JP4806534B2 - クロージング加工方法及びクロージング加工機 - Google Patents

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Description

本発明は、クロージング加工方法及びクロージング加工機の改良に関するものである。
金属パイプ材の開口端部を閉塞するクロージング加工方法はスピニング加工方法の一つである(特許文献1参照)。
このクロージング加工方法は金属パイプ材からなるワークを回転させ、ワークを加熱しながらワークに金型を押し当て、徐々に金型に近づけて塑性変形させる。
このクロージング加工に用いられるクロージング加工機は、ワークの外周面を把持する外径チャックと、外径チャックをワークと共に回転駆動するチャックスピンドルとを備え、回転するワークに対してオフセット量を持って回転する金型をワークに押し当ててワークをクロージング加工するようになっている。
従来のクロージング加工機は、ワークの回転軸と金型の回転軸が垂直方向についてオフセット量を持っている。
特開2002−153930号公報
しかしながら、従来のクロージング加工機は、クロージング加工のオフセット量を変更するのに、重量の大きいチャックスピンドル等を昇降するオフセット量調整機構を設ける必要があるため、その構造が複雑になるという問題点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、オフセット量の変更が容易に行えるクロージング加工方法及びクロージング加工機を提供することを目的とする。
本発明は、回転するワークに対してオフセット量を持って回転する金型をワークに押し当ててワークをクロージングするクロージング加工方法において、ワークを回転駆動するチャックスピンドルにワークを保持する工程と、チャックスピンドルをその回転軸と直交する水平方向に移動する工程と、スライドストッパがチャックスピンドルの移動を停止する工程と、回転するワークに対して回転する金型をワークに押し当ててワークをクロージングする工程とを有し、クロージング加工時にチャックスピンドルの回転軸と金型の回転軸が水平方向にオフセット量を持ち、ワークを回転駆動する左右のチャックスピンドルを用い、左右のチャックスピンドルを交互に作動させるようにしたことを特徴とするものとした。
本発明は、回転するワークに対してオフセット量を持って回転する金型をワークに押し当ててワークをクロージングするクロージング加工機において、ワークを回転駆動するチャックスピンドルと、このチャックスピンドルをその回転軸と直交する水平方向に移動させるチャックスピンドル移動装置と、チャックスピンドルの移動を規制するスライドストッパとを備え、クロージング加工時にチャックスピンドルの回転軸と金型の回転軸が水平方向にオフセット量を持ち、ワークを回転駆動する左右のチャックスピンドルを備え、左右のチャックスピンドルを交互に作動させるようにしたことを特徴とするものとした。
本発明は、スライドストッパがチャックスピンドルの移動を規制してチャックスピンドルを所定のクロージング加工位置に停止させるため、スライドストッパの大きさ等を変更することによりクロージング加工時のオフセット量を容易に変更することができる。
これにより、クロージング加工時のオフセット量を変更するのに、重量の大きいチャックスピンドルを昇降するオフセット量調整機構を設ける必要がなく、クロージング加工機の構造を簡素化することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図3にクロージング加工機1の全体構成を示す。図1〜図3において、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が略水平横方向に延び、Y軸が略水平前後方向に延び、Z軸が略垂直方向に延びるものとし、クロージング加工機1の全体構成について説明する。
クロージング加工機1の中央部にはワーク9を回転駆動する2台のチャックスピンドル20と金型4を駆動する1台の金型駆動装置40が設けられる。各チャックスピンドル20は、後述するチャックスピンドル移動装置30を介して架台3に対してX軸方向について往復動し、クロージング加工機1の中央部へと交互に移動し、ワーク9を金型4に対峙させる。
クロージング加工機1は、高周波加熱装置2によって金属パイプ材からなるワーク9を加熱し、回転するワーク9に金型4を押し当ててワーク9を塑性変形させることによって、ワーク9の開口端部を閉塞するクロージング加工を行う。
クロージング加工機1の中央部には、ワーク9をクロージング加工するチャックスピンドル20の前方に位置してワーク9の端部を支持するスラストストッパ移動装置60と、芯金5をワーク9の内側に移動する芯金移動装置50とが設けられる。
クロージング加工機1の左右の後部にはそれぞれ一対のコンベア18とワーク投入装置10が設けられる。ワーク9は各コンベア18によってY軸方向前方に搬送された後、Y軸方向に移動可能な各ワーク投入装置10によってY軸方向前方に搬送され、左右のチャックスピンドル20に投入し把持される。
一方のチャックスピンドル20がクロージング加工機1の中央部に位置してクロージング加工を行っている間、他方のチャックスピンドル20がクロージング加工機1の左右端部のいずれかに位置して各ワーク投入装置10に搬送されるワーク9を受け取る。
クロージング加工機1の前部には、クロージング加工後のワーク9を搬出する搬出装置17が設けられる。搬出装置17はワーク9を把持するハンド13を架台3に対してX軸方向について往復動し、左右のチャックスピンドル20から押し出されるワーク9をクロージング加工機1の右前部に配置されたコンベア19へと搬送する。
クロージング加工を終えて1000℃以上に高温となるワーク9は、コンベア19によって冷却装置70(図3参照)へと搬送され、冷却装置70にて冷却される。冷却装置70はクロージング加工機1の前方右側に設けられている。
図4の(a)〜(g)にクロージング加工機1がワーク9にクロージング加工する一連の工程を示す。以下、このクロージング加工方法の各工程を順に説明する。
図4の(a)に示すように、ワーク投入装置10の内径チャック8をワーク9内に挿入し、その内径チャック8がワーク9の内周面を把持する。
図4の(b)に示すように、ワーク投入装置10が内径チャック8をY軸方向に前進させてワーク9をチャックスピンドル20の外径チャック7に挿入し、外径チャック7がワーク9の外周面を把持する。
図4の(c)に示すように、ワーク投入装置10が内径チャック8をY軸方向に後退させて内径チャック8をワーク9から抜き取る。続いてチャックスピンドル移動装置30がチャックスピンドル20をX軸方向に移動してワーク9を金型4に対峙する加工位置に停止させる。
図4の(d)に示すように、スラストストッパ移動装置60がスラストストッパ6をワーク9の基端部9bを支持するスラスト加工基準位置に移動する。
図4の(e)に示すように、芯金移動装置50が芯金5をワーク9の内側に投入する。
図4の(f)に示すように、チャックスピンドル20がワーク9と芯金5を回転駆動する。一方、金型駆動装置40が加熱された金型4をワーク9に押し当てる。これにより、金型4と芯金5の間でワーク9の先端部9aが次第に絞られ、最終的にワーク9の先端部9aを閉塞した底部9cを形成する。
図4の(g)に示すように、金型駆動装置40が金型4をY軸方向後方に移動し、ワーク9から離す。一方、スラストストッパ移動装置60がスラストストッパ6をY軸方向前方に移動してスラスト加工基準位置から離すとともに、芯金移動装置50が芯金5をワーク9の内側から抜き取る。
続けて別のワーク9をクロージング加工する場合、図4の(a)に示すように、チャックスピンドル移動装置30がチャックスピンドル20をX軸方向に移動してワーク9を内径チャック8に対峙させる。そして、図4の(b)に示すように、ワーク投入装置10が内径チャック8をY軸方向に前進させ、クロージング加工前のワーク9の基端部9bをクロージング加工済みのワーク9の底部9cに当接させてクロージング加工済みのワーク9を外径チャック7から押し出す。
一方、ワーク9のクロージング加工を終了する場合、図4の(h)に示すように、ワーク投入装置10が内径チャック8をY軸方向に前進させ、内径チャック8をクロージング加工済みのワーク9の底部9cに当接させてクロージング加工済みのワーク9を外径チャック7から押し出す。
以上、クロージング加工機1の全体構成を説明した。
次に図5〜図7に示すチャックスピンドル移動装置30の構成を説明する。
チャックスピンドル移動装置30は、各チャックスピンドル20を架台3に対して左右方向に往復動させ、各内径チャック8と金型4に対して各チャックスピンドル20を交互に対峙させるものである。
チャックスピンドル移動装置30は、左右のチャックスピンドル20を左右のチャックスピンドル20を搭載するスライド台32と、このスライド台32をチャックスピンドル20の回転軸と直交する水平方向(X軸方向)について移動可能に支持する2本のガイドレール31と、スライド台32をこのガイドレール31に沿って移動させる油圧シリンダ33と、スライド台32の移動を規制する左右のスライドストッパ34と、各スライド台32が各スライドストッパ34に当接して停止する際の衝撃を緩和する左右のダンパ35と、スライド台32が左右の所定位置にあることを検出する左右のセンサ36とを備える。
チャックスピンドル20はモータ210の回転がプーリ211、ベルト212、プーリ213を介して外径チャック7に伝達される。
左右のスライドストッパ34は油圧シリンダ33と略同一軸上に配置される。
油圧シリンダ33は図示しないコントローラの出力に応じて各チャックスピンドル20を左右方向に移動し、指令された位置に停止させる。
本実施の形態では、チャックスピンドル20の回転軸O20と金型4の回転軸O4は同一高さに配置される。すなわち、チャックスピンドル20の回転軸O20と金型4の回転軸O4は垂直方向のオフセット量が零である。なお、これに限らず、チャックスピンドル20の回転軸O20と金型4の回転軸O4は垂直方向のオフセット量が持つ配置とすることも可能である。
本発明のクロージング加工方法は、各チャックスピンドル20にワーク9を保持する工程と、チャックスピンドル移動装置30が各チャックスピンドル20をワーク9が金型4に対峙するクロージング加工位置へと移動する工程と、各スライドストッパ34によって各チャックスピンドル20の移動を停止する工程とを有し、チャックスピンドル20の回転軸O20と金型4の回転軸O4が水平方向についてオフセット量Sを持つようにする。
次に、上記したクロージング加工方法の各工程を順に説明する。
図6、図7に実線で示すように、油圧シリンダ33が収縮作動し、スライド台32を右のスライドストッパ34に当接させる。これにより、左のチャックスピンドル20が金型4に対してオフセット量Sを持つクロージング加工位置に停止する。そして、右のチャックスピンドル20が内径チャック8と同軸上にある投入位置に停止する。
続いて、左のチャックスピンドル20が回転するワーク9の中心軸と所定のオフセット量Sを持つ軸を中心に金型4を回転しながらワーク9に押し当ててクロージング加工する。このとき、内径チャック8が右のチャックスピンドル20に加工前のワーク9を投入し、これに伴って加工済みのワーク9が右のチャックスピンドル20から押し出される。
続いて、油圧シリンダ33が伸張作動し、図7に2点鎖線で示すように、スライド台32を左のスライドストッパ34に当接させる。これにより、右のチャックスピンドル20が金型4に対してオフセット量Sを持つクロージング加工位置に停止する。そして、左のチャックスピンドル20が左の内径チャック8と同軸上にある投入位置に停止する。
続いて、右のチャックスピンドル20が回転するワーク9の中心軸と所定のオフセット量Sを持つ軸を中心に金型4を回転しながらワーク9に押し当ててクロージング加工する。このとき、内径チャック8が左のチャックスピンドル20に加工前のワーク9を投入し、これに伴って加工済みのワーク9が左のチャックスピンドル20から押し出される。
こうしてクロージング加工機1は、左右の各ワーク投入装置10と左右のチャックスピンドル20を交互に作動させてワーク9の搬送とクロージング加工を並行して行うことにより、1本のワーク9に要するタクト時間を例えば10秒以下に短縮することが可能となり、生産性の向上がはかられる。
本発明は、各スライドストッパ34が各チャックスピンドル20の移動を規制してチャックスピンドル20を所定のクロージング加工位置に停止させるため、予め用意された大きさが異なるスライドストッパ34に付け替えることにより、チャックスピンドル20のオフセット量Sを容易に変更することができる。
また、スライドストッパ34の突出量を変えられるオフセット量調整機構を設け、オフセット量Sを自動的に変更するようにしても良い。
これにより、従来装置のように重量の大きいチャックスピンドルを昇降するオフセット量調整機構を設ける必要がなく、クロージング加工機1の構造を簡素化することができる。
各スライド台32が各スライドストッパ34に当接して停止する際に左右のダンパ35が収縮作動して各チャックスピンドル20の衝撃を緩和することにより、チャックスピンドル20の移動速度を高めてタクト時間を短縮することが可能となり、生産性の向上がはかられる。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明のクロージング加工方法及びクロージング加工機は、ワークの開口端部を閉塞するクロージング加工に限らず、回転するワークに対して金型をワークに押し当ててワークを絞り加工するスピニング加工に利用できる。
本発明の実施の形態を示すクロージング加工機の側面図。 同じくクロージング加工機の平面図。 同じくクロージング加工機の正面図。 同じくクロージング加工する工程を示す図。 同じくチャックスピンドル移動装置の側面図。 同じくチャックスピンドル移動装置の平面図。 同じくチャックスピンドル移動装置の正面図。
符号の説明
1 クロージング加工機
2 加熱装置
4 金型
5 芯金
7 外径チャック
8 内径チャック
9 ワーク
10 ワーク投入装置
20 チャックスピンドル
30 チャックスピンドル移動装置
32 スライド台
33 油圧シリンダ
34 スライドストッパ
40 金型駆動装置
50 芯金移動装置

Claims (3)

  1. 回転するワークに対してオフセット量を持って回転する金型をワークに押し当ててワークをクロージングするクロージング加工方法において、
    前記ワークを回転駆動するチャックスピンドルに前記ワークを保持する工程と、
    前記チャックスピンドルをその回転軸と直交する水平方向に移動する工程と、
    前記スライドストッパが前記チャックスピンドルの移動を停止する工程と、
    回転する前記ワークに対して回転する前記金型を前記ワークに押し当てて前記ワークをクロージングする工程とを有し、
    クロージング加工時に前記チャックスピンドルの回転軸と金型の回転軸が水平方向にオフセット量を持ち、前記ワークを回転駆動する左右の前記チャックスピンドルを用い、左右のチャックスピンドルを交互に作動させるようにしたことを特徴とするクロージング加工方法。
  2. 回転するワークに対してオフセット量を持って回転する金型をワークに押し当ててワークをクロージングするクロージング加工機において、
    前記ワークを回転駆動するチャックスピンドルと、
    このチャックスピンドルをその回転軸と直交する水平方向に移動させるチャックスピンドル移動装置と、
    前記チャックスピンドルの移動を規制するスライドストッパとを備え、
    クロージング加工時に前記チャックスピンドルの回転軸と前記金型の回転軸が水平方向にオフセット量を持ち、前記ワークを回転駆動する左右の前記チャックスピンドルを備え、左右のチャックスピンドルを交互に作動させるようにしたことを特徴とするクロージング加工機。
  3. 前記チャックスピンドルが前記スライドストッパに当接して停止する際の衝撃を緩和するダンパを備えたことを特徴とする請求項2に記載のクロージング加工機。
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