JP4794371B2 - 外装構造 - Google Patents
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Description
しかしながら、このタイプの外装構造では、経年のうちに風雨に曝されることによるボルトの劣化、或いは外装材に「孔」が形成されるためこの「孔」付近の防錆処理を施す必要があり、手間がかかるという問題があった。また、外装材の熱等に起因する伸縮によって、「孔」が拡開(拡大)するため、雨仕舞い性能の劣化を招くという問題もあった。
しかしながら、このタイプの外装構造では、「ハゼ締め」の工程が終わるまでは外装材の取り付けが完了していない状態であり、母屋間で下側外装材のハゼが重力によってたわみ、ずれた状態でハゼ締めを行うと、所定の組状態を得ることができず、浸水の問題や、強度に問題が生じる恐れがあり、特に強風下においては外装材が外れて飛散する恐れもあった。さらに、ハゼ締め部に応力が集中するため、弛みやすいという問題もあった。
しかしながら、このタイプの外装構造では、その多くは屋根材の側縁間を覆うカバー材が必要となり、部材点数の増加を招く(部材コストの高騰)という問題があった。また、嵌合部や各部位の寸法形状に高精度の成形が求められるという問題もあり、しかも下地である躯体(鋼材)には不陸が生じることがあるため、仮に高精度に成形できたとしても施工で嵌らない等の問題が生ずることがあった。さらに、ここ数年来の異常気象、例えば大型台風の襲来等において、「対風圧強度」の向上が求められていた。
まず、外装材1は、略平坦状の面板部11の両側縁に傾斜状の立上り部12,12'を有し、これら立上り部12,12'には保持部材2の被嵌合部221,221'に嵌合して保持される嵌合部121,121'が設けられ、一方の立上り部12の先端には内ハゼ部13が、他方の立上り部12'の先端には内ハゼ部13に係合する外ハゼ部14が設けられている。
また、これら立上り部12,12'に形成される嵌合部121,121'は、後述する保持部材2の被嵌合部221に嵌合して保持される構成及び形成位置であればよく、具体的な構成を限定するものではない。
図示実施例の嵌合部121,121'は、保持部材2の保持部22の上部(延出部220)側端に外側へ突出するように設けられた被嵌合部221,221'に嵌合して保持される構成であって、例えば山部の左サイドを構成する一方の立上り部12に設けられる嵌合部121は、右方に突出する下凸部分と左方に突出して戻る上凹部分124とからなる略S字状に形成されている。この嵌合部121と嵌合する保持部材2の左側の被嵌合部221は、右方へ凹む下凹部分と左方へ突出する上凸部分224からなる。そのため、嵌合部121と被嵌合部221の嵌合とは、下凸部分と下凹部分が係合すると共に上凹部分124と上凸部分224が係合することに他ならない。尚、山部の右サイドを構成する他方の立上り部12'に設けられる嵌合部121'は、左右は逆であるが、嵌合部121と同様に、下凸部分と上凹部分124とからなる。
また、立上り部12,12'は、敷設状態において弾性により保持部材2に傾倒するように、敷設状態における傾斜角度よりも小さい傾斜角度(=面板部11との屈曲角度)で成形しておくようにしてもよい。
図示実施例の内ハゼ部13は、図2(b)に示すように、略垂直状の基端(起立部130)を介して右方向に屈曲しつつ折り上げられた形状(略く字状面131)、即ち二つの斜面を組み合わせた形状であって、先端132が折り返された起立面である。
また、図示実施例の外ハゼ部14は、図2(a)に示すように、略垂直状の基端(起立部140)を介して全体には略つ字状であって、右側の形状に関しては内ハゼ部13と同様に右方向に屈曲する形状(略く字状面141)であり、左側の形状に関しては、中央の上半142は右側の上半と略対称に形成され、その先端143が外方(左方)へ略水平状に延在する形状とした。
そして、敷設状態においては内ハゼ部13及び外ハゼ部14の各略く字状面131,141が重合し、鉛直方向以外の面状の重合部となる。
また、外装材1の裏面には、結露防止、防音、防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフォーム、グラスウールシート等の裏張り材を添装してもよく、図示実施例では、面板部11から立上り部12の嵌合部121,121'に至るまで裏張り材15を添装した。
尚、図示実施例では、下地3は左右に亘る鉄骨躯体である。
そのため、二種のタイプの相乗効果として、安定な仮止め状態でハゼ締めすることができ、より確実に且つ強固な接続構造を得ることができる。
尚、これらの実施例においても、内ハゼ部16a,16bの外側に外ハゼ部17a,17bが係合する構成については共通し、鉛直方向以外に面状の重合部を有して係合する構成であって、内ハゼ部16a,16bが鉛直方向へズレ落ちない為の抵抗面となる点でも共通する。
また、外ハゼ部17aは、図4(c)に示すように、前記図1〜3の実施例における外ハゼ部14と近似する形状であって、右側の形状に関しては右方向に屈曲しつつ折り上げられた形状(略く字状面171)であり、その上端を略垂直状に折り下げ(折り下げ面172)、その下端を外方(左側)へ折曲した形状(延在面173)とした。
そして、敷設状態においては内ハゼ部16a及び外ハゼ部17aの各略く字状面162,171が重合し、鉛直方向以外の面状の重合部となる。そのため、内ハゼ部16aが鉛直方向へズレ落ちることがない。
さらに、内ハゼ部16aを、外ハゼ部17aにて包囲状に保持すると共に各先端を相反する方向に位置させた(内ハゼ部16aの先端は右方(右半)に、外ハゼ部17aの先端は左方(左半)に位置する)構造となり、雨仕舞い性が高いものとなる。
また、外ハゼ部17bは、図5(c)に示すように、右側の形状に関しては内ハゼ部16bと同様に右方へ略水平状に延在する横面174とその先端を傾斜状に折り上げた傾斜面175とその上端を内側へ(やや右方へ)折り下げた折り下げ面176、さらにその下端を外側へ(やや左方へ)折り下げた折り下げ面177からなる形状であり、横面174と傾斜面175が重合部となる。
そして、敷設状態においては内ハゼ部16b及び外ハゼ部17bの各横面163,174及び各傾斜面164,175が重合し、鉛直方向以外の面状の重合部となる。そのため、内ハゼ部16bが鉛直方向へズレ落ちることがない。
尚、これらの実施例においても、内ハゼ部18a,18bの外側に外ハゼ部19a,19bが係合する構成については共通し、鉛直方向以外に面状の重合部を有して係合する構成であって、内ハゼ部18a,18bが鉛直方向へズレ落ちない為の抵抗面となる点でも共通する。
この実施例の内ハゼ部18aは、図6(c)に示すように、右上方向に屈曲しつつ折り上げられた形状(略く字状面181)、即ち二つの斜面を組み合わせた形状であって、先端182が折り返された起立面である。
また、外ハゼ部19aは、図6(b)に示すように、左側の立ち上げ面形状に関しては内ハゼ部18aと同様に右上方向に屈曲する形状(略く字状面191)であり、その上端に弧状部分192を介して略く字状の折り下げ面193'(図中、点線で示した)を形成した。
そして、敷設状態においては内ハゼ部18a及び外ハゼ部19aの各略く字状面181,191が重合し、鉛直方向以外の面状の重合部となる。そのため、内ハゼ部18aが鉛直方向へズレ落ちることがない。
さらに、外ハゼ部19aの折り下げ面193'を、内ハゼ部18aの先端182及び基端に沿うようにハゼ締め(ハゼ締め後の折り下げ面を193とした)する。そのため、内ハゼ部18aは、外ハゼ部19aにて包囲状に保持される構造となり、雨仕舞い性が高いものとなる。
この実施例の内ハゼ部18bは、図7(c)に示すように、右上方向−左上方向−右上方向にジグザグに折り上げられた形状(折り上げ面183)、即ち三つの斜面を組み合わせた形状であって、先端184が折り返された形状とした。
また、外ハゼ部19bは、図7(b)に示すように、左側の立ち上げ面形状に関しては内ハゼ部18bと同様に右上方向−左上方向−右上方向に折り上げられた三段階のジグザグ形状(折り上げ面194)であり、その上端を略鉛直方向に折り返し(折り下げ面195)、その下端196を外方(右方)へ屈曲した形状とした。
そして、敷設状態においては内ハゼ部18b及び外ハゼ部19bの各折り上げ面183,194が重合し、鉛直方向以外の面状の重合部となる。そのため、内ハゼ部18bが鉛直方向へズレ落ちることがない。
さらに、外ハゼ部19bの折り下げ面195を、内ハゼ部18bの先端184に重合させると共にその下端196を基端に近接させた。そのため、内ハゼ部18bは、外ハゼ部19bにて包囲状に保持される構造となり、雨仕舞い性が高いものとなる。
11 面板部
12,12' 立上り部
121,121' 嵌合部
122,122' 第二嵌合部
123,123' 上面部
124 上凹部分
13,16a,16b,18a,18b 内ハゼ部
14,17a,17b,19a,19b 外ハゼ部
130,140 基端(起立部)
15 裏張り材
2 保持部材
2A 下側部材
2B 上側部材
21 固定部
22 保持部
220 上部(延出部)
221 被嵌合部
222 第二被嵌合部
224 上凸部分
23 脚部
3 下地
Claims (3)
- 中心側に面板部を有し、先端部に傾斜状の立上り部を有し、各立上り部の先端には、端縁を折り曲げて引っ掛け合わせて継ぐためのハゼ部が形成され、施工状態において山部と谷部が交互に形成される外装材を保持部材を介して取り付ける外装構造において、
保持部材には、左右の外側へ延出する延出部が設けられ、該延出部の端縁が外側へ突出する上凸部分であり、この上凸部分を備える被嵌合部を形成し、前記左右の延出部の端縁の間に窪みを形成し、
外装材の立上り部には、保持部材の被嵌合部に嵌合して保持される嵌合部が設けられ、該嵌合部は、前記上凸部分に係合する上凹部分を備え、該嵌合部のハゼ部側に、嵌合部の外方向への傾動を抑制するための下方へ窪む第二嵌合部が設けられ、一方の立上り部の先端にはハゼ部をハゼ締めした際に内側となる内ハゼ部が、他方の立上り部の先端には内ハゼ部の外側に係合する外ハゼ部が設けられ、
下地上に固定した保持部材の被係合部の上凸部分に対して外装材の嵌合部の上凹部分を係合させつつ、保持部材の窪みの縁部である第二被保持部に対して外装材の第二嵌合部を係合状に保持させ、内ハゼ部と外ハゼ部とを重合状に係合してハゼ締めしてなることを特徴とする外装構造。 - 重合部は略垂直状の起立部を介して略く字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の外装構造。
- 嵌合部と第二嵌合部が略水平状の上面部を介して連続していることを特徴とする請求項1又は2に記載の外装構造。
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