JP5858844B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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例えば、以下の特許文献1には、携帯無線機に内蔵されている逆Fアンテナにおいて、人体の影響を低減するために、逆Fアンテナの上方に非励振素子を設置して、人体と反対側(非励振素子の方向)に放射指向性を向ける方法が開示されている。
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示す斜視図である。
図1において、グランド導体板1は平面状の矩形の導体板であり、グランド導体板1にはアンテナ導体3を励振する給電点2が、導体板8の近傍に設けられている。
アンテナ導体3は線状導体4と線状導体5とから構成されており、第1の線状導体である線状導体4は一端が給電点2と接続されて、グランド導体板1と垂直に設置されている。ここでは、線状導体4がグランド導体板1と垂直に設置されている例を示しているが、完全な垂直でなくてもよく、例えば、80度程度の角度で設置されていても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
第2の線状導体である線状導体5は一端が線状導体4の他端と接続されて、グランド導体板1と平行に設置されている。ここでは、線状導体5がグランド導体板1と平行に設置されている例を示しているが、完全な平行でなくてもよく、例えば、10度程度の角度で設置されていても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
第2の導体板である導体板8は一辺が導体板7の一辺と接続されて、線状導体4をほぼ覆うように、導体板7と垂直で、かつ、線状導体5と垂直に設置されている。ここでは、導体板8が導体板7及び線状導体5と垂直に設置されている例を示しているが、完全な垂直でなくてもよく、例えば、80度程度の角度で設置されていても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
給電点2からアンテナ導体3に給電して、アンテナ導体3を励振すると、線状導体4,5及びグランド導体板1に電流が流れて、電磁波が放射される。
図1のアンテナ装置では、アンテナ導体3を導体板7から離して設置しているため、帯域が比較的広く、放射効率が高いアンテナが得られる。
したがって、アンテナ導体3とグランド導体板1が、非励振素子6と強く結合して、非励振素子6が反射器として動作する。このため、非励振素子6と反対側に放射指向性を向けて、非励振素子6側への放射を十分に低減することができる。
このとき、非励振素子6の長さP1+P2と、グランド導体板1と導体板7の間隔D1と、線状導体4と導体板8の間隔D2とを変化させて、アンテナ導体3及びグランド導体板1から非励振素子6への結合量を調整することにより、非励振素子6と反対側に放射指向性を向けることができる。
しかし、導体板7,8の幅Wが大きい場合には、共振に必要な非励振素子6の長さP1+P2が0.5λより小さくなる。
このとき、図2に示すように、導体板7の面のうち、アンテナ導体3が設置されている側の面と反対の面と、導体板8の面のうち、アンテナ導体3が設置されている側の面と反対の面とに、装置10(金属体、誘電体、あるいは、金属体及び誘電体の双方から構成されている装置)を設置する場合を想定する。
図3では、(1)非励振素子6が無い場合(導体板7,8が無い場合)の放射効率、(2)非励振素子6のうち、導体板7だけを設置して、導体板8が無い場合の放射効率、(3)非励振素子6を設置した場合(導体板7,8を設置した場合)の放射効率を示している。図3において、σは標準偏差である。
導体板7に加えて導体板8を設置すると、放射効率の平均値が更に向上し、2σも更に小さくなることが確認される。
これは、非励振素子6を設置した場合には、非励振素子6と反対側に放射指向性が向くことによって、装置10の影響による放射効率の劣化が低減されるためと考えられる。
また、非励振素子6として、導体板7だけでなく、導体板8を加えることで、特性が向上することが確認される。
上記実施の形態1では、アンテナ導体3を構成している線状導体5が、グランド導体板1と略平行に設置されているものを示したが、線状導体4と接続されていない側の線状導体5の端部がグランド導体板1側に折り曲げられて、その端部がグランド導体板1と略垂直に設置されているようにしてもよい。
図4はこの発明の実施の形態2によるアンテナ装置を示す斜視図であり、線状導体5の端部がグランド導体板1側に折り曲げられて、その端部がグランド導体板1と略垂直に設置されている。
また、逆L形のアンテナ導体3では、グランド導体板1との間の電界が最も強くなる部部分は、先端部である。
したがって、線状導体4と接続されていない側の線状導体5の端部を折り曲げて、グランド導体板1に近づけることで、アンテナ導体3の先端部とグランド導体板1の寄生容量を大きくできるため、アンテナ導体3の小形化を図ることができる。
上記実施の形態2では、線状導体4と接続されていない側の線状導体5の端部がグランド導体板1側に折り曲げられているものを示したが、アンテナ導体3を構成している線状導体4,5が、所定の幅を有する板状の導体であるようにしてもよい。
図5はこの発明の実施の形態3によるアンテナ装置を示す斜視図であり、線状導体4,5が、所定の幅を有する板状の導体である。
したがって、この実施の形態3によれば、上記実施の形態1,2と同様の効果が得られる他に、上記実施の形態1,2よりも、帯域を広くすることができるとともに、機械的な強度を高くすることができる効果を奏する。
図6はこの発明の実施の形態4によるアンテナ装置を示す斜視図であり、図において、図5と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
ただし、この実施の形態4では、給電点2が第1の給電点を構成し、アンテナ導体3が第1のアンテナ導体を構成しているものとする。
第2のアンテナ導体であるアンテナ導体13は線状導体14と線状導体15とから構成されており、第3の線状導体である線状導体14は一端が給電点12と接続されて、グランド導体板1と垂直に設置されている。ここでは、線状導体14がグランド導体板1と垂直に設置されている例を示しているが、完全な垂直でなくてもよく、例えば、80度程度の角度で設置されていても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
第4の線状導体である線状導体15は一端が線状導体14の他端と接続されて、グランド導体板1と平行に設置されている。ここでは、線状導体15がグランド導体板1と平行に設置されている例を示しているが、完全な平行でなくてもよく、例えば、10度程度の角度で設置されていても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
この実施の形態4でも、上記実施の形態2と同様に、線状導体4,14と接続されていない側の線状導体5,15の端部がグランド導体板1側に折り曲げられている。
また、上記実施の形態3と同様に、アンテナ導体3,13を構成している線状導体4,5,14,15が、所定の幅を有する板状の導体である。
ただし、線状導体5,15の端部がグランド導体板1側に折り曲げられていることは必須ではなく、上記実施の形態1のように、折り曲げられていなくてもよい。
また、線状導体4,5,14,15が、所定の幅を有する板状の導体であることは必須ではなく、上記実施の形態1のように、棒状の導体であってもよい。
したがって、2つのアンテナが必要である場合に、例えば、図1のアンテナ装置を2個設置するよりも、図6のアンテナ装置を1個設置する方が、非励振素子6を含めたアンテナ全体のサイズを小さくすることができる。
したがって、アンテナ導体3とアンテナ導体13の間隔Aは、できる限り広くすることが望ましい。
なお、図6の例では、アンテナ導体3とアンテナ導体13の形状が同じものを示しているが、アンテナ導体3とアンテナ導体13の形状が同じである必要はない。
図7はこの発明の実施の形態5によるアンテナ装置を示す斜視図である。
図において、グランド導体板21は平面状の矩形の導体板であり、誘電体基板20上に設置されている。
グランド導体板21には、使用周波数の波長λより小さい4つのスロット22a,22b,22c,22dが空けられている。
第1のランド導体であるランド導体23aはスロット22a内に設置されており、アンテナ導体26を励振する第1の給電点である給電点24が、グランド導体板21とランド導体23aの間に設けられている。
第2のランド導体であるランド導体23bはスロット22b内に設置されており、アンテナ導体30を励振する第2の給電点である給電点25が、グランド導体板21とランド導体23bの間に設けられている。
第3のランド導体であるランド導体23cはスロット22c内に設置されており、第4のランド導体であるランド導体23dはスロット22d内に設置されている。
第1の線状導体である線状導体27は一端がランド導体23aに接続されて、グランド導体板21と垂直に設置されている。
第2の線状導体である線状導体28は一端がランド導体23cに接続されて、グランド導体板21と垂直に設置されている。ここでは、線状導体27,28がグランド導体板21と垂直に設置されている例を示しているが、完全な垂直でなくてもよく、例えば、80度程度の角度で設置されていても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
第3の線状導体である線状導体29は一端が線状導体27の他端と接続されて、他端が線状導体28の他端と接続されている。
図7では、アンテナ導体26の帯域を広くするとともに、機械的な強度を高くするために、線状導体27,28,29が、所定の幅を有する板状の導体である例を示している。
ただし、線状導体27,28,29が板状の導体であることは必須ではなく、棒状の導体であってもよい。
第5の線状導体である線状導体32は一端がランド導体23dに接続されて、グランド導体板21と垂直に設置されている。ここでは、線状導体31,32がグランド導体板21と垂直に設置されている例を示しているが、完全な垂直でなくてもよく、例えば、80度程度の角度で設置されていても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
第6の線状導体である線状導体33は一端が線状導体31の他端と接続されて、他端が線状導体32の他端と接続されている。
図7では、アンテナ導体30の帯域を広くするとともに、機械的な強度を高くするために、線状導体31,32,33が、所定の幅を有する板状の導体である例を示している。
ただし、線状導体31,32,33が板状の導体であることは必須ではなく、棒状の導体であってもよい。
第2の導体板である導体板36は一辺が導体板35の一辺と接続されて、線状導体27,31をほぼ覆うように、導体板35と垂直で、かつ、線状導体29,33と垂直に設置されている。ここでは、導体板36が導体板35及び線状導体29,33と垂直に設置されている例を示しているが、完全な垂直でなくてもよく、例えば、80度程度の角度で設置されていても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
給電点24からアンテナ導体26に給電して、アンテナ導体26を励振すると、線状導体27,28,29及びグランド導体板21に電流が流れて、電磁波が放射される。
同様に、給電点25からアンテナ導体30に給電して、アンテナ導体30を励振すると、線状導体31,32,33及びグランド導体板21に電流が流れて、電磁波が放射される。
図7のアンテナ装置では、アンテナ導体26,30を導体板35から離して設置しているため、帯域が比較的広く、放射効率が高いアンテナが得られる。
したがって、アンテナ導体26,30とグランド導体板21が、非励振素子34と強く結合して、非励振素子34が反射器として動作する。このため、非励振素子34と反対側に放射指向性を向けて、非励振素子34側への放射を十分に低減することができる。
このとき、非励振素子34の長さP1+P2と、グランド導体板21と導体板35の間隔D1と、線状導体27,31と導体板36の間隔D2とを変化させて、アンテナ導体26,30及びグランド導体板21から非励振素子34への結合量を調整することにより、上記実施の形態1と同様に、非励振素子34と反対側に放射指向性を向けることができる。
しかし、導体板35,36の幅Wが大きい場合には、共振に必要な非励振素子34の長さP1+P2が0.5λより小さくなる。
同様に、アンテナ導体30の終端部において、ランド導体22dとグランド導体板21の間隔を調整することで、アンテナ導体30の終端部とグランド導体板21の寄生容量を大きくできるため、アンテナ導体30の小形化を図ることができる。
同様に、線状導体31の長さが線状導体32の長さより長くてもよいし、線状導体31の長さが線状導体32の長さより短くてもよい。
この場合も、上記実施の形態1で示したように、非励振素子34を設置することで、非励振素子34と反対側に放射指向性を向け、装置10の影響による放射効率の劣化を低減することができる。
Claims (11)
- 平面状のグランド導体板と、
一端が上記グランド導体板上に設置されている給電点と接続されて、上記グランド導体板と略垂直に設置されている第1の線状導体と、一端が上記第1の線状導体の他端と接続されて、上記グランド導体板と略平行に設置されている第2の線状導体とから構成されているアンテナ導体と、
上記グランド導体板の面のうち、上記アンテナ導体が設置されている側の面と反対の面に、上記グランド導体板と所定の間隔をもって、上記グランド導体板と略平行に設置されている平面状の第1の導体板と、
一辺が上記第1の導体板の一辺と接続されて、上記第1の導体板及び上記第2の線状導体と略垂直に設置されている平面状の第2の導体板と
を備えたアンテナ装置。 - アンテナ導体を構成している第2の線状導体の他端がグランド導体板側に折り曲げられて、その他端が上記グランド導体板と略垂直に設置されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- アンテナ導体を構成している第1及び第2の線状導体が、所定の幅を有する板状の導体であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ装置。
- 平面状のグランド導体板と、
一端が上記グランド導体板上に設置されている第1の給電点と接続されて、上記グランド導体板と略垂直に設置されている第1の線状導体と、一端が上記第1の線状導体の他端と接続されて、上記グランド導体板と略平行に設置されている第2の線状導体とから構成されている第1のアンテナ導体と、
一端が上記グランド導体板上に設置されている第2の給電点と接続されて、上記グランド導体板と略垂直に設置されている第3の線状導体と、一端が上記第3の線状導体の他端と接続されて、上記グランド導体板と略平行に設置されている第4の線状導体とから構成されている第2のアンテナ導体と、
上記グランド導体板の面のうち、上記第1及び第2アンテナ導体が設置されている側の面と反対の面に、上記グランド導体板と所定の間隔をもって、上記グランド導体板と略平行に設置されている平面状の第1の導体板と、
一辺が上記第1の導体板の一辺と接続されて、上記第1の導体板及び上記第2及び第4の線状導体と略垂直に設置されている平面状の第2の導体板と
を備えたアンテナ装置。 - 第1のアンテナ導体を構成している第2の線状導体の他端がグランド導体板側に折り曲げられて、その他端が上記グランド導体板と略垂直に設置されており、
第2のアンテナ導体を構成している第4の線状導体の他端が上記グランド導体板側に折り曲げられて、その他端が上記グランド導体板と略垂直に設置されていることを特徴とする請求項4記載のアンテナ装置。 - 第1のアンテナ導体を構成している第1及び第2の線状導体が、所定の幅を有する板状の導体であり、第2のアンテナ導体を構成している第3及び第4の線状導体が、所定の幅を有する板状の導体であることを特徴とする請求項4または請求項5記載のアンテナ装置。
- 誘電体基板上に設置されている平面状のグランド導体板と、
上記グランド導体板に空けられている使用周波数の波長より小さい4つのスロットと、
上記4つのスロット内にそれぞれ設置されている第1、第2、第3及び第4のランド導体と、
一端が上記第1のランド導体に接続されて、上記グランド導体板と略垂直に設置されている第1の線状導体と、一端が上記第3のランド導体に接続されて、上記グランド導体板と略垂直に設置されている第2の線状導体と、一端が上記第1の線状導体の他端と接続されて、他端が上記第2の線状導体の他端と接続されている第3の線状導体とから構成されている第1のアンテナ導体と、
一端が上記第2のランド導体に接続されて、上記グランド導体板と略垂直に設置されている第4の線状導体と、一端が上記第4のランド導体に接続されて、上記グランド導体板と略垂直に設置されている第5の線状導体と、一端が上記第4の線状導体の他端と接続されて、他端が上記第5の線状導体の他端と接続されている第6の線状導体とから構成されており、上記第1のアンテナ導体と所定の間隔をもって、上記第1のアンテナ導体と略平行に設置されている第2のアンテナ導体と、
上記誘電体基板の面のうち、上記グランド導体板が設置されている側の面と反対の面に、上記誘電体基板と所定の間隔をもって、上記グランド導体板と略平行に設置されている平面状の第1の導体板と、
一辺が上記第1の導体板の一辺と接続されて、上記第1の導体板、上記第3及び第6の線状導体と略垂直に設置されている平面状の第2の導体板とを備え、
上記第1のアンテナ導体を励振する第1の給電点が上記グランド導体板と上記第1のランド導体の間に設けられ、上記第2のアンテナ導体を励振する第2の給電点が上記グランド導体板と上記第2のランド導体の間に設けられていることを特徴とするアンテナ装置。 - 第1のアンテナ導体を構成している第1、第2及び第3の線状導体が、所定の幅を有する板状の導体であり、第2のアンテナ導体を構成している第4、第5及び第6の線状導体が、所定の幅を有する板状の導体であることを特徴とする請求項7記載のアンテナ装置。
- グランド導体板の一部が誘電体基板の内層、あるいは、第1及び第2のアンテナ導体が設置されていない側の上記誘電体基板の面に設置されており、上記グランド導体板の一部と上記誘電体基板上に設置されているグランド導体板がスルーホールで接続されていることを特徴とする請求項7または請求項8記載のアンテナ装置。
- 第1の導体板の面のうち、アンテナ導体が設置されている側の面と反対の面と、第2の導体板の面のうち、アンテナ導体が設置されている側の面と反対の面とに、金属体、誘電体、あるいは、金属体及び誘電体の双方から構成されている装置が設置されていることを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
- 第1の導体板における第2の導体板と略垂直な辺の長さがP1、上記第2の導体板における上記第1の導体板と略垂直な辺の長さがP2である場合、P1とP2の和が半波長以下であることを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
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