JP2002218930A - 焦げ目付麺の製造方法及びその麺 - Google Patents

焦げ目付麺の製造方法及びその麺

Info

Publication number
JP2002218930A
JP2002218930A JP2001059272A JP2001059272A JP2002218930A JP 2002218930 A JP2002218930 A JP 2002218930A JP 2001059272 A JP2001059272 A JP 2001059272A JP 2001059272 A JP2001059272 A JP 2001059272A JP 2002218930 A JP2002218930 A JP 2002218930A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noodles
browned
noodle
producing
browning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001059272A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4355885B2 (ja
Inventor
Toshihiko Kawashima
敏彦 川島
Mariko Ohiga
万里子 大比賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadaya Corp
Original Assignee
Shimadaya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadaya Corp filed Critical Shimadaya Corp
Priority to JP2001059272A priority Critical patent/JP4355885B2/ja
Publication of JP2002218930A publication Critical patent/JP2002218930A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4355885B2 publication Critical patent/JP4355885B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Noodles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 焦げ目付前の麺が有する麺本来の品質を極力
損なわないように焦げ目を付ける製造方法及び新しい品
質の麺の提供。 【解決手段】 常圧下で100℃以上、好ましくは30
0℃以上で電磁誘導加熱で得られた水蒸気にて30秒以
内で焦げ目を付ける。焦げ目を付ける麺は蛋白質、増粘
物質澱粉のいずれか1種以上が配合された麺を減圧条件
下生地を混練するか、減圧下に押出し処理して麺帯又は
麺線としたものであり、ゆで後速やかに冷却、焦げ目付
けする。焦げ目付け後、糖、糖アルコール、油脂のいず
れか1種以上を麺線にコーティングし包装後加熱処理を
行う。焦げ目付麺は、生麺、冷凍麺、半生麺乾燥麺であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焦げ目付麺の製造
方法及びその麺に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、麺に焦げ目を付ける方法として
は、アルファ化した麺類を成型し冷凍した後に焦げ目付
与処理を施す方法(特開平05−268897)、アル
ファ化した麺を、高温の熱風を直接吹き付けて短時間加
熱する方法(特開2000−245376)等様々提案
されている。しかしながら、いずれの方法においても焦
げ目付前の麺が有する品質を大きく損なうものであり、
例えば、最もおいしいとされるゆで上げ直後の食感(弾
力感、粘り、滑らかさ等)を、残存させることは実質的
に無理である。また、澱粉、蛋白物質、増粘物質を配合
して特徴ある麺を製出しても、焦げ目を付ける段階で、
粘弾性、歯切れ感等の品質が大きく損なわれてしまう。
焦げ目を付けた後、保存性を付与するために容器・包装
に封入してから加熱処理すると、更に熱によって品質が
損なわれてしまうという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、焦げ目付前
の麺が有する品質(以下麺本来の品質)を極力損なわな
いように焦げ目を付ける製造方法及び新しい品質の麺に
関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、常圧下で1
00℃以上の水蒸気にて麺に焦げ目を付けることで上記
課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち本発明は、常圧下で100℃以上の水蒸
気にて焦げ目を付けることを特徴とする焦げ目付麺の製
造方法(請求項1)や、前記水蒸気が電磁誘導加熱によ
って得られたものであることを特徴とする請求項1記載
の焦げ目付麺の製造方法(請求項2)や、焦げ目付に要
する時間が30秒以内であることを特徴とする請求項1
又は/及び2記載の焦げ目付麺の製造方法(請求項3)
や、前記水蒸気が300℃以上であることを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載の焦げ目付麺の製造方法
(請求項4)や、焦げ目を付ける麺を製出するにあたり
蛋白物質、増粘物質、澱粉のいずれか1種類以上を配合
することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
焦げ目付麺の製造方法(請求項5)や、焦げ目を付ける
麺を製出するにあたり減圧条件下にて生地を混練する
か、生地を減圧下にて加圧して押し出し処理して麺帯と
するか又は麺線とすることを特徴とする請求項1〜5の
いずれかに記載の焦げ目付麺の製造方法(請求項6)
や、常法通り製出した生麺を、ゆで後、速やかに冷却、
焦げ目付けすることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
かに記載の焦げ目付麺の製造方法(請求項7)や、焦げ
目付け後、糖、糖アルコール、油脂のいずれか1種類以
上を麺線にコーティングすることを特徴とする請求項1
〜7のいずれかに記載の焦げ目付麺の製造方法(請求項
8)や、焦げ目付けを経て包装後、加熱処理することを
特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の焦げ目付麺
の製造方法(請求項9)や、常法通り製出した生麺を、
蒸し後、焦げ目付けすることを特徴とする請求項1〜6
のいずれかに記載の焦げ目付麺の製造方法(請求項1
0)や、焦げ目付け後、糖、糖アルコール、油脂のいず
れか1種類以上をコーティングすることを特徴とする請
求項10記載の焦げ目付麺の製造方法(請求項11)
や、焦げ目付けを経て包装後、加熱処理することを特徴
とする請求項10又は11記載の焦げ目付麺の製造方法
(請求項12)や、焦げ目付けを行った後、ゆで、又は
/及び蒸し処理することを特徴とする請求項1〜6のい
ずれかに記載の焦げ目付麺の製造方法(請求項13)に
関する。
【0005】また本発明は、焦げ目付麺が生麺であるこ
とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の焦げ目
付生麺(請求項14)や、焦げ目付麺が、ゆで、又は/
及び蒸し工程によって製出される麺であることを特徴と
する請求項1〜13のいずれかに記載の焦げ目付麺(請
求項15)や、焦げ目付麺が冷凍麺であることを特徴と
する請求項1〜13のいずれかに記載の焦げ目付冷凍麺
(請求項16)や、焦げ目付麺が半生麺であることを特
徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の焦げ目付半生
麺(請求項17)や、焦げ目付麺が乾燥麺であることを
特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の焦げ目付
乾燥麺(請求項18)に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明でいう常圧下で100℃以
上の水蒸気とは、例えば、高周波誘導加熱電源によって
加熱されたものがある。具体的には、ボイラー等で発生
させた水蒸気を、電磁誘導加熱により加熱した黒鉛製ヒ
ーター等にて更に加熱して高温の水蒸気を得る方式であ
り、常圧下で1000℃以上の水蒸気が得られる。上記
電磁誘導加熱によって高温の水蒸気を得る装置について
は様々開発されているが、本発明においては麺に焦げ目
を短時間で付けることが可能な高温の水蒸気(以下過熱
水蒸気)であれば、その発生方法等は特に問わない。
【0007】本発明で重要なのは、「焦げ目を付ける方
法」、「焦げ目を付ける麺の配合・製法」、「焦げ目を
付けるタイミング」、「焦げ目を付けた麺の処理」等で
ある。焦げ目を付ける方法であるが、例えば、冷凍ゆで
うどんの場合、水分勾配を含めてゆで上げ直後の品質を
極力維持するには30秒以内、望ましくは10秒以内に
焦げ目を付ける必要がある。過熱水蒸気の温度である
が、上記条件等を達成して麺本来の品質を大きく損ねな
いためには300℃以上、望ましくは400℃以上が必
要である。焦げ目付けは、過熱水蒸気を引き込んだ容器
内でおこなっても良いが、過熱水蒸気を直接麺に吹き付
ける方法が、簡単であり、本発明の効果もより享受でき
る。要は、出来る限り短時間で、焦げ目を付けることが
重要である。
【0008】本発明で使用する蛋白物質とは、小麦蛋
白、卵蛋白、乳蛋白等、増粘物質とは、キサンタンガ
ム、グァーガム、アルギン酸、アルギン酸Na、ジェラ
ンガム、カルボキシルメチルセルロースカルシウム、カ
ルボキシルメチルセルロースナトリウム、サイリューム
シードガム、カードラン、カラギナン、アルギン酸プロ
ピレングリコールエステル等、油脂とは、大豆油、コー
ン油、麺実油、パーム油、ラード等、澱粉とは、タピオ
カ澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、緑豆澱粉、甘
藷澱粉、サゴ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、及びこれら澱粉
にアルファ化、酸化、エステル化、エーテル化、架橋化
等の処理を施した加工澱粉等である。
【0009】蛋白及び増粘物質を配合することで、例え
ば、焦げ目を付けるにあたって麺線表面に生じるクレー
ター様の損傷や表層部の亀裂、剥がれ等を抑制するとと
もに、それぞれの物質が有する蛋白物質であれば、歯切
れ感、風味等、増粘物質であれば粘りが、残存した従来
にない望ましい特徴を有した焦げ目付麺が製出できる。
同様に麺の物性改良として必要不可欠な澱粉類を配合し
た場合も、麺線表面に生じるクレーター様の損傷や表層
部の亀裂、剥がれ等を抑制する効果があり、澱粉由来の
物性が、焦げ目を付ける際に大きく損なわれることがな
く従来にない望ましい特徴を有した焦げ目付麺が製出で
きる。
【0010】また、減圧条件下にて生地を混練するか、
麺生地を減圧下にて加圧して押し出し処理して麺帯とす
るか又は麺線として製出した麺についても同様に麺線表
面に生じるクレーター様の損傷や表層部の亀裂、剥がれ
等が抑制でき、従来にない特徴を有した食感の焦げ目付
麺が製出できる。焦げ目を付けるタイミングであるが、
ゆで麺又は蒸し麺の場合、ゆで上げ又は蒸し上げ後、1
0分以内、望ましくは5分以内に行うことが望ましい。
その場合、ゆで上げ又は蒸し上げ後、速やかに麺線を冷
却してから、速やかに焦げ目付けを行うことがより望ま
しい。最終的に麺線を凍らせてから、焦げ目を付けるこ
とが最良であるが、生産性等を考慮した場合、品温15
℃以下でも効果は充分に享受できる。焦げ目を付けた麺
は糖、糖アルコール、油脂のいずれか1種類以上を表面
にコーティングすることで、焦げ目部分の色相が徐々に
拡散(以下焦げ目色相の退色)する現象を抑制すること
ができる。油脂は、麺線のほぐれの悪化を抑制する効果
も有しており、これらを併用することが望ましい。
【0011】糖とはキシロース、アラビノース、麦芽
糖、オリゴ糖等、糖アルコールとは、ソルビトール、キ
シリトール、エリスリトール、マルチトール等、油脂と
は、菜種油、コーン油、パーム油脂、ラード等である。
焦げ目を付けた麺を、ポリエチレン、ポリプロピレンや
これらにナイロンや塩化ビニリデンをコートした耐熱性
袋・容器に入れ、加熱殺菌処理を行うことで、保存性を
有した焦げ目付麺が得られる。加熱殺菌処理について
は、熱水、蒸気、遠赤外線、マイクロ波等いずれの方法
を用いても良いが、焦げ目付工程での加熱による損傷を
極力小さくすることで、通常の殺菌条件でも商品的に問
題のない品質のものの製出が可能となる。
【0012】本発明でいう焦げ目付生麺とは、常法通り
製麺して得た麺帯又は麺線の段階で焦げ目を付けたも
の、焦げ目付冷凍麺とは、生麺、ゆで麺、蒸し麺のいず
れかに凍結前、又は凍結後に焦げ目を付けもの、半生麺
とは焦げ目付生麺を、常温又は加熱空気或いは湿熱空気
等を使用することにより、水分20〜30%程度になる
まで乾燥したもの、焦げ目付乾燥麺とは、常温又は加熱
空気或いは湿熱空気等を使用することにより水分15%
以下にまで乾燥したものをいう。
【0013】
【実施例】以下に、実施例を掲げて本発明を更に具体的
に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの実施例
によって何ら限定されるものではない。
【0014】A[実験方法] A−1(生うどん、ゆでうどん、蒸し中華麺の調製方
法) (1)生うどん 小麦粉に8重量%の食塩水を加え混練して常法通り製麺
して生うどん(切刃は角10番)とした。混練は、バキ
ュームミキサー(トーキョーメンキ製)を使用し、減圧
条件下での混練にあたっては450mmHgの条件で行
った。 (2)ゆでうどん 小麦粉又は小麦粉以外の原料(卵白、小麦蛋白、ワキシ
ーコーンスターチ、タピオカスターチ、キサンタン)を
配合・製出した生うどんをゆでてゆでうどんとした。ゆ
でうどんの製出にあたっては、ゆで後、速やかに水道水
(23℃)又は冷水(2〜15℃)にて水洗・冷却し
た。 (3)蒸し中華麺 小麦粉に食塩及びかんすいをそれぞれ1.5重量%溶解
させた水を加え常法通り製麺し、丸20番の切刃にて切
断して生麺を得た。その生麺を中間で1回水道水シャワ
ーをかけて吸水させながら蒸し上げ、速やかに水道水
(23℃)又は冷水(2〜15℃)にて水洗・冷却して
蒸し中華麺とした。
【0015】A−2(焦げ目付け方法) ボイラーで発生させた水蒸気を、電磁誘導加熱により加
熱した黒鉛製ヒーターにて更に加熱してそれぞれの温度
の過熱水蒸気を得た。焦げ目付けについては、過熱水蒸
気噴出口から噴出される過熱水蒸気を対象に直接吹き付
けることで焦げ目付けを行うとともに、過熱水蒸気の温
度測定も併せて行った。蒸し中華麺を中火にてフライパ
ンで2分間、オーブン(200℃)で10分間、ゆでう
どんを中火にてフライパンで4分間、オーブン(200
℃)で20分間の焦げ目付けを行ったものを参考区とし
た。
【0016】A−3(焦げ目付け迄に要した時間) ゆでうどん及び蒸し中華麺において、水洗・冷却後、又
は凍結後、焦げ目付け迄に要した時間とした。
【0017】A−4(タイプ) (1)無処理タイプ 生うどん、ゆでうどん、蒸し中華麺に焦げ目付け(又は
必要により菜種油又は/及びマルトースをコーティン
グ)を行った後、ポリプロピレン製袋に150g封入し
たものを無処理タイプとして調製した。 (2)加熱殺菌タイプ ゆでうどん、むし中華麺に焦げ目付け(又は必要により
菜種油又は/及びマルトースをコーティング)を行った
後、ポリプロピレン製袋に150g封入し、麺塊中心部
が85℃になるように蒸気にて加熱処理を行ったものを
加熱殺菌タイプとして調製した。 (3)冷凍タイプ 生うどん、ゆでうどん、蒸し中華麺に焦げ目付けを行っ
たもの、又はゆでうどん、蒸し中華麺を製出して速やか
に−40℃の冷凍庫にて凍結処理を行ってから焦げ目付
けを行ったものを、ポリプロピレン製袋に150g封入
し冷凍したものを冷凍タイプとして調製した。 (4)生タイプ 生うどんに焦げ目付けを行ったものを生タイプとして調
整した。焦げ目付けは、製麺工程中の麺帯、又は麺線に
対して行ったものを生タイプとして調整した。 (5)半生タイプ 焦げ目付けを行った生うどんを、水分が25%程度にな
るまで常温風によって半乾燥したものを半生タイプとし
て調製した。 (6)乾燥タイプ 焦げ目付けを行った生うどんを、水分が13%になるま
で常温風によって乾燥したものを乾燥タイプとして調製
した。
【0018】A−5(コーティング) ゆでうどんの焦げ目付け後、150gに対して菜種油5
mlを、マルトース10mlを、そして菜種油5mlと
マルトース10mlを添加し満遍なく表面にコーティン
グした無処理タイプ、加熱殺菌タイプの焦げ目付ゆでう
どん、蒸し中華麺を調製した。
【0019】A−6(官能評価) 焦げ目付けを行わないものを対照区に、フライパン又は
オーブンで焦げ目付けを行ったものを参考区とし、いか
に焦げ目付けによって食感(弾力性、粘り、滑らかさ
等)が損なわれているかを基準とし評価を行った。ゆで
うどん、蒸し中華麺については、無処理タイプ、冷凍タ
イプ、加熱殺菌タイプともに電子レンジにて2分間加熱
し、生うどん、半生うどん、乾燥うどんについては、そ
れぞれ沸騰湯中で10分、12分、14分間加熱調理
し、評価を行った。
【0020】B[実験及びその結果] B−1(焦げ目付けに要する温度及び時間と官能評価) 焦げ目付けに要する過熱水蒸気温度と時間が食感等に及
ぼす影響(本発明区1)、油脂、糖をコーティングする
効果等(本発明区2)について表1の通りゆでうどん及
び蒸し中華麺(無処理タイプ、加熱殺菌タイプ、冷凍タ
イプ)について実験を行った。ゆで又は蒸し後の水洗・
冷却については、速やかに水道水(23℃)を用いて行
った。ゆでうどん及び蒸し中華麺について、フライパン
及びオーブンで焦げ目を付けた参考区1のものは対照区
が有する麺本来の食感が損なわれていたが、本発明区1
のものは、明らかに麺本来の食感が認められた。焦げ目
時間が短い程、麺本来の食感が残っており、特に30秒
を臨界として、その傾向が明らかであった。菜種油をコ
ーティングせずに焦げ目付けを行ったものについて、参
考区1ではフライパン及びオーブン容器の表面に麺が付
着し、表面の組織を大きく損ねてしまったが、本発明区
1のものについては全く問題がなかった。特にゆでうど
んについて、その傾向が顕著であった。加熱殺菌タイプ
については、参考区1では焦げ目付及び殺菌の2回の加
熱処理によって、麺本来の食感が損なわれた上に加熱に
よる物性の変化も大きく、とても商品とならないような
ものであったが、本発明区1及び2のものについては麺
本来の食感が残っており商品とし価値を有するものであ
った。冷凍タイプについては、参考区1ではゆで、蒸し
直後の水分勾配等から由来するコシの強さが損なわれて
いたのに対して、本発明区1ではそれが残っていた。参
考区1の無処理タイプ及び加熱殺菌タイプについて、1
日放置すると焦げ目部分の色相が徐々に拡散(以下焦げ
目色相の退色)していって商品価値を落としていったの
に対して、本発明区2のマルトースをコーティングした
ものは、これを抑制する効果があった。また、菜種油を
コーティングしたものについては、焦げ目色相の退色及
び麺線のほぐれ悪化の抑制効果が認められた。油脂とマ
ルトースを混合した液をコーティングすることで更に効
果は相乗的に向上した。加熱殺菌タイプ及び冷凍タイプ
では、従来にない麺本来の食感を有した品質のものを製
出するには焦げ目時間を30秒以内にすることが望まし
い結果となった。
【0021】B−2(焦げ目付の処理方法及び官能評
価) 焦げ目付け前の処理として品温と焦げ目付け迄に要する
時間が品質等に及ぼす影響について表2に示す通りゆで
うどん及び蒸し中華麺(無処理タイプ、加熱殺菌タイ
プ、冷凍タイプ)について実験を行った。冷凍タイプに
ついては水洗・冷却後に焦げ目付けを行ったものと水洗
・冷却後に速やかに冷凍、凍結させてから焦げ目付けを
行ったものを製出して評価を行った。本発明区3では冷
却水の温度(品温)が低くなる程、麺本来の食感が残る
物性を示し、特に冷却水を7℃以下(品温10℃以下)
にすることが有効であった。冷凍タイプで水洗・冷却後
に焦げ目付けを行ったものも、同様の結果を示したが、
冷凍後、凍結状態で焦げ目付けを行ったものは、特に麺
本来の食感が損なわれていない望ましいものであった。
フライパンやオーブンで焦げ目付けを行った参考品2で
は、調理器具への麺の付着が激しく表面の組織、食感を
大きく損ねてしまったのに対して、本発明区4では問題
がなかった。特に、水洗・冷却後、5分以内に焦げ目付
けを行ったものについては30分以上経ったものに比較
して麺本来の食感が明らかに残っていて非常に望ましい
ものであった。
【0022】B−3(麺の配合及びその評価) 小麦粉以外に蛋白物質として卵白及び小麦蛋白、澱粉と
してワキシーコーンスターチ及びタピオカスターチを、
増粘物質としてキサンタンを配合しその効果等(本発明
区5)について減圧条件下にて生地を混練した場合(本
発明区6)を含めて表3の通りゆでうどん(無処理タイ
プ、加熱殺菌タイプ、冷凍タイプ)を用いて実験を行っ
た。参考区3では、卵白による麺本来の歯切れ感、小麦
蛋白によるコシの粘り強さ、ワキシーコーンスターチに
よる強い粘り感、タピオカスターチによる特有の粘弾
性、キサンタンによる滑らかな粘り感等が損なわれたの
に対して、本発明区5では、それが残っており、従来に
ない望ましい品質を有した焦げ目付のゆでうどんであっ
た。また本発明区5のゆでうどんについては、焦げ目付
けによる麺線表面にクレーター様の損傷や亀裂、剥がれ
等が参考区3に比べて少なかった。減圧条件下にて生地
を混練したものについては、更にこれらが改善されると
ともに、食感についても従来にない特徴を有した望まし
い焦げ目付のゆでうどんであった。同様の効果が、無処
理タイプ、加熱殺菌タイプ、冷凍タイプについて共通に
確認された。
【0023】B−4(生麺タイプ、半生麺タイプ、乾燥
麺タイプ、冷凍生麺タイプの評価) 生うどんを用いて生麺タイプ、半生麺タイプ、乾燥麺タ
イプ、冷凍生麺タイプを表4の通り調製し評価を行っ
た。参考区4では、麺本来の食感が完全に損なわれてい
たのに対して、本発明区7では、明らかにその食感が認
められるものであった。参考区4では、麺帯への焦げ目
付けは、その後の圧延に支障をきたし、製麺ができなか
ったが、本発明区7では、製麺が可能であるばかりか、
その後のロール圧延によって焦げ目が圧着、拡散及び固
定されるという効果があった。同様な効果が、生麺タイ
プ、半生麺タイプ、乾燥麺タイプ、冷凍生麺タイプにつ
いて共通に確認されたとともに、特に30秒を臨界とし
て、その効果が顕著であった。
【0024】
【発明の効果】本発明は、麺本来の食感を極力損なうこ
となく焦げ目付が可能なことで、従来にない新しい品質
の麺の製造が可能になった。本発明方法は短時間で焦げ
目付けができることで従来の製麺方法を大きく変えるこ
となく連続生産が可能な画期的なものである。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常圧下で100℃以上の水蒸気にて焦げ
    目を付けることを特徴とする焦げ目付麺の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記水蒸気が電磁誘導加熱によって得ら
    れたものであることを特徴とする請求項1記載の焦げ目
    付麺の製造方法。
  3. 【請求項3】 焦げ目付に要する時間が30秒以内であ
    ることを特徴とする請求項1又は/及び2記載の焦げ目
    付麺の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記水蒸気が300℃以上であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の焦げ目付麺
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 焦げ目を付ける麺を製出するにあたり蛋
    白物質、増粘物質、澱粉のいずれか1種類以上を配合す
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の焦
    げ目付麺の製造方法。
  6. 【請求項6】 焦げ目を付ける麺を製出するにあたり減
    圧条件下にて生地を混練するか、生地を減圧下にて加圧
    して押し出し処理して麺帯とするか又は麺線とすること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の焦げ目付
    麺の製造方法。
  7. 【請求項7】 常法通り製出した生麺を、ゆで後、速や
    かに冷却、焦げ目付けすることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載の焦げ目付麺の製造方法。
  8. 【請求項8】 焦げ目付け後、糖、糖アルコール、油脂
    のいずれか1種類以上を麺線にコーティングすることを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の焦げ目付麺
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 焦げ目付けを経て包装後、加熱処理する
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の焦げ
    目付麺の製造方法。
  10. 【請求項10】 常法通り製出した生麺を、蒸し後、焦
    げ目付けすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の焦げ目付麺の製造方法。
  11. 【請求項11】 焦げ目付け後、糖、糖アルコール、油
    脂のいずれか1種類以上をコーティングすることを特徴
    とする請求項10記載の焦げ目付麺の製造方法。
  12. 【請求項12】 焦げ目付けを経て包装後、加熱処理す
    ることを特徴とする請求項10又は11記載の焦げ目付
    麺の製造方法。
  13. 【請求項13】 焦げ目付けを行った後、ゆで、又は/
    及び蒸し処理することを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の焦げ目付麺の製造方法。
  14. 【請求項14】 焦げ目付麺が生麺であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の焦げ目付生麺。
  15. 【請求項15】 焦げ目付麺が、ゆで、又は/及び蒸し
    工程によって製出される麺であることを特徴とする請求
    項1〜13のいずれかに記載の焦げ目付蒸煮麺。
  16. 【請求項16】 焦げ目付麺が冷凍麺であることを特徴
    とする請求項1〜13のいずれかに記載の焦げ目付冷凍
    麺。
  17. 【請求項17】 焦げ目付麺が半生麺であることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれかに記載の焦げ目付半生
    麺。
  18. 【請求項18】 焦げ目付麺が乾燥麺であることを特徴
    とする請求項1〜13のいずれかに記載の焦げ目付乾燥
    麺。
JP2001059272A 2001-01-26 2001-01-26 焦げ目付麺の製造方法及びその麺 Expired - Fee Related JP4355885B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001059272A JP4355885B2 (ja) 2001-01-26 2001-01-26 焦げ目付麺の製造方法及びその麺

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001059272A JP4355885B2 (ja) 2001-01-26 2001-01-26 焦げ目付麺の製造方法及びその麺

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002218930A true JP2002218930A (ja) 2002-08-06
JP4355885B2 JP4355885B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=18918857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001059272A Expired - Fee Related JP4355885B2 (ja) 2001-01-26 2001-01-26 焦げ目付麺の製造方法及びその麺

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4355885B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4355885B2 (ja) 2009-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6136355A (en) Process for producing as-packaged instant cooking pastas and noodles
JP7076381B2 (ja) 揚げ物用衣材
JPH022313A (ja) 食品
JP5389874B2 (ja) ノンフライ即席麺の製造方法
EP0884000B1 (en) Process for producing quickboiling pastas and noodles
KR100247847B1 (ko) 급속 조리 파스타의 제조 방법
JP6636830B2 (ja) 糖質が低減された電子レンジ用冷凍麺類の製造方法
KR19990078308A (ko) 파스타 제품
US5972407A (en) Treatment of uncooked pasta products to reduce cooking loss
CA2195278C (en) Process for producing quick-boiling or instant cooking pastas and noodles
JP3392044B2 (ja) 湯処理をする即席麺類の製造方法
JP3634034B2 (ja) 含水ビーフンの製造方法
JPH02119755A (ja) 即製料理用パスタ物の作製方法
JP2002218930A (ja) 焦げ目付麺の製造方法及びその麺
JP2008131887A (ja) 電子レンジ炊飯可能な加工米の製造方法
JP2019041732A (ja) 膨化麺の製造方法、及び膨化麺
JP7262681B2 (ja) 冷凍パスタの製造方法
JP7264605B2 (ja) 含水卵熱凝固物含有卵食品の冷凍品及びその製造方法
TWI636738B (zh) 避免微波後乾裂的具有麵皮包覆結構的微波食品的製造方法及其所製成的微波食品
KR100280896B1 (ko) 면 제조 방법
JP2023117607A (ja) 冷凍麺類の製造方法
MXPA98004652A (en) Process to produce pastas and cookinginstantanea as it is packed
JP2016182057A (ja) 即席熱風乾燥麺の製造方法及び即席熱風乾燥麺
JP2017074021A (ja) 改質された麺類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090721

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081112

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150814

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees