JP4800496B2 - 艶出し洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【本発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両や家具類の光沢のある塗装面の洗浄に際して、洗浄すると同時に塗装面の微細な線キズを除去して塗装本来の光沢を復元することができる艶出し洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車塗装面の洗浄方法としては、カーシャンプーのような界面活性剤水溶液による水洗い作業またはシャンプーワックスのような界面活性剤水溶液に水溶性シリコーンを配合し、水洗い作業後にシリコーンによる光沢が付与される方法があった。
一方、塗装面の微細な線キズを除去する方法としては、ラビングコンパウンドのように界面活性剤により石油系溶剤及び研磨性粉体を水中にそれぞれ乳化及び分散させた液剤による磨き作業、またはクリーナーワックスのようにラビングコンパウンドにワックスやシリコーンのような撥水艶出し成分を配合した液剤による磨き作業が行われていた。
シャンプーワックスによる作業のみでは塗装面に頑固な汚れや微細な線キズがある場合は満足する仕上がり面を得ることは困難であった。また、ラビングコンパウンドやクリーナーワックスでは、頑固な汚れや微細な線キズの除去機能ないしはキズの中にワックスが入り込むことによる平滑化機能があるため、作業後はキズのない優れた光沢のある仕上り面が得られるが、磨き作業は多くの労力を要し、通常、洗車作業後に行われるので、作業時間や労力がかかり過ぎることが問題であった。
また、下記成分(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)を水に乳化分散してなることを特徴とする自動車用小傷修復兼着色性つや出し剤組成物が特開平7−53921号公報に示されている。
すなわち、(イ)合成樹脂水分散液または乳濁液(ロ)顔料及び/又は染料(ハ)オルガノポリシロキサン油(ニ)石油系溶剤(ホ)脂肪酸石ケン(ヘ)シリカパウダー及び/又はアルミニウムシリケートパウダーからなるつや出し剤組成物である。
しかし、特開平7−53921号公報に示されたつや出し剤組成物は、クリーナーワックス組成物中に合成樹脂エマルションや着色剤を配合して、ワックスとしての耐久性を向上させたり、着色性を付与したりするにすぎない。
さらに、特開平8−311410号公報には、ワックス、シリコーンオイル、石油系溶剤、および界面活性剤を含有してなる透明被膜形成基剤と屈折率調整剤とを含有することを特徴とする塗装面処理剤が示されている。
しかし、特開平8−311410号公報に示されたつや出し剤組成物は、線キズを目立たせないようにするものであり、クリーナーワックスの品質改善を目的とした組成物に他ならない。
本発明の組成物は、カーシャンプーの発泡洗浄機能とクリーナーワックスの小傷修復機能を兼ね備えた全く新しい艶出し洗浄剤組成物であって、これにより従来カーシャンプー洗車後にクリーナーワックスによる小傷修復を行うという2工程必要であった作業が1工程で済むため、大幅な作業時間の短縮と労力の軽減をはかることができる。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のカーシャンプーシャンプーによる洗車作業において、ラビングコンパウンドやクリーナーワックスのような塗装面の頑固な汚れや微細な線キズを除去する機能を付与し、洗浄剤の発泡性を高め、作業時間や労力の軽減を図りながら、作業後にキズのない優れた光沢のある仕上り面が得られる艶出し洗浄剤組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記した好ましい特性を有する艶出し洗浄剤組成物を開発するために種々研究を重ねた結果、通常のオルガノポリシロキサンは発泡性を阻害する(消泡剤として作用する)が平均粒子径1.5μm以下の微粒子状のオルガノポリシロ
キサンは、発泡性を阻害しないことを見出して本発明を完成させるに至った。すなわち、(a)界面活性剤、(b)研磨性粉体、(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤、(d)平均粒子径1.5μm以下の微粒子状のオルガノポリシロキサン及び(e)水を含む艶出し洗浄剤組成物を用いることによりその目的を達成することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。より詳しくは、本発明は自動車塗装面や家具類の艶出し洗浄を目的とした(a)界面活性剤、(b)研磨性粉体、(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤、(d)平均粒子径0.1〜1μmのオルガノポリシロキサン及び(e)水を含む艶出し洗浄剤組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明組成物において用いる(a)界面活性剤の例としては発泡性の良いものであればよく、陰イオン(アニオン)界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン(ノニオン)界面活性剤、陽イオン(カチオン)界面活性剤等の中から選ばれる。
陰イオン界面活性剤の例としては、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムのようなアルキルベンゼンスルフォン酸塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンカリウム等のN−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウムのようなアルキルエーテルカルボン酸塩、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ココイルメチルタウリンナトリウム等のN−アシルタウリン塩、ラウロイルメチルアラニンナトリウムのようなN−アシルアラニン塩、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムのようなスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、テトラデカンスルフォン酸ナトリウム、ペンタデカンスルフォン酸ナトリウム等のアルカンスルフォン酸塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウムのようなα−オレフィンスルホン酸塩、ラウリルリン酸ナトリウムのようなアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウムのようなポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムのようなイミダゾリン型等が挙げられる。
【0006】
非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。陽イオン界面活性剤の例としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドのようなアルキルアンモニウム塩、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
界面活性剤は、洗浄剤としての汚れ除去性を有しているだけではなく、発泡性に優れていることが重要であり、カーシャンプーとしての豊かな泡立ちを発現させる作用を有する。また、(b)研磨性粉体を水中に分散させる作用及び(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤を水中に乳化させる作用を有する。
界面活性剤は浸透性が強いために塗装面に変色や軟化等の悪影響を及ぼすことが多い。できるだけ塗装面に悪影響を及ぼさない界面活性剤が好ましく、このような界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルカンスルフォン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤、酢酸ベタイン型、イミダゾリン型等の両性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の量は特に限定するものではないが、概ね(e)水に対して0.5〜10重量%が好ましい。界面活性剤の量が0.5重量%未満では発泡性が悪く、10重量%を超えると拭き取り性や濯ぎ性が悪くなる。界面活性剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0007】
本発明において用いる(b)研磨性粉体は、界面活性剤では除去できない塗装面の頑固な汚れや微細な線キズを除去する作用を有するものであり、このような研磨性粉体の例としては、α−アルミナ、γ−アルミナ、κ−アルミナ等の結晶性及び又は非結晶性アルミナ、クリストバライト、クォーツ等の結晶性及び又は非結晶性シリカ、ムライト等の結晶性及び又は非結晶性アルミノシリケート、酸化第二錫、酸化セリウム、酸化ジルコン等の金属酸化物等が挙げられる。
研磨性粉体の硬度は、概ね旧モース硬度で3〜9の範囲で、好ましくは4〜7の範囲のものが用いられる。旧モース硬度が3未満では研磨力が弱すぎるために塗装面の頑固な汚れや微細な線キズを除去しがたいし、旧モース硬度が9を超えると塗装面に研磨キズを残しやすい。
研磨性粉体の平均粒子径は、概ね0.5〜10μmの範囲で、好ましくは0.8〜5μmの範囲のものが用いられる。平均粒子径が0.5μm未満では研磨力が弱すぎるために塗装面の頑固な汚れや微細な線キズを除去しがたいし、平均粒子径が10μmを超えると塗装面に研磨キズを残しやすい。研磨性粉体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0008】
本発明において用いる(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤は、(b)研磨性粉体の研磨力を向上させるために塗膜をわずかに膨潤(軟化)させたり、研磨時の潤滑性を付与したりする作用を有するものであり、このような炭化水素溶剤の例としては、灯油、ソルベントナフサ、ストッダードソルベント等の石油系脂肪族溶剤、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィン等の飽和脂肪族溶剤、ノナン、デカン、ドデカン等の飽和脂肪族炭化水素、オクテン、ノネン、デセン等の不飽和脂肪族炭化水素、ショウノウ油、テレピン油、パイン油等のテルペン系溶剤、ピネン、ジペンテン等のテルペン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの炭化水素溶剤の沸点は120℃以上に限定され、好ましくは150℃以上である。沸点が120℃未満では乾燥が速くなりすぎるため(b)研磨性粉体の研磨力が十分に発現されない。
これらの炭化水素溶剤のうち、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィン等の飽和脂肪族溶剤は塗膜への悪影響が少なく、潤滑性が良好であり、かつ屈折率が高いので塗膜上に残存した場合でも光沢よく仕上るために、特に好ましい。
炭化水素溶剤の量は(b)研磨性粉体100重量部に対して5〜500重量部であり、好ましくは20〜300重量部である。炭化水素溶剤の量が研磨性粉体100重量部に対して5重量部未満では研磨性粉体の研磨力が十分に発現されないし、研磨性粉体100重量部に対して500重量部を超えると研磨力が落ちたり、発泡性が悪くなったりする。
【0009】
本発明において用いる(d)平均粒子径1.5μm以下の微粒子状のオルガノポリシロキサン乳化物は、好ましくは平均粒子径0.1〜1μmである。平均粒子径が1.5μmを超えると、発泡性を阻害する。平均粒子径0.1μm以下のものでも良いが、市販されていないので手軽に入手することができない。
オルガノポリシロキサン乳化物は塗膜面の研磨時に発生する研磨屑の塗膜への付着力を緩和して、研磨屑の拭き取りを容易にする作用を有する。
また、微粒子状のオルガノポリシロキサン乳化物を用いることにより界面活性剤の発泡性を阻害することなく豊かな泡立ちをもたらし、研磨面に残存した場合には屈折率が高く極薄膜に展延するため、通常の油膜のように虹色(干渉縞)に見えることがなく、極めてよい光沢を与える作用を有する。
このようなオルガノポリシロキサン乳化物の例としては、KM780、KM782、KM785、KM786、KM787、KM788、KM797、KM9705等(以上信越化学工業株式会社)、TSM630、TSM631、TSM632、TSM6341、TSM6343、TSM647、TSM6344、TSM6352、TSM6353等(以上GE東芝シリコーン株式会社)、SH5507、SH8200、SH8240等(以上トーレシリコーン株式会社)LE−45、LE−46、LE−48、LE−460、LE−3430、FZ−4100、FZ−4122、FZ−4129、FZ−4157、FZ−4160、FZ−315、FZ−4602、FZ−4645等(以上日本ユニカー株式会社)等が挙げられる。
オルガノポリシロキサンの種類は特に限定されるものではなく、最も汎用されるジメチルポリシロキサンの他、ポリエーテル変性、アルキル変性、高級脂肪酸変性、フッ素変性、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性等の各種変性オルガノポリシロキサンを用いることができる。
オルガノポリシロキサンの動粘度は25℃で概ね1万cSt(センチストークス)以下であることが好ましい。オルガノポリシロキサンの動粘度が1万cStを超えると研磨力が落ちたり、研磨面の仕上りが悪くなったりする。
オルガノポリシロキサンは(a)界面活性剤100重量部に対して5重量部以上、特に20重量部以上含まれることが好ましい。オルガノポリシロキサンが(a)界面活性剤100重量部に対して5重量部未満では研磨屑の拭き取り性が悪く、仕上りも悪くなる。オルガノポリシロキサンは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0010】
本発明において用いる(e)水は本発明組成物を水性乳化物とするための必須成分であって、カーシャンプーシャンプーとして安全に取扱うことができる組成物を構成することを目的としている。
本発明の組成物には必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で種々の高分子増粘安定剤、種々のワックス類、その他の界面活性剤、その他の研磨性粉体、その他の炭化水素溶剤、防腐剤、防錆剤、凍結防止剤、色素、香料などを配合することができる。
【0011】
本発明の実施の形態をまとめると、以下のとおりである。
(1)(a)界面活性剤、(b)研磨性粉体、(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤
、(d)平均粒子径1.5μm以下の微粒子状のオルガノポリシロキサン及び(e)水を
含む艶出し洗浄剤組成物
(2)微粒子状のオルガノポリシロキサンの平均粒子径が0.1〜1μmである上記(1
)に記載の艶出し洗浄剤組成物。
(3)(a)界面活性剤が脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩
、アルカンスルフォン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤、酢酸
ベタイン型、イミダゾリン型等の両性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、ラウリルジ
メチルアミンオキサイド等の陽イオン界面活性剤から選ばれた1種又は2種以上であるこ
とを特徴とする上記(1)又は上記(2)に記載された艶出し洗浄剤組成物。
(4)(b)研磨性粉体の平均粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする上記(1
)ないし上記(3)のいずれかひとつに記載された艶出し洗浄剤組成物。
(5)(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤がノルマルパラフィン、イソパラフィン
、シクロパラフィンから選ばれた1種又は2種以上であって、(b)研磨性粉体100重
量部に対して5〜500重量部含まれることを特徴とする上記(1)ないし上記(4)の
いずれかひとつに記載された艶出し洗剤組成物。
(6)(d)オルガノポリシロキサンの動粘度が25℃で1万cSt以下であることを特
徴とする上記(1)ないし上記(5)のいずれかひとつに記載された艶出し洗浄剤組成物
。
(7)(a)界面活性剤の水に対する濃度が0.5〜10重量%であって、(d)オルガ
ノポリシロキサンが(a)界面活性剤100重量部に対して5重量部以上含まれることを
特徴とする上記(1)ないし上記(6)のいずれかひとつに記載された艶出し洗浄剤組成
物。
(8)上記(1)ないし上記(7)のいずれかひとつに記載された艶出し洗浄剤組成物を
用いた車両の洗浄方法。
(9)上記(1)ないし上記(7)のいずれかひとつに記載された艶出し洗浄剤組成物を
用いて、車両の塗装表面の小傷を発泡させながら修復することを特徴とする車両の洗浄方
法。
【0012】
(実施例)
次に実施例によって本発明をさらに具体的に詳細に亘って説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(e)水78g中に増粘安定剤としてキサンタンガム(三晶株式会社製ケルザン)0.3gを溶解させた後、(a)界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールSLS)5gを溶解させた。次いでこの液に(b)研磨性粉体としてアルミナ(日本軽金属株式会社製A33F/平均粒子径約2μm)5gを分散させた後、(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤としてシクロパラフィン(株式会社松村石油研究所製モレスコホワイトP−70)2gを乳化させた。さらに、(d)平均粒径0.1〜1μmのオルガノポリシロキサンとして平均粒径約0.5μmのジメチルポリシロキサン乳化物(信越化学工業株式会社製KM786/ジメチルポリシロキサン400cSt30%品)10gを配合して実施例1の組成物を得た。
本組成物を用いて普通乗用車の洗車作業を行い、微細な線キズの除去性、発泡性、拭き取り性、仕上り性及び作業時間について評価した。
【0013】
(実施例2)
(e)水78g中に増粘安定剤としてキサンタンガム(三晶株式会社製ケルザン)0.3gを溶解させた後、(a)界面活性剤としてアルカンスルフォン酸ナトリウム60%水溶液(クラリアント社製SAS60)5gを溶解させた。次いでこの液に(b)研磨性粉体としてアルミノシリケート(エンゲルハート社製サテントンNo.5/平均粒子径約1μm)10gを分散させた後、(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤としてイソパラフィン/ノルマルパラフィン混合物(株式会社松村石油研究所製モレスコバイオレスU−8)2gを乳化させた。さらに、(d)平均粒子径0.1〜1μmのオルガノポリシロキサンとして平均粒子径約0.5μmのジメチルポリシロキサン乳化物(信越化学工業株式会社製KM787/ジメチルポリシロキサン1000cSt30%品)5gを配合して実施例2の組成物を得た。
本組成物を用いて普通乗用車の洗車作業を行い、微細な線キズの除去性、発泡性、拭き取り性、仕上り性及び作業時間について評価した。
【0014】
(実施例3)
(e)水74g中に増粘安定剤としてキサンタンガム(三晶株式会社製ケルザン)0.3gを溶解させた後、(a)界面活性剤としてラウリルベタイン(花王株式会社製アンヒトール20BS)8gを溶解させた。次いでこの液に(b)研磨性粉体としてシリカ(アメリカントリポリ社製トリポリSC−15/平均粒子径約3μm)8gを分散させた後、(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤として灯油(日石三菱株式会社製)5gを乳化させた。さらに、(d)平均粒子径0.1〜1μmのオルガノポリシロキサンとして平均粒子径約0.5μmのジメチルポリシロキサン乳化物(信越化学工業株式会社製KM788/ジメチルポリシロキサン10000cSt30%品)5gを配合して実施例3の組成物を得た。本組成物を用いて普通乗用車の洗車作業を行い、微細な線キズの除去性、発泡性、拭き取り性、仕上り性及び作業時間について評価した。
【0015】
(比較例1)
(e)水78g中に増粘安定剤としてキサンタンガム(三晶株式会社製ケルザン)0.3gを溶解させた後、(a)界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールSLS)5gを溶解させた。次いでこの液に(b)研磨性粉体としてアルミナ(日本軽金属株式会社製A33F/平均粒子径約2μm)5gを分散させた後、(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤としてシクロパラフィン(株式会社松村石油研究所製モレスコホワイトP−70)2g、灯油(日石三菱株式会社製)3g及びオルガノポリシロキサンとしてジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製KF96−350/350cSt)3gを乳化させて比較例1の組成物を得た。得られた乳化物の平均粒子径は約5μmであった。
本組成物を用いて普通乗用車の洗車作業を行い、微細な線キズの除去性、発泡性、拭き取り性、仕上り性及び作業時間について評価した。
(比較例2)
(e)水78g中に増粘安定剤としてキサンタンガム(三晶株式会社製ケルザン)0.3gを溶解させた後、(a)界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールSLS)5gを溶解させた。次いでこの液に(b)研磨性粉体としてアルミナ(日本軽金属株式会社製A33F/平均粒子径約2μm)5gを分散させた後、(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤としてシクロパラフィン(株式会社松村石油研究所製モレスコホワイトP−70)2gを乳化させ比較例2の組成物を得た。
本組成物を用いて普通乗用車の洗車作業を行い、微細な線キズの除去性、発泡性、拭き取り性、仕上り性及び作業時間について評価した。
(比較例3)
市販のカーシャンプー(陰イオン系界面活性剤及び水を含む組成物)及び市販のクリーナーワックス(陰イオン系界面活性剤、ワックス、シリコーン、石油系溶剤、研磨剤及び水を含む組成物/乳化物の平均粒子径約5μm)を用いて普通乗用車の洗車作業を行い、微細な線キズの除去性、発泡性、拭き取り性、仕上り性及び作業時間について評価した。
(比較例4)
市販のシャンプーワックス(陰イオン系界面活性剤、ワックス、シリコーン、洗浄助剤及び水を含む組成物/乳化物の平均粒子径約3μm)を用いて普通乗用車の洗車作業を行い、微細な線キズの除去性、発泡性、拭き取り性、仕上り性及び作業時間について評価した。それぞれの評価結果を表1に表わす。
【0016】
【表1】
【評価基準】
・キズ除去性
○:微細な線キズがほぼ完全に除去されている
△:微細な線キズがやや残っている
×:微細な線キズが残っている
・発泡性
○:よく泡立っている
△:やや泡立ちが悪い
×:泡立ちが悪い
・拭き取り性
○:簡単に拭き取れる
△:やや拭き取りが悪い
×:拭き取りが悪い
・仕上り性
○:光沢よく仕上がる
△:やや光沢が悪い
×:光沢が悪い
・作業時間(車1台当たり)
○:20分以内
×:40分以上
【0017】
【本発明の効果】
本発明の艶出し洗浄剤組成物は、表1の結果からも明らかなように、塗装面の頑固な汚れや微細な線キズを除去する機能が高く、しかも洗浄剤の発泡性を高めることにより、作業時間や労力の軽減ができ、作業後にキズのない優れた光沢のある仕上り面が得られる艶出し洗浄剤組成物を提供することができた。
Claims (9)
- (a)界面活性剤、(b)研磨性粉体、(c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤、(d)平均粒子径1.5μm以下の微粒子状のオルガノポリシロキサン及び(e)水を含む艶出し洗浄剤組成物
- 微粒子状のオルガノポリシロキサンの平均粒子径が0.1〜1μmである請求項1記載の艶出し洗浄剤組成物。
- (a)界面活性剤が脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルカンスルフォン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤、酢酸ベタイン型、イミダゾリン型等の両性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の陽イオン界面活性剤から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された艶出し洗浄剤組成物。
- (b)研磨性粉体の平均粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載された艶出し洗浄剤組成物。
- (c)沸点が120℃以上の炭化水素溶剤がノルマルパラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィンから選ばれた1種又は2種以上であって、(b)研磨性粉体100重量部に対して5〜500重量部含まれることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかひとつに記載された艶出し洗剤組成物。
- (d)オルガノポリシロキサンの動粘度が25℃で1万cSt以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかひとつに記載された艶出し洗浄剤組成物。
- (a)界面活性剤の水に対する濃度が0.5〜10重量%であって、(d)オルガノポリシロキサンが(a)界面活性剤100重量部に対して5重量部以上含まれることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかひとつに記載された艶出し洗浄剤組成物。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかひとつに記載された艶出し洗浄剤組成物を用いた車両の洗浄方法。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかひとつに記載された艶出し洗浄剤組成物を用いて、車両の塗装表面の小傷を発泡させながら修復することを特徴とする車両の洗浄方法。
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