JP4803924B2 - 商品情報印字装置および商品情報印字方法 - Google Patents

商品情報印字装置および商品情報印字方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品の情報を印字する、商品情報処理装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
食品スーパーなどでは、従来から、牛乳パックや食品用トレーの回収など、資源リサイクルに対する様々な取り組みを行っており、環境に対する企業姿勢をアピールするための重要な一側面をなしている。
【0003】
一方、2001年4月1日に施行された資源有効利用促進法により、紙製容器包装およびプラスチック製容器包装についての利用事業者、製造事業者、および輸入販売事業者に対して、これらの容器包装についての識別表示が義務づけられるようになった。図14は、紙製容器およびプラスチック容器についての識別に用いられる、識別表示を示す図である。図14(a)が紙製容器、図14(b)がプラスチック容器の場合に用いられる表示である。
【0004】
これらの識別表示は、商品を包装する個々の包装材ごとに表示することが求められるが、複数の包装材による多重容器包装がなされている場合に限って、表示可能な場所に、一括表示することも認められている。例えば、生鮮食料品の包装で多く用いられるトレーとラップフィルムからなる多重容器包装の場合、トレーには直接に印刷あるいは刻印によって識別表示を行うことは容易であるが、ラップフィルムに対してそれらを行うことは困難である。この場合、ラップフィルムに貼付される、商品情報が記載されたラベルに、トレーおよびラップフィルムの識別表示を一括して行うことが認められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした識別表示が消費者に視認されたとしても、包装容器の廃棄あるいは回収の方法についての情報が、必ずしも消費者に伝達されるわけではない。どのように廃棄すればよいのか、あるいは各スーパーがどのように回収を行っているのかなどについて、別途情報を呈示することが、資源リサイクルを推進する立場からは望ましい。また、包装容器の回収に協力する消費者に対し特典を提供することで、回収を促進しつつ、顧客の取り込みを行うことも可能である。
【0006】
特に、上述のようなラベルにおける一括表示の場合、それぞれの包装容器についての廃棄・回収の情報を、それぞれの識別表示と併記することで、より効率的に、消費者への廃棄・回収方法の案内、さらにはそれらに対応する特典の案内などを行うことができると考えられるが、こうした表示を実現する商品情報印字装置は、これまでなかった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、そうした案内文をラベルに印字できる商品情報印字装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、商品情報を印字する装置であって、各商品と対応付けて当該商品の包装容器を特定する特定情報を記憶するとともに、各特定情報に対応付けて当該特定情報が示す包装容器の廃棄および収集のうちの少なくとも一方に関する案内文を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている情報を参照して、処理対象の商品についての包装容器を特定し、特定した包装容器に対応する案内文を選定する案内文選定手段と、前記処理対象の商品についての包装容器またはそれに付随すべき商品情報表示媒体を印字対象として、前記案内文選定手段で選定された案内文を、前記印字対象に印字する印字手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の商品情報印字装置であって、前記記憶手段は、各前記特定情報に対応付けて当該特定情報が示す包装容器の材質を特定する第2特定情報を記憶するとともに、各第2特定情報に対応付けてリサイクル用識別表示を記憶し、前記記憶手段に記憶されている情報を参照して、前記処理対象の商品についての包装容器を特定し、特定した包装容器の材質を特定し、特定した材質に対応するリサイクル用識別表示を特定する特定手段と、前記特定手段で特定されたサイクル用識別表示を前記印字対象に印字する手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、商品情報印字装置により商品情報を印字する方法であって、各商品と対応付けて当該商品の包装容器を特定する特定情報を記憶するとともに、各特定情報に対応付けて当該特定情報が示す包装容器の廃棄および収集のうちの少なくとも一方に関する案内文を記憶する記憶手段に記憶されている情報を参照して、処理対象の商品についての包装容器を特定し、特定した包装容器に対応する案内文を選定する案内文選定工程と、前記処理対象の商品についての包装容器またはそれに付随すべき商品情報表示媒体を印字対象として、前記案内文選定工程で選定された案内文を、前記印字対象に印字する印字工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項に記載の商品情報印字方法であって、前記記憶手段は、各前記特定情報に対応付けて当該特定情報が示す包装容器の材質を特定する第2特定情報を記憶するとともに、各第2特定情報に対応付けてリサイクル用識別表示を記憶し、
前記記憶手段に記憶されている情報を参照して、前記処理対象の商品についての包装容器を特定し、特定した包装容器の材質を特定し、特定した材質に対応するリサイクル用識別表示を特定する特定工程と、前記特定工程で特定されたリサイクル用識別表示を前記印字対象に印字する工程と、をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
<装置概要>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる商品情報印字装置として機能する、自動計量包装値付装置1の正面図である。図2は、自動計量包装値付装置1の内部構成を表す側面図である。図3は、自動計量包装値付装置1の全体構成を表すブロック図である。
【0018】
図1、図2および図3に示すように、この自動計量包装値付装置1は、商品供給部2、プリント機構部PM、入力操作部7、および制御部40とを主として備えている。
【0019】
商品供給部2には、計量、包装、および値付をすべき商品が載置される。商品供給部2には計量部10が組み込まれている。計量部10は、自動計量包装値付装置1に供給される商品の計量を行い、計量結果に応じた値段等を含む商品情報を当該ラベルに印字することができる。
【0020】
プリント機構部PMは、計量部10による計量結果、単価、これらに基づく販売金額、およびその他の商品情報を各ラベルLBに対して印字する複数の印字ヘッド20と、複数の印字ヘッド20が配置された搬送経路において、各ラベルを搬送するラベル搬送部30とを備えており、複数の印字ヘッドによるラベルLBへの印字処理、台紙に連続貼付された各ラベルLBに対して各商品ごとの情報(商品情報)を印字する。
【0021】
入力操作部7は、自動計量包装値付装置1の動作メニューや、登録データ、動作状況などを表示する表示パネル71と、テンキーその他のキーからなる入力キー72とを備えている。装置使用者の指示や、後述するいくつかのマスタに登録すべき各種のデータなどは、入力操作部7を通じて入力される。また、表示パネル71は、入力操作可能なタッチパネルである操作パネル73としても機能する。図4は、操作パネル73の例を示す図である。図4においては、商品名の登録を行う操作画面を、例として示しているが、メニューキーKMにより、その他のデータ登録や、計量、包装、および値付あるいは印字などを実行させるための操作画面に、切り替えることができる。
【0022】
制御部40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、例えばハードディスクなどから構成される記憶部404と、タイマ405とを主として備える。これらは、バスライン49を介して互いに接続されている。なお、入力操作部7、計量部10などもそれぞれ、バスライン49に電気的に接続されている。記憶部404は、自動計量包装値付装置1の各種処理を実行するプログラム404pと、各商品の商品情報(品名、単価等)を商品ごとに記憶する商品マスタMS1と、商品の包装に用いられるラップフィルムについての情報を記憶するフィルムマスタMS2と、商品の包装に用いられるトレーについての情報を記憶するトレーマスタMS3と、商品の容器包装に表示されるリサイクル用識別マークおよび材質表示について記憶するリサイクル表示マスタMS4と、トレー、ラップフィルムなどの容器包装についての廃棄・回収の方法や、それらに伴い付与される特典についての案内文を記憶する案内文マスタMS5とを備える。
【0023】
図5は、制御部40における機能を示すブロック図である。制御部40は、CPU401、ROM402、RAM403、記憶部404などの機能として実現される、計量部10からの計量結果(計量値)のデータを受信する計量結果受信部41と、その計量結果(計量値)や商品情報などに基づいて各ラベルに印字する印字内容を生成する印字内容生成部42と、ラベルLBへの印字動作を制御する印字処理制御部43とを備える。
【0024】
また、図2に示すように、この自動計量包装値付装置1は、未包装状態の各商品を包装する包装部50と、各商品ごとの情報が印字されたラベルLBを、各商品に貼付する貼付部60とをさらに備えている。これらに対応して、制御部40は、包装部50による包装処理を制御する包装処理制御部45と、貼付部60によるラベル貼付処理を制御する貼付処理制御部46とを備える。
【0025】
ここで、包装部50は、例えば、トレーなどの容器に載せられた食肉などの商品を各種の包装用のラップフィルムを用いて包装する包装機能を有している。図2に示すように、包装部50は、移送機構51と、一対の左右折込板52と、後折込板53と、プッシャ54と、熱溶着コンベヤ55とを有している。この包装部50の包装機能について、図2を参照しながら具体的に説明する。
【0026】
商品供給部2に供給されたトレーTは、図2において右側に移動されてリフタLF上に載置された後、そのリフタLFによって上方へ移動される。また、この上昇動作に先立って、移送機構51によって、ラップフィルムFがトレーTの上方においてあらかじめ張設状態とされて供給されている。そして、このリフタLFによる上昇動作の結果、トレーT上に載置された商品の上面やトレーTの辺縁部にラップフィルムFが密着する。さらに、トレーTの上面をラップフィルムFが覆った状態で、左右折込板52、後折込板53、およびプッシャ54などを用いて、ラップフィルムFの四辺をトレーTの底面(下面)側に折り込んだ後、熱溶着コンベヤ55によってトレーTの底面側に折り込まれたラップフィルムFの各辺縁部を互いに溶着することにより、包装処理を実現することができる。
【0027】
また、ラベル貼付部60は、印字が完了した各ラベルLBを台紙から剥離して、商品(より具体的にはラップフィルムF)に貼付する。このラベル貼付部60としては、例えば、真空吸着によりラベルLBを吸着するタイプのものなどを採用することができる。
【0028】
このように、この自動計量包装値付装置1は、計量機能および印字機能に加えて、包装機能およびラベル貼付機能(値付機能)をも有している。なお、以下において、自動計量包装値付装置1において、計量、包装、印字、および貼付を実行することを単に「処理する」といい、処理される商品を「処理対象」という。
【0029】
<各マスタの設定>
本実施形態にかかる自動計量包装値付装置1には、上述のように、マスタと呼ばれるデータベースが複数備わっている。これら複数のマスタは、共通の項目要素を介して互いにリンクしている。以下、それぞれのマスタについて説明する。
【0030】
図6は、商品マスタMS1の例を示す図である。商品マスタMS1は、各行(レコード)が1つ1つの商品に相当し、各商品ごとに、品番MS11、商品名MS12、単価設定単位MS13、単価MS14、消費期限MS15、保存温度MS16、フィルム番号MS17、トレー番号MS18、および付加文番号MS19の9項目を商品情報として備える。また、各項目の要素の設定が不要な場合は、「N」と記されている(以下同様)。フィルム番号MS17、トレー番号MS18、および付加文番号MS19については後述する。
【0031】
例えば、品番MS11が「001001」である商品名MS12が「国産牛モモ切り落とし」という商品が、処理対象である場合を考えると、この場合、商品名MS12と、単価設定単位MS13である「100g」当たりの単価である単価MS14と、印字内容生成部42において単価MS14の値「198円」に商品の計量結果を乗じることにより決定される販売金額と、タイマ405から得られる日時データと消費期限MS15の値「2日」とから定まる消費期限が、商品に関し顧客に呈示されるデータとしてラベルLBに印字されることになる。
【0032】
図7は、フィルムマスタMS2の例を示す図である。フィルムマスタMS2は、フィルム番号MS21、材質番号MS22、フィルムのサイズ(幅)MS23、および案内文番号MS24の4項目から構成され、フィルムマスタMS2の各レコードは、材質あるいはサイズの異なる1つ1つのラップフィルムに相当する。なお、フィルムマスタMS2のフィルム番号MS21と、商品マスタMS1のフィルム番号MS17とは共通である。材質番号MS22、および案内文番号MS24については後述する。
【0033】
図8は、トレーマスタMS3の例を示す図である。トレーマスタMS3は、トレー番号MS31、材質番号MS32、トレーのサイズMS33、および案内文番号MS34の4項目から構成され、トレーマスタMS3の各レコードは、材質あるいはサイズの異なる1つ1つのトレーに相当する。なお、トレーマスタMS3のトレー番号MS31と、商品マスタMS1のトレー番号MS18とは共通である。材質番号MS32、および案内文番号MS34については次述する。
【0034】
図9は、リサイクル表示マスタMS4の例を示す図である。リサイクル表示マスタMS4は、材質番号MS41、材質略称MS42、識別マーク種MS43の3項目から構成され、リサイクル表示マスタMS4の各レコードは、種類の異なる1つ1つの包装用材料に相当する。リサイクル表示マスタMS4の材質番号MS41は、フィルムマスタMS2の材質番号M22、およびトレーマスタMS3の材質番号MS32と共通である。識別マーク種MS43は、包装用材料がプラスチックであるか、あるいは紙である場合にラベルLBに印字されるよう定められた、図14の識別マークと対応している。「プラ」は材質がプラスチックである場合に印字される図14(a)と、「紙」は材質が紙である場合に印字される図14(b)と対応する。図14の各識別マークはいずれもイメージデータとして、記憶部404に記憶される。これらの識別マークは、使用部位を併記して、リサイクル用識別表示として、適切な場所に印字される。
【0035】
なお、材質がプラスチックである場合には、識別マークと使用部位だけでなく、より具体的な材質を併記することが推奨されている。これに対応する項目が、材質略称MS42である。材質略称MS42に用いられる材料の表示は、JISK 6899−1 2000(ISO 1043−1 1997)に定められている記号により行われる。例えば、図9において示される材質略称MS42と対応する材質名は、以下の通りである。
【0036】
PE:ポリエチレン;
PET:ポリエチレンテレフタレート;
PP:ポリプロピレン;
PS:ポリスチレン;
PVC:ポリ塩化ビニル;
図10は、案内文マスタMS5の例を示す図である。案内文マスタMS5は、案内文番号MS51と、案内文MS52の2項目で構成され、各レコードごとに異なる案内文が設定されている。
【0037】
<リサイクル用識別表示および案内文の選定>
次に、印字内容生成部42において実行される、ラベルLBに印字されるリサイクル用識別表示(以下、単に「識別表示」という)およびこれに関連する廃棄方法などの案内文を選定する方法について説明する。これらは、上述の各マスタ同士のリンクに基づいてなされる。例として、処理対象に商品名MS12が「国産牛モモ切り落とし」という商品が選択された場合を示す。図11は、各マスタのレコードの要素E1〜E13が、どのようにリンクしているかを説明する図である。
【0038】
<識別表示の選定>
まずあらかじめ、リサイクル表示マスタMS4において、材質番号MS41と材質略称MS42および識別マーク種MS43とが対応付けられている。例えば、材質番号MS41が「5」である要素E4は、材質略称MS42が「PVC」である要素E6と対応付けられている。一方、フィルムマスタMS2においては、材質番号MS22とフィルムのサイズMS23との組み合わせごとに、フィルム番号MS21が付与されている(実際には案内文番号MS24も組み合わせの対象だが、これについては後述する)。図11の場合、要素E4でサイズが300mmのフィルムに、「1」というフィルム番号MS21が与えられている。これを要素E2とする。
【0039】
商品マスタMS1においてフィルム番号をどのように選択するかで、対象とする商品の包装に用いられるフィルムが定まる。図11の場合、要素E1の「国産牛モモ切り落とし」のフィルム番号MS17に「1」を選択することにより、「国産牛モモ切り落とし」に対しては、「1」というフィルム番号MS21を持つフィルム、すなわち要素E6より、材質略称MS42が「PVC」のフィルムを用いる場合に対応する。材質番号MS41が定まることで、識別表示の内容も定められる。
【0040】
トレーの場合も同様に、リサイクル表示マスタMS4において、材質番号MS41と材質略称MS42および識別マーク種MS43とが対応付けられており、トレーマスタMS3において、材質番号MS32とトレーのサイズMS33との組み合わせに対し、トレー番号MS31が定められている。どのトレーを用いるかを、商品マスタMS1のトレー番号MS18として定めることにより、トレーについての識別表示の内容が定まる。
【0041】
以上のように、「国産牛モモ切り落とし」という商品に用いられる包装材に関して、印字すべき識別表示の内容が選定される。図11の場合、図14(a)に示す「プラ」の識別マークと、フィルムの材質がPVCであり、トレーの材質がPSであることを示す材質表示とがこれに相当する。
【0042】
また、各マスタにおける各項目の設定値を適切に設定することにより、個々の商品の包装形態に合致した識別表示を、商品ごとに設定することが可能となる。
【0043】
<案内文の選定>
次に、印字内容生成部42において実行される、ラベルLBに印字される案内文の選定について説明する。案内文の選定は、識別表示の場合と同様に、上述の各マスタ同士のリンクに基づいてなされる。
【0044】
案内文に関しては、案内文マスタMS5において、登録された案内文MS52に案内文番号MS51がそれぞれ付与されている。図11の場合、例えば、「1」という案内文番号MS51に対しては、「燃えるゴミとして処分して下さい。」という案内文MS52が設定されている。
【0045】
さらにフィルムの場合、フィルムマスタMS2において、材質番号MS22とフィルムのサイズMS23との組み合わせごとにフィルム番号MS21が設定される。識別表示の場合と同様に、商品マスタMS1において個々の商品に対しどのフィルム番号MS17を選定するかによって、どの案内文MS52を選択するかが定まることになる。
【0046】
さらに、案内文に関しては、上述のようなフィルムあるいはトレーの種別から選定される案内文とは別の、さらなる案内文を付加文として印字させることができる。これは、商品マスタMS1の付加文番号MS19という項目の設定により実現する。付加文番号MS19において設定される値には、案内文マスタMS5の案内文番号MS51の値が用いられる。これはすなわち、商品マスタMS1において、直接に案内文を選定することに相当する。付加文番号MS19は商品ごとに独立して設定されるので、例えば、上述のトレーやフィルムについての廃棄方法に該当しないような、特殊な廃棄方法を要する包装について、その廃棄方法を提示する案内文を呈示することが可能となる。
【0047】
また、商品の金額あるいは顧客のリサイクルに対する協力度などに応じた特典を与えるポイントサービスを実施されている場合、案内文によりこれに関連する特典を呈示することもできる。例えば、トレーの回収に関するポイントサービスがある場合、「国産牛モモ切り落とし」は付加文番号MS19を「11」、これより単価MS14の高い「和牛サーロインステーキ」は同じく「12」とすることで、各々に対応する案内文MS52の内容に示されるように、商品の金額が高いほど、高い回収ポイントを与えるようなことも可能である。
【0048】
以上のデータから、「国産牛モモ切り落とし」に関して印字される案内文が選定される。また、各マスタにおける各項目の設定値を適切に設定することにより、個々の商品に適した案内文を、商品ごとに設定することが可能となる。
【0049】
<識別表示および案内文の印字>
識別表示および案内文が選定されると、印字処理制御部43の制御に従い、プリント機構部PMにおいて、前述の商品情報とともにラベルLBに印字される。図11の場合、識別表示については、図14(a)に示す「プラ」の識別マークと、フィルムの材質がPVCであり、トレーの材質がPSであることを示す材質表示とが、案内文については、フィルムに関する「燃えるゴミとして処分して下さい。」という案内文と、トレーに関する「トレー回収箱で回収しています。」という案内文と、これらとは別に選定される「回収ポイント1点追加です。」という案内文とが、印字データとして印字処理制御部43に伝達され、プリント機構部PMにより印字される。図12は、識別表示および案内文が印字されたラベルLB1を示す図である。なお、印字レイアウトはこれに限定されず、商品情報のレイアウトを含め、適宜変更されてよい。
【0050】
以上のように、第1の実施形態においては、商品情報を印字するラベルに、リサイクル用の識別表示と、これに関連した、あらかじめ定められた案内文とを印字することができる。
【0051】
<第2の実施の形態>
第1の実施形態では、商品マスタMS1で選択される商品ごとに案内文が選定される構成であったが、本発明における案内文の選定方法は、これに限定されない。例えば、包装材の材質ごとに案内文を選定してもよい。以下、これを説明する。
【0052】
図13は、本実施形態において、各マスタのレコードの要素E21〜E27が、どのようにリンクしているかを説明する図である。ただし、図13には、フィルムに関するリンクのみを示している。
【0053】
図13の場合、材質略称MS42が「PVC」である材質(ポリ塩化ビニル)について、案内文の選定が行われる。リサイクル表示マスタMS4においては、この材質、すなわち要素E21に対応する材質番号MS41は「5」と設定されている。これを要素E22とする。
【0054】
一方、案内文マスタMS5において、案内文MS52と案内文番号MS51との対応はあらかじめ定められている。フィルムマスタMS2において、要素E22に対しどの案内文番号MS24を選択するかによって、要素E21に対応した案内文の選定が行える。なお、図7のフィルムマスタMS2においては、同一の材質番号MS22に複数のフィルム番号が対応しているが(具体的には、要素E22に対して要素E25〜E27)、1つの材質番号MS22には1つの案内文番号MS24を定めるよう規則付けることで、同一の材質を持つフィルムについて、全て同じ案内文が印字できることになる。また、図13は、要素E22に対して、要素E24の「燃えるゴミとして処分して下さい。」という案内文と対応する案内文番号MS51を選択した場合に相当する。
【0055】
なおこの場合、あらかじめ包装材の材質が定まっていることから、印字される識別表示も初めから確定していることになり、識別表示に対応して案内文を設定していることにもなる。
【0056】
トレーについても、同様に、材質(正確には材質略称MS42)から案内文を選定することができる。
【0057】
また、付加文については、第1の実施形態と同様に商品マスタMS1に付加文番号MS19を設定して、選定を行ってもよいし、フィルムマスタMS2やトレーマスタMS3に、付加文番号を設定するような構成をとってもよい。
【0058】
以上のように、第2の実施形態においては、商品の包装に用いられる包装材の材質あるいは材質表示に応じて、その廃棄・回収方法などを説明する案内文をラベルに印字することができる。
【0059】
<変形例>
◎上述の実施形態はいずれも、あらかじめ登録した案内文を、一定の条件に従って選定し、印字する構成であるが、案内文の登録および選定は、印字の実行時にマニュアルで逐次行ってもよい。特に付加文は、販促メッセージの呈示手段として利用する場合もあり、使用者(商品販売者)の要求に応じてフレキシブルに入力・選定できることが望ましい場合もある。
【0060】
◎各マスタの項目要素は、上述の実施形態に限定されない。例えば、食品によっては、吸水シートなど、トレーやラップフィルムだけでなく、他の包装材も用いられる場合があるが、これらに対応する項目を設定する構成であってよい。また、添加物の表示など、他の商品情報のための項目が、含まれていてもよい。
【0061】
◎本発明にかかる商品情報印字装置に、計量、包装機能は必須のものではない。値付およびラベルの発行機能のみを備える、いわゆるラベラと呼ばれる装置であってもよい。
【0062】
◎ラベルへの印字は、複数の色を用いてなされてもよい。例えば、識別表示あるいは案内文の印字を、他の商品情報と異なる色で実行することにより、顧客の視認性を高め、それらの呈示する情報が、より効果的に伝達することも可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1ないし請求項の発明によれば、顧客に対し、包装容器の廃棄や収集の方法に関する情報を呈示できる。
【0065】
特に、請求項および請求項の発明によれば、リサイクル用識別表示とともに、顧客に包装容器の廃棄や収集の方法の情報を呈示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動計量包装値付装置1の正面図である。
【図2】自動計量包装値付装置1の内部構成を示す側面図である。
【図3】自動計量包装値付装置1の全体構成を表すブロック図である。
【図4】操作パネル73の画面表示例を示す図である。
【図5】制御部40における機能を示すブロック図である。
【図6】商品マスタMS1の例を示す図である。
【図7】フィルムマスタMS2の例を示す図である。
【図8】トレーマスタMS3の例を示す図である。
【図9】リサイクル表示マスタMS4の例を示す図である。
【図10】案内文マスタMS5の例を示す図である。
【図11】各マスタのレコードの要素E1〜E13が、どのようにリンクしているかを説明する図である。
【図12】識別表示および案内文が印字されたラベルLB1を示す図である。
【図13】各マスタのレコードの要素E21〜E27が、どのようにリンクしているかを説明する図である。
【図14】紙製容器およびプラスチック容器についての識別に用いられる、識別表示を示す図である。
【符号の説明】
1 自動計量包装値付装置
2 商品供給部
40 制御部
51 移送機構
52 左右折込板
53 後折込板
54 プッシャ
55 熱溶着コンベヤ
7 入力操作部
F ラップフィルム
LB、LB1 ラベル
LF リフタ
PM プリント機構部
T トレー

Claims (4)

  1. 商品情報を印字する装置であって、
    各商品と対応付けて当該商品の包装容器を特定する特定情報を記憶するとともに、各特定情報に対応付けて当該特定情報が示す包装容器の廃棄および収集のうちの少なくとも一方に関する案内文を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている情報を参照して、処理対象の商品についての包装容器を特定し、特定した包装容器に対応する案内文を選定する案内文選定手段と、
    前記処理対象の商品についての包装容器またはそれに付随すべき商品情報表示媒体を印字対象として、前記案内文選定手段で選定された案内文を、前記印字対象に印字する印字手段と、
    を備えることを特徴とする、商品情報印字装置。
  2. 請求項1に記載の商品情報印字装置であって、
    前記記憶手段は、各前記特定情報に対応付けて当該特定情報が示す包装容器の材質を特定する第2特定情報を記憶するとともに、各第2特定情報に対応付けてリサイクル用識別表示を記憶し、
    前記記憶手段に記憶されている情報を参照して、前記処理対象の商品についての包装容器を特定し、特定した包装容器の材質を特定し、特定した材質に対応するリサイクル用識別表示を特定する特定手段と、
    前記特定手段で特定されたサイクル用識別表示を前記印字対象に印字する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする商品情報印字装置。
  3. 商品情報印字装置により商品情報を印字する方法であって、
    各商品と対応付けて当該商品の包装容器を特定する特定情報を記憶するとともに、各特定情報に対応付けて当該特定情報が示す包装容器の廃棄および収集のうちの少なくとも一方に関する案内文を記憶する記憶手段に記憶されている情報を参照して、処理対象の商品についての包装容器を特定し、特定した包装容器に対応する案内文を選定する案内文選定工程と、
    前記処理対象の商品についての包装容器またはそれに付随すべき商品情報表示媒体を印字対象として、前記案内文選定工程で選定された案内文を、前記印字対象に印字する印字工程と、
    を備えることを特徴とする、商品情報印字方法
  4. 請求項に記載の商品情報印字方法であって、
    前記記憶手段は、各前記特定情報に対応付けて当該特定情報が示す包装容器の材質を特定する第2特定情報を記憶するとともに、各第2特定情報に対応付けてリサイクル用識別表示を記憶し、
    前記記憶手段に記憶されている情報を参照して、前記処理対象の商品についての包装容器を特定し、特定した包装容器の材質を特定し、特定した材質に対応するリサイクル用識別表示を特定する特定工程と、
    前記特定工程で特定されたリサイクル用識別表示を前記印字対象に印字する工程と、
    をさらに備えることを特徴とする、商品情報印字方法
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