JP6265678B2 - 乾燥そばの製造方法 - Google Patents

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本発明は、風味・食感に優れた乾燥そばに関するものである。
そば粉を用いた乾燥そばは、常温での長期保存が可能で、調理が簡便、かつ安価に提供される優れた加工食品である。例えば、カップ麺や袋麺の即席麺として利用されたり、いわゆる乾麺として利用される場合も多い。乾燥そばは、次のような工程により製造される。まず、そば粉と小麦粉又は澱粉等の粉体原料を準備し、当該粉体原料に食塩等を溶解した練水を加えて、混練し、複合・圧延を経て麺線として切出してそば粉を含む生麺(以下、生そば麺とする)を調製する。
当該生そば麺を蒸煮・茹で等でα化した後、熱風乾燥や油熱乾燥することで即席麺タイプの乾燥そばを製造することができる。また、生そば麺をそのまま常温等で乾燥することでいわゆる乾麺タイプの乾燥そばを製造することができる。
これらの乾燥そばは幅広く用いられており、様々な種類の商品が流通しており、優れたそば風味を有するものも多い。
しかし、乾燥そばにおいては、そばの風味がどうしても生そばよりも劣るという問題があり、風味の改良が求められていた。また、更なる食感の改良も求められている。このような状況の下、そば麺における風味・食感を改良できる方法としてそば粉自体の製造方法を見直したものとして以下の特許文献1がある。
特開第2009−112253号 上記特許の方法は優れた方法であると考えられる。しかし、製造工程を工夫したものではない。また、生麺を主に対象としており乾燥そばに適用できるかは検討の余地がある。
そこで、本発明者らは乾燥そばの復元時において、そば粉の香りをより高めることができ、食感にも優れた乾燥そばの製造方法を開発することを課題した。
その結果、種々の条件を検討する中において、製麺後の生そばを過熱蒸気で処理することによってその後、完成する乾燥そばが風味に優れ、食感も改良されることを見出した。
すなわち、本願第一の発明は、
「そば粉を含有する生麺を過熱蒸気処理し、乾燥して製造する風味・食感に優れた乾燥そばの製造方法。」、である。
さらに、前記乾燥は熱風乾燥で行うことが好ましい。
すなわち、本願第2の発明は、
「前記乾燥工程が熱風乾燥により乾燥である請求項1に記載の乾燥そばの製造方法。」、
である。
また、本願出願人は、そば粉を含有する生麺を過熱蒸気処理することによる乾燥そばの風味・食感の改良方法も意図している。
すなわち、本願第3の発明は、
「そば粉を含有する生麺を過熱蒸気処理することを特徴とする乾燥そばの風味・食感改良方法。」、である。
本発明の製造方法により、そば風味・食感が改良された乾燥そばを製造することできる。
試験例2におけるそば香気中の主要香気成分の相対値を示したグラフである。
以下に本発明を実施するための形態について説明する。但し、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
─そば粉─
そば粉は種々のタイプを使用することができる。具体的には、並み粉、更科粉、花粉(はなこ)等の分類や、一番粉(内層粉)、二番粉、三番粉種々のタイプを用いることができる。また、そば粉以外の成分としては、必要に応じて、通常の麺の原料として添加する前記以外の各種澱粉、グルテン、澱粉、食塩、アルカリ剤、増粘剤、麺質改良剤、色素等が用いられる。
粉体原料に占めるそば粉の含量としては、特に限定されない。概ね10重量%以上60重量%以下の場合が多い。
─そば粉を含有する生麺─
次に、上述の製麺用原料粉を用いて、常法により製麺して生そば麺を調製する。調製方法は特に限定されない。通常、前記のそば粉を含む原料粉に混練水( 必要に応じて、食塩、アルカリ剤、増粘剤、麺質改良剤、色素等の添加剤を加えた混練水)を加え、ミキサーで混練し混練物を調整する。尚、ミキサーは真空ミキサーを用いてもよい。次いで、複合ロールにて麺帯を形成する。麺帯形成の方法として混練物を押出機等で押し出して麺帯にする方法を採用してもよい。また、真空押出機等を用いて減圧下で押し出してもよい。
次いで、得られた麺帯をロール圧延し、所定の厚みとした後に、切刃を通過させる。これによって生そば麺を製造することができる。また、他の方法として、前記混練物をエクストルーダーで押し出して麺線とすることも可能である。
─過熱蒸気処理─
過熱蒸気とは、飽和蒸気を大気圧下において強制的に100℃以上に温度を上昇させた水蒸気のことをいう。過熱蒸気処理では、蒸煮庫内に配置された生の麺線に対して直接、過熱蒸気流を吹き付けるか、又は過熱蒸気雰囲気とすることで生そば麺線を処理することができる。
このように麺線に対し過熱蒸気処理を施すことにより、後述するように乾燥そばの復元後のそば風味を通常の蒸気による蒸煮の場合に比べて向上することができる。また、食感も改良することができる。さらに、本過熱蒸気処理を施すことにより、生そば麺線を一部又は全部をα化させることもできる。
蒸気庫内において過熱蒸気流を麺線に吹き付ける場合、蒸気流の噴出口の個数は限定されない。麺線全体に均一に過熱蒸気流が吹き付けられるよう複数の噴出口を設けることが好ましい。特に麺線は、麺線同士が折り重なって形成される厚みのある麺塊の状態で蒸煮されるので、すべての麺線に均一に過熱蒸気流が付与されるように過熱蒸気流は麺線の上下方向から同時に吹き付けてもよい。
本発明で使用する過熱蒸気としては、低温から高温のものを使用することができる。具体的には、麺線表面がさらされる、すなわち麺線にごく近い周囲で測定する過熱蒸気流温度が105〜320℃程度の範囲になるよう、過熱蒸気処理をする。尚、本発明における過熱蒸気処理とは、飽和蒸気のみを加熱したタイプのみでなく、飽和蒸気と空気を混合し、この状態で加熱するタイプの過熱蒸気も当然に含む。
本発明での過熱蒸気処理は、このような過熱蒸気処理を、5秒〜4分程度という時間、麺線表面に直接吹き付けるか、当該過熱蒸気雰囲気とすることで実施することができる。
さらに、この過熱蒸気処理では、過熱蒸気とともに、通常の飽和蒸気を同時に使用してもよい。これにより過熱蒸気流が与える急激な変化を緩和することができる。
上記の過熱蒸気処理は一回のみでもよいし、間に過熱蒸気処理以外のステップを介して複数回実施してもよい。例えば、水分補給工程を間に介してもよい。尚、当該水分補給工程における水又はお湯は着味液やほぐれ剤を含んでいてもよいことは勿論である。本水分補給工程は、シャワー又は浸漬により行うことができる。
製造される乾燥そばの食感及び風味が向上するので、シャワー又は浸漬する水又はお湯の温度はより高いものであることが好ましく、具体的には40℃以上が好ましい。これにより、過熱蒸気によって水分が失われて行くのを補うだけでなく、食感や風味を生麺により近づけることができる。好ましい加水量としては、蒸煮の麺線重量に対して5〜30%程度である。
次に、水分補給工程で水分が補給された麺線に対し、続いて再度、第二の過熱蒸気処理を行うことが可能である。この工程での過熱蒸気処理は、第一の過熱蒸気処理工程と同様に、もしくは温度条件を変えて過熱蒸気を使用してもよいし、通常の飽和蒸気を使用してもよいし、両者を併用してもよい。
上記の第二過熱蒸気工程に続いて、さらに水分補給工程を付加してもよい。また、これらの工程を繰り返してもよいことは勿論である。また、これらに続いて水分含量の調整のために、次に述べる熱風乾燥の工程を連続させる。
─乾燥工程(乾燥して製造する)─
以上のように過熱蒸気処理した麺線を、乾燥工程に付すことで麺線の水分を除去して乾燥そばとする。尚、先の過熱蒸気処理を連続して実施ことで、本乾燥工程とすることも可能である。すなわち、過熱蒸気は高温であり、急速に乾燥が進んで行くため処理時間において管理する必要があるが、過熱蒸気処理は乾燥工程においても利用することがきる。したがって、生そば麺に対して過熱蒸気処理するのみで“過熱蒸気処理+乾燥工程”の両方を兼ねることも可能である。
通常、乾燥工程に付す前には、通常1食分量の大きさにカットされて、リテーナ等に型詰めされる。その型詰めされた状態で乾燥工程を実施する。ただし、麺線のカット時期は特に限定されるものではない。
本発明での乾燥工程の種類は特に限定されず、即席麺や乾めんの製造において一般的に使用されている乾燥処理を適用することができる。具体的には、熱風乾燥処理、凍結乾燥処理、マイクロ波乾燥、常温又は低温での送風乾燥といったノンフライ乾燥処理やフライ(油揚げ)乾燥処理が挙げられる。これらを組み合わせて乾燥工程を実施することができる。具体的な条件は特に限定されないが、例えば、熱風乾燥処理の場合は通常60〜120℃で15〜180分程度の処理を実施すればよい。また、フライ乾燥処理の場合は通常130〜160℃で1〜3分間程度処理すればよい。乾燥後の麺線の水分含量は、熱風乾燥処理の場合で5〜14%程度、フライ乾燥処理の場合で1〜5重量%程度とすればよい。
─本願製法により得られる乾燥そば─
本願に記載の製造方法により得られる乾燥そばは、様々な喫食方法が可能である。すなわち、カップ状の容器に収納して注湯して湯戻しして喫食できるそばの即席カップ麺として利用できる。また、鍋等の調理器具で所定時間、茹でることで湯戻しして喫食できるいわゆる袋タイプの乾燥そばとして利用できる。また、必要に応じて湯こぼししてもよいことは勿論である。
─風味の増強について─
そばの風味には揮発性成分を含む数多くの成分が関与しており、そば粉特有の揮発性成分の量が多いほど風味が良好である(とされる)。本発明の製造方法により得られる乾燥そばは、通常蒸気により処理した場合に比べてそばの香気の主要な成分であるhexanal、2-heptanone、2-nonenal、salicylaldehyde(日本食品工業学会誌 Vol.33, No.11, 769〜772, 1981)あるいは、2,6-nonadienalやbenzothiazole(Agric. Biol. Chem., Vol.47, NO. 4, 729〜738, 1983)などの揮発性成分の(残存)量が大幅に増加し、生そばに近い風味をもたらす。このことから過熱蒸気処理を用いる本発明の乾燥そばの製造方法は、そばの風味に富んだ乾燥そばを製造するのに適した方法であるといえる。さらに、そば風味向上の効果は上述のGC−MSを用いた揮発性成分の分析データだけではなく、熟練のパネラーによる官能試験においても認められる。
─食感の改良について─
本発明の製造方法により得られる乾燥そばは、通常の蒸煮した場合と比べて食感に優れている。そば粉の澱粉は、後述する試験例2に示すように、粘弾性向上や粉っぽさ低減という特性を有しているため、これらの澱粉の性質が過熱蒸気処理による高温処理に適しており、独特の食感を有するものと考える。
以下に本願発明の実施例を記載する。本願発明の実施例はこれらの実施例に限定されるものではない。
[試験例1](官能試験)
そば粉を有する生麺線に対し、過熱蒸気処理あるいは通常蒸気処理を行い、その後、それぞれの麺線群を熱風乾燥してそば乾燥麺塊を調製した。当該乾燥麺塊を用いて試食を行った。
(実施例1)(本願製法の場合1)
使用したそば粉を含む乾燥麺塊は以下のように調製した。そば粉300gに小麦粉700gを加え、当該粉体1kgに対して、食塩、かんすい等を溶解させた水315mlを加えて、混練・複合し、1.3mmに圧延し麺帯を調製した。得られた麺帯を18番の切刃でそば麺線を切出した。当該生そば麺線をネットコンベアで搬送しつつトンネル型の蒸気庫内で麺線に過熱蒸気を吹き付けた。過熱蒸気の条件は、蒸気流量140kg/h、温度は170℃で行った。蒸気庫内で20秒間、過熱蒸気を吹き付けた後、直ぐに系外に排出して約60℃の水を7秒間シャワーして水分を供給した。当該水分供給後のシャワー後の麺線群を金属性のリテーナに120g収納し、90℃・22分熱風乾燥して、そば粉を含む乾燥麺塊を調製した。
(実施例2)(本願製法の場合2)
実施例1において、過熱蒸気の処理時間が蒸気庫内で40秒間である点を除いては実施例1と同様に行った。
(比較例1)
実施例1において、過熱蒸気の処理をせずに、通常蒸気による処理(蒸気流量140kg/h)を蒸気庫内で20秒間行った点を除いては実施例1と同様に行った。
(比較例2)
実施例1において、過熱蒸気の処理をせずに、通常蒸気による処理(蒸気流量140kg/h)を行った点、及び通常蒸気による処理時間が蒸気庫内で40秒間である点を除いては実施例1と同様に行った。風味の評価については以下に示す方法で行った。
─評価方法─
上記実施例1及び2、比較例1及び2の各サンプルを熱湯500mlを含む鍋で4分間調理して乾燥そばを湯戻しして復元した。当該復元後のそばを喫食して、過熱蒸気処理の場合と通常蒸気による蒸煮の場合の風味を確認した。尚、評価は熟練の技術者5人によって以下の基準により行った。
喫食時のそばの風味: 5(そばの風味が強い) → 1(そばの風味が弱い)
結果を表1に示す。
通常蒸気処理の場合に比べて過熱蒸気処理した場合の方が、そばの風味が強いことが認められた。さらに、食感の評価についても行った。」
─評価方法─
上記実施例1及び2、比較例1及び2の各サンプルを熱湯500mlを含む金属製の鍋で4分間調理して乾燥そばを湯戻しして復元した。5人の熟練のパネラーが当該復元後のそばを喫食して、過熱蒸気処理の場合と通常蒸煮の場合の粘弾性、粉っぽさ、湯伸びを確認した。尚、評価は以下の基準によって行った。

喫食時の粘弾性: 5(粘弾性が強い) ⇔ 1(粘弾性が弱い)
粉っぽさ: 5(粉っぽさがない) ⇔ 1(粉っぽい)
湯伸び: 5(湯伸びが少ない) ⇔ 1(湯伸びが大きい)
結果を表2に示す。
過熱蒸気処理を施した方が通常の蒸煮の場合よりも、そば澱粉において食感(粘弾性、粉っぽさ、湯伸び)のいずれにおいても過熱蒸気処理した方が優れていることが判明した。
[試験例2](揮発性成分の測定)
そば粉を有する生麺線に対し、過熱蒸気処理あるいは通常蒸気処理を行い、その後、それぞれの麺線群を熱風乾燥してそば乾燥麺塊を調製した。当該乾燥麺塊を用いてGC−MSを用いた香気解析を行った。
(実施例3)(過熱蒸気処理後、熱風乾燥させた麺の調製方法)
使用したそば粉を含む乾燥麺塊は以下のように調製した。そば粉300gに小麦粉600g、澱粉100g及び乾燥グルテン60gを加え、当該粉体1060gに対して、食塩、かんすい等を溶解させた水315mlを加えて、混練・複合し、1.3mmに圧延し麺帯を調製した。得られた麺帯を18番の切刃でそば麺線を切出した。当該生そば麺線をネットコンベアで搬送しつつトンネル型の蒸気庫内で麺線に過熱蒸気を吹き付けた。過熱蒸気の条件は、蒸気流量140kg/h、温度は170℃で行った。
蒸気庫内で20秒間、過熱蒸気を吹き付けた後、直ぐに系外に排出して約60℃の水を7秒間シャワーして水分を供給した。当該水分供給後のシャワー後の麺線群を金属性のリテーナに120g収納し、90℃・22分熱風乾燥して、そば粉を含む乾燥麺塊を調製した。
(比較例3)(生そばの調製方法)
実施例3において、切出し後の生麺線をそのまま用いた。
(比較例4)(通常蒸気処理後、熱風乾燥させた麺の調製方法)
実施例3において、過熱蒸気の処理をせずに、通常蒸気による蒸煮(蒸気流量240kg/h 2分間)を行った点を除いては実施例1と同様に行った。
─評価方法─
実施例3及び比較例4で調製した乾燥麺塊については、麺塊80gに沸騰水を400g注いで5分間湯戻しして復元した。比較例3で調製した生そばについては、麺塊110gを沸騰水500gの入った鍋に入れ、3分間煮込み調理を行い復元した。
<香気回収・GC−MS解析方法>
上記の方法で復元した麺8gをバイアル瓶に入れ、ツイスター(Twister、Gestel社製)によるヘッドスペース吸着抽出法(Headspace Sorptive Extraction法、80℃、60分間)によりヘッドスペース香気を捕集し、ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC−MS)にて、そば香気中の主要香気成分のトータルイオンクロマトグラムのエリア面積を求めた。当該分析機器・装置類を表3に示す。また、結果を表4に示す。また、生そばを100%としたときの相対値(%)のグラフを図1に示す。

熱風乾燥によりそばの揮発性成分は減少するが、通常蒸気処理と過熱蒸気処理を比べると過熱蒸気の方が揮発性成分の残存が多く、中には生そばよりも増加する成分も見られた。このことは通常蒸気よりも過熱蒸気により製造されたそばの方が生そばの風味に近いことを示しており、本発明による製造法はそば風味に優れた乾燥そばの製造方法であるといえる。
[試験例3](そば澱粉の特性)
そば粉と小麦粉の澱粉の特性を比較するために、市販のそば粉4種と小麦粉1種を用いて、アミログラフを測定した。アミログラフはブラベンダー社製のアミログラフPGT−6A機を用いた。アミログラフの測定は無水物換算で6%に調製した澱粉スラリーの糊化特性を、アミログラムを用いて測定した(測定条件:30℃で測定を開始した後、1.5℃/分で96℃まで昇温させ、その後96℃を10分間維持した。測定結果を表5に示す。
小麦粉に対して各そば粉はいずれも糊化開始温度が小麦粉よりも高く、また、最高粘度温度も小麦粉よりも高く96℃以上であることが判明した。また、最高粘度も小麦粉よりも大きいことが判明した。そば粉の澱粉の特性を示す結果である。
次に、同様の試験を走査型示差熱量測定(DSC)によって糊化温度を測定した。使用した機器は、パーキンエルマー社のDSC8500を用いた。測定条件は、試料7mgに対して水3mgを加え、10℃/分の測定条件で行った。結果を表6に示す。
小麦粉に対して各そば粉はいずれも糊化開始温度、糊化ピーク温度、糊化終了温度のいずれも小麦粉よりも高かったことが判明した。
そば粉を用いた場合、その澱粉の性質より過熱蒸気のような高温による処理適性があることが判明した。
[試験例4](飽和蒸気と空気の混合を加熱することによる過熱蒸気処理としたもの)
(実施例5)
使用したそば粉を含む乾燥麺塊は以下のように調製した。そば粉300gに小麦粉700gを加え、当該粉体1kgに対して、食塩、かんすい等を溶解させた水315mlを加えて、混捏・複合・圧延して厚み1.3mmの麺帯としたものを、18番の角刃の切刃で麺線状にして生麺とした。この生麺100gを1食分として、底面の直径が125mmで多数の通気孔を有する深さ50mmの円筒形のステンレス製乾燥枠に収容した。
次いで、市販の空気混合が可能なトンネル型過熱蒸気供給式乾燥器を用いて、60kg/hの蒸気とコンプレッサーからの空気を加熱室内に導入し、加熱室内に設けた電気ヒーターで加熱して得られた空気混合過熱蒸気をトンネル型過熱蒸気供給式乾燥器内に設けた噴射管を経て、トンネル型過熱蒸気供給式乾燥器内を通過する乾燥枠に収容した上記生麺の上下方向から噴射して3分間乾燥した。この時の乾燥枠近傍の温度は220℃、空気の混合比率は17%であった。

─評価方法─
上記実施例5及び試験例1における比較例2の各サンプルを、熱湯500mlを含む鍋で4分間調理して乾燥そばを湯戻しして復元した。当該復元後のそばを喫食して、空気混合型の過熱蒸気処理の場合と通常蒸気による蒸煮の場合の風味・食感を確認した。尚、評価方法は試験例1と同様に行った。風味の結果を表7に示す。

空気混合型の過熱蒸気を用いた処理の場合においても、通常蒸気処理の場合よりもそばの風味が強いことが認められた。さらに、食感においても実施例5は、比較例2に比べて優れていた。

Claims (2)

  1. そば粉を含有する生麺を過熱蒸気処理し、さらに乾燥することを特徴とする乾燥そばの風味・食感改良方法。
  2. 前記乾燥が熱風乾燥である請求項1に記載の乾燥そばの風味・食感改良方法。
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