JP2009043535A - 非水電解質電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性が高く、サイクル特性に優れた非水電解質電池の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の製造方法は、正極、Li又はLi合金からなる負極、及び非水電解質から構成される非水電解質電池の製造方法であり、次の工程を備える。(1)前記正極及び負極を電池ケースに収納して電池前躯体を作製する工程と、(2)リチウム塩と、イオン液体と、有機溶媒とを含む非水電解質を用意する工程と、(3)前記電池前躯体に前記非水電解質を注入する工程と、(4)注入後、前記電池前躯体を減圧下で加熱し、前記非水電解質中の有機溶媒成分を1質量%以下まで取り除く工程。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の製造方法は、正極、Li又はLi合金からなる負極、及び非水電解質から構成される非水電解質電池の製造方法であり、次の工程を備える。(1)前記正極及び負極を電池ケースに収納して電池前躯体を作製する工程と、(2)リチウム塩と、イオン液体と、有機溶媒とを含む非水電解質を用意する工程と、(3)前記電池前躯体に前記非水電解質を注入する工程と、(4)注入後、前記電池前躯体を減圧下で加熱し、前記非水電解質中の有機溶媒成分を1質量%以下まで取り除く工程。
【選択図】なし
Description
本発明は、非水電解質二次電池の製造方法に関する。特に、安全性が高く、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池の製造方法に関する。
非水電解質二次電池(以下、単に非水電解質電池と呼ぶ)は、電圧が高く、エネルギー密度が高いという特徴があり、携帯用、移動用、産業用機器の電源として広く普及している。中でも、負極に金属リチウムを用いたリチウム二次電池や、負極にグラファイト(炭素)を用いたリチウムイオン二次電池といった非水電解質電池は、高電圧、高エネルギー密度を有することから、研究開発が活発に行われている。
現在主流の非水電解質電池は、揮発性、可燃性の有機溶媒にリチウム塩を溶解した電解液が用いられているため、破裂や発火の恐れがあることから、安全性の確保が課題となっている。
そこで、最近では電池の安全性を向上させるため、従来の電解液に代えて、不揮発性、不燃性のイオン液体を電解質に用いた非水電解質電池の開発が進められている。しかし、リチウム塩とイオン液体のみからなる電解質では、負極に金属リチウムを用いた場合、充放電サイクルが繰り返されることによって、イオン液体が負極材料(Li)により分解されるため、電池性能が劣化する。また、負極に炭素を用いた場合、イオン液体により負極が劣化するため、十分なサイクル特性が得られない。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1〜3には、イオン液体と有機溶媒とを混合した電解質を用いた非水電解質電池が記載されている。
しかし、特許文献1〜3に記載の非水電解質電池に用いられている電解質は、数質量%以上の有機溶媒を含有しており、依然として安全性の面で問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、安全性が高く、サイクル特性に優れた非水電解質電池の製造方法を提供することにある。
本発明の第一の製造方法は、正極、Li又はLi合金からなる負極、及び非水電解質から構成される非水電解質電池の製造方法であり、次の工程を備えることを特徴とする。
(1)前記正極及び負極を電池ケースに収納して電池前躯体を作製する工程
(2)リチウム塩と、イオン液体と、有機溶媒とを含む非水電解質を用意する工程
(3)前記電池前躯体に前記非水電解質を注入する工程
(4)注入後、前記電池前躯体を減圧下で加熱し、前記非水電解質中の有機溶媒成分を1質量%以下まで取り除く工程
(1)前記正極及び負極を電池ケースに収納して電池前躯体を作製する工程
(2)リチウム塩と、イオン液体と、有機溶媒とを含む非水電解質を用意する工程
(3)前記電池前躯体に前記非水電解質を注入する工程
(4)注入後、前記電池前躯体を減圧下で加熱し、前記非水電解質中の有機溶媒成分を1質量%以下まで取り除く工程
有機溶媒を含む電解質を電池前躯体に注入することで、有機溶媒の一部が負極のLi又はLi合金と反応して、負極表面に皮膜が形成される。そのため、負極材料(Li)によるイオン液体の分解が抑制され、サイクル特性が向上する。さらに、注入後、減圧下で加熱することで、電解質に残留する有機溶媒成分が取り除かれ、安全性が向上する。
本発明の第二の製造方法は、正極、炭素からなる負極、及び非水電解質から構成される非水電解質電池の製造方法であり、次の工程を備えることを特徴とする。
(1)前記正極及び負極を電池ケースに収納して電池前躯体を作製する工程
(2)リチウム塩と、イオン液体と、有機溶媒とを含む非水電解質を用意する工程
(3)前記電池前躯体に前記非水電解質を注入する工程
(4)注入後、前記電池前躯体を少なくとも1回充電する工程
(5)充電後、前記電池前躯体を減圧下で加熱し、前記非水電解質中の有機溶媒成分を1質量%以下まで取り除く工程
(1)前記正極及び負極を電池ケースに収納して電池前躯体を作製する工程
(2)リチウム塩と、イオン液体と、有機溶媒とを含む非水電解質を用意する工程
(3)前記電池前躯体に前記非水電解質を注入する工程
(4)注入後、前記電池前躯体を少なくとも1回充電する工程
(5)充電後、前記電池前躯体を減圧下で加熱し、前記非水電解質中の有機溶媒成分を1質量%以下まで取り除く工程
有機溶媒を含む電解質を電池前躯体に注入後、充電することで、有機溶媒の一部が負極の炭素と反応して、負極表面に皮膜が形成される。そのため、イオン液体による負極の劣化が抑制され、サイクル特性が向上する。さらに、充電後、減圧下で加熱することで、電解質に残留する有機溶媒成分が取り除かれ、安全性が向上する。
本発明の製造方法によれば、安全性が高く、サイクル特性に優れた非水電解質電池を製造することができる。
非水電解質電池を構成する正極、負極、及び非水電解質について説明する。
[正極]
正極は、例えば、結着剤(バインダー)を溶解又は分散させた溶媒に正極活物質の粒子を加えて撹拌・混合してスラリーを作製し、このスラリーを正極集電体に塗布した後、溶媒を乾燥することで作製される。
正極は、例えば、結着剤(バインダー)を溶解又は分散させた溶媒に正極活物質の粒子を加えて撹拌・混合してスラリーを作製し、このスラリーを正極集電体に塗布した後、溶媒を乾燥することで作製される。
前記正極活物質としては、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)及びオリビン型鉄リン酸リチウム(LiFePO4)といったリチウム酸化物や、酸化マンガン(MnO2)といった金属酸化物などを用いることができる。
前記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、フッ素系ゴム、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミドなどを用いることができる。前記溶媒としては、例えばN-メチル-2-ピロリドンといったN-メチルピロリドンやアセトンなどの有機溶媒の他、水などを用いることができる。
また、前記スラリーには、導電助剤を添加することが好ましい。導電助剤としては、例えばアセチレンブラックといったカーボンブラックや黒鉛などを用いることができる。
前記正極集電体としては、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、又はステンレスからなる金属箔などを用いることができる。
[負極]
負極を構成する活物質としては、Li(Li単体金属)又はLi合金(Liと添加元素からなるもの)、或いはグラファイト(炭素)が挙げられる。特に、負極材料にLi又はLi合金を用いた場合、炭素と比較して、高容量化の点で優位である。また、負極材料にLi又はLi合金を用いた場合、集電機能を持たせられるため負極集電体を省略することも可能である。前記Li合金の添加元素としては、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)及びインジウム(In)などを用いることができる。
負極を構成する活物質としては、Li(Li単体金属)又はLi合金(Liと添加元素からなるもの)、或いはグラファイト(炭素)が挙げられる。特に、負極材料にLi又はLi合金を用いた場合、炭素と比較して、高容量化の点で優位である。また、負極材料にLi又はLi合金を用いた場合、集電機能を持たせられるため負極集電体を省略することも可能である。前記Li合金の添加元素としては、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)及びインジウム(In)などを用いることができる。
負極は、例えば、Li又はLi合金からなるLi箔を負極集電体に圧着することで作製したり、Li又はLi合金からなるLi膜を負極集電体上に気相法により成膜することで作製してもよい。また、正極と同様に、負極活物質の粒子、結着剤、及び負極集電体からなる構成としてもよい。
前記負極集電体としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、又はクロム(Cr)からなる金属箔などを用いることができる。
[非水電解質]
非水電解質は、リチウム塩とイオン液体から構成される。
非水電解質は、リチウム塩とイオン液体から構成される。
前記リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiTFSI、LiBETIなどを用いることができ、これらリチウム塩を2種以上組み合わせて用いてもよい。電解質中におけるリチウム塩の含有量は、特に限定されないが、0.1〜1mol/kgが好ましい。前記イオン液体は、EMI+、Py13+、PP13+などのカチオンと、FSI-、TFSI-などのアニオンとを組み合わせたイオンのみから構成される液体である。
本発明の製造方法において、用意する電解質には有機溶媒が含有しているが、電解質に含有する有機溶媒は、電解質中の有機溶媒成分を取り除く工程(以下、有機溶媒除去工程と呼ぶ)で、最終的に取り除かれる。有機溶媒としては、イオン液体より貴な電位で還元分解される環状カーボネート或いは鎖状カーボネートを用いることができる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネート(VC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などが挙げられる。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)などが挙げられる。特に、エチレンカーボネート(EC)又はビニレンカーボネート(VC)が好適である。用意する電解質に含有する有機溶媒の量は、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましく、1質量%超がさらに好ましい。有機溶媒の量が0.1質量%未満の場合、負極表面に均一且つ十分な厚さの皮膜を形成することが難しい。有機溶媒の量が10質量%超の場合、有機溶媒除去工程において長時間を要し、生産性が低下する。
本発明において、有機溶媒を含有する電解質を電池前躯体に注入した後、電解質中の有機溶媒成分を除去するまでに、有機溶媒が負極材料と反応して、負極表面に皮膜が形成される。ここで、負極表面に均一且つ十分な厚さの皮膜を形成するためには、有機溶媒成分を除去する(有機溶媒除去工程)まで一定時間放置することが好ましく、例えば15〜80℃の常圧下で1〜12時間放置することが好ましい。また、負極材料が炭素の場合、負極表面に皮膜を形成するために電池前躯体を充電する必要があり、例えば、0.1〜1Cで1〜12時間充電することが好ましい。
また、本発明において、最終的に電池としたとき、電解質に有機溶媒が1質量%以下含有することを許容する。電解質中の有機溶媒成分が1質量%以下であれば、十分な安全性を確保することができる。電解質中における有機溶媒の含有量は、1質量%未満が好ましく、0.8質量%以下がより好ましい。特に、有機溶媒の含有量が実質的に0であれば、安全性に関する問題を根本的に解決することができる。
有機溶媒除去工程において、電解質に含有する有機溶媒を上記範囲とするには、加熱温度、雰囲気圧、処理時間といった条件を調整すればよい。また、電解質に含有する有機溶媒をすべて取り除くことも可能である。これら条件は、生産性を考慮して適宜決定すればよい。なお、加熱温度は、使用する有機溶媒に応じて、有機溶媒のみが蒸発して、他の電池構成部材(電極やイオン液体など)が損傷や蒸発しない条件とする。例えば、加熱温度は40〜80℃、雰囲気圧は0.1〜100Pa、処理時間は1〜48時間とすることが挙げられる。
以上説明した非水電解質電池を本発明の製造方法を用いて作製し、作製した非水電解質電池について性能評価を行った。
(実施例1)
LiCoO2を活物質に用いた正極と、Liからなる負極とを作製し、正極と負極とをポリオレフィン不織布からなるセパレータを介して積層した状態で、ステンレス製のコイン型電池ケースに収納して、電池前躯体を作製した。次に、LiTFSI(リチウム塩)が0.3mol/kgの割合で溶解したPP13‐TFSI(イオン液体)を用意し、このイオン液体にVC(有機溶媒)を5質量%添加した非水電解質を電池前躯体に注入した。注入後、この電池前躯体を1時間放置し、10Paの真空下で80℃に12時間保持して、電解質中のVC成分を除去することを行った。この電解質中におけるVCの含有量を測定した結果、電解質中のVC成分は0(検出不能)であった。なお、測定はガスクロマトグラフ質量分析装置を用いて行った。そして、電池ケースを封口することにより、実施例1のコイン型非水電解質電池を作製した。
LiCoO2を活物質に用いた正極と、Liからなる負極とを作製し、正極と負極とをポリオレフィン不織布からなるセパレータを介して積層した状態で、ステンレス製のコイン型電池ケースに収納して、電池前躯体を作製した。次に、LiTFSI(リチウム塩)が0.3mol/kgの割合で溶解したPP13‐TFSI(イオン液体)を用意し、このイオン液体にVC(有機溶媒)を5質量%添加した非水電解質を電池前躯体に注入した。注入後、この電池前躯体を1時間放置し、10Paの真空下で80℃に12時間保持して、電解質中のVC成分を除去することを行った。この電解質中におけるVCの含有量を測定した結果、電解質中のVC成分は0(検出不能)であった。なお、測定はガスクロマトグラフ質量分析装置を用いて行った。そして、電池ケースを封口することにより、実施例1のコイン型非水電解質電池を作製した。
(実施例2)
LiCoO2を活物質に用いた正極と、炭素からなる負極とを作製し、正極と負極とをポリオレフィン不織布からなるセパレータを介して積層した状態で、ラミネートフィルムからなる袋状の電池ケースに収納して、電池前躯体を作製した。次に、LiTFSI(リチウム塩)が0.3mol/kgの割合で溶解したPP13‐TFSI(イオン液体)を用意し、このイオン液体にEC(有機溶媒)を5質量%添加した非水電解質を電池前躯体に注入した。注入後、この電池前躯体を1時間放置し、電池ケースを仮封止した後、4.2Vまで0.2Cで定電流・定電圧充電を8時間行い、充電後、3.5Vまで放電した。その後、仮封止を解除した状態で、電池前躯体を1Paの真空下で80℃に12時間保持して、電解質中のEC成分を除去することを行った。この電解質中におけるECの含有量を測定した結果、電解質中のEC成分は0.8質量%であった。なお、測定はガスクロマトグラフ質量分析装置を用いて行った。そして、電池ケースを封止することにより、実施例2のラミネート型非水電解質電池を作製した。
LiCoO2を活物質に用いた正極と、炭素からなる負極とを作製し、正極と負極とをポリオレフィン不織布からなるセパレータを介して積層した状態で、ラミネートフィルムからなる袋状の電池ケースに収納して、電池前躯体を作製した。次に、LiTFSI(リチウム塩)が0.3mol/kgの割合で溶解したPP13‐TFSI(イオン液体)を用意し、このイオン液体にEC(有機溶媒)を5質量%添加した非水電解質を電池前躯体に注入した。注入後、この電池前躯体を1時間放置し、電池ケースを仮封止した後、4.2Vまで0.2Cで定電流・定電圧充電を8時間行い、充電後、3.5Vまで放電した。その後、仮封止を解除した状態で、電池前躯体を1Paの真空下で80℃に12時間保持して、電解質中のEC成分を除去することを行った。この電解質中におけるECの含有量を測定した結果、電解質中のEC成分は0.8質量%であった。なお、測定はガスクロマトグラフ質量分析装置を用いて行った。そして、電池ケースを封止することにより、実施例2のラミネート型非水電解質電池を作製した。
(比較例1)
非水電解質に有機溶媒を添加しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1のコイン型非水電解質を作製した。
非水電解質に有機溶媒を添加しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1のコイン型非水電解質を作製した。
(比較例2)
非水電解質に有機溶媒を添加しない以外は、実施例2と同様にして、比較例2のラミネート型非水電解質を作製した。
非水電解質に有機溶媒を添加しない以外は、実施例2と同様にして、比較例2のラミネート型非水電解質を作製した。
これら実施例1,2及び比較例1,2の電池のサイクル特性を評価した。具体的には、4.2Vまで1Cで充電した後、3.0Vまで1Cで放電する作業を1サイクルとするサイクル試験を100サイクル行い、各電池の放電容量維持率を求めた。放電容量維持率は、次式により求められる。
容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/最大放電容量)×100 … (式)
各電池の100サイクル後の放電容量維持率を表1に示す。
容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/最大放電容量)×100 … (式)
各電池の100サイクル後の放電容量維持率を表1に示す。
表1から明らかなように、比較例1,2の電池は、100サイクル後の容量維持率が低く、サイクル特性が悪い。比較例1の電池は、電解質であるイオン液体が負極材料のLiにより分解されたことで、容量維持率が低下したと考えられる。また、比較例2の電池は、所定の充放電を行うことができなくなったため、測定することができなかった。これは、充放電サイクルが繰り返されることに伴い、イオン液体により負極材料の炭素が劣化したことが原因と考えられる。
これに対し、実施例1,2の電池は、100サイクル後の容量維持率が高く、サイクル特性に優れている。これは、製造過程で有機溶媒が負極材料と反応して、負極表面に皮膜が形成されたことで、イオン液体の分解又は負極の劣化が抑制されたためと考えられる。また、実施例1,2の電池は、上述したように電解質に含有する揮発性、可燃性の有機溶媒が製造過程で取り除かれており、電解質中の有機溶媒成分が1質量%以下であるため、安全性が高い。
なお、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、負極材料にLi又はLi合金を用いる場合、イオン液体にECを添加した非水電解質を用いてもよい。
本発明の非水電解質電池の製造方法は、安全性が高く、サイクル特性に優れた非水電解質電池の製造に好適に利用することができる。
Claims (2)
- 正極、Li又はLi合金からなる負極、及び非水電解質から構成される非水電解質電池の製造方法であって、
前記正極及び負極を電池ケースに収納して電池前躯体を作製する工程と、
リチウム塩と、イオン液体と、有機溶媒とを含む非水電解質を用意する工程と、
前記電池前躯体に前記非水電解質を注入する工程と、
注入後、前記電池前躯体を減圧下で加熱し、前記非水電解質中の有機溶媒成分を1質量%以下まで取り除く工程とを備えることを特徴とする非水電解質電池の製造方法。 - 正極、炭素からなる負極、及び非水電解質から構成される非水電解質電池の製造方法であって、
前記正極及び負極を電池ケースに収納して電池前躯体を作製する工程と、
リチウム塩と、イオン液体と、有機溶媒とを含む非水電解質を用意する工程と、
前記電池前躯体に前記非水電解質を注入する工程と、
注入後、前記電池前躯体を少なくとも1回充電する工程と、
充電後、前記電池前躯体を減圧下で加熱し、前記非水電解質中の有機溶媒成分を1質量%以下まで取り除く工程とを備えることを特徴とする非水電解質電池の製造方法。
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