JP4801004B2 - 電子ユニット - Google Patents
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Description
しかし、封止剤として柔らかい樹脂材料を充填した場合には、回路基板の側方から突出する入出力端子を相手側端子に対して挿脱させる際に、入出力端子に作用した挿脱力が回路基板に対して直接的に伝達してしまうために、回路基板上の実装部品に半田クラック等が生じてしまうという問題があった。
また、回路基板の周囲に軟質の樹脂からなるケーシング部材をモールド成形によって密着状に被覆するという方法も考えられるが、この場合には、電子ユニット全体が強度不足になってしまうという問題があった。
第1発明は、入出力端子を備える基板の周囲には、軟質の樹脂からなる内層ケーシング部材が前記入出力端子を露出させた状態でモールド成形されており、前記内層ケーシング部材の周囲には、硬質の樹脂からなる外層ケーシング部材がモールド成形されており、前記外層ケーシング部材は、前記入出力端子を囲むコネクタハウジング部を備えている電子ユニットであって、前記入出力端子が部分的に前記外層ケーシング部材で被覆されており、前記入出力端子の前記外層ケーシング部材で被覆された部分には、他の部分よりも幅が狭い幅狭部が設けられていることを特徴とする、電子ユニットである。
第3発明は、入出力端子を備える基板の周囲には、軟質の樹脂からなる内層ケーシング部材が前記入出力端子を露出させた状態でモールド成形されており、前記内層ケーシング部材の周囲には、硬質の樹脂からなる外層ケーシング部材がモールド成形されており、前記外層ケーシング部材は、前記入出力端子を囲むコネクタハウジング部を備えている電子ユニットであって、前記入出力端子が部分的に前記外層ケーシング部材で被覆されており、前記入出力端子の前記外層ケーシング部材で被覆された部分には、前記入出力端子を表裏方向に貫通する貫通穴が設けられていることを特徴とする、電子ユニットである。
第4発明は、入出力端子を備える基板の周囲には、軟質の樹脂からなる内層ケーシング部材が前記入出力端子を露出させた状態でモールド成形されており、前記内層ケーシング部材の周囲には、硬質の樹脂からなる外層ケーシング部材がモールド成形されており、前記外層ケーシング部材は、前記入出力端子を囲むコネクタハウジング部を備えている電子ユニットであって、前記入出力端子が部分的に前記外層ケーシング部材で被覆されており、前記入出力端子の前記外層ケーシング部材で被覆された部分には、前記入出力端子の厚み方向に凹んだ凹部、又は、前記入出力端子の厚み方向に突出した凸部が設けられていることを特徴とする、電子ユニットである。
図1は、本実施形態に係る電子ユニット10の上面図である。図2は、電子ユニット10の正面図である。図3は、図1に示す電子ユニット10のA−A線断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る電子ユニット10は、複数本の入出力端子14を備える回路基板12(本発明の「基板」に対応する)の周囲に内層ケーシング部材40及び外層ケーシング部材42がモールド成形により被覆されたものである。回路基板12の側方から突出した複数本の入出力端子14を相手側接続端子に電気的に接続することによって、車両に搭載された電気接続箱等の相手側機器に電子ユニット10を接続することができるようになっている。
スイッチングデバイス16は、電流のオン/オフを制御可能なものであって、本実施形態では半導体スイッチング素子を用いている。
さらに、バスバー回路18には、回路基板12の側方から突出する複数本の入出力端子14が一体的に形成されている。この入出力端子14を図示しない相手側端子に対して電気的に接続することによって、車両に搭載された電気接続箱等の相手側機器に電子ユニット10を接続できるようになっている。
また、回路基板12の周囲に内層ケーシング部材40及び外層ケーシング部材42がモールド成形により被覆されることによって、回路基板12に実装されているデバイス等で発生した熱を効率良く外層ケーシング部材42の表面まで伝熱させることができ、電子ユニット10の放熱特性が向上している。
外層ケーシング部材42の材料となる硬質の樹脂には、例えば、LCP(液晶ポリマー)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)といった耐熱性の樹脂が用いられている。
なお、本発明において、「軟質」あるいは「硬質」とあるのは、内層ケーシング部材40及び外層ケーシング部材42をモールド成形するための樹脂材料の硬さを相対的に表したものである。
図4及び図5に示すように、軟質の樹脂材料からなる内層ケーシング部材40は、入出力端子14の先端部14aを露出させた状態でモールド成形されている(つまり、内層ケーシング部材40は、入出力端子14の基端部14bのみを被覆するようにしてモールド成形されている)。内層ケーシング部材40には、当該内層ケーシング部材40を表裏に貫通する貫通穴46が設けられている。そして、内層ケーシング部材40の周囲に外層ケーシング部材42がモールド成形されることによって、この貫通穴46の内部に溶融樹脂が流入する。この結果、入出力端子14の基端部14bが部分的に外層ケーシング部材42によって被覆される(図3参照)。
このため、入出力端子14を相手側端子に挿脱させる際の挿脱力が回路基板12に直接的に伝達されることがなくなる。この結果、回路基板12上の半田接続部にクラック等が発生することを未然に防止することができる。
図6に示すように、入出力端子14の基端部14bには、他の部分よりも幅が狭い幅狭部30が設けられている。この幅狭部30に外層ケーシング部材42が被覆されることによって、入出力端子14が外層ケーシング部材42によって強固に保持される(これに対して、入出力端子14に幅狭部30が設けられていない場合、入出力端子14は外層ケーシング部材42から容易に抜け出てしまう)。この結果、回路基板12上の半田接続部にクラック等が発生することをより確実に防止することができる。
図7に示すように、入出力端子14の基端部14bには、他の部分よりも幅が広い幅広部32が設けられている。この幅広部32に外層ケーシング部材42が被覆されることによって、入出力端子14が外層ケーシング部材42によって強固に保持される(これに対して、入出力端子14に幅広部32が設けられていない場合、入出力端子14は外層ケーシング部材42から容易に抜け出てしまう)。この結果、回路基板12上の半田接続部にクラック等が発生することをより確実に防止することができる。
図8に示すように、入出力端子14の基端部14bには、入出力端子14を表裏方向に貫通する貫通穴34が設けられている。この貫通穴34に外層ケーシング部材42が被覆されることによって、入出力端子14が外層ケーシング部材42によって強固に保持される(これに対して、入出力端子14に貫通穴34が設けられていない場合、入出力端子14は外層ケーシング部材42から容易に抜け出てしまう)。この結果、回路基板12上の半田接続部にクラック等が発生することをより確実に防止することができる。
図9及び図10に示すように、入出力端子14の基端部14bには、上方に曲げられた屈曲部36が設けられている。この屈曲部36に外層ケーシング部材42が被覆されることによって、入出力端子14が外層ケーシング部材42によって強固に保持される(これに対して、入出力端子14に屈曲部36が設けられていない場合、入出力端子14は外層ケーシング部材42から容易に抜け出てしまう)。この結果、回路基板12上の半田接続部にクラック等が発生することをより確実に防止することができる。
図11及び図12に示すように、入出力端子14に設けられた屈曲部36に外層ケーシング部材42が被覆されることによって、入出力端子14が外層ケーシング部材42によって強固に保持される。
また、図12に示すように、屈曲部36を上方に延出させることによって、この屈曲部36を外層ケーシング部材42に到達させることが可能である。これにより、内層ケーシング部材40に対して貫通穴46を設けない場合であっても、入出力端子14を部分的に外層ケーシング部材42によって被覆することが可能となる。
図13及び図14に示すように、入出力端子14の基端部14bには、その入出力端子14の厚み方向に突出する凸部38が設けられている。この凸部38に外層ケーシング部材42が被覆されることによって、入出力端子14が外層ケーシング部材42によって強固に保持される(これに対して、入出力端子14に凸部38が設けられていない場合、入出力端子14は外層ケーシング部材42から容易に抜け出てしまう)。この結果、回路基板12上の半田接続部にクラック等が発生することをより確実に防止することができる。
なお、入出力端子14の厚み方向に突出する凸部38を設ける例を示したが、入出力端子14の厚み方向に凹んだ凹部を設けてもよい(この場合、図13及び図14に示した凸部38は、図14において上方に凹んだ凹部であると解釈することも可能である)。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、外層ケーシング部材42とコネクタハウジング部44が一体に成形されている例を示したが、別体に成形されてもよい。
(2)上記参考例では、入出力端子14に設けられた屈曲部36が上方に曲げられている例を示したが、他の参考例では屈曲部36は下方に曲げられてもよい。
12…回路基板
14…入出力端子
30…幅狭部
32…幅広部
34…貫通穴
36…屈曲部
38…凸部
40…内層ケーシング部材
42…外層ケーシング部材
44…コネクタハウジング部
Claims (4)
- 入出力端子を備える基板の周囲には、軟質の樹脂からなる内層ケーシング部材が前記入出力端子を露出させた状態でモールド成形されており、前記内層ケーシング部材の周囲には、硬質の樹脂からなる外層ケーシング部材がモールド成形されており、前記外層ケーシング部材は、前記入出力端子を囲むコネクタハウジング部を備えている電子ユニットであって、
前記入出力端子が部分的に前記外層ケーシング部材で被覆されており、
前記入出力端子の前記外層ケーシング部材で被覆された部分には、他の部分よりも幅が狭い幅狭部が設けられていることを特徴とする、電子ユニット。 - 入出力端子を備える基板の周囲には、軟質の樹脂からなる内層ケーシング部材が前記入出力端子を露出させた状態でモールド成形されており、前記内層ケーシング部材の周囲には、硬質の樹脂からなる外層ケーシング部材がモールド成形されており、前記外層ケーシング部材は、前記入出力端子を囲むコネクタハウジング部を備えている電子ユニットであって、
前記入出力端子が部分的に前記外層ケーシング部材で被覆されており、
前記入出力端子の前記外層ケーシング部材で被覆された部分には、他の部分よりも幅が広い幅広部が設けられていることを特徴とする、電子ユニット。 - 入出力端子を備える基板の周囲には、軟質の樹脂からなる内層ケーシング部材が前記入出力端子を露出させた状態でモールド成形されており、前記内層ケーシング部材の周囲には、硬質の樹脂からなる外層ケーシング部材がモールド成形されており、前記外層ケーシング部材は、前記入出力端子を囲むコネクタハウジング部を備えている電子ユニットであって、
前記入出力端子が部分的に前記外層ケーシング部材で被覆されており、
前記入出力端子の前記外層ケーシング部材で被覆された部分には、前記入出力端子を表裏方向に貫通する貫通穴が設けられていることを特徴とする、電子ユニット。 - 入出力端子を備える基板の周囲には、軟質の樹脂からなる内層ケーシング部材が前記入出力端子を露出させた状態でモールド成形されており、前記内層ケーシング部材の周囲には、硬質の樹脂からなる外層ケーシング部材がモールド成形されており、前記外層ケーシング部材は、前記入出力端子を囲むコネクタハウジング部を備えている電子ユニットであって、
前記入出力端子が部分的に前記外層ケーシング部材で被覆されており、
前記入出力端子の前記外層ケーシング部材で被覆された部分には、前記入出力端子の厚み方向に凹んだ凹部、又は、前記入出力端子の厚み方向に突出した凸部が設けられていることを特徴とする、電子ユニット。
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