JP4729322B2 - プレス成型方法及びプレス成型装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クロージング加工が施されて有底筒状をしたワークの底部をプレス成型するプレス成型方法及びプレス成型装置の改良に関するものである。
金属パイプ材の端部を閉塞するクロージング加工方法はスピニング加工方法の一つである(特許文献1参照)。
このクロージング加工方法は金属パイプ材からなるワークを回転させ、ワークを加熱しながらワークに金型を押し当て、徐々に金型に近づけて塑性変形させる。これにより、ワークの端部を閉塞した底部が形成される。
クロージング加工が施された有底筒状となるワークは、プレス成型装置にてプレス成型される。従来のプレス成型装置は、有底筒状をしたワークの内奥に挿入される内金型と、ワークの外側に配置される外金型を備え、内金型を油圧シリンダによって駆動して内金型と外金型の間でワークの底部を圧縮するようになっている。
特開2002−153930号公報
しかしながら、従来のプレス成型装置は、内金型をワークの内奥に挿入するとき、ワークが動くと、内金型がワークの内周面に当たって傷を付ける可能性があった。
この対策して、内金型をワークの内奥に挿入する際にワークが動かないようにワークの外周面を把持することが考えられる。しかし、ワークが動かないようにワークの外周面を把持すると、内金型と外金型の間でワークを圧縮する過程でワークがその軸方向に移動できないため、ワークのプレス成型が円滑に行われないという問題点があった。
また、従来のプレス成型装置は、油圧シリンダが内金型を駆動してワークの内奥に挿入する構造となっていたため、内金型を速やかに移動することができず、1本のワークをプレス成型するタクト時間が長くなるという問題点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、有底筒状をしたワークの内周面を傷つけることなく円滑にプレス成型するプレス成型方法及びプレス成型装置を提供することを目的とする。
本発明は、有底筒状をしたワークの内奥に挿入される内金型と、ワークの外側に配置される外金型との間でワークの底部をプレス成型するプレス成型方法において、調芯チャック機構を介してワークをその軸方向に移動可能に把持する工程と、内金型移動機構を介して内金型を軸方向に移動してワークの内奥に挿入する工程と、ストッパ機構を介して内金型の移動を規制して内金型を加工位置に支持する工程と、外金型移動機構を介して外金型をワークの軸方向に移動して内金型との間でワークの底部をプレス成型する工程とを有することを特徴とするものとした。
本発明は、有底筒状をしたワークの内奥に挿入される内金型と、ワークの外側に配置される外金型との間でワークの底部をプレス成型するプレス成型装置において、ワークをその軸方向に移動可能に把持する調芯チャック機構と、内金型を軸方向に移動してワークの内奥に挿入する内金型移動機構と、内金型の移動を規制して内金型を加工位置に支持するストッパ機構と、外金型を軸方向に移動して内金型との間でワークの底部をプレス成型する外金型移動機構とを備えることを特徴とするものとした。
本発明は、ワークが外金型と内金型の間で圧縮されるプレス成型時、調芯チャック機構が各ローラを介してワークがその軸方向に移動することを許容するため、内金型移動機構が内金型を移動してワークの内奥に挿入するとき、調芯チャック機構がワークを把持することが可能となり、内金型がワークの内周面に当たって傷を付けることを防止できる。
外金型移動機構が外金型を移動してワークを押圧するとき、ワークは調芯チャック機構に対して軸方向に移動し、ストッパ機構が内金型の移動を規制して内金型を加工位置に支持する。外金型がワークをさらに押圧すると、ワークが外金型と内金型との間で円滑に圧縮され、ワークが所定の形状にプレス成型される。
内金型移動機構はプレス成型時の荷重を受けないため、例えばエアシリンダを介して内金型をワークの内奥に挿入することが可能となる。このため、内金型を速やかに移動することにより、1本のワークをプレス成型するタクト時間を短縮し、生産効率の向上がはかられる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図4に示すプレス成型装置80は、クロージング加工が施されたワーク9の底部9cをプレス成型するものである。
なお、クロージング加工機は、金属パイプ材からなるワーク9を回転させ、ワーク9を加熱しながらワーク9に金型を押し当て、ワーク9の先端部を徐々に金型に近づけて塑性変形させることにより、完全に閉塞した底部9cを形成するようになっている。
クロージング加工機にてクロージング加工を終えて1000℃以上に高温となったワーク9は、図示しない冷却装置にて100℃程度に冷却された後にプレス成型装置80に搬送され、プレス成型装置80にてプレス成型される。
図1〜図4において、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が略水平横方向に延び、Y軸が略水平前後方向に延び、Z軸が略垂直方向に延びるものとして、プレス成型装置80の構成について説明する。
図3において、プレス成型装置80には、搬入台81とプレス成型機82と搬出台83がX軸方向に並んで設けられる。搬出台83に並んで不良品となったワーク9を搬出するシュート84が設けられる。
図1に示すように、プレス成型装置80の上部には搬送装置84が設けられる。この搬送装置84がワーク9を搬入台81、プレス成型機82、搬出台83の順に搬送する。
プレス成型機82は、ワーク9の内奥に挿入される内金型521と、ワーク9の外側に配置される外金型551との間で、ワーク9の底部をプレス成型するものである。
プレス成型装置80は、ワーク9をY軸方向に移動可能に把持する調芯チャック機構501と、エアシリンダ524を介して内金型521をY軸方向に移動してワーク9の内奥に挿入する内金型移動機構522と、内金型521の移動を規制して内金型521を加工位置に支持するストッパ機構531と、油圧シリンダ554を介して外金型551をY軸方向に移動して内金型521との間でワーク9の底部をプレス成型する外金型移動機構552とを備える。内金型521と外金型551はワーク9と同一軸上に配置されている。
内金型移動機構522は、架台571上に設けられてY軸方向に延びる2本のガイドレール572と、各ガイドレール572を介して移動可能に支持されるスライド台523と、このスライド台523を移動するエアシリンダ524とを備え、スライド台523に内金型521が連結される。
棒状をした内金型521は、その基端部がスライド台523の前部に連結され、その途中がガイド台525を挿通し、ワーク9と同軸上を移動するようになっている。
ガイド台525は各ガイドレール572を介してY軸方向に移動可能に支持される。ワーク9の長さの変更等に対応して架台571に対するガイド台525の位置を調整機構526を介して変えられる。
図2に示すように、エアシリンダ524が収縮作動した状態では、スライド台523が内金型521と共にY軸方向について後退し、調芯チャック機構501に搬入出されるワーク9に対して内金型521が干渉しない。
エアシリンダ524が伸張作動すると、スライド台523が内金型521と共にY軸方向について前進し、調芯チャック機構501に把持されたワーク9の内奥に内金型521を挿入する。
スライド台523の後部には位置決めシャフト527が連結される。すなわち、架台571の前後端部から内金型521と位置決めシャフト527がそれぞれ突出している。この位置決めシャフト527は内金型521と同一軸上に延び、その先端部527aがストッパ機構531によって支持される。
図4に示すように、架台571の後端部には支持台574が立設される。この支持台574にストッパ機構531が設けられる。エアシリンダ524と位置決めシャフト527は支持台574を貫通して設けられる。
ストッパ機構531は位置決めシャフト527が挿通する経路に差し込まれるストッパプレート532と、ストッパプレート532を駆動するエアシリンダ533とを備える。ストッパプレート532は支持台574に対して昇降可能に支持される。
エアシリンダ533が収縮作動している状態では、ストッパプレート532が支持台574に対して上昇した位置に保持され、位置決めシャフト527がストッパプレート532の下方を挿通して自由に移動する。
エアシリンダ533が伸張作動すると、ストッパプレート532が支持台574に対して下降し、ストッパプレート532に位置決めシャフト527の後先端部527aを当接させる。これにより、ストッパ機構531は内金型521の移動を規制して内金型521を加工位置に支持する。
外金型移動機構552は、外金型551をY軸方向に移動可能に支持するガイド機構553と、外金型551を駆動する油圧シリンダ554とを備える。
架台571の前端部には支持台575が立設される。この支持台575の前後部に対して油圧シリンダ554とガイド機構553がそれぞれ連結される。
前後の支持台574,575は2本のビーム576を介して互いに連結され、支持台574,575の前後方向の倒れに対する剛性が確保される。
図5に示すように、調芯チャック機構501は前後に並んでそれぞれ対で設けられる左右のチャック502,503を備え、このチャック502,503を開閉してワーク9の外周面を把持する。
右のチャック502はチャック台504に対して固定される。左のチャック503はチャック台504に対してX軸方向に移動可能に支持される。左のチャック503は図示しないエアシリンダによって駆動され、左右のチャック502,503を開閉作動させる。
左右のチャック502,503にはそれぞれ対のローラ505が設けられる。各ローラ505は、左右のチャック502,503に対して、Y軸に直交する軸回りに回転可能に支持される。左右のチャック502,503に4つのローラ505を介して把持されたワーク9は、各ローラ505に転接してY軸方向に移動することができる。
調芯チャック機構501の位置をY軸方向について切り換えるチャック位置切り換え機構512が設けられる。チャック位置切り換え機構512は、左右のガイドレール572を介してY軸方向に移動可能に支持される前後のスライド台507,508と、前後のスライド台507,508を2位置に駆動するエアシリンダ510とを備える。前後に対で設けられるチャック台504は、前後のスライド台507,508にそれぞれ固定される。
前後のスライド台507,508は調整機構509を介してY軸方向の間隔を調整できるように連結される。これにより、ワーク9の長さの変更等に対応して前後の各チャック502,503の間隔を容易に調整することが可能となる。
図示しないコントローラは位置センサ91〜97等からの信号に応じて搬送装置84、調芯チャック機構501、内金型移動機構522、ストッパ機構531、外金型移動機構552を所定の手順で作動させ、ワーク9を自動的にプレス成型する。
プレス成型装置80は自動的に作動し、通常の作動中に作業者79がプレス成型装置80を操作する必要がない。
以上のようにプレス成型装置80は構成されて、以下に説明する各工程を順に行い、ワーク9をプレス成型する。
図6の(a)に示すように、搬送装置84によって搬送されたワーク9を調芯チャック機構501に把持する。
図6の(b)に示すように、内金型移動機構522が内金型521を前方に移動してワーク9の内奥に挿入する。
図6の(c)に示すように、ストッパ機構531がストッパプレート532を下降させる。
図6の(d)に示すように、外金型移動機構552の油圧シリンダ554が外金型551を後方に移動して内金型521との間でワーク9の底部をプレス成型する。
図6の(e)に示すように、外金型移動機構552の油圧シリンダ554が外金型551を前方に移動する。これと並行して、ストッパ機構531がストッパプレート532を上昇させた後、 内金型移動機構522が内金型521を後方に移動してワーク9から抜き取る。
図6の(f)に示すように、調芯チャック機構501を開いた後、搬送装置84によってプレス成型済みのワーク9を取り出す。
再び、図6の(a)に示すように、搬送装置84によって搬送された次のワーク9を調芯チャック機構501に把持する。そして、上記各工程を繰り返すことにより、次々にワーク9をプレス成型する。
以上のように構成されて、次に作用について説明する。
ワーク9が外金型551と内金型521との間で圧縮されるプレス成型時、調芯チャック機構501が各ローラ505を介してワーク9がY軸方向に移動することを許容するため、内金型移動機構522が内金型521を前方に移動してワーク9の内奥に挿入するとき、調芯チャック機構501がワーク9の外周面を把持することが可能となり、内金型521がワーク9の内周面に当たって傷を付けることを防止できる。
外金型移動機構552の油圧シリンダ554が外金型551をY軸方向に移動してワーク9を押圧するとき、ワーク9はその外周面を各ローラ505に転接させながらわずかに後退すると、ストッパプレート532に位置決めシャフト527の後先端部527aが当接することにより、ストッパ機構531が内金型521の移動を規制して内金型521を加工位置に支持する。これにより、外金型551がワーク9をさらに押圧すると、ワーク9が外金型551と内金型521との間で円滑に圧縮され、所定の形状にプレス成型される。
調芯チャック機構501はワーク9の外周面に転接する複数のローラ505を介してワーク9を把持するため、ワーク9の調芯精度を確保するとともに、ワーク9をY軸方向に円滑に移動させることができる。
外金型移動機構552の油圧シリンダ554が外金型551を移動するストロークを、内金型移動機構522のエアシリンダ524が内金型521を移動するストロークに比べて大幅に小さいため、油圧シリンダ554の小型化及び省力化がはかれる。
内金型移動機構522はエアシリンダ524の伸縮作動によって内金型521をワーク9の内奥に挿入するため、内金型521を速やかに移動することが可能なり、1本のワーク9をプレス成型するタクト時間を短縮し、生産効率の向上がはかられる。
内金型移動機構522は、Y軸方向に移動するスライド台523を備え、スライド台523の前部に内金型521を突出させ、スライド台523の後部に位置決めシャフト527を突出させ、ストッパ機構531は位置決めシャフト527が挿通する経路にストッパプレート532を差し込む構成としたため、内金型521を加工位置に支持することが確実に行われる。
チャック位置切り換え機構512は、ワーク9の長さの変更等に対応して調芯チャック機構501の位置をY軸方向について切り換えることができる。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明のプレス成型方法及びプレス成型装置は、有底筒状をしたワークの底部を内金型と外金型の間でプレス成型することに利用できる。
本発明の実施の形態を示すプレス成型装置の側面図。 同じくプレス成型装置の断面図。 同じくプレス成型装置の平面図。 同じくプレス成型装置の正面図。 同じく調芯チャック機構等の断面図。 同じくワークをプレス成型する工程を示す図。
符号の説明
9 ワーク
80 プレス成型装置
501 調芯チャック機構
505 ローラ
512 チャック位置切り換え機構
521 内金型
522 内金型移動機構
523 スライド台
527 位置決めシャフト
531 ストッパ機構
532 ストッパプレート
551 外金型
552 外金型移動機構

Claims (5)

  1. 有底筒状をしたワークの内奥に挿入される内金型とワークの外側に配置される外金型との間でワークの底部をプレス成型するプレス成型方法において、
    調芯チャック機構を介してワークをその軸方向に移動可能に把持する工程と、
    内金型移動機構を介して前記内金型を軸方向に移動してワークの内奥に挿入する工程と、
    ストッパ機構を介して前記内金型の移動を規制して前記内金型を加工位置に支持する工程と、
    外金型移動機構を介して前記外金型をワークの軸方向に移動して前記内金型との間でワークの底部をプレス成型する工程とを有することを特徴とするプレス成型方法。
  2. 有底筒状をしたワークの内奥に挿入される内金型とワークの外側に配置される外金型との間でワークの底部をプレス成型するプレス成型装置において、
    ワークをその軸方向に移動可能に把持する調芯チャック機構と、
    前記内金型を軸方向に移動してワークの内奥に挿入する内金型移動機構と、
    前記内金型の移動を規制して前記内金型を加工位置に支持するストッパ機構と、
    前記外金型を軸方向に移動して前記内金型との間でワークの底部をプレス成型する外金型移動機構とを備えたことを特徴とするプレス成型装置。
  3. 前記調芯チャック機構はワークの外周面に転接する複数のローラを介してワークを把持することを特徴とする請求項2に記載のプレス成型装置。
  4. 前記内金型移動機構はワークの軸方向に移動するスライド台を備え、
    このスライド台の前部に前記内金型を突出させ、
    前記スライド台の後部から突出する位置決めシャフトを備え、
    前記ストッパ機構は前記位置決めシャフトが挿通する経路にストッパプレートを差し込むことを特徴とする請求項2または3に記載のプレス成型装置。
  5. 前記調芯チャック機構の位置をワークの軸方向について切り換えるチャック位置切り換え機構を備えたことを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載のプレス成型装置。
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