JP2507273Y2 - 樹脂封止型電子機器 - Google Patents

樹脂封止型電子機器

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博 野中
三郎 森
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日本インター株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、板状外部導出端子を有する樹脂封止型電子
機器に関する。
[従来の技術] 金属基板上に電子機器構成用の電子部品および板状外
部導出端子が搭載・固着され、所定の電子回路を構成し
てケースと共に樹脂封止された樹脂封止型電子機器があ
る。
第6図は、この種の樹脂封止型電子機器を示し、同図
(A)は、その平面図、同図(B)は、同図(A)にお
けるA−A線に沿う断面図、同図(C)は、同図(A)
のB−B線に沿う断面図である。
なお、これらの図では、ケース内に収納される電子部
品は図示が省略してあり、板状外部導出端子のみが図示
されている。
上記各図において、樹脂封止型電子機器1は、ケース
2と、このケース2の一端に嵌合し、ケース2の底面を
形成する金属基板3と、この金属基板3上に載置・固着
される各種電子部品(図示せず)と、一端が外部に導出
される板状外部導出端子4とを有している。
上記の金属基板3は、銅、アルミニウム等の金属基体
上に絶縁層を設け、この絶縁層上に所定の電子回路を構
成するための導体パターン5を形成したものからなる。
導体パターン5上には、図示しない各種の電子部品が搭
載・固着され所定の電子回路が構成される。また、導体
パターン5上には、上記の板状外部導出端子4も半田等
により固着される。なお、この外部導出端子4は、導体
パターン5上に搭載・固着された電子部品上に固着され
る場合もある。
板状外部導出端子4の下端には、第7図の外観図のよ
うに、断面「コ」字状の外力吸収部4aが形成されてい
る。
上記の金属基板3の周縁部には絶縁材からなるケース
2の下端部がはめ込まれ、 両者の嵌合部に接着剤を塗布することにより固定され
る。このようにして形成された容器内には、まず、軟質
コート剤6が充填される(第6図(B),(C)参
照)。この軟質コート剤6の充填量は、金属基板3上に
搭載・固着された電子部品および外部導出端子4の外力
吸収部4aが埋没する程度の量とする。
上記の軟質コート剤6の上部には、ケース2の開口端
の位置まで封止樹脂7が充填され、この充填された封止
樹脂7は加熱硬化される。こうして完成した樹脂封止型
電子機器1は、ケース2の底面となる金属基板3の下面
に放熱器に取付け、運転中の発熱を逃がすようにして使
用される。
[考案が解決しようとする課題] 上記のように構成された従来の樹脂封止型電子機器1
において、金属基板3に搭載・固着される板状外部導出
端子4の下端には、断面「コ」字状の外力吸収部4aが形
成されているが、次のような解決すべき課題があった。
第7図に示す矢印Y−Y方向に外力が加わった場合
に、断面「コ」字状の外力吸収部4aが当該Y−Y方向に
撓み、その外力を吸収し、導体パターン5との接続部に
応力を及ぼすことを回避することができる。そのため、
外部導出端子4の導体パターン5からの剥離ということ
が避けられる。しかしながら、同図におけるX−X方向
の外力が加わった場合には、前記外力吸収部4aの撓み量
が少なく、外力の吸収効果が殆ど 期待できない。
ケース2内に封止樹脂7を充填した直後の状態では、
板状外部導出端子4は別段、外部応力を受けないので、
第8図(A)に示すように金属基板3に対して通常は固
着されている。しかしながら、封止樹脂7の硬化が進行
すると、当該封止樹脂7が収縮し、これによって同図
(B)に示すように、板状外部導出端子4にはケース2
の中央部に寄せられるような応力が及ぼされる。すなわ
ち、かかる場合には、第7図に示したX−X方向の応力
が加わることになり、外力吸収部4aの効果を十分発揮す
ることができなくなる。
樹脂封止型電子機器1を実際に動作させた場合に、
その動作中には内蔵の電子部品からの発熱がある一方、
動作の停止時には放熱がなされることになる。結局、こ
のようなヒートサイクルが封止樹脂7および金属基板3
に加えられることになり、これら封止樹脂7および金属
基板3の膨張、収縮が繰り返される。
封止樹脂7と金属基板3との熱膨張係数を比較した場
合に、封止樹脂7の方が金属基板3よりも大きいため
に、膨張、収縮の繰り返しにより板状外部導出端子4に
応力を加えることになる。この場合に、特に前記X−X
方向の応力は、従来の外力吸収部4aでは吸収できず、第
8図(B)に示したように導体パターン5と板状外部導
出端子4の下面、あるいは図示しない電子部品の上面と
の固着が剥がれ、剥離部8を形成し、電子機器の信頼性
を低下させる。
[考案の目的] 本考案は、上記のような課題を解決するためになされ
たもので、板状外部導出端子4に加わるX−X方向およ
びY−Y方向の外力を共に吸収し得る外力吸収部を備え
た信頼性の高い樹脂封止型電子機器を得ることを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 第1の考案は、基板上に電子機器構成用の電子部品お
よび一端側がケース外部に導出される板状外部導出端子
が搭載・固着され、所定の電子回路を構成して樹脂封止
される樹脂封止型電子機器において、前記外部導出端子
に、水平面内で互いに90度ずれた位置に断面「コ」字状
の2つの外力吸収部を形成したことを特徴とするもので
ある。
また、第2の考案は、基板上に電子機器構成用の電子
部品および一端側がケース外部に導出される板状外部導
出端子が搭載・固着され、所定の電子回路を構成して樹
脂封止される樹脂封止型電子機器において、前記外部導
出端子に設けた断面「コ」字状の外力吸収部を有し、該
外力吸収部における背部の全部若しくは一部の幅を狭く
形成したことを特徴とするものである。
[作用] 第1の考案の樹脂封止型電子機器では、板状外部導出
端子の他端側に、水平面内で互いに90度ずれた断面
「コ」字状の2つの外力吸収部を形成したので、この2
つの外力吸収部により、X−X方向およびY−Y方向の
外力を吸収することができる。
第2の考案の樹脂封止型電子機器では、樹脂封止され
る板状外部導出端子の他端側に設けた断面「コ」字状の
1つの外力吸収部を有し、この外力吸収部の立ち上がっ
た背部の全部若しくは一部の幅を狭く形成したので、こ
の狭幅部が外力に対して撓むことができ、したがって、
かかる狭幅部によりX−X方向の外力を吸収し、Y−Y
方向の外力は従来と同様に「コ」字状の折曲部で吸収す
ることができる。
[実施例] 以下に、本考案の実施例を図を参照して説明する。
本考案の第1の考案である樹脂封止型電子機器に使用
する板状外部導出端子の外観を第1図に示す。
図において、板状外部導出端子40の他端側に、水平面
内で互いに90度ずれた断面「コ」字状の2つの外力吸収
部41,42を連続して形成する。この2つの外力吸収部41,
42は、例えば、第2図の展開図のような形状に切り抜い
た一枚の金属板により形成される。
すなわち、平面形状「L」字状に形成した金属板43の
ラインL1,L2およびL3を紙面の後方側に直角それぞれ山
折りし、ラインL4およびL5を紙面の手前側に直角にそれ
ぞれ谷折りすることにより第1図に示した互いに直交す
る2つの外力吸収部41,42を有する板状外部導出端子40
が得られる。
次に、上記のように構成の板状外部導出端子40を用い
て、樹脂封止型電子機器を構成する。この樹脂封止型電
子機器の組立順序は従来と同様であるが、まず、第3図
(A),(B)に示すように、金属基板3上に形成した
導体パターン5、あるいは図示しない電子部品上に搭載
し、半田等により外力吸収部43の下面側を固着させる。
次いで、金属基板3の周縁部にはケース2の下端部がは
め込まれ、 嵌合部に接着剤を塗布することにより両者が固定され
る。
このようにして形成された容器内には従来と同様に、
まず、軟質コート剤6が充填される。この軟質コート剤
6の充填量は、金属基板3上に搭載・固着された電子部
品および外部導出端子40の外力吸収部42,43が共に埋没
する程度の量とする。
上記の軟質コート剤6の上部には、ケース2の開口端
まで従来と同様に封止樹脂7が充填され、加熱硬化され
る。
このようにして完成した樹脂封止型電子機器1は、そ
の板状外部導出端子40に第4図に示したX−X方向の外
力が加わった場合、「コ」字状の外力吸収部43の撓みに
より、外力を吸収することができる。また、第4図のY
−Y方向の外力が加わった場合には、前記外力吸収部43
と90度ずれた位置に設けた「コ」字状の別の外力吸収部
42の撓みにより外力を吸収することができる。特に、X
−X方向の外力を外力吸収部43より吸収することができ
るので、外部導出端子40の他部材からの剥離現象を有効
に防止することが可能となる。
次に、第2の考案を第5図を参照して説明する。
第2の考案の樹脂封止型電子機器では、第1の考案の
ように2つの「コ」字状の外力吸収部を設けることな
く、従来と同様に1つの「コ」字状の外力吸収部51をも
つ板状外部導出端子50を使用する。
すなわち、第2の考案で用いる板状外部導出端子50
は、上記外力吸収部51の立ち上がった背部52の幅を狭く
形成したことを特徴とする。
なお、第5図では背部52の全部の幅を上面53および下
面54の幅よりも狭くなるように形成したが、その全部を
狭幅にすることなく一部のみでも良い。
上記のように形成した板状外部導出端子50を使用して
従来と同様に樹脂封止型電子機器を組立てる。このよう
にして完成した樹脂封止型電子機器は、第5図に示した
X−X方向およびY−Y方向の両方向に背部52が撓むこ
とができるため、2つの「コ」字状の外力吸収部を設け
ることなく、1つの外力吸収部により所期の目的を達成
することができる利点がある。
[考案の効果] 本考案によれば、上記のように板状外部導出端子に加
わるX−X方向およびY−Y方向の外力を共に吸収し得
る外力吸収部を備えたので、上記外部導出端子の他部材
からの剥離現象を招来させることがなく信頼性の高い樹
脂封止型電子機器が得られるなどの優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1の考案に使用される板状外部導出端子の
外観図、第2図は、その展開図、第3図は、上記の外部
導出端子を用いて組立てた第1の考案の樹脂封止型電子
機器の一部を示し、同図(A)は、その縦断面図、同図
(B)は、その横断面図、第4図は、上記樹脂封止型電
子機器の一部のみを示した外観図、第5図は、第2の考
案に使用される板状外部導出端子の外観図、第6図は、
従来の樹脂封止型電子機器を示し、同図(A)は、その
平面図、同図(B)は、同図(A)におけるA−A線に
沿う断面図、同図(C)は、同図(A)のB−B線に沿
う断面図、第7図は、従来の樹脂封止型電子機器に使用
されている板状外部導出端子の外観図、第8図は、上記
従来の樹脂封止型電子機器の組立過程を説明するための
断面図であり、同図(A)は、ケース内に封止樹脂を充
填しない状態を示す断面図、同図(B)は、ケース内に
封止樹脂を充填し、加熱硬化した状態を示す断面図であ
る。 1……樹脂封止型電子機器、2……ケース、3……金属
基板、5……導体パターン、6……軟質コート剤、7…
…封止樹脂、8……剥離部、40,50……板状外部導出端
子、41,42,51……「コ」字状の外力吸収部、52……背
部。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に電子機器構成用の電子部品および
    一端側がケース外部に導出される板状外部導出端子が搭
    載・固着され、所定の電子回路を構成して樹脂封止され
    る樹脂封止型電子機器において、前記外部導出端子に、
    水平面内で互いに90度ずれた位置に断面「コ」字状の2
    つの外力吸収部を形成したことを特徴とする樹脂封止型
    電子機器。
  2. 【請求項2】基板上に電子機器構成用の電子部品および
    一端側がケース外部に導出される板状外部導出端子が搭
    載・固着され、所定の電子回路を構成して樹脂封止され
    る樹脂封止型電子機器において、前記外部導出端子に設
    けた断面「コ」字状の外力吸収部を有し、該外力吸収部
    における背部の全部若しくは一部の幅を狭く形成したこ
    とを特徴とする樹脂封止型電子機器。
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