JP4807413B2 - アンテナおよびそのアンテナを備えた通信装置 - Google Patents

アンテナおよびそのアンテナを備えた通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えばパソコン等に挿入装着される基板等のグランド面上に取り付けられ、情報通信等の無線通信を行うためのアンテナに関するものである。また、本発明は、そのアンテナを備えた通信装置に関するものである。
例えば無線通信を行うためのアンテナとして、モノポールアンテナ(例えば、特許文献1、参照。)や、パッチアンテナ、逆Fアンテナ等、様々なアンテナが提案されている。
図12に示すアンテナは、逆Fアンテナ(特許文献2、参照。)である。この逆Fアンテナは、三角形状の板状のアンテナ素子42を、アース板41上に間隔を介して配置して形成されている。アンテナ素子42の各辺の中央部には、それぞれショート板43が設けられている。給電点44がアンテナ素子42の重心位置に配置され、この給電点44からアンテナ素子42に給電される。ショート板43は、アンテナ素子42に対し直角に曲げられている。そして、ショート板43の先端がアース板41に電気的に接続されることによって、アンテナ素子42の各辺の中央部をアース板41に短絡している。
また、図13に示すアンテナも、逆Fアンテナ(特許文献3、参照。)である。この逆Fアンテナは、アース板41等の接地導体上に、放射導体板46を配置して形成されている。放射導体板46は、接地導体面に対向してほぼ平行に配置されている。給電導体板47が、前記放射導体板46の外縁から略直角に延出され、給電回路に接続されている。短絡導体板48,49が、前記放射導体板46の外縁の複数箇所から略直角に、延出されている。放射導体板46の電気長は、共振波長の約4分の1に設定されている。
短絡導体板48は、放射導体板46の辺のうち、給電導体板47が設けられている辺に隣り合う辺から延出されている。短絡導体板49は、放射導体板46の辺のうち、給電導体板47が設けられている辺と同じ辺から延出されている。短絡導体板48と短絡導体板49は、給電導体板47から互いに異なる距離離れた部位に設けられている。
特許公報第3457672号 特許公報第2745489号 特開2004―312166号公報
しかしながら、上記のような逆Fアンテナは、指向性がアース板41等に対して水平面でヌル点を有するため、アンテナの向きによって通信できない場合があるといった問題があった。また、上記のような逆Fアンテナは、広帯域化を行う場合、アンテナ高さを大きくとる必要があった。
また、上記図12、図13に示した逆Fアンテナは、いずれも、ショート板43や短絡導体板48,49等の短絡部を非対称な位置に形成する。そのため、上記図12、図13に示した逆Fアンテナは、アンテナの実装向きに制限が生じる。さらに、上記図12、図13に示した逆Fアンテナは、アンテナ効率や周波数帯域を増やそうとすると、基板の共振を活用するために、基板端付近に上記短絡部を設ける必要がある。そのため、アンテナ設置位置に制約が生じるといった問題もあった。
また、パッチアンテナ単体においては、低背で広帯域特性を持たせることは難しい。そのため、上記特許文献1に示されているようなモノポールアンテナにおいては、使用する誘電体の誘電率が大きいと、通信回路とのマッチングが困難であるといった問題がある。
この発明は、次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明のアンテナは、
グランド面上に該グランド面と間隔を介して配置されて予め定めた低域波長λと高域波長λとで共振する板状の放射素子を有し、
該放射素子の周縁部には給電回路に接続される給電部と、一対の短絡部とが設けられ、
前記給電部は前記放射素子の一端側に設けられ、
前記対の短絡部は前記給電部から前記放射素子の周縁方向に沿って互いに反対側であって、それぞれ給電部から短絡部に流れる高域共振の電圧が零となる部位の領域に設けられ、
前記短絡部は前記グランド面側に伸設されて該グランド面に接続されており、
前記放射素子の前記給電部とは反対側となる他端側は開放端と成しており、
前記放射素子の一端側から前記開放端までの電気長は該放射素子の高域共振波長λの1/2に形成されていることを特徴としている。
また、この発明の通信装置は、本発明において特有な構成を持つアンテナを備えていることを特徴としている。
この発明のアンテナは、グランド面上に、該グランド面と間隔を介して配置された板状の放射素子と、この放射素子の周縁部に設けられる給電部と一対の短絡部とを設けて形成されている。放射素子は、予め定めた低域波長λと高域波長λとで共振するものとする。そして、前記対の短絡部は、放射素子の一端側の周縁部に設けられる給電部から前記放射素子の周縁方向に沿って互いに反対側であって、それぞれ給電部から短絡部に流れる高域共振の電圧が零となる部位の領域に設けられている。そのため、この発明のアンテナは、低域共振波長λの電流により、モノポールアンテナモードもしくはループアンテナモードの共振を発生させることができる。また、この発明のアンテナは、前記放射素子の前記給電部とは反対側となる他端側は開放端と成し、前記放射素子の一端側から前記開放端までの電気長は該放射素子の高域共振波長λの1/2に形成されている。そのため、この発明のアンテナは、波長λの電流により、パッチアンテナモードの共振を発生させることができる。
つまり、この発明のアンテナは、モノポールアンテナモードもしくはループアンテナモードの共振と、パッチアンテナモードの共振との2つの共振を発生させることができる。それにより、この発明のアンテナは、低背で広帯域化が可能となる。また、前記2つの共振の内、特に低域側は逆Fアンテナモードでないため、水平方向にヌル点を有することが無い。したがって、この発明のアンテナは、水平面方向の全方向で電波の受信や送信を可能にできる。
また、この発明のアンテナにおいて、放射素子の開放端側にはグランド面側に伸長された伸長部が形成されて該伸長部の先端側が開放端と成し、該開放端とグランド面との間に高域共振波長λの電気長に寄与する容量が形成されているアンテナがある。この構成を有するアンテナは、前記容量の形成ができ、かつ、アンテナ長を長くできるので、高域共振波長を低周波数側にシフトでき、アンテナの小型化が可能となる。
さらに、給電部と短絡部と伸長部の少なくとも一つをその幅が連続的又は段階的に変化するように形成したアンテナにおいては、以下の効果を奏することができる。つまり、給電部の幅を放射素子側に向かうにつれて広幅となるように変化させる構成は、広帯域にマッチングをとることができる。また、短絡部の幅を変化させる構成は、低域共振の周波数を下げることができる。さらに、伸長部の幅を変化させる構成は、広域化を実現できる。
さらに、給電部と短絡部と伸長部の少なくとも一つに切り欠き部を形成した構成においては、以下の効果を奏することができる。つまり、このアンテナは、例えば電流が集中して流れる部分にスリット等の切り欠き部を形成することにより、L性を増加させることができ、共振周波数を効率的に下げることができる。
また、この発明のアンテナにおいて、マッチング素子を形成したり、マッチング用スリットを形成したりすることにより、以下の効果を奏することができる。つまり、給電部に接続される給電回路のインピーダンスとアンテナのインピーダンスとを整合するための外付けの部品(L性やC性を調整する部品)を省くことができ、省スペース化が可能となる。
さらに、この発明のアンテナにおいて、グランド面と放射素子との間に、誘電体基体を設けることにより、アンテナの小型化を図ることができる。
さらに、この発明のアンテナを備えている通信装置は、アンテナが前記各効果を奏することができるので、広帯域化が可能で、特に水平面方向(グランド面方向)の全方向で電波の受信や送信が可能な通信装置を形成できる。
第1実施例のアンテナを説明するための図である。 回路基板上に本発明のアンテナを設ける場合の配設位置の例を説明する図である。 第1実施例のアンテナをグランド面側から見た斜視図により示す説明図である。 第1実施例のアンテナの動作を説明するための図である。 第1実施例のアンテナの動作を説明するための図である。 第1実施例のアンテナの試作例におけるVSWR特性を示すグラフである。 上記試作例のアンテナの電界面のzy平面における指向性を求めた例を示すグラフである。 上記試作例のアンテナの電界面のzy平面における指向性の角度を説明するための図である。 上記試作例のアンテナの低域共振の電界面を三次元で求めた例を示す図である。 上記試作例のアンテナの高域共振の電界面を三次元で求めた例を示す図である。 第2実施例のアンテナの斜視構成を説明するための図である。 短絡部の他の形成態様例を説明するための図である。 短絡部の他の形成態様例を説明するための図である。 短絡部の他の形成態様例を説明するための図である。 給電部の他の形成態様例を説明するための図である。 第3実施例のアンテナを説明するための図である。 第4実施例のアンテナを説明するための図である。 他の実施例のアンテナにおけるマッチングスリット形成態様例を説明するための図である。 特許文献2に記載のアンテナを説明するための図である。 特許文献3に記載のアンテナの一つを説明するための図である。
符号の説明
1 アンテナ
2 放射素子
3 給電部
4 回路基板
5 グランド面
6 開放端
7,8 短絡部
9 伸長部
10 誘電体基体
13,14,15 スリット
18,19 折り曲げ部
20 マッチング用スリット
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1には、第1実施例のアンテナ1が、回路基板4と共に模式的な斜視図により示されている。このアンテナ1は、例えば図2の平面図に示されるような、回路基板4を備えたデータ通信装置等に適用されるものである。該回路基板4の表面にはグランド面5が形成されている。なお、図1、図2は、水平方向(グランド面5の形成方向)を、互いに直交するx軸とy軸とし、x軸とy軸に直交する方向をz軸として示している。
アンテナ1は、グランド面5上に、該グランド面5と間隔を介して配置された板状の放射素子2を有している。該放射素子2の周縁部には、給電回路(図示せず)に接続される給電部3と、一対の短絡部7,8とが設けられている。本実施例において、放射素子2は正方形状であり、また、短絡部7,8は、放射素子2のY軸方向の中央部において互いに対向する位置に形成されている。第1実施例は、このように、放射素子2を正方形状として、短絡部7,8を互いに対向する位置に形成する構成により、アンテナ1の実装向きを自在に設定できる。
放射素子2は、予め定めた低域波長λと高域波長λとで共振するものである。この放射素子2の一端側に給電部3が設けられており、給電部3はグランド面5側に伸設されている。前記対の短絡部7,8は、給電部3から放射素子2の周縁方向に沿って互いに反対側であって、それぞれ前記給電部3から短絡部7,8に流れる高域共振の電圧が零となる部位の領域に設けられている。短絡部7,8は前記グランド面5側に伸設されて該グランド面5に接続されている。
前記放射素子2は、前記給電部3の形成位置と反対側となる他端側が、開放端6と成している。該開放端6側にはグランド面5側に伸長された伸長部9が形成されて、該伸長部9の先端側が開放端6と成している。開放端6とグランド面5との間に高域共振波長λの電気長に寄与する容量が形成されている。放射素子2の一端側から開放端6までの電気長は、放射素子2の高域共振波長λの1/2に形成されている。
また、本実施例において、放射素子2と前記グランド面5との間には、誘電体基体10が設けられている。この誘電体基体10は、図3に示すように、その周縁部を除く領域がくりぬかれた状態に形成されている。誘電体基体10は、放射素子2の下面(グランド面5に対向する面)に沿った領域と放射素子2の周縁部に沿った領域に形成されている。つまり、誘電体基体10が形成されている領域は、給電部3および短絡部7,8の形成されている領域であり、放射素子2に電流が集中して流れる領域である。
本実施例のアンテナ1は以上のように構成されている。このアンテナ1において、低域の共振経路は、図4aの実線矢印Aおよび図4bの実線矢印Aに示すように、給電部3→放射素子2→短絡部7,8となる。本発明者がアンテナ1を試作し、入力位相を(例えば90°と270°において)変えて電界分布を解析したところ、いずれも、給電部3側に強く電波の放射を確認できた。このことから、アンテナ1は、低域共振波長において、モノポールアンテナモードもしくはループアンテナモードで動作していることが確認できた。
なお、低域共振波長の電波の放射は、図4bの破線矢印Bに示すように、放射素子2の開放端6に向かう方向にも見られた。しかし、これは、短絡部7,8からの反射波が放射素子2の開放端6側に向かう経路で発生していると考えられる。
一方、高域の共振経路は、図4aの破線矢印Bに示すように、放射素子2の一端側から開放端6側に向かう経路となる。本発明者がアンテナ1を試作し、入力位相を(例えば90°と270°において)変えて電界分布を解析したところ、放射素子2からグランド面5に向かう電界の向きは、短絡部7,8の形成位置を境にして逆方向になることが確認できた。このことから、アンテナ1は、高域共振波長において、定在波の共振が共振波長の1/2(共振周波数のλ/2)であり、パッチアンテナモードで動作していることが確認できた。
なお、試作したアンテナ1は、45mm×100mmの回路基板4上に形成したものである。アンテナサイズは、20mm×20mmで、その高さが6.5mmで低背である。誘電体基体10の誘電率は6.45とした。アンテナ実装位置は、図2に示したとおりであり、低域の共振周波数は3400MHz、高域の共振周波数は4600MHzに設定した。
また、この試作したアンテナ1について、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)を測定したところ、図5に示す結果が得られた。つまり、VSWR≦3となるLow Band UWB(Ultra Wide Band)の帯域の周波数が3.1GHz〜4.8GHzとなり、広帯域で低いVSWR特性を得られることが確認できた。
さらに、図6aに示すように、yz平面において、2つの共振点での電界面の指向性を調べたところ、図6の特性線a、特性線bに示すような結果が得られた。なお、特性線aは低域共振側(3400MHz)、特性線bは高域共振側(4600MHz)をそれぞれ示している。また、角度θは、図6bに示すように、グランド面5から上方に向かうz軸方向を0°とし、このz軸よりも図の左側に形成される角度をプラス(+)、右側に形成される角度をマイナス(−)として示したものである。アンテナ1の一端側(給電部3の形成側)から他端側に向かうy軸方向は90°、アンテナ1の他端側から一端側に向かうy軸方向は−90°となる。
さらに、アンテナ1のx軸とy軸とz軸方向の3次元の指向性を解析により求めたところ、低域共振の指向性が図7a、高域共振の指向性が図7bに示すようになった。つまり、低域共振では水平面方向の全方向で電波の受信や送信を可能にできることが確認できた。
以下に、第2実施例を説明する。なお、第2実施例の説明において、上記第1実施例と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図8aには、第2実施例のアンテナ1が回路基板4と共に模式的な斜視図により示されている。第2実施例は、上記第1実施例とほぼ同様に構成されている。第2実施例が上記第1実施例と異なることは、給電部3と短絡部7,8が、グランド面5側に向かうにつれて連続的に狭幅となるように(放射素子2側に向かうにつれて広幅となるように)形成されていることである。なお、第2実施例では、給電部3と短絡部7,8は、いずれも左右対称に形成されており、また、図8aでは、誘電体基体10を省略して示している。
第2実施例は以上のように構成されており、第2実施例も上記第1実施例と同様の効果を奏することができる。また、第2実施例は、給電部3の幅を放射素子2側に向かうにつれて漸次広げていくことで、広帯域にマッチングをとることができる。そして、第2実施例は、短絡部7,8の幅を変えることにより、短絡部7,8の辺12の長さを長くでき、周波数を下げることができる。
なお、短絡部7,8の形状は、例えば、図8b、図8cの各図に示す短絡部7のように、左右非対称に形成することもできる。このように、短絡部7,8の2つの辺12の長さを変えることにより、電流経路を複雑にでき、広帯域化を図ることができる。
以下に、第3実施例を説明する。なお、第3実施例の説明において、第1、第2実施例と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図9に、第3実施例のアンテナ1が模式的な斜視図により示されている。第3実施例は、第1実施例とほぼ同様に構成されている。第3実施例が第1実施例と異なる特徴的なことは、給電部3と短絡部7,8に切り欠き部としてのスリット13,14,15が形成されていることである。なお、図9では、誘電体基体10を省略して示している。
給電部3に形成されたスリット13は、X方向に形成され、短絡部7,8に形成されたスリット14,15は、それぞれ、Y方向に形成されている。また、スリット13〜15は、いずれも矩形状に形成されている。なお、スリット13〜15の形態や形成数は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。ただし、短絡部7,8に形成するスリット14,15は、互いに同じ形態に形成することが好ましい。
第3実施例は以上のように構成されており、第3実施例も上記第1実施例と同様の効果を奏することができる。また、第3実施例は、スリット13〜15の形成により、共振周波数を下げることができる。
以下に、第4実施例を説明する。なお、第4実施例の説明において、第1〜第3実施例と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図10に、第4実施例のアンテナ1が、回路基板4と共に模式的な斜視図により示されている。第4実施例は、第1実施例とほぼ同様に構成されている。第4実施例が上記第1実施例と異なる特徴的なことは、長方形状の折り曲げ部18が設けられていることである。折り曲げ部18は、給電部3が形成されている放射素子2の一端側の周縁部11に形成されている。また、折り曲げ部18は、給電部3に対して両側となる位置に形成されて、グランド面5側に向けて伸長されている。折り曲げ部18は、給電部3と間隔を介して配置され、給電部3に接続される給電回路のインピーダンスとアンテナのインピーダンスとを整合するマッチング素子を形成する。なお、図10では、誘電体基体10を省略して示している。
第4実施例も上記第1実施例と同様の効果を奏することができる。さらに、第4実施例は、折り曲げ部18がマッチング素子を形成することにより、外付けのマッチング用部材を設ける必要がないため、省スペース化が可能となる。
なお、給電部3に対して両側となる位置の周縁部11に折り曲げ部18を形成する代わりに、図10の破線で示すようにしてもよい。つまり、周縁部11と対向するグランド面5に、該周縁部11側に向けて折り曲げ部19を形成してもよい。そして、この折り曲げ部19により上記マッチング素子を形成してもよい。また、両方の折り曲げ部18,19を設けてマッチング素子を形成してもよい。なお、折り曲げ部18,19の形状、大きさ等は適宜設定される。
また、図11に示すように、給電部3の両側となる放射素子2に、マッチング用スリット20を、放射素子2の一端側から他端側に向けて伸長形成してもよい。このマッチング用スリット20は、前記給電部3に接続される給電回路のインピーダンスとアンテナのインピーダンスとを整合する。この構成においても、第4実施例と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、様々な態様を採り得る。例えば、上記各実施例は、いずれも誘電体基体10を有していたが、誘電体基体10は省略してもよい。また、誘電体基体10を設ける場合でも、上記各実施例のように、中央部がくりぬかれた形状にするとは限らず、その形状は特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
また、給電部3、短絡部7,8、伸長部9のそれぞれの形状は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば、短絡部7,8は、図8dに示すように、グランド面5側に向かうにつれて連続的に広幅となるように形成してもよい。また、給電部3、短絡部7,8、伸長部9は、それぞれ左右非対称としてもよい。さらに、給電部3、短絡部7,8、伸長部9は、例えば図8eに示す給電部3のように、段階的に幅が変化する形状としてもよい。また、給電部3、短絡部7,8、伸長部9のうち、全ての部位が変化してもよいし、1つのみが変化してもよい。さらに、伸長部9は省略することもできる。
さらに、上記実施例では、短絡部7,8は互いに対向する位置に設けられていたが、短絡部7,8は、必ずしも対向する位置に設けるとは限らない。つまり、対の短絡部7,8は、給電部3から放射素子2の周縁方向に沿って互いに反対側であって、それぞれ前記給電部3から短絡部7,8に流れる高域共振の電圧が零となる部位の領域に設けられていればよい。
なお、短絡部7,8を、放射素子2の周縁部において、y方向の中央部よりも放射素子2の開放端6寄りに設ける構成は、より一層の広帯域化を図ることができる。また、短絡部7,8を、放射素子2の周縁部において、y方向の中央部よりも給電部3寄りに設ける構成は、逆Fアンテナの動作が行えるようにすることもできる。
さらに、上記各実施例では、放射素子2は、正方形状としたが、放射素子2は、長方形状としてもよい。また、放射素子2は、正方形や長方形の角部に丸みや切り欠きが形成された形状でもよい。さらには、放射素子2は、真円または楕円等の円形状としてもよく、その形状は適宜設定されるものである。ただし、放射素子2を矩形状とすると共振周波数調整がしやすく、好ましい。
さらに、上記各実施例では、回路基板4の表面にグランド面5を形成したが、グランド面5は、回路基板4の内部に形成してもよいし、裏面に形成してもよい。
さらに、上記説明は、上記各実施例のアンテナ1をデータ通信装置に適用する例について述べたが、本発明のアンテナは、様々な無線通信装置に適用されるものである。
この発明のアンテナは、グランド実装型で、低背、広帯域化が可能である。そのため、この発明のアンテナは、パソコン等に挿入装着される基板等のグランド面上に取り付けられるアンテナとして好適である。また、この発明のアンテナを備えた通信装置は、パソコン等に適用されて、情報通信等の無線通信を行うための通信装置として好適である。

Claims (9)

  1. グランド面上に該グランド面と間隔を介して配置されて予め定めた低域波長λと高域波長λとで共振する板状の放射素子を有し、
    該放射素子の周縁部には給電回路に接続される給電部と、一対の短絡部とが設けられ、
    前記給電部は前記放射素子の一端側に設けられ、
    前記対の短絡部は前記給電部から前記放射素子の周縁方向に沿って互いに反対側であって、それぞれ前記給電部から前記短絡部に流れる高域共振の電圧が零となる部位の領域に設けられ、
    前記短絡部は前記グランド面側に伸設されて該グランド面に接続されており、
    前記放射素子の前記給電部とは反対側となる他端側は開放端と成しており、
    前記放射素子の一端側から前記開放端までの電気長は該放射素子の高域共振波長λの1/2に形成されていることを特徴とするアンテナ。
  2. 放射素子の開放端側にはグランド面側に伸長された伸長部が形成されて該伸長部の先端側が開放端と成し、
    該開放端とグランド面との間に高域共振波長λの電気長に寄与する容量が形成されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ。
  3. 給電部と短絡部と伸長部の少なくとも一つはその幅が放射素子の周縁部側からグランド面側に向かうにつれて連続的又は段階的に変化するように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ。
  4. 給電部と短絡部と伸長部の少なくとも一つに切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ。
  5. 給電部が形成されている放射素子の一端側の前記給電部に対して両側となる位置の周縁部と、該周縁部と対向するグランド面の少なくとも一方には、この対向する相手側に向けて伸長する折り曲げ部が設けられており、
    該折り曲げ部は前記給電部と間隔を介して配置され、該給電部に接続される給電回路のインピーダンスとアンテナのインピーダンスとを整合するマッチング素子を形成していることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ。
  6. 給電部の両側となる放射素子には、前記給電部に接続される給電回路のインピーダンスとアンテナのインピーダンスとを整合するマッチング用スリットが前記放射素子の一端側から他端側に向けて伸長形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ。
  7. グランド面と放射素子との間には誘電体基体が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ。
  8. 請求項1または請求項2記載のアンテナを備えていることを特徴とする通信装置。
  9. 請求項7記載のアンテナを備えていることを特徴とする通信装置。
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