JP2018140421A - 加工ユニット - Google Patents

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孝雄 尾日向
Takao Obinata
孝雄 尾日向
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Abstract

【課題】異なるパイプ径および曲げ半径が混在する曲げ加工を、効率よく行える加工ユニットを提供する。
【解決手段】加工対象のパイプ径および曲げ半径の少なくともいずれかが異なる曲げ溝およびクランプ溝をそれぞれ含む上型23および下型22と、上型に対応した曲げ溝24およびクランプ溝26、および下型に対応した曲げ溝25およびクランプ溝27を含み、上型および下型の間に位置する中型21とを含むクランプ20と、上型および下型が中型を挟んで閉じた状態のクランプと協働して加工対象を保持するプレッシャユニット30と、上型および下型を第1の軸に沿って平衡に開閉する型開閉ユニット60と、上型および下型の間で、中型を第1の軸に沿って独立して移動する昇降ユニット100と、クランプに対しプレッシャユニットを開閉するプレッシャ開閉ユニット70とを有する加工ユニットを提供する。
【選択図】図5

Description

本発明は、金属パイプ、金属チューブなどの加工対象を曲げ加工するユニットに関するものである。
特許文献1には、左右引き押し曲げが可能な曲げ型クランプおよびそれを備えた加工ユニットを提供することが記載されている。特許文献1の加工ユニットの曲げ型クランプは、円弧状の部分を含む第1の曲げ溝を含む上下一対の第1の割り型部と、第1の曲げ溝に挿入された棒状部材を保持する上下一対の第1のクランプ部であって、それぞれの上下一対の第1の割り型部から曲げ溝の周方向に突き出た上下一対の第1のクランプ部とを有する。上下一対の第1のクランプ部のそれぞれは、X字状に交差し、第1の曲げ溝に第1の曲げ溝の接線方向に延びるようにそれぞれ繋がった第1のクランプ溝と第2のクランプ溝とを含む。
特許文献2には、パイプなどを曲げ加工する装置において、ワークの移動距離を短くすることが記載されている。特許文献2の加工ユニットは、棒状部材を曲げ加工する曲げ溝を含む上下一対の割り型部と、曲げ溝に挿入された棒状部材を保持する上下一対のクランプ部と、曲げ溝の外周側から曲げ溝に棒状部材を保持する保持溝を含むプレッシャと、上側の割り型部および上側のクランプ部を含む第1のユニット、下側の割り型部および下側のクランプ部を含む第2のユニット、およびプレッシャを、曲げ溝に装着された状態の棒状部材の中心軸の位置を設定中心として3つの異なる方向に開閉する開閉ユニットとを有する。
特許文献3には、パイプなどの棒状部材を高速でフレキシブルに加工できる装置を提供することが記載されている。特許文献3の加工ユニットは、棒状部材を第1の軸の周りに曲げ加工する曲げユニットと、曲げユニットを第2の軸の周りに回転するように支持するひねりユニットとを有する。ひねりユニットは、曲げユニットを支持するリング状で中心に向かって一部が欠けた第1の切欠き部を含むひねり歯車と、ひねり歯車が第2の軸を中心に回転するようにひねり歯車の外周面を支持する複数のガイドローラと、複数のガイドローラを支持する支持板とを含む。支持板は、第2の軸を中心としてひねり歯車のリング内の第1の開口より大きな第2の開口と、第2の開口に至る第2の切欠き部とを含む。
特開2015−107503号公報 特開2015−107504号公報 特開2015−107505号公報
これらの加工ユニットを用いることにより、パイプなどの棒状部材を高速で、フレキシブルに2次元加工および3次元加工することが可能となった。これらの加工ユニットにおいては、異なるパイプ径、または異なる曲げ半径が混在するパイプ曲げを行う場合、さらに加工に要する時間を短縮でき、パイプ曲げ加工をさらに効率よく行える装置が求められている。
本発明の一態様は、加工対象のパイプ径および曲げ半径の少なくともいずれかが異なる曲げ溝およびクランプ溝をそれぞれ含む上型および下型と、上型に対応した曲げ溝およびクランプ溝、および下型に対応した曲げ溝およびクランプ溝を含み、上型および下型の間に位置する中型とを含むクランプを有する加工ユニットである。この加工ユニットは、さらに、上型および下型が中型を挟んで閉じた状態のクランプと協働して加工対象を保持するプレッシャユニットと、上型および下型を第1の軸に沿って平衡に開閉する型開閉ユニットと、上型および下型の間で、中型を第1の軸に沿って独立して移動する昇降ユニットと、クランプに対しプレッシャユニットを開閉するプレッシャ開閉ユニットとを有する。
この加工ユニットは、中型を、上型および下型の動きとは独立して第1の軸に沿って移動する昇降ユニットを有する。このため、昇降ユニットは、上型および下型が開閉する際に、中型を上型または下型とともに第1の軸に沿って移動する第1のモードと、上型および下型が開いた状態で上型および下型の間で移動する第2のモードとを含むことができる。上型と中型とでパイプを加工した後は、下型と中型とをともに移動することによりパイプを上型から解放でき、下型と中型とでパイプを加工した後は、上型と中型とをともに移動することによりパイプを下型から解放でき、上型または下型からパイプを持ち替えるときは、上型と下型とを開いた状態で中型を反対側に移動することができる。したがって、加工対象のパイプをクランプおよびアンクランプする際に、上型と下型との間でパイプを持ち替える際であっても、上型と中型、または、中型と下型との間に広い空間を確保できる。このため、パイプの加工対象の部分を迅速に、中型との干渉を避けるために複雑な経路を経ることなく、クランプによる加工位置にセットすることが可能となり、パイプ径および/または曲げ半径が異なる加工を連続して高速で行うことができる。
昇降ユニットの一例は、中型に、外周面に沿って形成された溝または凸部を含む周構造を設け、昇降ユニットが、周構造に、中型が回転可能な状態で係合するアームと、アームを第1の軸に沿って移動する駆動ユニットとを含むものである。この昇降ユニットは、中型が曲げ加工する際に回転することができるとともに、中型を、周構造とアームとを介して外側から第1の軸に沿って駆動するものである。昇降ユニットを、第1の軸に沿ったシャフトに収納できる機構で実現してもよいが、外側から中型を駆動することにより、上型および下型を平衡して開く型開閉ユニット機構を、両ねじなどをシャフト内に収納したときに、加工ユニットの構造を簡易にでき、中型を信頼性の高い機構で動かすことができる。
周構造は、クランプ溝と重複しない範囲に形成されていればよく、曲げ加工する際に、加工対象であるパイプとアームとの干渉を防止できる。また、周構造は、周囲および加工対象のパイプの移動を考慮すると中型から突き出ていない構造、例えば、溝であることが望ましい。
クランプは、曲げ溝の内周側の少なくとも1か所に、上型および下型が閉じる前に加工対象のパイプに接する内側のガイドを含んでもよい。プレッシャ開閉ユニットが型開閉ユニットと連動して動作するタイプであって、上下型が完全に閉じる前に加工対象のパイプにプレッシャユニットが接しても内側のガイドにより加工対象のパイプを確実に曲げ溝に導入できる。この内側のガイドは、中型を含まないタイプのクランプを含む加工ユニットにおいても有効である。クランプが、曲げ溝の接線方向に延びるようにX字状に交差したクランプ溝を含む、左右曲げ共用の場合は、内側のガイドは、クランプ溝と曲げ溝とが接続する2か所に設けられていることが望ましい。
クランプは、クランプ溝の外周側に、上型および下型が閉じる前に加工対象のパイプに接する外側のガイドを含んでもよい。上記と同様に、上下型が完全に閉じる前に、プレッシャユニットが加工対象のパイプに接してもクランプ溝の外側のガイドにより加工対象のパイプを確実にクランプ溝に導入できる。クランプ溝のX字状の交点の外側にガイドを設けておくことが望ましい。この外側のガイドも、中型を含まないクランプを含む加工ユニットにおいても有効である。
内側のガイドおよび外側のガイドの一例はガイドピンであり、上型、中型、または下型から突き出たガイドピンと、上型、中型、または下型のガイドピンに対面する箇所に設けられた、ガイドピンが収納される穴との組み合わせであってもよい。
本発明の他の態様の1つは、上記の加工ユニットと、加工対象を支持するワーク支持ユニットと、加工ユニットおよびワーク支持ユニットの少なくとも一方を動かして、ワーク支持ユニットに支持された加工対象のパイプの加工対象部分を、クランプの上型または下型による左右いずれか一方の加工位置にセットする移動ユニットとを有する加工装置である。この加工装置により、上下の曲げ溝を用いて左右の押し曲げおよび引き曲げを行うことができる。したがって、この加工装置は、合計8つの曲げモードで連続してパイプを加工できる。
本発明の異なる他の態様の1つは、加工装置によりパイプを曲げ加工することを有するパイプ成型物の製造方法である。加工装置は、加工ユニットを有し、加工ユニットは、加工対象のパイプ径および曲げ半径の少なくともいずれかが異なる曲げ溝およびクランプ溝をそれぞれ含む上型および下型と、上型に対応した曲げ溝およびクランプ溝、および下型に対応した曲げ溝およびクランプ溝を含み、上型および下型の間に位置する中型とを含むクランプと、上型および下型が中型を挟んで閉じた状態のクランプと協働して加工対象を保持するプレッシャユニットと、上型および下型を開閉する型開閉ユニットと、中型を第1の軸に沿って独立して移動する昇降ユニットと、プレッシャユニットを開閉するプレッシャ開閉ユニットとを含む。曲げ加工することは、以下のステップを含む。
・開閉ユニットが、上型および下型を第1の軸に沿って加工対象に対して平衡に開閉すること。
・昇降ユニットが、上型および下型が開閉される際に、中型を上型または下型とともに第1の軸に沿って移動すること。
・昇降ユニットが、上型および下型が開いた状態で上型および下型の間で移動すること。
中型を独立して移動することにより、パイプをセット(クランプおよびアンクランプ)するときに上型または下型と、中型との間を広く確保でき、中型とパイプとの干渉を抑制できる。このため、パイプの移動経路を簡略化したり、パイプの移動速度を早くできるので、加工スピードを向上できる。
この加工装置は、さらに、加工対象のパイプを支持するワーク支持ユニットを有し、曲げ加工することは、加工ユニットおよびワーク支持ユニットの少なくとも一方を動かして、ワーク支持ユニットに支持された加工対象のパイプの加工対象部分を、クランプの上型または下型による左右いずれか一方の加工位置にセットすることを含んでもよい。上型および下型を用いて、左右の押し曲げおよび引き曲げを含む合計8つの曲げモードで連続してパイプを加工できる。
この加工装置のプレッシャユニットは、上型および下型が中型を挟んで閉じた状態のクランプの上下の曲げ溝に加工対象のパイプをそれぞれ保持する直線状の上下の溝を含むプレッシャと、プレッシャを第1の軸を中心に回転させるベースユニットと、プレッシャを、ベースユニットとクランプとを位置合わせした状態で、ベースユニットに対しクランプの反時計方向の第1の位置と時計方向の第2の位置との間でスライドさせるとともにベースユニットに対して揺動するスライドホルダとを含んでいてもよい。このプレッシャユニットを用いて、曲げ加工することは、以下のステップを含んでいてもよい。
・上型および下型を型閉めする前に、スライドホルダを揺動させて上下いずれかの曲げ溝に加工対象のパイプを加工の際に保持する第1の角度に対して、スライドホルダが第1の角度より小さい第2の角度だけ揺動した状態でプレッシャを閉じること。
・型閉め後に、スライドホルダを第1の角度まで揺動すること。
・上型および下型を開放する前に、スライドホルダを第1の角度から第2の角度まで揺動すること。
型閉め前に、プレッシャを、曲げ位置の第1の位置より浅い第2の角度にセットすることによりパイプを曲げ溝の所定の位置に移動でき、また、型閉め後に、プレッシャを曲げ位置の第1の角度にセットすることによりパイプがプレッシャで押されすぎて曲げ溝の内側に入りすぎてしまうことを抑制できる。このようなプレッシャユニットの制御は、中型を含まないクランプを対象としたプレッシャユニットおよびそれを含む加工ユニット、加工装置においても有効である。
加工装置の概要を示す正面図。 加工装置の概要を示す側面図。 加工ユニットのクランプおよびプレッシャの開閉の様子を示す図であり、図3(a)は型閉め状態を示す図、図3(b)は上型および下型を開いた状態を示す図、図3(c)はさらに中型を上方に移動して下側の設定中心を開放した状態を示す図、図3(d)は中型を下方へ移動して上側の設定中心を開放した状態を示す図。 加工ユニットの概略構成を示す断面図。 加工ユニットの曲げ型クランプおよびプレッシャを拡大して示す側面図。 加工ユニットの曲げ型クランプおよびプレッシャを拡大して示す平面図。 加工ユニットの曲げ型クランプを拡大して示す図であり、図7(a)は中型の平面図、図7(b)は上型および下型が開いた状態を示す側面図、図7(c)は型閉め状態を閉めす側面図。 加工ユニットのプレッシャユニットを拡大して示す平面図。 加工ユニットによる曲げ加工の例を示す平面図であり、図9(a)は左引き曲げを示す図、図9(b)は右引き曲げを示す図、図9(c)は左押し曲げを示す図、図9(d)は右押し曲げを示す図。 加工装置によりワークを加工する過程を示すフローチャート。 加工装置により加工する加工製品の一例を示す模式図であり、図11(a)は加工前の様子を示す図、図11(b)は加工後の様子を示す図。
図1に、加工対象のパイプを曲げ加工する加工装置の概要を正面図により示している。図2に、加工装置1を加工ユニット10の側から見た様子を示している。加工対象(ワーク、ワークピース)のパイプは、曲げ加工が可能な円筒状の部材であればよく、金属製のパイプおよびチューブが含まれる。本例の加工装置1は、パイプ径および曲げ半径が異なるパイプの左右引き押し曲げを、上側の曲げ溝24および下側の曲げ溝25を用いて行うことができる。このため、加工装置1は、場所によりパイプ径および曲げ半径が異なるワークや、異なるパイプ径または曲げ半径の2種類のワークを、型を取り換える(段取り替えする)ことなく、連続して曲げ加工できる。
加工装置1は、架台2と、水平方向にワークWであるパイプを支持するワーク支持ユニット5と、ワーク(加工対象)Wを曲げ加工する加工ユニット10と、加工ユニット10を架台2に対して上下に移動するように支持する移動ユニット80と、制御ユニット9とを含む。制御ユニット9は、ワーク支持ユニット5、加工ユニット10および移動ユニット80をそれぞれ制御する機能を含む。
ワーク支持ユニット5は、パイプWを水平方向に把持するホルダ(クランプ)5aと、ホルダ5aを、パイプWの長手方向の軸(中心軸)を中心として回転させるモータ5bと、ワーク支持ユニット5を架台2の上で移動させて加工ユニット10との距離を制御する移動ユニット5cとを含む。移動ユニット5cはパイプWの長手方向の加工位置および左右曲げの位置を制御する。この例では、移動ユニット5cはパイプWを水平方向(前後および左右)に移動させる水平移動ユニットである。ワーク支持ユニット5は、ワーク支持ユニット5を架台2の上で上下に移動させてホルダ5aで把持したパイプWの高さを変更するユニットを含んでいてもよい。
加工ユニット10を架台2に対して支持するとともに加工ユニット10の全体の位置を架台2に対して移動する移動ユニット80は、架台に固定される連結板81と、連結板に取り付けられたスライダユニット82と、スライダユニット82を介して連結板81に対して上下にスライドされるスライド板49と、スライド板49を上下に駆動するアクチュエータ83とを含み、スライド板49に加工ユニット10が取り付けられる。アクチュエータの一例は、ラックアンドピニオンや、ボールねじタイプなどである。移動ユニット80には、加工ユニット10と同等の重量と同等推力のバランスシリンダを併用することが望ましい。
加工ユニット10は、加工対象(パイプW)のパイプ径および曲げ半径の異なる曲げ溝24および25、およびクランプ溝26および27をそれぞれ含む上型23および下型22と、上型23に対応した曲げ溝24およびクランプ溝26、および下型22に対応した曲げ溝25およびクランプ溝27を含み、上型23および下型22の間に位置する中型21とを含むクランプ20を含む。このクランプ20は、曲げ溝とクランプ溝とを備えた曲げ型クランプであり、周囲に曲げ溝が形成された円筒状または円盤状の部分と、その部分から突き出てクランプ溝が形成されたクランプ部とを含む。したがって、上型23、中型21および下型22のそれぞれが円盤状の部分と、そこから突き出たクランプ部とを含む。本例では、下側の曲げ溝25に対し、上側の曲げ溝24が、曲率半径(曲げ半径)が小さく、また、小径のパイプWに対応した曲げ溝となっている。上下の曲げ溝24および25は、同一のパイプ径に対応したものであってもよく、同一の曲げ半径を備えたものであってもよい。
加工ユニット10は、さらに、上型23および下型22が中型21を挟んで閉じた状態のクランプ20と協働して加工対象(ワーク)Wを保持するプレッシャユニット30と、上型23および下型22を第1の軸(曲げ軸)11に沿って平衡に開閉する型開閉ユニット60と、上型23および下型22の間で、中型21を第1の軸11に沿って独立して移動する昇降ユニット100と、クランプ20に対しプレッシャユニット30を開閉するプレッシャ開閉ユニット70とを有する。昇降ユニット100は、中型21の外周面に沿って形成された溝(周構造)21fに中型21が回転可能な状態で係合する(差し込まれた)アーム(昇降アーム)101と、アーム101を第1の軸11に沿って移動する駆動ユニット102とを含む。
加工ユニット10は、さらに、引き曲げモータ41により曲げ型クランプ20を、曲げ軸11を中心に左右に回転する引き曲げ機構40と、押し曲げモータ51によりプレッシャユニット30を、引き曲げ機構40とは独立して曲げ軸11を中心に左右に回転する押し曲げ機構50と、開閉モータ61により型開閉ユニット60およびプレッシャ開閉ユニット70を連動して制御する開閉ユニット69とを含む。開閉ユニット69は、上型23が取り付けられた上部シャフト18と、下型22が取り付けられた下部シャフト19とを曲げ軸11に沿って上下に動かすとともに、下部シャフト19とともに上下に動く円筒カム75によりプレッシャユニット30を開閉する。
引き曲げ機構40は、スライド板49に対し上部シャフト18および下部シャフト19を曲げ軸11の周りに回転するように支持する引き曲げ軸45と、引き曲げモータ41と引き曲げ軸45とを連結する輪列42とを含む。押し曲げ機構50は、引き曲げ軸45の周りに、曲げ軸11を中心にプレッシャユニット30が回転するように支持する回転台55と、押し曲げモータ51と回転台55とを連結する輪列52とを含む。
加工装置1の制御ユニット9は、ワーク支持ユニット5によりパイプWを前後(長手方向)に動かし、また、パイプWを旋回してこれから加工される加工対象部分を設定するとともに、移動ユニット80により加工ユニット10を上下左右に動かして、加工対象部分を上下の曲げ溝24または25のいずれかの左右いずれかの位置にセットする加工位置制御機能(加工位置制御ユニット)9aを含む。
また、制御ユニット9は、曲げ溝の選択と、選択された曲げ溝によるパイプWの曲げ方向と、曲げ方法(引き曲げおよび押し曲げ)とを制御する曲げ加工制御ユニット9bを含む。加工制御ユニット9bは、加工ユニット10の上側の曲げ溝24を用いて曲げ加工を行なう上段加工モード(上型加工モード)MUと、下側の曲げ溝25で曲げ加工を行なう下段加工モード(下型加工モード)MLと、左引き曲げ加工を行うモード1(M1)と、右引き曲げ加工を行うモード2(M2)と、左押し曲げ加工を行うモード3(M3)と、右押し曲げ加工を行うモード4(M4)とを含む。加工制御ユニット9bは、上下の加工モードMUおよびMLのそれぞれに対して、左右の引き曲げM1およびM2、左右の押し曲げM3およびM4の合計8つの曲げモード(加工モード)を設定でき、それぞれの曲げモードの加工の開始に適した状態となるように、加工位置制御ユニット9aがパイプWの加工対象部分および加工ユニットの位置を制御する。
制御ユニット9は、さらに、加工ユニット10および移動ユニット80を制御して、パイプWを加工ユニット10が所定の位置で把持(クランプ)あるいは開放(リリース)するクランプ制御機能(クランプ制御ユニット)9cを含む。クランプ制御機能9cは、上型23および下型22を型開閉ユニット60で開閉する際に、中型21を昇降ユニット100により上型23また下型22とともに第1の軸11に沿って移動する第1のモード(MM1)と、上型23および下型22が開いた状態で上型23および下型22の間で移動する中型21を、昇降ユニット100により移動する第2のモード(MM2)とを含む。制御ユニット9は、型閉めする前と後とで、プレッシャユニット30の先端でパイプWを把持するプレッシャ31の微小角度を制御する機能(角度制御ユニット)9dを含む。
図3に、加工ユニット10の曲げ型クランプ20の上型23、中型21および下型22、およびプレッシャユニット30のプレッシャ31を開閉する様子を示している。図3(a)に、上型23、中型21および下型22が閉じ、さらに、プレッシャ31によりパイプWを曲げ溝24または25にセットした状態を示している。この例では、パイプWが中型21および下型22で形成される下側の曲げ溝25にセットされており、引き曲げ機構40または押し曲げ機構50により曲げ加工が終了した状態を模式的に示している。
図3(b)に曲げ加工が終了した後に、型開閉ユニット60が、上型23および下型22を第1の軸11に沿って上下に開き、プレッシャ開閉ユニット70が、プレッシャユニット30を側方へ揺動することにより、プレッシャ31を第1の軸11から離した(開いた)状態となる。この状態で、中型21が動かないと、パイプWを曲げ溝25から解放するためには、いったんパイプWを下側に移動してからさらに、プレッシャ31や下型22と干渉しない位置に移動する必要がある。したがって、加工位置制御ユニット9aは、次の加工のためにパイプWの加工対象部分をセットする際に、パイプWと加工ユニット10とを相対的に複雑に動かす必要がある。
一方、図3(c)に示すように、クランプ制御ユニット9cにより、上型23および下型22を開く際に、アーム101を介して昇降ユニット100により中型21を上型23とともに、上側に移動すると(第1のモードMM1)、パイプWに対して下型22が下側に離れると同時に、中型21も上側に離れる。したがって、パイプWは中型21と干渉せずに上側または斜め上側に直線的に自由に動かすことが可能となり、また、プレッシャ31とシャフト18との間にも広い空間が確保される。このため、加工位置制御ユニット9aは、次の加工のためにパイプWの加工対象部分をセットする際に、パイプWを直線的に動かしたり、あるいは、その場で回転させるだけでよい。したがって、次の加工の開始までの時間を大幅に短縮でき、また、加工位置制御ユニット9aを制御するためのプログラムが簡単となり、加工プログラムの開発が容易となる。
図3(d)に、上側の曲げ溝24にパイプWの加工をシフトする様子を示している。図3(c)に示すように、中型21を上型23とともにシャフト18に沿って上側に移動した後、パイプWを直線的な経路16で斜め上に退避させる。その後、クランプ制御ユニット9cにより、アーム101を介して昇降ユニット100により中型21を、上型23および下型22が開いた状態で上型23および下型22の間でシャフト18に沿って下側へ移動する(第2のモードMM2)。これにより、上型23と中型21との間に空間が形成され、パイプWの加工対象部分を直線的な経路16で上型23と中型21とで挟み込まれる位置へセットすることができる。その後、クランプ制御ユニット9cにより、上型23を下側に移動し、中型21および下型22を上側に移動して、上型23、中型21および下型22を閉じること(第1のモードMM1)によりクランプ20の上側の曲げ溝24にパイプWをセットできる。
図3に示した例はパイプWをセットする一例であり、上型23の曲げ溝24から下型22の曲げ溝25にパイプWをセットする際は、中型21を、まず下型22とともに下方に動かしてパイプWを開放し、次に、中型21を単独で上方へ動かしてパイプWを中型21と下型22との間にセットする。次に、上型23および中型21を下側に動かし、下型22を上側に動かして閉じることにより、ワークWを下側の曲げ溝25にセットできる。
この加工ユニットは、上下型23および22と中型21との上下2段のそれぞれの合わせ面に、異なるパイプ径及び曲げ半径に対応する曲げ溝24および25と、クランプ溝26および27とを有する三層構造の曲げ型クランプ20と、上下2段の曲げ溝24および25に対応した上下2段のプレッシャ31とを有し、上下2段の曲げ溝24および25を選択的に使用して、一台の装置1で、異なるパイプ径及び曲げ半径が混在する二重管等の全工程曲げが可能である。上下型23および22を曲げ加工する位置を中心として平衡開閉するとともに、上下型23および22の開閉とは独立した中型昇降ユニット100により、中型21を加工する位置(中間位置)からパイプWから離れる上方向または下方向の退避位置に移動することにより、パイプ径にパイプの移動に必要な隙間を加えただけの少ない型開閉ストロークで、同一段の曲げ加工と曲げ送りとを、パイプ軸を型開閉した空間から移動することなく効率的に行うことができる。また、他段の曲げ加工にシフトする際や、パイプWを給排する際にも、中型21を上型23または下型22から離すことができ、移動のためのスペースを確保できる。このため、パイプWを直線的に高速で動かすことができ、複数の加工部分を連続的に加工する際の加工時間を短縮できる。
なお、パイプWの直線的な動きは加工ユニット10に対する相対的なものであり、例えば、加工ユニット10を斜めに、すなわち、加工軸(曲げ軸)11が架台2に対して斜めになるように支持されれば、パイプWは上下に直線的に出し入れすることも可能である。
図4に、加工ユニット10のさらに詳しい構成を曲げ軸11に沿った断面を用いて示している。図5に、加工ユニット10の曲げ型クランプ20およびプレッシャユニット30が閉じた状態を拡大して側面図により示している。型開閉機構60の一例は、引き曲げ軸を兼ねた中空軸45の内部に曲げ軸11に沿って上下にスライド可能に挿入された下部シャフト19と、下部シャフト19の内部に曲げ軸11に沿って上下にスライド可能に挿入された上部シャフト18と、左右異なるネジにより下部シャフト19および上部シャフト18を上下反対側に同期して動かす左右ネジ65とを含み、この左右ネジ65を開閉モータ61で回転させるものである。
プレッシャユニット30を上下に揺動するプレッシャ開閉機構70は、回転台55に下部シャフト19の周りに回転する支持帯(ステー)74に対し支点ピン72を介して上下に旋回するように取り付けられたプレッシャユニット30のベースユニット90を揺動するカムフォロア73と、下部シャフト19と一体で上下動し、カムフォロア73を介してベースユニット90を揺動するように上方に狭くなった円錐状の円筒カム75とを含む。上下型23および22が開くときに下部シャフト19が下側に動いて円筒カム75が下がり、プレッシャユニット30のベースユニット90の自重によりプレッシャユニット30が傾き、プレッシャ31が曲げ型クランプ20に対して開く。上下型23および22を閉じるときに下部シャフト19が上方に移動すると円筒カム75がカムフォロア73を外周側に移動させ、その結果、ベースユニット90が曲げ軸11の方向に移動して、プレッシャ31をパイプWに当接する位置まで閉じる。曲げ加工の際は、カムフォロア73が円筒カム75の傾斜面75aまたはその外側の外筒部75bに接し、プレッシャ31が曲げ型クランプ20とともにパイプWを型締めする。支持体74には、後述の図8に示すように、昇降ユニット100との干渉を低減するための切欠き部(逃がし)74cを設けてもよい。
したがって、この加工ユニット10においては、型開閉機構60を駆動する開閉モータ61は、プレッシャ開閉機構70を介して、上型23、下型22、および中型21のみならず、プレッシャ31を、パイプWの中心に対し3つの異なる方向に開閉する。このプレッシャ開閉機構70は、1モータ三方向開閉の機構を実現でき、専用の開閉用アクチュエータ、開閉位置を検出するセンサ、および、プレッシャユニット30の動作を制御するための機構が不要となる。したがって、小型の加工ユニット10に適している。型開閉機構60とプレッシャ揺動機構70とをそれぞれ独立して駆動するモータを設けてもよい。
中型21を上部シャフト18に沿って独立して上下に移動することができる昇降ユニット100は、中型21の外周面21eに形成された溝(周構造)21fと、溝21fに中型21が自由に回転できるような状態で先端が挿入された昇降アーム101と、昇降アーム101を介して中型21をパイプWの曲げ位置である中間位置と、中間位置から上下に離れた位置に移動する駆動ユニット102とを含む。駆動ユニット102の一例は、サーボモータである。駆動ユニット102は、2段昇降シリンダーや、他のタイプのアクチュエータなどであってもよい。昇降アーム101は、上端部に昇降駆動溝21fに挿入されるツメ部分103を含み、スライド板49に形成された溝49aを通って中型21と、スライド板49の下端に取り付けられた駆動ユニット102とを連結(連絡)する。
アーム101は、曲げ軸11と平行に、曲げ軸11に沿って、クランプ20に対してパイプWをセットする側、すなわち、パイプWの進行方向に位置するように、パイプWの進行方向とは直交するように上下に配置されている。パイプWは、曲げ加工の最初に、クランプ20の曲げ溝に対して接線方向にセットする。このため、パイプWの侵入側で、曲げ軸11を通るこの位置は、パイプWを曲げ加工する際に、曲げ型クランプ20の円盤状の部分から突き出たクランプ部が通過せず、また、プレッシャ31も通過しない部分であり、この領域にアーム101を配置することにより、中型21を含む曲げ型クランプ20自身や、プレッシャユニット30と干渉せずに、中型21を上下に独立して駆動できる。また、シャフト18または19内に、中型21を上下に動かす機構を内蔵せず、外側からアーム101を介して中型21を駆動することにより、シャフト内の構造が複雑になることを防止でき、簡易な構成で信頼性の高い加工ユニット10を提供できる。
昇降ユニット100は、中型21が回転する際に障害とならず、かつ、アーム101の上下に連動して中型21が上下するものであればよい。したがって、中型21の外周面に周方向に延びた溝21fの代わりに、突起を設けて、アーム101の先端に突起に係合する(かみ合う)溝を設けて中型21を上下に動かしてもよい。中型21と他の部材またはパイプWとの干渉を考慮すると、周方向に突き出た部材よりは溝21fのように凹んだ構成で中型21を上下に移動できることが望ましい。また、この溝21fのような周構造は、中型21の外周面の全周にわたって形成されていてもよいが、クランプ溝を含むクランプ部分はアーム101とクランプ部分とが干渉するために不要な領域となる。したがって、溝21fは、クランプ溝と重複しない範囲(角度範囲)に設けられていればよい。
図5に、加工ユニット10の曲げ型クランプ20およびプレッシャユニット30が閉じた状態を拡大して側面図により示し、図6に平面図により示している。なお、図6は、中型21および下型22によりパイプWを挟んで加工する直前の状態を模式的に示している。図7に、曲げ型クランプを抜き出して示している。図7(a)は、中型を上から見た平面図により示し、図7(b)は、上型23および下型22を開いた状態を側面図により示し、図7(c)は、閉じた状態を側面図により示している。図8に、プレッシャユニット30を抜き出して、その構成を平面図により示している。なお、図6においては、曲げ型クランプ20の上型23および上下2段のプレッシャ31の上側プレッシャ31aを透かして中型21、および下側のプレッシャ31bを中心に示している。
図5および図7に示すように、曲げ型クランプ20は、上型23、中型21および下型22により、上下2対の割型と、そこから突き出たクランプ部とを構成している。中型21の上面(上型23と向かい合う面、上側)は、上型23の下面(中型21と向かい合う面、下側)と一対を成す割型であり、リング状に配置された曲げ溝24を含む円形の部分21aと、この部分21aから曲げ溝24の周方向に突き出たクランプ部21bとを含み、クランプ部21bにX字状に交差したクランプ溝26を含む。クランプ溝26のそれぞれの溝26aおよび26bは、曲げ溝24に対して曲げ溝24の接線方向に延びるようにそれぞれ繋がっている。上型23の下面は中型21の上面と対向する形状を含み、上型23は曲げ溝24を含む円形の部分23aと、この部分23aから曲げ溝24の周方向に突き出てX字状のクランプ溝26を含むクランプ部23bとを含む。
中型21の下面(下型22と向かい合う面、下側)は、下型22の上面(中型21と向かい合う面、上側)と一対を成す割型であり、円形の部分21aの下面には、リング状に配置された曲げ溝25が形成され、周方向に突き出たクランプ部21bの下面には、X字状に交差したクランプ溝27を含む。クランプ溝27のX字状に交差したそれぞれの溝27aおよび27bは、曲げ溝25に対して曲げ溝25の接線方向に延びるようにそれぞれ繋がっている。下型22の上面は中型21の下面と対向する形状を含み、下型22は曲げ溝25を含む円形の部分22aと、この部分22aから曲げ溝25の周方向に突き出たX字状のクランプ溝27を含むクランプ部22bとを含む。
さらに、本例の曲げ型クランプ20は、曲げ溝24および25の内周側に配置された内側のガイド111を含む。この内側のガイド111は、上型23および下型22が中型21を挟んで閉じる前にパイプWに接し、パイプWが、型が閉じる前にプレッシャ31に押されてもパイプWを曲げ溝24および25にそれぞれセットする機能を含む。これらガイド111によりパイプWを型(上型23および中型21、または中型21および下型22)により噛み込んで、意図しない形状にパイプWを加工することを防止できる。本例においてガイド111は、中型21から上下に突き出るように設けられた円柱状の、先端がテーパまたはR面取りされたピンであり、上型23および下型22には、ピン状のガイド111が入る(収納される)穴112がそれぞれ設けられている。したがって、これらのガイド111は曲げ型クランプ20の開閉には障害とならず、パイプWを曲げ溝24および25にそれぞれ導くことができる。ピンと穴とは上型23、中型21および下型22に、上記とは逆に配置されていてもよい。
ガイド111は、曲げ溝24および25の内側に沿って円弧状に設けられていてもよい。本例の曲げ型クランプ20は、上型23と中型21とで構成される割型に注目すると、曲げ溝24の接線方向に延びるようにX字状に交差したクランプ溝26を含み、それぞれのクランプ溝26aおよび26bにより、曲げ溝24の接線方向にパイプWの直管部を保持し、一方の溝26aが左曲げ、他方の溝26bが右曲げ用のパイプ狭持溝として使用される。したがって、内側のガイド111は、曲げ加工に先立ってパイプWがセットされる位置である、少なくともクランプ溝26と曲げ溝24とが接続する2か所に設けられていることが望ましい。クランプ溝27および曲げ溝25を含む、下型22と中型21との組み合わせにおいても同様である。
また、この曲げクランプ20は、クランプ溝26および27の外周側に、上型23および下型22が中型21を挟んで閉じる前にパイプWに接する外側のガイド115を含む。この外側のガイド115も、上型23および下型22が中型21を挟んで閉じる前にパイプWに接し、パイプWが、型が閉じる前にプレッシャ31に押されてもパイプWをクランプ溝26および27にそれぞれセットする機能を含む。このガイド115によりパイプWをクランプで噛み込んで、意図しない形状にパイプWを加工することを防止できる。
外側のガイド115も、中型21から上下に突き出るように設けられた円柱状のピンであり、上型23および下型22には、ピン状のガイド115が入る(収納される)穴116がそれぞれ設けられている。したがって、このガイド115は曲げ型クランプ20の開閉には障害とならず、パイプWを確実にクランプすることができる。ピンと穴の配置が逆転してもよいことは上記のガイドと同様である。
本例の曲げ型クランプ20は、上型23と中型21とで構成される割型に注目すると、曲げ溝24の接線方向に延びるようにX字状に交差したクランプ溝26を含む。したがって、X字状に交差した位置に外側のガイド115を配置することにより、それぞれのクランプ溝26aおよび26bにセットされるパイプWをガイドできる。したがって、この曲げ型クランプ20は、外側のガイド115に対して角度θ3、例えば15°〜40°で振り分けた位置に内側のガイド111が配置されている。
なお、X字状に集約されたクランプ溝26および27を含む曲げ型クランプ20においては、曲げ点29から台形部の斜面までのクランプ長L2を、パイプWの直径dの0.8〜1.5d程度の必要最小限の長さにすることができる。したがって、クランプ部23b、21bおよび22bの突起形状を小さくでき、プレッシャ31との相対位置の入れ替え時に、プレッシャ31の逃がしストロークを小さくできる。さらに、左右引き押し曲げ共用の曲げ型クランプ20のクランプ長を一方向曲げのクランプ長と同等程度に短縮することで、引き曲げと押し曲げの選択使用により、曲げ始め・曲げ間・曲げ終りのストレート長制約を短くできる。このため、簡素な構成で効率よく曲げ加工できる加工装置1を提供できる。
図5、図6および図8にプレッシャユニット30のさらに詳しい構成を示している。プレッシャユニット30は、上型23および下型22が中型21を挟んで閉じた状態のクランプ20の上下の曲げ溝24および25にパイプWをそれぞれ保持する直線状の上下の溝38aおよび38bを含むプレッシャ31と、プレッシャ31を第1の軸11を中心に回転させるベースユニット90と、プレッシャ31を、ベースユニット90とクランプ20とを位置合わせした状態で、ベースユニット90に対しクランプ20の反時計方向の第1の位置と時計方向の第2の位置との間でスライドさせるスライドホルダ32とを含む。ベースユニット90は回転台55を介して押し曲げ機構50により曲げ軸11の周りに回転される。本例のプレッシャ31は、上下2段に分かれており、直線状の保持溝38aを含む上側のプレッシャ(プレッシャ駒)31aと、直線状の保持溝38bを含む下側のプレッシャ(プレッシャ駒)31bとを含み、プレッシャホルダ(スライドベース)32にネジにより上側のプレッシャ31aおよび下側のプレッシャ31bが上下2段となるように固定されている。
プレッシャ31の型締め位置は、曲げ軸のたわみ補正および曲げシワおよび曲げ扁平改善等で押し込み代を調整したい場合がある。このため、プレッシャ駒31aおよび31bとスライドベース32との間に押し込み代調整スペーサを備えていてもよい。また、上下のプレッシャ駒31aおよび31bのパイプWの軸方向の長さを変えてもよい。その場合は、短い側のプレッシャ駒をスライドベース32内で長手方向(パイプWの軸方向)にスライド可能に取付け、スライドベース32に固定したエアシリンダー等で曲げ開始時に、短い側のプレッシャ駒の端面位置を長い側のプレッシャ駒の端面位置に揃える構成としてもよい。この場合の曲げアーク長分(角度分)のスライド移動は、長い側のプレッシャと一緒にスライドベース32の移動で行うことができる。プレッシャ31は、上下2段のローラタイプのプレッシャなどであってもよい。
このプレッシャユニット30では、左右曲げのために、プレッシャ31の位置をベースユニット90に対して左右に移動して、曲げ型クランプ20のクランプ部23b、21bおよび22b(以降では代表して中型21のクランプ部21bを参照する)に対して左右に配置する。ベースユニット90は、ベースユニット90に対し、プレッシャ31が固定されたスライドベース32を反時計方向の第1の位置P1と、時計方向の第2の位置P2と間でスライドさせるガイド(スライドホルダ、スライドガイド)91と、スライドホルダ91が揺動軸93の周りに旋回するように支持する基部92と、プレッシャ31およびスライドホルダ91を揺動軸93の周りに旋回するとともにプレッシャ31をスライドホルダ91に対してスライドさせるプレッシャ駆動機構96と、基部92の両側部から突き出したストッパ92aとを含み、ストッパ92aは、回転台55から上方に延びたリンクユニット70のステー74に形成された円弧状の溝74b内を上下に移動し、ベースユニット90と回転台55とを接続する機能とベースユニット90が軸72の周りに上下に揺動する範囲を限定する機能とを含む。ストッパ92aは、ベースユニット90の上下に揺動する範囲を限定し、プレッシャ31が開閉する範囲を限定する。したがって、ストッパ92aは、プレッシャ31によるパイプWの押し込みを抑制して、噛み込みを防止する機能も果たす。
プレッシャ駆動機構96は基部92に取り付けられた駆動モータ(スライドモータ)97により駆動される。プレッシャ駆動機構96は駆動モータ97により駆動される歯車98aと、揺動軸93の周りに回転する歯車98cと、歯車98aおよび98cの間で動力を伝達する歯車98bとを含む。揺動軸93と同軸で回転する歯車(ピニオン)98cは、プレッシャ31の下側に設けられたラック(直線歯車)33と噛み合い、駆動モータ97によりプレッシャ31をスライドホルダ91に対して左右、すなわち、第1の位置P1と第2の位置P2とに動かす。揺動軸93と同軸で回転するピニオン98cがスライドホルダ91を揺動軸93の周りに旋回させる。
ベースユニット90は、さらに、基部92に対しスライドホルダ91を揺動軸93の周りに所定の角度だけ揺動するように支持する支持部94を含む。支持部94はスライドホルダ91が揺動軸93の周りに所定の角度だけ揺動したときにスライドホルダ91が当たり停止するストッパ94aと、揺動軸93の上側を支持する軸受部94bとを含む。スライドホルダ91は、パイプWの軸方向に沿って延びるレール91aと、上面の端部に形成され、パイプWの軸方向に沿って延びるガイド溝95とを含み、プレッシャホルダ32は、スライドホルダ91のレール91aとガイド溝95とに沿って移動する。プレッシャホルダ32は、ガイド溝95の端面に当たりプレッシャホルダ32の移動を止めるストッパピン34を含む。
したがって、駆動モータ97が回転すると、プレッシャ駆動機構96によりピニオン98cおよびラック33を介してプレッシャホルダ32が左右(第1の位置P1または第2の位置P2)のいずれか一方に移動し、ストッパピン34によりその位置で止まる。プレッシャホルダ32が止まると、プレッシャ駆動機構96のピニオン98cがスライドホルダ91を揺動軸93の周りに、ストッパ94aに当たるまで回転する。
この機構により、例えば、プレッシャ31はクランプ部21bの反時計側の第1の位置P1に移動すると、プレッシャ31およびスライドガイド91は基部92に対して揺動軸93の周りを時計方向に旋回し、プレッシャ31がクランプ部21bの一方のクランプ溝27aに保持されたパイプWに対して外側の直交する方向からパイプWを押し圧する。プレッシャ31がクランプ部21bの時計側の第2の位置P2に移動すると、プレッシャ31およびスライドガイド91は基部92に対して揺動軸93の周りを反時計方向に旋回し、プレッシャ31がクランプ部21bの他方のクランプ溝27bに保持されたパイプWに対して外側の直交する方向からパイプWを押し圧する。
このプレッシャ駆動機構96は一例であり、レールのかみ合いを逆にしたり、ガイド溝95およびストッパ34の配置を逆にしたりしてもよく、プレッシャ31を第1の位置P1と第2の位置P2とに設定する構成は、ラックアンドピニオン方式でなくてもよく、適当なリンク機構であってもよく、エアシリンダなどを用いてもよい。
ストッパ94aは、プレッシャ31が揺動軸93の周りにオフセット角(揺動角)θ1だけ旋回したときにスライドホルダ91が接して止まる面である。オフセット角θ1は、パイプWである直管に対し直交する方向14からプレッシャ31をパイプWに垂直に当てて保持する角度である。スライドホルダ91を揺動軸93の周りにオフセット角θ1だけ揺動させることにより、揺動軸93を曲げ軸11に対してパイプWに沿った方向に長さL1だけ移動できる。したがって、スライドホルダ91を回転および揺動させることにより、揺動させない場合に比較して、パイプWの軸方向に沿ったプレッシャ31の長さを、左右にそれぞれL1ずつ短くしても、同等の接触面積でパイプWを支持できる。このため、プレッシャ31が、クランプ部21bの位置からパイプWに沿って延びる位置を短くでき、曲げ加工したパイプWとプレッシャ31との曲げ干渉域を低減でき、1回の曲げ動作で曲げられる曲げ量を増やすことができる。したがって、加工ユニット10を小型化できるとともに、効率よく曲げ加工できる。
オフセット角θ1の上限は、45°以下であることが好ましく、30°以下であることがさらに好ましい。また、オフセット角θ1の下限は、ゼロであってもよいが、オフセット長L1を確保するためには、3°以上であることが望ましく、5°以上であることがさらに望ましい。
本例の加工装置1では、さらに、制御ユニット9の角度制御ユニット9dが、クランプ20が型閉めする際、および開放する際のベースユニット90の基部92の回転角度(オフセット角度)をさらに微細に制御する。この例では、角度制御ユニット9dが、型閉めあるいは型開放する際の回転角度を、オフセット角θ1より若干小さく設定する。具体的には、以下のようなステップで、角度制御ユニット9dがプレッシャ駆動機構96を制御し、押し曲げモータ51を用いてクランプ制御ユニット9cが基部92のオフセット角度を制御する。
1.上型23および下型22を、中型21を挟んで型閉めする前に、スライドホルダ91を、パイプWを加工の際に保持するオフセット角(第1の角度)θ1に揺動し、基部92の回転角度はオフセット角θ1に対して、それより小さい第2の角度θ2だけ回転揺動した状態でプレッシャ31を閉じる。
2.型閉めした後に、基部92を所定のオフセット角(第1の角度)θ1まで回転する。
3.上型23および下型22を開く前に、基部92をオフセット角θ1から第2の角度θ2まで回転する。
このような制御により、プレッシャ31がパイプWから若干離れた位置で型閉めされる。型閉め前に、曲げ位置であるオフセット角θ1で第1の位置P1あるいは第2の位置P2にプレッシャ31をスライド移動し、基部92の角度をθ2で型閉め後、オフセット角θ1に回転(揺動)することにより、プレッシャ31をパイプWに確実に当接させることができる。型閉め時に、基部92のオフセット角(およびスライドホルダ91の揺動角)を小さくしてプレッシャ31をパイプWから若干離すことによりカムフォロア73に作用するスラスト力の低減と、プレッシャ31がパイプWを曲げ型クランプ20の方へ押し込むことによるクランプ20(上下型23および22、および中型21)によるパイプWの噛み込みを防止できる。
また、型開放する際、すなわち、パイプWを開放(アンクランプ)するときは、基部92をオフセット角θ1から第2の角度θ2に戻して、プレッシャ31をパイプWから若干離す。これにより、パイプWの離型性が改善される。
第2の角度θ2は、0°以上10°以下程度であることが好ましい。オフセット角θ1および、それより小さい第2の角度θ2の一例は、オフセット角θ1が10°、第2の角度θ2が7°である。オフセット角θ1およびそれより小さな第2の角度θ2の判定は、センサを用いてもよい。オフセット角θ1はストッパ94aで設定でき、スライドモータ97をトルク制御してもよく、数値制御可能なサーボモータ等を使用してもよい。
図9に加工ユニット10により実行できるいくつかの曲げ加工を示している。図9(a)は左引き曲げ加工(第1のモード)を示し、図9(b)は右引き曲げ加工(第2のモード)を示し、図9(c)は左押し曲げ加工(第3のモード)を示し、図9(d)は右押し曲げ加工(第4のモード)を示す。図9は、下側の曲げ溝25を用いて行う曲げ加工(モードML)における曲げ開始位置を示す。上側の曲げ溝24を用いて同様に第1のモードから第4のモードで曲げ加工が可能であり、この加工ユニット10および加工装置1においては、合計8モードの曲げ加工が可能である。
なお、プレッシャユニット30はスライド板49およびスライド板49と加工ユニット10とを接続する支持板48bと干渉しない範囲を回動可能であり、中型21を上下に駆動するアーム101は、スライド板49を上下に貫通するように配置されているので、プレッシャユニット30とは干渉しない。曲げ型クランプ20は360度回転可能であるが、アーム101と干渉する範囲は回転する必要がない。
図9(a)の左引き曲げ加工(第1のモード)においては、パイプWを曲げ型クランプ20の右側にセットし、曲げ型クランプ20のクランプ部21bを曲げ方向にセットする。さらに、プレッシャユニット30はクランプ部21bに対して反時計方向の第1の位置P1にセットされる。プレッシャ31は曲げ軸11に向かって右側にスライドされ、スライドホルダ91により揺動軸93の周りに時計方向に揺動される。この状態でプレッシャ31はパイプWと平行になり、パイプWを直交する方向から押えて把持できる。この後、引き曲げモータ41を駆動して引き曲げ機構40を使い、曲げ型クランプ20を上から見て左側(時計方向、第1の回転方向)に回転する。プレッシャユニット30は回転させず、プレッシャユニット30に対して曲げ型クランプ20を回転させる。曲げ加工開始後は、スライドホルダ91はパイプWの曲げ反力で、オフセット角θ1が維持される。一方、プレッシャ31の位置は、第1の位置P1から曲げ加工されるパイプWの動きに追従してスライドホルダ91のレール91aに沿ってスライドする。
図9(b)の右引き曲げ加工(第2のモード)においては、パイプWを曲げ型クランプ20の左側にセットし、曲げ型クランプ20のクランプ部21bを曲げ方向にセットする。さらに、プレッシャユニット30はクランプ部21bに対して時計方向にセットされ、プレッシャ31を曲げ軸11に向かって左側にスライドさせるとともに揺動軸93に対して反時計方向に揺動させ、プレッシャ31をクランプ部21bの時計方向の第2の位置P2にセットする。この状態でプレッシャ31はパイプWと平行になり、パイプWを直交する方向から押えて把持できる。引き曲げモータ41を駆動して曲げ型クランプ20を上から見て右側(反時計方向、第2の方向)に回転する。プレッシャユニット30は回転させず、プレッシャユニット30に対して曲げ型クランプ20を回転させる。
図9(c)の左押し曲げ加工(第3のモード)においては、パイプWを曲げ型クランプ20の右側にセットし、曲げ型クランプ20のクランプ部21bに対してプレッシャユニット30を曲げ方向である時計方向にセットする。さらに、プレッシャ31を曲げ軸11に向かって左側にスライドさせるとともに揺動軸93に対して反時計方向に揺動させ、プレッシャ31をクランプ部21bの時計方向の第2の位置P2にセットする。この状態でプレッシャ31はパイプWと平行になり、押し曲げモータ51を駆動して押し曲げ機構50を使い、プレッシャユニット30を上から見て左側(時計方向)に回転する。プレッシャ31は、第1の軸11の周りに、初期状態の、パイプWの延びた方向(曲げ溝の接線方向)に並行になった状態を維持したまま回転し、パイプWに対して垂直な方向から力を加えて曲げ加工する。曲げ型クランプ20は回転させず、曲げ型クランプ20に対してプレッシャユニット30を回転させる。
図9(d)の右押し曲げ加工(第4のモード)においては、パイプWを曲げ型クランプ20の左側にセットし、パイプWをクランプした曲げ型クランプ20のクランプ部21bに対してプレッシャユニット30を曲げ方向である反時計方向にセットする。さらに、プレッシャ31を曲げ軸11に向かって右側にスライドさせるとともに揺動軸93に対して時計方向に揺動させ、プレッシャ31をクランプ部21bの反時計方向の第1の位置P1にセットする。この状態でプレッシャ31はパイプWと平行になり、押し曲げモータ51を駆動して押し曲げ機構50を使い、プレッシャユニット30を上から見て右側(反時計方向)に回転する。プレッシャ31は、曲げ軸11の周りに、初期状態の、パイプWの延びた方向(曲げ溝の接線方向)に並行になった状態を維持したまま反時計方向に回転し、パイプWに対して垂直な方向から力を加えて曲げ加工する。
この加工ユニット10においては、曲げ型クランプ20の回転を引き曲げモータ41、プレッシャユニット30の回動を押し曲げモータ51で独立して選択的に行う。それとともに、上下2段のクランプ20を備えており、中型21を上下型23および22とは独立して移動するようにしている。したがって、合計8モードの曲げ加工を含む混合曲げを連続して行うことが可能である。それぞれのモードにおける曲げ量は、プレッシャ位置とクランプ位置と個別に制御することにより自由であり、最大、左右両方向に対して、180°曲げを行うことができる。
また、この装置1で採用している直線状の溝38aおよび38bを含むプレッシャ31は曲げ点29から遠いパイプWの部分を直線状の溝で保持できる。このため、曲げ半径の小さな曲げ加工に対しても、パイプWに皺が発生しにくく、ワークが捩れにくいために加工精度を上げることができる。また、プレッシャユニット30は、大きな曲げ角度に対応可能な左右引き押し曲げ共用のプレッシャユニット30であってもよく、プレッシャユニット30を採用して曲げ型クランプ20と独立して回転可能にした加工ユニット10は、さまざまな曲げ加工が可能であり、大きな曲げ角にも対応できる。
プレッシャユニット30を回動させて曲げる押し曲げ(コンプレッションベンド)機能および左右曲げ自動段取り機能が必要ない場合には、プレッシャユニット30を回動する第2の駆動ユニット50およびプレッシャ駆動ユニット96と、それらの制御機能とを加工ユニット10に搭載しなくてもよい。その場合、加工ユニット10に、左右引き曲げの2位置に、プレッシャユニット30の回動アーム(基部)92を手動で回動しロックピン等で固定する機構と、直線スライドプレッシャ31の場合にプレッシャ溝38aおよび38bがパイプ軸と平行になる角度にプレッシャスライドホルダ91を回転しロックピン等で固定する機構との左右曲げ切換えのワンタッチ手動段取り機能を備えてもよい。
図10に、加工装置1によりパイプWを加工する製造方法(加工方法、加工装置の制御方法)の概要をフローチャートにより示している。このフローチャートはパイプWを連続して曲げ加工する状態を示しており、まず、ステップ121において、次の曲げ加工が、曲げ型クランプ20の上側の曲げ溝24を用いた曲げ加工(上段の加工)であれば、ステップ122において、前の曲げ加工に対して曲げ溝の上下を替える必要があるか判断する。曲げ溝の上下が変わるのであれば、ステップ123において上型23とともに上方に移動していた中型21を下方へ移動し、上型23と中型21とでパイプWを挟み込めるようにする。ステップ124で、パイプWの加工対象位置を曲げ型クランプ20の上側の曲げ溝24で加工される位置にセットし、ステップ125において、4つの曲げモードM1〜M4に対応するモードで曲げ加工する。
曲げ加工が終了すると、ステップ126において、上型23、下型22およびプレッシャ31を開き、昇降ユニット100が、中型21を第1の軸11に沿って下型22とともに下方へ移動して、パイプWを開放する。
ステップ127において次の加工が必要であれば、ステップ121に戻り、次の曲げ加工を確認する。次の曲げ加工が下側の曲げ溝25を用いた加工であれば、ステップ128において、曲げ溝が変わることを判断し、ステップ129で下側に移動している中型21を上方へ移動し、中型21と下型22とでパイプWを挟み込めるようにする。ステップ130で、パイプWの加工対象位置を曲げ型クランプ20の下側の曲げ溝25で加工される位置にセットし、ステップ131において、4つの曲げモードM1〜M4に対応するモードで曲げ加工する。曲げ加工が終了すると、ステップ132において、上型23、下型22およびプレッシャ31を開き、昇降ユニット100が、中型21を第1の軸11に沿って上型23とともに上方へ移動して、パイプWを開放する。ステップ127において、パイプWの連続加工が終了するまで上記の工程を繰り返す。
この製造方法(制御方法、加工方法)を制御する制御ユニット9はCPUおよびメモリを備えたコンピュータ資源で実現でき、加工方法(制御方法)はプログラム(プログラム製品)として適当な記録媒体に記録して提供できる。
曲げ加工の制御プログラム(加工データ)は、曲げ加工データテーブルに、各曲げ点の加工データにパイプ径と曲げ干渉のない左右曲げ方向と引き曲げ、押し曲げの曲げ方式の設定機能を含む。その設定に応じた動作を行う動作プログラムにより、パイプ位置と曲げ型クランプ20の位置とプレッシャ31の位置とを順次自動的に設定し、上段で、第1の曲げ溝24を用いて第1のパイプ径と第1の曲げ半径、下段で、第2の曲げ溝25を用いて第2のパイプ径と第2の曲げ半径にて、上下段それぞれの左右引き押し曲げの4モード曲げを、2種類のパイプ径と曲げ半径の混在する二重管等の棒状部材を曲げ干渉を避けた曲げ方向と曲げ方式で全工程の連続加工が可能になる。
2種類のパイプ径と曲げ半径の上下2段の左右両方向曲げ及び引き押し両方式曲げの混合曲げの制御手段は、一般的な1段一方向一方式の曲げ制御手段(制御のプログラム、データ)に対し、曲げ箇所毎の送り・ひねり・曲げの加工データテーブルに、パイプ径と曲げ方向と曲げ方式を選択する識別フラグを追加してもよい。そのフラグに対応した制御プログラムにより、ワーク支持ユニット5の水平移動および移動ユニット80による加工ユニット10の上下移動による、上下段および左右のパイプ位置の切替え、引き曲げ機構40および押し曲げ機構50による、曲げ型クランプ20とプレッシャ31との左右曲げ開始位置の切替えを制御できる。それ以降の曲げ動作は一般的な一方向一方式の曲げ動作制御と同様でよい。尚、曲げの円弧長分のパイプ送りは、引き曲げ時は曲げ回転と同期して送り、押し曲げ時は曲げ点間の直管長分の送りに加えて曲げ加工の前に送るように制御する。曲げ方向および曲げ方式の切替え動作は、曲げ点間の送り・ひねり動作とラップして自動で連続的に行うように制御できる。
図11に、加工装置1により曲げ加工したパイプWの一例を示す。図11(a)は、加工前のパイプWを断面図により示し、図11(b)は、加工後のパイプWを正面図により示している。このパイプWは、太い径の外管141に挿入された細い径の内管142と、内管142の両端のコネクタ(継手)CT1およびCT2とで構成される二重管149であって、中央部の外管141に覆われた長さの一部の内管142の外面に熱交換用の螺旋溝143が加工されていて、外管141と内管142とは曲げ加工で位置がズレないように外管141の両端部の片側または両側がかしめまたはろう付け等で接続されている。例えば、ワーク支持ユニット5のホルダ5aがこのコネクタCT1部分を把持(チャック)した状態で加工ユニット10が、コネクタCT2側からチャック側に向かって連続して曲げ加工を行うことができる。逆方向に加工してもよい。
加工装置1においては、パイプWの、パイプ径の細い内管142は上側の曲げ溝24により曲げ加工が可能であり、パイプ径の太い中央部の外管141に対して下側の曲げ溝25を用いて曲げ加工が可能である。1つのパイプでパイプ径および曲げ半径が途中で異なるタイプの製品(パイプ成型物)150を、一台の加工ユニット10を備えた加工装置1により、途中で持ち替えや段取り替え等を行うことなく連続して製造できる。
二重管149の曲げ加工においては、上記の外管141と内管142との異径部の前後も含め、曲げ始めストレート長L3および異径部後の曲げ始めストレート長L5、L8と、異径部前の曲げ終わりストレート長L4、L7および曲げ終りストレート長L9と、曲げ間ストレート長L6の制約および曲げ干渉制約が少ないフレキシブルな曲げ加工が求められている。スライドプレッシャ31の曲げ残り干渉長さは曲げ角度により変化し、短いプレッシャでは一度で曲げられる曲げ角度が制限されるため、曲げ型クランプ20のクランプ長(パイプ径の1〜1.5倍)L2よりストレート長制約が大きくなる。本発明の左右引き押し曲げ装置1は、曲げ干渉のない曲げ方向で引き曲げと押し曲げが可能なため、パイプWのストレート長の短い側をクランプする曲げ方式を選択して曲げ加工することで、曲げ制約を少なくできる。
以上に説明したように、本発明は、一組の上下2段曲げ型クランプ20とプレッシャ31とによる簡素で曲げ干渉が少ない構成により、上下2段の曲げ溝24および25で異なるパイプ径と曲げ半径が混在する二重管149等の棒状部材の全工程曲げを、干渉の無い曲げ方向と引き押しの曲げ方式を曲げ箇所ごとに選択して行うことができ、上下型のパイプ軸を中心にした平衡開閉と、上下型の開閉とは独立した中型の上下移動により、最小の曲げ型クランプ開閉ストロークでパイプ軸固定の送り、ひねり、曲げ戻しのラップ動作が可能な2段曲げ高速パイプ曲げ装置および加工方法を成立できる。
また、本発明の左右引き押し2段曲げユニット10をロボットで可搬しロボット側で送りとひねりと上下段左右の曲げ位置移動を行う利用形態としてもよく、その場合はロボット曲げで干渉が多く動作時間の長いひねり動作範囲を左右曲げにより半分にできることと、前記クランプ開閉ストロークの短縮と、送り・ひねり・曲げ戻し動作のラップ化によりロボット曲げを高速で行うことが可能になる。
なお、上記の加工装置1は一例であり、曲げユニットである加工ユニット10を固定してパイプ側(ワーク側)でひねりと送りを行う装置の代わりに、加工ユニット10の側をひねるようにしてもよく、ロータリー曲げ装置や、曲げユニットを可搬するロボット曲げ装置に本例の加工ユニット10を組み込んでもよい。
以上に説明したように、本発明の加工ユニットおよび加工装置は、上記の実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
1 加工装置、 10 加工ユニット
20 曲げ型クランプ、 23 上型、 21 中型、22 下型
24 上側の曲げ溝、 25 下側の曲げ溝
26 上側のクランプ溝、 27 下側のクランプ溝
30 プレッシャユニット、 60 型開閉ユニット、 70 プレッシャ開閉ユニット
100 昇降ユニット

Claims (16)

  1. 加工対象のパイプ径および曲げ半径の少なくともいずれかが異なる曲げ溝およびクランプ溝をそれぞれ含む上型および下型と、前記上型に対応した前記曲げ溝およびクランプ溝、および前記下型に対応した前記曲げ溝およびクランプ溝を含み、前記上型および前記下型の間に位置する中型とを含むクランプと、
    前記上型および前記下型が前記中型を挟んで閉じた状態の前記クランプと協働して前記加工対象を保持するプレッシャユニットと、
    前記上型および前記下型を第1の軸に沿って平衡に開閉する型開閉ユニットと、
    前記上型および前記下型の間で、前記中型を前記第1の軸に沿って独立して移動する昇降ユニットと、
    前記クランプに対し前記プレッシャユニットを開閉するプレッシャ開閉ユニットとを有する、加工ユニット。
  2. 請求項1において、
    前記昇降ユニットは、前記上型および前記下型が開閉する際に、前記中型を前記上型または前記下型とともに前記第1の軸に沿って移動する第1のモードと、前記上型および前記下型が開いた状態で前記上型および前記下型の間で移動する第2のモードとを含む、加工ユニット。
  3. 請求項1または2において、
    前記中型は、外周面に沿って形成された溝または凸部を含む周構造を含み、
    前記昇降ユニットは、前記周構造に、前記中型が回転可能な状態で係合するアームと、
    前記アームを前記第1の軸に沿って移動する駆動ユニットとを含む、加工ユニット。
  4. 請求項3において、
    前記周構造は、前記クランプ溝と重複しない範囲に形成されている、加工ユニット。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記クランプは、前記曲げ溝の内周側の少なくとも1か所に、前記上型および前記下型が閉じる前に前記加工対象のパイプに接する内側のガイドを含む、加工ユニット。
  6. 請求項5において、
    前記クランプは、前記曲げ溝の接線方向に延びるようにX字状に交差した前記クランプ溝を含み、前記内側のガイドは、前記クランプ溝と前記曲げ溝とが接続する2か所に設けられている、加工ユニット。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記クランプは、前記クランプ溝の外周側に、前記上型および前記下型が閉じる前に前記加工対象のパイプに接する外側のガイドを含む、加工ユニット。
  8. 請求項6において、
    前記クランプは、前記クランプ溝のX字状の交点の外周側に、前記上型および前記下型が閉じる前に前記加工対象のパイプに接する外側のガイドを含む、加工ユニット。
  9. 請求項5ないし8のいずれかにおいて、
    前記ガイドは、前記上型、前記中型、または前記下型から突き出たガイドピンであり、前記上型、前記中型、または前記下型の前記ガイドピンに対面する箇所に前記ガイドピンが収納される穴が設けられている、加工ユニット。
  10. 請求項1ないし9のいずれかにおいて、
    前記プレッシャユニットは、前記上型および前記下型が前記中型を挟んで閉じた状態の前記クランプの上下の曲げ溝に前記加工対象をそれぞれ保持する直線状の上下の溝を含むプレッシャと、
    前記プレッシャを前記第1の軸を中心に回転させるベースユニットと、
    前記プレッシャを、前記ベースユニットと前記クランプとを位置合わせした状態で、前記ベースユニットに対し前記クランプの反時計方向の第1の位置と時計方向の第2の位置との間でスライドさせるスライドホルダとを含む、加工ユニット。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の加工ユニットと、
    前記加工対象のパイプを支持するワーク支持ユニットと、
    前記加工ユニットおよび前記ワーク支持ユニットの少なくとも一方を動かして、前記ワーク支持ユニットに支持された前記加工対象のパイプの加工対象部分を、前記クランプの前記上型または前記下型による左右いずれか一方の加工位置にセットする移動ユニットとを有する加工装置。
  12. 加工装置によりパイプを曲げ加工することを有するパイプ成型物の製造方法であって、
    前記加工装置は、加工ユニットを有し、
    前記加工ユニットは、
    加工対象のパイプ径および曲げ半径の少なくともいずれかが異なる曲げ溝およびクランプ溝をそれぞれ含む上型および下型と、前記上型に対応した前記曲げ溝およびクランプ溝、および前記下型に対応した前記曲げ溝およびクランプ溝を含み、前記上型および前記下型の間に位置する中型とを含むクランプと、
    前記上型および前記下型が前記中型を挟んで閉じた状態の前記クランプと協働して前記加工対象を保持するプレッシャユニットと、
    前記上型および前記下型を開閉する型開閉ユニットと、
    前記中型を第1の軸に沿って独立して移動する昇降ユニットと、
    前記プレッシャユニットを開閉するプレッシャ開閉ユニットとを含み、
    前記曲げ加工することは、
    前記型開閉ユニットが、前記上型および前記下型を前記第1の軸に沿って前記加工対象に対して平衡に開閉することと、
    前記昇降ユニットが、前記上型および前記下型が開閉される際に、前記中型を前記上型または前記下型とともに前記第1の軸に沿って移動することと、
    前記昇降ユニットが、前記上型および前記下型が開いた状態で前記中型を前記上型および前記下型の間で移動することとを含む、方法。
  13. 請求項12において、
    前記加工装置は、さらに、
    前記加工対象のパイプを支持するワーク支持ユニットを有し、
    前記曲げ加工することは、
    前記加工ユニットおよび前記ワーク支持ユニットの少なくとも一方を動かして、前記ワーク支持ユニットに支持された前記加工対象のパイプの加工対象部分を、前記クランプの前記上型または前記下型による左右いずれか一方の加工位置にセットすることを含む、方法。
  14. 請求項13において、
    前記セットすることは、前記加工対象部分を、前記クランプの前記上型または前記下型から前記下型または前記上型による左右いずれか一方の加工位置にセットする際に、前記昇降ユニットが、前記上型および前記下型が開いた状態で前記中型を前記上型および前記下型の間で移動することを有する、方法。
  15. 請求項12ないし14のいずれかにおいて、
    前記プレッシャユニットは、前記上型および前記下型が前記中型を挟んで閉じた状態の前記クランプの上下の曲げ溝に前記加工対象のパイプをそれぞれ保持する直線状の上下の溝を含むプレッシャと、
    前記プレッシャを前記第1の軸を中心に回転させるベースユニットと、
    前記プレッシャを、前記ベースユニットと前記クランプとを位置合わせした状態で、前記ベースユニットに対し前記クランプの反時計方向の第1の位置と時計方向の第2の位置との間でスライドさせるとともに前記ベースユニットに対して揺動するスライドホルダとを含み、
    前記曲げ加工することは、
    前記上型および前記下型を型閉めする前に、前記スライドホルダを揺動させて上下いずれかの曲げ溝に前記加工対象のパイプを加工の際に保持する第1の角度に対して、前記スライドホルダが前記第1の角度より小さい第2の角度だけ揺動した状態で前記プレッシャを閉じることと、
    前記型閉めした後に、前記スライドホルダを前記第1の角度まで揺動することとを有する、方法。
  16. 請求項15において、
    前記曲げ加工することは、
    前記上型および前記下型を開く前に、前記スライドホルダを前記第1の角度から前記第2の角度まで揺動することを含む、方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109647946A (zh) * 2018-12-24 2019-04-19 芜湖汉峰科技有限公司 一种钢管自动折弯装置

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