JP2016182057A - 即席熱風乾燥麺の製造方法及び即席熱風乾燥麺 - Google Patents

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Abstract

【課題】生麺的な自然な外観を有しつつ、従来方法よりも生麺的な食感を有する即席熱風乾燥麺及びその製造方法の提供。【解決手段】蒸煮及び/又はボイルによってα化した麺を、熱風によって水分含量5〜17%まで乾燥した麺線に対して、高温高速熱風処理又は高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する処理により麺線を膨化させる膨化処理工程と、前記膨化処理工程の後、膨化処理した麺線に対して過熱蒸気により加熱処理を施す過熱蒸気処理工程と、を含むことを特徴とする即席熱風乾燥麺の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、即席熱風乾燥麺の製造方法に関する。
従来、即席麺の製造方法としては、フライ(油揚げ)麺とノンフライ麺に大別することができる。フライ麺は、α化処理した麺を150℃前後の油でフライ処理して乾燥させた麺である。一方、ノンフライ麺とは、α化した麺を、油で揚げる以外の乾燥方法により乾燥させた麺であり、幾つか方法があるが、70〜100℃程度で風速5m/s以下程度の熱風を当てて30分から90分程度乾燥させる熱風乾燥方法が一般的である。
従来の一般的な熱風乾燥によるノンフライ麺は、フライ麺よりも麺線が緻密であり、より弾力のある食感を有する反面、熱湯や鍋炊き調理等による復元がフライ麺よりも時間がかかるといった課題があった。
これらの問題に対して、高温熱風を用いた膨化乾燥方法が提案されている。(例えば特許文献1、2)しかしながら、これらの製造方法によって製造された即席麺は、均質に膨化され、復元性がよい即席麺を得ることが可能であるが、喫食時にコシのある生麺的な食感に欠けるものであった。
また、特許文献3には、蒸煮及び/又はボイルによってα化した麺を、熱風によって水分含量5〜17%まで乾燥した麺線に対し、高温高風速による処理、高温高風速及び飽和水蒸気を併用した処理、又は過熱蒸気処理による膨化処理を施すことを特徴とする即席熱風乾燥麺の製造方法が記載されている。この方法は、生麺らしい外観やコシのある食感を得ることができる優れた方法であるが、麺の太さによっては芯に硬さが残り、芯まで火の通ったような粘りのある調理感得られにくく、より生麺的な食感を得るためには未だ課題があった。
特開平9−51773 特開2006−122020 特開2012−60999
本発明は、生麺的な自然な外観を有しつつ、従来方法よりも、生麺的な食感を有する即席熱風乾燥麺及びその製造方法を提供することを課題とする。
発明者らは、鋭意研究した結果、蒸煮及び/又はボイルによってα化した麺を、熱風によって水分含量5〜17重量%まで乾燥した麺線に対して、高温高速熱風による処理、又は高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する膨化処理を施し、麺線を膨化させた後、更に過熱蒸気による加熱処理を施すことにより、生麺的な自然な外観を有しつつ、食感は、表面の適度な柔らかさと弾力を兼ね備え、芯まで火の通ったような粘りのあるいわゆる生麺的な食感を有する即席熱風乾燥麺が得られることを見出し本発明に至った。
すなわち、蒸煮及び/又はボイルによってα化した麺を、熱風によって水分含量5〜17%まで乾燥した麺線に対して、高温高速熱風処理又は高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する処理により麺線を膨化させる膨化処理工程と、前記膨化処理工程の後、膨化処理した麺線に対して過熱蒸気により加熱処理を施す過熱蒸気処理工程と、を有することを特徴とする即席熱風乾燥麺の製造方法である。
また、本発明における膨化処理工程は、温度105〜160℃、風速10〜70m/sで行われることが好ましい。
また、本発明における膨化処理工程における、麺線がさらされる熱風の絶対湿度は5〜200g/mであることが好ましい。
また、本発明における膨化処理工程の処理時間は10〜120秒であることが好ましい。
また、本発明における過熱蒸気処理工程の過熱蒸気による処理温度は、麺線がさらされる温度として105〜160℃であることが好ましい。
また、本発明における過熱蒸気処理工程の処理時間は、10〜60秒間であることが好ましい。
本発明は、生麺的な自然な外観を有しつつ、従来方法よりも生麺的な食感を有する即席熱風乾燥麺及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
なお、本発明において製造する即席熱風乾燥麺の種類は、特に限定されず、通常、当技術分野で知られるいかなるものであってもよい。例えば、うどん、そば、中華麺、パスタ等が挙げられる。
1.原料配合
本発明に係る即席熱風乾燥麺には、通常の即席麺の原料が使用できる。すなわち、原料粉としては、小麦粉、そば粉、及び米粉等の穀粉、並びに馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ等の各種澱粉を単独で使用しても、または混合して使用してもよい。前記澱粉として、生澱粉、α化澱粉、並びにアセチル化澱粉、エーテル化澱粉及び架橋澱粉等の加工澱粉等を使用することもできる。また、本発明では、これら原料粉に対して即席麺の製造において一般に使用されている食塩やアルカリ剤、各種増粘剤、麺質改良剤、食用油脂、カロチン色素等の各種色素及び保存料等を添加することができる。これらは、原料粉と一緒に粉体で添加しても、練り水に溶かすか懸濁させて添加してもよい。
2.混捏、圧延、及び切り出し
即席麺を製造する常法に従って、前記即席麺原料を混練することによって麺生地を製造する。より具体的には、前記原料粉に練り水を加え、ついでミキサーを用いて各種材料が均一に混ざるように良く混練して麺生地を製造する。上述のようにして麺生地を製造した後に、前記麺生地を複合機で圧延して麺帯を製造し、前記麺帯を圧延して、切刃を用いて切り出す事によって生麺線を製造する。この時、複数の麺帯を複合して多層の麺帯を製造してから圧延、切り出しを行い、麺線を製造してもよい。パスタ等の場合には、この方法の他にエクストルーダー等により押し出して麺線を製造してもよい。
3.α化工程
次いで得られた生麺線を、常法により蒸煮及び/又はボイルによってα化させる。蒸煮の方法としては、飽和水蒸気による加熱だけでなく、過熱蒸気により加熱することもできる。過熱蒸気による加熱の場合には、生麺的な食感を得やすく好ましい。過熱蒸気による加熱方法としては、例えば、特許第4438969号公報のように過熱蒸気を直接麺線に吹きつけた後に給水工程を行い、再び過熱蒸気又は/及び飽和水蒸気によって加熱する方法が挙げられる。
4.着味工程
本発明においては、このようにしてα化した麺線にスプレーや浸漬等により調味液(着液)を付着させ味付けを行うこともできる。また、麺線同士の結着防止のため、乳化剤や増粘多糖類などの麺線に付着させることもできる。着味工程は必ずしも行う必要はなく、省略しても構わない。
5.カット及び投入
次いで、麺線を1食分20〜50cmにカットする。カットした麺線は、リテーナと呼ばれる乾燥器具に投入する。
6.熱風乾燥工程
リテーナに充填した麺線を熱風により5〜17重量%になるように乾燥する。熱風の条件は特に問わないが温度50〜100℃程度で風速1〜5m/sの熱風により乾燥することが好ましい。熱風乾燥工程後の麺線の好ましい水分は、麺の太さ、幅などの形状により異なるが低すぎると後述する膨化処理工程で膨化が進まず、高すぎると膨化が進み過ぎ良好な食感が得られにくい。より好ましくは、水分6〜14.5重量%程度に乾燥することが好ましい。
7.膨化処理工程
熱風乾燥工程で乾燥した麺線に対して、高温高速熱風処理、又は、高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する処理を施し、麺線を膨化させる。この工程において麺線を膨化させることにより、麺線の透明感がなくなり膨化によりできた空隙により麺線が白ぼけ、生麺的な自然な外観を有する麺線になる。また、膨化により生じた空隙により復元性、食感もよくなる。
本実施形態においては、強い風速を与えられる装置であればどのようなものでもよいが、強力なファンから送出される気流を噴出部において絞ることによって風速を上げて噴射するシステムが例示でき、例えば、噴出部としてチューブ状の噴射ノズルやスリット状の噴射ノズルを有し、これらノズルを麺塊の上方または/及び下方に配置し、当該ノズルから勢い良く熱風を噴射させるのが良い。
具体的には、特開平9−47224号や特開2003−90680等に記載されているような、スナック菓子の膨化乾燥や各種加工食品の焼成、焙煎等に用いられる高温気流乾燥装置において、ノズルの下をゆっくりリテーナを搬送させるか、特開平9−210554のように上下に配置された噴射ノズルの間にリテーナを搬送させる方法が挙げられる。
また、高温高風速熱風と飽和水蒸気を併用する処理は、予め高温高風速熱風と飽和水蒸気を混合してから麺線に吹きつけてもよいが、飽和水蒸気を高温高風速熱風と同時に直接麺線に吹きつけてもよい。また、膨化処理庫内に飽和水蒸気を放出し、加湿状態にした上で高温高風速熱風処理を行ってもよい。膨化の安定性やほぐれの面から考えると飽和水蒸気を高温高風速熱風と同様に直接麺線に吹きつけるよりも、高温高風速熱風と飽和水蒸気を混合してから麺線に吹きつけるか、膨化処理庫内に飽和水蒸気で加湿状態にした上で高温高風速熱風処理を行うことが好ましい。
膨化処理工程における麺線を処理する温度は、麺線がさらされる温度として105〜160℃であることが好ましい。105℃未満の場合、麺線が十分に膨化せず、復元性が悪く、自然な外観が得られにくい。160℃よりも高い場合には、麺線が過度に膨化したり、焦げの発生や麺線が変色する。より好ましくは110〜150℃、さらに好ましくは、110〜130℃である。
膨化処理工程における麺線を処理する風速は10〜70m/sであることが好ましい。10m/s未満の場合は、麺線が十分膨化せず、ほぐれも悪い。70m/sよりも高い風速の場合には、設備が大がかりになる。より好ましくは、30〜70m/s、さらに好ましくは50〜70m/sである。
膨化処理工程において麺線がさらされる熱風の絶対湿度は5〜200g/mであることが好ましい。また、高温高風速熱風のみの場合には、気体の絶対湿度は外気の湿度の影響を受け概ね5〜20g/mであるが、高温高風速熱風と飽和水蒸気を併用する処理においては、麺線のさらされる熱風の絶対湿度を上げることができ、麺線の過度な膨化を抑制し膨化を均質にできることや表面の過乾燥からくる表面の張り固まった食感を軽減し、柔らかくツルミのある食感を得ることができる。しかしながら、絶対湿度を上げるために蒸気量を増やすにつれ、気体の温度を維持するためにエネルギーがかかり、また、絶対湿度の上昇に伴い、喫食時の麺線のほぐれが悪くなるなどの問題がある。より好ましくは、50〜150g/m、さらに好ましくは60〜120g/mであることが好ましい。
膨化処理工程における処理時間は、処理に使用する気体の温度、風速、湿度によっても異なるが10〜120秒であることが好ましい。また、膨化処理工程後の好ましい水分としては、麺の太さによっても異なるが3〜14%である。
8.過熱蒸気処理工程
膨化処理工程によって膨化させた麺線を過熱蒸気により処理する。本発明における過熱蒸気とは、飽和水蒸気を加熱することによってできる、大気圧下において100℃よりも高い温度を示す蒸気のことをいう。膨化処理後に過熱蒸気処理を施すことにより、高温高速熱風処理、又は、高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する膨化処理のみを施す場合や過熱蒸気によって膨化処理を行う場合と比較して芯の粘りが増し、芯まで火の通った調理感のある食感が得られやすくなる。これは膨化した麺線に過熱蒸気を処理するにより、膨化によりできた空隙に過熱蒸気が浸透するため麺線内部への熱伝導性が増し、その結果、芯の糊化が進むためと推測する。
過熱蒸気処理の初期段階では、麺線の温度が低いため、結露が生じ、麺線の水分が上昇するが、処理を続けると麺塊温度が上昇し、麺線は乾燥していく。本発明における過熱蒸気処理工程においては、麺線は既に膨化しているため、しっかりと火の通った芯に粘りのある食感を付与する程度で過熱蒸気処理を行えばよく、結露によって上昇した麺線の水分が乾燥し、過熱蒸気処理前の麺線の水分量と同程度の水分量になるように過熱蒸気を処理することが好ましい。
過熱蒸気処理工程における過熱蒸気の温度は、温度麺線がさらされる温度として105〜160℃が好ましい。105℃未満では、過熱蒸気により麺線表面に結露した水分が乾燥しづらく、処理時間が長くなり麺線同士が結着したり、ほぐれが悪化する。160℃よりも高い温度では、過度な膨化や麺線が焦げたり、変色したりする。より好ましくは110〜150℃、特に好ましくは120〜140℃である。また、過熱蒸気処理の時間は、10〜60秒間が好ましい。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
(実験1)
<膨化処理と過熱蒸気処理の組み合わせによる効果>
(実施例1−1)
小麦粉750g、澱粉250gを粉体混合し、これに食塩20g、かんすい9.75g、重合リン酸塩1g、リン酸ナトリウム1.5gを溶解した練水410mlを加え、常圧ミキサーで15分間混練して麺生地(ドウ)を得た。
得られた麺生地を整形、複合して麺帯化し、圧延を繰り返して最終麺厚1.55mmとした後、切刃16番角で麺線を切り出した。
次いで、蒸気庫内に蒸気流量240kg/hとなるように飽和水蒸気を供給し、切り出された麺線を飽和水蒸気にて2分間にわたって蒸煮処理した後、1L当り食塩10g、を溶解した着味液に6秒間浸漬し、引き延ばして約40cmとなるように麺線をカットした。
カットした麺線155gをリテーナに充填して90℃で18分乾燥した後、温度を85℃にしてさらに20分熱風乾燥した。この時の水分が12.5%であった。
高温高風速熱風と飽和水蒸気を併用して120℃、風速70m/s、絶対湿度120g/mに調整した気体を36秒間、熱風乾燥した麺線に処理し麺線を膨化させた。
膨化させた麺線に対し、加熱処理として、麺線がさらされる付近の温度が120℃となるように調整した過熱蒸気を蒸気流量180kg/hで蒸気庫内に供給し、過熱蒸気庫内を45秒間かけて通過させ、過熱蒸気処理を行った。
(比較例1−1)
過熱蒸気による処理を行わない以外は、実施例1−1と同様に即席熱風乾燥麺サンプルを製造した。
(比較例1−2)
実施例1−1と同様に熱風乾燥した麺線に対し、実施例1−1の過熱蒸気処理と同条件で過熱蒸気による膨化処理を行い、即席熱風乾燥麺サンプルを製造した。
(比較例1−3)
比較例1−2と同様に膨化処理した麺線に対し、加熱処理として、高温高風速熱風と飽和水蒸気を併用して120℃、風速70m/s、絶対湿度120g/mに調整した気体により36秒間加熱処理を行い、即席熱風乾燥麺サンプルを製造した。
これらのサンプルをポリスチレン製の容器に入れて500mlの熱湯を注加し、蓋をして4分放置して復元し、喫食した。喫食時の評価方法は、ベテランのパネラー5人によって官能評価を行い、外観(見た目)評価、ならびに麺の表面の硬さ、麺の弾力、芯の粘りについて個別評価し、生麺的な食感について総合的に評価を行った。
官能評価は、非常に良好なものを5点、良好なものを4点、普通(可)なものを3点、悪いものを2点、著しく悪いものを1点とした。
実験1の官能評価結果を表1に示す。
Figure 2016182057
実施例1−1、比較例1−1、比較例1−2で示すように、比較例1−1、比較例1−2の膨化処理を高温高風速熱風と飽和水蒸気を併用した熱風ならびに過熱蒸気で膨化処理を行う試験区に比べ、実施例1−1の高温熱風乾燥による膨化処理を行った後に過熱蒸気処理を行う試験区は、麺のコシや粘りが出るだけでなく、外観もよくなりや表面の食感も適度な柔らかさとなり非常に良好であった。また、比較例1−3の膨化処理を過熱蒸気で行い、加熱処理を高温熱風乾燥で行った場合は、麺のこしが弱く、表面が硬い食感となり評価としては低くなった。
実験1で示すように、高温熱風乾燥による膨化処理を行った後、過熱蒸気処理を行うことにより、外観、食感両方ともに良好な即席熱風乾燥麺を製造できることがわかる。
(実験2)
<膨化条件の検討>
(実施例2−1)
膨化工程における条件を高温高風速熱風と飽和水蒸気を併用して105℃、風速70m/s、絶対湿度120g/mに調整した気体で120秒間とする以外は、実施例1に従って実施した。
(実施例2−2)
膨化工程における条件を飽和水蒸気を併用せずに、高温高風速熱風のみで160℃、風速70m/s、(絶対湿度10g/m)に調整した気体で10秒間とする以外は、実施例1に従って実施した。
(実施例2−3)
膨化工程における条件を飽和水蒸気を併用せずに、高温高風速熱風のみで120℃、風速70m/s、(絶対湿度20g/m)に調整した気体で36秒間とする以外は、実施例1に従って実施した。
(実施例2−4)
膨化工程における条件を高温高風速熱風と飽和水蒸気を併用して120℃、風速70m/s、絶対湿度60g/mに調整した気体で36秒間とする以外は、実施例1に従って実施した。
(実施例2−5)
膨化工程における条件を高温高風速熱風と飽和水蒸気を併用して120℃、風速10m/s、絶対湿度200g/mに調整した気体で120秒間とする以外は、実施例1に従って実施した。
(実施例2−6)
膨化工程における条件を高温高風速熱風と飽和水蒸気を併用して120℃、風速30m/s、絶対湿度170g/mに調整した気体で60秒間とする以外は、実施例1に従って実施した。
これらのサンプルを実験1同様に官能評価した。
実験2の官能評価結果を表2に示す。
Figure 2016182057
実施例2−1では、処理温度が105℃と低いため120秒と膨化に時間がかかり、膨化の度合いも実施例1−1より弱いが、外観、食感ともに概ね良好であった。実施例2−2では、飽和水蒸気を併用すると設備設計上160℃まで上昇しないため、飽和水蒸気を併用せずに処理温度を160℃として実施したが、10秒と短時間処理であれば、麺線の変色も少なく、膨化ムラの少ない概ね良好なサンプルを作成することが出来た。
実施例2−3、実施例2−4、実施例1−1では、飽和水蒸気の使用量を増やしていったが、飽和水蒸気の使用量が増すほど、絶対湿度も上昇していき食感ならびに外観ともに良好になった。
実施例2−5、実施例2−6では、実施例1−1と同量の飽和水蒸気を使用し、風速を下げていった試験区であるが、風速を下げることにより絶対湿度が上昇していった。外観は風速を弱めていくほど悪くなる傾向があるが実施例2−5、実施例2−6ともに外観、食感ともに概ね良好であった。風速を弱めていくほど高湿度になるせいか喫食時の麺線のほぐれが悪くなっていき、実施例2−5が商品としては許容限界であった。
実験2で示すように膨化条件としては、温度105〜160℃、風速10〜70m/s、であればよく、絶対湿度としては外気湿度(10g)〜200g/mの範囲、処理時間としては、10〜120秒間であれば、良好な外観、食感を有する即席熱風乾燥麺を得ることができることがわかる。
(実験3)
<過熱蒸気処理条件の検討>
(実施例3−1)
過熱蒸気による処理を麺線がさらされる付近の温度が105℃で処理時間を60秒とする以外は、実施例1−1と同様に即席熱風乾燥麺サンプルを製造した。
(実施例3−2)
過熱蒸気による処理を麺線がさらされる付近の温度が140℃で処理時間を30秒とする以外は、実施例1−1と同様に即席熱風乾燥麺サンプルを製造した。
(実施例3−3)
過熱蒸気による処理を麺線がさらされる付近の温度が160℃で処理時間を10秒とする以外は、実施例1−1と同様に即席熱風乾燥麺サンプルを製造した。
これらのサンプルを実験1同様に官能評価した。
実験3の官能評価結果を表3に示す。
Figure 2016182057
実施例3−1では、過熱蒸気の温度が105℃であるため、結露した過熱蒸気が乾くまでに時間がかかり、実施例1−1と比較して麺の表面が硬くなり、麺のこしを強く感じるが外観、食感ともに概ね良好であった。ほぐれに関しては、実施例1−1と比較して若干悪かったが許容範囲であった。実施例3−3では、過熱蒸気の温度が160℃と高く、麺線が変色や、過発泡が生じやすくなるため、短時間の処理しかできなかったが、外観、食感ともに概ね良好であった。また、実験3で示すように過熱蒸気の温度が高いほど外観がやや蒸麺的な透明感や変色が認められ評価としては低くなった。
実験3の結果より、過熱蒸気処理においては、105〜160℃の過熱蒸気で処理すればよく、処理時間としては、10〜60秒間過熱することにより良好な外観や食感が得られることがわかる。

Claims (7)

  1. 蒸煮及び/又はボイルによってα化した麺を、熱風によって水分含量5〜17%まで乾燥した麺線に対して、
    高温高速熱風処理又は高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する処理により麺線を膨化させる膨化処理工程と、
    前記膨化処理工程の後、膨化処理した麺線に対して過熱蒸気により加熱処理を施す過熱蒸気処理工程と、を含むことを特徴とする即席熱風乾燥麺の製造方法。
  2. 前記膨化処理工程における処理が温度105〜160℃、風速10〜70m/sで行われることを特徴とする請求項1記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
  3. 前記膨化処理工程において麺線がさらされる熱風の絶対湿度が5〜200g/mであることを特徴とする請求項1または2何れか一項記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
  4. 前記膨化処理工程における処理時間が10〜120秒間であることを特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
  5. 前記過熱蒸気処理工程における過熱蒸気の処理温度が、麺線がさらされる温度として105〜160℃であることを特徴とする請求項1〜4何れか一項記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
  6. 前記過熱蒸気処理工程における処理時間が10〜60秒間であることを特徴とする請求項1〜5何れか一項記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
  7. 請求項1〜6何れか一項記載の製法によって製造された即席熱風乾燥麺。
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