JP4795606B2 - ピストンポンプ - Google Patents
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Description
本発明は、請求項1の前段部に記載されたようなピストンポンプに関する。
【0002】
このタイプのポンプは、特に、ABSまたはESPのような制御可能なブレーキシステムにおいて一般に使用される。連続的な製造のために、厳しい要求が、ポンプの低コスト製造および組立てに委ねられる。
DE 19816289 A1は、構造装置として、個々に操作され、試験されることが可能で、特にかしめ(calking)またはクリンチ(clinch)によってポンプハウジング内に設置できるピストンポンプ用の圧力バルブを開示している。更に、ポンプのピストンを復帰するためのリセットスプリングは、ピストンから離れた側の端部がバルブのバルブ座保持部に支持されていることが従来技術で知られている。本発明は、組立てと製造において比較的複雑で高価なこのタイプのピストンポンプに基づいている。
【0003】
上記の観点から、本発明の目的は、このタイプの従来のピストンポンプのコストを低減し、製造と組立てを簡単にすることである。
この目的は、請求項1の特徴部分から特別に推測できる態様によって、一般的なポンプにおいて達成される。このように、本発明の原理は、個々に操作可能な圧力バルブに付加して、少なくともリセットスプリングをバルブ座保持部によってピストンポンプのバルブに固定するので、リセットスプリングが完全なサブ組立て(subassembly)を達成するために圧力バルブとともに組立てられる。この配置において、スプリングは、例えば、フォームロック(form lock)、操作的係合または摩擦係合によってバルブに接続される。
【0004】
構造は特に都合よく立証され、特別なスプリング保持カップは、ピストンのリセットスプリング用に設けられ、例えば、摩擦係合、フォームロックによって、あるいは着脱可能なロック機構によって、適切な方法でバルブ座保持部に接続されていて、それによってスプリングは同様にバルブ座保持部に取着される。
本発明の都合のよい態様によれば、スプリング保持カップは、ほぼ円筒状の形状を有していて、バルブ座保持部に近接したスプリング保持カップの端部は、隣接する面が、例えば、摩擦係合または確実な係合によって保持されるように、バルブ座保持部の凹部内に挿入されている。それによって、スプリング保持カップがバルブ座保持部に堅固に配置されているので、簡単な構造が達成される。
【0005】
有利には、2つの実施例が可能である。一方の実施例において、ピストンに近接したリセットスプリングの端部は、好ましくはスプリング保持カップに設けられたコンソールによって保持器(cage)のタイプを形成するピストンカバーの対応する径方向の突出部によって適切な位置に取着されていて、それによってスプリングが保持器から離脱するのを阻止している。また、コンソール(console)は、ポンプハウジングに設けられたピストン封止部用の停止部を特に備えている。
【0006】
他の可能性は、フォームロックまたは摩擦係合によってスプリング保持カップの対応する端部で、ピストンから離れたスプリングの端部を適切な位置に取着し、それによって、この配置において開放されているカップからスプリングが離脱するのを阻止することにある。両方の固定装置用に、スプリング保持カップを有するバルブ装置が水平に配置され設けられたとしても、スプリングがカップに維持されるかまたは案内されることが重要である。これは、リセットスプリングおよび多分付加的にピストンもまた有する圧力バルブが、垂直方向のみでなく水平方向にもまた設けることができることを意味する。それによって達成される利点は、2つの向き合って配置されたピストンが同時に設けられることであり、設置の第1のタイプにおいて、ポンプハウジングは、スプリングを有する一方のバルブを他方に続いて頂部からポンプハウジングの対応する孔内に導入することを可能にするために、180度旋回されなければならない。
【0007】
スプリング保持カップは、スプリングの設置支持用および整列用に使用されることが可能になるだけではない。しかしながら、適切な位置に小さなふるい(sieve)状に作用する穿孔を設けることができ、スプリング保持カップが、付加的にフィルタのように作用して、圧力流体に浮遊していて、また、ポンプまたは他の部品を減耗すなわち損傷しがちな汚染物質または磨耗粒子を、移動する封止剤およびバルブ部品から遠ざけるようにする。フィルタは、例えば、ポンプの作業用チャンバに隣接した圧力バルブの開口部の前においてバルブ座保持部に配置されている。保持カップの底部をバルブ座から離れたバルブ座保持部の側部の前に設けたいならば、フィルタは便宜的にスプリング保持カップのその側の中心に配置される。他の可能性は、ポンプハウジングからきているチャンネルの部分の前において、シリンダ形状のスプリング保持カップの周面に1つまたは複数のフィルタを配置することである。フィルタは、スプリング保持カップと一体に構成されていてもよいが、スプリング保持カップとは別個の構成要素としてもまた設けられる。
【0008】
特に都合のよい方法において、商業的なニードルベアリング(needle bearing)のニードルが、ピストンとして設けられる。このタイプのニードルは、今日すでに大量生産されていて、それ故、低いコストで生産できる。
【0009】
本発明の好ましい変形例によれば、吸引バルブがポンプハウジングに備えられていて、圧力バルブ、リセットスプリング、スプリング保持カップ、およびピストンと独立して設置でき試験することができる。更に、これは、本発明のピストンポンプの組立てを簡単にする。上記ですでに述べたように、リセットスプリングがポンプピストンに付加的に接続された場合、特に大きい組立て装置が得られる。そのとき、サブ組立ては、圧力バルブ、リセットスプリング、スプリング保持カップ、およびピストンを備えている。
【0010】
本発明の都合のよい態様において、圧力バルブは、バルブカバーを備えていてもよく、有利には個々の減衰が得られる必要性のために、減衰用チャンバが備えられている。
本発明の以下の記述、更なる態様および詳細は、添付した図面に関連する実施例によって詳細に説明される。個々の変形例において述べられる態様および関連性は、本質的に全ての実施例に応用可能である。
【0011】
図1には、ポンプハウジング1が示されていて、ピストン封止部2によってシールされたポンプのピストン3が案内されている。ピストン3は、偏心部材(図示せず)によって図面の左に移動され、また、ついでリセットスプリング4によってその底死点位置内、すなわち、図面の右に戻される。ピストン3の一方の脚部は、図示されていない偏心部材の外面に従うであろう。ピストンカバー5は、好ましくは、ピストン3に設けられていて、図面の左のピストン端部上にクランプできるので、ピストンカバー5は、ピストンの水平位置においてもピストン3に付着(adhere)できる。図面の左におけるリセットスプリング4の端部は、スプリング保持カップ6にロックされ、すなわち詰め込まれていて、リセットスプリング4が水平位置のようにスプリング保持カップ6に積み重ねられて留まっている。図面の右におけるリセットスプリング4の端部は、同様に、ピストンカバー5にロックされ、すなわち詰め込まれていていてもよい。特にシリンダ形状の突出部7を有するスプリング保持カップ6は、バルブ座部材9の対応する凹部8内にクランプされるか、あるいは、そこに他の方法で固定されていて、それによって位置に無関係にバルブ座保持部9によって保持されている。本発明によれば、リセットスプリング4はまた、独立して操作可能な構造装置としてバルブ座保持部9に固定されていて、これらの構成がピストンポンプの組立て中に共同して設けられることを可能にする。
【0012】
バルブ座保持部9は、段つき貫通孔10を有していて、その円周的に丸められた端部は、好ましくは球形のバルブ部材12用の座11を形成している。バルブ部材12は、予め装填された(preloading)スプリング13によって座11に指向されていて、予め装填されたスプリング13の他端部は、スプリング保持器14に支持されている。周面を有するスプリング保持器14は、任意的にビード、膨出部、または突出部17によって、バルブ座保持部9の円筒状の突出部16でクランプされている。したがって、スプリング保持器14の外面は、任意的に付加的なビードまたは突出部18によって、バルブカバー19の内面でクランプされるかプレス嵌合(press fit)されている。このように、スプリング保持カップ6とリセットスプリング4を含むバルブは、構造装置を備えている。ピストン3とピストンカバー5とは、任意的にこの装置に結合されてもよい。
【0013】
図1に示されたバルブは圧力バルブのように操作し、圧力流体は、図1において破線で示された吸引チャンネル20と、好ましくはスプリング保持カップ6内で作動されるフィルタ21を介してスプリング保持器14の内部に伝搬される。そこから、特にブレーキ流体のような圧力流体は、開口部22を通ってバルブカバー19の内部に伝搬し、その後付加的なビード18の間を通って環状のチャンネル23内に伝搬される。さらに、スプリング保持器14は、環状のチャンバ25から、特に制御可能なブレーキシステムのホイールブレーキ(図示せず)に導かれる点線で示された圧力チャンネル26に続く環状のチャンネル23外への圧力流体の排出を可能にするような、放射状の凹部24を備えている。好ましくはアルミニュームで形成されたバルブカバー19は、スタンプ部(stamped portion)27として示されたように、ポンプハウジング1とともにかしめる(calk)ことができる。かしめ係合は、好ましくは円周的であって、それによって環状のチャンバ25を圧力的に緊密な方法で封止できる。
【0014】
図1と対照的に、図2の構造は、スプリング保持器14と圧力流体ダクトの結合(attachment)に関してわずかに変更されている。この配置におけるスプリング保持器14の内部からの圧力流体の誘導は、バルブ座保持部9またはバルブカバー19に刻まれた溝30によって提供されるチャンネルを通してである。これは、圧力流体の流れ経路を比較的短くするようにするが、それは、圧力流体にとって、スプリング保持器14の外側に存在するバルブカバー19の内部に侵入することが不可能になるからである。バルブ座保持部9とカバー19との結合は、ポンプハウジングとの各かしめ結合によって再びなされ、カバー19は外面上にプレス嵌合され、バルブ座保持部9はスプリング保持器14の内周面にプレス嵌合される。ついで、溝30は、圧力を減衰するための開口部として作用し、バルブカバー19の内部またはスプリング保持器14の内部(図1と図2に対応して)が減衰チャンバとなる。
【0015】
さらに、図2では参照されていないが、スプリング保持カップは、まさしく図1におけるもののように鋼から引き出される(drawn)のに対し、バルブカバー19はアルミニュームから押し出される(extrude)。同様にスプリング保持器14は鋼板から引き出される。上述した構造は、カバー19とバルブ座保持部9とが装置を創作するために結合された場合に、小さい変形力のみが上述した部品間に作用し、バルブ座の寸法が接合作用のために変えられるというリスクがないような利点である。発生する変形は、スプリング保持器14の壁に主として順応される。
【0016】
図3に示された本発明の実施例において、予め装填されたスプリング13がバルブカバー19の底部に直接支持されているので、特別なスプリング保持器14はない。カバー19とバルブ座保持部9とは、この配置において互いに直接プレス嵌合されている。特に、放射状の形状(ray-shape)の溝15がバルブ座保持部9内に刻まれていて、圧力流体がバルブカバー19の内部から環状のチャンバ25内に出るのを可能にする。好ましいことに、これは、構造を簡単にしバルブの2つの部品9、19のより安定した結合を達成する。
【0017】
図4による実施例において、上述した鋼から引き出されたスプリング保持器14は、塊状に(massively)引き出されたアルミニュームのスプリング保持器31によって置き換えられる。このスプリング保持器31は、バルブの封止力を確実にし、付加的に予め装填されたスプリング13用の支持を提供する。カバー32も同様に、非常に安定した構造と材料の経済性が達成されるように、都合よくアルミニュームで形成されていて、押し出されるかまたは引き出され、スプリング保持器31上にプレス嵌合される。圧力流体は、それによって付加的に達成される減衰効果を有する段付きノズル34のように同様に構成された開口部22を通って、圧力チャンネル26内に排出されることを可能にされる。
【0018】
図1から4に開示された構造と比較して、図5と6の実施例は、スプリング保持カップ36が関する限りでの変更を備えている。先に述べた実施例において、少なくともその最上部の巻回でバルブに近接しているリセットスプリングの端部が、クランプまたは取着の類似したタイプによってカップ6に保持されているのに対して、図5と6において、カップ36は封止組立て2まで延びている。更に、封止組立て2は、径方向内方に指向したコンソール37によってその位置に維持されている。その上、上記コンソール37は、ピストンカバー5がスプリング保持カップ36の内部から出ないような限りにおいて、しかしピストンがない場合にコンソール37に当接する(図6参照)ように、径方向内方へ引かれる。これは、スプリング4、スプリング保持カップ36、およびピストンカバー5からなる予め装填されたパッケージ状の予備組立てされた装置を得ることを可能にする。図面の左側におけるスプリング保持カップ36の端部は、さらに(図1から4に関連してすでに述べたように)バルブ座保持部9の円筒形状凹部8の円周側壁でクランプされていて、ピストンが同時に固定される間の水平組立ての場合においても、リセットスプリング用の安全な固定配置が可能になる。吸引チャンネル29に関連してスプリング保持カップ36の径方向に延びた通過開口部33は、圧力流体がポンプの作業用チャンバ40内に侵入することを可能にする。このように、圧力バルブとリセットスプリング4とを備えている設置が容易な装置が、本発明によって得られる。
【0019】
段付きバルブ座保持部9の使用は、スプリング保持カップ36(図1から4に関連して述べたように)が引き続いてプレス嵌合または他の適切な方法で取着されるのを可能にするような、ピストンポンプ3から離間した側部の嵌合直径を備えている。このスプリング保持カップ36は、いくつかの機能を達成する。一方において、圧力流体は、カップ底部(図示しない)の中間において微細に打ち抜かれた開口部すなわち孔を介して圧力バルブの前でろ過される。他方において、カップ36の円筒状の外側部は、ポンプのリセットスプリング4とピストンカバー5とを収容する。コンソール37のビード付け(beading)後、予め装填されたリセットスプリング4は、それ故、スプリング保持カップ36の内部の適切な位置に固定される。設置の状態において、スプリング保持カップ36は、そのコンソール37によって封止装置2をポンプハウジングに更に固定する。
【0020】
図7から10の実施例は、スプリング保持カップ6に関して図1から4に関連してすでに述べた構造を有しているが、(圧力)バルブの基本的構造は図3から6によってすでに知られている。先の構造を超える主な相違は、バルブカバー19の内部が、減衰用チャンバ44用に可能な限り最大な程度に広げられていることである。必要な安定性と材料に係わらない強度を維持するために、カバー19の端部は、ここではポンプハウジング1の境界部41を越えて延びている。要求されるかまたは所望された減衰用チャンバ44の寸法に応じて、このチャンバの突出長さ(projecting length)は、ある事情下において輪郭線42まで延ばされていなければならず、これは、図7において点線の輪郭線42によって示されている。
【0021】
図8における上面図と関連して示されているように、バルブ座保持部9は、外面の一部分の領域においてバルブカバー19とバルブ座保持部9との間に径方向のスロット43を生成するために、バルブカバー19とバルブ座保持部9との間の特に簡単なプレス嵌合結合用の多角形の外形を有する冷間成形された(cold formed)部品として構成されている。この形状の故に、カバー19は減衰用チャンバ44の減衰容積を提供する。カバー19は、冷間成形された部品かまたは折り曲げられた(turned)部品のいずれかで構成されてもよく、通常、ポンプハウジング1のようにアルミニュームで形成されている。図1から4に関連してすでに述べたように、開口部の機能は、1つまたはそれ以上の切り込みすなわち溝30によって達成される(図2と適切な記述参照)。ブレーキ流体すなわち圧力流体は、各、径方向のスロット43を通ってバルブ座保持部9とバルブカバー19の軸線的接触点に流れるが、開口部が切り込みすなわち溝30によって作られている。圧力流体は、ついで、切り込みすなわち溝30と圧力チャンネル26を通って、例えば制御されるブレーキシステムのタンデムマスターシリンダまたはホイールシリンダの方向へ流れる。吸引チャンネル29は、圧力流体がポンプ内に吸引されるポンプの図示しない吸引バルブへの接続を達成する。
【0022】
バルブ部品9および19、スプリング保持カップ6、およびリセットスプリング4を有する予備組立てされた装置としての圧力バルブは、例えば、バルブブロックとして使用されるポンプハウジング1内に配置される。圧力バルブと、それに設けられた溝30によって形成された特に開口部は、好ましくは、圧力流体またはブレーキシステム外で、流れ方向において圧力バルブの前に、特にスプリング保持カップ6に設けられたフィルタ21によって、粒子(例えば、汚染物質または切り屑(chip))に対して保護される。フィルタ21は、有利には板状金属で形成されていて、特にプレス嵌合によってバルブ座保持部9に取着されている。図1から4に関連して上記ですでに述べたように、減衰開口部として作用するチャンネルは、バルブ座保持部9の切り込み(notch)すなわち溝30によるのみでなく、バルブカバー19の開口端部での対向する端面の1つまたはそれ以上の対応する径方向切り込みによっても造り出される。さらに、2つの対向する小さな径方向切り込みは、例えば、減衰チャンバを提供するために使用することができる。しかしながら、この場合において、切り込み(図示しない)の正確な位置を確実にすることが必要である。
【0023】
図9に示されたように、減衰用チャンバ44用に必要な容積の寸法は、バルブカバー19の底部が比較的小さなポンプハウジングから突出するという事実(図7に関連してすでに示されたように)に導く。本発明の好ましい態様において、この事実は、ブレーキシステムのポンプハウジングまたは液圧式電子制御装置を車両に取着するための付加的な保持点として、バルブカバー19の延在したアタッチメント47を採用することによって利用されるであろう。そのために、例えば、ゴムの減衰部8が、バルブカバー19の付属部47上にはめ込まれる。例えば、板状金属の保持部49がついでこの減衰部内に挿入される。図9によって開示された保持部49とゴムの減衰部48の構造は、単なる一例を意味するものでしかない。
【0024】
図10に関連すると、減衰開口部の径方向の切欠きの装置は省略されている。その替わりに、径方向のノズル孔46が、これに代わるものとしてバルブカバー19の環状の周面に機械加工されている。
【0025】
図11の実施例は、大量生産された部品であるポンプの装置用に、容易にまた安価に設置され得る依然として比較的大きな装置グループを目的とした本発明の好ましい態様を示している。リセットスプリング51は、その直径をピストン52の方に向かって減少するスプリング巻線を備えている。リセットスプリング51は、そのピストン側の端部において例えば、円錐状のテーパをつけることによって達成される。更に、ピストン52の上端部は、スプリング51によって捕捉される適切なアンダーカット部53が備えられている。図示された円錐形状のアンダーカット部53の可能性は、例示のみとして示されている。アンダーカット部はまた、正方形または部分的に円形の輪郭あるいは半球形の輪郭を有する溝として構成してもよい。径方向に延びた大きくて十分な当接面が、スプリング51用のアンダーカット部53のために用意されていることが本質であって、スプリング51を有するのに十分な当接面は、必要なリセット力をピストン52に及ぼすので、端部を有するピストン52が偏心部(指定されていない)との係合を維持したままになる。
【0026】
上述の実施例において述べたように、リセットスプリング51は、バルブ座保持部54に、スプリング保持カップを介するか、または、直接的に、例えばロック係合またはクランプ係合によって取着されている。スプリング保持カップまたは同様にカップの特別な構造に加えて、スペーサ55が挿入されていて、そのコンソールとともに封止組立て57すなわちピストン封止部60を適切な位置に保持する。まさしく上述したスプリング保持カップとしてのスペーサ55は、バルブ座保持部54上の支持部を採用でき、あるいは、スペーサは、スプリング保持カップとして構成され得る。封止組立て57は、本発明の全ての実施例におけるように、ピストン封止部60および支持リング(指定されていない)とを備えている。
【0027】
スペーサまたはスプリング保持カップ55は、少なくとも吸引チャンネル58の領域内において、ふるいすなわちフィルタ59を備えているか、あるいはフィルタ59として構成されていることが好ましく、これは、通過する圧力流体用のフィルタ機能を付加的に達成する。フィルタ機能を有するスペーサ55は、打ち抜かれた部品またはプラスチック部品として構成されている。しかしながら、これは、スプリング保持カップ6に関して上記において説明されたように、バルブ座保持部54内にアンダーカット(図11には示されていない)を形成し、図面の頂部でのリセットスプリング51の端部が、そのアンダーカットにロックできるようにすることもまた可能である。本発明によれば、予備組立て群はそれ故、バルブとスプリング51に加えてピストン52を備えて達成される。この配置において、スプリング51が外側からピストンのアンダーカット部53内に係合することは必要ではない。むしろ、図11の左側の図解によれば、ピストン52は、図面の頂部から延びた孔もまた備えていて、この孔は、孔内に導入されたスプリング51がロックされる径方向外方に向かったアンダーカットを備えている。
【0028】
吸引バルブは、図11と12において参照符号61で指定されている。本発明の好ましい態様によれば、この吸引バルブ61は、全ての実施例において、圧力バルブ、リセットスプリング4、51およびピストン3、52と分離した構成要素として構成されている。この吸引バルブ61は、ポンプハウジング1内に特にくさび止めされることによって取着されていて、それとともに、取り扱いが容易であり圧力バルブと分離して試験できる構成装置を提供する。
【0029】
図12に示された本発明の実施例によれば、ポンプピストン3は、ピストン封止部2によって封止されたポンプハウジング1に再度導かれる。特に好ましい方法において、ポンプピストン3は、上記の例と同様に、商業的なローラーベアリングまたはニードルベアリングのニードルまたはニードルローラである。特に、ピストン3はプランジャーピストン3として構成されている。このタイプのピストン3は、特別の磨耗と封止特性をあらわす特別な品質の表面を有する。更に、ベアリングのニードルは、大量生産部品として特に安価である。
【0030】
圧力バルブはまたバルブ座保持部9を備えていて、バルブ座11は、特に球のように構成されたバルブ部材12と協同するように設けられている。バルブ部材12は、バルブ座11に対してスプリング13によって予め装填されていて、上記スプリング13の他端部は、スプリング13用の案内部(参照されていない)を有するスプリング保持器に支持されている。上述した実施例に類似して、スプリング保持器は、例えば、プレス嵌合によってバルブカバー19に取着されている。
【0031】
スプリング保持カップ36は、ピストンポンプの作業用チャンバ40と協同していて、好ましくは、バルブ座保持部9に接続されている。ピストン封止部2を指し示す端部において、スプリング保持カップ36は、図5と6に示された実施例と同様にピストン3を指し示し、ピストン封止部2をその予見された位置に維持するコンソール37を備えている。さらに、コンソール37は、ピストンカバー5に設けられた外方に伸びた径方向の突出部と相互作用するので、圧力バルブ、スプリング保持カップ36、ピストンカバー5、およびリセットスプリング4は、独立して操作可能な構成装置としてポンプハウジング1内に設けることができる。本発明によれば、リセットスプリング4もまた、スプリング保持カップ36によって間接的にバルブ座保持部9に取着されている。この構造に加えて、フィルタ63が、スプリング保持カップ36と一体ではなく、この配置における独立した構成要素として構成されたバルブ座保持部9に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スプリング保持器が配置された圧力バルブを有する本発明の第1の実施例の長手方向断面図。
【図2】 スプリング保持器が配置された圧力バルブを有する本発明の第1の実施例の長手方向断面図。
【図3】 圧力バルブの更なる構造の可能性の断面図。
【図4】 圧力バルブの更なる構造の可能性の断面図。
【図5】 本発明による圧力バルブに固定されたピストン用のリセットスプリングを有する他の実施例の断面図。
【図6】 本発明による圧力バルブに固定されたピストン用のリセットスプリングを有する他の実施例の断面図。
【図7】 減衰用チャンバが圧力バルブに備えられた変形例の長手方向断面図。
【図8】 減衰用チャンバが圧力バルブに備えられた変形例の長手方向断面図。
【図9】 減衰用チャンバが圧力バルブに備えられた変形例の長手方向断面図。
【図10】 減衰用チャンバが圧力バルブに備えられた変形例の長手方向断面図。
【図11】 リセットスプリングがピストンに付加的に接続された本発明の好ましい態様の断面図。
【図12】 スプリング保持カップと別個に構成されたフィルタを有する本発明の好ましい実施例を示す同様な断面図。
Claims (8)
- 制御可能なブレーキシステム用のピストンポンプであって、ピストン(3、52)の前方のポンプの作業用チャンバ(40)が、圧力バルブによって境界を定められており、リセットスプリング(4、51)は、その一端部が前記圧力バルブのバルブ座保持部(9、54)に保持され、その他端部が前記ピストン(3、52)をその底部死点位置内にリセットスプリングの弾性力によって復帰させるように位置してなり、
前記リセットスプリング(4、51)は、その一端部がスプリング保持カップ(6、36、55)によって間接的にバルブ座保持部(9、54)に保持されていることを特徴とするピストンポンプ。 - その外側面に少なくとも1つの部分を有するスプリング保持カップ(6、36、55)は、バルブ座保持部(9、54)の凹部(8)の内壁に保持されていることを特徴とする請求項1記載のピストンポンプ。
- スプリング保持カップ(36、55)は、一端部がピストン(3、52)を指している径方向内方に向けられたコンソール(37、56)を備えていることを特徴とする請求項1または2記載のピストンポンプ。
- コンソール(37、56)は、ポンプハウジング(1)に配置されたピストン封止部(2、60)用の停止部を備えていることを特徴とする請求項3記載のピストンポンプ。
- フィルタ(21、59、63)が、スプリング保持カップ(6、36、55)と一体に設けられていることを特徴とする上記請求項1−4いずれか1項記載のピストンポンプ。
- ポンプハウジング(1)に配置された吸引バルブ(61)は、圧力バルブ、リセットスプリング(4、51)、スプリング保持カップ(6、36、55)、およびピストン(3、52)と独立して組み立てでき、また試験できることを特徴とする請求項1記載のピストンポンプ。
- リセットスプリング(51)は、ポンプピストン(52)に保持されていることを特徴とする請求項1記載のピストンポンプ。
- 前記圧力バルブは、減衰用チャンバ(44)が合体されたバルブカバー(19)を備えていることを特徴とする請求項1記載のピストンポンプ。
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