JP2005063871A - リチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた保存特性を得ることが可能なリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】この発明のリチウム二次電池は、正極2と、負極1と、溶質および溶媒からなる非水電解液とを備え、溶媒は、クラウンエーテルを含む。
【選択図】図2
【解決手段】この発明のリチウム二次電池は、正極2と、負極1と、溶質および溶媒からなる非水電解液とを備え、溶媒は、クラウンエーテルを含む。
【選択図】図2
Description
本発明は、リチウム二次電池に関する。
従来、リチウム二次電池は、メモリバックアップ用電源などとして使用される。そして、近年では、機器の高性能化および高信頼性化が進むにつれて、機器の主電源が放電した状態で非常に長期間放置された場合であっても、記録された情報が消失するのを確実に防止することが求められている。そのため、メモリバックアップ用電源として使用されるリチウム二次電池に対して、一層の保存特性の向上が求められている。
そこで、リチウム二次電池の電解質として種々の電解質が検討されている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1には、炭素材料からなる負極と、グライム、クラウンエーテルまたはクリプタンドが添加された電解質とを備えるリチウム二次電池が開示されている。
特開平8−106920号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来のリチウム二次電池の炭素材料からなる負極と、グライム、クラウンエーテルまたはクリプタンドが添加された電解質との組み合わせでは、十分に満足できる保存特性が得られないという問題点があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、優れた保存特性を有するリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明者が鋭意検討した結果、リチウム−アルミニウム合金からなる負極を用いる場合において、非水電解液の溶媒としてクラウンエーテルを含む溶媒を用いることにより保存特性を向上させることが可能であることを見出した。
すなわち、この発明の一の局面によるリチウム二次電池は、正極と、リチウムを活物質とするリチウム−アルミニウム合金からなる負極と、クラウンエーテルを含む溶媒および溶質を含む非水電解液とを備えている。
この一の局面によるリチウム二次電池では、上記のように、非水電解液の溶媒としてクラウンエーテルを含む溶媒を用いることによって、リチウム−アルミニウム合金からなる負極とクラウンエーテルとが反応することにより負極の表面上にイオン伝導性の緻密な被膜を形成することができる。この緻密な被膜によって、保存中に、負極と非水電解液との反応が抑制されるので、優れた保存特性を得ることができる。
上記一の局面によるリチウム二次電池において、好ましくは、溶媒を構成するクラウンエーテルは、12−クラウン−4、15−クラウン−5および18−クラウン−6からなるグループより選択される少なくとも1つを含む。このように構成すれば、容易に、負極表面に緻密な被膜を形成することができるので、優れた保存特性を得ることができる。
上記一の局面によるリチウム二次電池において、好ましくは、溶媒は、クラウンエーテルと、環状炭酸エステルとの混合溶媒である。このように構成しても、容易に、負極表面に緻密な被膜を形成することができるので、優れた保存特性を得ることができる。
上記一の局面によるリチウム二次電池において、好ましくは、負極を構成するリチウム−アルミニウム合金は、0.1質量%以上10質量%以下のマンガンを含むリチウム−アルミニウムーマンガン合金である。このように構成すれば、負極表面により緻密な被膜を形成することができるので、より優れた保存特性を得ることができる。
上記一の局面によるリチウム二次電池において、好ましくは、溶質は、リチウムパーフルオロアルキルスルホニルイミドである。このように構成すれば、容易に、負極表面に緻密な被膜を形成することができるので、優れた保存特性を得ることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
(実施例1)
この実施例1では、非水電解液の溶媒としてクラウンエーテルを用いた本発明によるリチウム二次電池において、保存特性の向上に適したクラウンエーテルの種類または組み合わせに関して検討した例について説明する。具体的には、本発明の実施例1として、以下に示す実施例1−1〜1−5の5種類の本発明電池A1〜A5を作製するとともに、比較例として比較例1−1〜1−3による比較電池X1〜X3を作製して評価を行った。以下、詳細に説明する。
この実施例1では、非水電解液の溶媒としてクラウンエーテルを用いた本発明によるリチウム二次電池において、保存特性の向上に適したクラウンエーテルの種類または組み合わせに関して検討した例について説明する。具体的には、本発明の実施例1として、以下に示す実施例1−1〜1−5の5種類の本発明電池A1〜A5を作製するとともに、比較例として比較例1−1〜1−3による比較電池X1〜X3を作製して評価を行った。以下、詳細に説明する。
(実施例1−1)
まず、本発明の実施例1−1による本発明電池A1の作製プロセスについて説明する。
まず、本発明の実施例1−1による本発明電池A1の作製プロセスについて説明する。
[正極の作製]
正極活物質としてのスピネル構造マンガン酸リチウム(LiMn2O4)(粉末)と、導電剤としてのカーボンブラック(粉末)と、結着剤としてのフッ素樹脂(粉末)とを85:10:5の重量比(質量比)で混合することによって正極合剤を得た。この正極合剤を円盤状に鋳型成型した後、真空中で250℃で2時間乾燥することによって、正極を作製した。
正極活物質としてのスピネル構造マンガン酸リチウム(LiMn2O4)(粉末)と、導電剤としてのカーボンブラック(粉末)と、結着剤としてのフッ素樹脂(粉末)とを85:10:5の重量比(質量比)で混合することによって正極合剤を得た。この正極合剤を円盤状に鋳型成型した後、真空中で250℃で2時間乾燥することによって、正極を作製した。
[負極の作製]
1質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)の表面にリチウム箔を貼り付けてアルミニウム−マンガン合金中にリチウムを電気化学的に挿入することにより、リチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を作製した。このリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を円盤状に打ち抜くことによって、負極を作製した。
1質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)の表面にリチウム箔を貼り付けてアルミニウム−マンガン合金中にリチウムを電気化学的に挿入することにより、リチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を作製した。このリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を円盤状に打ち抜くことによって、負極を作製した。
[非水電解液の調整]
溶媒としての12−クラウン−4に、溶質としてのリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiN(CF3SO2)2)を1モル/リットル溶かすことにより、非水電解液を調整した。
溶媒としての12−クラウン−4に、溶質としてのリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiN(CF3SO2)2)を1モル/リットル溶かすことにより、非水電解液を調整した。
[電池の組立]
上記のようにして調整した非水電解液をセパレータに含浸させた。そして、負極缶と正極缶とによって構成される電池ケース内に、負極と正極とをセパレータを介して対向するように配置した。ここで、実施例1−1で作製した本発明電池A1の構造の詳細について図1を参照して説明する。実施例1−1による本発明電池A1は、24mmの外径と3mmの厚みとを有する扁平形状に形成した。また、本発明電池A1は、負極1、正極2、セパレータ3、負極缶4、正極缶5、負極集電体6、正極集電体7および絶縁パッキング8を備えるように作製した。負極1および正極2としては、それぞれ、上記のように作製したものを用いた。また、セパレータ3は、ガラス製の不織布によって作製した。また、セパレータ3には、上記のように調整した非水電解液を含浸させた。負極集電体6は、ステンレス鋼板(SUS304)によって形成し、正極集電体7は、ステンレス鋼板(SUS316)によって形成した。また、絶縁パッキング8は、ポニフェニレンスルフィド樹脂によって作製した。また、負極缶4と正極缶5とによって本発明電池A1の外装となる電池ケース9を作製した。
上記のようにして調整した非水電解液をセパレータに含浸させた。そして、負極缶と正極缶とによって構成される電池ケース内に、負極と正極とをセパレータを介して対向するように配置した。ここで、実施例1−1で作製した本発明電池A1の構造の詳細について図1を参照して説明する。実施例1−1による本発明電池A1は、24mmの外径と3mmの厚みとを有する扁平形状に形成した。また、本発明電池A1は、負極1、正極2、セパレータ3、負極缶4、正極缶5、負極集電体6、正極集電体7および絶縁パッキング8を備えるように作製した。負極1および正極2としては、それぞれ、上記のように作製したものを用いた。また、セパレータ3は、ガラス製の不織布によって作製した。また、セパレータ3には、上記のように調整した非水電解液を含浸させた。負極集電体6は、ステンレス鋼板(SUS304)によって形成し、正極集電体7は、ステンレス鋼板(SUS316)によって形成した。また、絶縁パッキング8は、ポニフェニレンスルフィド樹脂によって作製した。また、負極缶4と正極缶5とによって本発明電池A1の外装となる電池ケース9を作製した。
電池ケース9内には、負極1と正極2とがセパレータ3を介して対向するように設置した。また、負極1は、負極集電体6を介して負極缶4に接続されるように構成した。正極2は、正極集電体7を介して正極缶5に接続されるように構成した。これにより、負極1と非水電解液との化学反応および正極2と非水電解液との化学反応によって電池内部で発生した化学エネルギを負極缶4および正極缶5を介して電気エネルギとして電池外部へ取り出すことが可能となる。
(実施例1−2)
この実施例1−2では、非水電解液の溶媒として、15−クラウン−5を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池A2を作製した。
この実施例1−2では、非水電解液の溶媒として、15−クラウン−5を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池A2を作製した。
(実施例1−3)
この実施例1−3では、非水電解液の溶媒として、18−クラウン−6を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池A3を作製した。
この実施例1−3では、非水電解液の溶媒として、18−クラウン−6を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池A3を作製した。
(実施例1−4)
この実施例1−4では、非水電解液の溶媒として、12−クラウン−4と、プロピレンカーボネート(PC)とを50:50の体積比で混合した混合溶媒を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池A4を作製した。
この実施例1−4では、非水電解液の溶媒として、12−クラウン−4と、プロピレンカーボネート(PC)とを50:50の体積比で混合した混合溶媒を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池A4を作製した。
(実施例1−5)
この実施例1−5では、非水電解液の溶媒として、12−クラウン−4と、プロピレンカーボネート(PC)とを90:10の体積比で混合した混合溶媒を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池A5を作製した。
この実施例1−5では、非水電解液の溶媒として、12−クラウン−4と、プロピレンカーボネート(PC)とを90:10の体積比で混合した混合溶媒を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池A5を作製した。
(比較例1−1)
この比較例1−1では、非水電解液の溶媒として、ジエチレングリコールジメチルエーテル(Di−DME)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池X1を作製した。
この比較例1−1では、非水電解液の溶媒として、ジエチレングリコールジメチルエーテル(Di−DME)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池X1を作製した。
(比較例1−2)
この比較例1−2では、非水電解液の溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池X2を組み立てた。
この比較例1−2では、非水電解液の溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池X2を組み立てた。
(比較例1−3)
この比較例1−3では、非水電解液の溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)とを50:50の体積比で混合した混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池X3を作製した。
この比較例1−3では、非水電解液の溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)とを50:50の体積比で混合した混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池X3を作製した。
次に、上記のようにして作製した本発明電池A1〜A5および比較電池X1〜X3について、各電池の保存特性を調べるために、以下のような容量維持率の測定を行った。
[容量維持率(保存特性)の測定]
作製直後の実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−3による各電池を、200℃で1分間余熱した後、最高温度が280℃、出入口付近の最低温度が200℃になったリフロー炉内を1分間かけて通過させた。その後、25℃において電流値1mAで2Vまで放電し、放電容量(電池作製直後の放電容量)を測定した。また、作製直後の実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−3による各電池を、200℃で1分間余熱した後、最高温度が280℃、出入口付近の最低温度が200℃になったリフロー炉内を1分間かけて通過させた。その後、60℃で2ヶ月間保存した後、25℃において、電流値1mAで2Vまで放電し、放電容量(保存後の放電容量)を測定した。そして、以下の式によって、容量維持率を求めた。
作製直後の実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−3による各電池を、200℃で1分間余熱した後、最高温度が280℃、出入口付近の最低温度が200℃になったリフロー炉内を1分間かけて通過させた。その後、25℃において電流値1mAで2Vまで放電し、放電容量(電池作製直後の放電容量)を測定した。また、作製直後の実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−3による各電池を、200℃で1分間余熱した後、最高温度が280℃、出入口付近の最低温度が200℃になったリフロー炉内を1分間かけて通過させた。その後、60℃で2ヶ月間保存した後、25℃において、電流値1mAで2Vまで放電し、放電容量(保存後の放電容量)を測定した。そして、以下の式によって、容量維持率を求めた。
容量維持率(%)={(保存後の放電容量)/(電池作製直後の放電容量)}×100(%)
上記のようにして求めた各電池の容量維持率を以下の表1に示す。
上記のようにして求めた各電池の容量維持率を以下の表1に示す。
上記表1を参照して、容量維持率の値が大きいほど、保存特性に優れた電池である。本発明電池A1〜A5では、比較電池X1〜X3の容量維持率(17%〜45%)と比べて、大きな容量維持率(54%〜65%)を示した。これにより、リチウム−アルミニウム−マンガン合金からなる負極を用いる場合において、非水電解液の溶媒として、クラウンエーテルを用いることによって、従来に比べて優れた保存特性を得ることができることが判明した。これは、リチウム−アルミニウム−マンガン合金からなる負極と、クラウンエーテルとが反応することにより、負極の表面上に、図2に示すような、イオン伝導性の緻密な被膜10が形成されることに起因すると考えられる。すなわち、この緻密な被膜10によって、保存中に、負極1と非水電解液との反応が抑制されるので、優れた保存特性を得ることができたと考えられる。
(実施例2)
この実施例2では、負極材料が本発明によるリチウム二次電池の保存特性に及ぼす影響について検討した結果について説明する。
この実施例2では、負極材料が本発明によるリチウム二次電池の保存特性に及ぼす影響について検討した結果について説明する。
(実施例2−1)
この実施例2−1では、負極材料として、アルミニウムにリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム合金(Li−Al)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B1を作製した。
この実施例2−1では、負極材料として、アルミニウムにリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム合金(Li−Al)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B1を作製した。
(実施例2−2)
この実施例2−2では、負極材料として、0.1質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B2を作製した。
この実施例2−2では、負極材料として、0.1質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B2を作製した。
(実施例2−3)
この実施例2−3では、負極材料として、0.5質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B3を作製した。
この実施例2−3では、負極材料として、0.5質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B3を作製した。
(実施例2−4)
この実施例2−4では、負極材料として、1質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を使用して、実施例1−1で作製した本発明電池A1と全く同様の本発明電池B4を作製した。
この実施例2−4では、負極材料として、1質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を使用して、実施例1−1で作製した本発明電池A1と全く同様の本発明電池B4を作製した。
(実施例2−5)
この実施例2−5では、負極材料として、5質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B5を作製した。
この実施例2−5では、負極材料として、5質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B5を作製した。
(実施例2−6)
この実施例2−6では、負極材料として、10質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B6を作製した。
この実施例2−6では、負極材料として、10質量%のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金(Al−Mn)にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池B6を作製した。
(比較例2−1)
この比較例2−1では、負極材料として、スズにリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−スズ合金(Li−Sn)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y1を作製した。
この比較例2−1では、負極材料として、スズにリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−スズ合金(Li−Sn)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y1を作製した。
(比較例2−2)
この比較例2−2では、負極材料として、アンチモンにリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アンチモン合金(Li−Sb)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y2を作製した。
この比較例2−2では、負極材料として、アンチモンにリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アンチモン合金(Li−Sb)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y2を作製した。
(比較例2−3)
この比較例2−3では、負極材料として、金属リチウムを使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y3を作製した。
この比較例2−3では、負極材料として、金属リチウムを使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y3を作製した。
(比較例2−4)
この比較例2−4では、負極材料として、黒鉛粉末が95重量部と、結着剤としてのフッ素樹脂(粉末)が5重量部となるように混合した負極合剤にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−天然黒鉛(Li−天然黒鉛)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y4を作製した。
この比較例2−4では、負極材料として、黒鉛粉末が95重量部と、結着剤としてのフッ素樹脂(粉末)が5重量部となるように混合した負極合剤にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−天然黒鉛(Li−天然黒鉛)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y4を作製した。
(比較例2−5)
この比較例2−5では、負極材料として、コークス粉末が95重量部と、結着剤としてのフッ素樹脂(粉末)が5重量部となるように混合した負極合剤にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−コークス(Li−コークス)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y5を作製した。
この比較例2−5では、負極材料として、コークス粉末が95重量部と、結着剤としてのフッ素樹脂(粉末)が5重量部となるように混合した負極合剤にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−コークス(Li−コークス)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y5を作製した。
(比較例2−6)
この比較例2−6では、負極材料として、酸化スズ(SnO)粉末が85重量部と、導電剤としてのカーボンブラック(粉末)が10重量部と、結着剤としてのフッ素樹脂(粉末)が5重量部となるように混合した負極合剤にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−酸化スズ(Li−SnO)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y6を作製した。
この比較例2−6では、負極材料として、酸化スズ(SnO)粉末が85重量部と、導電剤としてのカーボンブラック(粉末)が10重量部と、結着剤としてのフッ素樹脂(粉末)が5重量部となるように混合した負極合剤にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−酸化スズ(Li−SnO)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y6を作製した。
(比較例2−7)
この比較例2−7では、負極材料として、酸化ケイ素(SiO)粉末が85重量部と、導電剤としてのカーボンブラック(粉末)が10重量部と、結着剤としてのフッ素樹脂(粉末)が5重量部となるように混合した負極合剤にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−酸化ケイ素(Li−SiO)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y7を作製した。
この比較例2−7では、負極材料として、酸化ケイ素(SiO)粉末が85重量部と、導電剤としてのカーボンブラック(粉末)が10重量部と、結着剤としてのフッ素樹脂(粉末)が5重量部となるように混合した負極合剤にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−酸化ケイ素(Li−SiO)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較電池Y7を作製した。
次に、上記のようにして作製した本発明電池B1〜B6および比較電池Y1〜Y7について、実施例1で行った容量維持率の測定と同様の測定を行った。その結果を以下の表2に示す。
上記表2を参照して、負極の材料として、0.1質量%以上10質量%以下のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金を使用した本発明電池B2〜B6は、負極材料としてマンガンを全く含まないリチウム金属を使用した本発明電池B1の容量維持率(50%)に比べて、大きな容量維持率(61%〜65%)を示した。これにより、負極の材料として、0.1質量%以上10質量%以下のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金にリチウムを電気化学的に挿入することにより作製したリチウム−アルミニウム−マンガン合金を使用した場合には、保存特性をより向上させることが可能であることが明らかとなった。なお、0.1質量%未満のマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金を用いた場合には、マンガンの効果が小さいと考えられる。また、10質量%を越えるマンガン含有率を有するアルミニウム−マンガン合金を用いた場合には、マンガンに対するアルミニウムの効果が小さくなる。このため、アルミニウム−マンガン合金に対するマンガン割合は、0.1質量%以上10質量%以下であるのが好ましい。なお、負極材料としてマンガンを全く含まないリチウム金属を使用した本発明電池B1も、本発明電池B2〜B6には劣るものの、実用上問題のない容量維持率(50%)を示すことが判明した。
その一方、リチウム−アルミニウム合金(Li−Al)およびリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)以外の負極材料を用いた比較電池Y1〜Y7では、容量維持率が本発明電池B1〜B6(50%〜65%)に比べて、低くなる(8%〜32%)ことが判明した。
このことから、溶媒としてクラウンエーテルを含む溶媒を用いる場合には、負極材料として、リチウム−アルミニウム合金(Li−Al)およびリチウム−アルミニウム−マンガン合金(Li−Al−Mn)を用いることが好ましいことが明らかとなった。
(実施例3)
この実施例3では、非水電解液の溶質の種類が本発明によるリチウム二次電池の保存特性に及ぼす影響について検討した結果について説明する。この実施例3では、以下に示す異なる非水電解液の溶質を用いた実施例3−1〜3−9による本発明電池C1〜C9を作製して評価を行った。
この実施例3では、非水電解液の溶質の種類が本発明によるリチウム二次電池の保存特性に及ぼす影響について検討した結果について説明する。この実施例3では、以下に示す異なる非水電解液の溶質を用いた実施例3−1〜3−9による本発明電池C1〜C9を作製して評価を行った。
(実施例3−1)
この実施例3−1では、非水電解液の溶質として、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiN(CF3SO2)2)を使用して、実施例1−1と全く同様の本発明電池C1(A1)を作製した。
この実施例3−1では、非水電解液の溶質として、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiN(CF3SO2)2)を使用して、実施例1−1と全く同様の本発明電池C1(A1)を作製した。
(実施例3−2)
この実施例3−2では、非水電解液の溶質として、リチウム(トリフルオロメチルスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiN(CF3SO2)(C2F5SO2))を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C2を作製した。
この実施例3−2では、非水電解液の溶質として、リチウム(トリフルオロメチルスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiN(CF3SO2)(C2F5SO2))を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C2を作製した。
(実施例3−3)
この実施例3−3では、非水電解液の溶質として、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiN(C2F5SO2)2)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C3を作製した。
この実施例3−3では、非水電解液の溶質として、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiN(C2F5SO2)2)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C3を作製した。
(実施例3−4)
この実施例3−4では、非水電解液の溶質として、リチウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド(LiC(CF3SO2)3)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C4を作製した。
この実施例3−4では、非水電解液の溶質として、リチウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド(LiC(CF3SO2)3)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C4を作製した。
(実施例3−5)
この実施例3−5では、非水電解液の溶質として、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C5を作製した。
この実施例3−5では、非水電解液の溶質として、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C5を作製した。
(実施例3−6)
この実施例3−6では、非水電解液の溶質として、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C6を作製した。
この実施例3−6では、非水電解液の溶質として、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C6を作製した。
(実施例3−7)
この実施例3−7では、非水電解液の溶質として、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C7を作製した。
この実施例3−7では、非水電解液の溶質として、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C7を作製した。
(実施例3−8)
この実施例3−8では、非水電解液の溶質として、ヘキサフルオロ砒酸リチウム(LiAsF6)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C8を作製した。
この実施例3−8では、非水電解液の溶質として、ヘキサフルオロ砒酸リチウム(LiAsF6)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C8を作製した。
(実施例3−9)
この実施例3−9では、非水電解液の溶質として、過塩素酸リチウム(LiClO4)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C9を作製した。
この実施例3−9では、非水電解液の溶質として、過塩素酸リチウム(LiClO4)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池C9を作製した。
次に、上記のようにして作製した本発明電池C1〜C9について、実施例1で行った容量維持率の測定と同様の測定を行った。その結果を以下の表3に示す。
上記表3を参照して、非水電解液の溶質として、リチウムパーフルオロアルキルスルホニルイミドを用いた本発明電池C1〜C3が特に大きな容量維持率(61%〜65%)を示した。これは、非水電解液の溶質として、リチウムパーフルオロアルキルスルホニルイミドを用いた場合に、より緻密なイオン伝導性の被膜が負極表面に形成されるためであると考えられる。なお、非水電解液の溶質として、リチウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、ヘキサフルオロ砒酸リチウムおよび過塩素酸リチウムを用いた本発明電池C4〜C9でも、実用上問題のない程度の容量維持率(50%〜56%)を示すことが判明した。
上記のように、実施例3では、非水電解液の溶質として、リチウムパーフルオロアルキルスルホニルイミドを用いることによって、負極表面により緻密な被膜を形成することができると考えられるので、リチウム二次電池の保存特性をより向上させることができる。
(実施例4)
この実施例4では、正極活物質の種類が本発明によるリチウム二次電池の保存特性に及ぼす影響について検討した結果について説明する。この実施例4では、以下に示す異なる材料からなる正極活物質を用いた実施例4−1〜4−7による本発明電池D1〜D7を作製して評価を行った。
この実施例4では、正極活物質の種類が本発明によるリチウム二次電池の保存特性に及ぼす影響について検討した結果について説明する。この実施例4では、以下に示す異なる材料からなる正極活物質を用いた実施例4−1〜4−7による本発明電池D1〜D7を作製して評価を行った。
(実施例4−1)
この実施例4−1では、正極活物質として、スピネル構造マンガン酸リチウム(LiMn2O4)を使用して、実施例1−1で作製した本発明電池A1と全く同様の本発明電池D1を作製した。
この実施例4−1では、正極活物質として、スピネル構造マンガン酸リチウム(LiMn2O4)を使用して、実施例1−1で作製した本発明電池A1と全く同様の本発明電池D1を作製した。
(実施例4−2)
この実施例4−2では、正極活物質として、水酸化リチウム(LiOH)と酸化ホウ素(B2O3)と二酸化マンガン(MnO2)とを、Li:B:Mnの原子比が0.53:0.06:1.00となるように混合し、空気中で375℃で20時間熱処理して得たホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池D2を作製した。
この実施例4−2では、正極活物質として、水酸化リチウム(LiOH)と酸化ホウ素(B2O3)と二酸化マンガン(MnO2)とを、Li:B:Mnの原子比が0.53:0.06:1.00となるように混合し、空気中で375℃で20時間熱処理して得たホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池D2を作製した。
(実施例4−3)
この実施例4−3では、正極活物質として、水酸化リチウム(LiOH)と二酸化マンガン(MnO2)とを、Li:Mnの原子比が0.50:1.00で混合し、空気中で375℃で20時間熱処理して得たリチウム−マンガン複合酸化物(CDMO:Composite Dimensional Manganese Oxide)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして本発明電池D3を作製した。
この実施例4−3では、正極活物質として、水酸化リチウム(LiOH)と二酸化マンガン(MnO2)とを、Li:Mnの原子比が0.50:1.00で混合し、空気中で375℃で20時間熱処理して得たリチウム−マンガン複合酸化物(CDMO:Composite Dimensional Manganese Oxide)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして本発明電池D3を作製した。
(実施例4−4)
この実施例4−4では、正極活物質として、立方晶マンガン酸リチウム(Li4Mn5O12)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池D4を作製した。
この実施例4−4では、正極活物質として、立方晶マンガン酸リチウム(Li4Mn5O12)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池D4を作製した。
(実施例4−5)
この実施例4−5では、正極活物質として、二酸化マンガン(MnO2)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池D5を作製した。
この実施例4−5では、正極活物質として、二酸化マンガン(MnO2)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池D5を作製した。
(実施例4−6)
この実施例4−6では、正極活物質として、酸化ニオビウム(Nb2O5)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池D6を作製した。
この実施例4−6では、正極活物質として、酸化ニオビウム(Nb2O5)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池D6を作製した。
(実施例4−7)
この実施例4−7では、正極活物質として、酸化バナジウム(V2O5)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池D7を作製した。
この実施例4−7では、正極活物質として、酸化バナジウム(V2O5)を使用したこと以外は、実施例1−1と同様にして、本発明電池D7を作製した。
次に、上記のようにして作製した本発明電池D1〜D7について、実施例1で行った容量維持率の測定と同様の測定を行った。その結果を以下の表4に示す。
上記表4を参照して、正極活物質としてスピネル構造マンガン酸リチウムを用いた本発明電池D1、ホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物を用いた本発明電池D2、リチウム−マンガン複合酸化物(CDMO)を用いた本発明電池D3および立方晶マンガン酸リチウムを用いた本発明電池D4は、比較的大きな容量維持率(60%〜65%)を示した。これにより、非水電解液の溶媒としてクラウンエーテルを用いたリチウム二次電池では、保存特性を向上させるために、正極活物質として、スピネル構造マンガン酸リチウム、ホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物、リチウム−マンガン複合酸化物、および、立方晶マンガン酸リチウムが適していると考えられる。なお、正極活物質として、二酸化マンガン、酸化ニオビウムおよび酸化バナジウムを用いた本発明電池D5〜D7でも、実用上問題のない程度の容量維持率(50%〜55%)を示すことが確認できた。
なお、今回開示された実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、実施例1では、非水電解液の溶媒に用いるクラウンエーテルとして、12−クラウン−4、15−クラウン−5および18−クラウン−6を用いたが、本発明はこれに限らず、これら以外のクラウンエーテルを用いても同様の効果を得ることができる。
また、実施例1−4および実施例1−5では、クラウンエーテルと、環状炭酸エステルとの混合溶媒の一例として、12−クラウン−4と、プロピレンカーボネート(PC)との混合溶媒を用いたが、本発明はこれに限らず、クラウンエーテルと、プロピレンカーボネート(PC)以外の環状炭酸エステルとの混合溶媒を用いても同様の効果を得ることができる。たとえば、クラウンエーテルと、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネート、または、ブチレンカーボネートとの混合溶媒を用いてもよい。
また、実施例4では、正極活物質として、スピネル構造マンガン酸リチウム、ホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物、リチウム−マンガン複合酸化物、立方晶マンガン酸リチウム、二酸化マンガン、酸化ニオビウム、および、酸化バナジウムを用いたが、本発明はこれに限らず、コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムなどを用いても同様の効果を得ることができる。
なお、上記した正極活物質のうち、スピネル構造マンガン酸リチウム、ホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物は、他の正極活物質よりも優れた充放電サイクル特性を示すことが知られている。また、優れた充放電サイクル特性を示すホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物では、ホウ素とマンガンとの原子比(B/Mn)は0.01〜0.20であり、かつ、含有するマンガンの平均価数は3.80以上である。
また、このようなホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物は、たとえば、B:Li:Mnの原子比が約0.01〜約0.20:約0.1〜約2.0:約1となるようにホウ素化合物とリチウム化合物とマンガン化合物とを混合した混合物を約150℃〜約430℃、好ましくは約250℃〜約430℃、より好ましくは約300℃〜約430℃の温度で空気中で熱処理することにより得られる。熱処理温度が約150℃よりも低いと、ホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物の生成反応が十分に進行しないとともに、MnO2中の水分を十分に除去することができないなどの問題が生じる。一方、熱処理温度が約430℃を超えると、MnO2が分解してマンガンの平均価数が約3.80より小さくなり、その結果、充電時にホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物の電子状態のバランスが崩れて不安定になる。これにより、充電時にホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物が分解して非水電解液中に溶出しやすくなる。
なお、上記したホウ素含有リチウム−マンガン複合酸化物の調整には、ホウ素化合物として、たとえば、酸化ホウ素(B2O3)、ホウ酸(H3BO3)、メタホウ酸(HBO2)、メタホウ酸リチウム(LiBO2)、および、4ホウ酸リチウム(Li2B4O7)などが用いられる。また、リチウム化合物として、たとえば、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化リチウム(Li2O)、および、硝酸リチウム(LiNO3)などが用いられる。また、マンガン化合物として、たとえば、二酸化マンガン(MnO2)およびオキシ水酸化マンガン(MnOOH)などが用いられる。
1 負極
2 正極
3 セパレータ
4 負極缶
5 正極缶
6 負極集電体
7 正極集電体
8 絶縁パッキング
9 電池ケース
10 被膜
2 正極
3 セパレータ
4 負極缶
5 正極缶
6 負極集電体
7 正極集電体
8 絶縁パッキング
9 電池ケース
10 被膜
Claims (5)
- 正極と、
リチウムを活物質とするリチウム−アルミニウム合金からなる負極と、
クラウンエーテルを含む溶媒および溶質を含む非水電解液とを備えた、リチウム二次電池。 - 前記溶媒を構成するクラウンエーテルは、12−クラウン−4、15−クラウン−5および18−クラウン−6からなるグループより選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載のリチウム二次電池。
- 前記溶媒は、前記クラウンエーテルと、環状炭酸エステルとの混合溶媒である、請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
- 前記負極を構成するリチウム−アルミニウム合金は、0.1質量%以上10質量%以下のマンガンを含むリチウム−アルミニウムーマンガン合金である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
- 前記溶質は、リチウムパーフルオロアルキルスルホニルイミドである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100463287C (zh) * | 2006-09-20 | 2009-02-18 | 广州天赐高新材料股份有限公司 | 高倍率锂离子电池用电解液 |
WO2011138959A1 (ja) | 2010-05-06 | 2011-11-10 | タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 | Ptcデバイスおよびそれを有する2次電池 |
JP2018152291A (ja) * | 2017-03-14 | 2018-09-27 | 株式会社豊田中央研究所 | 電解液 |
WO2019093443A1 (ja) | 2017-11-10 | 2019-05-16 | 三菱ケミカル株式会社 | 非水系電解液及びそれを用いたエネルギーデバイス |
CN113131000A (zh) * | 2021-04-19 | 2021-07-16 | 清华大学深圳国际研究生院 | 一种碳酸酯类电解液及金属锂电池 |
-
2003
- 2003-08-19 JP JP2003294786A patent/JP2005063871A/ja active Pending
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CN113131000A (zh) * | 2021-04-19 | 2021-07-16 | 清华大学深圳国际研究生院 | 一种碳酸酯类电解液及金属锂电池 |
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