JP4259392B2 - 電子制御装置 - Google Patents

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本発明は、電子部品やコネクタ等が実装されているプリント配線基板を収容する電子制御装置に対して、相手側コネクタ挿入時の前記コネクタのこじり強度を高める自動車用電子制御装置のコネクタ保持構造に関するものである。
従来、電子制御装置のケースとして、特許文献１が知られている。この従来の構造は、ケースの上面部に開口部を有し、電子部品等が実装されているプリント配線基板を収容するケース本体と、このケース本体の開口部を封止するカバーと、プリント配線基板の前端部に実装されているコネクタと、ケース本体の開口縁部とカバーの周縁部の内面との間を防水するシール材、コネクタ下面部とケース本体の前壁部上面との間、並びに、カバーのコネクタ用開口部内面とコネクタの側面部，上面部との間を防水するシール材から構成されている。コネクタは半田付け部によりプリント配線基板に固定されている。このような構成において、コネクタ用開口部とコネクタとの間には、製造上の公差や、組立て性を考慮して所定の隙間が設定され、組立てられたときに、両部材は通常の隙間を有して対向している。
特開平０７−２６３８７５号公報
解決しようとする問題点は、前記従来構造において、プリント配線基板の前端部に実装されているコネクタに、相手側コネクタを挿入する、またはコネクタに外力が加わるときに、コネクタ下面部とケース本体との間の隙間に関して、基板とコネクタが接触しているため、コネクタの下方向への移動は制限されるが、コネクタ上面部とカバーの開口部内面との間の隙間には、コネクタの上方向への移動が制限されず、さらにシール部の隙間が変動し、シール材の界面剥離を抑止できない点とコネクタ端子のハンダ部にかかる応力によりハンダクラック等を防止できない点で、信頼性を損なう可能性があった。
さらに、シール材による封止構造より、規定以上の印加外力により、シール部のシール材の界面剥離とコネクタ端子のハンダ部のクラック等については、目視による確認ができないため、相手側コネクタ挿入時に印加されるコネクタへの異常こじり力又は外力のかかった履歴を記録する必要があった。
本発明の目的は、コネクタの耐こじり強度を高めて、防水性，通電性を確保することと異常こじり力に対して履歴を記録した電子制御装置のコネクタ保持構造を提供することである。
上記目的は、電子部品及びコネクタが実装されているプリント配線基板と、前記プリント配線基板を収容するケースと、を備えた電子制御装置において、前記ケースのコネクタ用開口部と前記コネクタとの間をシールするシール材と、前記コネクタ用開口部の一部に設けられた舌片部位とを備え、前記シール材よりも前記コネクタ用開口部の外側で、前記舌片部位と前記コネクタとを接触させ、前記舌片部位の弾性力により前記コネクタを保持する構成であり、前記コネクタへの規定以上の外力の印加があった場合に、前記舌片部位が塑性変形し、前記規定以上の外力の履歴を記録することにより達成される。
また、本発明によれば、規定以上の外力を下方向からコネクタに受けたときに、塑性変形する舌片部位が変形し、その変形量により、異常外力を受けた履歴を記録でき、使用有無の判断ができる利点がある。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例によって具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図１は、本発明に係る電子制御装置のコネクタ保持構造を示す斜視図である。コネクタの端子は省略している。図２は、本発明に係る電子制御装置のコネクタ保持構造を示す要部斜視図である。図３は、本発明に係る電子制御装置のコネクタ保持構造を示す断面図である。
図１及び図３に示すように、電子制御装置１は、電子部品やコネクタ１２等が実装されているプリント配線基板１０，プリント配線基板１０を収容するケース２０，そのケース２０を構成する主な部材としてのケース本体２１とその開口部を封止するカバー２２，プリント配線基板１０の前端部に実装されているコネクタ１２，ケース本体２１の開口縁部２１ａとカバー２２の周縁部２２ｂの内面との間及びコネクタ下面部１２ｃとケース本体２１の前壁部上面２１ｂとの間を防水するシール材３１，カバー２２のコネクタ用開口部内面２２ａとコネクタの側面部１２ｂ及び上面部１２ａとの間を防水シール材３０，ケース本体２１とカバー２２を固定するねじ４０から構成されている。
プリント配線基板１０は、基板１１の前端部にコネクタ１２を実装し、ハンダ部１４により固定されて、電気的な通電を供給する。
ケース２０は、ケース本体２１とカバー２２から構成され、内部にプリント配線基板１０を収容する。カバー２２には、プリント配線基板１０に実装されているコネクタ１２の形状に相似な開口部を設け、そのコネクタ用開口部２２ａの一部に、Ｌ字形状の舌片部位２３を少なくとも一つ以上設ける。舌片部位２３は、耐こじり強度も高めるためにコネクタ上面部１２ａと接触させ、舌片の弾性力によりコネクタを保持させる。異種材料による線膨張係数の違いによる変形を舌片部位２３で吸収させることで、コネクタ上部面１２ａにクラックを発生させないようにする。さらに、舌片部位２３の高さ，幅，接触面積，カバー２２の板厚等を変ることで強度を調整できる。
本実施例によれば、コネクタ１２の上方向への移動を制限でき、カバーのコネクタ用開口部２２ａとコネクタ上面部１２ａにおける隙間の変動を無くし、シール材３０の剥離を抑止し、コネクタ端子１３のハンダ部１４にかかる応力によるハンダクラック等を防止する耐こじり強度を高めたコネクタ保持構造となり、防水性，通電性を確保できる。
図４は、コネクタの下方向より、外力を受けたときの構造を示す断面図である。図５は、外力を受けた後、塑性変形した履歴を示す断面図である。
電子制御装置１は、実施例１と同様の構造を有しているが、カバー２２のコネクタ用開口部２４の一部に、Ｌ字形状に形成した塑性変形する舌片部位２３を少なくとも一つ以上設けてある。舌片部位２３は、規定以上の外力Ｆをコネクタ１２の下方向から受けたとき、塑性変形するように形成され、印加外力の履歴を記録できるようにする。舌片部位２３の高さ，幅，接触面積，カバーの板厚，コネクタ上面部１２ａとの隙間を変えることにより，塑性変形しないこじり力又は外力Ｆを調整できる。
本実施例によれば、コネクタ１２に異常こじり力又は外力Ｆを受けたことを目視で、カバー２２の舌片部位２３にて確認でき、カバーのコネクタ用開口部２２ａとコネクタ上面部１２ａにおける隙間のシール材３０の剥離とコネクタ端子１３のハンダ部１４にかかる応力によるハンダクラック等の信頼性を損なうことを示唆でき、電子制御装置の使用有無の判断ができる構造とする。
図６は、本発明に係る電子制御装置のコネクタ保持構造を示す要部斜視図であり、(ａ)が舌片部位のＶ字形状であり、（ｂ）が舌片部位のＵ字形状である。
電子制御装置１は、実施例１と同様の構造を有しているが、カバー２２のコネクタ用開口部２４の一部に形成した舌片部位２３の形状は、Ｖ字，Ｕ字形状等であってもよい。
実施例１によれば、コネクタ１２の上方向への移動を制限でき、カバーのコネクタ用開口部２２ａとコネクタ上面部１２ａにおける隙間の変動を無くし、シール材３０の剥離を抑止し、コネクタ端子１３のハンダ部１４にかかる応力によるハンダクラック等を防止する耐こじり強度を高めたコネクタ保持構造となり、防水性，通電性を確保できる。
実施例２によれば、コネクタ１２に異常こじり力又は外力Ｆを受けたことを目視で、カバー２２の舌片部位２３にて確認でき、カバーのコネクタ用開口部２２ａとコネクタ上面部１２ａにおける隙間のシール材３０の剥離とコネクタ端子１３のハンダ部１４にかかる応力によるハンダクラック等の信頼性を損なうことを示唆でき、電子制御装置の使用有無の判断ができる構造とする。
本発明に係る電子制御装置のコネクタ保持構造の斜視図である。 図１に示した電子制御装置のコネクタ保持構造の要部斜視図である。 図１に示した電子制御装置のコネクタ保持構造の断面図である。 図３に示した電子制御装置の外力を受けた状態の断面図である。 電子制御装置の外力を受けた変形後の断面図である。 図１に示した電子制御装置のコネクタ保持構造の要部斜視図である。
符号の説明
１…電子制御装置、１０…プリント配線基板、１１…基板、１２…コネクタ、１２ａ…コネクタ上面部、１２ｂ…コネクタ側面部、１２ｃ…コネクタ下面部、１３…コネクタ端子、１４…ハンダ部、２０…ケース、２１…ケース本体、２１ａ…開口縁部、２１ｂ…前壁部上面、２２…カバー、２２ａ…コネクタ用開口部、２２ｂ…周縁部、２３…舌片部位、３０，３１…シール材、４０…ねじ。

Claims (2)

  1. 電子部品及びコネクタが実装されているプリント配線基板と、
    前記プリント配線基板を収容するケースと、を備えた電子制御装置において、
    前記ケースのコネクタ用開口部と前記コネクタとの間をシールするシール材と、
    前記コネクタ用開口部の一部に設けられた舌片部位とを備え、
    前記シール材よりも前記コネクタ用開口部の外側で、前記舌片部位と前記コネクタとを
    接触させ、前記舌片部位の弾性力により前記コネクタを保持する構成であり、
    前記コネクタへの規定以上の外力の印加があった場合に、前記舌片部位が塑性変形し、前記規定以上の外力の履歴を記録することを特徴とする電子制御装置。
  2. 請求項１において、前記舌片部位の形状を、Ｌ字，Ｖ字、又はＵ字形状としたことを特徴とする電子制御装置。
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