JP2004344937A - トランスファ装置およびトランスファ装置の調芯方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間で自動的に精度良く芯出し作業を行うことができるトランスファ装置およびトランスファ装置の調芯方法を提供する。
【解決手段】ワークWを把持する開閉可能なフィンガ10を有するクランパ1と、クランパ1を所定の方向に移動させる移動手段2と、自動調芯機構3とを備え、自動調芯機構3は、フィンガ10を閉駆動して調芯対象であるパンチM0に当接させたときのフィンガ10の開き量を検知する開き量検知手段11と、この開き量検知手段11による検知結果に基づいてクランパ1の配置させるべき位置を設定しこれにしたがって移動手段2を制御する制御手段と、を有している。移動手段2を駆動させて開き量検知手段11による検知結果が最小となる位置をクランパ1が配置されるべき位置として設定する。
【選択図】 図5
【解決手段】ワークWを把持する開閉可能なフィンガ10を有するクランパ1と、クランパ1を所定の方向に移動させる移動手段2と、自動調芯機構3とを備え、自動調芯機構3は、フィンガ10を閉駆動して調芯対象であるパンチM0に当接させたときのフィンガ10の開き量を検知する開き量検知手段11と、この開き量検知手段11による検知結果に基づいてクランパ1の配置させるべき位置を設定しこれにしたがって移動手段2を制御する制御手段と、を有している。移動手段2を駆動させて開き量検知手段11による検知結果が最小となる位置をクランパ1が配置されるべき位置として設定する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば熱間鍛造プレスなどにおいて搬送対象であるワークを自動送りするトランスファ装置、および、このトランスファ装置においてワークを把持するクランパを適切な位置に配置させるための自動調芯方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば熱間鍛造などにおいては、成形工程が複数に分割され、例えばパンチとダイスなど、各成形工程に対応して複数のプレス型が用意される。そして、熱間鍛造プレス装置においては、複数のプレス型が取り付けられ、一のプレス型によって成形されたワークを次のプレス型に自動送りするためのトランスファ装置が設けられたものがある。このトランスファ装置は、一般に、搬送対象となるワークを把持するために開閉可能に設けられたフィンガを有するクランパと、このクランパを前工程から次工程へと移動させる移動手段と、を備えている。特許文献1には、圧造成形機の素材移送用チャック装置(クランパ)が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
実開平7−44679号公報
【0004】
ところで、熱間鍛造プレス装置などのトランスファ装置では、搬送対象であるワークをクランパのフィンガが適切に把持することができるように、特に成形する製品に応じてプレス型を取り付ける度に、各工程のプレス型とチャッキング時におけるフィンガのセンタを合わせるようクランパの配置を調整する(調芯する)、すなわち、所謂芯出しを行う必要がある。
【0005】
芯出しを行うための従来の技術としては、各工程のプレス型をプレス装置に取り付けて、一工程づつ手作業でフィンガのセンタがプレス型のセンタに一致しているか確認し、一致していない場合には一致するよう調整していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、手作業による芯出しでは、時間がかかると共に芯出し精度にバラツキが生じることがあるという問題があった。また、プレス型を取り付けた状態では、型開きした状態であってもプレス型間の間隔が狭く、芯出し作業を試行錯誤で行う必要があるなどの問題があった。
【0007】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたもので、短時間で自動的に精度良く芯出し作業を行うことができるトランスファ装置およびトランスファ装置の調芯方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1のトランスファ装置に係る発明は、上記目的を達成するため、搬送対象を把持する開閉可能なフィンガを有するクランパと、該クランパを移動させる移動手段と、搬送対象に対してフィンガが適切に把持し得る位置にクランパを配置させる自動調芯機構とを備えたトランスファ装置であって、前記自動調芯機構は、フィンガを閉駆動して調芯対象に当接させたときのフィンガの開き量を検知する開き量検知手段と、該開き量検知手段による検知結果に基づいてクランパを配置させるべき位置を設定して該設定にしたがって移動手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
請求項2のトランスファ装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、前記自動調芯機構の制御手段は、移動手段を駆動させて開き量検知手段による検知結果が最小となる位置をクランパが配置されるべき位置として設定するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3のトランスファ装置の調芯方法に係る発明は、上記目的を達成するため、搬送対象を把持する開閉可能なフィンガを有するクランパと、該クランパを移動させる移動手段とを備えたトランスファ装置において、搬送対象に対してフィンガが適切に把持し得る位置にクランパを配置させるための調芯方法であって、フィンガを閉駆動して調芯対象に当接させ、フィンガの開き量を検知し、検知されたフィンガの開き量に基づいてクランパを配置させるべき位置を設定して、該設定にしたがって移動手段を駆動させることを特徴とするものである。
請求項4のトランスファ装置の調芯方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明において、移動手段を駆動させてフィンガの開き量が最小となる位置にクランパを配置させる位置を設定することを特徴とするものである。
【0009】
請求項1の発明では、フィンガを閉駆動して調芯対象に当接させて、このときのフィンガの開き量を自動調芯機構の開き量検知手段により検知する。そして、制御手段は、移動手段を駆動してクランパを移動させ、フィンガの開き量の変化に基づいて搬送対象に対してフィンガが適切に把持し得る位置にクランパを配置させるべき位置を設定し、この設定された位置にクランパが配置されるよう移動手段を制御・駆動する。ここで、フィンガが当接される調芯対象とは、フィンガが実際に把持して搬送する搬送対象、または、例えば搬送対象と同軸の型など、フィンガが搬送対象を把持するのと同等の対象を意味する。
請求項2の発明では、請求項1に記載の発明において、自動調芯機構の制御手段は、移動手段を駆動させて開き量検知手段による検知結果が最小となる位置をクランパが配置されるべき位置として設定する。
また、請求項3の発明では、フィンガを閉駆動して調芯対象に当接させ、フィンガの開き量を検知する。そして、移動手段を駆動してクランパを移動させ、フィンガの開き量の変化に基づいて搬送対象に対してフィンガが適切に把持し得る位置にクランパを配置させるべき位置を設定し、この設定された位置にクランパが配置されるよう移動手段を制御・駆動する。ここで、フィンガを調芯対象に当接させるとは、フィンガを搬送対象に直接当接させること、または、例えば搬送対象と同軸の型など、フィンガが間接的に搬送対象を把持するのと同等の対象を把持すること意味する。
請求項4の発明では、請求項3に記載の発明において、移動手段を駆動させクランパを移動させ、フィンガの開き量が最小となるときにクランパを配置させる位置と設定する。
【0010】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明のトランスファ装置の一実施の形態を、ワークWと同軸上に位置するパンチM0を有する熱間鍛造プレス装置に用いる場合によって、図1〜図6に基づいて説明する。
本発明のトランスファ装置は、概略、搬送対象(以下、ワークWという)を把持する開閉可能なフィンガ10を有するクランパ1と、このクランパ1を搬送方向など所定の方向に移動させる移動手段2と、自動調芯機構3とを備えており、自動調芯機構3は、フィンガ10を閉駆動して調芯対象としてワークWと同軸上に位置するパンチM0(この実施の形態の場合)に当接させたときのフィンガ10の開き量を検知する開き量検知手段11と、この開き量検知手段11による検知結果に基づいてクランパ1の配置させるべき位置を設定して該設定にしたがって移動手段2を制御する制御手段(後述する)と、を有している。
そして、自動調芯機構3の制御手段は、概略、上記構成において、移動手段2を駆動させて開き量検知手段11による検知結果が最小となる位置をクランパ1が配置されるべき位置として設定するよう演算を行うものである。
【0011】
この実施の形態における熱間鍛造プレス装置は、ラムが横方向(図1および図3において紙面に対する直角方向)に往復駆動される所謂横型多段式のもので、複数に分割された成形工程に応じたパンチMoとダイM1からなるプレス型Mが、熱間鍛造プレス装置の成形部に、ラムの往復駆動方向と直交する方向(図1および図3において左右方向)に複数(図に示した実施の形態では3つ)取り付けられる。したがって、この実施の形態におけるトランスファ装置は、プレス型Mで成形されたワークWを図1および図3における左右方向(以下、搬送方向という)に順次自動送りするものである。3つクランパ1が、プレス型Mと対応するように設けられている。ワークWは、トランスファ装置によって各プレス型Mと対応して同軸上の位置に搬送されて、ダイM1内でパンチM0によって加圧される。したがって、パンチM0は、ワークWと同軸上に位置すると共にワークと同径である。
【0012】
この実施の形態における移動手段2は、クランパ1を搬送方向および上下方向に移動させるよう構成されている。移動手段2は、フレーム20に対して搬送方向に移動可能に設けられたスライドプレート21と、このスライドプレート21に昇降可能に支持されたクランパベース22と、スライドプレート21を搬送方向に移動させるボールネジ機構23と、クランパ1が設けられるクランパベース22を昇降移動させるための昇降駆動手段24と、を備えてなる。なお、図2においては、クランパベース22にクランパ1を図示するのを省略していることに注意されたい。
【0013】
図1および図2に示すように、熱間鍛造プレス装置のフレーム20の上下にはリニアガイド25が図1における左右方向に延在するように設けられている。このリニアガイド25には、スライドプレート21が搬送方向に移動可能に支持されている。スライドプレート21には、搬送方向に移動させるためのボールネジ機構23が設けられている。ボールネジ機構23は、フレーム20に設けられたブラケット20aの間に搬送方向に延在して軸周りに回転可能なように支持されたボールネジ軸23aと、スライドプレート21に設けられたボールネジナット23bにより構成されてなるもので、ブラケット20aの一方にはボールネジ軸23aに接続されてこれを軸周りに制御可能に回転駆動するためのサーボモータ23cが設けられている。サーボモータ23cを回転駆動することによりボールネジ軸23aに螺合されたボールネジナット23bが移動し、したがって、スライドプレート21が搬送方向に移動されることとなる。
【0014】
スライドプレート21の両側縁には、リニアガイド26が図1における垂直方向に延在するように設けられている。このリニアガイド26には、クランパベース22が昇降移動可能に支持されている。クランパベース22を昇降移動させるための昇降駆動手段24は、フレーム20の両側縁に設けられたリニアガイド27に昇降可能に支持された昇降プレート28と、昇降プレート28を昇降移動させるためのボールネジ機構29と、スライドプレート21に支持されたクランパベース22の搬送方向の移動を許容しつつクランパベース22と昇降プレート28とを接続する接続部材30とを備えている。ボールネジ機構29は、垂直方向に延在して軸周りに回転可能なようにフレーム20に支持されたボールネジ軸29aと、昇降プレート28に設けられたボールネジナット29bにより構成されてなるもので、フレーム20上にはボールネジ軸29aに接続されてこれを軸周りに制御可能に回転駆動するためのサーボモータ29cが設けられている。サーボモータ29cを回転駆動することによりボールネジ軸29aに螺合されたボールネジナット29bが移動するのに伴って昇降プレート28が昇降移動する。
【0015】
スライドプレート21は、その中央部が打ち抜き加工等によって開放された枠状に形成されており、昇降プレート28には一対で接続部材30が設けられており、接続部材30の先端には搬送方向に延在するレール部材31がスライドプレート21の一側縁を跨ぐように設けられている。そして、クランパベース22の背面には、レール部材31を上下から受ける対のローラ32が複数配設されている。したがって、サーボモータ29cの回転駆動によりボールネジ機構29を介して昇降プレート28が昇降移動されると、クランパベース22は、接続部材30に設けられたレール部材31をローラ32が受けていることにより昇降移動し、また、サーボモータ23cが回転駆動されるとボールネジ機構23を介してスライドプレート21が接続部材30に干渉することなく搬送方向に移動され、これに伴って、スライドプレート21に支持されているクランパベース22は、接続部材30に設けられたレール部材31に対してローラ32が転動するため搬送方向に移動されることとなる。
【0016】
図3または図6に示すように、各クランパ1は、ケース12に揺動可能に設けられた一対のアーム13と、両アーム13の先端にそれぞれ調整可能に取り付けられたフィンガ10と、アーム13を開閉駆動するための開閉駆動手段14と、を備えてなるもので、各ケース12が共通のクランパベース22に対して、プレス型Mの間隔と対応する位置に着脱可能に取り付けられている。アーム13は、その上端がケース12に枢着され、下端にフィンガ保持部13aが形成されている。フィンガ10には、把持するワークWの形状や大きさなどに応じて、アーム13に対する長さや角度などの位置を調整可能にフィンガ保持部13aに取り付けるための長孔10aが形成されている。
【0017】
開閉駆動手段14は、両アーム13にそれぞれの一端が枢着されたリンク15と、両リンク15の他端が枢着される昇降ロッド16と、昇降ロッド16を昇降移動させるためのレバー17と、アーム13を閉駆動させるようレバー17を駆動するシリンダ18と、アーム13を開駆動させるようレバー17を駆動する開駆動手段19と、を備えてなる。開駆動手段19は、レバー17に当接される当接部材40と、当接部材40を移動させるためのボールネジ機構41と、ボールネジ機構41を駆動するサーボモータ41cと、を備えている。この実施の形態では、昇降ロッド16を上昇させることによりアーム13とフィンガ10が閉駆動され、昇降ロッド16を下降させることにより開駆動されるよう構成されている。
【0018】
図4に示すように、レバー17は、昇降ロッド16に係合される第1枝部17aと、シリンダ18のロッドに当接される第2枝部17bと、当接部材40に当接されて転動するローラ17dを支持するための第3枝部17cとを有している。レバー17は、クランパベース22の背面に設けられたブラケット22aに軸支されている。レバー17の第1枝部17aは、クランパベース22に穿設された穴22bに通されて、昇降ロッド16の係合部16aに係合されている。なお、昇降ロッド16には、レバー17の第1枝部17aに対して昇降ロッド16が上昇させようとする過負荷、あるいは、昇降ロッド16に対してレバー17が下降させようとする過負荷を吸収するための安全装置16bが設けられている。シリンダ18のロッドを伸長駆動することにより、レバー17は、第2枝部17bが押圧されて第1枝部17aが昇降ロッド16を上昇させるように回動される。
【0019】
図3および図4に示すように、開駆動手段14の当接部材40は、搬送方向に延在する断面円形の棒状に形成されている。そして、各クランパ1を開駆動する開駆動手段19は、当接部材40が互いに干渉することがないように、当接部材40、ボールネジ機構41、およびサーボモータ41cがそれぞれ偏位して設けられている。レバー17の第3枝部17cに設けられたローラ17dは、当接部材40に点接触した状態で、スライドプレート21がボールネジ機構23の駆動によって搬送方向に移動され、これに伴ってクランパベース22も搬送方向に移動されると、当接部材40上を転動する。そして、サーボモータ41cの駆動によってボールネジ機構41を介して当接部材40を上昇移動させると、レバー17は、第3枝部17cが押圧されて第1枝部17aが昇降ロッド16を下降させるように回動される。
【0020】
図5に示すように、自動調芯機構3の開き量検知手段11は、レバー17の第2枝部17bに取り付けられた当接片50と、当接片50に当接されるロッド51を有するシリンダ52と、当接片50に当接されたロッド51の軸方向の移動量を検知するセンサ53と、を備えてなる。熱間鍛造プレス装置のフレーム20には、シリンダ52およびセンサ53を支持するためのブラケット54が設けられており、ロッド51を挿通するための孔20bが形成されている。また、昇降プレート28にも、クランパ1の芯出しを行うときにロッド51の先端を挿通させる孔28bが形成されている。シリンダ52は、クランパ1の芯出しを行うときにロッド51の先端面を当接片50に比較的軽く当接させ、且つ、熱間鍛造プレス装置が成形を行っているときには昇降プレート28の昇降移動を妨げることがないように、少なくとも昇降プレート28の孔28bから退避するように後退させることができるストロークを備えている。なお、開き量検知手段11は、この実施の形態においては、3つのクランパ1のうちで中央に設けられたクランパ1に対して設けられている。しかしながら、本発明は、この実施の形態に限定されることなく、各クランパ1のフィンガ10の開き量を検出することができるように開き量検知手段11を設けることもできる。また、本発明におけるクランパ1および移動手段2は、この実施の形態で説明した構造のものに限定されることなく、他の形式のものでもよい。さらに、フィンガ10が当接される調芯対象は、パンチM0に限定されることなく、実際に直接把持されて搬送されるワークWとすることができ、またフィンガ10が把持するワークWと同軸上に位置する他の対象とすることもできる。
【0021】
次に、本発明のトランスファ装置の調芯方法の一実施の形態を、上述したように構成されたトランスファ装置を用いる場合により、そのトランスファ装置の制御手段による作動と共に、主に図6および図7に基づいて説明する。
本発明の調芯方法は、概略、搬送対象を把持する開閉可能なフィンガ10を有するクランパ1と、該クランパ1を移動させる移動手段2とを備えたトランスファ装置において、搬送対象Wに対してフィンガ10が適切に把持し得る位置にクランパ1を配置させるための調芯方法であって、フィンガ10を閉駆動して調芯対象として搬送対象Wと同軸上に位置するパンチM0(この実施の形態の場合)に当接させ、フィンガ10の開き量を検知し、検知されたフィンガ10の開き量に基づいてクランパ1が配置されるべき位置を設定して、該設定にしたがって移動手段2を駆動させるものである。
そして、さらに本発明の調芯方法は、概略、上記構成において、移動手段2を駆動させてフィンガ10の開き量が最小となる位置にクランパ1を配置させる位置を設定するものでる。
【0022】
ここで、クランパ1をチャッキング位置に移動させたとき、フィンガ10が搬送対象であるワークWを適切に把持することができるセンタの位置C0と、プレス型で成形された実際のワークのセンタの位置(この実施の形態ではパンチM0のセンタの位置)C1が図6の(a)に示すようにずれているものとする。芯出しを行うに際しては、フィンガ10が搬送対象となるワークWと同心上に位置するパンチM0を把持できるように前進させた状態で、シリンダ18の伸長駆動によってレバー17を回動させ、昇降ロッド16を上昇させてアーム13のフィンガ10を閉駆動し(図7のS1)、フィンガ10にパンチM0を把持するよう当接させる。パンチM0がワークWと同心上に位置しているため、フィンガ10は、調芯対象としてのパンチM0に当接されることによりワークWと間接的に当接されることとなる。なお、このときには、開駆動手段19の当接部材40がローラ17dに当接しないようにして、クランパ1の閉駆動を阻害しないよう制御される。また、昇降プレート28は、その孔28bに開き量検知手段11のシリンダ52のロッド51を挿通することができる位置に配置されている。
さらに、フィンガ10を当接させる調芯対象は、パンチM0に限定されることなく、位置決めされたワークWを直接把持することができる場合には実際に直接把持されて搬送されるワークWとすることができ、また、把持するワークWと同軸上に位置する他の対象とすることもできる。
【0023】
このとき、図6の(a)に示したように、プレス型Mで成形された実際のワークW(パンチM0)のセンタの位置C0に対してクランパ1のフィンガ10のセンタC1の位置がずれているため、クランパ1のフィンガ10がワークWを適切に把持する状態よりも開いた状態となっている。そこで、制御手段は、開き量検知手段11のシリンダ52を伸長駆動させてロッド51を当接片50に当接させ、このときのロッド51の軸方向の位置をセンサ53により検知する。そして、制御手段は、この実施の形態の場合、サーボモータ23cを駆動させることによってスライドプレート21を搬送方向に予め設定された距離だけ往復移動させ、センサ53によって検知されるフィンガ10の開き量が最小となるときのスライドプレート21の位置(すなわち、クランパ1の搬送方向の位置)をサーボモータ23cの駆動量により検出し(図7のS2)、図6の(b)に示すように、かかる位置を搬送方向の設定位置とする(図7のS3)。
【0024】
次いで、制御手段は、サーボモータ29cを駆動させることによって昇降プレート28に伴ってクランパベース22を搬送方向と直交する上下方向に予め設定された距離だけ往復昇降移動させ、センサ53によって検知されるフィンガ10の開き量が最小となるときの昇降プレート28の位置(すなわち、クランパベース22に取り付けられたクランパ1の搬送方向と直交する方向の位置)をサーボモータ29cの駆動量により検出し(図7のS4)、図3に参照されるように、かかる位置を搬送方向と直交する方向の設定位置とする(図7のS5)。
【0025】
なお、本発明は、この実施の形態に限定されることなく、搬送方向と直交する方向の位置を設定してから搬送方向の位置を設定することもできる。
また、本発明は、この実施の形態に限定されることなく、プレス型Mで成形された実際のワークWのセンタの位置C0に対してクランパ1のフィンガ10のセンタの位置C1が合致しているときにセンサ53によって検出されるフィンガ10の開き量を制御装置が予め記憶しておき、かかる記憶された開き量と実際にセンサ53によって検出されるフィンガ10の開き量とを比較して、実際に検出される開き量が記憶された開き量と等しくなるようにサーボモータ23c、29cを駆動させて調整することもできる。
【0026】
この実施の形態では以下の効果を奏する。
自動調芯機構3が、フィンガ10を閉駆動して調芯対象としてワークWと同心上に位置するプレス型Mを介してワークWと間接的にまたはワークWに直接的に当接させたときのフィンガ10の開き量を検知する開き量検知手段11と、この開き量検知手段11による検知結果に基づいてクランパ1を配置させるべき位置を設定して、この設定にしたがって移動手段2を制御する制御手段と、を有する、という簡単な構成で、容易に精度良くクランパ1の位置を短時間で調整することができるトランスファ装置を提供することができる。
そして、自動調芯機構の制御手段が、移動手段2を駆動させて開き量検知手段11による検知結果が最小となる位置をクランパ1が配置されるべき位置として設定する、という簡単な制御内容であるため、容易に精度良くクランパ1の位置を調整する芯出し(調芯)を行うことができるトランスファ装置を実現化させることができる。
【0027】
また、フィンガ10を閉駆動して調芯対象であるワークWに直接または間接的に当接させ、フィンガ10の開き量を検知し、検知されたフィンガ10の開き量に基づいてクランパ1を配置させるべき位置を設定して、この設定にしたがって移動手段2を駆動させて芯出しを行う、という簡単な構成で、容易に精度良くクランパ1の位置を短時間で調整することができるトランスファ装置の調芯方法を提供することができる。
そして、移動手段2を駆動させてフィンガ10の開き量が最小となる位置にクランパ1を配置させる位置を設定する、という簡単な制御内容であるため、容易に精度良くクランパ1の位置を調整することができるトランスファ装置の調芯方法を実現化させることができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、短時間で自動的に精度良く芯出し作業を行うことができるトランスファ装置およびトランスファ装置の調芯方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランスファ装置の移動手段の一実施の形態を説明するための正面図である。
【図2】図1の縦断側面図である。
【図3】クランパと昇降駆動手段の一実施の形態を説明するための正面図である。
【図4】図3の縦断側面図である。
【図5】フィンガの開き量検知手段を説明するための縦断側面図である。
【図6】クランパの位置を調整する工程を説明するための説明図である。
【図7】本発明のトランスファ装置の調芯方法の一実施の形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
W ワーク(搬送対象)
M プレス型
M0 調芯対象
1 クランパ
2 移動手段
3 自動調芯機構
10 フィンガ
11 開き量検知手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば熱間鍛造プレスなどにおいて搬送対象であるワークを自動送りするトランスファ装置、および、このトランスファ装置においてワークを把持するクランパを適切な位置に配置させるための自動調芯方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば熱間鍛造などにおいては、成形工程が複数に分割され、例えばパンチとダイスなど、各成形工程に対応して複数のプレス型が用意される。そして、熱間鍛造プレス装置においては、複数のプレス型が取り付けられ、一のプレス型によって成形されたワークを次のプレス型に自動送りするためのトランスファ装置が設けられたものがある。このトランスファ装置は、一般に、搬送対象となるワークを把持するために開閉可能に設けられたフィンガを有するクランパと、このクランパを前工程から次工程へと移動させる移動手段と、を備えている。特許文献1には、圧造成形機の素材移送用チャック装置(クランパ)が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
実開平7−44679号公報
【0004】
ところで、熱間鍛造プレス装置などのトランスファ装置では、搬送対象であるワークをクランパのフィンガが適切に把持することができるように、特に成形する製品に応じてプレス型を取り付ける度に、各工程のプレス型とチャッキング時におけるフィンガのセンタを合わせるようクランパの配置を調整する(調芯する)、すなわち、所謂芯出しを行う必要がある。
【0005】
芯出しを行うための従来の技術としては、各工程のプレス型をプレス装置に取り付けて、一工程づつ手作業でフィンガのセンタがプレス型のセンタに一致しているか確認し、一致していない場合には一致するよう調整していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、手作業による芯出しでは、時間がかかると共に芯出し精度にバラツキが生じることがあるという問題があった。また、プレス型を取り付けた状態では、型開きした状態であってもプレス型間の間隔が狭く、芯出し作業を試行錯誤で行う必要があるなどの問題があった。
【0007】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたもので、短時間で自動的に精度良く芯出し作業を行うことができるトランスファ装置およびトランスファ装置の調芯方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1のトランスファ装置に係る発明は、上記目的を達成するため、搬送対象を把持する開閉可能なフィンガを有するクランパと、該クランパを移動させる移動手段と、搬送対象に対してフィンガが適切に把持し得る位置にクランパを配置させる自動調芯機構とを備えたトランスファ装置であって、前記自動調芯機構は、フィンガを閉駆動して調芯対象に当接させたときのフィンガの開き量を検知する開き量検知手段と、該開き量検知手段による検知結果に基づいてクランパを配置させるべき位置を設定して該設定にしたがって移動手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
請求項2のトランスファ装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、前記自動調芯機構の制御手段は、移動手段を駆動させて開き量検知手段による検知結果が最小となる位置をクランパが配置されるべき位置として設定するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3のトランスファ装置の調芯方法に係る発明は、上記目的を達成するため、搬送対象を把持する開閉可能なフィンガを有するクランパと、該クランパを移動させる移動手段とを備えたトランスファ装置において、搬送対象に対してフィンガが適切に把持し得る位置にクランパを配置させるための調芯方法であって、フィンガを閉駆動して調芯対象に当接させ、フィンガの開き量を検知し、検知されたフィンガの開き量に基づいてクランパを配置させるべき位置を設定して、該設定にしたがって移動手段を駆動させることを特徴とするものである。
請求項4のトランスファ装置の調芯方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明において、移動手段を駆動させてフィンガの開き量が最小となる位置にクランパを配置させる位置を設定することを特徴とするものである。
【0009】
請求項1の発明では、フィンガを閉駆動して調芯対象に当接させて、このときのフィンガの開き量を自動調芯機構の開き量検知手段により検知する。そして、制御手段は、移動手段を駆動してクランパを移動させ、フィンガの開き量の変化に基づいて搬送対象に対してフィンガが適切に把持し得る位置にクランパを配置させるべき位置を設定し、この設定された位置にクランパが配置されるよう移動手段を制御・駆動する。ここで、フィンガが当接される調芯対象とは、フィンガが実際に把持して搬送する搬送対象、または、例えば搬送対象と同軸の型など、フィンガが搬送対象を把持するのと同等の対象を意味する。
請求項2の発明では、請求項1に記載の発明において、自動調芯機構の制御手段は、移動手段を駆動させて開き量検知手段による検知結果が最小となる位置をクランパが配置されるべき位置として設定する。
また、請求項3の発明では、フィンガを閉駆動して調芯対象に当接させ、フィンガの開き量を検知する。そして、移動手段を駆動してクランパを移動させ、フィンガの開き量の変化に基づいて搬送対象に対してフィンガが適切に把持し得る位置にクランパを配置させるべき位置を設定し、この設定された位置にクランパが配置されるよう移動手段を制御・駆動する。ここで、フィンガを調芯対象に当接させるとは、フィンガを搬送対象に直接当接させること、または、例えば搬送対象と同軸の型など、フィンガが間接的に搬送対象を把持するのと同等の対象を把持すること意味する。
請求項4の発明では、請求項3に記載の発明において、移動手段を駆動させクランパを移動させ、フィンガの開き量が最小となるときにクランパを配置させる位置と設定する。
【0010】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明のトランスファ装置の一実施の形態を、ワークWと同軸上に位置するパンチM0を有する熱間鍛造プレス装置に用いる場合によって、図1〜図6に基づいて説明する。
本発明のトランスファ装置は、概略、搬送対象(以下、ワークWという)を把持する開閉可能なフィンガ10を有するクランパ1と、このクランパ1を搬送方向など所定の方向に移動させる移動手段2と、自動調芯機構3とを備えており、自動調芯機構3は、フィンガ10を閉駆動して調芯対象としてワークWと同軸上に位置するパンチM0(この実施の形態の場合)に当接させたときのフィンガ10の開き量を検知する開き量検知手段11と、この開き量検知手段11による検知結果に基づいてクランパ1の配置させるべき位置を設定して該設定にしたがって移動手段2を制御する制御手段(後述する)と、を有している。
そして、自動調芯機構3の制御手段は、概略、上記構成において、移動手段2を駆動させて開き量検知手段11による検知結果が最小となる位置をクランパ1が配置されるべき位置として設定するよう演算を行うものである。
【0011】
この実施の形態における熱間鍛造プレス装置は、ラムが横方向(図1および図3において紙面に対する直角方向)に往復駆動される所謂横型多段式のもので、複数に分割された成形工程に応じたパンチMoとダイM1からなるプレス型Mが、熱間鍛造プレス装置の成形部に、ラムの往復駆動方向と直交する方向(図1および図3において左右方向)に複数(図に示した実施の形態では3つ)取り付けられる。したがって、この実施の形態におけるトランスファ装置は、プレス型Mで成形されたワークWを図1および図3における左右方向(以下、搬送方向という)に順次自動送りするものである。3つクランパ1が、プレス型Mと対応するように設けられている。ワークWは、トランスファ装置によって各プレス型Mと対応して同軸上の位置に搬送されて、ダイM1内でパンチM0によって加圧される。したがって、パンチM0は、ワークWと同軸上に位置すると共にワークと同径である。
【0012】
この実施の形態における移動手段2は、クランパ1を搬送方向および上下方向に移動させるよう構成されている。移動手段2は、フレーム20に対して搬送方向に移動可能に設けられたスライドプレート21と、このスライドプレート21に昇降可能に支持されたクランパベース22と、スライドプレート21を搬送方向に移動させるボールネジ機構23と、クランパ1が設けられるクランパベース22を昇降移動させるための昇降駆動手段24と、を備えてなる。なお、図2においては、クランパベース22にクランパ1を図示するのを省略していることに注意されたい。
【0013】
図1および図2に示すように、熱間鍛造プレス装置のフレーム20の上下にはリニアガイド25が図1における左右方向に延在するように設けられている。このリニアガイド25には、スライドプレート21が搬送方向に移動可能に支持されている。スライドプレート21には、搬送方向に移動させるためのボールネジ機構23が設けられている。ボールネジ機構23は、フレーム20に設けられたブラケット20aの間に搬送方向に延在して軸周りに回転可能なように支持されたボールネジ軸23aと、スライドプレート21に設けられたボールネジナット23bにより構成されてなるもので、ブラケット20aの一方にはボールネジ軸23aに接続されてこれを軸周りに制御可能に回転駆動するためのサーボモータ23cが設けられている。サーボモータ23cを回転駆動することによりボールネジ軸23aに螺合されたボールネジナット23bが移動し、したがって、スライドプレート21が搬送方向に移動されることとなる。
【0014】
スライドプレート21の両側縁には、リニアガイド26が図1における垂直方向に延在するように設けられている。このリニアガイド26には、クランパベース22が昇降移動可能に支持されている。クランパベース22を昇降移動させるための昇降駆動手段24は、フレーム20の両側縁に設けられたリニアガイド27に昇降可能に支持された昇降プレート28と、昇降プレート28を昇降移動させるためのボールネジ機構29と、スライドプレート21に支持されたクランパベース22の搬送方向の移動を許容しつつクランパベース22と昇降プレート28とを接続する接続部材30とを備えている。ボールネジ機構29は、垂直方向に延在して軸周りに回転可能なようにフレーム20に支持されたボールネジ軸29aと、昇降プレート28に設けられたボールネジナット29bにより構成されてなるもので、フレーム20上にはボールネジ軸29aに接続されてこれを軸周りに制御可能に回転駆動するためのサーボモータ29cが設けられている。サーボモータ29cを回転駆動することによりボールネジ軸29aに螺合されたボールネジナット29bが移動するのに伴って昇降プレート28が昇降移動する。
【0015】
スライドプレート21は、その中央部が打ち抜き加工等によって開放された枠状に形成されており、昇降プレート28には一対で接続部材30が設けられており、接続部材30の先端には搬送方向に延在するレール部材31がスライドプレート21の一側縁を跨ぐように設けられている。そして、クランパベース22の背面には、レール部材31を上下から受ける対のローラ32が複数配設されている。したがって、サーボモータ29cの回転駆動によりボールネジ機構29を介して昇降プレート28が昇降移動されると、クランパベース22は、接続部材30に設けられたレール部材31をローラ32が受けていることにより昇降移動し、また、サーボモータ23cが回転駆動されるとボールネジ機構23を介してスライドプレート21が接続部材30に干渉することなく搬送方向に移動され、これに伴って、スライドプレート21に支持されているクランパベース22は、接続部材30に設けられたレール部材31に対してローラ32が転動するため搬送方向に移動されることとなる。
【0016】
図3または図6に示すように、各クランパ1は、ケース12に揺動可能に設けられた一対のアーム13と、両アーム13の先端にそれぞれ調整可能に取り付けられたフィンガ10と、アーム13を開閉駆動するための開閉駆動手段14と、を備えてなるもので、各ケース12が共通のクランパベース22に対して、プレス型Mの間隔と対応する位置に着脱可能に取り付けられている。アーム13は、その上端がケース12に枢着され、下端にフィンガ保持部13aが形成されている。フィンガ10には、把持するワークWの形状や大きさなどに応じて、アーム13に対する長さや角度などの位置を調整可能にフィンガ保持部13aに取り付けるための長孔10aが形成されている。
【0017】
開閉駆動手段14は、両アーム13にそれぞれの一端が枢着されたリンク15と、両リンク15の他端が枢着される昇降ロッド16と、昇降ロッド16を昇降移動させるためのレバー17と、アーム13を閉駆動させるようレバー17を駆動するシリンダ18と、アーム13を開駆動させるようレバー17を駆動する開駆動手段19と、を備えてなる。開駆動手段19は、レバー17に当接される当接部材40と、当接部材40を移動させるためのボールネジ機構41と、ボールネジ機構41を駆動するサーボモータ41cと、を備えている。この実施の形態では、昇降ロッド16を上昇させることによりアーム13とフィンガ10が閉駆動され、昇降ロッド16を下降させることにより開駆動されるよう構成されている。
【0018】
図4に示すように、レバー17は、昇降ロッド16に係合される第1枝部17aと、シリンダ18のロッドに当接される第2枝部17bと、当接部材40に当接されて転動するローラ17dを支持するための第3枝部17cとを有している。レバー17は、クランパベース22の背面に設けられたブラケット22aに軸支されている。レバー17の第1枝部17aは、クランパベース22に穿設された穴22bに通されて、昇降ロッド16の係合部16aに係合されている。なお、昇降ロッド16には、レバー17の第1枝部17aに対して昇降ロッド16が上昇させようとする過負荷、あるいは、昇降ロッド16に対してレバー17が下降させようとする過負荷を吸収するための安全装置16bが設けられている。シリンダ18のロッドを伸長駆動することにより、レバー17は、第2枝部17bが押圧されて第1枝部17aが昇降ロッド16を上昇させるように回動される。
【0019】
図3および図4に示すように、開駆動手段14の当接部材40は、搬送方向に延在する断面円形の棒状に形成されている。そして、各クランパ1を開駆動する開駆動手段19は、当接部材40が互いに干渉することがないように、当接部材40、ボールネジ機構41、およびサーボモータ41cがそれぞれ偏位して設けられている。レバー17の第3枝部17cに設けられたローラ17dは、当接部材40に点接触した状態で、スライドプレート21がボールネジ機構23の駆動によって搬送方向に移動され、これに伴ってクランパベース22も搬送方向に移動されると、当接部材40上を転動する。そして、サーボモータ41cの駆動によってボールネジ機構41を介して当接部材40を上昇移動させると、レバー17は、第3枝部17cが押圧されて第1枝部17aが昇降ロッド16を下降させるように回動される。
【0020】
図5に示すように、自動調芯機構3の開き量検知手段11は、レバー17の第2枝部17bに取り付けられた当接片50と、当接片50に当接されるロッド51を有するシリンダ52と、当接片50に当接されたロッド51の軸方向の移動量を検知するセンサ53と、を備えてなる。熱間鍛造プレス装置のフレーム20には、シリンダ52およびセンサ53を支持するためのブラケット54が設けられており、ロッド51を挿通するための孔20bが形成されている。また、昇降プレート28にも、クランパ1の芯出しを行うときにロッド51の先端を挿通させる孔28bが形成されている。シリンダ52は、クランパ1の芯出しを行うときにロッド51の先端面を当接片50に比較的軽く当接させ、且つ、熱間鍛造プレス装置が成形を行っているときには昇降プレート28の昇降移動を妨げることがないように、少なくとも昇降プレート28の孔28bから退避するように後退させることができるストロークを備えている。なお、開き量検知手段11は、この実施の形態においては、3つのクランパ1のうちで中央に設けられたクランパ1に対して設けられている。しかしながら、本発明は、この実施の形態に限定されることなく、各クランパ1のフィンガ10の開き量を検出することができるように開き量検知手段11を設けることもできる。また、本発明におけるクランパ1および移動手段2は、この実施の形態で説明した構造のものに限定されることなく、他の形式のものでもよい。さらに、フィンガ10が当接される調芯対象は、パンチM0に限定されることなく、実際に直接把持されて搬送されるワークWとすることができ、またフィンガ10が把持するワークWと同軸上に位置する他の対象とすることもできる。
【0021】
次に、本発明のトランスファ装置の調芯方法の一実施の形態を、上述したように構成されたトランスファ装置を用いる場合により、そのトランスファ装置の制御手段による作動と共に、主に図6および図7に基づいて説明する。
本発明の調芯方法は、概略、搬送対象を把持する開閉可能なフィンガ10を有するクランパ1と、該クランパ1を移動させる移動手段2とを備えたトランスファ装置において、搬送対象Wに対してフィンガ10が適切に把持し得る位置にクランパ1を配置させるための調芯方法であって、フィンガ10を閉駆動して調芯対象として搬送対象Wと同軸上に位置するパンチM0(この実施の形態の場合)に当接させ、フィンガ10の開き量を検知し、検知されたフィンガ10の開き量に基づいてクランパ1が配置されるべき位置を設定して、該設定にしたがって移動手段2を駆動させるものである。
そして、さらに本発明の調芯方法は、概略、上記構成において、移動手段2を駆動させてフィンガ10の開き量が最小となる位置にクランパ1を配置させる位置を設定するものでる。
【0022】
ここで、クランパ1をチャッキング位置に移動させたとき、フィンガ10が搬送対象であるワークWを適切に把持することができるセンタの位置C0と、プレス型で成形された実際のワークのセンタの位置(この実施の形態ではパンチM0のセンタの位置)C1が図6の(a)に示すようにずれているものとする。芯出しを行うに際しては、フィンガ10が搬送対象となるワークWと同心上に位置するパンチM0を把持できるように前進させた状態で、シリンダ18の伸長駆動によってレバー17を回動させ、昇降ロッド16を上昇させてアーム13のフィンガ10を閉駆動し(図7のS1)、フィンガ10にパンチM0を把持するよう当接させる。パンチM0がワークWと同心上に位置しているため、フィンガ10は、調芯対象としてのパンチM0に当接されることによりワークWと間接的に当接されることとなる。なお、このときには、開駆動手段19の当接部材40がローラ17dに当接しないようにして、クランパ1の閉駆動を阻害しないよう制御される。また、昇降プレート28は、その孔28bに開き量検知手段11のシリンダ52のロッド51を挿通することができる位置に配置されている。
さらに、フィンガ10を当接させる調芯対象は、パンチM0に限定されることなく、位置決めされたワークWを直接把持することができる場合には実際に直接把持されて搬送されるワークWとすることができ、また、把持するワークWと同軸上に位置する他の対象とすることもできる。
【0023】
このとき、図6の(a)に示したように、プレス型Mで成形された実際のワークW(パンチM0)のセンタの位置C0に対してクランパ1のフィンガ10のセンタC1の位置がずれているため、クランパ1のフィンガ10がワークWを適切に把持する状態よりも開いた状態となっている。そこで、制御手段は、開き量検知手段11のシリンダ52を伸長駆動させてロッド51を当接片50に当接させ、このときのロッド51の軸方向の位置をセンサ53により検知する。そして、制御手段は、この実施の形態の場合、サーボモータ23cを駆動させることによってスライドプレート21を搬送方向に予め設定された距離だけ往復移動させ、センサ53によって検知されるフィンガ10の開き量が最小となるときのスライドプレート21の位置(すなわち、クランパ1の搬送方向の位置)をサーボモータ23cの駆動量により検出し(図7のS2)、図6の(b)に示すように、かかる位置を搬送方向の設定位置とする(図7のS3)。
【0024】
次いで、制御手段は、サーボモータ29cを駆動させることによって昇降プレート28に伴ってクランパベース22を搬送方向と直交する上下方向に予め設定された距離だけ往復昇降移動させ、センサ53によって検知されるフィンガ10の開き量が最小となるときの昇降プレート28の位置(すなわち、クランパベース22に取り付けられたクランパ1の搬送方向と直交する方向の位置)をサーボモータ29cの駆動量により検出し(図7のS4)、図3に参照されるように、かかる位置を搬送方向と直交する方向の設定位置とする(図7のS5)。
【0025】
なお、本発明は、この実施の形態に限定されることなく、搬送方向と直交する方向の位置を設定してから搬送方向の位置を設定することもできる。
また、本発明は、この実施の形態に限定されることなく、プレス型Mで成形された実際のワークWのセンタの位置C0に対してクランパ1のフィンガ10のセンタの位置C1が合致しているときにセンサ53によって検出されるフィンガ10の開き量を制御装置が予め記憶しておき、かかる記憶された開き量と実際にセンサ53によって検出されるフィンガ10の開き量とを比較して、実際に検出される開き量が記憶された開き量と等しくなるようにサーボモータ23c、29cを駆動させて調整することもできる。
【0026】
この実施の形態では以下の効果を奏する。
自動調芯機構3が、フィンガ10を閉駆動して調芯対象としてワークWと同心上に位置するプレス型Mを介してワークWと間接的にまたはワークWに直接的に当接させたときのフィンガ10の開き量を検知する開き量検知手段11と、この開き量検知手段11による検知結果に基づいてクランパ1を配置させるべき位置を設定して、この設定にしたがって移動手段2を制御する制御手段と、を有する、という簡単な構成で、容易に精度良くクランパ1の位置を短時間で調整することができるトランスファ装置を提供することができる。
そして、自動調芯機構の制御手段が、移動手段2を駆動させて開き量検知手段11による検知結果が最小となる位置をクランパ1が配置されるべき位置として設定する、という簡単な制御内容であるため、容易に精度良くクランパ1の位置を調整する芯出し(調芯)を行うことができるトランスファ装置を実現化させることができる。
【0027】
また、フィンガ10を閉駆動して調芯対象であるワークWに直接または間接的に当接させ、フィンガ10の開き量を検知し、検知されたフィンガ10の開き量に基づいてクランパ1を配置させるべき位置を設定して、この設定にしたがって移動手段2を駆動させて芯出しを行う、という簡単な構成で、容易に精度良くクランパ1の位置を短時間で調整することができるトランスファ装置の調芯方法を提供することができる。
そして、移動手段2を駆動させてフィンガ10の開き量が最小となる位置にクランパ1を配置させる位置を設定する、という簡単な制御内容であるため、容易に精度良くクランパ1の位置を調整することができるトランスファ装置の調芯方法を実現化させることができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、短時間で自動的に精度良く芯出し作業を行うことができるトランスファ装置およびトランスファ装置の調芯方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランスファ装置の移動手段の一実施の形態を説明するための正面図である。
【図2】図1の縦断側面図である。
【図3】クランパと昇降駆動手段の一実施の形態を説明するための正面図である。
【図4】図3の縦断側面図である。
【図5】フィンガの開き量検知手段を説明するための縦断側面図である。
【図6】クランパの位置を調整する工程を説明するための説明図である。
【図7】本発明のトランスファ装置の調芯方法の一実施の形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
W ワーク(搬送対象)
M プレス型
M0 調芯対象
1 クランパ
2 移動手段
3 自動調芯機構
10 フィンガ
11 開き量検知手段
Claims (4)
- 搬送対象を把持する開閉可能なフィンガを有するクランパと、該クランパを移動させる移動手段と、搬送対象に対してフィンガが適切に把持し得る位置にクランパを配置させる自動調芯機構とを備えたトランスファ装置であって、
前記自動調芯機構は、
フィンガを閉駆動して調芯対象に当接させたときのフィンガの開き量を検知する開き量検知手段と、
該開き量検知手段による検知結果に基づいてクランパを配置させるべき位置を設定して該設定にしたがって移動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とするトランスファ装置。 - 前記自動調芯機構の制御手段は、移動手段を駆動させて開き量検知手段による検知結果が最小となる位置をクランパが配置されるべき位置として設定するものであることを特徴とする請求項1に記載のトランスファ装置。
- 搬送対象を把持する開閉可能なフィンガを有するクランパと、該クランパを移動させる移動手段とを備えたトランスファ装置において、搬送対象に対してフィンガが適切に把持し得る位置にクランパを配置させるための調芯方法であって、
フィンガを閉駆動して調芯対象に当接させ、
フィンガの開き量を検知し、
検知されたフィンガの開き量に基づいてクランパを配置させるべき位置を設定して、該設定にしたがって移動手段を駆動させることを特徴とするトランスファ装置の調芯方法。 - 移動手段を駆動させてフィンガの開き量が最小となる位置にクランパを配置させる位置を設定することを特徴とする請求項3に記載のトランスファ装置の調芯方法。
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- 2003-05-22 JP JP2003145208A patent/JP2004344937A/ja active Pending
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