JP4796083B2 - 溝付き麺類 - Google Patents

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Description

本発明は、麺線の縦方向に沿って溝が形成された溝付きの麺類、およびその製造方法に関する。
従来から、茹で時間の短縮を目的として、麺線の縦方向に沿って切込みや溝を付した麺が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。そして、そのような1本の楔形溝を有する略円形断面の乾麺が、現に市販されている。また、特許文献3には、1本の楔形溝を有する略円形の麺について、押出成形された麺の乾燥をある条件下で行うことにより麺線の強度を向上させ、より深い溝の形成を可能にして茹で時間を更に短縮することや、楔形溝の先端部を曲面にすることで麺線の曲がりの発生を防止することが記載されている。特許文献4には、中心に芯の残る良好な食感が得られる早茹でスパゲティを得るために、麺線の縦方向に、円形断面の直径に対し20〜30%の深さの溝を均等な間隔で4つ設けることが記載されている。
特開昭58−175459号公報 特開昭60−6172号公報 特開平10−146161号公報 特開2001−17104号公報
各種ある麺類のうち、スパゲティの乾麺を例に説明すると、切込みや溝の無いスパゲティの乾麺では、調理時間として、湯が沸くまでの時間と茹で時間とで10数分を要する。また、電子レンジでスパゲティを茹でる場合にも、同程度の時間が必要である。これに対し、麺に切込みや溝を付すことにより、溝の無い麺よりは茹で時間を短縮することができる。
図2に、市販の溝付き麺の断面形状を示す。図2の溝付き麺100は、直径X10の略円形の断面102を有し、その一箇所に断面の半径よりもやや深い二等辺三角形状のV字形の溝104を有している。図2中、J1およびJ2は、断面102の肉厚を示している。このような従来の溝付き麺は、溝なしの麺に対して茹で時間が最大1/2に短縮されている。しかしながら、この溝付き麺の茹で時間は、なおも、直径1.7mmのスパゲティで5分、直径1.5mmのスパゲティで3分を要し、電子レンジで調理する場合は7〜10分程度を要する。そして、それ以上の茹で時間の短縮は、未だ実現されていない。
そこで、本発明は、麺類の茹で時間を溝なしの麺よりも大幅に短くし、かつ、調理後の外観、食味および食感において溝なしの麺と遜色がない麺類を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、麺線の横断面の最大径が1.2mm〜3.0mmであり、その主外形が円または楕円の円弧である麺類であって、前記横断面の中心について点対称となる位置に、前記麺線の縦方向に沿った2本の溝を有し、前記溝のそれぞれは、前記麺線の内部に向かってV字形に形成され、その先端部から開口面までの距離が前記横断面の前記溝形成方向における径の1/2よりも大きく、前記麺線の横断面において、前記溝の形成方向にほぼ垂直な一対の平行線で前記麺線の外側部分を均等に切り落とした形状を有し、前記麺線の横断面において、前記溝のそれぞれは、前記円弧側の辺が途中で鈍角に屈曲しており、前記麺線の横断面の中心から構成面積約80%の部分における肉厚が0.3mm〜0.8mmであることを特徴とする溝付き麺類を提供する。
ここで、前記溝前記先端部の角度が20度〜70度であるのが好ましい。
た、前記麺線の横断面において、前記溝に隣接する前記麺線の部分の少なくとも一方の肉厚と、前記溝の開口幅との比が、1.0:0.5〜2.0であるのが好ましい。
また、上記いずれかの発明において、前記麺線の横断面は、その中心について点対称な形状であるのが好ましい。
また、成形された生麺を、飽和水蒸気または過熱水蒸気によって5秒〜60秒間熱処理することにより前記麺線の横断面における表面から中心までの長さに対して5〜20%程度までの表面部分のみをα化した後、調湿乾燥して得られたものであるのが好ましい。
本発明の麺類によれば、茹で時間を溝なしの麺類の1/3程度またはそれ以下に短縮でき、かつ、調理後の外観、食味および食感において溝なしの麺と遜色がないものを得ることができる。
以下、本発明の溝付き麺類およびその製造方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。なお、以下の説明では図面の記載に従って上下左右と呼ぶ。
図1は、本発明に係る溝付き麺類の第1実施形態である麺10の、麺線の縦方向(長手方向)に直交する断面(横断面)の概略形状を示す図である。
図1に示す麺10は、その断面12が、直径X1の円を幅Y1の平行線で左右均等に裁断して、幅Y1の外側部分を切り落とし、かつ、上部に左側から、下部に右側から、V字形の溝14a,14bを設けた形状を有している。断面12は、最大径が直径X1であり、主外形が直径X1の円弧となっている。直径X1は、1.2mm〜3.0mmとする。裁断する平行幅Y1は、麺10の茹で上がりの断面が略円形となるように、直径X1の円弧を1/2以上残す幅とするのが好ましい。
2つの溝14a,14bは、断面12の中心について点対称となる位置に、互いに隣接する辺が平行になるように配されている。図1中、A4は、2つの溝14a,14b間の麺線部分の肉厚を示している。溝14a,14bの間の平行部において、肉厚A4は一定である。肉厚A4は、0.3mm〜0.8mmの範囲に設定される。
なお、肉厚A4が0.3mm〜0.8mmの範囲であれば、溝14aおよび溝14bは、それらの隣接する辺は平行に配置されなくてもよいが、図1の例のように、溝14aおよび溝14bを、それらの隣接する辺が平行になるように配置する形態は、肉厚A4を一定にできる点で好ましい。また、肉厚A4が一定でない場合には、その変化は小さい方が好ましい。
溝14a,14bのそれぞれは、断面12の中央よりも深くまで形成されている。図1中、A3は、溝14aの先端と幅Y1の直線による切り落とし面との間の麺線部分の肉厚を示している。なお、溝14aと溝14bとは点対称な形状なので、溝14bの先端における麺線部分の肉厚も同じくA3である。溝14a,14bの深さT1、すなわち、溝の先端から開口端面までの垂線の長さT1は、断面12の溝14a,14bの形成方向における径である幅Y1の1/2よりも大きいことが好ましい。それにより、肉厚A3を小さくすることができるとともに、図1においてA1およびA2で示す、断面12の円弧と溝14a,14bの円弧側の辺との間の肉厚を小さくすることができる。肉厚A3は、0.3mm〜0.8mmの範囲に設定される。
溝14a,14bの先端部は角度P1を有し、円弧側の辺が途中で鈍角に屈曲している。先端部側の辺と円弧との間の肉厚A2と、屈曲部における肉厚A1とは、共に0.3mm〜0.8mmの範囲に設定される。
なお、肉厚A1およびA2を含む、溝14a,14bの先端部から開口部までの肉厚を0.3mm〜0.8mmの範囲にすることができれば、溝14a,14bの円弧側の辺は屈曲していなくてもよい。しかし、図1のように、溝14a,14bの円弧側の辺が途中で鈍角に屈曲した形状を有していることにより、溝14a,14bの先端部から開口部までの肉厚の変化を小さくすることができる点で好ましい。また、溝14a,14bの円弧側の辺は、2箇所以上で屈曲していてもよい。
上述したように、A1〜A4で示した断面12の各部の肉厚は、0.3mm〜0.8mmの範囲とされている。ここで、麺線の横断面における麺線部分の肉厚を0.3mm以上とするのは、肉厚が0.3mm未満であると、食感が弱く、また、強度が小さいため麺10の製造が困難であるからである。一方、麺線の横断面における麺線部分の肉厚を0.8mm以下とするのは、0.8mmを超えると、茹で時間が長くなり、短時間での電子レンジ調理は難しいからである。また、断面12の各部の肉厚は、上記範囲でも特に、0.5mm〜0.6mmとするのが好ましい。この範囲とすることで、製造の安定性と茹で時間の短縮との両立のバランスが最も適当となるからである。
ここで、本発明において、麺線の横断面における麺線部分の肉厚とは、製造的見地から見て麺強度の骨格となる主要な部分の肉厚を意味し、溝を設けたことにより生じる、麺線の断面形状における端部を含まない。すなわち、製造的見地から見て麺強度の骨格となる麺の主要部(中心部)では、0.3mm以上の肉厚が必要であるが、麺線の断面形状における端部は、製造面での麺強度を大きく左右する部分ではないので、0.3mm以下であっても構わない。
言い換えれば、麺線の断面形状において、製造面での麺強度を大きく左右する部分、例えば中心から構成面積約80%の部分を主要部と呼び、この主要部においては、肉厚を0.3mm〜0.8mmとすることが重要である。しかし、この主要部よりも外側の、例えば構成面積約20%(片側で約10%)の端部においては、肉厚は上記範囲でなくともよい。
麺線部分の肉厚は、麺10の断面12におけるA4のように2直線で挟まれた部分では、2直線間の距離とし、A2およびA3のように外縁の一方が直線で他方が曲線または屈曲点の部分では、曲線または屈曲点から直線へ降ろした垂線の長さとし、A1のように外縁の一方が曲線で他方が屈曲点の場合には、それらの距離の最小値として得ることができる。
他の方法として、麺線部分の肉厚は、断面形状の中央線、すなわち向かい合う2つの外縁の中央の点を結んだ線を取り、この中央線に立てた垂線の断面内の長さとしてもよい。
また、麺線部分の肉厚、すなわちA1〜A4で示した断面12の各部の肉厚は、その差が小さいことが好ましい。これは、麺10の各部の肉厚を略均等にすることにより、均質な茹で上がり状態が得られるからである。
麺10は、茹でることで吸水し、麺線部分が膨張しつつ変形して溝14a,14bが塞がる。したがって、溝14a,14bのそれぞれは、先端部を境とする左右の辺の長さがほぼ同一であることが好ましい。溝14a,14bの左右の辺の長さをほぼ同一にすることで、溝14a,14bが塞がったときに、断面12の外周に大きな段差が生じることがなく、麺10の良好な外観、食味および食感を得ることができる。
また、溝14a,14bを断面12の中心について点対称に設けて、断面12を点対称な形状とすることで、安定した製造性を得ることができるとともに、茹で上がりの麺の断面形状を略円形または略楕円形にすることができ、麺10の良好な外観、食味および食感を得ることができる。
また、溝14a,14bの先端部の角度P1は、20度〜70度とするのが好ましい。角度P1を20度以上とするのは、20度未満では、茹で時間短縮効果が少ないからであり、70度以下とするのは、70度を超えると、溝14a,14bの幅が大きすぎて茹で上がり後であっても溝が完全に閉じない場合があるからである。なお、溝14a,14bの先端部は丸みを帯びていてもよい。
また、断面12において、麺線部分の肉厚に対する溝部分の幅の比を1.0:0.5〜2.0とするのが好ましい。図1を参照して具体的に言えば、溝14aに隣接する、溝14aの両側の麺線部分のうち、少なくとも一方の肉厚、例えばA4と、溝14aの開口部の幅W1との比が、1.0:0.5〜2.0(開口幅W1が、肉厚の0.5〜2.0倍)であるのが好ましい。ここで、開口幅を麺線部分の肉厚の0.5倍以上とするのは、0.5倍未満であると、茹で時間短縮効果が少ないからであり、開口幅を麺線部分の肉厚の2.0倍以下とするのは、2.0倍を超えると、茹で上がり後であっても溝が完全に閉じない場合があるからである。
以上のような断面形状を有する麺10は、断面12の肉厚が全体的に小さいため、茹で時間が大幅に短縮される。例えば、直径1.5mm〜1.7mm相当のスパゲティの乾麺であれば、溝なしの麺では茹で時間が5分〜8分のところ、断面12を有する本発明の麺10では茹で時間を1分〜3分程度にまで短縮することができる。電子レンジで調理においては、麺重量に対して約2倍量の水を使用して、3〜5分で喫食可能となる。
また、麺10は、断面12の全体において肉厚の変化が小さく、ほぼ均等であるため、麺全体を均等な固さに茹で上げることができ、良好な食味および食感を得ることができる。
さらに、麺10に形成された溝14a,14bは、茹で上がったときに溝が完全に閉じ、かつ、閉じた部分に大きな段差も無い、良好な外観を得ることができる。
なお、図1の例では、溝14a,14bを略V字形としているが、溝14a,14bは、先端部を境とする左右の辺が平行または略平行な、U字形としてもよい。溝をU字形とする場合にも、麺類の断面を、先端部の角度の条件を適用しない以外は、上記のV字形の場合と同様に構成することで、上記の例と同様の作用効果を得ることができる。
また、図1の例では、麺10の横断面の主外形を1つの円の円弧としているが、麺線の断面の主外形は、楕円の円弧としてもよい。
上記の実施形態では、2本の溝を形成し、かつ、2つの溝を断面において点対称に設けることにより、断面形状を点対称としている。この形態は、製造時における麺の強度バランスがよく、良好な茹で上がり形状、ひいては良好な食味及び食感を得られる点で特に好ましい。しかし、本発明の麺類の他の実施形態として、溝を3本以上設けてもよい。この場合には、溝を断面の左右(向かい合う位置)から交互に設け、溝の寸法および各部の肉厚の寸法を、上述の条件を満たすように設定すればよい。このとき、断面形状を点対称または線対称とすることが好ましい。
本発明は、生麺、茹麺、蒸麺、乾麺、即席麺等、各種の麺類に適用することができる。中でも乾麺は、生麺等に比して茹で時間が長いため、本発明を適用することによる茹で時間短縮の効果が高い。
また、本発明は、引き延ばし成形する方法、圧延成形したものを線切りする方法、押出し成形する方法等、各種の製造方法により得られた麺類に適用することができる。特に、押出し成形する場合には、押出しダイの形状を麺線の横断面の形状に対応するものとすることにより、製麺と溝形成を同時に行うことができるので、本発明の適用が容易である点で好ましい。なお、引き延ばし成形する方法や圧延成形後線切りする方法の場合には、麺の成形後に別途溝形成工程を設ければよい。
次に、本発明のさらに好ましい形態、および本発明の溝付き麺類の製造方法について説明する。
上述した本発明の溝付き麺類を乾麺に適用する場合、麺の品質をさらに良好なものにするために、その乾麺の製造は、所定形状の生麺を成形した後、その生麺を飽和水蒸気または過熱水蒸気によって5〜60秒間熱処理して、麺線の表面近傍のみをα化(糊化)させ、その後に、調湿乾燥することにより行うのが好ましい。
ここで、麺線の表面とは、麺線に形成された溝の表面を含む、麺線の全表面である。
麺線の表面近傍のみをα化するとは、麺線の全体をα化するのではなく、麺線の内部を残して、表面側の部分のみをα化することを意味する。特に、麺線の断面における表面から断面形状の中心(断面形状が矩形である場合には中央線)までの長さ(深さ)に対し、その5〜20%程度までをα化するのが好ましい。麺線の表面近傍をα化しておくことにより、喫食のために加熱するときに、麺表面からの澱粉成分等の茹で溶けが減少するので、麺の品質が向上する。また、茹で溶けの減少により、茹でる水の量を大幅に減少することが可能となる。また、麺線の内部をα化させずに残しておくことにより、パスタにおいては、従来の乾物パスタを調理したときと同様な良好な食感を得ることができる。このような利点は、各種の麺類において共通する。
各種の乾燥麺類について、飽和水蒸気または過熱水蒸気による熱処理を5〜60秒間行えば、麺線の表面近傍のみをα化することができるが、麺類の種類や形状に応じて、飽和水蒸気または過熱水蒸気を使用して、5〜60秒間のうちで、麺線の断面積のうち表面から5〜20%程度をα化できる時間を採用するのが好ましい。
各種麺類の表面近傍のみをα化する場合は、処理時間が5〜60秒間と比較的短い為、飽和水蒸気あるいは過熱水蒸気のいずれを使用しても、表面のα化の程度や麺の外観、状態(付着等)に大きな差は生じない。
飽和水蒸気によって熱処理する場合は、常圧又は加圧された飽和蒸気を使用して、常圧下で処理すれば良いが、生麺の表面のみをより短時間で処理する為には加圧された飽和蒸気を使用することが好ましい。例えば、蒸気圧1.8kg/cm2で121℃の飽和水蒸気を常圧下(大気中)で5〜60秒、成形後の生麺に向けて吹き付ける。
過熱水蒸気によって熱処理する場合には、飽和水蒸気処理に比べ、蒸気の湿り度が低い為、処理後の麺の表面がやや渇き気味になり、熱処理後の麺線同士の付着が抑制され、麺のさばき(ハンドリング)が良くなる特徴がある。麺の水分含量や形状、表面の状態により麺線同士が付着し易いものについては過熱水蒸気を使用することが好ましい。例えば、170℃に加熱した過熱水蒸気を常圧下(大気中)で5〜20秒、成形後の生麺に向けて吹き付ける。
生麺の形状は、乾麺にしたときに、上述した本発明の溝付き麺類となるように設定されればよい。生麺の成形方法は、上述した通りである。
調湿乾燥とは、湿度を保ちつつ麺を乾燥させる処理である。例えば、パスタであれば、温度70℃、湿度75%の環境下で10〜15時間乾燥させる。このように調温調湿環境下でゆっくり乾燥させることにより、麺の表面がひび割れるのを防ぎ、色味も良く、外観の良い乾麺を得ることができる。
本発明を適用できる麺類の具体例としては、各種パスタ、そば、うどん、ラーメンが挙げられる。また、本発明を適用する麺類は、従来の麺類と同様の、通常の材料によって製造することができる。
以上、本発明に係る溝付き麺類について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明をスパゲティに適用して試験を行った。
デュラム小麦のセモリナ100部と水30部とを混練して押出し成形機に供給した。
押出しダイには、内径2.45mmの円形状のダイ穴の縦方向に、楔形(V字形)の2辺のうち円形の外周側の辺が屈曲部を有する変形楔形突起を、向かい合わせに2個有するものを用いた。このダイにより得られる麺は、図1と同様の断面形状を有するものとなる。
この押出し成形機より得られた生スパゲティを調湿乾燥して乾物スパゲティを得た。得られた乾物スパゲティの形状寸法は、図1の麺10の図に対応させて説明すると、直径X1=2.30mm、幅Y1=1.75mm、楔形溝の先端部の角度P1=45度、溝の開口幅W1=0.9mm、肉厚A1〜A4の最大値=0.55mm、最小値=0.45mm、平均値=0.50mmであった。
この乾物スパゲティを茹でたところ、2分で可食状態となり、押出しダイの変形楔形突起によって形成された溝は閉じて、1.6mmの溝なしスパゲティに相当するものとなった。なお、従来の1.6mmの溝なしスパゲティの茹で時間は7分、これに相当する従来の溝付きスパゲティ1.7mmの茹で時間は5分である。
本実施例によって得られたスパゲティは、外観、食味、食感とも1.6mmの溝なしスパゲティに比べ全く遜色ないものであった。
上記実施例1と同様にして、押出し成形機により生スパゲティを成形した後、蒸気圧1.8kg/cm2で121℃の飽和水蒸気を常圧下(大気中)で30秒、成形後の生麺に向けて吹き付けて蒸煮処理した。この熱処理により得られた生スパゲティの麺線方向に対する横断面を、蛍光顕微鏡で観察したところ、麺線の表面近傍、すなわち、麺線の断面における表面から断面形状の中心までの長さ(深さ)の約10%までが、α化されていた。
熱処理後の生スパゲティを、温度70℃、湿度75%の環境下に11時間置いて、調湿乾燥し、乾物スパゲティを得た。得られた乾物スパゲティの形状寸法は、図1の麺10と同様の断面形状を有し、各部の寸法は、直径X1=2.35mm、幅Y1=1.77mm、楔形溝の先端部の角度P1=45度、溝の開口幅W1=0.95mm、肉厚A1〜A4の最大値=0.55mm、最小値=0.45mm、平均値=0.50mmであった。
この乾物スパゲティを茹でたところ、2分で可食状態となり、上記実施例1で得られたものよりも、茹で液中への成分の湯で溶けが少なく、麺表面が滑らかであり品質的に優れていた。また、押出しダイの変形楔形突起によって形成された溝は閉じて、1.6mmの溝なしスパゲティに相当するものとなった。
本実施例によって得られたスパゲティは、外観、食味、食感とも1.6mmの溝なしスパゲティに比べ全く遜色ないものであった。
本発明に係る溝付き麺類の一実施形態の横断面図である。 従来の溝付き麺の断面形状を示す図である。
符号の説明
10、100 麺
12、102 断面
14a、14b、104 溝

Claims (5)

  1. 麺線の横断面の最大径が1.2mm〜3.0mmであり、その主外形が円または楕円の円弧である麺類であって、
    前記横断面の中心について点対称となる位置に、前記麺線の縦方向に沿った2本の溝を有し、
    前記溝のそれぞれは、前記麺線の内部に向かってV字形に形成され、その先端部から開口面までの距離が前記横断面の前記溝形成方向における径の1/2よりも大きく、
    前記麺線の横断面において、前記溝の形成方向にほぼ垂直な一対の平行線で前記麺線の外側部分を均等に切り落とした形状を有し、
    前記麺線の横断面において、前記溝のそれぞれは、前記円弧側の辺が途中で鈍角に屈曲しており、
    前記麺線の横断面の中心から構成面積約80%の部分における肉厚が0.3mm〜0.8mmであることを特徴とする溝付き麺類。
  2. 前記溝前記先端部の角度が20度〜70度である請求項に記載の溝付き麺類。
  3. 前記麺線の横断面において、前記溝に隣接する前記麺線の部分の少なくとも一方の肉厚と、前記溝の開口幅との比が、1.0:0.5〜2.0である請求項1または2に記載の溝付き麺類。
  4. 前記麺線の横断面は、その中心について点対称な形状である請求項1〜のいずれかに記載の溝付き麺類。
  5. 成形された生麺を、飽和水蒸気または過熱水蒸気によって5秒〜60秒間熱処理することにより前記麺線の横断面における表面から中心までの長さに対して5〜20%程度までの表面部分のみをα化した後、調湿乾燥して得られたものである請求項1〜のいずれかに記載の溝付き麺類。
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