPOSに代わる単独粒子感知技法(例えば、フロリダ州HialeahのBeckman−Coulter Incにより製造されている「Coulter counter」)と比較した場合のSPOS技法の主要な利点の1つが効果をなくすことになる。
従来のSPOS型センサの感度を向上させる、以前に確立された方法のうちの1つは吸光ではなく、光散乱(LS)の方法を使用する。LS技法の場合、OSZに粒子が存在しないとき、背景信号、すなわち、基線信号は原則的には0である。(現実には、汚染物質及び溶媒分子からの散乱、加えて光源、検出器及び増幅器からの寄与によって、常に低レベルの何らかの雑音が存在している。)従って、粒子がOSZを通過することに起因する検出信号パルスの波高は、所定の粒径及び粒子組成に対して、単純に光源の強さを増すことにより増加される。この単純な方法の結果、センサは0.2μm以下という小さな個別の粒子を検出できるようになる。
幸いなことに、全く異なる測定方式を採用することにより、従来のLEセンサ又はLSセンサにより提供されていた感度及び一致濃度より、著しく高い感度及び一致濃度をSPOS装置により実現できる。その結果である新たな装置及び方法が本発明の基礎を成している。新たなセンサの光学的構造における最も重大な相違点は、OSZを規定するために使用される光ビームに関する。ビームは、流路全体にわたって(すなわち、図1のx‐y平面に)延出する薄い光の「リボン」に似たビームではなく、流路10の狭い領域を検査する細い「鉛筆」状の光(y軸と整列されている)から構成される。このビームは、通常、ほぼガウスプロファイルである強さプロファイル及び円形の横断面を有し、センサを通って流れる粒子のうちのごくわずかな一部分を有効に照明する。これにより得られる照明面積Aは、ビームが流路10の幅全体(x軸)にわたって広がることを必要とする従来のセンサで通常見られる照明面積よりはるかに狭い。定義の上では、新たなビームの強さは側(x軸)方向及び粒子流れの方向(z軸)の双方できわめて不均一である。
そのため、センサを通過する粒子は、その軌跡に応じて、必然的に異なるレベルの最大光強さにさらされる(すなわち、z=0)。その結果、1つの粒子により発生される信号パルスの波高は粒子の大きさのみならず、粒子が流路10を通過するときの経路によっても左右されることになる。強さが最高である照明ビームの中心を通過する粒子は、所定の粒径に対して最大の波高のLE(又はLS)パルスを発生し、これに対し、より強さレベルの低い領域を通過する粒子は、それに対応して波高の小さいパルスを発生する。従って、不均一な強さプロファイル(通常はガウスファイルであるが、必ずそうであるとは限らない)を有するビームを使用することにより、いわゆる「軌跡のあいまいさ」という問題が起こる。数人の研究者が多様な方法を使用して、この問題に対処することを試みている。
非拘束粒子により発生される散乱光信号の遠隔現場測定の場合の軌跡のあいまいさの問題は、20年以上前に、D. J. Holve及びS. A. SelfによりApplied Optics、第18巻第10号、1632〜1652ページ(1979年)の中で論じられていると共に、D. J. HolveによりJ. Energy、第4巻第4号、176〜183ページ(1980年)の中でも論じられている。自由空間内を移動する燃焼粒子により発生される測定光散乱パルス波高の集合を「反転」させるために、非負最小二乗(NNLS)手順に基づく数学的デコンボリューション方式が使用された。測定ボリュームはガウス強さプロファイルを有するリボン(楕円形)ビームにより規定されており、軸外れ遠隔ピンホール及び検出器がビーム上に反転投影された。Holve他は、周知の行列反転の方法が、代表的な光散乱データに適用される場合には有効性に欠けるとして退けた。提供されている結果及び説明によれば、光散乱方式及びNNLSデコンボリューション手続きを使用して得ることができるPSDの分解能及び正確さが相対的に不十分であったことは明らかである。引用されている装置及び方法を使用して妥当な「明確さ」を持って分解されるためには、多モード分布は相対的に広い間隔の粒径母集団を必要とした。
Holveの文献に開示されている通り、散乱光信号が検出される測定領域は照明ビームの横断面の一部から導出される。以下に論じるように、本発明も、好ましくは円形のガウスプロファイルを有し、空間的には強さが不均一であるビームを利用する。しかし、本発明はこの不均一性を完全に「容認して」いる。すなわち、測定ゾーンは最高の(可変性が最小である)強さを有する中心領域だけではなく、ビームの横断面全体を包囲している。計数され、粒径判定されるべき粒子は、限定され且つ、明確に規定された空間(流路)を通って一様に流れるようにされ、その空間内で測定される所定の粒径の粒子の部分が確定され、最終的にそれを知ることができる。データは、回収される領域も同様に確定され且つ明確に規定されており、振動及び光学的整列の誤りを相対的に受けにくい。本発明と関連する物理的構造に固有の安定性及び異なる性質が与えられれば、PSD結果が高い感度のみならず、Holveの方法から得られる結果と比較して優れた特有の粒径分解能を有することは当然なことである。また、Holveのシステムは、必然的に検出の手段としての光散乱に限定されていることも認められる。これに対し、本発明で教示される新規な装置及び方法は、光散乱又は吸光に基づいて等しく有効であるセンサを可能にする。
1つには、Holve他により説明されている装置及び方法を使用して実現できたPSD結果の品質が限定されているという理由により、その後、粒径の判定に際して有効にガウスビームを使用できるようにする、Holveの方法に代わる方法を開発する必要性が認識されていた。適切であれば、最も単純な救済策は問題の発生原因であるガウスビーム自体を排除することは言うまでもない。Foxvagは、米国特許第3,851,169号(1974年)の中で、ガウスプロファイルの中に本来備わっている不均一性を低減するために、レーザービームの強さ分布を変化させることを提案した。それとは別に、G. Grehan及びG. Gouesbetは、Appl. Optics、第25巻第19号、3527〜3537ページ(1986年)の中で、集束前に拡張ビームにおいて「ガウス排除」修正フィルタを使用し、それにより、拡張された領域にわたりほぼ均一の強さを有する「トップハット」ビームプロファイルを生成することを説明した。Fujimori他は、米国特許第5,316,983号(1994年)の中で、ガウスレーザービームを平坦化された強さ分布に変換するために「ソフト」フィルタを使用した。
他の提案は、流動する粒子がほぼ均一の強さを有するレーザービームの中心部分を通過することを強制されるように、粒子を物理的に閉じ込めることを含んでいた。その一例は、J. HeyderによりJ. Aerosol Science、第2巻、341ページ(1971年)の中で説明されている。この方法は、Bowen他により米国特許第4,850,707号(1989年)でも採用されており、これはガウス強さプロファイルを有する集束された楕円形のレーザービームを使用し、その楕円の長軸は、流動する粒子を含む、流体力学的に集束された「流路」の幅よりはるかに長い。従って、全ての粒子は、ビームを通過して流れるときに、ほぼ同じ最大強さにさらされる。
HodkinsonによりAppl. Optics、第5巻、839ページ(1966年)の中で提案され、また、Gravittにより米国特許第3,835,315号(1974年)の中でも提案されている、ガウスビームに対応するための初期の提案は、2つの異なる散乱角で同時に検出されたピーク散乱強さ信号の比を判定するというものであった。この比は原則的には粒子に入射する光の強さとは無関係であり、ミーの理論に従えば粒子の大きさに対して独自の関係を有する。この方法の信頼性は、Hirleman, Jr.他の米国特許第4,188,121号(1980年)の中の提案を使用して改善された。3つ以上の散乱角でピーク散乱強さが測定され、全ての値対の比が計算される。粒径を確定するために、それらの比は校正曲線と比較される。
ガウスビームのほぼ中心を通過した粒子のみを選択するために、いくつかの方法が示唆された。Holve他により使用された装置に類似して、遠隔現場測定ボリュームからの軸外れ散乱光を回収する方式は、J. R. Fincke他によりJ. Phys. E: Sci. Instrum、第21巻、367〜370ページ(1988年)の中で説明されている。各々が独自のピンホール開口部を有する2つの検出器の間で散乱光を分布させるために、ビーム分割器が使用される。開口部のうちの一方は測定ボリュームにおけるビームくびれより小さい。その検出器は、相当に大きな開口部を有する第2の検出器による測定に適する粒子を「選択」するために使用される。これにより、粒子は、ほぼビームの中心を通過するので、計数及び粒径判定に適することが保証される。この方式は単純であり、興味深く思われるにもかかわらず、様々な光学要素を精密且つ安定した整列状態に維持することが困難であるために、最終的には著者により退けられた。(このように退けられたのは、先に言及したHolve他により得られたPSD結果の品質が限定されていることとは無関係である。)
別に提案された一連の方法は直径の異なる2本の同心のレーザービームの使用を示唆しており、それらのレーザービームは粒子が横方向に流通する共通の領域に集束され、外側のビームは内側のビームより著しく大きい直径を有する。異なる波長(色)又は偏光により識別される各々のビームを通過する粒子により、散乱された光信号の振幅を測定するために、2つの検出器が使用される。強さがほぼ均一である、大きいほうの測定ビームの中心部分を通過する粒子のみが、より小さい「有効化」ビームからの信号を生成する。2つの異なる色を有するビームを使用する方式は、Goulas他の米国特許第4,348,111号(1982年)及びAdrianの米国特許第4,387,993号(1983年)の中で説明されている。同心2ビーム方法の変形例は、Bachaloにより米国特許第4,854,705号(1989年)の中で説明されている。粒子の軌跡を判定し、最終的には粒径を判定するために、独立して測定された2つの信号振幅を既知のビーム直径及びビーム強さと共に処理する目的で、数式が使用される。この方式の変形はKnollenbergにより米国特許第4,636,075号(1987年)の中で説明されており、これは偏光により識別される集束された2本の同心ビームを使用する。容認しうる粒径分解能及びより高い濃度限界を実現するために必要とされるビーム直径の比を小さくするために、細長い楕円形のビーム形状が使用される。
2ビーム方式の更に別の変形は、Flinsenberg他により米国特許第4,444,500号(1984年)の中で説明されている。この文献の中では、同様に幅の広い「測定」ビームと、それより狭い「有効化」ビームとが利用されるが、この場合、狭いビームが広いビームの外側に配置されるので、2本のビームが同じ色と偏光を有することができる。2本のビームの軸を含む平面は、粒子の流速と平行に整列される。各ビームから別個に検出される2つの散乱信号の一致を実現することにより、計数され且つ粒径判定されるべき粒子は、狭いビームを横切った粒子のみであり、従って、広い測定ビームの中心領域を横切った粒子のみになるように保証される。2ビーム方式の更に別の変形は、Hirleman, Jr.により米国特許第4,251,733号(1981年)の中で説明されている。2本の物理的に離間されたガウスビームを使用することにより、2つの散乱光信号パルスの相対的な大きさから粒子の軌跡は判定できる。これにより、粒子の軌跡に沿ったどの場所で粒子に入射した光の強さでも計算できるようになり、それにより粒径を判定できる。
他の提案は、レーザードップラー速度測定で一般に利用されている干渉計技法、すなわち、空間的に局限された領域内で一定のフリンジパターンを得るために2本のコヒーレントなレーザービームを交差させる技法を利用する。軌跡の相違を考慮に入れるか又は補償することが可能であるならば、ピーク散乱強さから粒径を判定できる。簡単な方式は、Erdman他により米国特許第4,179,218号(1979年)の中で提案されており、これは、各々の粒子が通過するフリンジの数に関連して、各粒子により一連の散乱光パルスが発生されることを認識している。パルスの数は、フリンジパターンにより設定される「プローブ」ボリュームの中心に、その粒子がどれほど近接したかを確定し、プローブボリュームの中心では、各ガウスビームの中心に対応して、フリンジの数は最大であり、強さは最も明るくなっている。それに代わる方法は、C. F. HessによりAppl. Optics、第23巻第3号、4375〜4382ページ(1984年)の中で提案されていると共に、米国特許第4,537,507号(1985年)の中で提案されている。一実施例では、異なる大きさの2本のコヒーレントビームが交差されて、フリンジパターンを形成する。小さなビームは、ほぼ均一の(最大)強さを有する大きいほうのビームの中心領域を「識別」する。最大交流変調を含む信号は、粒子がフリンジパターンの中心を通過したこと、従って、大きなビームの中央を通過したことを示す。低域フィルタリングによって交流成分が除去された後、「ペデスタル」(直流)信号から粒径が取り出される。第2の実施例では、1つの色を有する2本の交差するレーザービームを使用して、第2の色の第3のレーザービームの中心にフリンジパターンを形成する。第1の検出器は、散乱光信号の交流成分の大きさから、粒子が実質的にフリンジパターンの中心を通過したか否かを判定する。その粒子が中心を通過していれば、第2の検出器から、大きなビームにより発生された散乱光のパルス波高を得て、それを記録する。Bachaloは、米国特許第4,329,054号(1982年)の中で、各ガウスビームの中心領域に対応するフリンジパターンの中心部分を、別個の検出器手段に対応する異なる色又は偏光の補足的な小さい「ポインタ」ビームを使用することにより識別することを提案した。
最後に、ガウスビーム/軌跡のあいまいさの問題に対処するために、他の多様な技法が提案されている。Bonin他は、米国特許第5,943,130号(1999年)の中で、測定ボリュームに沿って集束レーザービームを急速に走査し、その結果、ビームが1つの粒子と交差するたびに1つの散乱強さパルスを得る方法を説明している。走査周波数及び速度が高く且つ粒子の速度が相対的に遅いとすれば、各々の粒子は測定ボリュームの中にある間に数回走査されることになる。その結果得られる一連のパルスをビーム強さプロファイルに当てはめ、粒径を散乱光の強さと相関する校正応答関数を使用して、ガウス当てはめの最大値を粒径にマッピングすることができる。DeFreez他は、米国特許第6,111,642号(2000年)の中で、「流れアパーチャリング」技法を提案した。粒子/流体送り出しノズルは、放出される粒子の側方速度プロファイルがレーザービームのガウス強さプロファイルとほぼ整合するように設計されている。ビーム軸からの粒子軌跡の離間距離が増すことによる入射光レベルの低下は、速度が落ちることによる散乱信号の積分時間の増加によりほぼ補償される。従って、正味の積分散乱信号は原則的には軌跡とは無関係である。Girvin他により、米国特許第6,016,194号(2000年)の中で、実質的に各々の粒子軌跡と関連する散乱光信号を個別に検出するために、直線検出器アレイを使用する改善が提案されている。ノズル速度とレーザービーム強さプロファイルとの整合が不完全であること、個々の検出器の効率に差があること及びその他の影響が原因となって、側方向にシステムの正味信号応答に偏差が残留する。この残留偏差を補償するために、各検出器要素の利得は調整されることが可能である。
米国特許第3835315号公報 米国特許第3851169号公報 米国特許第4179218号公報 米国特許第4188121号公報 米国特許第4251733号公報 米国特許第4329054号公報 米国特許第4348111号公報 米国特許第4387993号公報 米国特許第4444500号公報 米国特許第4537507号公報 米国特許第4636075号公報 米国特許第4854705号公報 米国特許第5316983号公報 米国特許第5943130号公報 米国特許第6016194号公報 米国特許第6111642号公報
本発明の目的は、当該技術で通常見られる粒子濃度より高い粒子濃度で相対的に濃縮されており、従って、従来の技術のSPOS装置で要求されるのと同じ程度には希釈される必要がない流体懸濁液に対して著しく高い感度及び有効に応答する能力を提供するSPOS装置及び方法を提供することである。
本発明によるSPOS装置は、物理的に明確に規定された測定流路を通る懸濁液の流れを確立する。測定流路の内部の光学感知ゾーンを照明するために、相対的に幅の狭い光のビームが測定流路を通過するように向けられ、測定流路を通って流れる粒子の総数のうちのごくわずかな1部分にSPOS装置が応答し、その結果、SPOS装置が相対的に濃縮された流体懸濁液に有効に応答するように、光のビームの光学感知ゾーンの大きさは測定流路の大きさに対して定められている。ビームは光学感知ゾーンを不均一に照明し、光学感知ゾーンは中心にある最大強さ部分と、最大強さ部分から離間するにつれて逐次強さが低下してゆく一連の位置とを有しているので、粒子の一部は最大強さ部分を通る軌跡を有し、他の粒子は強さが低下してゆく各部分を通る軌跡を有し、更に別の粒子はゾーンの外側に軌跡を有する場合もある。
測定流路は光のビームの軸方向に厚さ寸法を有し、ビームに対して横方向に幅、すなわち、側方寸法を有し、厚さ寸法及び幅寸法に対して垂直の流れ方向を有する。ビームは幅方向に測定流路よりはるかに狭く、厚さ寸法よりかなり大きい被写界深度をもって集束されるため、有効幅は、ビームは厚さ寸法に沿って大きくは変動しない。有効幅は、前述のように低下してゆく強さが前記最大強さの所定の割合まで、例えば、1/eまで落ちる、ビーム中の対向する位置の間の幅として定義されるが、この有効幅は、粒径判定されるべき粒子の範囲にわたって粒子が有効に粒径判定されることが可能であるように選択され、通常、粒径判定されるべき最大の粒子の粒径のほぼ2分の1である。ビームの強さは側方向及び粒子流れの方向に極めて不均一であり、ガウス強さプロファイルを有する。ビームの横断面は円形又は楕円形であってよいが、ビームの幅は粒子の流れと平行な方向より、粒子の流れに対して垂直な方向で、ビームに対して横に広くなっている。
本発明のSPOS装置は光検出器を使用し、吸光又は光散乱の原理に基づいて動作すればよい。実際、いくつかのセンサの実施例は双方の検査技法を含む。光検出器はゾーンからの光を検出して、各々が前記ゾーンを通って流れる1つの粒子に応答している複数のパルス波高信号を供給するパルス波高信号は、検出される粒子の粒径及び軌跡の関数であり、所定の粒径の粒子は、ゾーンの最大強さ部分を通って流れるときに最大のパルス波高信号を発生させ、それより強さの弱い部分を通って流れるときには、より小さなパルス波高信号を発生させる。パルス波高信号は合体して、パルス波高分布(PHD)を形成する。ゾーンのより強さの弱い部分を通って、統計的に著しく多くの数の所定の粒径の粒子が流れる。
不均一なビームの使用により、「軌跡のあいまいさ」の問題が起こる。この理由により、装置及び方法は、懸濁液中の粒子の粒径分布を提供するためにパルス波高分布を数学的にデコンボリュートする手段を含む。本発明によれば、デコンボリューション方法は従来の技術で教示されているようなデコンボリューションと比べて改善されている。本発明は2つのデコンボリューション技法、すなわち、行列反転を使用するデコンボリューションと、逐次減算を使用するデコンボリューションの使用を提案している。
2つの技法は行列を使用する。本発明によれば、行列をセットアップするプロセスは簡略化されている。行列は複数の列基本ベクトルを有し、各々の列基本ベクトルは1つの特定の粒径に対応している。従来の技術においては、一様な既知の粒径を有する粒子の測定に基づいて、全ての列基本ベクトルの値を実験により求めることが提案されている。行列は多数の列(この用途では32、64及び128が提案されている)を有する場合もあるので、本発明によれば、列基本ベクトルのうちの唯1つ又はごく少数のベクトルのみを既知の粒径の粒子の測定に基づいて実験により求めればよく、あるいは既知の粒径の粒子の測定に基づいて実験により求める列基本ベクトルはない。その他の列基本ベクトルは、実験に基づいて求められた列基本ベクトルから補間及び/又は補外により計算される。また、列基本ベクトルのうちの一部、又はその全てを理論モデルから計算できることも本発明により提案されている。列基本ベクトルの一部がそのようにして計算される場合、残る列基本ベクトルは既存のデータから計算された列基本ベクトルから補間及び/補外により計算されることが可能である。
デコンボリューションの方法を行列反転により修正することが提案される。各々の列基本ベクトルは、その列基本ベクトルと関連する既知の粒径を有する1つの粒子に対応するパルス波高チャネルに関連する行に対する場所で、最大カウントのパルス波高を有し、逐次連続する列に関する最大カウントのパルス波高値は行列の対角線上に配列されている。対角線より下の全ての項を0に設定することにより、すなわち、1つの列の中の最大カウントのパルス波高値より大きいパルス波高値に対応する全ての項を0に設定することにより、行列は修正される。これにより、正確さ、信号/雑音比及び結果の再現性が改善される。
逐次減算によりデコンボリューションを実行する、提案された方法は、複数の列を有する行列をセットアップすることを含み、各々の列は、既知の粒径を有する粒子のパルス波高分布から成る1つの基本ベクトルを含み、それぞれ連続する列は逐次大きくなる粒径を有する粒子に関わる基本ベクトルを含み、最大サイズの基本ベクトルは最大粒径の粒子に関わるパルス波高分布を含む。
逐次減算アルゴリズムは、最大パルス波高に対応する行にある最大カウント値を有する基本ベクトルから開始する工程と、列番号に整合するPHD中の行の値に対応する係数だけ、列基本ベクトルをスケーリングする工程と;前記スケーリングされた基本ベクトルをPHDから減算して、デコンボリュートPHD(dPHD)の1つの要素を形成し、より少ない総数の粒子を含む中間PHDベクトルを残す工程と、PHD全体がほぼ使い果たされ、デコンボリュートdPHDの全ての要素が形成され終わるまで、残っている基本ベクトルを使用してこのプロセスを繰り返す工程とから成る。
パルス波高と粒径との関係を表す校正曲線を使用して、dPHD中の各々のデコンボリュートパルス波高値は、このパルス波高値と関連する特定の粒径に変換され、それにより、生粒径分布PSDが得られる。各粒径dの粒子に関して前記装置により実際に検出される粒子の割合をφとするとき、生PSDに値1/φを乗算することによって生PSDを正規化することにより、生PSDは最終PSDに変換される。
流体懸濁液が相対的に濃縮されている場合、吸光型センサは濁りにより影響を受ける可能性がある。濁りの補償は3つの方法のうちの1つで実行できるであろう。第1に、濁りのある液体と、濁りのない液体について基線電圧レベルを感知し、比を計算し、この比を使用して、濁りのある液体の基線電圧レベルが濁りのない液体の基線電圧レベルまでほぼ増加されるように、吸光信号の振幅を増加させる。第2に、濁りのある液体により発生されたパルス波高信号を計算された比により修正する。第3に、濁りを補償するために、比に応答して開始時の光のビームの強さを調整する。
本発明の一実施例は、吸光(LE)検出器と光散乱(LS)検出器の双方を含む。ビームに対する第1の角度と第2の角度との間で散乱される光を選択するために、ゾーンからの散乱光はマスクを経て(LS)検出器に通される。ゾーンを透過した光はLE検出器へ誘導される。別の実施例は、光源からの光を光学感知ゾーンへ搬送し、前記光をゾーンを通して投射する光ファイバと、ゾーンからLE検出器へ光を搬送する光ファイバとを使用する。ビームに対して第1の角度と第2の角度との間で散乱される光を選択するために、ゾーンからの散乱光はマスクを通され、この散乱光はLS検出器により回収される。更に別の実施例は光源と、測定流路の内部に配置された1対の光学感知ゾーンを通して誘導される2本の光ビームを形成するためのビーム分割器とを具備し、各々のビームは異なる範囲の粒径に適合する有効幅を有する。別の実施例は光散乱検出器と、回転自在のホイールに配置された複数のマスクのうちの1つを通過するように光の一部を導く手段と、ホイールを所望の向きまで回転させることにより、それらのマスクのうちの1つを選択する手段とを具備し、各々のマスクは異なる角度を規定し、それらの角度の間で光は散乱され、回収される。最後の実施例は、相対的に幅の広いコリメートビームを光学感知ゾーンを通して投射する。ビームは中心軸を有し、受け入れ開口部はビームの中心軸を密接して包囲している光線のみを取込む。これにより、ビームの有効幅は、光ビームの軸に対して横の方向に、粒径判定されるべき最大の粒子の粒径のほぼ2分の1である幅まで縮小される。光ファイバが光線を検出器に結合する。
本発明の装置及び方法は、吸光又は光散乱のいずれかに基づいて流体懸濁液の中の粒子を計数し、粒径判定するセンサにより実現される。明確に規定且つ制限された測定流路の中を、少量の懸濁液が制御された流量で新たなセンサを通過するように流動する。従来の技術によるセンサの場合と同様に、新たなセンサは「光学感知ゾーン」、すなわち、OSZを個々の粒子が通過することに応答する。従って、従来のセンサと同様に、新たなセンサも単独粒子光学感知(SPOS)装置として分類される。しかし、以下の説明から明らかになるように、この新たなセンサの特性は従来のSPOS方式を使用して得られる特性とは著しく異なる。簡単にするため、以下の説明の大半は新たな吸光型センサ、すなわち、LE型センサに関連している。しかし、以下に論じるように、単純な変形を加えれば、新たな装置及び方法は光散乱型SPOS装置、すなわち、LS型SPOS装置を実現するためにも同様に有効に使用されることが可能である。LE型であるか、LS型であるかに関わらず、新たなセンサは、それぞれ、従来のSPOSセンサより著しく高い濃度で有効に機能し、また、著しく高い感度を提供するように設計されている。
SPOSセンサの一致濃度の著しい増加を実現するには、OSZのボリュームVOSZを同様に著しく縮小することが必要である。VOSZを縮小させる手段として流路10の奥行bを減少させることができるが、過大粒子による流路10の頻繁な目詰まりを回避するには、減少の程度には実際に限界がある。従って、流れセル内の流体‐粒子混合物を照明し、検出器DLEに入射する入射光の横断面面積Aを相当に縮小することが要求される。言うまでもなく、照明される面積Aを縮小する結果として得られる重要なもう1つの利点、すなわち、検出可能な最小粒径が相当に小さくなるという利点がある。パラメータAが小さいほど、流れセル及び検出器に入射する光全体のうちで、OSZの中心を通過する所定の粒径の1つの粒子が瞬間的に「遮蔽」(すなわち、屈折、反射、散乱及び吸収)する部分の割合は大きくなる。
新たなSPOS方法を定義する主要な特徴は、照明面積Aの広さが縮小され、その結果、VOSZが著しく縮小され、感度が改善されることばかりではない。特徴は照明ビームの性質と、それにより規定されるOSZにも関連している。図3に示されるように、光学的構造には固有の2つの重要で、新規な特徴がある。第1に、入射ビームは単独で(測定流路35の正面の窓36及び背面の窓37と連携して)OSZを規定する。x軸(図3)に沿って流体‐粒子懸濁液を封じ込める側壁38及び39はOSZの規定に関しては何の重要性ももたなくなっている。第2に、OSZと関連する物理的ボリュームは単一の値により記述されることが不可能になり、この場合には測定されるべき粒子の粒径によって決まる。
図3に概略的に示される新たな方式では、レーザー光源40からの光ビーム41によって測定流路35を照明する。光ビーム41はレンズ42により集束されて、相対的に狭い横断面を有するビーム、すなわち、従来のLE型センサ(図1)の流れセルにおいて通常照明される幅aより狭いビーム44を形成する。従って、これにより形成されるOSZは寸法「b」により離間されている、流れセルの正面及び背面の窓と共に、「鉛筆」状の光のビーム46によりほぼ規定される。図3の概略図は、集束光ビーム46により規定されるOSZを簡略化して示したものである。第1に、OSZを構成する照明の領域は、図3に示されるほぼ円筒形のゾーンにより示唆されるように、鋭角的に規定されていない。むしろ、OSZの外側境界は「ファジー」であって、以下に論じるように、指示されるゾーンを十分に越えるほど延出している。第2に、流路10を通過するビームが集束されていると仮定すると、ビームの幅は通常は均一ではない。集束ビームの場合、ビームの幅は測定流路35の奥行に沿って変化する。流路の奥行に沿ってビームのくびれ部分がどの程度変化するかは、ビームのくびれ部分がその最小値のO2倍まで拡張するポイントの間の距離(y軸)として定義される、集束ビームの被写界深度によって決まる。原則的には、被写界深度は流路の厚さbより著しく大きいため、流路全体にわたりビーム幅は相対的に均一になる。
その結果、照明光の強さプロファイルが根本的に異なることとは全く別に、新たなセンサの物理的構造に基本的変化が存在する。従来の構造では、流路10の物理的幅とOSZの有効幅(x軸)は全く同じであり、寸法「a」に等しい。これとは対照的に、新たなセンサにおける流路の物理的幅(同様に「a」として規定される)は、通常、入射光ビームの公称幅2wよりはるかに大きく、従って、OSZに大きな影響を及ぼすことがない。そのため、奥行bを判定且つ流れセル(及びOSZ)の正面の窓36と背面の窓37を離間するスペーサ(又はシム)38及び39は、縁部による散乱を回避するために光学的な意味で不透明又は平滑である必要がなくなる。これは、流れセルの製造をより容易に且つより安価にする、重大な利点である。
通常、「円形化」された光ビームを採用すると好都合であり且つ有効であるが、そのようなビームの場合、入射強さは原則的にはビーム軸(図3に示されるように、x=z=0で、y軸と一致している)からの半径方向距離rにのみ従属する。通常、「ガウス」光ビーム、すなわち、ガウス強さプロファイルを有する光ビームを採用し、これは、y = b/2のとき、焦点面で次のように表される:
I(r) = I exp(−2r/w) (7)
式中、円形ビームであると仮定した場合、r=x+zである。
量2wは、入射光束の大部分を含む想像上の円柱の直径である。その表面における強さは、自然対数の底をeとするとき、1/eに等しく、すなわち、ビームの中心(r = 0)におけるその値I0の0.135倍である。入射ビームに含まれる光束の実質的に100%(光学的界面における反射及びビーム中の粒子による吸収に起因する損失を除く)が流路の中の流体‐粒子混合物を横切り、離れた場所にある検出器DLEに入射する。これにより、検出器DLEは、I/V変換器増幅器34の出力で、図2のパルス30に似た下方へ伸びるパルスの形態の吸光信号VLEを発生する。
この挙動は、従来のLE型センサで採用されていた照明方式とは極めて対照的である。従来の場合には、開始時の光ビームは流れセルの横(x)軸に沿って大きく拡張され、そのため、ビームの幅(1/e強さ)は正面の窓(及びOSZ)の幅aよりはるかに大きい。その結果、光はx方向に拡張されたガウスビームの最上部で取込まれるので、ビームが流れセルに入るところであるx軸(すなわち、y=z=0)に沿って入射強さに相対的にごくわずかな変化しかない。従って、OSZを通過する粒子は、その軌跡とは関係なく、ほぼ同じ最大ビーム強さ(すなわち、z=0で)を受ける。軌跡を規定するx及びyの特定の値は、原則的には、得られるセンサ応答、すなわち、パルス波高に全く影響を与えない。
従来の光学的構造と、新たなセンサで採用される方式との対比をこれより大きくすることは難しいといえるであろう。新たなセンサでは、考え抜かれた設計により、流路の幅に沿った位置(x軸)の関数として入射強さは大きく変化する。入射光ビームが対称形(円形)のガウスプロファイルを有する場合、強さの変化は、r = xで式7により与えられる。最大強さI0はビームの中心(x=z=0)で実現され、簡単にするため、x=0は流路の中間点(側壁はx=±a/2)を表す。前述のように、x=±w、z=0で起こる強さは、実質的に0.135I0まで減少する。ビームからの距離が増すにつれて強さは急激に降下し、例えば、x=±2w、z=0で0.018I0まで減少し、x=±4w、z=0では0.00033I0まで減少する。
このように、新たなOSZを通る粒子の通過により発生される吸光信号の重要性は非常に大きい。第1に、従来のLE型センサの場合、OSZを1つの粒子が通過することにより発生されるパルス波高△VLEは、一般に、粒径が大きくなるにつれて増加し、その他の要因は全て同一である。一般に、粒子が大きいほど、入射ビームから「取り除かれる」光、従って、検出器DLEに到達することができない光の割合は大きくなる。しかし、新たなセンサの場合には、ビームから取り除かれる光の割合は粒子の精密な軌跡、特に、粒子からビームの中心、x=0までの最短距離|x|によって決まる(第1の近似では、先に述べたように、ビーム幅が流路の奥行に沿ってほぼ一定であると仮定すると、適切な大きさの被写界深度が与えられれば、軌跡のy軸値の変化に伴ってセンサの応答は大きくは変化しない。)。
所定の粒径及び組成(以下、簡単にするために球形であり且つ均質であると仮定する)を有する粒子に対して、最大「信号」、すなわち、最大パルス波高は、粒子がビームの中心、x=0を通過するときに実現される。所定の有効横断面面積DAを有する粒子は、強さが最大であるビームの中心で、最大量の入射光を遮蔽する。同一の粒径を有する粒子は、様々に異なる軌跡に沿って、ビーム軸から様々に異なる最短距離|x|をとって流路を通過するとき、粒子は、最大レベルよりは小さく異なる照度にさらされる。ビーム軸からの距離が大きいほど、粒子に入射する積分強さは低くなり、従って、ビームから取り除かれる光束は少なくなり、結果として得られるパルス波高は小さくなる。従って、応答は、ビームの中心を通過する軌跡の場合の最大値から、入射ビームから非常に離れた場所にある軌跡(|x|>>w)の場合のほぼ0(すなわち、雑音変動との識別が不可能)までの範囲にわたる、パルス波高の連続「スペクトル」から構成されることになる。最大パルス波高はビームくびれ幅2w及び粒子の粒径、並びに場合によっては粒子及びそれを取り囲んでいる流体の屈折率によって決まる。(これは、全体としての吸光信号に寄与するという面で、光散乱が屈折及び反射と比較してどの程度まで重要であるかによって決まる。)重大な仮定は、粒子の軌跡が流路内部で無作為に分布している(すなわち、等しい頻度で起こる)ことである。流路の典型的な寸法が与えられ、相対的に低い流量が利用されるならば、この仮定は、通常は有効である。また、センサを通過する粒子の数は、いかなるx軸値が与えられても(すなわち、どのような(狭い)x値の範囲にわたっても)軌跡を有する粒子の数の統計的変動を無視できるほど十分に多いと仮定される。
従って、新たなセンサの粒径とパルス波高との関係は、従来の構造のセンサの場合に得られる関係とは著しく異なっている。従来のセンサの場合、所定の粒径(及び組成)の粒子は、軌跡とは関係なく、ほぼ均一の波高のパルスを発生させる。この挙動は、従来のSPOS方法の場合にセンサ設計の最も重要な目標である。例えば、ほぼ均一の粒径を有するポリスチレンラテックス「標準」粒子を測定するときに起こる、パルス波高の通常は小さな変化は、所定のz軸値に対して、x軸及びy軸に沿ってOSZ内部で起こる入射ビーム強さの変化によって引き起こされる。それらの変化が最終的にはセンサの分解能を判定する。従って、その結果として得られるPDSの幅は、粒径の実際の範囲ではなく、OSZに沿って残留している照度の不均一がもたらす結果である。
これとは反対に、新たなセンサの構造の場合、粒径分解能には明らかな劣化がある。1つの粒子がセンサを通過するとき、粒子は、所定の最大値とほぼ0との間で変化する可能性がある波高△VLEを有する吸光パルスを発生させる。逆に、単一の検出されたパルスに対して、パルス波高の情報だけで、そのパルスを発生させた粒子の粒径を判定することは不可能である。例えば、相対的に小さいが、ビーム軸をまっすぐに通過する粒子は、その粒径(及び組成)の粒子について可能である最大のパルス波高を提供する。これに対し、その粒子よりはるかに大きいが、ビーム軸から相対的に遠い場所を通過する粒子が提供するパルス波高は、その粒径及び軌跡に応じて、実際には先の波高と同じになる可能性がある。大きな粒子は、小さな粒子より入射照明のはるかに大きな領域を遮断できるにもかかわらず、大きな粒子に入射する光の平均強さは、小さな粒子に入射する光の強さより小さい。そのため、結果として得られるパルス波高は、小さな粒子により発生されるパルス波高と同じになってしまう可能性がある。同じパルス波高を発生させる可能性がある粒径と、最小ビーム‐軌跡間距離の対{d, |x|}の数が無限に存在することは自明である。粒径dと、その結果としてのパルス波高△VLEとは互いに有効に「切り離される」。これは、先に関連技術の説明の中で言及した「軌跡のあいまいさ」の問題であり、この問題は、20年以上にわたり、ガウスビームを使用して粒径を判定するための新たな光散乱に基づく方式を探求する動機となっていた。
上述の軌跡のあいまいさの影響があるため、必要とされる粒子の粒径判定に適用するのに、新たな細幅ビームセンサはむしろ役に立たないように思われる。幸いにも、そのような悲観的な評価は正当とはされていない。新たなLE型センサの分解能が劣っているのは、単一の粒子、又は相対的に少数の粒子の粒径を求めるために新たな方法を使用することに固執する場合に限られる。後に実証するように、新たなセンサと関連する、見かけの上では劣っている粒径分解能は、パルス波高データの適切な数学的デコンボリューションによって非常に容認できるほどのレベルまで回復されることが可能である。その結果として得られる有効センサ分解能の劇的な改善は、関心試料の中に含まれる、統計的に著しく多くの数の、あらゆる関連粒径又は粒径範囲の粒子に新たなセンサがさらされることが意図されているという事実により可能である。これは、「汚染」の用途に有効である状況とは大きく異なり、新たな感知方法を粒径の解析に非常に有用なものにする状況である。汚染の用途では、センサは相対的に少数の、何らかの所定の粒径の粒子にさらされ、その場合、統計的意義は実現されないことが多い。
新たな集束ビームセンサの「生」応答は、その前身である従来のSPOSセンサの場合と同様に、パルス波高分布(PHD)、すなわち、粒子「カウント」とパルス波高?VLEとの関係を表すヒストグラムから構成されている。パルス波高の目盛は、通常、相対的に多くの数(例えば、32、64又は128)の「チャネル」又は「ビン」に分割されており、各々のチャネルは適切な狭さの範囲内のパルス波高電圧を含み、それにより、PHDの電圧分解能を規定する。通常、対数電圧目盛上に等間隔に配列されたチャネルを設定するのが好都合である。新たなパルスが測定されると、ヒストグラムの適切なパルス波高チャネルに格納されている粒子カウントの数が1増分される。結果として得られるPHDが統計的に信頼しうるデータを含み、従って、滑らかで再現性を有するように、データは、原則的には、関心粒子懸濁液から十分に長い時間をかけて収集される。これは、I番目のパルス波高チャネルで収集される粒子カウントの数NIが統計的に意義を有し、128チャネルの場合で、あらゆるIに対して、すなわち、1£I£128に対して、統計的「雑音」に起因する変動より優位を占めることを意味している。ポワソン統計を想定すると、これはあらゆるIに対してNI>>√NIであることを意味している。
新たなLE型センサにより生成されるPHDの代表的な1例が、図4に示されている。試料は、粒径=1.588マイクロメートル(μm)の均一なポリスチレンラテックス粒子(Duke Scientific、カリフォルニア州Palo Alto)の貯蔵懸濁液の10,000:1(体積)水性希釈液から構成されていた。PHDは、48秒のデータ収集時間中に合わせて83,702個の粒子により生成された。利用された流量は20ml/minであり、その結果、総解析試料体積は16mlであり、平均パルス速度は1,744/secであった。貯蔵懸濁液の濃度は1重量%であった。2.10×10-12cmに等しい粒子体積及び1.05の密度ρが与えられたが、これは1ml当たり4.54×10の数密度と同等である。希釈後、センサを通って流れる粒子の濃度は4.54×10/mlであった。この値は、従来のLE型センサに関して(すなわち、重大な一致効果を回避するために)通常推奨されている濃度レベルよりはるかに高く、実際、その濃度レベルの50倍を超える高さである。事実、一致効果に起因するPHDの形状の大きなひずみを導入することなく、この濃度を実質的に増加させること(少なくとも2倍)は可能であったであろう。
そのように高いレベルの粒子濃度が可能である唯1つの理由は、新たなセンサがセンサを通過する粒子の総数のうちのごくわずかな一部分にしか応答しないためである。図4の例を利用すると、センサを通過した粒子の総数NTはNT≒4.54×10/ml×16ml、すなわち、7.26×10であった。センサが実際に応答し、それにより、図4のPHDを生成させた粒子の数Nは83,702であった。従って、実際に測定PHDに寄与した粒径d=1.588μmの粒子の割合φ(φ=N/Nにより定義される)は1.15×10−2、すなわち、0.0115であった。割合φdは「センサ効率」と呼ばれる。
センサ効率がそのように相対的に低いという事実は、驚くべきことではない。ごく細く集束されたビームの場合、流路の幅aは、例外なく、集束されたビームの公称幅2wよりはるかに大きい。従って、センサを通過する粒子の軌跡はビーム軸から相対的に遠く離れた位置にあるので、すなわち、|x|>>wであるので、その粒子の大半がさらされる光の強さのレベルはごく低い。そのため、優位を占めている雑音レベルに対して、検出可能なパルスを発生させるほど十分に光を「遮蔽」することができるのは、粒子の総数のうちのごくわずかな部分だけである。大多数の粒子は検出されることなく、センサを通過する。
この制限は重大であるように思われるであろうが、実際には、2つの理由によりほとんど重要性を持たない。第1に、検出可能、測定可能なパルスを発生する粒子の割合φは、粒径dに伴って変化はするが、所定のセンサ幅aに対しては一定である。第2に、新たな感知方法は、定義上は開始時に高い濃度で濃縮されている試料に関して粒径分布(PSD)を判定するときに使用されることが意図されている。必要があって、希釈を行った後であっても、どの所定の粒径の粒子の濃度も(すなわち、何らかの(狭い)粒径範囲内で)定義上は相対的に高い。流量及びデータ収集時間が適切であると仮定すれば、得られるPHDは低レベルの統計的変動を伴って、容認しうる信号/雑音比を有する。従って、利用可能な粒子のうちのごく小さな割合の部分が生データに寄与しているとしても、得られるPHDは、試料中の無視された大多数の粒子を代表している。従って、「不効率な」新たなセンサから、試料全体を表す、信頼性にすぐれた正確なPSDが得られる。
ビーム軸を取り囲む、粒径dの粒子の有効OSZを表す想像上の円筒形ボリュームの幅2wを推定することは有用である。定義上、この想像上の領域を通過するどの粒子も、検出され且つ(パルス波高により)定量化されることが可能であるパルスを発生させる。この幅2wはセンサ効率φと直接に関連しており、次の式により定義される。
2w = φ xa (8)
図4に示されるPHDは、2mm、すなわち、2,000μmの流路幅を有するセンサから得られた。従って、式8から、1.588μmの粒子の場合には2w =23μmである。これと同じセンサの推定ビーム幅2wは、10〜11μmであった(以下に説明する)。従って、1.588μmの粒子の場合、円筒形のOSZの有効幅はガウスビームの公称幅の2倍よりわずかに大きい。
図4に示されるPHDのいくつかの補足的な特徴は注目に値する。第1に、粒子の軌跡が広い値|x|の範囲にわたっているという事実により、均一な粒子がセンサを通過すると、実際には、広い範囲にわたるパルス波高を含むPHDが得られる。この場合、パルス波高は、個別のパルス検出の閾値(優位を示すr.m.s.雑音レベルにより影響を受ける)であるほぼ5ミリボルト(mV)から、分布の公称「終端部」の約326mVの最大値までの範囲にわたる。(これは、500mVにまで至る凝集体及び過大な粒径の一次粒子に起因する、少数の「外来」パルスを除外している。)粒子の均一性が与えられていれば、この65倍のパルス波高範囲の原因を粒子軌跡の相違のみに求めることができる。(第1の近似では、先に述べたように、流路の奥行に沿ったビーム幅の変化を無視することができる。)
第2に、予期されたことではあるが、PHDはきわめて非対称であり、パルス波高が小さくなる方向に大きく傾斜している。広範囲の|x|値(従って、ビーム強さ)をサンプリングする数多くの粒子軌跡が存在しているのは明らかであるが、強さがほぼ均一であるガウスプロファイルの中心部分を探査する粒子軌跡は相対的にごく少数である。PHDは、パルス波高が増すにつれて広範囲にわたる滑らかな粒子数の増加を示し、相対的に急激なピークに向かって加速し、その後、0パルス事象を表す基線まで劇的な下降が続く。分布の上端部におけるこの急激な「カットオフ」は、以下の説明中、△VLEと表される最大パルス波高を規定する。図4に示されるPHDの場合、この値は約326mVである。この最大値で収集されるカウントは、粒子により「遮蔽」される総入射光束のうちの割合が可能最大値になる場所であるビームの中心を通過したか、又はビームの中心に非常に近接した位置を通過した、すなわち、x≒0の軌跡を有する粒子を表す。それより小さなパルス波高チャネルで収集されたカウントは、ビーム軸から離れて通過した粒子を表す;パラメータ|x|が大きいほど、得られるパルス波高は小さくなる。
粒子の軌跡と、得られるパルス波高との関係が図5に概略的に示されている。軌跡「A」は、PHDの上部カットオフの直前に、最大パルス波高△VLEを有する吸光パルスを発生させる。軌跡「B」、「C」、「D」及び「E」はビーム軸から順次離れる位置にあり、それに対応してパルス波高が徐々に小さくなり、粒子カウントの数も順次小さくなるようなパルスを発生させる。最終的には、図5に概略的に示されるPHDプロットの左下角で、パルス波高が検出限界(≒5mV)に到達したとき、チャネルごとの粒子カウントの数は0に近づく。
先に述べた通り、PHDの再現性は、様々なチャネルに含まれるカウントの数が統計的変動と比較してどの程度大きいかによってのみ左右される。従って、PHDの「信頼性」(すなわち、滑らかさ及び再現性)は、測定中に計数される粒子の総数によって決まる。所定の粒径に対して、計数され且つ解析されるべき最小限の数のパルスが存在していることは自明であり、この数を下回ると、統計的雑音のために、PHDは測定ごとに重大で、再現不可能な「構造」を示すはずである。同様に、新たなセンサにより生成されるPHDは、データ収集期間中に、相対的に多くの統計的に意味ある数の同じ粒径の粒子が検出される場合にのみ意義を有する。これが当てはまる場合に限り、最適且つ再現可能なPHD結果を得ることを期待でき、それに対応して、以下に説明する方法を使用して、そのPHD結果から取り出され、正確且つ代表的な粒径分布(PSD)結果を得ることが期待できる。
図4に示されるPHDを生成するために使用された1.588μmラテックス規格粒子の場合、同じストック懸濁液の新たな16mlのボリュームを2度目に測定すると、非常に類似したPHD結果が得られ、83,327個の粒子が検出された。計数された総数の差は十分に平均値の平方根(289)の範囲内にある。測定ごとにセンサによりサンプリングされる粒子の数は、容認できる再現性を有するPHDを提供するのに十分であったと仮に結論付けることができる(上に重なる2つ以上のPHDにより確認される)。
以上の説明から、新たなセンサがさらされる粒子が大きいほど、提供されるPHDはより大きなパルス波高へシフトされることが明らかである。特に、ビーム軸を通過するか、それにごく近接した位置を通過する粒子の軌跡に対応する最大パルス波高△VLEは増加する。これが実際に図6に示されるようなケースであり、図6は、d=1.588μmのときに得られたPHD「A」と、d=2.013μmのときに得られたPHD「B」とを比較している。d=2.013μmの試料は、ポリスチレンラテックス球体(Duke Scientific)のストック懸濁液を、1.0×10粒子/mlと等価である0.45(重量)%の濃度で希釈(体積)した2,000:1希釈液から構成されていた。PHD「B」は、図4で利用されていたのと同じデータ収集時間及び流量を使用して、合わせて83,481個の粒子により生成され、その結果、平均カウント速度は1,739/secであった。
PHD「B」(2.013μm)の形状はPHD「A」(1.588μm)の形状と明らかに非常に似ている。唯一の大きな違いは最大パルス波高△VLEの値であり、「B」の場合には482mVで起こっている。PHD「B」のピークは、より小さな粒子で観測されているより幾分か急激であるように(すなわち、幅が狭く)見える。しかし、パルス波高チャネルは対数電圧目盛上で等しい幅を有するという事実があるので、この評価は主に認知の問題である。従って、より高いパルス波高値(例えば、482mV)に位置するチャネルは、目盛上でそれより低い値(例えば、326mV)に位置するチャネルより広い電圧範囲を含む。
第1の近似では、d=2.013μmの場合のPHDは、このPHDとd=1.588μmのPHDの曲線の最大カットオフ「縁部」が一致するように、単純にd=1.588μmのPHDをx軸に沿ってより高いパルス波高値のほうへ直線的に「延伸」させることにより、d=1.588μmのPHDから取り出されることが可能である。このアクションは、PHD「A」の各チャネルと関連するパルス波高値に増倍係数を適用することにより実現される。この係数は、PHD「B」の最大波高値△VLEをPHD「A」の対応する値で除算した値、すなわち、482/326=1.48に等しい。
広い範囲の粒径を含む一連の均一粒径個体数について、得られたPHDを比較することは有益である。0.806〜20.00μmの範囲の粒径を有する、統計的に意義を持つ数のポリスチレンラテックス規格粒子について、得られた個別のPHDの代表的な結果が図7に示されると共に、表Iに要約されている。(注意:同じセンサ及び光学的パラメータを使用して、約0.6μmまでの大きさの粒子については、低下はするが、容認できるほどの信号/雑音比を有するPHDを得ることができる。)図7に示される各々のPHDは、先の場合と同様に、20ml/minの流量を使用して、適切に希釈された16mlのストック懸濁液を測定することにより得られた。最大波高△VLEは絶対(mV)値として表されると共に、5ボルト、すなわち、5,000mV(「基線」電圧、V)のうちの百分率としても表されている。これは、入射光束の100%吸光を表す可能最大限のパルス波高である。図7の各PHDは相対数として、すなわち、各チャネルのカウント数を問題の試料について収集されたカウントの総数により除算した値として表されている。
先に述べた通り、図7で与えられるどのPHDも(例えば、「C」)、それより小さく、それに最も近い粒径に関するPHD(すなわち、「B」)を求め、適切な増倍係数、すなわち、△VLE(“C”)/ △VLE (“B”)を使用して、そのPHDをより大きなパルス波高値のほうへシフトさせることにより近似されることが可能である。これが可能であるのは、PHDの自己類似性による。既にPHDが測定されている粒径の間の任意のどの粒径に対しても、妥当な正確さを有するPHDを測定するのではなく、計算するためにこの手続きを使用できるため、この手続きは非常に有用である。この演算は、以下に説明するように、測定PHDをデコンボリュートするために使用される数学的手続きにおける重要な要素である。
均一な粒径の粒子について新たな感知方法により生成されるPHDが相対的に小さな粒径変化を検出可能であることは、図7(及び表I)から明らかである。図8Aに示されるように、相対的に広い(すなわち、>25倍)粒径範囲にわたり、粒径が大きくなるにつれて最大パルス波高△VLEは著しく増加する。実際、所定の粒径の粒子により生成されるPHDが幅広く、定義上は分解能に欠けているという事実があるにもかかわらず、新たな感知方法の粒径「分解能」は実際には相対的に高いという見かけの上では矛盾するような主張を行うこともできる。この視点は、関心ある最終的な目的であるPSDを得るために、様々に異なる粒径を有する粒子の混合物から得られたPHDデータを「反転」させるために、すなわち、デコンボリュートするために使用される手続きに関連して、以下の説明の中で明らかになるであろう。この時点では、図7の結果は、粒径の相対的に小さな変化が△VLEと関連する電圧に著しく大きな、測定可能な相違をもたらすことを実証していると指摘しておけば十分である。以下の説明からわかるであろうが、このような信号応答の特性は必要な(しかし、十分ではない)条件であり、測定PHDから相対的に高い分解能のPSDを取り出すときにデコンボリューション手続きを有効にすることができる。
測定された光遮蔽比、すなわち、5ボルトの最大飽和値Vの百分率として表される△VLEと、単純な光遮蔽モデルにより予測される値とを比較することは有益である。これは、十分に小さな粒径では、優勢である光散乱によって起こるLE信号への寄与を無視して、粒子の粒径とは無関係に、πd/4の面積を有する円形ディスクに沿って、1つの粒子に入射する光の100%を粒子が有効に取り除くことを仮定している。この比較は図8Bに示されており、図8Bは、ガウスビーム幅が10μm(白抜き正方形)、11μm(白抜き丸)及び12μm(白抜き三角形)であると仮定して、3組のモデル計算を含む。(これらの値は、移動スリットビームプロファイラ:12±2μmを使用するビームくびれの独立測定と一致している。)
図8Bからわかるように、d=5.03μm及び10.15μmの場合の、最大可能値(5ボルト)の百分率として表される△VLEの測定値(黒丸)は、10μm(白抜き正方形)及び11μm(白抜き丸)の想定ビーム幅と最も密接に一致している。従って、10.5μmの平均値が最良の推定を表している。この5〜10μmの粒径範囲の上端では、単純な光の屈折が吸光現象の優位を占めているはずである。5μmを下回ると、それほどよい一致は見られなくなり、粒径が小さくなるにつれて徐々に劣化する。採用されている単純モデルは光散乱の影響を無視しているので、この領域における理論上の値は測定値より実際には低くなるはずである。粒子が小さいほど、LE信号全体に対する散乱の相対的寄与は大きくなり、従って、観測されるように、理論と測定との食い違いの程度が大きくなる。
約10.5μmの有効ビーム幅が与えられるならば、△VLEについて判明する値は、この粒径より著しく大きい粒子に関して「飽和」に近づくはずである。特に、ビームの中心を通過する10μmの粒子により、まだ吸収されておらず、20μmの粒子により遮蔽されるべく残留しているビーム中の総光束の割合は減少している。従って、測定されたか、あるいは計算上であるかにかかわらず、△VLEの傾きはdが増すにつれて「ロールオーバ」し、約10μmより大きいdの値に対して漸近的に100%近づいてゆく。目盛の粒径が小さいほうの端部では、LE信号に対する散乱の寄与が減少するために、△VLEとdの関係を表す傾きは、dが小さくなるにつれて小さくなる。従って、粒径目盛の全体にわたる光遮蔽比の曲線の形状はS字形に似ている。残念ながら、d=20μmにおける測定された光遮蔽比と計算上の光遮蔽比の一致は、5.03μm及び10.15μmで得られたほどよく似てはいない。10μm及び11μmのビーム幅の場合の計算上の比は、それぞれ、99%と98%であるが、測定された比は「わずか」90%である。この食い違いの原因であると思われるのは、ビーム強さプロファイルが不完全であり、モデルにより想定されている理想のガウス形状から著しく大きく逸脱していることである。不完全な光学要素が存在すること、ビームの円形化が不完全であること及び整列の誤りが起こりうることが、ビームの強さの大きい領域の周囲を強さの小さい光領域が取り囲んでいるという非対称パターンを生み出す結果になると考えられる。主ビームと関連する光線の大部分は大きな粒子により有効に遮蔽されるとはいえ、それらの理想的ではない領域に対応する光線は検出器に到達することが可能である。従って、20μmの粒子がビーム軸を通過すると、その結果、入射光の100%に満たない吸光が起こる。
粒径dに対するセンサ効率φの従属性を理解することは重要である。粒子が大きいほど、その粒子が遮断し且つ「遮蔽」することが可能である入射光束の割合は高くなる。従って、小さい粒子と比べて、大きい粒子はビーム軸から遠く離れた場所でも検出されることが可能である。小さな粒子は、大きな粒子と同じ軌跡をたどったとしても、あるいは大きな粒子よりビーム軸に近かったとしても、消滅してしまう可能性がある。そこで、検出され且つPHDに寄与する粒子の割合(φとして定義される)は、粒径が大きくなるにつれて増加する(ミーの散乱理論により説明される粒径に伴う散乱強さの非単調変化の影響を除外する)ことが明らかなはずである。
図9は、図7及び表Iに示される結果に基づいて、0.806〜20.0μmの粒径範囲のポリスチレンラテックス粒子について得られたφの代表的な値とdとの関係を示す。様々なφ値を計算するために、それぞれのPHDの測定中にセンサを通過した粒子の総数を個別に判定することが必要であった。それらの値は、適切な(はるかに大きな)割合で希釈された各懸濁液の既知のボリュームを、約100%の計数効率を有する従来のセンサ(LE方法とLS方法の組み合わせに基づく)を使用して測定することにより判定された。粒径dごとのφの値は、1回のPHD測定の間に計数された粒子の数を、センサを通って流れた懸濁液のボリュームの中に存在する粒子の総数で除算することにより求められた。
図9に示されるように、φの値は、粒径が小さくなるにつれて、d=20.0μmの場合の0.030からd=0.806μmの場合の0.0053まで単調に減少し、これはほぼ6分の1の減少を表す。予想通り、OSZの有効幅は粒径が小さくなるにつれて縮小する。新たなセンサの効率は「ロールオーバ」し、粒径が約1.5μmを下回るときに傾きを増しつつ0に向かって急激に下降する。この特徴は、10μm程度の小さなビーム幅であっても、粒径が十分に小さいときに有効に機能することが不可能であるというLE方法の特性を明瞭に裏付けている。これは、(後述する)LS方法を採用することが有用になるポイントである。しかし、PHD結果が0.8μm(以下)程度の粒径に対しては良好な信号/雑音比を有することも図7から明らかである。
はφに比例するので、図9に示されるように、dが増すにつれてφが増加するのと同様に、粒径に伴って有効OSZの幅も増加することは明らかである。先に述べた通り、問題となっている粒子が大きいほど、光ビームの影響は、x軸に沿って流れセル全体にわたり更に拡大する。これは、新たなセンサの「非線形」応答であると考えることができる。その新たなセンサの効率は、一般に、粒径が増すにつれて増加する。この挙動は、特に広い範囲にわたる粒径を含む試料については、PHDのデコンボリューションにより所望のPSDを得る手続きに対して重要な影響を及ぼすと思われる。
式8より、あらゆる粒径について、流路の幅を縮小すれば、センサ効率を向上させることができるのは明らかである。これにより、光ビームの影響を受ける領域、すなわち、有効OSZを通過できる粒子の割合を(まだ小さいとは言え)増加させることが可能になる。従って、原理上は、あらゆる粒径の粒子に対して、単純に寸法「a」を減らすことによりセンサ効率を改善できる。しかし、実際には、2つの理由により、そのような「改善」を行うことは有用ではないか又は有効ではない。
第1に、寸法「a」を小さくするということは、それに対応して、流路の横断面面積A= a x bも縮小されることを示唆している。しかし、試料懸濁液の流れに過剰な妨害を与えることなく、この面積をどこまで縮小できるかについては、実際には限界がある。また、この寸法を小さくすると、その結果として粒子の速度が速くなるために、測定されるパルス波高に誤差が生じる可能性がある。所定の流量Fに対して、OSZを通過する粒子の速度は、寸法「a」に反比例するように変化する(式4)。速度が速すぎれば、得られる信号パルスの時間的な幅もそれに対応して狭くなり、増幅器手段の帯域幅と関連する測定パルス波高に誤差(すなわち、減少)が発生する可能性が出てくる。流量を減少させることにより、この問題を回避することは可能であろう。しかし、このアクションは得られる測定PHDの統計的精度を低下させる。すなわち、所定の時間周期の間に検出される、それぞれ関連する粒径の粒子の数がそれに比例して少なくなってしまう。
あるいは、量Aをほぼ一定に保ち、それにより、粒子の速度を容認できる値に回復させるために、幅aの縮小を補償する手段として、流路の奥行bを増加させることを考えてもよい。しかし、このアクションは2つの望ましくない結果をもたらすと考えられる。第1に、(OSZの有効幅に変化がないと仮定すれば)粒径ごとの有効OSZの体積は「b」の増加に比例して増加する。「b」の増加に伴って一致濃度は同じ割合で減少する。そのために、相対的に濃縮された懸濁液に対応できるという新たなセンサの利点は無効となる。第2に、「b」が著しく大きく増加すると、その結果、ビーム(集束されているものと仮定する)の幅が更に大きく変化し、流路の奥行に沿った有効OSZが大きく変化するため、PHD及びそれに基づいて得られるPSDの分解能が低下する。最大パルス波高△VLEでPHDの理想的な鋭さを有する「カットオフ」が拡張されると、PHDのデコンボリューションにより得られるPSDの分解能が低下する結果を招く。
従って、以上検討した手段のうちの1つ以上によってセンサ効率を大幅に増加させることは現実的ではない。幸い、このような性能の「制限」は実際には思われるほどの欠点ではない。事実、少なくとも1つの重要な点において、それは長所である。第1に、先に述べた通り、新たなセンサは相対的に濃縮された試料にさらされることを意図されている。検出される粒子のわずかな割合(例えば、図9によると0.005〜0.03)が、PHDに寄与する各粒径の大きな絶対数の粒子に転換される。第2に、より重要な点として、相対的に低いセンサ効率は、開始時の試料懸濁液の事前希釈を必要とする用途に関して重大な利点をもたらす。図9に示される値に基づけば、新たなセンサの一致濃度値は、従来のLE型センサにより実現される対応する一致濃度値と比較して、ほぼ1/φの割合だけ大きい。すなわち、約30〜200倍大きくなる。(この比較は、ビーム幅2wと、流路の寸法a及びbが従来のLE型センサの場合と同じであると仮定している。)従って、従来のセンサにより要求される希釈と比較して、濃縮された懸濁液を希釈しなければならない割合は、はるかに小さくなる。すなわち、1/ φの割合まで小さくなる。そこで、それに対応して、希釈用流体(例えば、水、有機溶媒など)は、通常使用される希釈用流体より(汚染物質粒子に関して)「汚れて」いてもよい。実際、これは重要な利点である。
先の説明並びに図8A及び図8Bに示される結果から、新たなセンサはビームの幅より著しく大きい粒径に対しては低い分解能を有することが明らかである。この場合、「分解能」という用語は、粒径の所定の(単位)変化に対する△VLEの変化、すなわち、△VLEとdとの関係の傾きを表している。粒径目盛の小さいほうの端部では、この傾き、従って、分解能はdが小さくなるにつれて減少する。最小の粒子を検出するための閾値は、優位を占める雑音変動が与えられたとして、測定できる最小のパルス波高△VLEにより判定される。新たな感知方法が容認できる分解能を示す結果を提供できる粒径の範囲は、他の変数が全て等しいとした場合に、ビーム幅をどう選択するかによって決まる。ビーム幅が著しく広くなると、△VLEとdの関係の最大傾きの領域、すなわち、曲線が屈折するポイントは、より大きな粒径のほうへシフトする;ビーム幅が大きいほど、そのシフトは大きくなる。そこで、センサは、大きな粒子について容認できる分解能をもってPSDを得るために有効に採用されることが可能である。要するに、ビーム幅の選択に基づいて、新たな感知方法を使用して得られるPHD応答をより大きな粒径に合わせて「スケーリング」することができる。△VLEとdの関係を表す計算上のS字形曲線に対するビーム幅の影響(吸光は100%であると仮定する)が図10に示されている。利用されるビーム幅は、6μm(白抜き丸)、9μm(白抜き正方形)、12μm(白抜き三角形)、15μm(黒丸)、18μm(黒正方形)及び21μm(黒三角形)を含む。飽和の10〜90%の範囲の最大パルス波高に対応する容認できる分解能の範囲は、最後に挙げたケースでは、5〜30μmまでシフトされる。
逆に、ビームサイズが著しく小さくされると、△VLEとdの関係の最大傾きのポイントはより小さな粒径のほうへシフトする。しかし、検出できる粒子の最小粒径には、それに対応して著しく大きな減少は起こらない。理論上、所定の(小さな)粒径に対する△VLEの値はビーム幅が狭まるにつれて増加する。しかし、粒径目盛の小さいほうの端部で新たなLE型センサにより実現できる性能の改善には実際には制限がある。第1に、回折理論により課される制限として、ビームをどの程度まで狭めることができるかということに関する制限がある。この大きさでは(実際には3〜5μm)、集束ビームの被写界深度は非常に狭く、流路の奥行に沿ってビーム幅(従って、OSZ幅)の容認できる最小限の変化を得るためには、過度に薄い流路を使用することが要求される。頻繁な目詰まりを回避するために、流路の奥行として現実に即した値(すなわち、b>100μm)が与えられる場合、流路の奥行に沿ったビーム幅の著しい変化は避けられない。これは最大パルス波高カットオフの鋭さ及び得られるPSDの分解能に悪影響を及ぼす。
第2に、粒径目盛の小さいほうの端部では、光散乱のメカニズムがLE信号を支配する。集束ビームの幅が縮小されたにもかかわらず、ビームから有効に取り除かれる入射光束の絶対割合は非常に小さく、粒径に伴って減少する。理論上、任意の高さの背景信号レベルVの存在は、検出器及び関連する電子系統がVに重畳される非常に小さな波高のパルスを検出する能力に影響を及ぼしてはならない。しかし、実際には、光源、検出器、信号調整手段及び電源と関連する多様な「雑音」源によってVLEに変動が起こるため、測定できる△VLEの値には下限がある。試料懸濁液中の汚染物質粒子も測定信号の変動に寄与する。パルス波高がある値より低くなると、パルスは事実上消滅する。すなわち、パルスはそれらの雑音源により発生されるVLEの変動と識別不可能になる。
そのため、狭い集束光ビームによって拘束された空間の中で粒子を照明する新たな方法を使用して感度を向上させるには、検出モードを吸光から光散乱(LS)に変更することが必要である。その場合、1つの粒子がOSZを通過するときに発生する信号は、選択された散乱角の範囲にわたり粒子により発生される散乱光強さの大きさ及び角度分布によって決まる。LE方法の場合のように、入射光ビームと関連する高い背景光レベルにより有効信号パルスが妨害されることはなくなる。新たなLS測定を実現するために通常使用される光学方式は単純であり、図11に概略的に示されている。多くの本質的な面において、すなわち、光源40、収束光学系42及び薄い測定流路35を含めて、装置は新たなLE型センサ(図3)の場合に使用されていた装置と同じである。特に、同様の装置では、新たなLE型センサの場合に利用されていたのとほぼ同じ方式で、流路の薄い奥行bを通るガウス強さプロファイルを有する幅の狭い、集束された光ビーム46を通常利用する。典型的に異なっていると思われる唯一の手段は、より高い感度を実現するために、ビームの幅2wが新たなLE型センサの場合に使用されていた幅より狭くなるように選択されることである。
新たなLSセンサを対応するLE型センサと区別する設計上の主な相違点は、入射光ビームにより形成されるOSZを通過する個別の粒子から発する散乱光線を回収するために、光回収手段として、通常は1つ以上のレンズが追加されていることである。レンズ系は、通常は相対的に小さな散乱角を含む特定の最適な角度範囲にわたり、散乱光を回収するように設計されている。図11に示される方式では、第1の回収レンズの前方にマスク50が配置されている。マスク50は外側の不透明なリング52と、内側の不透明な領域54とを具備し、これらは透明リング56を形成している。マスク50は、角度θ及びθにより規定される想像上の環状円錐の内部に位置し且つ散乱角q(すなわち、θ≦θ≦θ)を有する光線のみを、第1の回収レンズ62に入射可能とする。通常、このレンズは入射ビームの軸上に中心を有し、流路の中心から適切な距離(すなわち、レンズの焦点距離)をおいて配置される。そのため、OSZからの発散する散乱光線の一部がレンズにより取込まれ、ほぼコリメートされた状態になる。そこで、第2のレンズ64を使用して、平行な散乱光線を適切な(面積の狭い)検出器DLSの上に集束することができる。その結果得られる信号は、通常は電流/電圧変換及び増幅の機能を含む1つ以上の電子回路により「調整」される。
前述した通り、この光学方式により形成される信号VLSと、LE型センサが発生する図2に示される信号VLEとの間には重大な相違がある。LE型センサとは異なり、LS型センサは、その構造上、流れセルの背面の窓から発する入射光ビームが検出器DLSに到達するのを遮蔽する。その代わりに、入射ビームは適切な小さな不透明のビーム「ストッパ」(例えば、内側の不透明な領域54)によって「取込まれる」されるか、あるいは小さなミラーにより、OSZから発する散乱光線を回収するために使用されるレンズから離れるように偏向されるかのいずれかである。その結果、LE型センサにより発生される信号VLE全体の中に必然的に存在している比較的高い「基線」レベルVは、LS信号VLSの中には存在しなくなる。原則的には、新たな「基線」信号レベルは0である。すなわち、粒子が存在しないとき、散乱光は、OSZの内部の発生源から発生しない。実際には、流路の正面及び/又は背面の窓の面の欠陥、又はそれらの面に付着した汚染物質などが原因となって、窓の面から散乱される光により引き起こされる幾分かの量の背景光が存在することは言うまでもない。加えて、希釈流体中に懸濁している小さな汚染物質粒子からの散乱による背景光の変動も存在する。また、試料によっては、粒子数全体の主要な部分を占めるが、微小なため個別に検出することのできない超微細粒子の「海」により発生される背景光の変動も存在することがある。
入射するガウス光ビームと、流路35の正面及び背面の窓とにより規定されるOSZを十分な粒径を有する1つの粒子が通過すると、検出器DLS及び関連する信号調整回路により発生される出力信号に、瞬時パルスが起こる。一般に、同じ軌跡であると仮定すれば、粒子が大きいほど、その粒子により散乱される光の量は多くなり、従って、信号パルスの波高も大きくなると単純に予測してよい。このような場合、出力信号VLSは、|x|の値が同じであり、直径が順に大きくなる(d<d<d)粒子について図12に概略的に示される信号に似ている。実際には、現実のパルス波高は粒子の粒径のみならず、粒子の組成、特に、入射波長における粒子(及びその周囲を取り囲んでいる流体)の屈折率及び吸収率によっても左右される。粒子が球形でなく、均質でもない場合には、パルス波高は、ビームの波長及び粒子がOSZを通過するときの粒子の向きによっても左右される。最後に、波長に匹敵するか、又は波長より大きい粒径の粒子については、散乱強さは散乱角に応じて著しく変化する。その結果、この場合には、パルス波高は、散乱光が回収され且つ測定される角度の範囲によっても左右されることになる。
散乱光の「放射パターン」(すなわち、強さと角度の関係)と、これらの変数の全てとの関係は、古典理論であるミーの散乱理論により説明されており、この理論は、粒子内部における散乱光波の相互干渉を考慮に入れている。一般に、粒子が大きいほど、粒子内干渉に起因する散乱強さの角度従属性は複雑さを増す(すなわち、非等方性)。LS型センサの応答及び性能を最適化するためには、最大可能な粒径範囲又は予期される粒径範囲にわたり所定の組成(すなわち、屈折率)の粒子の直径dに伴って正味積分応答△VLEが単調に増加する角度θの範囲に、散乱光の回収を限定しなければならない。この必要条件は、通常、順方向に近く、相対的に狭い角度の範囲θ <θ<θを選択することにより実現されることが可能である。特に、ミーの粒子内干渉の結果として大きな角度では重大となる角度変化に伴う強さの変化により、粒径が大きくなるにつれて積分散乱強さの「反転」が起こるが、上記のような方法により反転は回避される。
LS型センサにより発生される信号VLSには、対応するLE型センサにより発生される信号VLEの特性とは質的に異なる2つの特性がある。第1に、LS型センサの場合、1つの粒子がOSZを通過することにより発生される信号パルスと、「全」信号VLSとは本質的に同じである。LE型センサでは関心パルスに付随していた相対的に高い背景信号レベルは存在しない。(従来のLS型センサについても明らかに同じ状況が当てはまる。これは、図1に示される方式に、1つ以上のレンズと、入射光ビームを除いて、ある角度範囲にわたりOSZから発する散乱光を回収し、測定するための検出器手段とが同様に追加されたものから構成されている。)従って、小さな値のパルスを発生させる相対的に小さな粒子の場合、LS方法を使用して実際に実現される信号/雑音比は、LE方法を使用して実現される信号/雑音比より著しくよくなるはずである。粒子が小さくなり、その結果得られるパルスが弱くなるにつれて、パルスは優位を占めている雑音変動に近づくため、この利点はより重要になる。LE方法と比較した場合のLS方法の固有の利点を理解する別の方法は、LS方法が「ナルでの検出」に基づいているのを認識することである。すなわち、パルスの定量的な検出は、原則的には、背景信号が0である状態で実行される。信号/雑音の観点から言えば、これは、高い「コモンモード除去」を要求するLE方法について得られる状況とは非常に対照的である。「コモンモード」信号Vは生信号VLEの中に常に存在しており、(多くの場合に小さい)関心信号パルスを取り出すためには、コモンモード信号を減算するか、又はその他の方法で抑制しなければならない。
LS信号VLSには第2の重要且つ顕著な特性がある。△VLSの測定と関連する信号/雑音比は、原理の上では、OSZ内部のあらゆるポイントで粒子に入射する光強さを増加させるように、入射光ビームのパワーを増すことにより改善されることが可能である。従って、原理上、従来のLSセンサの場合と同様に、新たなLSセンサは、光源のパワーを増すことにより、その新たなLSセンサの粒径検出の下限を下げることができる。最終的には、懸濁流体及び/又は光源及び検出システムと関連する雑音変動に基づいて、最低粒径限界に到達する。先に述べた通り、新たなLS型センサの場合、入射ビームのパワーに変化がないと仮定して、入射ビームの幅2wを縮小することにより粒径下限を改善できるのは言うまでもない。このアクションは、ビーム軸(x=0)を通過する粒子に入射する最大強さを明らかに増加させ、従って、所定の粒径の粒子に対する最大結果パルスの波高も同様に増加させる。しかし、(最小のビーム幅を確定する)回折理論により課される制限があることと、被写界深度が過剰に長いために、流れセルの奥行bに沿って集束ビームが過剰に変化してしまうことが原因となって、このようにして感度を改善する方法は、最終的には戻りを減少させるポイントに到達する。
これとは対照的に、光源のパワーの増加は、LE方法を使用して測定できる最小粒径に相対的にわずかな影響しか与えない。例えば、光源のパワーを2倍にすると、その結果、基線信号レベル(図2)は2Vに倍増される。ビーム幅に変化がないと仮定すれば、同じ粒径及び同じ軌跡を有する粒子により発生されるパルスの波高△VLEも2倍になる。しかし、相対的に高い基線信号レベルと関連する雑音変動の平方自乗平均値も、通常、ほぼ2倍される。これは、通常、それらの雑音変動が光源と関連し、従って、出力パワーに伴ってスケーリングされるためである。そのため、LE型センサの場合、信号/雑音レベルに改善はほとんど期待されないか、あるいは全く期待されない。従って、光源のパワーを増加させた結果として、LE方法により実現可能な粒径検出下限の低減はほとんどないか、あるいは全くないはずである。光源と関連する信号/雑音比がパワーの増加に伴って改善される場合に限り、改善は実現される。
均一な粒径の粒子が新たなLS型センサを通過するとき、粒子の軌跡に応じて、粒子は、r=x、z=0としたときに式7により求められる様々に異なる値の最大入射強さに個別にさらされる。(簡単にするため、所定の粒子が任意の時点で同じ強さにさらされるように、粒子はビーム幅よりはるかに小さいと仮定することができる。)従って、新たなLE型センサの場合と同様に、所定の粒径の粒子により発生される結果パルスの波高△VLSは、入射ビームの軸に対して最も近接している(z=0)ときの距離|x|によって決まる。距離|x|が短くなるほど、△VLSの値は大きくなる。従って、均一な粒子の懸濁液が適切な流量で新たなLS型センサを通過するとき、新たなLE型センサの場合と同様に、新たなLS型センサは広い範囲で変化するパルス波高△VLSの分布を生成する。得られるPHDの形状は、図4、図6及び図7に例示されている、新たなLE方法を使用して得られたPHDのきわめて非対称な形状に対して質的に強い類似性を示す。すなわち、パルスカウントの数(y軸)は測定可能な最小パルス波高(雑音変動の真上)では相対的に少なく、パルス波高△VLSが大きくなるにつれて上昇する。パルスカウント値は、|x|≫0である粒子軌跡に対応する、△VLSと呼ばれる最大パルス波高で最高点のピーク値に達する。△VLSを超えると、その粒径の粒子については粒子濃度が(先に述べた)一致濃度を下回り、そのために、任意の時点でOSZを実質的に占めている粒子が多くても1個になったと仮定すれば、パルスカウントの数は原則的には0まで降下する。言うまでもなく、新たなLS方法を使用して得られるPHDは、通常、新たなLE方法を使用して典型的なPHDを生成するために使用される粒子より小さい粒子、多くの場合に著しく小さい粒子に関連している。
先に述べたように、新たなLS方法を使用して均一な粒子について生成されたPHDの形状、すなわち、パルスカウントの数と△VLSとの関係は、新たなLE方法を使用して均一な(通常は、より大きい)粒子について得られたPHDの形状に質的には類似している。2種類のPHDは、最大パルス波高値△VLS及び△VLEと一致するそれぞれのピークパルスカウント数に続く、鋭い「カットオフ」という顕著な特性を共有している。しかし、質的な類似性があるにもかかわらず、同じ粒径に対して、例えば、d=1μmであっても、それら2種類のPHDの形状には量的な相違がある。新たなLS型センサの「前端部」の構造、すなわち、集束された光ビームと相対的に薄い流れセルは、新たなLE型センサについて利用されている構造とほぼ同じである。従って、一方の種類のセンサを他方のセンサと区別するものは、同じ粒径の粒子の場合であっても、光検出の手段及び方式と、各々の方法により発生される応答パルスの種類及び大きさである。新たなLS方法の場合、応答は光散乱にのみ起因しており、その大きさ△VLSは、他の全ての関連変数が同じであるとして、粒子に入射する光の強さに比例する。
これとは対照的に、新たなLE方法では、応答の大きさ△VLEは粒子に入射する強さの更に複雑な関数である。第1に、応答は、屈折(及び反射)に光散乱が加わった物理的効果の組み合わせに起因している。しかし、散乱現象は「逆の」意味で現れてくる。すなわち、入射光束が検出器に到達する前に、光束のわずかな割合の部分がビームから取り除かれる。第2に、新たなLE方法を適用可能である典型的な粒径範囲にわたり、粒子に沿って入射強さは相当に大きく変化する。従って、粒径と粒子の軌跡の双方によって決まる、|x|の所定の変化によるパルス波高の割合変化が、2つの方法で一般に異なるのは当然のことである。同様に、粒径と軌跡の双方によって決まる、粒径に伴うパルス波高の割合変化も一般に2つの方法で異なっている。2つの方法により生成されるPHDの詳細な形状の信頼できる理論上の推定を得るためには、様々な粒径の粒子に関して屈折、反射及び散乱の基礎を成す物理的原理(ミーの理論)を厳密に適用することと、ガウスビーム光学系を組み合わせることが必要になる。
以上の説明から、様々に異なる粒径に関する新たなLS型PHDの挙動は、図7により例示される新たなLE型PHDについて得られる挙動に近似していることが明らかになるはずである。新たなLE型PHDと比較して、新たなLS型PHD、すなわち、パルス数と△VLSとの関係の詳細な形状に相違があるにもかかわらず、2種類のPHDは共通する特性を共有している。粒径が大きくなるのに対応して、どちらのPHDでも、より高いパルス波高値への漸進的なシフトが存在している。特に、最も重要な点であるが、粒径が大きくなるにつれて、最大パルス波高値△VLSは徐々に増加する。言うまでもなく、この挙動は、dに伴う△VLSの単調な応答を精密に補償するために、新たなLS型センサが検出散乱角の適切な範囲を伴って適正に設計されていると仮定している。2つの競合する効果が存在する。一方では、散乱光が回収される角度の範囲が広いほど、得られるパルス波高△VLSは大きくなり、従って、所定の粒径に対する信号/雑音比は大きくなり、その結果、感度が向上する。すなわち、粒径検出限界が下がる。他方、回収される散乱角と実際の角度それ自体の範囲の双方が狭いほど、粒子内ミー干渉の効果は小さく(且つより穏やかに)なる。そのため、検出される散乱強さで「反転」、すなわち、所望の粒径範囲にわたる△VLSとdとの関係の非単調挙動が起こる確率は低くなる。
先に新たなLE型PHDに関して説明したように、所定の粒径d = d2に対する新たなLS型PHDを、より小さな粒径d = d1について測定されたPHDから、小さな粒径について測定されたPHDをより高い△VLSの値へ適切なスケール係数を使用して「延伸」することにより、妥当な精度で構成することができる。(通常、対数パルス波高目盛、すなわち、パルス数とlog △VLSとの関係を使用することが望ましい。)このスケール係数は、最終最大カットオフパルス波高値と初期最大カットオフパルス波高値との比△VLS(d)/ △VLS(d)により求められる。実際には、新たなLE方法の場合と同様に、適切な粒径間隔を有する所望の粒径範囲を含む均一な粒子の一連の懸濁液を使用して、一連の新たなLS型PHDを測定することができる。次に、適切なスケール係数によるこの線形延伸演算を使用して、2つの隣接する測定PHDの間を補間することにより、2つの測定粒径の間の任意の粒径に対応するPHDを計算できる。
最後に、2つの新たな方法により生成されるPHDの形状の類似性/相違点に加えて、新たなLE型センサの応答の特性に質的には類似しているが、量的には異なっている新たなLS型センサの別の特性がある。それは有効OSZの幅2wと、式8により2w及び流路の幅aに関連付けられる対応するセンサ効率φである。新たなLE型センサの場合と同様に、パラメータφは、データ収集中にセンサを通過する粒子の総数のうちのわずかな割合の部分のみが検出され、従って、PHDに寄与するという事実を考慮に入れている。先に新たなLE型センサに関連して説明した想像上の、ほぼ円筒形のOSZを含む同じ概念が新たなLS型センサにも同等に有効である。所定の粒径の粒子に対して、一定の被選択範囲の散乱角にわたり回収される積分散乱光強さは、粒子に入射する光の強さが減少するにつれて減少する。従って、粒子の軌跡が入射ビームの軸に対して最も近接しているときの(すなわち、z=0)距離|x|が大きいほど、応答△VLSの大きさは小さくなる。|x|の何らかの最大値では、パルス波高は、信号VLS全体において優位を占めている雑音変動からパルスを有効に識別できなくなり、それにより、粒子が検出不可能になるほど十分に大きく降下する。従って、この|x|の値は、所定の粒径dの粒子について有効な(ほぼ円筒形の)OSZの半径wdを規定する。そこで、この粒径に対するセンサ効率は式8を使用して容易に判定される。
従って、粒径dが大きいほど、粒子の検出を可能にしつつ、粒子が入射ビーム軸に対して最も近接できる距離|x|は大きくなることが明らかになるはずである。そのため、粒子が大きくなるほど、有効OSZの幅2wは広くなり、従って、この大きな粒径の粒子に対するセンサ効率φは高くなる。このφ(又は2w)とdとの単調な関係は、関心粒径範囲にわたり所定の組成の粒子について△VLSがdに伴って単調に増加するような新たなLS型センサの正しい設計を前提としている。従って、新たなLE型センサの場合と同様に、新たなLS型センサの場合のφもdに伴って増加する。しかし、dに伴うφの増加は、図9に要約して示されているような、新たなLE方法について判明したのと同じ関係に従うと予測すべきではない。質の面では、φとdの関係の挙動は新たなLS方法と新たなLE方法の双方で類似すると予測してもよい。しかし、量的な面では、2つの方法において、この挙動の詳細は異なると予測すべきである。それは、散乱と屈折/反射(小さな散乱の寄与を除外する)の基礎を成す物理的特性に基本的な相違があるためである。
更に、新たなLE応答と比較して、新たなLS応答の挙動にはセンサ効率に関して重要な相違がある。先に述べた通り、他の全ての設計パラメータが不変であると仮定した上で、入射光ビームのパワーを増加させることにより、新たなLS型センサの感度を改善すること、すなわち、粒径下限を下げることができる。この改善に関連して、センサ効率φが向上する。所定の粒径及び軌跡距離|x|に対して得られるパルス波高△VLSが粒子に入射する光の強さの増加に比例して増加するという事実があるので、これは明らかである。従って、この改善がない場合に粒子の検出を可能な状態に保ちつつ可能であると考えられる距離より、ビーム軸からの軌跡の距離を大きくとることができる。そのため、同じ粒径dの粒子に対する有効OSZの幅2w及びそれに対応する効率φは、入射ビームのパワーが増すにつれて(幾分か非線形関数の態様で)増加する。その結果得られる、φとdの関係を表す曲線(新たなLE型センサについて得られたこれに対応するグラフは図9に示されている)は、各々のdの値に対してより高い一連のφ値へと何らかの態様でシフトする。
要するに、入射ビームのパワーに関しては、少なくとも2つの重要な点で、新たなLS型センサの挙動は新たなLE型センサの挙動とは質と量の両面で異なっている。第1に、新たなLS型センサの粒径検出下限閾値は、一般に、入射ビームのパワーが増すにつれて増加する。光源と関連する信号/雑音比も同様にビームのパワーに伴って増加しない限り(又は異なる、「より静かな」光源及び/又は検出器及び関連する信号調整回路を使用する)、この挙動は新たなLE型センサには通常は当てはまらない。第2に、新たなLS型センサと関連するセンサ効率φも、一般に、入射ビームのパワーが増すにつれて増加する。光源のパワーが増すことに関連する信号/雑音比の改善が見られない限り、この挙動は新たなLE型センサの場合には通常は得られない。
最後に、所定の粒径及び組成を有する粒子について新たなLS型センサにより生成されるPHDは、入射ビームのパワーが増加すると、それに比例して、より高いパルス波高値のほうへシフトする。従って、新たなLS型センサにより発生される応答のこの面は、異なる粒径の均一な粒子を含む一連の試料により生成される1組のPHDが、ある特定の入射ビームパワーにのみ関連して量的意義を有することを示唆している。パワーが増加されると、PHDはそれに対応して、より高いパルス波高値のほうへシフトする。興味深いことに、この挙動は新たなLE型センサについて予測され且つ観測される挙動に類似しているが、その理由は異なる。入射ビームのパワーが所定の百分率だけ増加された場合、「基線」電圧Vとパルス波高△VLEは共に同じ割合だけ増加する。その結果、特定の1組の粒径について図7に示されているPHDは、同じ割合だけパルス波高値の高いほうへシフトする。
次に、懸濁された粒子から成る試料から得られた「生」データ、すなわち、PHDを、最終的に望まれる目標である粒径分布、すなわち、PSDに変換するという重要なタスクについて考える。このタスクを概念の上で、従来のLE型センサ又はLS型センサの場合に要求されていた演算と比較することは有用である。従来の場合、所定のz軸値(例えば、z=0)に対して、入射ビームの強さは流路に沿って(すなわち、x軸に沿って)ほぼ一定になるように設計されていたため、粒子がOSZを通過することによるパルスの波高は粒子の軌跡とはほぼ無関係である。その結果、所定の粒径の粒子は原則的にほぼ同じ波高のパルスを発生させ、従って、得られるPHDは最終的な所望のPSDと事実上同等である。所定の測定波高△VLE(又は△VLS)と、粒径dとの間には1対1の対応がある。より大きな粒径又はより小さな粒径の粒子がセンサを通過する場合には、得られるパルス波高はそれぞれより大きくなるか、又はより小さくなるかのいずれかである。パルス波高と粒径の関係から構成される「校正曲線」は、単純な補間によりPHDからPSDを得るために、唯一必要とされる。従来のSPOS方法を使用して生PHDデータを獲得することは、最終的な所望のPSDを判定することと同等である。
これとは対照的に、先に述べたように、新たなLE(又はLS)型センサの応答ははるかに「複雑に入り組んでいる」。単一の粒径の粒子という最も単純なケースであっても、得られるPHDは、優勢である雑音変動の真上の最小値から、その粒径と関連する最大値△VLE(又は△VLS)に至る広いパルス波高のスペクトルから構成されている。従って、広い範囲にわたる多様な粒径を有する粒子を含む典型的なケースにおいては、得られるPHDははるかに広い各種の値を有するパルス波高から構成されることになる。パルス波高と粒径との間の単純な対応はもはや存在しない。従って、PHDに含まれる粒子カウントとパルス波高値との関係の集合を所望の粒径分布、すなわち、粒子カウントと粒径との関係に変換することは単純明快な手続きではなくなっている。
PHDを所望のPSDに変換するには、3つの明確に異なる手続きが必要である。第1に、特殊化数理アルゴリズムを使用して、生PHDは反転又はデコンボリュートされなければならない。その目的は、新たなLE(又はLS)型センサにより生成された「広いスペクトル」のPHDを、従来のLE(又はLS)型センサを使用して得られたであろうPHDと事実上等価である「シャープ」な、理想化されたPHDに変換することである。そのような理想化された、デコンボリュート済みPHD(以下、dPHDと呼ばれる)は、所定の波高△VLE(又は△VLS)の全てのパルスが所定の粒径の粒子(常に、粒子は所定の組成を有すると仮定する)にのみ属するという特性を有する。dPHDは、元のPHDに寄与する粒子の全てが入射ビームの中心(軸)を通過した場合に得られるであろうと考えられるものと等価である。
次に、第2の単純明快な手続きが実行される。利用される特定の新たなLE(又はLS)型センサに適用される校正曲線、例えば、図8Aに示される曲線の単純な補間により、dPHDから予備PSD、又は「生」PSDが得られる。この手続きにより、dPHDの各々のデコンボリュート済みパルス波高値を、この値と関連する特定の粒径に1:1の関係で変換させ、それにより、生PSDを生成することが可能となる。次に、そのようにして得られた生PSDを量的に正確である最終PSDに変換するために、第3の手続きが必要とされる。生PSDの各粒径チャネルにある粒子カウントの数は、測定PHDに実際に寄与した、粒子の粒径の数である。先に述べた通り、これは、通常、データ収集中にセンサを通過した試料懸濁液のボリュームの中に存在する同じ粒径の(すなわち、粒径チャネルにより規定される粒径範囲の中の)粒子の総数のうちのごくわずかな割合の一部分である。新たなLE(又はLS)型センサにより実際に検出される粒子のこの割合φは、図9に示されるように、粒径dによって著しく異なる。従って、第3の、最終的な手続きにおいては、生PSDの各粒径チャネルに含まれる粒子の数に、そのチャネルに適用される1/φの値を乗算しなければならない。この演算によって、データ収集中にセンサを通過して試料懸濁液のボリュームの中に存在すると推定される各粒径の粒子の数を記述する最終的な所望のPSDが得られる。φとdの関係を表すセンサ効率曲線から、補間により、粒径dの値ごとに1/φの値を求めることができる。
dPHDを得るために測定PHDをデコンボリュートするための2つの独立したアルゴリズム(以下、それらは「行列反転」及び「逐次減算」と呼ばれる)がここで提示される。いずれの手続きの実現も、新たなLE(又はLS)型センサの応答が従来のSPOSセンサの場合と同様に加法であるという特性に基づいている。センサを通過する粒子は一度に複数の信号パルスを発生させるので、得られるPHDは、「基本ベクトル」と呼ばれる、様々な粒径の均一な粒子に対応する複数の個別のPHDの線形組み合わせ、又は重み付き和から構成されると考えることができる。(この用語は線形代数ではよく知られている。)これらの基本ベクトルの各々は、単一の所定の粒径を有する、統計的に意味ある数の粒子に対する系の応答を表現している。その例は、d=1.588μmについて得られた図4に示されるPHD、及び図7に示される8つのPHDを含む。
測定PHDはPHD(△V)と表されることが可能であり、この△Vは、採用される新たなセンサの型に応じたパルス波高△VLE又は△VLSを表す。それはN個の基本ベクトルから成る線形組み合わせから構成されると考えられ、I=1,2,...Nとして、PHD(△V)と表される。PHD(△V)はd = dのときのベクトルであり、PHD(△V)はd = dのときのベクトルであり、PHDN(△V)はd = dのときのベクトルである。従って、PHD(△V)を次のように書き表すことができる。 PHD(△V) = cPHD(△V)+cPHD(△V)
+ … +cPHD(△V) (9)
重み付け係数c, c,…, cは式9の所望の解を構成する。これらの係数は各々のdPHDチャネルにおける値を表す。
図7に示される8つの測定PHDは、どの測定PHDのデコンボリューションにも使用できる基本ベクトルを構成する。しかし、それらのベクトルの数は非常に少ないため、容認できるパルス波高分解能を有するdPHD、従って、それに対応して容認できる粒径分解能を有するPSDの計算を可能にすることは、明らかに困難である。通常、最終PSDについて妥当な分解能を実現するためには、(パルス波高に関して)はるかに密接な間隔で配列された、はるかに多くの数の基本ベクトルを使用する必要がある。均一な粒子から成る同様に多数の試料を測定することにより、適切な間隔をおいて配列された、同様に多数の基本ベクトル(例えば、32、64又は128)を得られるという見通しは(市販の粒径規格の種数が十分でないため、不可能とはいえないまでも)実用的ではない。
しかし、本発明によれば、実験に基づいて生成される相対的に少数のベクトル(図7に示される8つのベクトルなど)から始めて、1つ以上の簡単な手続きにより、要求される多数の基本ベクトルを得ることができる。先に述べた通り、小さな最大パルス波高値を有する既存の(例えば、実験に基づいて判定された)PHDから、そのPHDをパルス波高軸に沿って「延伸」することにより、所望の最大パルス波高値△VLE(又は△VLS)を有するPHDを得ることができる。既存のPHDのチャネルごとのパルス波高値に、△VLE(又は△VLS)の「目標」値と低いほうの値との比に等しい係数が乗算される。逆に、増倍係数として、低いほうのパルス波高値と高いほうのパルス波高値の比(1より小さい)を使用して、「目標」値より高い最大パルス波高値を有するPHDを希望に応じて下方へ「圧縮」することもできる。従って、原理上は、それらの延伸演算又は圧縮演算を使用して、開始時の小さな(測定)基本ベクトルの集合から任意の数の多くの基本ベクトルを得ることができる。実験に基づいて少数の基本ベクトルを判定するのではなく、単純な理論モデルから基本ベクトルを計算してもよい。その後、それらの「計算上の」基本ベクトルから、補間及び/又は補外により、残る列基本ベクトルを計算することができる。また、理論モデルから要求される全ての基本ベクトルを計算することも可能である。
式9を解くために、2つのアルゴリズムが利用されている。行列反転と呼ばれる従来の周知の方法が図13Aに示される流れ図により概略的に要約されている。開始時には2つの量PHD及びがある。下線の活字で書かれている量PHDは、「ソース」データを含む1×N列ベクトルである。第1の(すなわち、最上位の)列値は、測定PHDの第1のチャネルにある粒子の数である。第2の列値は測定PHDの第2のチャネルにある粒子の数であり、以下同様である。最後に、N番目の(最下位の)列値は測定PHDのN番目の(最後の)チャネルにある粒子の数である。パラメータNはパルス波高チャネル(及び対応する生PSDの粒径チャネル)の数と等しく、PSDの所望の分解能に従って選択される。典型的な値は32、64及び128である。量は、各々が別個の1×N列ベクトルであるN個の基本ベクトルを含む正方形の(N×N)行列である。従って、の第1の列はPHD (△V)を含み、第2の列はPHD2(△V)を含み、N番目の列はPHDN(△V)を含む。
式9の解は線形代数からよく知られている。
c= M −1 *PHD (10)
式中、 −1は行列の反転である行列である。 −1にソースベクトルPHDを乗算すると、所望の結果として、所望のベクトルdPHDを構成する1×N列ベクトルcが得られる。N個のチャネルの各々に対する個別のコンテンツ(値)に適切な係数を乗算して、コンテンツの和c + c + … + cがまず第1に測定PHDに寄与した粒子の総数と同じになるようにし、粒子の総数の保存を確保しなければならない。
逐次減算と呼ばれる第2の方法は、式9を解くために開発された。これは、測定PHDをデコンボリュートするための新規で強力な技法である。新たなLE(又はLS)型センサの場合、逐次減算方法はPHDをデコンボリュートするための特に有効で、有用な手続きを提供する。先に述べた通り、LE(又はLS)型センサの応答に関して異常であるのは、均一な粒径の粒子について得られるPHDの形状である。特に、それは極めて非対称であり、鋭いカットオフ、従って、明確に規定された最大パルス波高値△VLE(又は△VLS)を有する。デコンボリューションプロセスの観点から言えば、これは重要で、有用な特性である。(統計的に意味のある数の粒子カウントを含んでいると仮定して)最大のパルス波高値を有するPHDのチャネルは、PSDに存在することができる(過大な大きさの外来物を除く)最大の粒径を識別する。これは、測定PHDで見られる最大パルス波高と一致する最大パルス波高値を有する基本ベクトルの粒径dである。
逐次減算アルゴリズムは概念の上では単純である。適切な重み付け係数又はスケーリング係数(元のPSDに寄与した最大粒径の粒子の数を反映している)を伴う最大粒径基本ベクトルPHD (△V)の寄与が開始PHDから減算される。これにより、より小さな粒子カウントの総数及び残るより小さな最大パルス波高値を有する「中間」PHDベクトルが残される。その後、より小さな粒径の粒子に対応する残る基本ベクトルを使用して、この演算が逐次繰り返され、最終的には開始時のPHDの全てが有効に「消滅」するか、又はほぼ「使い果たされ」、実質的には考慮すべき粒子カウント又はチャネルは全く残らなくなる。
図13Bに示される流れ図により、逐次減算アルゴリズムを概略的に説明する。開始時の測定PHD列ベクトルは、中間列ベクトルbとして複製される。更に、最終的には解(dPHD)になる列ベクトルCは0に初期設定される(すなわち、全て0である1×N列ベクトル)。先に述べたように、N×Nの正方形行列Mは、デコンボリューションを実行するために選択されたN個の基本ベクトルを含む。次に、2つの計算ループ、すなわち、I=N,N−1,...,1及びIループの中のJ=N,N−1,...,1が利用される。大きいほうのIループでは、I=Nから始めて、行列のI番目の列にベクトルのI番目の要素が乗算される。これは、と呼ばれる新たな1×N列ベクトルになる。次に、ベクトルのI番目の要素がベクトルのI番目の要素と等しくなるように設定され、ベクトルがベクトルから減算される。
次に、計算は2次Jループに入る。J=Nから始めて、ベクトルのJ番目の要素の値に基づいて決定が実行される。それが0未満であれば、J番目の要素は0に設定される。いずれの場合にも、Jループは開始時点に戻り、J=N−1についてこの問い合わせが繰り返され、J=1に至るまで同様にして継続してゆく。Jループが完了した後、計算はIループの開始時点に戻る。その後、I=N−1についてIループ内の演算が繰り返される。その演算はベクトルの計算、ベクトルのI番目の要素をベクトルのI番目の要素と等しくすること、及びベクトルのベクトルからの減算を含む。Iループの全てのサイクルが完了した後、ベクトル、すなわち、所望のdPHDが得られる。
図14は、最終的な所望のPSDを得るために必要とされる全ての測定ステップ及び計算ステップを含めて、本発明のLE(又はLS)型センサ及び方法の動作構造を要約した概略図を示す。図3のセンサに関して説明したような本発明の原理を取り入れたLE型のセンサ100は、相対的に濃縮された粒子懸濁液に応答して、出力VLEを発生する。出力VLEは、濁りがないときの基線電圧Vより低い電圧基線レベルVTを有することが認められる。この電圧の低下は、センサ100を通して送り出されている相対的に濃縮された懸濁液により導入される濁りが原因となって起こる。102で濁りの修正が導入され、その結果、基線電圧レベルがVまで押し上げられて、全信号V1LEが得られる。104で、減算(又は交流結合)により、信号の直流成分がVLE1から有効に除去され、同様に104では信号が反転されて、パルス波高信号△VLEを発生する。あるいは、これに代わる構成として、同様に本発明の原理を取り入れたLS型のセンサ106がパルス波高信号△VLSを提供してもよい。パルス波高アナライザ108は、図15Aに示されるように、パルス波高信号△V(△VLE又は△VLS)をパルス波高分布PHDに編成する。110では、行列反転又は逐次減算を使用するデコンボリューション計算が実行されて、デコンボリュートPHD、すなわち、dPHDを生成する。デコンボリューション計算は、112で構成される行列Mを必要とし、この行列Mは特定の粒径に対応する列基本ベクトルを含む。以下に説明するように、それらは、既知の粒径を有する粒子をセンサ(LE又はLS)を通して送り出すことにより113で測定されるか、又は114で計算されるかのいずれかである。
図19Aに示されるようなdPHDは、116で、パルス波高△Vと粒径との関係を図8Aに示されるように表す校正曲線118を使用することにより、「生」PSD(粒径分布)に変換される。次に、l20で、生PSDは最終的なPSD結果に変換される。生PSDは、図9に示されるような、センサ効率曲線122からの1/φを乗算することにより正規化され、124で、試料ボリュームの解析からのボリューム係数により調整される。
できる限り高い再現性及び分解能を有するPSD結果を得るためには、デコンボリューションによりPSDを得る元になる測定PHDの品質、特に信号/雑音比及び再現性を最適化することが必要である。従って、既に指摘したように、それぞれ関連する粒径(すなわち、それぞれ狭い範囲の関連粒径)を有する統計的に意味ある数の粒子が新たなセンサのOSZを通過して、検出されなければならない。しかし、PHD(及びそれに続くPSD)の結果の品質に影響を及ぼすもう1つの、同じように重大な要因がある。これは、以下に説明するように、照明ビームに関する粒子軌跡の空間分布を含む。
図4に示される、均一な(1.588μm)ポリスチレンラテックス球体について得られたPHDを検討することは有益である。明らかに、このPHDは高いダイナミックレンジ、すなわち、(ほぼ)最高のパルス波高のチャネル(≒5,600)について得られた粒子カウントと,最低のチャネル(≒100)について測定された数との高い比を有する。この高い比は、新たなセンサの流路を通過する流体と粒子の流れが流路の幅(x軸)に沿ってほぼ均一な粒子軌跡の分布をもたらす設計により得られる。光ビームの軸に対する粒子軌跡の最接近の距離|x|の全てはほぼ等しい確率でサンプリングされる。従って、特に、粒子がビームの中心部分を(すなわち、図5においてAに近接する軌跡を伴って)通過すると、ほぼ最大のパルス波高値で最大のカウント数を発生させる。また、粒子はそれより強さの小さい領域の全てを等しい確率で通過し、逐次小さくなるパルス波高値で逐次小さくなるカウントを提供する。
粒子の流れのひずみにより、|x|値のサンプリングが不均一になると、均一な粒子に対して得られるPHDの形状は図4に示される形状とは異なってくる。特に、品質の劣る装置(例えば、流体工学デザインに欠陥がある)においては、粒子がビームの中心の、高い強さの領域を避けるように、軌跡が密集されることも考えられる。この場合、PHDの高カウントのピーク部分は切り取られ、その結果、最大カウントと最小カウントの比ははるかに低くなる。
粒子の軌跡の分布に著しく大きな空間的不均一が存在する場合、全てのPHD測定についてこの非理想的な分布が維持されなければならない。基本ベクトルが計算されたものであれ、あるいは計算されたものであれ、基本ベクトルは未知の試料の測定中に起こるのと同じ軌跡の不均一な分布に関連付けられなければならない。さもなければ、dPHD及び対応するPSDに著しく大きなひずみが生じる。実際には、作用する変数の数が与えられると、延長された期間にわたり粒子軌跡の特定の不均一な空間分布を維持することは、不可能とはいえないまでも、困難であろう。従って、実際には、ほぼ均一である軌跡の空間分布を生成するように、流路及び関連する流体工学系、並びに照明/検出光学系を設計することが必要である。
単純な既知の粒径分布を有する試料を使用して、測定PHDを生PSDに変換するデコンボリューション手続きの有効性を試験することは有益である。図15A、図15B、図15Cは、各々が0.993μm、1.361μm及び1.588μmという3つの粒径を含む一連の3種類の均一なポリスチレンラテックス「規格」粒子(Duke Scientific、カリフォルニア州Palo Alto)の混合物に対して、新たなLE型センサを使用して得られたPHDを示す。各々のPHDは、16mlの粒子懸濁液を流量F=20ml/minでセンサに通すことにより得られ、従って、データ収集時間は48秒であった。それらのPHDは、5mVから5,000mVまでの△VLEの対数目盛上に等間隔に配列された64のチャネルを使用して構成された。64のチャネルと16mlの試料ボリュームを選択したことにより、各チャネルにおける収集粒子カウントの数の統計的変動は容認できるほど少なくなり、それにより、以下に示すように、デコンボリューション後に安定した、再現性にすぐれたdPHDの結果が得られ、その結果、非常に良好なPSDの粒径分解能も実現した。
図15Aで使用された試料は、事前希釈済みの0.993μmのラテックスストック0.5mlに、事前希釈済みの1.361μmのラテックスストック1mlと、事前希釈済みの1.588μmのラテックスストック2mlとを加えたものから構成されていた。いずれの場合にも、元のラテックスストック懸濁液は1%(w/w)の固体(密度r=1.05)から構成され、事前希釈係数は1,000:1であった。図15Bで使用された試料は、使用された0.993μmラテックスストックの量が半分であった(0.5mlではなく、0.25ml)という点を除いて、図15Aで使用された試料と同じであった。図15Cで使用された試料は、0.993μmラテックスストックが更に2分の1に減らされた(0.25mlではなく、0.125ml)という点を除いて、図15Bで使用された試料と同じであった。3つのPHDに含まれる粒子カウントの総数は102,911(A)、90,709(B)及び81,827(C)であった。
図15A、図15B、図15Cに示されるPHDには重要な質的特徴があり、それらは直ちに明らかになる。第1に、各々のPHDには、以前に均一な粒径の粒子について見られた(例えば、図4、図6及び図7)特徴的な「左下がり」の形状(すなわち、高い△VLE値から低い△VLE値へ降下する)を伴う、広い範囲にわたる△VLE値が存在しており、これは予測通りである。広い範囲のパルス波高が得られたにもかかわらず、3つの試料の各々について、その基礎にあるPSDのトライモーダルの性質は明瞭である。第2に、各PHDには、均一な粒径の粒子について得られたPHDで見られたような、分布全体について上端部、すなわち、最大パルス波高値△VLEを規定する特徴的な急激な「カットオフ」が存在する。3つの試料の全てで、△VLEの値(すなわち、最高のチャネルの中間点の値)は326mVである。(これは、先に述べたように、過大な粒径の粒子及びおそらくは一致があることに起因する、より大きなパルス波高における少数の粒子カウントの存在を無視している。)
以上説明したデコンボリューション手続きを図15A、図15B、図15Cに示される測定PHDに適用することにより、その手続きの有効性を検証することができる。同じデータを使用して、提案されている2つのデコンボリューションアルゴリズムから得られるdPHD結果を比較することは有益である。第1に、いずれか一方の技法を使用して測定PHDベクトルをデコンボリュートするために使用できる行列の一例を示すことは有用である。便宜上、行列及びベクトルに含まれる多数のエントリを表示する際には、図15A、図15B、図15Cに示されるPHDについて採用された64の値ではなく、32という低いチャネル分解能を採用することが有用である。そこで、図16A及び図16Bには適切な32×32の行列が示されており、表示しやすくするために、行列の全てのエントリは小数第3位まで丸められている。
行列の各々の行は順次並ぶパルス波高チャネルに対応し、行番号が大きくなるほど、パルス波高信号は大きくなる。先に述べた通り、行列の各列は、特定の粒径に対応する基本ベクトルを表す。それらのベクトルのうちの9つは、先に述べたように、一連の均一なポリスチレンラテックス粒子についてPHDを測定することにより、実験に基づいて得られた。各々の測定基本ベクトルは、最大カウント値が対角線上に位置するような、すなわち、行番号と列番号が同じである位置に来るような行列の列に割り当てられた。図16A及び図16Bに示される32×32表現の場合、(示される粒径と関連付けられる)測定基本ベクトルは列#6(0.722μm)、#8(0.806μm)、#12(0.993μm)、#17(1.361μm)、#19(1.588μm)、#20(2.013μm)、#26(5.03μm)、#29(10.15μm)及び#31(20μm)を占める。列基本ベクトルごとのエントリは、いずれのケースでもピーク値が1に等しくなるように再正規化されている。その後、行列の残る23の空の列は「理論上」の基本ベクトルで補填される。その場合、各エントリは、先に述べた「延伸」演算と同等の、隣接する測定ベクトルにおける対応するエントリの線形補間又は線形補外により求められる。
3つの異なる試料について測定された32チャネルPHDを表すソースデータ列ベクトルが図17に示されている。(必要な32チャネル値を得るために、図15A、図15B、図15Cに示されるPHDにおける隣接するチャネル対のコンテンツが合わせて追加されている。)行列反転の方法(図13A)を使用して、PHDのデコンボリューションにより得られた結果も、3つの試料それぞれについて図17に示されている。得られたdPHDの各々は各分布のトライモーダルの性質を(この表という形態であっても)明確に立証しており、(32チャネルの使用により分解能に制限は課されているが)3つのラテックス粒径規格の相対的に「わかりやすい」分離を示している。センサ応答が粒子軌跡に従属するために元のPHDに現れていた、広いスペクトルにわたるパルス波高の「スメアリング」は、簡単な行列反転手続きにより申し分なく「除去」されており、基礎にあるPSDの形状に関して仮定は全く成されていない。
いくつかの詳細は注目に値する。第1に、新たなSPOS方法を使用して、測定PHDデータを反転するために使用される行列を「クリーンアップ」することにより、相対的に高い品質の、すなわち、図17に示されるように、偽「雑音」寄与をほとんど含まない(また、低振幅でしか含まない)dPHD結果を一貫して得ることができる。これは、対角線上の単位要素の下方に位置する二次エントリ(その大部分は、通常、初めは相対的に小さい)を0に等しくなるように設定することから成る。それらの項は、列中の最大カウントパルス波高値より大きいパルス波高値に対するカウントに対応している。第2に、行列反転アルゴリズムにより生成される各々のdPHDは、通常、様々なチャネル(ビン)に対していくつかの負の値を含む。それらの非物理的値は、自明の理由により、任意に0に等しくなるように設定される。その後、粒子の総数が対応する測定PHDにおいて当初収集されたカウントの総数と等しくなるように、残るチャネルのエントリが再正規化される。第3に、図17のdPHDについて認められる3つの主なピークと関連するパルス波高値(すなわち、3つの最大粒子数を有するチャネル)は、3つの試料について同じである。すなわち、65mV(行12)、198mV(行17)及び309mV(行19)である。図8Aの校正曲線の補間により、対応する粒径、すなわち、0.94μm、1.31μm及び1.55μmが得られる。行列反転計算のために選択された32チャネルと関連する分解能の制限はあるが、それらの値は既知の粒径と十分に一致すると考えられる。最後に、試料A、B、Cの順に見ると、0.993μmの粒子(行12)の数が予測した通りに徐々に2分の1に減少していることが実際に、少なくともおおよその数として(以下に説明する)認められる。
次に、これらの結果を、同じ32チャネルの分解能で、新規な逐次減算の方法を使用して同じ開始PHDデータから得られたdPHDと比較することは有益である。行列及び測定PHD列ベクトルは行列反転に使用されたのと同じである。逐次減算アルゴリズムを使用して得られた結果であるdPHDは同様に図17に示されている。チャネルごとに(すなわち、dPHD列ベクトルにおける行ごとに)、2つの異なるデコンボリューション手続きにより生成された値の間に非常に良好な一致が存在していることは明らかである。特に、行11〜3及び16〜22を含めた、3つの予測ラテックスピークと関連するチャネルについて実質的な一致が存在している。唯一の偏差は、低いパルス波高のチャネル(すなわち、行1〜10)で最も多く見られる低振幅の偶発的な偽エントリに関する。それらが起こるのは、基礎にあるPHDデータの統計的雑音が避けられないために、反転アルゴリズムが不十分になるからである。それらの寄与の大半は、逐次減算アルゴリズムではなく、行列反転により生成されるように見える。逐次減算方法が追加の「情報」を有しており、また、そのようにして生成されるdPHDが最大パルス波高チャネルから最小パルス波高チャネルまで体系的に展開するという事実があるために、これは驚くべきことではない。いずれの場合にも、先に述べた小さな雑音寄与を除いて、2つのデコンボリューション手続きにより生成されるdPHD結果は、1)絶対精度(すなわち、パルス波高値に対応する粒径)と分解能の双方に関して非常にすぐれており、且つ2)ほぼ同じであると結論付けることができる。
これらの結論は、更に高い64チャネル分解能を使用して、同じPHDデータから得られるdPHD結果により強力に裏付けられる。この場合、開始時のPHDは、図15A、図15B、図15Cに示される64チャネルデータに対応する64×1列ベクトルから構成されている。行列は64×64アレイであり、エントリの数は図16A及び図16Bに示される行列の場合の4倍である。64×64行列を構成するためのスタートポイントとして、同様に9つの測定基本ベクトルが使用された。以前の解析で32×1基本ベクトルを生成していたのと同じ測定PHDから、新たな64×1(列)ベクトルが得られた。新たなベクトルは列#11(0.722μm)、#15(0.806μm)、#24(0.993μm)、#34(1.361μm)、#37(1.588μm)、#41(2.013μm)、#51(5.03μm)、#38(10.15μm)及び#61(20.0μm)を占める。
行列反転により得られた結果である64チャネルdPHDが図18A、図18B、図18Cに示されている。逐次減算により得られた対応する結果は図19A、図19B、図19Cに示されている。先の場合と同様に、2組の結果の一致はすぐれており、図17に要約されている、32チャネル分解能を使用して観測された一致に匹敵する。先の場合と同様に、3つのピークは明確に分離されているが、パルス波高分解能が2倍であるという利点がある。行列反転の結果(図18A、図18B、図18C)のパルス波高の低い領域には若干の「雑音」寄与が残っていることが観測されるが、64チャネル逐次減算結果(図19A、図19B、図19C)についてはアーティファクトはほとんど認められない。従って、ここでも、逐次減算アルゴリズムを使用して得られるdPHD結果は単純な行列反転により得られるdPHD結果よりわずかによいと結論付けることができる。
dPHD結果(いずれか一方のデコンボリューションアルゴリズムによる)を所望の最終的なPSD結果に変換するために、残る手続きは2つの簡単な計算手続きのみである。第1に、利用されるセンサに適用される標準的な校正曲線、すなわち、図8Aに示されるグラフを使用して、dPHD結果を「生」PSDに変換しなければならない。第2に、測定される全ての粒径に対して相対的に低いセンサ効率φを考慮に入れて、得られた生PSDを再正規化しなければならない。従って、生PSDの各チャネルに含まれる粒子の数に、そのチャネルの粒径dに関係する係数1/φを乗算しなければならないが、φは図9から補間により求められる。得られる再正規化値は、データ収集中にセンサを通過した試料懸濁液のボリュームの中にあったと推定される各粒径の粒子の数を表す。それらの数を試料ボリューム(先に説明したトライモーダルラテックス試料の場合は16ml)で除算すると、試料懸濁液中にあると推定される各粒径の粒子の濃度が得られる。これにより得られる「濃度」PSDが、図20A、図20B、図20Cに示されている。それらのPSDは逐次減算により得られたdPHD(図19A、図19B、図19C)に対応し、試料懸濁液の1ml当たりの粒子の数(1,000で除算されている)として表現される。
新たなLE型センサを使用して得られた3つのPSDにおける各個体数ピークで見られる粒子濃度を、独立して得られた推定値と比較することは有益である。試料A、B及びCを調製するために使用された個々のストックラテックス懸濁液の濃度は、従来の(LE+LS組み合わせ)SPOS計器を使用して、100%の計数効率で測定された。一致の影響によって起こる測定PSDのひずみを避けるために、かなり高い希釈率が要求された。それらの比較を表IIに要約した。ラテックス規格粒径ごとに示される濃度を得るために、図20A、図20B、図20Cの濃度PSDにおける3つの「ピーク」の各々に属する個々のヒストグラムバーの寄与を合わせて加算した。
ここで述べる2つの方法を含めて、採用されるであろうと考えられるどのデコンボリューション手続きにも本来備わっている限界を考慮すると、一致が非常にすぐれていることは明らかである。言うまでもなく、新たなLE型センサを使用して得られるPSDの分解能も、絶対精度も、従来のセンサを使用して得られると考えられる分解能及び絶対精度と同程度に極めてよいと予測することはできない。それにもかかわらず、利用されている光学的構造が根本的に異なっており、また、要求されるデコンボリューション方法が相対的に精巧であることから、新たなLE型センサを使用して得られる結果の品質はすぐれていると考えるべきである。最後に、図20A、図20B、図20Cに示されるPSD結果は、全ての粒径の粒子が測定信号に同時に寄与するような、「アンサンブル」技法により生成されるであろうと考えられる典型的な結果より大幅にすぐれていると認めることが重要である。推定PSDを得るために、アンサンブル技法によるPSD結果は、その後、適切なアルゴリズムを使用して反転されなければならず、推定PSDの分解能と精度は、通常、相対的に限定されている。そのようなアンサンブル技法は周波数と、特に、古典理論のミー散乱とフラウンホーファー回折の組み合わせに基づく「レーザー回折」の関数としての超音波減衰を含む。
次に、連続的(「滑らか」)で、相対的に広い範囲にわたる粒径の分布を含む試料懸濁液に対する新たなLE型センサの応答を検討することは有益である。特に、体積に重きをおいた場合でも1ミクロン(1μm)より小さい粒子がほぼ全てを占める、「大部分が1ミクロン以下の」コロイド懸濁液に限って考えるのが有用である。そのようなコロイド懸濁液を使用する用途として、商業用としても、研究用としても意義あるものが多数ある。その例は、1)半導体集積回路の製造中にシリコンウェハ表面をCMP処理するために使用される、通常はシリカ、アルミナ及び酸化セリウムなどの酸化物である超微細無機粒子の水性「スラリ」;2)非経口栄養補給、薬剤投与(例えば、麻酔剤)及び超音波撮影時の造影剤として使用するための、静脈注射用に調製された均質化水中油乳濁液;3)インクジェット印刷及び従来の印刷の双方に使用されるインク、染料及び顔料;4)香料及び着色剤を含み、乳化剤で被覆され、水中に懸濁されている食用油の小滴から構成されている均質化人工飲料乳濁液;5)通常は炭酸カルシウム、カオリンクレー、二酸化チタン又はラテックスなどの有機ポリマーを含有する水性製紙用塗布剤分散液;6)塗料、塗装剤及び接着剤で使用されるポリマー懸濁液を含む。
これらの用途及びその他の用途については、多くの場合、試料懸濁液中の最大の粒子、すなわち、PSDの最も外側の「末尾」を構成している、例えば、≒1μmより大きい粒子の数及び粒径の分布を判定可能であることが非常に有用である。PSDの末尾における粒子の体積又は質量の割合(すなわち、粒子体積又は粒子質量全体における百分率)を知ることで、考慮すべき乳濁液、懸濁液又は分散液の品質及び/又は安定性が明確に示される場合が多い。材料がコロイドとして不安定である場合、PSDの末尾を占めている粒子の体積割合は時間の経過に伴って、系が不可逆の凝集及び/又は相分離に向かって移行するにつれて「増大」する。PSD全体の特性を判定するには、通常、レーザー回折又は力学的な光散乱などの「アンサンブル」技法が要求されるが、この判定は、粒子/小滴の凝集の早期の段階と関連するPSDのわずかな変化を検出するために必要とされる感度が欠落しているという性質を備えているのが普通である。これに対し、SPOS技法は、PSDの最も外側の末尾を構成している相対的に大きな粒子にのみ応答するため、様々な不安定の段階と関連するPSDのごくわずかな変化を定量的に検出することが可能である。この末尾の部分は、体積に重きをおいたPSDであっても、PSD全体にわたって存在している粒子のうちのごくわずかな割合(通常は、<0.1%)を構成しているにすぎないと考えられる。しかし、PSDのこのわずかな割合の部分が懸濁液全体の安定性に対する独自の「窓口」を形成している場合が多い。
懸濁液又は分散液の品質を明示するSPOS技法の能力に関しても同じことが言える。長期間安定性が問題になっていない場合であっても、粒子を主成分とする多くの製品の品質を判定するのに、SPOS技法は不可欠とは言えないまでも、非常に有用であることが判明している。そのような製品又は中間処理材料の品質は、多くの場合、PSDの末尾の外側領域に存在している粒子の百分率との間に強い相関関係を有する。製品の品質及び性能を確保するためには、多くの場合、そのような粒子の存在を最小限に抑制するか、又は全て排除する必要がある。従って、末尾について得られる数に重きをおいたPSD又は体積に重きをおいたPSDを使用して、粒子製造プロセスを制御するパラメータを最適化することができる。後者の例は、油/水乳濁液の調製のための均質化及びMicrofluidizationTM(ミクロ流体化、Microfluidics Corp.、マサチューセッツ州Newton)を含み、この場合、圧力、温度、オリフィスの大きさ、成分の混合比、パスの回数及びその他の変数がPSDに影響を及ぼす。他の例は、ポリマーの製造のための(一組の反応体、断片的な反応体又は一続きの反応体を使用した)乳濁液の重合、及び粉末の粉砕と研磨を含む。注射可能な脂肪乳濁液の安定性及び品質を判定する際の、レーザー回折と比較して従来のLE型SPOS方法がすぐれている点は、D. F. Driscoll他によりInt’l J. Pharm.、第219巻、21〜37ページ(2001年)の中で説明されている。
新たなLE型感知方法は、従来のLE型感知方法と比べて2つの重大な可能性を秘めた利点を提供する。第1に、開始時の濃縮懸濁液に対して要求される希釈率がはるかに低い。この特徴は、多くの場合、非常に重要である。すなわち、粒子の合致を回避するために、従来のLEセンサ又はLSセンサにより通常要求されていた大幅な希釈によって、コロイドとして不安定になり、従って、凝集を引き起こすおそれがある系に対しては、非常に重要である。重要な一例は、周囲の流体の相対的に高いpH又は低いpHにより維持される、粒子表面に対する電荷によって安定化されているCMPスラリを含む。これらのスラリを大幅に(たとえば、100倍又は1,000倍)希釈すると、粒子に対する電位を著しく減少させるほどpHが変化してしまい、そのために、隣接する粒子の間のファンデルワールス引力が静電斥力より強くなるので、凝集が促進される可能性がある。
第2に、新たなLE型SPOS方法は、通常、別個のLS測定に依存する必要なしに、すなわち、吸光のみを使用して、容認できる低い粒径閾値(例えば、<0.7μm)を実現することができる。得られるLE型信号は、粒子の吸収率(被覆膜)又は懸濁流体が原因となって化学的に誘起される損傷(例えば、エッチング)による流路の内面の劣化の影響を相対的に受けにくい。それらの影響は、流体と表面の境界面における強い散乱によってLS型センサの性能を著しく劣化させる可能性があるが、極端な場合を除いて、LE信号の品質に対しては、通常、相対的にわずかな影響しか及ぼさない。従って、多くの重要な用途において、流れセルの保守(洗浄)が必要になる回数は長い期間にわたり相対的に多くないと予測できる。
考慮したこれらの事項に留意して、相対的に濃縮された典型的なコロイド懸濁液に対して新たなLE型センサにより実現できるいくつかの典型的な結果を検討することは有用である。図21A、図21B、図21C〜図23A、図23B、図23Cは、非経口栄養補給のために使用される注射可能な(水中油)脂肪乳濁液を含む3つの試料について得られた結果を要約して示す。各試料は、「ストック」脂質乳濁液(Liposyn III、20%(w/v)、Abbott Laboratories、イリノイ州N. Chicago)の400:1の希釈から得られた約0.05(体積)%の脂肪小滴濃度を含んでいた。これは、最終懸濁液の1ml当たり5×10−4mlの小滴体積割合と同等である。試料「A」は脂肪小滴のみを含むが、「B」及び「C」は、更に添加された均一な0.993μmポリスチレンラテックス粒子を含んでおり、その割合は「B」の場合は3.25×10粒子/ml、「C」の場合は8.13×10粒子/mlであった。体積割合に関して表すと、添加されたラテックス「スパイク」は「B」の場合で懸濁液の1ml当たり1.67×10−7mlと同等であり、「C」の場合は懸濁液の1ml当たり4.17×10−8mlと同等である。脂肪小滴の体積割合と比較して、添加されたラテックススパイクの濃度は、それぞれ、334ppm(100万分率)及び84ppmと同等である。
図21A、図21B、図21Cは、対数目盛上に均等な間隔で配列された32のパルス波高チャネルを使用して、3つの試料それぞれについて得られた測定PHDを示す。いずれの場合にも、データは、48秒の期間にわたり、20ml/minの流量で、16mlの試料ボリュームから収集された。約14mVを超えるパルス波高では、試料AのPHDは、パルス波高が増すにつれて滑らかに減少する検出粒子数を示している。このPHDの根本にあるPSDも、分布の平均粒径である約0.2μmより大きい小滴については、小滴の大きさが増すにつれて同様に数が減少するという事実(以下で立証する)があるため、PHDで見られる粒子数の減少は驚くことではない。14mVより小さな最大パルス波高△VLEを有する粒子は、小さすぎて(すなわち、約0.7μm以下)個別に検出できないので、使用センサの場合、14mV以下でPHDは減少する。このレベル以下では、センサ効率は急勾配を描いて降下する。試料BのPHDは、ラテックススパイクが添加されたことに起因する摂動を明らかに示している。試料Cにより生成されたPHDについても同じことが当てはまるが、添加されたラテックス粒子が4分の1に減っているため、その影響は相当に小さくなっている。
図22A、図22B、図22Cは、逐次減算アルゴリズムを使用する図21A、図21B、図21CのPHDのデコンボリューションによりそれぞれ得られたdPHDを示す。dPHDは、脂肪小滴の予測される基本粒径分布に似て、予測された下降挙動を示している。図22Bでは、添加されたラテックススパイクを更に明瞭に認識できるが、図22Cではそれほど明瞭には認識できない。21.3mVの値を下回ると、検出の失敗及び分解能の低下、並びに粒子の合致が起こるために分布がひずみ、信頼性を欠くようになるため、dPHDは△VLE 3 21.3mVについてのみ示されている。これらの影響は、先に言及した図21A、図21B、図21Cに見られる測定PHDにおいて「ロールオーバ」を発生させる。
元の懸濁液における粒子濃度によって表される、3つの試料の結果PSDが図23A、図23B、図23Cに示されている。先に述べた通り、それらは、図22A、図22B、図22Cの対応するdPHDから、図8Aの校正曲線及び図9のセンサ効率曲線を使用して得られた。分布の詳細をより明瞭に見せるために、縦の濃度軸は大幅に拡張されている。添加されたラテックススパイクの影響は図23B及び図23Cに明瞭に見られる。
各ラテックススパイクの測定された影響と、予測される影響を量的に比較することは有益である。添加されたラテックスの既知の濃度は、試料Bの場合で約2.33×10粒子/mlであり、試料Cでは5.83×10/mlであった。対応する測定値は、試料B及びCについて得られたPSDから試料Aについて得られたPSDを減算することにより推定される。0.90ミクロンから1.06ミクロンまで(0.90ミクロン及び1.06ミクロンを含む)の4つのヒストグラムバーを考慮することにより、ラテックスの添加によるPSDへの寄与の大半を説明できる。その結果として増大した試料Bの粒子濃度は、実際に添加された3.25×10/mlと比較して、3.01×10/mlである。試料Cの対応する値は、8.13×10/ml(既知)に対して8.85×10/ml(測定)である。添加されたラテックス粒子の濃度が相対的に低く、最終PSDを得るために要求されるデコンボリューション手続き及び関連する計算が本質的に厳格な性質を備えていることを考えれば、2組の値は非常によく一致していると考えるべきである。
先に述べたヒストグラムのグラフは、広い範囲に及ぶ多様なコロイド懸濁液及び分散液についてPSDの大きな粒子の領域である末尾に対して新たなLE方法をルーチンとして使用して得ることができる結果を表している。先に述べた理由により、開始時の濃縮試料の希釈率をできる限り低くすることは多くの場合に必要であるか、又は非常に便利である。従って、多くの場合、流れセルを通過する懸濁液は相対的に高い濃度であり、そのため、必然的に非常に濁っている。従って、流路の厚さbに沿って濁った試料を透過した光の強さは、相対的に透明な試料の場合の光の強さと比べて、著しく低減される。
得られるLE信号VLEについて2つの結果が存在する。第1に、検出可能なパルスを形成するのに十分な大きさの粒子が、(OSZに)存在しないときの「基線」直流レベルVが低下する。V と呼ばれる新たな基線電圧は原則的には、ベールの法則により、濁りがないときのレベルVに関連付けられる。
= Vexp(−αx) (11)
式中、xは光ビームが試料を横切るときの距離であり(すなわち、x=b)、αは通常はcm−1の単位で表される、吸収係数又は減衰係数である。試料が過剰に濁っていないため、強い多重散乱による理想化された距離に対する減衰の挙動を示さない仮定すれば、式11は正確であると予測できる。
試料の濁りが招く第2の結果は、OSZを通過する検出可能な粒子から発生する(負に向かう)パルスの波高(電圧)も減少されることである。その結果、濁りが適度であり且つシステム応答が線形であると仮定すれば、所定の粒子の測定パルス波高△VTLEは、濁りがないときの値△VLEと比べて、V がVに対して減少したのと同じ割合で減少する。従って、パルス波高の集合に対して全く修正を加えなければ、得られるPHDは低いパルス波高値のほうへ体系的にシフトされる。PHDのデコンボリューションにより得られるdPHDについても同じことが当てはまる。そのため、得られるPSDは、より小さな粒径のほうへシフトされる。すなわち、試料中の全ての粒子が体系的に微小化することになる。
試料の濁りの結果であり、通常は粒径検出閾値より下にある超微細な粒子、すなわち、PHDに直接に寄与するには小さすぎる粒子が多数存在することによって起こるパルス波高の収縮の問題に対処するために使用できるいくつかの方法がある。第1の、最も単純な方法では、測定された各々のパルス波高を濁りがないときの「理想」値△VLEに(リアルタイムで、又はデータ収集後に)「再正規化」することができ、この値は、次の式により測定パルス波高△V LEに関連付けられている。
△VLE = (V/V ) x △V LE (12)
ごくわずかな濁りに対応する新たな理想化パルス波高の集合を得るために、全ての測定パルス波高に、スケール係数V/V を乗算する必要がある。試料の濁りがないときの基線電圧レベルVは、ほぼ粒子を含まない流体をセンサに通すことにより容易に測定できる。後に濁った試料を解析すべきときに使用するために、この値を格納しておくことができるが、新たな試料を解析するたびに、それに先立って清浄な流体を使用して、この値を測定し直すことも可能である。データ収集前に、試料懸濁液の一部をセンサに通すことにより、濁りがあるときの基線レベルV を測定できる。
を判定できる方法は少なくとも2つある。最も容易なアナログ方式は、適切な(RC)時定数を有する受動フィルタ又は能動フィルタを使用して、適切な周期(例えば、1秒)にわたり信号VLE(t)全体の時間平均値を測定することから成る。平均値は、静止した懸濁液又は流動する懸濁液のいずれかを使用して測定できる。流動する懸濁液の場合、検出可能な粒子による個別のパルスが測定平均値に影響を与える。しかし、平均パルス速度は、通常、10,000/sec未満であり、パルス幅は、通常、10〜12μmより短いため、パルスの「デューティサイクル」は10%未満になるので、その影響の程度は通常は相対的に小さい。V を測定するための第2の方式は、濁った試料がセンサを通って流れているときの信号VLE(t)全体のうちの重要な部分(例えば、10〜100μsec)を(アナログ/デジタル変換器を使用して)デジタル化することと、試料のパルス波高データを収集する前に、得られたデジタル化信号を解析することから成る。適切にプログラムされたコンピュータを使用して、所望の基線レベルV に対応する、個別のパルスの両側に位置する信号の「平坦な」(雑音に起因するわずかな変動を除く)部分を識別し、測定することができる。
図26Aは、パルス波高を濁りがないときに予測される値に再正規化することにより、濁りを補償するための手段の一実施例のブロック線図である。センサは光源126と、測定流路130を通して光のビーム128を誘導し、測定流路130の内部の光学感知ゾーン131を照明させる集束レンズ127とを有する。粒子132の流体懸濁液は測定流路130を通って流れ、測定流路130を流れる粒子132のわずかな割合の部分が光学感知ゾーン131を通って流れる。粒子132が光学感知ゾーン131を通過するとき、光が遮蔽され、これはLE光検出器DLEにより、基線電圧VTから下向きに延びるパルス134として検出される。基線電圧V とパルス134は、共に、流体懸濁液が濁っていないときに供給されると考えられる基線電圧V及びパルス135より小さいことが認められる。変換器136は、粒子132の通過に応答して光検出器DLEにより発生される電流信号ILE(t)を電圧信号VLE(t)に変換する。
修正係数Gを計算するために、濁っていない液体を系に通し、138で基線電圧Vを測定する。次に、測定されるべき懸濁液を系に通し、140で基線電圧VTを測定する。次に、142で比G = V/V を計算する。
144で、交流結合の使用により直流部分を減算するために、変換器136により発生された信号VLE(t)は処理され、反転される。次に、利得が調整自在である増幅器146により出力△VLE (t)が増幅される。この増幅器の利得は修正係数Gにより制御される。グラフ148に見られるような修正後の信号△VLE(t)は、適正なパルス波高150を有する適正な大きさのパルスを含む。
図24A、図24B、図24C及び図25A、図25B、図25Cは、先に説明した第1の方法を使用して測定パルス波高を再正規化する前と、再正規化した後に濁りのある試料について得られた典型的な結果をそれぞれまとめて示している。試料は、先に採用されていたのと同じストック乳濁液から得られる、相対的に濃縮された脂肪小滴の「二重スパイク添加」懸濁液から構成されていた。脂肪小滴の濃度は約0.5(体積)%、すなわち、先に説明した測定の場合に使用されていた濃度の10倍であった。これにより得られた懸濁液は目で見て非常に濁っていた。濁った試料懸濁液に、2.013μmと10.15μmの2種類の均一なラテックス粒子の「スパイク」が添加された。添加されたラテックス粒子の濃度は、データ収集中に適切且つ統計的に安定した数のカウントを提供するのに十分な値ではあるが、懸濁液全体の濁りに対しては無視できる程度であった。
図24Aは、濃縮脂肪小滴と添加されたラテックス粒子の混合物について得られた測定PHD(64チャネル)を示す。図24Bは、このPHDからデコンボリューション(逐次減算)により得られたdPHDを示す。センサ効率の修正前に得られた生PSDが図24Cに示されている。濃縮脂肪小滴がないときに、バイモーダルラテックス混合物のみについて得られるであろうと考えられる値と比べて、ラテックススパイクと関連する2つのピークは相当に小さな粒径のほうへシフトされていることが明らかである。2つのピークについて表示される平均粒径は約1.5μmと6.5μmである。
この濁った試料について測定された平均基線レベルV は3.45ボルトであり、濁りがないときに得られる5.00ボルトの公称値から著しく低くなっていた。従って、5.00/3.45、すなわち、1.45のスケール係数を使用して元のPHDを再正規化し、デコンボリューション計算を繰り返すことにより、正確なPSD結果を回復することが可能である。再正規化後のPHDが図25Aに示されており、デコンボリューション(逐次減算)により得られたdPHDは図25Bに示されている。対応する生PSDは図25Cに示されている。この場合には、ラテックススパイクと関連する2つのピークの場所は約1.9μmと9.8μmとなり、予測値にごく近い。
著しく濁っている試料に対応するために使用できる第2の方法がある。初めから、すなわち、パルス波高データが収集される前に濁りの影響をほぼ排除するために、自動的に調整されるように信号処理システムを設計することが可能である。開始時の押し下げられた基線レベルV が濁りのないときに得られたと考えられる値Vに近くなるように、適切な信号調整手段により基線レベルV を増加させることができる。例えば、調整自在の電圧制御利得を有する増幅器手段を使用することができる。調整後の出力信号振幅を感知し、出力基線電圧が所望の「理想」レベルVに到達するまで増幅器手段の利得を増加させるために、帰還回路手段を使用できる。この第2の方法は図26Bの実施例に示されている。先の場合と同様に、変換器136は信号VLE(t)を供給する。この場合、信号は利得が調整自在である増幅器152により増幅されるが、増幅器の利得は修正係数Gにより制御される。基線レベルが「理想」レベルVと等しくなるように、増幅後の信号GxVLE(t)は調整される。次に、信号は、154で直流成分が減算され、パルスが反転されるように処理され、この場合にも、適正なパルス波高150を有する適正な大きさのパルスを含む、グラフ148に示される出力が発生される。
あるいは、所望の基線レベルVに到達するように、増幅器手段の利得を制御するために、粒径判定用計器を制御するために使用されるコンピュータを(デジタル/アナログ変換器と関連させて)使用することも可能である。別の方式においては、未修正の開始時の信号VLE(t)に、V/V と事実上等しい第2の電圧を乗算するために、アナログ乗算器手段を使用でき、この場合、V の値はデータ収集前又はデータ収集中のVLE(t)の時間平均から得られる。
をVまで上昇させるためのこれらの電子的方式は、それぞれ、試料の濁り度の変化による基線レベルの変化を一度(データ収集前に)補償するか、又は連続的に(データ収集中に)補償する自動利得制御システム、すなわち、AGCシステムを有効に構成している。その後、先に説明したように、所望のデコンボリューションアルゴリズム及び関連手続きを使用してデータを収集し、解析することができる。その結果得られるPHDは、この方式を採用しない場合には濁りによって起こると考えられる小さい粒径へのシフトを伴わず、ほぼ正確である。(この結論は、濁りが過剰ではなく、非線形応答が得られることを仮定している。)
以上説明した第2の方法に関連し、原理の上では、濁りがないときに基線レベルが有すると考えられる値まで基線レベルを回復させるために使用できる第3の方法がある。利得が調整自在である増幅器手段を使用して出力信号を増加させるのではなく、光源手段の強さを同じ所望の係数V/V だけ増加させることができる。この方法は、光源手段が通常は利用可能な出力パワーの2分の1未満で動作していると仮定しており、そのため、必要に応じて、2倍以上の増加が可能になる。この方法は図26Cに示されており、この場合、光源126により供給される光ビームの強さは制御係数Gにより制御される。その後、変換器136からの出力信号VLE(t)は直接に接続されて、156で処理されるが、そこで直流成分が減算され、パルスは反転される。この場合にも、出力パルス150は適正な大きさになる。
データ収集前に基線レベルをVまで回復させる第2の方法を、図21A、図21B、図21C〜図23A、図23B、図23Cに要約されている、0.05%脂肪乳濁液試料(スパイクなし及びスパイク添加)の測定に利用した。濁りのないときのV=5.00ボルトと比較して、未修正の測定基線レベルV は4.82ボルトであった。式11及びx=0.02cmから、α=1.83cm−1が得られた。図24A、図24B、図24C及び図25A、図25B、図25Cに示される0.5%脂肪乳濁液試料の場合には、3.45ボルトであるV の測定値はα=18.55cm−1を示唆しているが、これは、理論上、濃度が10分の1の試料について得られたαの値の10倍でなければならない。事実、ほぼ一致している。小さな食い違いは、実験上の誤差又は多重散乱によるベールの法則からの逸脱に起因すると考えてよい。
図27A、図27B図27C及び図28A、図28B、図28Cは、別のコロイド懸濁液,すなわち、CMP処理に使用される12.5(体積)%の濃度のシリカの水性スラリについて新たなLEセンサを使用して得られた結果(32チャネル分解能)をまとめて示す。各試料は希釈せずに測定されたが、これが可能になったのは、シリカの屈折率が水の屈折率と相対的に近いためである。その結果、濁りは依然として著しいが、それでも、周囲の液体と屈折率に関してはるかに整合しない粒子を含む同じ濃度の懸濁液について得られる典型的な値よりは、はるかに少なかった。
完全濃縮シリカCMPスラリの測定PHDが図27Aに示されている。信頼できるパルス波高範囲において得られるdPHD(逐次減算デコンボリューションにより得られた)は図27B(y軸を拡張)に示されている。その結果として得られる、元の試料懸濁液の粒子濃度として表されるPSDは図27Cに示されている。PSDの末尾に存在する粒子の相対的に低い濃度を強調するために、y軸は20倍に拡張されている。
次に、同じ開始シリカスラリに、1.30×105/mlと非常に低い濃度の0.993μmラテックス粒子をスパイクとして添加した。測定PHDが図28Aに示され、それに基づいて得られたdPHDが図28Bに示されているが、ラテックス摂動の効果が明瞭に見られる。最終的な濃度PSDは図28Cに示されている。添加されたラテックス粒子は容易に検出される。添加されたこのラテックススパイクは総粒子体積の約0.5ppmを表すに過ぎないので、新たなLE型センサに関して、これは印象的な実績である。従って、この方法は、シリカ系CMPスラリにおいて多様な物理的ストレス要因及び化学的ストレス要因により引き起こされる他の粒子の個体数を高い信頼性で、定量的に検出できるようにするのに十分すぎるほどの感度を有している。損傷を発生させる可能性のある過大な大きさの粒子がそのように増加することは、CMP処理中にウェハ表面の欠陥が増加し、その結果として、使用可能な集積回路デバイスの歩留まりが低くなることと相関している場合が多い。希釈をほとんど又は全く必要とせず、問題のある粒子の濃度のごくわずかな変化を感知する感度をもって、処理中に不安定になりうるCMPスラリの「消耗状態」を監視できるということは、CMPスラリ測定技術の著しく大きな進歩を表している。
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図29に概略的に示される本発明の第1の好ましい実施例は、本発明の新たなLE型SPOSセンサとLS型SPOSセンサの双方を単一のセンサに組み込んでおり、このセンサは2つの独立した出力信号VLE及びVLSを有する。これにより得られる「LE+LS」二重構造は能力及び融通性の向上をもたらし、相対的に広い範囲にわたる粒径の単独粒子計数及び粒径判定を実行する。新たなLE型センササブシステムにより提供される検出下限より下の粒径範囲を拡張するために、LS型センササブシステムを使用することが可能である。粒径下限をどの程度まで拡張できるかは、多様なパラメータによって決まる。それらのパラメータは、測定流れセル内部の狭い(通常は集束された)ビームの幅2w;光源のパワー;新たなLS型感知機能を実現するために散乱光が収集される角度の範囲;及び粒子と懸濁流体の双方の屈折率を含めた物理的特性を含む。
新たな二重LE+LSセンサは光源160を含み、この光源は、典型的には600〜1,100ナノメートル(nm)の範囲の出力波長を有するレーザーダイオードモジュールから構成されているのが好ましい。光源手段により発生されるビーム162はコリメートされ(平行)且つ「円形化」されるのが好ましい。すなわち、ビームの強さは中心軸からの距離rのみの関数である。更に、ビームは、ビームの伝播の軸に対して垂直であるいずれかの軸に沿って、式7により記述されるようなガウス強さプロファイルを有するのが好ましい。新たなLE+LSセンサは集束手段164を更に含み、この集束手段は、通常、開始時のコリメート光ビーム162を、OSZ168における測定流路166の中心で、所望の粒径範囲と一致する所望のビーム幅2wまで集束することが可能である単一要素レンズ又は多要素レンズである。集束ビームの幅と被写界深度の双方について容認できる値を提供するように、集束手段は適切な焦点距離を有するものと仮定する。得られるPSDの分解能を最適化するために、ビームの被写界深度は流路の厚さbより著しく長いのが好ましい。
測定流れセル166は、ガラス、水晶又はサファイアなどの適切な透明材料、あるいはPTFE(例えば、DuPontにより製造されているTeflonTM)又は動作波長で十分に透明であり且つ流体と粒子の混合物に適合できる他の適切なプラスチックなどの、先に挙げた材料に代わる半透明材料から製造されている。流れセル166を通過する粒子と流体の懸濁液の定常流れを容易に形成するために、通常、流れポンプ手段及び開始時の試料懸濁液の(必要に応じた)自動希釈のためのオプションの手段を含めた適切な流体工学システムが必要とされる。流量Fは、通常、LE型センサ又はLS型センサの校正曲線を生成するために使用される値と同じであるか、又はそれに近くなるように選択される。
高い一致濃度限界及びできる限り均一なビーム幅を実現し、その結果として、最終PSDの分解能を改善するためには、流路の厚さbは十分に小さくなければならない(理想的には、b<<被写界深度)。しかし、流路の厚さは、過大な粒径の粒子(例えば、流体/希釈剤中の凝集体及び汚染物質)による頻繁な目詰まりを防止するために、十分に大きくする必要がある。また、流路の幅aも、2つの矛盾する効果のいずれをも損なわないように選択されている。相対的に大きな値は流動する流体‐粒子混合物に対する妨害を少なくし、所定の流量Fに対する速度を低下させる(且つパルス幅を拡張する)。しかし、パラメータaが大きくなるほど、所定の粒径dに対するセンサ効率φは低くなる。その結果、実際に測定PHD及び最終PSDに寄与する試料中の粒子の割合は少なくなる。この割合が過度に減少することは望ましくない。
新たなLE+LSセンサは2つの別個の光回収サブシステムと、光検出サブシステムを含み、これらのサブシステムは所望のLE型信号及びLS型信号を取り出すために独立して使用される。LE型信号は、入射光の幅の狭いビーム167が、流れセル及び流体‐粒子混合物を通過した後に、ビーム167を遮断するように配置された小さな光反射手段M(例えば、ミラー)を使用して取込むことが可能である。透過したビーム169は、光反射手段Mにより組み合わせセンサの光軸から離れるように偏向されて、近接する光検出手段DLEに入射する。光検出手段DLEは、通常、面積の狭い固体(シリコン)検出器から構成される。その検出器は、線形領域で動作し且つ光源160の波長に整合されたスペクトル応答を有する。それにより、その検出器は、容認できる信号/雑音(S/N)比を有する出力信号を発生する。検出器手段の出力は通常は電流(「光電流」)であり、これを電流/電圧変換器(「トランスインピーダンス」増幅器)170により調整して、図2に概略的に示される時間変動電圧VLE(t)という一般に望まれる形態の出力信号を得ることができる。
あるいは、光ビーム167が流れセルから出た後の光ビーム167の光路の中に直接に小さな検出器要素を配置することも可能であり、その場合には、先に説明した中間光反射手段は不要になる。透過光ビームを「捕捉」するためにミラーを使用するか、又は検出器要素を使用するかに関わらず、必要とされる2つの条件がある。第1に、使用される手段は有効なビーム「ストッパ」として機能しなければならない。すなわち、手段に到達する光束の重要な部分が流れセルに向かって戻るように反射されて、「迷」光になるのを防止することができなければならない。様々な光学面からの意図に反する内面反射によって、迷光の一部は散乱検出手段DLSを目指して進み、最終結果であるLS信号に入射光のの強さの一部を寄与することにより、LS信号に誤りを導入する可能性がある。第2に、以下に説明するように、LE信号を捕捉するために使用される手段は、光検出手段DLSへの再誘導角度における捕捉散乱光線を遮断しないように、従って、遮蔽しないように十分に小さくなければならない。
これとは別個に、OSZ168を通過する粒子から発する散乱光は、θ <θ<θである散乱角θの範囲にわたり回収される。角度θ及びθは、外側の不透明な部分174、透明な中間部分176及び内側の不透明な部分178を含む写真ネガから製造される環状マスク172などの適切な開口手段により規定される。マスク172により選択された散乱光線は、適切な場所に配置された、適切な焦点距離を有する回収レンズ180に入射可能である。回収レンズ180は、発散する散乱光線をほぼ平行なビーム182に変換する。次に、光線を相対的に小さな光検出手段DLSに再び集束するために、通常、第2のレンズ184が使用される。LEサブシステムの場合と同様に、DLSの出力信号は、通常は電流である。最終的な出力が図12に概略的に示される時間変動電圧VLS(t)の形態になるように、この電流は任意に、通常はトランスインピーダンス増幅器186によって調整されることが可能である。
信号VLE(t)及びVLS(t)は、パルス波高アナライザ188及び189によりそれぞれ対応するパルス波高分布PHDへと編成される。その後、PHDはコンピュータデコンボリューション手段190及び191によりそれぞれデコンボリュートされる。コンピュータデコンボリューション手段は、最終的には1対のそれぞれ対応する粒径分布PSD192及び193を計算する。
単純に望まれないサブシステムと関連する光学要素、検出手段及び信号調整回路を除去する(又は初めから設置しない)ことのみにより、この実施例を単独のLE型センサ又はLS型センサとして実現できることは自明である。この場合、LE型センサ又はLS型センサの性能を最適化するために、測定流路内部の集束ビームの幅2wを調整することが有用であろう。先に述べた通り、このパラメータは、使用可能な粒径範囲、一致濃度限界及び検出可能な最小粒径に対して、2つの感知モードで異なる影響を及ぼす。
第2の実施例は図30に概略的に示されている。最大の能力及び融通性を得るために、この実施例もLE型サブシステムとLS型サブシステムの双方を取り入れている。しかし、第1の実施例の場合と同様に、希望に応じて、いずれか一方のサブシステムに必要とされる構成要素のみを設けてもよい。この実施例と図29の実施例との主な相違点は、遠隔場所にある光源194からセンサ内部へ光を搬送し、捕捉されたLE光「信号」及びLS光「信号」をセンサから、同様にセンサの外側に配置されている遠隔光検出手段へ送信するために光ファイバを使用することに関する。この構造の主な特性は、センサ自体の内部に物理的に電子素子又は関連回路が存在していないことである。そのため、この設計に基づくセンサはセンサの設置場所では電力を必要とせず、定義上、使用場所のすぐ近くに存在すると考えられる、漂遊電磁放射を含めた電気的妨害の影響を受けない。
図30に示されるように、外部光源194からの光をセンサハウジングの内部へ搬送するために、光ファイバ190が使用される。この目的のためには、(マルチモードではなく)シングルモード光ファイバを使用するのが必要とは言えないまでも、有用である。遠隔場所にあるレーザーダイオード光源194(適切なレンズ198と共に、ファイバ190の入力端部へ光を投射する)と組み合わせて使用された場合、この種のファイバは光学「空間フィルタ」、又は導波管として有効に機能する。このファイバは、シングルモードの光放射のみを支援可能であることにより、出力端部で空間的に「妨げるものがない」円形ビーム199を送り出す。このビーム199は所望のガウス強さプロファイルを有する。例えば、図30に示されるような2つの集束レンズ200及び201などの単純な光学系を使用することにより、発散する円錐形の光ビームは最終的には測定流路166の内部で、先に述べたような所望の最終幅2wを有する狭いビーム202へと集束される。
流れセルを透過した集束光ビームを捕捉し、光検出手段DLEへ搬送するために光ファイバ204が使用されており、この光検出手段DLEは信号調整回路206に接続され、それらの構成要素は共にセンサの外側に配置されている。ある散乱角の範囲にわたりOSZ168から発する散乱光線を捕捉するために光ファイバ208が使用されており、この場合、不透明部分174及び178、透明部分176、並びにレンズ180及び184を有するマスク172を含めて、第1の実施例のLSサブシステムを実現するために使用されていた光学要素に類似する光学要素が任意に使用される。捕捉された散乱光は別個の光検出手段DLSへ搬送されるが、この光検出手段DLSは信号調整手段210に接続され、それらの手段も共にセンサの外側に配置されている。光ファイバ204及び208は通常はマルチモードであるように選択される。光入力に対して、ファイバ190などのシングルモードファイバにより有効に実行される空間フィルタリングの特性は、光の回収には通常は有効ではない。マルチモードファイバははるかに大きなコアを有する状態で利用できるため、関心ある全ての光線を捕捉するのが容易になり、従って、LE検出サブシステムとLS検出サブシステムの2つのサブシステムの光学的整列に好都合である。信号調整手段206及び210により供給される信号VLE(t)及びVLS(t)はPHA188及び189で解析され、190及び191でデコンボリュートされて、それぞれ対応するPSDを提供する。
図30の実施例は、電気的に受動であるセンサを提供する。そのため、「オンライン」プロセス監視の場面で現れる場合が多い、粒径判定が困難な環境において、この構造が、粒子の粒径判定に適用されるのことは、潜在的に有用である。そのような例の1つは爆発の危険がある環境である。図30の実施例に基づくセンサは、センサの使用/設置の場所に、大掛かりで高価な防爆囲壁(不活性ガスパージングシステムを含む)を設けることを不要にするであろう。別の例は、高レベルの電磁放射又は電力ライン雑音を含み、その結果として、電子回路が誘導雑音の影響を受けやすい環境である。図30のこの実施例を使用することにより、雑音の少ない電気的環境があり、電気的遮蔽がそれほど必要とされない遠隔場所に、光源及び検出手段を配置することが可能になる。
この実施例のもう1つの利点は、複雑さが軽減されるために、低コストになることである。これは、様々に異なる場所に多数のセンサが必要であり、交換や保守が容易であることが重要な問題であると考えられるような用途で大きな利点となる。粒子汚染(被覆)及び/又は溶媒に関連する腐食による内面の損傷のために、流れセルを交換する必要が生じる可能性は別として、他の構成要素の交換が要求されることはない。むしろ、レーザーダイオード光源の交換及び電子回路(光検出手段と関連する)の修理と関連する予測不可能で、長い時間と多くの費用を要する保守は中央の場所で行われることになる。極端な温度及び湿度、有害な/爆発性の雰囲気及び接近作業の困難さを含めた、センサの使用場所における環境上の困難な問題は、中央の最適化された場所でセンササービス機能の大半を実行することにより、おそらくは低減されるか又は全く回避されることが可能である。
図31に概略的に示される第3の実施例は、本発明のLE型感知装置の2つの変形例を同じ物理的センサの中に取り入れている。この新たな「二重LE型」センサは周知の光源160を含むが、この光源は通常は図29の実施例で利用されていたのと同じ種類のレーザーダイオードモジュールであり、ガウス強さプロファイルを有するコリメートされた円形ビーム162を発生する。(あるいは、図30の実施例で考えられていたように、外部の光源手段から光ファイバにより開始光ビームを送り出すことも可能である。)この光ビームは、ビーム分割器手段214により、ほぼ等しい強さの2本のビーム212及び213に分割される。(通常、50/50から60/40、更には70/30までの範囲の強さ比は容認される。)
元の光ビームのうち、ビーム分割器214を通過した部分の幅は、216において、測定流路166の中心で所望の幅2wまで縮小される。このビームは適切な集束手段218を使用して第1のOSZ219を通過する。この集束手段218は、通常、図29の実施例で使用された手段に類似する単一要素レンズ又は多要素レンズである。流れセルを通過した後、このビームは、通常は小さなシリコンフォトダイオードから構成される光検出手段DLE1に入射する。その結果発生する光電流信号は、所望の時間変動LE型信号VLE1(t)を得るために、通常はトランスインピーダンス増幅器を使用して、220で調整される。(あるいは、第2の実施例で考えられていたように、透過した光束を捕捉し、遠隔場所にある光検出手段へ送り出すために、光ファイバを使用することも可能である。)信号VLE1(t)は222で解析されてPHDを形成し、224でデコンボリュートされ、最終的に所望のPSDを形成する。
先に図8A及び図10に関連して論じた通り、所定のどのビーム幅に対しても、容認できる応答の感度、すなわち、粒径dのわずかな変化による最大パルス波高△VLEの著しく大きな変化が存在する粒径の範囲がある。ビーム幅が10〜11μmである場合、先に詳細に説明したように、容認できる感度及び分解能は適切な粒径範囲である約1〜20μmにわたり、すなわち、ビーム幅の10分の1から2倍、すなわち、(0.1−2)x(2w)の範囲にわたり得られる。
従って、第1の新たなLEサブシステムの大きな粒径の終端で、例えば、上記の例を利用すれば、20μmから、有効粒径判定範囲の小さな粒径の終端がほぼ始まるような第2のLE型測定を同じセンサの中に設けることは有用である。これは、第2のLE型サブシステムにより流路で確定されるビーム幅2wが近似関係2x(2w)≒ 0.1x(2w)、すなわち、(2w)≒20x(2w)に従うならば、実現されることが可能である。上記の例を利用すれば、これは第2の集束ビームの幅が200μmであることを示唆しており、従って、第2のLE型サブシステムの有効粒径範囲は約20〜400μmになる。
図31に示されるように、第2のLE型サブシステムは容易に実現される。元の光ビームのうち、ビーム分割器214により偏向された部分213は、適切な向きに設置されたミラー226を使用して、流れセルに向かって再誘導される。流路内部で、適切な集束手段228を使用して、ビーム213の幅は所望の値2wまで縮小される。集束手段228の焦点距離と配置場所は、集束ビーム212について要求される対応するパラメータとは明らかに異なる。あるいは、ビーム213の幅が第2のLE型サブシステムについて望まれる値に既にごく近いと仮定すれば、集束手段を使用せずに、ビーム213を直接に流路に通してもよい。第2のビーム213は測定流路166内の第2のOSZ232を通って導かれ、第2の光検出器DLE2に到達する。信号は234で調整されて信号VLE2(t)を形成する。この信号VLE2(t)は、236で解析されてPHDを形成する。更に、このPHDは238でデコンボリュートされ、最終的に所望のPSDを生成する。
図31に挿入されているグラフ230は、2つのLE型サブシステムにおけるセンサ応答の関係、すなわち、△VLE1とdの関係及び△VLE2とdの関係を概略的に示している。先に述べた例を利用すれば、この二重LE型サブシステムにより広い範囲にわたる粒径を解析することができ、控え目に見ても、推定範囲は1〜400μmである。
2つの新たなLE型サブシステムにより発生される信号は互いに独立している。一般に、各サブシステムにより生成されるPHDは、完全に異なる粒子によって生成されている。各PHDが統計的に意味ある数の粒子カウントを(すなわち、各パルス波高チャネルに)含んでいると仮定すれば、一方のサブシステムにより検出された粒子の一部又は全てが、解析測定中に他方のサブシステムによっても検出されるか否かということは重要ではない。2本のビームの軸を完全に「結集」させると(すなわち、2本のビームの軸が同じx軸値を有する場合)、第2のビームが第1のビームより大きいとすれば、第1のビームにより規定されるOSZを通過する粒子の全てが第2のビームにより規定されるOSZも同様に通過すべきである。実際には、一致効果を回避するために、データを2つの間隔で収集すること、すなわち、最初に、より細い第1のビームについて相対的に高い濃度で収集し、次に大きいほうの第2のビームに対して低い濃度で再び収集することが必要であろう。
第4の実施例は図32Aに概略的に示されている。この実施例は、LE型光センサに加えて、本発明のLS型センサから構成されており、LS型センサは、所望のLS信号VLS(t)を得るために、散乱光が回収され且つ検出手段DLSへ誘導されるときの異なる角度の範囲を選択する手段を含む。先に述べた通り、散乱強さは粒径の強力な関数であるばかりでなく、粒子及びその周囲の流体の双方の屈折率の関数でもある。角度の範囲を適正に選択することにより、積分強さと粒径の関係を表す応答曲線における「反転」(非単調挙動)を回避しつつ、強さ信号全体を最大化することができる。従って、センサ性能を最適化するには、関心用途(粒子の種類)ごとに異なる角度範囲が要求される場合が多い。
所望の角度範囲は、いくつかの異なるアパーチャマスク241、242、243及び244を含むホイールを回転させることにより選択される。各々のマスクは、所望の角度範囲内に入る散乱光線のみを透過させ、それらの光線が光回収レンズに到達できるように設計されている。各々が所望のマスクの適正な整列を保証する、すなわち、マスクの中心が入射ビーム及びレンズにより規定される光軸上にあるように保証するいくつかの適切な位置のうちの1つへ、ホイールが回転される。ホイールは手動操作により所望の位置まで回転され、所定の場所で係止されることが可能である。あるいは、センサの中央制御システムからの電気信号によって、所望のマスクを自動的に位置決めするために、小型モータ246(例えば、ステッパ型)及び歯車・ベルトシステム248を使用することもできる。
図32Bは、4つのマスク241〜244を更に明瞭に示す立面図である。図32Bに挿入されている図は、使用できると考えられる4つの可能な角度範囲を示しており、それらの範囲は、それぞれ、許容最小角度θ及び許容最大角度θにより規定される。マスク241は狭い範囲の小さな角度を選択する。すなわち、θ及びθは共に相対的に小さい。マスク242は広い範囲の角度を選択する。すなわち、θは小さく、θは相対的に大きい。マスク243は狭い範囲の相対的に大きな角度を選択する。すなわち、θは相対的に大きく、θはそれより適度に大きい。マスク244は広い範囲の相対的に大きな角度を選択する。すなわち、θは相対的に大きく、θはそれよりかなり大きい。
図32Aに示されるその他の構成要素は、図29の実施例において同じ図中符号により示される構成要素と同じである。
この実施例の変形においては、図32Aの回転ホイールの代わりに、金属又はプラスチックから製造され且つ単一のアパーチャマスクを含む薄い矩形の板又はカードを使用することができる。この場合、センサハウジングの側面に適正に配置されたスロットにカードを差し込むと、アパーチャマスクが流れセルと回収レンズとの間に正しく整列される。特定の試料に合わせて適切なアパーチャマスクを含む特定のカードを差し込むことにより、その試料を測定するための所望の角度範囲を選択できる。その後、先に説明したように、生PHDデータの処理に続いて、選択された角度範囲に対応する校正曲線を使用してPSDを得る。
あるいは、この実施例の別の変形においては、図32Bの回転ホイールの代わりに、単一の、調整自在の環を使用することができるが、この環は、調整自在の内側不透明絞りを取り囲み且つ内側不透明絞りと同じ中心軸を有する調整自在の外側不透明絞りから構成されている。内側不透明絞りと外側不透明絞りとの間の環状領域は透明であり、流路内のOSZから発する散乱光線を、光回収レンズに到達させ且つ最終的にはLS検出器手段DLSに到達させることを可能とする。散乱光線が回収され、LS信号に寄与するときの散乱角の範囲は、調整自在の透明な環の内周及び外周により規定される。この構成の1つのバージョンでは、機械的装置、例えば、カメラで使用される絞りに類似した且つそれぞれ独立して調整自在である2つの機械的絞りを使用して環状受け入れ領域を調整できる。この変形例の別のバージョンにおいては、2次元液晶ディスプレイなどの電気光学装置を使用して、調整自在の環を実現できる。2組の連続する環形の半透明電極に適切な電極を印加することにより、2つの不透明な内側領域と外側領域との間に適切な透明度を有する環状領域を規定することができる。θ≦θ≦θである所望の散乱角θの範囲は、不透明になること、すなわち、θ<θ及びθ>θになることを望む領域を規定する連続する環状電極の組に電圧を印加することにより選択されることが可能である。
第5の実施例は図33に概略的に示されている。その他の実施例と同様に、この実施例も本発明の新たなLE型SPOSサブシステム又はLS型SPOSサブシステムのいずれか一方、あるいはその双方を含んでいてよい。このSPOSサブシステムでは、OSZを規定するために単一の光源と、ビーム集束手段を使用する。第5の実施例の顕著な特徴は、他の実施例で使用されている円形のガウスプロファイルではなく、楕円形のガウス強さプロファイルを有する光ビームを使用することである。これにより得られる流路内の集束ビームの強さプロファイルは式7により記述される点は変わらないが、量r/wは(x/p) +(z/q)と置き換えられる。式中、p>qである。ビームの中心(x=z=0)における強さをIとするとき、パラメータp及びqは、それぞれ、強さが(1/e)xI、すなわち、0.135Iまで降下するビームの想像上の楕円形面の長半径と短半径である。得られる楕円形の集束ビームの「縦横」比、すなわち、ビームがどれほど細長いかの程度は、p/qとして定義される。限定的な場合、すなわち、p/q = 1である場合には楕円形ビームは円形になる。
通常、コリメーション前に、始めから楕円形の光ビームを発生するレーザーダイオード光源を使用して、楕円形のビームが供給されてもよい。この形状のビームは円柱レンズの組み合わせ、又は非球面レンズの使用によって供給されてもよい。特定の縦横比を有する楕円形ビームが要求される場合には、それらの種類のレンズと組み合わせてレーザー光源を使用すること、又はそのような組み合わせを使用して、縦横比が調整自在である光源を形成することが可能である。従って、光源250は適切な縦横比を有するビームを投射するレーザー光源であってもよいし、あるいは楕円形ビーム252に要求される縦横比を与えるために円柱レンズ及び/又は非球面レンズの組み合わせを含んでいてもよい。その後、レンズ254は楕円形ビームを測定流路166のOSZ内へ集束する。OSZからの光は光検出器DLEにより検出される。次に、256で出力信号を調整することにより信号VLE(t)が発生される。この信号はPHA258で解析されてPHDを提供し、PHDは259でデコンボリュートされ、最終的に所望のPSDを生成する。
先の場合と同様に、集束手段は流路内部で入射光ビームの横断面の大きさを縮小させる。これにより得られる集束ビームの「幅」は、ビームの軸に対して垂直である特定の選択された軸に関してのみ意味を持つようになる。円形ビームの幅を記述するには1つのパラメータ2wで十分であるが、楕円形のビームを記述するためには2つのパラメータ、すなわち、2p及び2qが必要とされる。集束後の楕円形ガウスビームの縦横比は、集束前の元の(コリメートされた)ビームの縦横比と同じである。図33に示されるように、流路内部における集束された楕円形ビームの所望の向きは、通常、幅2pの長軸が粒子の流れの方向に対して垂直になるように定められている。この軸は、流路の幅aを規定する(図3)方向に沿って、x軸に対して平行でもある。集束ビームの、幅2qの短軸はz軸及び流れの方向と平行である。
照明のゾーンを流れセルの幅aに沿って更に拡張させるように、ビームの形状を円形から楕円形に変更したことにより、いくつかの重大な結果が生じる。第1に、その結果形成されるOSZも楕円形の横断面を有する。円形ビームの場合と比較して、所定のレベルの入射光強さがビームの中心軸(x=z=0)から更に遠くまで拡張するようになる。従って、流路を通って流れる粒子のうちのより大きな割合の部分が、検出されるべきLE(又はLS)信号に必要最小限の摂動を発生させ、それにより、測定PHDに寄与する。そのため、所定の粒径dに対応するセンサ効率φは、2p > 2wであるので、同じ総強さ(すなわち、光束)を有する、幅2wの円形ビームに対して得られるであろうと考えられる値と比べて増加する。φの増加がセンサの性能の改善を表すことは一見して明らかであろう。しかし、この「増加」には、センサの一致濃度限界の低下が付随している。主な目標が、更に希釈を行わずに、開始時の試料懸濁液を測定できる濃度を最大にすることであるならば、一致濃度の劣化という犠牲を払ってまでφの改善を実現するのは、おそらく、最終的には不利益につながる。本発明の新たなLE型センサ又はLS型センサの主な明確な特徴の1つは、センサを実際に通過する粒子のうちの相対的にわずかな割合の部分が測定結果に寄与するにすぎないのにも関わらず、相対的に正確で、再現性のあるPSDを得ることが可能であるという点である。必要であるのは、関連パルス波高チャネルの各々で統計的に意味ある数の粒子カウントが収集されることだけである。
通常の円形ビームの代わりに楕円形ビームを使用した第2の結果は、センサの感度が幾分劣化することである。入射する集束ビームにより照明される横断面の面積、従って、対応するOSZの横断面の面積は、流路の幅に沿ってビームが伸長されることによって拡大する。そのため、吸光という意味で、所定の粒径の1つの粒子により有効に「遮蔽」される照明面積の割合は、円形ビームの場合に遮蔽される割合より小さくなる。これは、2w = 2qであるが、2w < 2pであるためである。従って、センサの検出可能な最小粒径閾値は円形ビームの場合の閾値より高くなる。
これとは対照的に、楕円形ビームの第3の成果は有益である。得られるセンサの分解能は向上する。すなわち、原理上、PHDはほぼ同じ粒径の粒子を「より鮮明に」識別できる。この場合、x軸に沿って延出し且つ入射した光の強さがほぼ同じである領域がより長くなる。これは、長軸に沿って伸長された、強さのガウスプロファイルの「最上部」を構成している。そのため、異なる|x|値を有する一組のより大きな軌跡が存在する。その軌跡に対して、粒子がOSZを通過すると、その粒子は、類似した強さの光にさらされる。従って、所定の粒径の均一な粒子に対するPHD応答は「より鮮鋭になる」。PHDのピークにすぐ隣接し、PHDのピークを含む狭いパルス波高範囲の中に入る粒子カウントの割合が多くなり、最大カットオフ値より低いパルス波高に対しては、分布は低いカウント値までより急な傾きで降下する。従って、PHDのデコンボリューションに使用される様々な基本ベクトルについても同じことが当てはまり、その結果、得られるdPHD及び対応するPSDの分解能も向上する。この最後の特性は楕円形ビームの利点となりうる唯一の性質を構成しており、これは先に述べた、楕円形ビームに付随する欠点に勝るものであろう。用途に応じて、ユーザは利点又は欠点の実質を見きわめなければならない。
楕円形ビームがセンサ照明の1つの「極端」から別の極端へ進展してゆく際の中間ステップを表しているという事実を認識することは有用である。本発明で導入されているセンサ設計スペクトルの一端には、幅2wの「厳密」な円形ビームが存在しており、これはできる限り幅の狭い照明領域を形成し、その結果、最大限に不均一の応答を発生させる。先に詳細に説明したように、同じ粒径の粒子に対して、様々に異なる粒子軌跡が最大の範囲のパルス波高を発生させる。この最大限に不均一の照明と関連する重大な欠点、すなわち、パルス波高と粒径との間に最大の可能なあいまいさが存在しており、そこで、測定PHDから妥当な信頼性を有するPSDを「回復」するために、デコンボリューション手続きの使用が要求される。
センサ設計スペクトルの他端には、先に検討した(図1)従来のLE型センサ又はLS型センサにより採用されていた従来の照明方式があり、この場合には、薄い「ナイフの刃」のような入射光が流路に沿って伸びている。原則的には、x軸に沿って(例えば、最大強さで、z=0)入射光の強さの変化はごくわずかである。所定のx軸値に対するz軸に沿った変化はガウスプロファイルに従う。この他方の「極端」なケースでは、所定の粒径の粒子により発生されるパルス波高は、原則的には、全ての軌跡について同じである。従って、測定PHDは、校正係数を別として、実質的に所望の最終PSDと同等であるので、デコンボリューション手続きを必要としない。この状況は、相対的にセンサ感度が劣り且つ一致濃度は劇的に低いことと引き換えに、できる限り高い分解能を実現するという、センサ特性の最も完璧な妥協を表している。従来のLE型センサ又はLS型センサで利用されているこの照明方式は、概念の上では、楕円形ビームを採用し、且つp/qが理想の限界である無限に近づくようにビームを長軸に沿って「延伸」することにより実現される。新たなLE型センサ又はLS型センサで使用するために、適度の縦横比、例えば、p/q = 2〜4を有する楕円形ビームを選択すると、その結果、センサ性能の妥協が図れることは明らかである。得られる粒径分解能は幾分か向上するが、その代わりに感度及び一致濃度は幾分低下する。
新たなLE型センサの第6の実施例が図34に概略的に示されている。光源262により発生され且つコリメートされた相対的に幅の広い開始ビーム261は、その他の6つの実施例で採用されていたような集束手段を使用せずに、流路166に通される。通常、これにより形成される円筒形のOSZの有効幅は容認できないほど大きく、そのため、感度は相対的に不十分になり(すなわち、相対的に高い最小粒径閾値)、一致濃度も相対的に低くなる。これより狭く、より容認できるOSZの有効幅は、透過する光線がLE信号に寄与できる領域を制限するための新規な手段を使用することにより実現されることが可能である。この目的は、図34に示されるLE型センサ構造の「検出側」(光源側の反対側)にある特殊なコリメート光学系の使用によって実現できる。
例えば、非常に狭い受け入れ角度の範囲と、適切な小ささのアパーチャサイズを有する、特別に設計された勾配屈折率(「GRIN」)コリメートレンズ262を利用して、流路を透過した光束全体のうちの相対的に小さな割合の部分を捕捉することが可能である。通常、GRINコリメートレンズ262からの出力を、光ファイバ264により光検出手段DLEまで搬送できると好都合である。光検出手段DLEは適切な信号調整回路266に接続され、先に詳細に説明したようなPHA268におけるその後の処理及び270におけるデコンボリューションに適する所望のLE信号VLEを供給する。GRINコリメートレンズ262は、その受入れアパーチャに応じて、原則的には入射ビーム261の中心軸を密接して取り囲んでいる光線263のみを捕捉し、それにより、形成されるOSZの有効幅を縮小させる。実際には、GRIN要素262は、入射(透過)光ビーム261と関連するガウス強さプロファイルの最上部にあるか、又はその付近にある光線のみを捕捉する。
従って、形成されるOSZに沿った照明の強さは相対的に均一であり、GRINレンズ262により規定される円筒形の受入れ領域の外側に、ほぼ0の照度に至る相対的に鋭い「カットオフ」がある。その結果、開始ビームが相対的に幅広であるとき、所定の粒径dに対するセンサ効率φは、このレンズがない場合に得られるであろうと考えられるセンサ効率より小さくなる。この結果、より小さな粒子に対する感度は高くなり、一致濃度も高くなる。この実施例の場合、OSZはその横断面に沿って均一な強さの円柱に更に厳密に似ており、円柱の「硬い」想像上の表面を越えると、強さは急勾配を描いて0まで降下する。OSZを通過する粒子は、より類似する波高を有するパルスを発生させるため、原理上、得られるPHDのピークはより高く、より狭くなる。従って、得られるPSDの粒径分解能は向上する。避けることのできない欠点は、OSZのカットオフ(「硬い」外側境界)がより鋭くなるために、粒径目盛の高いほうの端部で粒径分解能が相対的に劣ることである。図34に示される単純な方式に基づくセンサの特性及び性能は、GRINレンズ262の詳細な設計仕様によって決まる。
PHDのデコンボリューションで使用される行列は、粒径が左から右へ大きくなるような縦の列と、行列に沿って水平方向に延出し、パルス波高チャネルのサイズが上から下へ大きくなるような行にある基本ベクトルを含むものとして示されているが、様々な方法により行列を変形することは可能であろう。例えば、列基本ベクトルが行基本ベクトルになること、又は列の粒径の増加が右から左へ向かうようにしてもよい。行基本ベクトルが使用される場合、粒径は上から下へ増加するか、又は下から上へ増加させてもよい。同様に、パルス波高列が使用される場合には、パルス波高チャネルは左から右へ、又は右から左へ増加できるであろう。同様に、測定PHDを含む列データソースベクトルを行として配列でき且つ/又は増加の方向をいずれか一方の方向又は反転方向にできるであろうということも認識すべきである。従って、本明細書及び請求の範囲で使用される場合、「列」及び「行」という用語は互換性を有し、増加の方向は反転自在であることが意図されている。
好ましい実施例を参照して本発明を詳細に示し且つ説明したが、本発明の趣旨の範囲から逸脱せずに、実施例の形態及び詳細について上述のような変更及びその他の変更が実施されても差し支えないことは当業者により理解されるであろう。
特許権を請求される発明は添付特許請求の範囲の通りである。

本発明のこれらの目的、特徴及び利点、並びにその他の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照すると更に完全に理解されるであろう。
図1は、従来のLEセンサで通常使用される光学方式の簡略化されたブロック線図である。 図2は、図1の従来のLEセンサにより発生される時間従属出力信号電圧の簡略化された表現であり; 図3は、相対的に薄い流路を流れる粒子を照明するために相対的に幅の狭い、集束されたビームを使用する、以下の説明中、「新たなLE型センサ」と呼ばれる本発明のLE型センサの簡略化されたブロック線図である。 図4は、粒径1.588μmの一様なポリスチレンラテックス(標準)粒子を使用して、図3のLE型センサから得られる典型的なパルス波高分布(PHD)を示す。 図5は、不均一なガウス強さプロファイルを有する入射光ビームに対して、粒子軌跡と得られるPHDとの関係を示す概略図である。 図6は、新たなLE型センサを使用して1.588μmのポリスチレンラテックス(標準)粒子について得られたPHDと、2.013μmのポリスチレンラテックス(標準)粒子について得られたPHDとの比較である。 図7は、0.806μm、0.993μm、1.361μm、1.588μm、2.013μm、5.03μm、10.15μm及び20.0μmの8つの異なる粒径を有する一様なポリスチレンラテックス(標準)粒子について新たなLE型センサを使用して得られたPHDの比較である。 図8Aは、図7に示される8種類のポリスチレンラテックス(標準)粒子懸濁液について最大測定パルス波高と、粒径との関係を示す。 図8Bは、最大パルス波高(100%吸光のうちの百分率として表される)と粒径との関係について理論上の予測(完全吸光、ガウスビーム)と実験結果(図8A、黒丸)との比較を示し、理論上の曲線は10μm(白抜き正方形)、11μm(白抜き丸)及び12μm(白抜き三角形)のビーム幅(1/e)について示している。 図9は、0.806〜20.0μmの範囲にわたる粒径dの関数としての測定センサ効率φの従属性を示す。 図10は、6μm(白抜き丸)、9μm(白抜き正方形)、12μm(白抜き三角形)、15μm(黒丸)、18μm(黒正方形)及び21μm(黒三角形)という様々なビーム幅に対する、最大パルス波高(100%吸光のうちの百分率として表される)と粒径との関係の理論上の予測(完全吸光、ガウスビーム)を示す。 図11は、相対的に薄い流路を流れる粒子を照明するために相対的に幅の狭い、集束された光ビームを使用する、以下の説明中、「新たなLS型センサ」と呼ばれる本発明のLS型センサの簡略化されたブロック線図である。 図12は、新たなLS型センサにより発生される時間従属出力信号電圧の簡略化された表現である。 図13Aは、測定PHDデータをデコンボリュートするために使用できる数理アルゴリズム(行列反転)の流れ図を含む。 図13Bは、測定PHDデータをデコンボリュートするために使用できる数理アルゴリズム(逐次減算)の流れ図を含む。 図14は、PSDを得るために必要とされる測定ステップ及び計算ステップを含めて、新たなLE型センサ及び新たなLS型センサの動作と構造を要約したフローチャートである。 図15Aは、新たなLE型センサを使用して試料「A」(ラテックストライモーダル、0.993μm、1.361μm及び1.588μm)から得られた測定PHD(64チャネル分解能)を示す。 図15Bは、新たなLE型センサを使用して試料「B」(試料「A」と同じであるが、0.993μmラテックスはわずか50%)から得られた測定PHDを示す。 図15Cは、新たなLE型センサを使用して試料「C」(試料「A」と同じであるが、0.993μmラテックスはわずか25%)から得られた測定PHDを示す。 図16Aは、0.722〜20.0μmの粒径範囲にわたる9つの測定基本ベクトルから得られた測定PHDのデコンボリューションのために使用される代表的な32×32行列を示す。 図16Bは、図16Aと同様、0.722〜20.0μmの粒径範囲にわたる9つの測定基本ベクトルから得られた測定PHDのデコンボリューションのために使用される代表的な32×32行列を示す。 図17は、トライモーダル試料「A」、「B」及び「C」(図15A、図15B、図15Cと同じであるが、32チャネル分解能)から得られた測定PHDベクトル(32×1)と、行列反転と逐次減算の双方を使用して、3つの測定PHDベクトルの図16A及び図16Bの行列を使用するデコンボリューションにより得られた結果のdPHDベクトルとを示す。 図18Aは、行列反転アルゴリズムを使用して、試料「A」(ラテックストライモーダル、図15A)について測定PHDから得られた計算上のdPHD(64チャネル)を示す。 図18Bは、行列反転アルゴリズムを使用して、試料「B」(ラテックストライモーダル、図15B)について測定PHDから得られた計算上のdPHDを示す。 図18Cは、行列反転アルゴリズムを使用して、試料「C」(ラテックストライモーダル、図15C)について測定PHDから得られた計算上のdPHDを示す。 図19Aは、逐次減算アルゴリズムを使用して、試料「A」(ラテックストライモーダル、図15A)について測定PHDから得られた計算上のdPHD(64チャネル)を示す。 図19Bは、逐次減算アルゴリズムを使用して、試料「B」(ラテックストライモーダル、図15B)について測定PHDから得られた計算上のdPHDを示す。 図19Cは、逐次減算アルゴリズムを使用して、試料「C」(ラテックストライモーダル、図15C)について測定PHDから得られた計算上のdPHDを示す。 図20Aは、校正曲線(図8A)及びセンサ効率(図9)を使用して、試料「A」について計算上のdPHD(図19A)から得られたPSD(濃度)を示す。 図20Bは、校正曲線(図8A)及びセンサ効率(図9)を使用して、試料「B」について計算上のdPHD(図19B)から得られたPSD(濃度)を示す。 図20Cは、校正曲線(図8A)及びセンサ効率(図9)を使用して、試料「C」について計算上のdPHD(図19C)から得られたPSD(濃度)を示す。 図21Aは、脂肪乳濁液(0.05容積%)の試料について得られた測定PHD(32チャネル)を示す。 図21Bは、図21Aで使用された試料と同じ試料について、0.993μmラテックス粒子の低濃度「スパイク」(3.25×105/ml)を追加した場合に得られた測定PHDを示す。 図21Cは、図21Bで使用された試料と同じ試料について、0.993μmラテックス粒子の低濃度「スパイク」(8.13×104/ml)をわずか25%追加した場合に得られた測定PHDを示す。 図22Aは、図21AにおけるPHDのデコンボリューション(逐次減算)により得られた計算上のdPHD(有効パルス波高領域)を示す。 図22Bは、図21BにおけるPHDのデコンボリューション(逐次減算)により得られた計算上のdPHD(有効パルス波高領域)を示す。 図22Cは、図21CにおけるPHDのデコンボリューション(逐次減算)により得られた計算上のdPHD(有効パルス波高領域)を示す。 図23Aは、校正曲線(図8A)及びセンサ効率(図9)を使用して、計算上のdPHD(図22A)から得られたPSD(濃度、拡張スケール)を示す。 図23Bは、校正曲線(図8A)及びセンサ効率(図9)を使用して、計算上のdPHD(図22B)から得られたPSD(濃度、拡張スケール)を示す。 図23Cは、校正曲線(図8A)及びセンサ効率(図9)を使用して、計算上のdPHD(図22C)から得られたPSD(濃度、拡張スケール)を示す。 図24Aは、試料の濁りが信号電圧に及ぼす影響を修正せずに、ラテックス粒子(2.013μm及び10.15μm)の「スパイク」を追加した脂肪乳濁液(0.5容積%)を含む濁りのある試料から得られた測定PHD(64チャネル)を示す。 図24Bは、図24AのPHDから得られた計算上のdPHD(逐次減算)を示すう。 図24Cは、校正曲線(図8A)を使用して、図24Bの計算上のdPHDから得られた「生」PSD(センサ効率の修正なし)を示す。 図25Aは、基線信号レベルを濁りがない場合の正規レベルまで上昇させた上で、図24Aで使用された試料と同じ試料から得られた測定PHD(64チャネル)を示す。 図25Bは、図25AのPHDから得られた計算上のdPHD(逐次減算)を示す。 図25Cは、校正曲線(図8A)を使用して、図25Bの計算上のdPHDから得られた「生」PSD(センサ効率の修正なし)を示す。 図26Aは、新たなLE型センサにより発生される信号に試料の濁りが及ぼす影響を補償するために使用できる3つの技法のうち1つを開示するブロック線図である。 図26Bは、新たなLE型センサにより発生される信号に試料の濁りが及ぼす影響を補償するために使用できる3つの技法のうち1つを開示するブロック線図である。 図26Cは、新たなLE型センサにより発生される信号に試料の濁りが及ぼす影響を補償するために使用できる3つの技法のうち1つを開示するブロック線図である。 図27Aは、CMP処理に使用されるシリカの水性スラリ(完全濃縮)について得られた測定PHD(32チャネル)を示す。 図27Bは、図27AのPHDから得られた計算上のdPHD(逐次減算、有効パルス波高領域、拡張スケール)を示す。 図27Cは、校正曲線(図8A)及びセンサ効率(図9)を使用して、図27Bの計算上のdPHDから得られたPSD(濃度、拡張スケール)を示す。 図28Aは、0.993μmラテックス粒子の低濃度「スパイク」(1.30×105/ml)を追加した、図27Aで使用された試料と同じシリカスラリ試料について得られた測定PHD(32チャネル)を示す。 図28Bは、図28AのPHDから得られた計算上のdPHD(逐次減算、拡張スケール)を示す。 図28Cは、校正曲線(図8A)及びセンサ効率(図9)を使用して、図28Bの計算上のdPHDから得られたPSD(濃度、拡張スケール)を示す。 図29は、本発明の第1の好ましい実施例を示すブロック線図であす。 図30は、本発明の第2の実施例を示すブロック線図である。 図31は、本発明の第3の実施例を示すブロック線図である。 図32Aは、本発明の第4の実施例を示すブロック線図である。 図32Bは、本発明の第4の実施例を示すブロック線図である。 図33は、本発明の第5の実施例を示すブロック線図である。 図34は、本発明の第6の実施例を示すブロック線図である。

Claims (53)

  1. 流体懸濁液中の粒子の単独粒子光学粒径判定のためのセンサ装置において、
    物理的に明確に規定された測定流路を通過する前記懸濁液の流れを確立させる手段と、
    前記測定流路の内部に光学感知ゾーンを形成するために、前記測定流路を通過するように、軸を有する相対的に幅の狭い光のビームを有効に誘導する照明手段であって、前記光のビーム及び前記光学感知ゾーンは、前記測定流路の大きさに対して、前記センサ装置が前記測定流路を通って流れる粒子の総数のうちのごく一部にのみ応答し、それにより、前記センサ装置が相対的に濃縮された流体懸濁液に有効に応答するような大きさであり、前記ビームは、最大強さ部分と、前記最大強さ部分から前記軸に対して横方向に間隔をおいて配列された複数の位置に対応する一連の、最大強さより低い強さの部分とを有し、それにより、前記粒子のうちの一部は前記最大強さ部分を通過する軌跡を有し、前記粒子のうちの他の部分は前記より低い強さの位置を通過する軌跡を有し、前記粒子のうちの更に別の部分は前記ゾーンの外側に軌跡を有する場合もあるような照明手段と、
    前記ゾーンからの光を光検出して、複数のパルス波高信号を供給する検出器手段であって、各々のパルス波高信号は、前記ゾーンを通って流れる1つの粒子に応答しており、前記パルス波高信号は、検出される粒子の粒径及び軌跡の関数であり、所定の粒径の粒子は、前記ゾーンの前記最大強さ部分を通って流れるときには、最大パルス波高信号を供給し、前記ゾーンの前記より低い強さの位置を通って流れるときには、より小さなパルス波高信号を供給し、前記パルス波高信号は合体して、1つのパルス波高分布PHDを形成するような検出器手段と、
    前記パルス波高分布から、前記流体懸濁液中の前記粒子の粒径分布PSDを取り出すために、前記パルス波高分布を数学的にデコンボリュートする手段と、
    を備えるセンサ装置。
  2. 前記ビームの前記最大強さ部分は、前記ビームの中心部分である請求項1記載のセンサ装置。
  3. 前記センサ装置は、前記流体懸濁液に関連するある所定の粒径又は所定の範囲の粒径を有する、統計的に意味ある数の粒子を検出する請求項1記載のセンサ装置。
  4. 前記測定流路は、前記光のビームの軸方向に厚さ寸法を有し、前記ビームに対して横方向に幅寸法を有し、前記厚さ寸法及び幅寸法に対してほぼ垂直の流れ方向を有し、前記ビームは前記幅方向で前記測定流路より狭い請求項1記載のセンサ装置。
  5. 前記ビームは、前記厚さ寸法より相当に大きい被写界深度をもって集束され、前記ビームは、実質的に、前記厚さ寸法に沿って大きく変化しない有効幅を有する請求項4記載のセンサ装置。
  6. 前記ビームは、前記ビーム中の、前記より低い強さが前記最大強さの所定の割合まで降下する、前記軸に対して横方向の互いに対向する位置の間で有効幅を有し、前記有効幅は、関心ある最大の粒子を有効に粒径判定できるように選択されている請求項1記載のセンサ装置。
  7. 自然対数系の底をeとするとき、前記所定の割合は、前記最大強さの1/e2であり、前記有効幅は粒径判定されるべき最大の粒子の粒径のほぼ2分の1である請求項6記載のセンサ装置。
  8. 前記光ビームは、ガウス強さプロファイルを有する請求項1記載のセンサ装置。
  9. 前記光ビームは、円形の横断面を有する請求項1記載のセンサ装置。
  10. 前記光ビームは、粒子の流れに対して横の方向に幅広である楕円形の横断面を有する請求項1記載のセンサ装置。
  11. 前記検出器手段は、吸光型検出器を備える請求項1記載のセンサ装置。
  12. 前記検出器手段は、吸光型検出器と光散乱型検出器の双方を備える請求項1記載のセンサ装置。
  13. 前記光散乱型検出器手段は、前記ビームに対して第1の角度と第2の角度との間で散乱された光を選択するために、前記ゾーンからの散乱光の一部をマスクに通す手段と、前記ゾーンを透過した前記光の一部を吸光型検出器へ誘導する手段とを備える請求項12記載のセンサ装置。
  14. 前記検出器手段は、前記光学感知ゾーンからの前記光の一部を前記吸光検出器へ偏向させるミラーを備える請求項12記載のセンサ装置。
  15. 前記照明手段は、光源と、前記光源からの光を前記光学感知ゾーンへ搬送し、前記ゾーンを通るように前記光を投射する光ファイバ手段とを備える請求項12記載のセンサ装置。
  16. 前記検出器手段は、前記光学感知ゾーンを通過する前記光を前記吸光型検出器へ搬送する光ファイバ手段を備える請求項12記載のセンサ装置。
  17. 前記検出器手段は、前記ビームに対して第1の角度と第2の角度との間で散乱される光を選択するために、前記ゾーンから散乱される前記光の一部をマスクに通す手段と、前記光の前記一部を光散乱型検出器へ搬送する光ファイバ手段とを備える請求項12記載のセンサ装置。
  18. 前記検出器手段は、光散乱検出器を備える請求項1記載のセンサ装置。
  19. 前記照明手段は、前記測定流路内部に位置決めされた1対の光学感知ゾーンを通って誘導される2本の光ビームを供給し、各ビームは所望の最大粒径により判定される有効幅を有する請求項1記載のセンサ装置。
  20. 前記検出器手段は、光散乱検出器と、前記ゾーンから散乱される光を、複数のマスクを備えるマスク手段に通す手段と、前記ゾーンから散乱される前記光を通すために前記マスクのうちの1つを選択する手段とを具備し、各マスクは前記光が相互間で散乱される異なる角度を規定する請求項1記載のセンサ装置。
  21. 前記マスクは、回転自在のホイールの上に配置されており、前記ホイールを所望の位置まで回転させることにより、1つのマスクが選択される請求項20記載のセンサ装置。
  22. 前記照明手段は、前記光学感知ゾーンを通して相対的に幅の広いコリメートビームを投射し、前記照明手段は、前記ビームの前記軸を近接して取り囲む光線のみを捕捉することにより、前記ビームの有効幅を、前記ビームの前記軸に対して横の方向の、粒径判定されるべき最大の粒子の粒径のほぼ2分の1である幅まで縮小させるための受け入れ開口部と、前記光線を前記検出器手段に結合する手段とを備える請求項1記載のセンサ装置。
  23. 前記光線を結合する手段は、光ファイバ手段を備える請求項22記載のセンサ装置。
  24. それぞれ関連する粒径の統計的に意味ある数の粒子は、前記ゾーンの全ての部分及び全ての位置を通って流れる請求項1記載のセンサ装置。
  25. 前記流体懸濁液は、相対的に濃縮されており、前記装置は、前記懸濁液の濁りを補償するための手段を更に備える請求項1記載のセンサ装置。
  26. 前記検出器手段は、吸光原理に基づいて動作して、基線電圧レベルを有する信号を供給し、前記パルス波高信号は、前記基線電圧レベルから下向きに延びるパルスとして現れ、 前記懸濁液の濁りを補償するための手段は、前記基線電圧レベルを感知し、前記懸濁液に濁りがないときに存在しているほぼ前記基線電圧レベルまで前記レベルを自動的に上昇させるための手段を備える請求項25記載のセンサ装置。
  27. 前記検出器手段は、吸光原理に基づいて動作して、基線電圧レベルを有する信号を供給し、前記濁りを補償するための手段は、前記流体懸濁液が濁っていないときの前記基線電圧レベルと、前記濁った流体懸濁液の前記基線電圧レベルとの比に応答して前記パルス波高信号を修正する手段を備える請求項25記載のセンサ装置。
  28. 前記検出器手段は、吸光原理に基づいて動作して、基線電圧レベルを有する信号を供給し、前記濁りを補償するための手段は、前記流体懸濁液が濁っていないときの前記基線電圧レベルと、前記濁った流体懸濁液の前記基線電圧レベルとの比に応答して、前記照明手段により発生される光の量を増加させることにより、前記光のビームの強さを調整するための手段を備える請求項25記載のセンサ装置。
  29. 前記粒子の軌跡は、前記測定流路の幅に沿ってほぼ均一に分布している請求項1記載のセンサ装置。
  30. 前記パルス波高分布をデコンボリュートする手段は、各々が1つの特定の粒径に対応する複数の基本ベクトルと、前記検出器手段により検出される流体懸濁液の測定パルス波高分布を表現するソースベクトルと、デコンボリューションアルゴリズムを使用して、前記パルス波高分布から前記粒径分布を取り出す手段とを備える請求項1記載のセンサ装置。
  31. 前記基本ベクトルのうちの少なくともいくつかは、既知の粒径を有する粒子の測定に基づく値を有する請求項30記載のセンサ装置。
  32. 前記基本ベクトルのうちのいくつかは、既知の粒径を有する粒子の測定に基づく値を有し、前記基本ベクトルのうちの他の基本ベクトルは、補間及び/又は補外により前記基本ベクトルのうちの前記いくつかから計算される請求項30記載のセンサ装置。
  33. 前記基本ベクトルは、計算される請求項30記載のセンサ装置。
  34. 前記基本ベクトルは、行列の列基本ベクトルであり、前記デコンボリューションアルゴリズムを使用する手段は、行列反転及びベクトル乗算を実行する請求項30記載のセンサ装置。
  35. 前記デコンボリューションアルゴリズムを使用する手段は、逐次減算を実行する請求項30記載のセンサ装置。
  36. 前記デコンボリューションアルゴリズムを使用する手段は、さらに、
    デコンボリュート済みパルス波高分布dPHDを提供し、前記装置は、パルス波高と粒径との関係の校正曲線を提供する手段と、
    前記校正曲線を使用して、dPHD中の各デコンボリュート済みパルス波高値をこのパルス波高値と関連する特定の粒径に変換し、それにより、「生」粒径分布PSDを提供する手段と、各粒径の粒子に対して前記装置により実際に検出される粒子の割合をφdとするとき、値1/φdを乗算することにより前記生PSDを再正規化することによって、前記生PSDを最終PSDに変換する手段と、
    を備える請求項30記載のセンサ装置。
  37. 前記粒子の軌跡は、前記測定流路の幅に沿って不均一に分布しており、前記基本ベクトルは、前記流体懸濁液と同じ不均一な粒子軌跡の分布を伴って前記測定流路を通って流れる既知の粒径を有する粒子の応答に基づいている請求項30記載のセンサ装置。
  38. 前記センサ装置は、前記測定流路を通って流れる粒子の総数のうちの一部分にのみ応答する請求項30記載のセンサ装置。
  39. 請求項1に記載のセンサ装置における不均一な光視野を通って複数の異なる軌跡に沿って流れる未知の粒径を有する粒子から取り出されるパルス波高分布のデコンボリューションのために行列を作成する方法において、
    前記行列について、少なくとも1つの粒径の粒子に対応する少なくとも1つの計算基本ベクトルの値を判定する工程を備え,
    前記少なくとも1つの計算基本ベクトルは理論モデルから計算される方法。
  40. さらに、他の粒径の粒子に対応する前記行列の他の基本ベクトルを、計算基本ベクトルから計算する工程を備える請求項39記載の方法。
  41. 請求項1に記載のセンサ装置における不均一な光視野を通って複数の異なる軌跡に沿って流れる未知の粒径を有する粒子から取り出されるパルス波高分布をデコンボリュートする方法において、
    複数の列を有する行列をセットアップする工程であって、各々の列は、既知の粒径を有する粒子に対する前記装置の光検出器の応答に対応する、前記既知の粒径を有する粒子のパルス波高分布を備える1つの基本ベクトルを含み、順次連続する列は、順次大きくなる粒径の粒子に対応する基本ベクトルを含み、前記行列は、同様に複数の行を更に有し、各々の行は順次連続するパルス波高チャネルに対応し、各チャネルはある範囲のパルス波高を含み、順次連続する行は、順次大きくなるパルス波高に対応し、各列は、前記列と関連する前記既知の粒径の粒子に対応するパルス波高に関連する行に対応する場所で、最大カウントパルス波高値を有しており、順次連続する列の前記最大カウントパルス波高値は前記行列の対角線上に配列されているような、行列をセットアップする工程と、
    1つの列において前記最大カウントパルス波高値より大きいパルス波高値に対応する全ての項を0に設定することにより、前記行列を修正する工程と、
    デコンボリューションアルゴリズムを使用して、前記パルス波高分布及び修正された前記行列の行列反転及びベクトル乗算を実行する工程と、
    を備える方法。
  42. 前記修正する工程に先立って、前記最大カウントパルス波高値を1.0と等しくなるように設定し且つ前記列中の他の全てのカウントのパルス波高値を、前記他のカウントのパルス波高値が前記列の前記最大カウントパルス波高値に対して有するのと同じ割合値を1.0に対して維持する値に設定することにより、前記列中の前記基本ベクトルの値を再正規化する工程を備える請求項41記載の方法。
  43. 前記実質的に既知の粒径を有する粒子を、前記装置を通過するように送り出し、且つ前記既知の粒径の粒子に対する前記装置による応答を提供することにより、前記基本ベクトルのうちのいくつかについて、前記既知の粒径の粒子に対する前記光検出の前記応答が実験的に開発され、
    前記基本ベクトルのうちのいくつかから、残る基本ベクトルに関する前記応答を補間及び/又は補外することにより、前記残る基本ベクトルに関する前記光検出器の前記応答を計算する工程を備える請求項41記載の方法。
  44. 前記既知の粒径の粒子に対する前記光検出器の前記応答が、前記基本ベクトルのうちのいくつかについて計算され、残る基本ベクトルに関する前記光検出器の前記応答は、前記いくつかの基本ベクトルからの前記応答を補間及び/又は補外することにより計算される請求項41記載の方法。
  45. 請求項1に記載のセンサ装置における不均一な光視野を通って複数の異なる軌跡に沿って流れる未知の粒径を有する粒子から取り出されるパルス波高分布PHDをデコンボリュートする方法において、
    複数の列を有する行列をセットアップすることであって、各々の列は、実質的に既知の粒径を有する粒子に対する前記装置の光検出器の応答に対応する、前記既知の粒径を有する粒子のパルス波高分布を備える1つの基本ベクトルを含み、順次連続する列は、順次大きくなる粒径の粒子に対応する基本ベクトルを含み、前記行列は、同様に複数の行を更に有し、各々の行は順次連続するパルス波高チャネルに対応し、各チャネルはある範囲のパルス波高を含み、順次連続する行は、順次大きくなるパルス波高に対応し、各列は、前記列と関連する前記既知の粒径の粒子に対応するパルス波高に関連する行に対応する場所で、最大カウントパルス波高値を有しており、順次連続する列の前記最大カウントパルス波高値は前記行列の対角線上に配列されているような、行列をセットアップする工程と、
    逐次減算アルゴリズムを実現する工程と、を備え、
    前記逐次減算アルゴリズムは、
    最大の行番号にある最大カウント値を有する基本ベクトルから始める工程と、列番号と一致するPHD中の行の値に対応する係数により、列基本ベクトルをスケーリングする工程と、
    前記スケーリングされた基本ベクトルをPHDから減算して、デコンボリュート済みPHD(dPHD)の1つの要素を形成し、より少ない数の合計粒子を含む中間PHDベクトルを残す工程と、
    PHD全体が使い果たされ且つデコンボリュート済みdPHDの全ての要素が形成されるまで、残る基本ベクトルを使用してこのプロセスを繰り返す工程と、を備える方法。
  46. 流体懸濁液中の粒子の粒径を光学的に判定する方法において、
    単独粒子光学粒径判定センサ装置の物理的に明確に規定された測定流路を通る前記懸濁液の流れを確立させる工程であって、前記測定流路の内部に光学感知ゾーンを形成するために、軸を有する光のビームが前記測定流路を通るように誘導され、前記光のビーム及び前記光学感知ゾーンは、前記測定流路の大きさに対して、前記センサ装置が前記測定流路を通って流れる粒子の総数のうちのごくわずかな割合の部分に応答するような大きさであり、それにより、前記センサ装置は相対的に濃縮された流体懸濁液に有効に応答し、前記ビームは前記ビーム中に最大強さ部分を有し、且つ前記軸から横方向に間隔をおいた前記ビーム中の複数の位置に対応する一連の、より低い強さの部分を有し、それにより、前記粒子のうちの一部は、前記最大強さ部分を通過する軌跡を有し、前記粒子のうちの他の粒子は、前記より低い強さの位置を通る軌跡を有し、前記粒子のうちの更に別の粒子は前記ゾーンの外側に軌跡を有する場合もあるように、前記懸濁液の流れを確立させる工程と、
    前記ゾーンを通って流れる1つの粒子に各々が応答している複数のパルス波高信号を供給するために、前記ゾーンからの光を検出することであって、前記パルス波高信号は、検出される粒子の粒径及び軌跡の関数であり、前記パルス波高信号は合体して、パルス波高分布PHDを形成するような、光を検出する工程と、
    前記PHDから、前記流体懸濁液中の前記粒子の粒径分布PSDを取り出すために、前記PHDを数学的にデコンボリュートし、処理する工程と、
    を備える方法。
  47. 前記PHDを数学的にデコンボリュートする工程は、
    前記単独粒子光学粒径判定装置を通って流れる既知の粒径を有する粒子に対する応答を測定することにより、少なくとも1つの実験基本ベクトルの値を判定する工程と
    前記実験基本ベクトルから、他の粒径の粒子に対応する他の基本ベクトルを補間及び/又は補外することにより、前記他の基本ベクトルを計算する工程と、
    を含む請求項46記載の方法。
  48. さらに、前記単独粒子光学粒径判定装置を通って流れる既知の粒径を有する粒子に関する追加実験基本ベクトルの値を判定する工程と、
    少なくとも1つの実験基本ベクトル及び前記追加実験基本ベクトルから、前記行列の、他の粒径を有する粒子に対応する前記他の基本ベクトルを補間及び/又は補外することにより、前記他の基本ベクトルを計算する工程と、
    を含む請求項47記載の方法。
  49. さらに、少なくとも1つの粒径の粒子に対応する少なくとも1つの計算基本ベクトルの値を判定する工程を含む請求項47記載の方法。
  50. さらに、計算基本ベクトルから、他の粒径の粒子に対応する他の基本ベクトルを補間及び/又は補外することにより、前記他の基本ベクトルを計算する工程を含む請求項49記載の方法。
  51. 前記PHDをデコンボリュートし、処理する工程は、
    複数の列を有する行列をセットアップする工程であって、各々の列は、既知の粒径を有する粒子に対する前記装置の光検出器の応答に対応する、前記既知の粒径を有する粒子のパルス波高分布を備える1つの基本ベクトルを含み、順次連続する列は、順次大きくなる粒径の粒子に対応する基本ベクトルを含み、前記行列は、同様に複数の行を更に有し、各々の行は順次連続するパルス波高チャネルに対応し、各チャネルはある範囲のパルス波高を含み、順次連続する行は、順次大きくなるパルス波高に対応し、各列は、前記列と関連する前記既知の粒径の粒子に対応するパルス波高に関連する行に対応する場所で、最大カウントパルス波高値を有しており、順次連続する列の前記最大カウントパルス波高値は前記行列の対角線上に配列されているような、行列をセットアップする工程と、
    1つの列において前記最大カウントパルス波高値より大きいパルス波高値に対応する全ての項を0に設定することにより、前記行列を修正する工程と、
    デコンボリューションアルゴリズムを使用して、前記パルス波高分布及び修正された前記反転行列の行列反転及びベクトル乗算を実行する工程と、
    を含む請求項46記載の方法。
  52. 既知の粒径を有する前記粒子に対する前記光検出器の前記応答は、前記基本ベクトルのうちのいくつかについて、前記装置を通過するように前記既知の粒径を有する粒子の流れを誘導し、且つ既知の粒径を有する前記粒子に対する前記装置による応答を提供することにより実験的に開発され、
    前記基本ベクトルのうちのいくつかから、残る基本ベクトルに関する前記光検出器の前記応答を補間及び/補外することにより、前記残る基本ベクトルに関する前記光検出器の前記応答を計算することを含む請求項51記載の方法。
  53. 前記PHDを数学的にデコンボリュートする工程は、デコンボリューションアルゴリズムを使用して、デコンボリュート済みパルス波高分布dPHDを提供することを含み、前記方法は、さらに、
    パルス波高と粒径との関係の校正曲線を提供する工程と、前記校正曲線を使用して、dPHD中の各デコンボリュート済みパルス波高値をこのパルス波高値と関連する特定の粒径に変換して、PSD中の「生」粒径分布を提供する工程と、各粒径の粒子に対して前記装置により実際に検出される粒子の割合をφdとするとき、前記生PSD値1/φdを乗算することにより前記生PSDを再正規化することによって、前記生PSDを最終PSDに変換する工程とを含む請求項46記載の方法。
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