JP4798966B2 - リチウム二次電池 - Google Patents
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Description
実施例1では、負極への電気化学エッチングの有無がリチウム二次電池の内部抵抗に与える影響について検討した。
[負極の作製]
リチウムが挿入されていない状態のアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn合金)中のマンガン割合が1質量%であるアルミニウム−マンガン合金箔を塩酸中で電気化学エッチングした。具体的には、1モル/リットルの塩酸中で、アルミニウム−マンガン合金箔を陽極とし、鉄を陰極として、5Vの電圧を15分間かけ、アルミニウム−マンガン合金箔を陽極酸化させた。そして、電気化学エッチングしたアルミニウム−マンガン合金箔に、リチウムを電気化学的に挿入し、リチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn合金)を作製してこれを円板状に打ち抜き、負極1を作製した。
スピネル構造マンガン酸リチウム粉末(LiMn2O4)と、導電剤としてのカ−ボンブラック粉末と、結着剤としてのフッ素樹脂粉末とを質量比が85:10:5となるように混合して正極合剤を調整した。この正極合剤を円板状に鋳型成型し、真空中にて250℃で2時間乾燥し、正極2を作製した。
1,2−ジメトキシエタンとプロピレンカーボネートとの等体積の混合溶媒に、溶質としてのリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiN(CF3SO2)2)を1モル/リットルの割合で溶解させて、非水電解液を調製した。
上記の正極、負極及び非水電解液を使用して、扁平型の本発明電池A1(リチウム二次電池、電池寸法:直径24mm、厚さ3mm)を作製した。図1は作製した本発明電池A1を示す図である。負極1と正極2は、セパレ−タ3を介して対向するよう設けられており、負極缶4、正極缶5からなる電池ケ−ス内に収容されている。正極2は正極缶5に、また負極1は負極缶4に接続され、電池内部に生じた化学エネルギ−を正極缶5及び負極缶4の両端子から電気エネルギ−として外部へ取り出し得るようになっている。負側電池缶4の外周部は、ポリフェニレンスルフィドからなる絶縁パッキング8を介して正極側電池缶5の内側に嵌め込まれている。セパレ−タ3としては、ガラス製の不織布が用いられており、セパレ−タ−3に上記非水電解液が含浸されている。また、負極集電体6はステンレス鋼板(SUS304)、正極集電体7はステンレス鋼板(SUS316)からなる。
正極活物質として、スピネル構造マンガン酸リチウム(Li1.6Mn2O4)を使用したこと、及び、負極活物質として、塩酸中で電気化学エッチングしたアルニミウム−マンガン合金を使用し、リチウムを挿入しなかったこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池A2を組み立てた。
アルミニウム−マンガン合金箔を1モル/リットルの食塩水溶液中で電気化学エッチングしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池A3を作製した。
作製直後の各電池に、1mV、1kHzの交流電圧を印加して電流を流し、内部抵抗を測定した。各電池の内部抵抗の値を、表1に示す。
実施例2では、アルミニウム−マンガン合金中のマンガン割合が本発明のリチウム二次電池の内部抵抗に与える影響について検討した。
負極材料として、リチウムが挿入されていない状態のアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn合金)中のマンガン割合が0.1質量%のアルミニウム−マンガン合金にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn合金)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B1を組み立てた。
負極材料として、リチウムが挿入されていない状態のアルミニウム−マンガン合金中のマンガン割合が0.5質量%のアルミニウム−マンガン合金にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B2を組み立てた。
負極材料として、リチウムが挿入されていない状態のアルミニウム−マンガン合金中のマンガン割合が1質量%のアルミニウム−マンガン合金にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金を使用し、実施例1−1と同様にして、本発明電池B3を組み立てた。本発明電池B3の構成は、本発明電池A1と同様である。
負極材料として、リチウムが挿入されていない状態のアルミニウム−マンガン合金中のマンガン割合が5質量%のアルミニウム−マンガン合金にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B4を組み立てた。
負極材料として、アルミニウム−マンガン合金中のマンガン割合が10質量%のアルミニウム−マンガン合金にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池B5を組み立てた。
実施例3では、溶質が本発明のリチウム二次電池の内部抵抗に与える影響について検討した。
非水電解液の溶質として、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiN(CF3SO2)2)を使用し、実施例1−1と同様にして、本発明電池C1を組み立てた。本発明電池C1の構成は、本発明電池A1と同様である。
非水電解液の溶質として、リチウム(トリフルオロメチルスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiN(CF3SO2)(C2F5SO2))を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池C2を組み立てた。
非水電解液の溶質として、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiN(C2F5SO2)2)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池C3を組み立てた。
非水電解液の溶質として、リチウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド(LiC(CF3SO2)3)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池C4を組み立てた。
非水電解液の溶質として、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池C5を組み立てた。
非水電解液の溶質として、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池C6を組み立てた。
非水電解液の溶質として、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池C7を組み立てた。
非水電解液の溶質として、ヘキサフルオロ砒酸リチウム(LiAsF6)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池C8を組み立てた。
非水電解液の溶質として、過塩素酸酸リチウム(LiCiO4)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池C9を組み立てた。
実施例4では、正極種が本発明のリチウム二次電池の内部抵抗に与える影響について検討した。
正極活物質として、スピネル構造マンガン酸リチウム(LiMn2O4)を使用し、実施例1−1と同様にして、本発明電池D1を組み立てた。本発明電池D1の構成は本発明電池A1と同様である。
正極活物質として、水酸化リチウム(LiOH)と酸化ホウ素(B2O3)と二酸化マンガン(MnO2)とを、Li:B:Mnの原子比0.53:0.06:1.00で混合し、空気中にて375℃で20時間熱処理して得たホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、参考例電池D2を組み立てた。
正極活物質として、水酸化リチウム(LiOH)と二酸化マンガン(MnO2)とを、Li:Mnの原子比0.50:1.00で混合し、空気中にて375℃で20時間熱処理して得たリチウム−マンガン複合酸化物(CDMO:Composite Dimensional Manganese Oxide)を使用して、参考例電池D3を組み立てた。
正極活物質として、立方晶マンガン酸リチウム(Li4Mn5O12)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、参考例電池D4を組み立てた。
正極活物質として、二酸化マンガン(MnO2)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、参考例電池D5を組み立てた。
正極活物質として、酸化ニオビウム(Nb2O5)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、参考例電池D6を組み立てた。
正極活物質として、酸化バナジウム(V2O5)を使用したこと以外は実施例1−1と同様にして、参考例電池D7を組み立てた。
正極活物質として、スピネル構造マンガン酸リチウム(Li1.6Mn2O4)を使用したこと、及び、負極活物質として、塩酸中で電気化学エッチングしたAl−Mn合金を使用し、Liを挿入しなかったこと以外は実施例1−1と同様にして、本発明電池D8を組み立てた。本発明電池の構成は、本発明電池A2と同様である。
正極活物質として、モリブデン酸リチウム(Li2MoO3)を使用したこと、及び、負極活物質として、塩酸中で電気化学エッチングしたAl−Mn合金を使用し、Liを挿入しなかったこと以外は実施例1−1と同様にして、参考例電池D9を組み立てた。
2・・・正極
3・・・セパレータ
4・・・負極缶
5・・・正極缶
6・・・負極集電体
7・・・正極集電体
8・・・絶縁パッキング
Claims (5)
- 正極と、負極と、溶質及び溶媒からなる非水電解液とを備えたリチウム二次電池において、前記正極が、スピネル構造マンガン酸リチウムであり、前記負極が、電気化学エッチングしたアルミニウム−マンガン合金であることを特徴とするリチウム二次電池。
- 前記アルミニウム−マンガン合金が、塩酸中で電気化学エッチングしたアルミニウム−マンガン合金であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
- 前記アルミニウム−マンガン合金が、電気化学エッチングしたアルミニウム−マンガン合金にリチウムを電気化学的に挿入した、リチウム−アルミニウム−マンガン合金であることを特徴とする請求項1及び2に記載のリチウム二次電池。
- 前記アルミニウム−マンガン合金中のマンガン割合が、リチウムが挿入されていない状態のアルミニウム−マンガン合金に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜3に記載のリチウム二次電池。
- 前記溶質は、リチウムパーフルオロアルキルスルホニルイミドであることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
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