JP2966345B2 - 縦葺外装構造及びその施工方法 - Google Patents

縦葺外装構造及びその施工方法

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JP2966345B2
JP2966345B2 JP11824696A JP11824696A JP2966345B2 JP 2966345 B2 JP2966345 B2 JP 2966345B2 JP 11824696 A JP11824696 A JP 11824696A JP 11824696 A JP11824696 A JP 11824696A JP 2966345 B2 JP2966345 B2 JP 2966345B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】建物の屋根や壁の外装構造の
発明であって、主に縦葺き(縦張り)外装材と、隣接す
る縦葺き(縦張り)外装材間を覆って弾性嵌合により取
り付けられる化粧カバーよりなる縦葺き(縦張り)外装
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、主に縦葺き(縦張り)外装材と、
隣接する外装材間を覆って弾性嵌合により取り付けられ
る化粧カバーよりなり、仕上がり状態が略平坦状の壁面
となる縦葺き(縦張り)外装構造に関して、数多くの提
案がなされている。例えば、実開昭59−168431
号によって公開された屋根、意匠登録第822841号
の類似2に係る屋根板材を用いた屋根等である。これら
の提案は、外装材の面板部と化粧カバーの化粧面部より
なる外装表面が略平坦状に現れるという特徴を有し、化
粧カバーの取り付けは、カバーの左右脚部の外側に形成
された嵌合部を、脚部の外側に位置する縦葺き外装材や
外装材保持部材等に設けられた被嵌合部に対して弾性嵌
合することにより行われるので、カバーの施工性に優れ
るという効果を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一方で
前記弾性嵌合の構成に起因して、以下のような問題があ
った。弾性嵌合を容易にするためカバーの板厚を薄くし
たり嵌合状態を浅くすると、施工性は向上するが、嵌合
関係が緩いので、たとえ施工当初は完全な嵌合状態が得
られていても、素材の熱伸縮作用や風、地震等の外力と
いった、経時変化により、不完全な嵌合状態に変化し
て、化粧カバーの浮き上がりが生じて外装面の意匠性を
損なうことがあった。また、施工当初より不完全な嵌合
状態が含まれている場合には、前記経時変化により著し
い浮き上がりとなり、この状態で強風等の外力が伴うと
最悪の場合、化粧カバーの脱落や飛散事故に至りかねな
かった。
【0004】反対に、弾性嵌合を強固で確実なものとす
るため、板厚を厚くしたり、嵌合状態を深くすると、著
しく施工性が低下し、最悪の場合僅かな割付誤差により
化粧カバーの取付けそのものが不能になってしまう。こ
のような問題は、上述の仕上がり状態が略平坦状の壁面
となる縦葺き(縦張り)外装構造に限らず、略縦桟状の
壁面となる縦葺き(縦張り)外装構造等でも生じるおそ
れがあった。
【0005】従って、この種構成の外装構造では、施工
性が良好であるとともに、縦葺き外装材等に対する化粧
カバーの嵌合関係が強固かつ確実となる縦葺外装構造が
求められており、かかる要望に答え、本件発明は縦葺き
外装材等に対する化粧カバーの施工性と嵌合関係の両立
を図るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願発明は隣接する縦葺き外装材等の側縁等に対し、弾
性嵌合により取り付けられる化粧カバーを用いる縦葺外
装構造において、化粧カバー内に弾性を有する板状弾性
材を介在させ、その弾性を利用して化粧カバーの嵌合関
係を強固かつ確実にするとともに、施工性を図る縦葺外
装構造である。即ち、本願発明の縦葺外装構造は請求項
1に記載のように、主に縦葺き外装材と、隣接する縦葺
き外装材間を覆って弾性嵌合により取付けられる化粧カ
バーとからなる縦葺外装構造において、前記化粧カバー
は、化粧面部と、該化粧面部の側端からそれぞれ下方に
垂下するとともに、外側に凸状の嵌合部及びその内面側
に凹状部を有する脚部とからなり、前記化粧カバーの凹
状部間に、弾性を有する板状弾性材を嵌着し、前記化粧
カバーの嵌合部に対応して縦葺き外装材の側縁または化
粧カバー保持部を備えた部材に形成された被嵌合部に、
化粧カバーを弾性嵌合している。
【0007】ここで、縦葺き外装材は、縦葺き用屋根板
或いは建物の外壁となる縦張り用外装材となるものであ
る。化粧カバーの化粧面部は、どのような形状でもよ
く、例えば後述する略平坦状の化粧面部や略凸面状の化
粧面部でもよい。また、板状弾性材はその弾性を化粧カ
バーに作用させる部材であるため、板状弾性材の両縁
が、化粧カバーの脚部凹状部に嵌着、即ち、嵌った状態
で取付けられ、縦葺き外装材等に弾性嵌合される。な
お、化粧カバーは縦葺き外装材の他に、化粧カバー保持
部を備えた部材に弾性嵌合される。ここで化粧カバー保
持部を備えた部材は化粧カバー自体を保持する化粧カバ
ー保持部を有する部材であり、例えば化粧カバーを保持
する化粧カバー保持部材、化粧カバー保持部を有する樋
部材或いは化粧カバー保持部を有する外装材保持部材等
がある。
【0008】上記構成の縦葺外装構造では、化粧カバー
の嵌合部内面側の凹状部間に板状弾性材が嵌着された状
態で、その化粧カバーの嵌合部が縦葺き外装材の側縁ま
たは化粧カバー保持部を備えた部材の被嵌合部に弾性嵌
合している構造であるので、板状弾性材の両縁に弾性が
作用し、化粧カバーの嵌合部に対する嵌合力となる。従
って、本発明の縦葺外装構造は、その組上がり状態にお
いて、化粧カバーの脚部の凹状部に嵌着した板状弾性材
が経時変化に伴う脚部の内側方向への動きを規制するの
で、化粧カバー自身の弾性に依存する従来技術に比べ
て、経時変化によるカバーの浮き上がりを抑制し、極め
て強固かつ確実な嵌合関係を維持することができる。ま
た本発明によれば、嵌合力の加減は板状弾性材の幅、板
厚、断面形状、板状弾性材の組付け長さ、組付けピッ
チ、素材等により調整することができるので、従来技術
のように化粧カバーを外装材と異なる板厚としたり、規
格外の特注品を製作する必要がない。この結果、製造コ
ストの上昇を抑制することができる。一方、施工性につ
いては、化粧カバーの板厚を厚くせずにすみ、また、化
粧カバーを外装材等に弾性嵌合する際には、板状弾性材
はその弾性により化粧カバーの弾性変形に同調するの
で、施工時に従来技術に比して過大な力を要しない。従
って、本発明に係る縦葺外装構造は、従来技術と同等の
良好な施工性を保ちながら、嵌合関係が強固かつ確実な
構造である。
【0009】上記縦葺外装構造の施工方法は、まず、下
地上に適宜間隔で樋部材を敷設し、該樋部材を外装材保
持部材や化粧カバー保持部を備えた部材等で固定し、縦
葺き外装材を樋部材に臨ませつつ、外装材保持部材や化
粧カバー保持部を備えた部材等に固定する。ここまでの
工程は従来の縦葺外装構造の施工手順と同様である。本
発明の施工方法で特徴とする工程は請求項7に記載のよ
うに、化粧面部と、該化粧面部の側端からそれぞれ下方
に垂下するとともに、外側に凸状の嵌合部及びその内面
側に凹状部を有する脚部とからなる化粧カバーに対し、
前記化粧カバーの凹状部間に、弾性を有する板状弾性材
を嵌着した後、前記化粧カバーの嵌合部に対応して縦葺
き外装材の側縁または化粧カバー保持部を備えた部材に
形成された被嵌合部に、軒側または棟側のどちらか一方
より、順次、化粧カバーを弾性嵌合することである。こ
のような施工方法によれば、施工現場で化粧カバーの脚
部間に板状弾性材を差入れることにより簡単に板状弾性
材を化粧カバーの凹状部間に嵌着することができ、また
化粧カバーを外装材等に弾性嵌合する際には、板状弾性
材はその弾性により化粧カバーの弾性変形に同調すると
ともに、軒側または棟側のどちらか一方より、順次、弾
性嵌合させるので施工時に従来技術に比して過大な力を
必要としない。
【0010】前記化粧カバーの化粧面部は、請求項2に
記載のように、前記縦葺外装構造の外装壁面の仕上がり
状態が略平坦状となるように、略平坦状であってもよい
し、また、請求項3に記載のように、前記縦葺外装構造
の外装壁面の仕上がり状態が略縦桟状となるように、略
凸面状であってもよい。即ち、外装壁面の仕上がり状態
が略平坦状となる縦葺外装構造や略縦桟状となる縦葺外
装構造に対しても、板状弾性材により上述の作用効果を
付与することができる。また、請求項2の化粧カバーと
請求項3の化粧カバーを混用して請求項1の縦葺外装構
造を構成してもよい。
【0011】上記縦葺外装構造において、請求項4に記
載のように、隣接する縦葺き外装材間の下方には、板状
弾性材の中央下面と当接する凸部を有する部材が敷設さ
れてなる構造にしてもよい。かかる縦葺外装構造では、
凸部を有する部材の凸部に板状弾性材の中央下面が当接
するので、凸部を中心に板状弾性材が撓み、組み付け時
の板状弾性材の弾性変形の動きがガイドされ、かつその
動きを確実なものとすることができる。これにより、板
状弾性材の形状は短冊状、長方形、帯状等の極めて単純
な形状とすることができるので、製造コストを抑制でき
ると共に、現場施工における代替品の使用も可能にな
る。
【0012】請求項5に記載のように、前記凸部を有す
る部材は、隣接する縦葺き外装材間よりも幅広で、か
つ、両側縁に立上部を有するとともに、軒棟方向に長尺
な樋部材とすることにより、上記作用効果に加えて、雨
仕舞性、部材の兼用による施工性の向上やコストの抑制
を図ることができる。また、請求項6に記載のように、
凸部を有する部材は、凸部の両側に縦葺き外装材の側縁
を保持する保持部を形成した外装材保持部材とすること
により、上記作用効果に加えて、部材の兼用による施工
性の向上やコストの抑制を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】上記縦葺外装構造の実施の形態を
図面に基づいて詳細に説明する。図1は実施の形態に係
る縦葺外装構造の横断面図、図2(a)乃至(i)は、
同縦葺外装構造を構成する板状弾性材の実施形態を示
し、これらの内(a)乃至(d)はそれぞれ同一幅で長
さが異なる板状弾性材の斜視図、(e)乃至(i)はそ
れぞれ断面形状が異なる板状弾性材の断面図である。な
お、図2(a)乃至(i)に示す板状弾性材はそれぞれ
無荷重の場合の形状である。
【0014】図1に示す実施の形態(以下、第1実施形
態という)は、仕上がり状態が略平坦状の外装壁面とな
る縦葺外装構造であって、主に縦葺き外装材1と化粧カ
バー2とからなり、該化粧カバー2は隣接する縦葺き外
装材1,1間を覆って、それぞれの縦葺き外装材1,1
と弾性嵌合することにより取り付けられている。かかる
縦葺外装構造において、化粧カバー2の嵌合部21,2
1内面側の凹状部22,22間に嵌着する板状弾性材3
により、その弾性作用を各凹状部22,22に及ばすこ
とができる構造とする。
【0015】前記縦葺き外装材1は、縦葺き用屋根板或
いは建物の外壁となる縦張り用外装材となるもので、以
下、単に外装材と称する。該外装材1は、外装面となる
略平坦状部10と、該平坦状部10の両側縁を折下げて
形成した縦縁11,11からなり、それぞれの縦縁1
1,11にはそれぞれ外側に略「くの字」状に折り曲げ
た被嵌合部12,12を形成し、それらの被嵌合部1
2,12を介して化粧カバー2を弾性嵌合する。
【0016】前記外装材1は、長尺材であるか、定尺材
であるかを問わない。但し定尺材の場合、施工者一人で
の施工性を考慮すると概ね4m前後、輸送性を考慮する
と概ね10m程度の長さになる。また外装材1は、表面
化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼
板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板、真鍮板、鉛板
等の公知の金属素材、及び炭素繊維積層板、硬質樹脂板
等により成形される。そして、素材が金属板の場合に
は、ロール成形またはプレス成形、或いは両者の組合せ
により成形される。素材が非金属の場合には主として型
成形により成形される。これらの素材厚は、特に限定さ
れるものではないが、概ね0.4ないし1.6mm程度
である。
【0017】前記外装材1は図1に示すように、それら
の被嵌合部12,12が外装材保持部材4,4に保持さ
れることにより、外装材保持部材4,4を介して下地7
に固定されており、該外装材保持部材4は、外装材1の
被嵌合部12,12を保持する保持片40,40を備え
ている。なお、外装材保持部材は一つの部材で構成した
り、また下部保持部材と上部保持部材に分けて複数部材
から構成するようにしてもよい。また外装材保持部材は
ピース材でもよいし、長尺材でもよいが、長尺材とする
場合、後述する図3に示すように樋部材を兼ねる兼用材
とすることが合理的である。このような外装材保持部材
は、アルミや硬質樹脂による押出成形品、メッキ鋼板、
ステンレス鋼板等のプレス加工品及びセラミック等より
なる。なお、後述のように、外装材の固定方法は外装材
の構成や用途に対応できる方法であればよく、この第1
実施形態のごとく外装材保持部材を用いる構成に限定さ
れるものではない。
【0018】前記外装材1の裏面には、結露防止、防音
対策上の観点からポリエチレンフォーム等の裏貼り材9
を裏貼りや敷き込みにより添装してもよい。
【0019】隣接する前記各外装材1,1間を覆って、
各外装材1,1と弾性嵌合することにより取付けられる
化粧カバー2は、前記外装材1の平坦状部10とともに
壁面を構成する略平坦状の化粧面部20と、該化粧面部
20の側端からそれぞれ下方に垂下するとともに、外側
に略「くの字」状に折り曲げて形成した凸状の嵌合部2
1,21と、その凸状嵌合部21,21の内面側に凹状
部22,22を有する脚部23とから構成されている。
前記嵌合部22,22は、隣接する外装材1,1の各被
嵌合部12,12と弾性嵌合する部分であり、嵌合部2
2,22が被嵌合部12,12に重なり合うように嵌合
することが望ましい。しかし、後述する板状弾性材3の
弾性作用により、正確に重合しない場合や、嵌合関係が
「浅い」状態であっても、経時変化による化粧カバーの
浮き上がりを抑制し、化粧カバーの脱落を防止すること
ができる縦葺外装構造にすることができる。
【0020】前記化粧カバー2の定尺長さも、基本的に
外装材1と同様であるが、外装材1は流れ長さに亘る長
尺材とし、化粧カバー2は3,4メートルの長尺な定尺
材というように組み合わせて使用してもよい。外装材
1、化粧カバー2とも定尺材とした場合には、飛来物等
によって部分的な破損が生じても、その破損定尺材のみ
を容易に交換することが可能になる。また、化粧カバー
2を定尺材として上下の継ぎを行う場合、軒側端に化粧
面部20だけからなる重合部(図示せず)を形成して、
下段の化粧カバー2の棟側端に重合させればよい。この
場合、重合部は上下方向のズレ防止のため、ブラインド
リベット等で固着してもよい。なお、化粧カバー2は基
本的には外装材などの建築用板材と同一素材により成形
される。
【0021】前記板状弾性材3は、前記外装材1,1に
弾性嵌合した化粧カバー2の脚部23,23の前記凹状
部22,22間に嵌着した状態で取付ける。即ち、板状
弾性材3の両縁が化粧カバー2の前記凹状部22,22
にそれぞれ嵌った状態で取付けられている。該板状弾性
材3は、化粧カバー2を外装材1,1に弾性嵌合する際
に、化粧カバー2の弾性変形に同調させるとともに、弾
性嵌合後は化粧カバー2の凹状部22,22に対し弾性
を作用させる部材であるので素材としてバネ鋼が望まし
い。但し、本件発明における使用態様は施工時を除いて
大きな変位の繰り返しが伴わないので、施工時にバネ鋼
に準じる弾性性能を有するものであれば、その素材は特
に問わない。例えばステンレス鋼板、メッキ鋼板でもよ
いし、プラスチック板バネでもよい。
【0022】次に、前記板状弾性材3の具体的な形状を
図2の(a)乃至(i)に基づいて説明する。板状弾性
材3の幅W1(無荷重時の幅)に関しては、板状弾性材
の両縁に弾性が作用し、経時変化に伴う脚部23,23
の内側方向への動きを規制できる嵌合力が働く幅であれ
ばよい。具体的には板状弾性材嵌着後の化粧カバー2の
嵌合部21,21間の幅をWs1(図4(b)参照)、化
粧カバー2を外装材1,1に組み付けた状態の嵌合部2
1,21間の間隔をWs2(図1参照)とすると、Ws1>
Ws2の関係が成り立つだけの幅、すなわちW1>Ws1>
Ws2であればよいということになる。なお、関連して、
板状弾性材嵌着後の化粧カバー2の嵌合部21,21間
の幅Ws1、板状弾性材嵌着前の化粧カバー2の嵌合部2
1,21間の幅W2(図4(a)参照)の関係に言及す
ると、Ws1>W2の関係になる。また板状弾性材3の幅
W1により、嵌合力を調節する場合には、前記関係の中
でW1を加減すればよい。
【0023】また板状弾性材3の長さ(L)に関して
は、、図2(a)の如く短冊状の板状弾性材3A、
(b)の如く正方形状の板状弾性材3B、(c)の如く
矩形状の板状弾性材3C、(d)の如く帯状の板状弾性
材3D等がある。さらに、板状弾性材3の無荷重の際の
断面形状に関しては、(e)の如く上記(a)乃至
(d)の板状弾性材3A乃至3Dの形状があり、形状と
して極めて単純で、製造コストを抑制できると共に、現
場施工における代替品の使用も可能なもの、(f)の如
く略「への字」状で上方に撓み方向を与えて化粧カバー
2への嵌着作業性や外装材1への弾性嵌合の施工性を考
慮した板状弾性材3F、(g)の如く中央に湾曲部3a
を設けて確実に上方に撓み方向を与える板状弾性材3G
がある。また、上方への撓み方向を与えつつ、板状弾性
材の両縁に作用する弾性を確実に化粧カバー2の凹状部
22,22に伝えるため、両縁に折曲片3b,3bを設
けたものとして、(h),(i)に示す板状弾性材3
H,3Iがある。前記折曲片3b,3bは、板状弾性材
3H,3Iを化粧カバー2に嵌入する際に、その嵌入を
スムーズに行わせる機能も発揮する。上記板状弾性材の
幅、長さ、断面形状は、板状弾性材の素材、板厚、組み
付けピッチなどと共に、板状弾性材の嵌合力の調整要素
となるものであり、縦葺外装構造の施工環境に従って、
取捨選択すればよい。
【0024】なお、本件縦葺外装構造の化粧カバー2の
下方には、後述する他の実施形態などの一部の例外を除
き、軒棟長さの全長わたって樋部材5が敷設されてい
る。該樋部材5は、基本的に建築用板材と同一素材によ
り成形される。
【0025】上記のように構成された縦葺外装構造で
は、板状弾性材3の両縁に弾性が作用し、化粧カバー2
の嵌合部21,21に対する嵌合力となる。従って、縦
葺外装構造の組上がり状態において、板状弾性材3が経
時変化に伴う脚部23,23の内側方向への動きを規制
するので、化粧カバー自身の弾性に依存する従来技術に
比べて、経時変化によるカバーの浮き上がりを抑制し、
極めて強固かつ確実な嵌合関係を維持することができ
る。また本発明によれば、嵌合力の加減は板状弾性材3
の幅、板厚、断面形状、板状弾性材の組付け長さ、組付
けピッチ、素材などにより調整することができるので、
従来技術のように化粧カバーを外装材と異なる板厚とし
たり、規格外の特注品を製作する必要がなく、その結果
製造コストの上昇を抑制することができる。一方、施工
性については、化粧カバー2の板厚をおさえることがで
き、また化粧カバー2を外装材1に弾性嵌合する際に
は、板状弾性材3はその弾性により化粧カバー2の弾性
変形に同調するので、施工時に従来技術に比して過大な
力を要しない。従って、上記縦葺外装構造は、従来技術
と同等の良好な施工性を保ちながら、嵌合関係が強固か
つ確実な構造である。しかも板状弾性材3の嵌合力によ
り、化粧カバー2の嵌合部21,21と外装材1の被嵌
合部12,12とが正確に重合しない場合や、嵌合関係
が「浅い」場合であっても、強固かつ確実な嵌合関係を
維持することができる。
【0026】加えて、外装材保持部材4を介して外装材
1を固定している上記縦葺外装構造では、板状弾性材3
の嵌合力を強めることにより、外装材1自体も外装材保
持部材4と化粧カバー2により規制することができ、経
時変化による縦葺き外装材1の不完全な嵌合状態の発生
等を抑制できるようになっている。
【0027】続いて、外装材の被嵌合部に化粧カバーの
嵌合部を弾性嵌合した縦葺外装構造の第2実施形態を図
3に基づいて説明する。図3は、第2実施形態の縦葺外
装構造の横断面図であって、この第2実施形態が、前記
第1の実施形態と異なる主な点は、化粧カバー2Aの嵌
合部21,21の下部に板状弾性材3Jを嵌着する嵌着
突起3c,3cをそれぞれ形成し、これらの嵌着突起3
c,3cにより嵌合部内面側の凹状部22,22を構成
した点である。かかる嵌着突起3c,3cを設けること
により、板状弾性材3Jの嵌着位置をより下方に移動さ
せることができる。その結果、板状弾性材3Jの存在に
制約されることなく、化粧カバー2Aの外装材1Aに対
する弾性嵌合をよりスムーズに行わせることができる。
なお、前記外装材1Aの縦縁11,11には段付き部1
3,13がそれぞれ設けられ、これに対応して化粧カバ
ー2Aにも、前記段付き部13,13の上方をカバーす
るように化粧面部20が成形されている。また、図3中
「4A」は該外装材1Aを保持する外装材保持部材であ
り、長尺材でかつ樋部材を兼ねる兼用材となっている。
「8」はバックアップ材である。なお、その他の構成
は、前記第1の実施形態と同様であり、従ってこの第2
実施形態の縦葺外装構造は、第1の実施形態と同様な作
用効果を奏する。
【0028】次に、図1、図4及び図5を参照しつつ、
本発明の縦葺外装構造に関する代表的な施工方法を説明
する。図4(a)乃至(c)は矢印方向に施工手順を示
すもので、図5は図4(c)のA−A矢視断面図であ
る。まず、外装下地7上に、適宜間隔で樋部材5を敷設
して、外装材保持部材4,4で下地7に固定する。ここ
で、外装下地7は、木造、鉄骨造、コンクリート造等、
釘、ビス、アンカー等の固着具が取付可能なすべての建
物躯体をいい、該躯体上に断熱その他の必要に応じて敷
設する木毛セメント板等のボード類を含む。従って、外
装材1と躯体との間に介装されるボード類が固定具の取
付強度を有する場合を例外として、原則的には、外装材
保持部材4を固定するための固定具は、前記ボード類を
貫通して、躯体を構成する母屋や垂木等の補助部材に固
定される。
【0029】続いて、外装材1をその縦縁11,11が
樋部材5に臨むように敷設して、保持片40,40を介
して外装材保持部材4,4に固定する。次に、図4
(a)に示すように、施工現場にて前記化粧カバー2の
開放端24より(イ)または(ロ)に図示する板状弾性
材3を差入れ、該化粧カバー2の凹状部22,22に、
板状弾性材3を嵌入する。その結果、図4(b)に示す
ように、板状弾性材3の弾性作用により、前記化粧カバ
ー2の両脚23,23が、外側方向に若干拡がるように
変形し、板状弾性材3が化粧カバー2の凹状部22,2
2に嵌着される。この嵌着作業では、嵌合力を調整する
ため、所定の取付けピッチで板状弾性材3を間欠的に嵌
着することとし、また、弾性嵌合の施工性を考慮して化
粧カバー2の軒端部或いは棟端部には板状弾性材3を嵌
着しないことが望ましい。なお、嵌着作業は化粧カバー
2の脚部23,23間に板状弾性材3を嵌着することに
より、施工現場にて簡単に行うことができるが、工場に
て行ってもよい。
【0030】最後に、隣り合う外装材間1,1に、板状
弾性材3を嵌着した化粧カバー2を軒側または棟側のど
ちらか一方より、順次、弾性嵌合により組み付けるが、
板状弾性材3はその弾性により化粧カバー2の弾性変形
に同調するので、化粧カバー2組み付けの施工性を妨げ
るものではない。板状弾性材3は、図4(c)及び図5
に示すように、化粧カバー2に対し部分的(間欠的)に
嵌着されているので、化粧カバー2の組み付けは、板状
弾性材3が嵌着されていない部分より始めればよく、図
4及び図5に示す施工方法では、化粧カバー2の軒側端
25より嵌合している。このように軒側X1または棟側
X2のどちらか一方より、順次、弾性嵌合させることが
でき、また板状弾性材3は化粧カバー2の弾性変形に同
調するので、施工時に従来技術に比して過大な力を要し
ないことになり、本発明は従来技術と同等の良好な施工
性を保ちながら、嵌合関係が強固かつ確実な構造にする
ことができる。
【0031】次に、隣接する外装材間の下方にて、板状
弾性材の中央下面と当接する凸部を有する部材が敷設さ
れてなる縦葺外装構造の実施形態を説明する。まず、そ
の第1の実施形態として、前記凸部を有する部材が樋部
材5Aである場合を、図6に基づいて説明する。該樋部
材5Aは、隣接する外装材1,1間よりも幅広で、か
つ、両側縁に立上部50,50を有するとともに、樋底
部51の中央に凸部52を成形している軒棟方向に長尺
な部材である。かかる樋部材5Aの凸部52が、外装材
1,1間の下方で、かつ、中心に敷設されている縦葺外
装構造では、前記化粧カバー2を外装材1,1に弾性嵌
合する際に、前記凸部52に板状弾性材3の中央下面が
当接するので、凸部52を中心に板状弾性材3が撓み、
組み付け時の板状弾性材3の弾性変形の動きがガイドさ
れ、かつその動きを確実なものとすることができる。こ
れにより、板状弾性材3を図2の(a)乃至(d)に示
したような短冊状、長方形、帯状等の極めて単純な形状
とすることができるので、製造コストを抑制できると共
に、現場施工における代替品の使用も可能になる。ま
た、凸部を有する部材を樋部材5Aとすることにより、
上記作用効果に加えて、雨仕舞性、部材の兼用による施
工性の向上やコストの抑制を図ることができる。
【0032】前記樋部材5Aは、前記凸部52を貫通す
る固着具によって、下地7に固定されており、該樋部材
5Aの立上部50,50先端に成形された係止部53,
53に外装材1,1が係止されている。なお、固着具に
は防水座金または防水キャップ付きの固着具を使用する
のが望ましい。
【0033】次に、第2の実施形態として、前記凸部を
有する部材が外装材保持部材である場合を、図7及び図
8に基づいて説明する。図7に示す外装材保持部材4B
は、縦葺き外装材1,1の縦縁11,11を保持する保
持部としての保持片40,40を形成すると共に、隣接
する外装材1,1間の下方中央位置にて突片41を設け
て凸部を構成している。かかる構成においても前記化粧
カバー2を外装材1,1に弾性嵌合する際に、前記突片
41に板状弾性材3の中央下面が当接するので、図6に
示した第1実施形態と同様な作用効果を奏する。
【0034】図8に示す外装材保持部材4Cは、縦葺き
外装材1,1の縦縁11,11を保持する保持部として
の保持片40,40を形成すると共に、隣接する外装材
1,1間の下方中央位置に略台形状の凸部42を設けて
いる。そして該凸部42により、図7に示した突片41
と同様な作用効果を奏することができる。なお、外装材
保持部材4Cは図7に示す外装材保持部材4Bと異な
り、樋部材5Bの内側に配置されているので、外装材保
持部材4Cを固定する固着具には防水座金または防水キ
ャップ付きの固着具を使用するのが望ましい。
【0035】次に、前記凸部を有する部材が外装材によ
って構成される第3の実施形態を、図9及び図10に基
づいて説明する。図9に示す外装材1Bは、その両縦縁
11,11に段付き部13,13を設けるとともに、被
嵌合部12,12の先端を下地7に達する程度まで垂下
させ、さらにその下地7に沿って隣接する外装材1B,
1B間の略中央まで外側に延出した後、立上部14,1
4を成形している。そして該外装材1Bを下地7に敷設
し、隣接する外装材1B,1B間の下方中央に前記立上
部14,14を組み付けた段階で、それらの立上部1
4,14により、凸部が形成される。従って外装材1
B,1Bに化粧カバー2Bを弾性嵌合する場合には、前
記凸部に板状弾性材3の中央下面が当接するので、図6
乃至図8に示した各実施形態と同様な作用効果を奏する
ことができる。
【0036】なお、この図9に示す実施形態では外装材
1Bの縦縁11,11によって樋兼固定部を構成してい
るので、外装材1Bを下地7に固定する際には、防水座
金または防水キャップ付きの固着具を使用するか、シー
リング材による水密処理を要す。
【0037】図10に示す外装材1Cは、その両縦縁1
1,11の被嵌合部12,12の先端を外装材保持部材
4Dに達する程度まで垂下させ、さらにその外装材保持
部材4Dの底部に沿って、隣接する外装材1C,1C間
の略中央まで外側に延出した後、立上部14,14を成
形している。しかして該外装材保持部材4Dを下地7に
敷設し、その外装材保持部材4Dに外装材1Cを固定す
る段階で、隣接する外装材1C,1Cの各立上部14,
14により、凸部が形成されることになる。従って、外
装材1C,1Cに化粧カバー2Cを弾性嵌合する場合に
は、前記凸部が板状弾性材3Kの弾性変形の動きをガイ
ドし、かつその動きを確実なものとし、図6乃至図9に
示した各実施形態と同様な作用効果を奏することができ
る。なお、前記板状弾性材3Kの両縁は、それぞれ外側
斜め上方に折り曲げられており、板状弾性材3Kの両縁
に作用する嵌合力を外側斜め上方に向けることができ
る。
【0038】次に、外装材に形成された被嵌合部ではな
く、化粧カバー保持部を備えた部材に形成された被嵌合
部に化粧カバーを弾性嵌合した縦葺外装構造であって、
該化粧カバーの凹状部間に板状弾性材が嵌着されている
実施形態を図11に基づいて説明する。化粧カバー保持
部を備えた部材として図11に示す化粧カバー保持部材
6は、化粧カバー2Dの嵌合部21,21と嵌合する化
粧カバー保持部としての被嵌合部60,60と、それら
の被嵌合部60,60を支持するとともに、該化粧カバ
ー保持部材6を樋部材5Cに載置するための載置部61
とからなっている。かかる化粧カバー保持部材6を用い
た縦葺外装構造では、化粧カバー2Dの嵌合部21,2
1の内面側の凹状部22,22間に、板状弾性材3を嵌
着した状態で、該化粧カバー2Dを化粧カバー保持部材
6に弾性嵌合させた構造である。
【0039】このような縦葺外装構造では、前記外装材
1に代えて化粧カバー保持部材6に化粧カバー2Dを弾
性嵌合した縦葺外装構造であるので、図1に示した縦葺
外装構造と同様な作用効果を得ることができるし、その
施工方法も図4及び図5に示した方法と同様な作用効果
を奏することができる。さらに、外装材1Dと前記化粧
カバー2Dはそれぞれ独立に嵌合されるから、各部材は
一方の部材の物理的変化(例えば熱伸縮)に影響され難
いというメリットもある。
【0040】また、載置部61は、図11に示すように
凸状に成形されているので、図6乃至図8に示した縦葺
外装構造と同様な作用効果を奏することになる。前記化
粧カバー保持部材6は、その載置部61に対応して形成
された樋部材5の凸状部を介して、防水座金または防
水キャップ付きの固着具により下地7に固定されてい
る。なお、凸状の前記載置部61を設けることなく、前
記化粧カバー保持部材を略上開きコ字状に成形するよう
にしても良い。
【0041】化粧カバーを保持する被嵌合部を有する前
記化粧カバー保持部を備えた部材として、化粧カバー保
持部を備えた樋兼用部材としたり(図示せず)、化粧カ
バー保持部を備えた外装材保持部材兼用部材(図示せ
ず)を用いても良い。またこれらの兼用材は、短尺な化
粧カバー保持部材と長尺な樋部材というように、複数部
材を嵌合等で一体化する組合せ部材であってもよい。か
かる兼用部材、組合せ部材によっても、本発明の縦葺外
装構造と同様な作用効果を得ることができる。
【0042】次に、仕上がり状態が略縦桟状の外装壁面
となる縦葺外装構造に対し、前記板状弾性材3を用いた
実施形態を図12に基づいて説明する。化粧カバー2は
図12に示すような凸面状の化粧面部20Aを備えてお
り、この実施形態においても、化粧カバー2の凹状部2
2,22間に嵌着する板状弾性材3により、その弾性作
用を各凹状部22,22に及ばすことができる構造とな
っている。化粧カバーの化粧面部以外の構成は、上述の
縦葺外装構造と同様であるので、図面上同一の符号を付
して説明を省略する。
【0043】前記凸面状の化粧面部20Aは、その断面
が略半円形状に成形されていると共に、化粧面部の両側
端に鍔状の折曲部26,26を成形し、それらの折曲部
終端から下方に脚部23,23を垂下させている。化粧
カバー2は、その折曲部26,26が前記外装材1の平
坦状部10に当接するとともに、嵌合部21,21が前
記外装材1,1の被嵌合部12,12に弾性嵌合され、
かつ、凹状部22,22間に板状弾性材3が嵌着されて
いるので、外装材1に対し極めて強固かつ確実な嵌合関
係を維持することができる。また、化粧カバー2の折曲
部26,26は、化粧カバー2を外装材1,1に弾性嵌
合する際にはストッパーの役割を果たすものである。
【0044】化粧カバーの凸面状の化粧面部としては、
その他図13(a)に示すように断面形状が縦長半円形
状の化粧面部20B、(b)に示すように断面形状が三
角形状の化粧面部20C、(c)に示すように断面形状
が横長半円形状の化粧面部20D、(d)に示すように
断面形状がパラソル形状の化粧面部20E等がある。こ
れの化粧面部の内、図13(b)乃至(d)の化粧面部
20C乃至20Eは各側端をそれぞれ内側に折返してお
り、その折返部27,27が前記外装材1の略平坦状部
10に当接することにより、前記折曲部26,26と同
様な作用効果を奏する。上記各化粧面部20A乃至20
Eを備えた化粧カバー2を用いれば、仕上がり状態が略
縦桟状の凸部が形成された外装面意匠となり、しかも板
状弾性材3により、仕上がり状態が略平坦状となる縦葺
外装構造と同様な作用効果を得ることができる。
【0045】その他、図13(e)に示すように、外装
材1に対し化粧カバーとして避雷導体20F等の外部設
備を取付けることもできる。また、略平坦状の化粧面部
を備えた前記化粧カバー2と、略凸面状の化粧面部を備
えた化粧カバー2を混用してもよく、この場合の縦葺外
装構造においても、板状弾性材3により上述の作用効果
を付与することができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1に記載の縦葺外装構造によれ
ば、化粧カバーの凹状部間に板状弾性材が嵌着された状
態で、その化粧カバーの嵌合部が縦葺き外装材の側縁ま
たは化粧カバー保持部を備えた部材の被嵌合部に弾性嵌
合している構造であるので、板状弾性材の両縁に弾性が
作用し化粧カバーの凸状の嵌合部に対する嵌合力とな
る。従って、本発明の縦葺外装構造は、その組上がり状
態において、化粧カバーの脚部の凹状部に嵌着した板状
弾性材が経時変化に伴う脚部の内側方向への動きを規制
するので、化粧カバー自身の弾性に依存する従来技術に
比べて、経時変化によるカバーの浮き上がりを抑制し、
極めて強固かつ確実な嵌合関係を維持することができ
る。また本発明によれば、嵌合力の加減は板状弾性材の
幅、板厚、断面形状、板状弾性材の組付け長さ、組付け
ピッチ、素材等により調整することができるので、従来
技術のように外装材と異なる板厚としたり、規格外の特
注品を製作する必要がない。この結果、製造コストの上
昇を抑制することができる。一方、施工性については、
化粧カバーを外装材等に弾性嵌合する際には、板状弾性
材はその弾性により化粧カバーの弾性変形に同調するの
で、施工時に従来技術に比して過大な力を要しない。従
って、本発明に係る縦葺外装構造は、従来技術と同等の
良好な施工性を保ちながら、嵌合関係が強固かつ確実な
構造である。
【0047】請求項2の発明や請求項3の発明によれ
ば、仕上がり状態が略平坦状となる縦葺外装構造であっ
ても、また仕上がり状態が略縦桟状となる縦葺外装構造
であって、上述の作用効果を得ることができる。
【0048】請求項4に記載の縦葺外装構造によれば、
凸部を有する部材の凸部に板状弾性材の中央下面が当接
するので、凸部を中心に板状弾性材が撓み、組み付け時
の板状弾性材の弾性変形の動きがガイドされ、かつその
動きを確実なものとすることができる。これにより、板
状弾性材の形状は短冊状、長方形、帯状等の極めて単純
な形状とすることができるので、製造コストを抑制でき
ると共に、現場施工における代替品の使用も可能にな
る。
【0049】請求項5に記載の縦葺外装構造によれば、
前記凸部を有する部材は、隣接する外装材間よりも幅広
で、かつ、両側縁に立上部を有するとともに、軒棟方向
に長尺な樋部材とすることにより、上記作用効果に加え
て、雨仕舞性、部材の兼用による施工性の向上やコスト
の抑制を図ることができる。
【0050】請求項6に記載の縦葺外装構造によれば、
凸部を有する部材は、凸部の両側に縦葺き外装材の側縁
を保持する保持部を形成した外装材保持部材とすること
により、上記作用効果に加えて、部材の兼用による施工
性の向上やコストの抑制を図ることができる。
【0051】請求項7に記載の縦葺外装構造の施工方法
によれば、施工現場で化粧カバーの脚部間に板状弾性材
を差入れることにより簡単に板状弾性材を化粧カバーの
凹状部間に嵌着することができ、また化粧カバーを外装
材等に弾性嵌合する際には、板状弾性材はその弾性によ
り化粧カバーの弾性変形に同調するとともに、軒側また
は棟側のどちらか一方より、順次、弾性嵌合させるので
施工時に従来技術に比して過大な力を必要としない。従
って本発明は、従来技術と同等の良好な施工性を保ちな
がら、嵌合関係が強固かつ確実な構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 外装材の被嵌合部に化粧カバーの嵌合部を弾
性嵌合した縦葺外装構造の第1実施の形態の横断面図、
【図2】 (a)乃至(i)は同縦葺外装構造を構成す
る板状弾性材の実施形態を示し、これらの内(a)乃至
(d)はそれぞれ同一幅で、長さが異なる板状弾性材の
斜視図、(e)乃至(i)はそれぞれ断面形状が異なる
板状弾性材の断面図、
【図3】 外装材の被嵌合部に化粧カバーの嵌合部を弾
性嵌合した縦葺外装構造の第2実施形態の横断面図、
【図4】 (a)乃至(c)は、矢印方向に施工手順を
示す施工手順図、
【図5】 図5は図4(c)のA−A矢視断面図、
【図6】 隣接する外装材間の下方にて、板状弾性材の
中央下面と当接する凸部を有する部材が敷設されてなる
縦葺外装構造の第1実施形態を示す横断面図、
【図7】 同縦葺外装構造の第2実施形態を示す横断面
図、
【図8】 同縦葺外装構造の第2実施形態であって、外
装材保持部材の構成を異にする場合の横断面図、
【図9】 同縦葺外装構造の第3実施形態を示す横断面
図、
【図10】 同縦葺外装構造の第3実施形態であって、
外装材の構成を異にする場合の横断面図、
【図11】 化粧カバー保持部材に形成された被嵌合部
に化粧カバーを弾性嵌合した縦葺外装構造の横断面図、
【図12】 仕上がり状態が略縦桟状となる縦葺外装構
造の横断面図、
【図13】 (a)乃至(d)は凸面状の化粧面部を備
えた化粧カバーの断面図、(e)は避雷導体等の外部設
備を構成する化粧カバーの断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D・・・縦葺き外装材(外装
材)、10・・・平坦状部、 11・・・縦
縁、12・・・被嵌合部、 13・・・段付
き部、14・・・立上部、2,2A,2B,2C,2D
・・・化粧カバー、20,20A,20B,20C,2
0D,20E・・・化粧面部、20F・・・避雷導体、
21・・・嵌合部、 22・・・凹状部、
23・・・脚部、 24・・・開放端2
5・・・軒側端 26・・・折曲部、2
7・・・折返部、3,3A,3B,3C,3D,3F,
3G,3H,3I,3J,3K・・・板状弾性材、3a
・・・湾曲部、 3b・・・折曲片、 3
c・・・嵌着突起 4,4A,4B,4C,4D・・・外装材保持部材、4
0・・・保持片、 41・・・突片、42
・・・凸部、5,5A,5B,5C・・・樋部材、
51・・・樋底部、50・・・立上部、
52・・・凸部、 53・・・係止
部、6・・・化粧カバー保持部材、 60・・・被嵌
合部、61・・・載置部、7・・・下地、
8・・・バックアップ材、9・・・裏貼り材、X
1・・・軒側、 X2・・・棟側。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主に縦葺き外装材と、隣接する縦葺き外
    装材間を覆って弾性嵌合により取付けられる化粧カバー
    とからなる縦葺外装構造において、 前記化粧カバーは、化粧面部と、該化粧面部の側端から
    それぞれ下方に垂下するとともに、外側に凸状の嵌合部
    及びその内面側に凹状部を有する脚部とからなり、 前記化粧カバーの凹状部間に、弾性を有する板状弾性材
    を嵌着し、 前記化粧カバーの嵌合部に対応して縦葺き外装材の側縁
    または化粧カバー保持部を備えた部材に形成された被嵌
    合部に、化粧カバーを弾性嵌合したことを特徴とする縦
    葺外装構造。
  2. 【請求項2】 前記化粧カバーは、前記縦葺外装構造の
    外装壁面の仕上がり状態が略平坦状となるように、略平
    坦状の化粧面部を備えていることを特徴とする請求項1
    に記載の縦葺外装構造。
  3. 【請求項3】 前記化粧カバーは、前記縦葺外装構造の
    外装壁面の仕上がり状態が略縦桟状となるように、略凸
    面状の化粧面部を備えていることを特徴とする請求項1
    に記載の縦葺外装構造。
  4. 【請求項4】 隣接する縦葺き外装材間の下方には、前
    記板状弾性材の中央下面と当接する凸部を有する部材が
    敷設されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    の何れかに記載の縦葺外装構造。
  5. 【請求項5】 前記凸部を有する部材は、隣接する縦葺
    き外装材間よりも幅広で、かつ、両側縁に立上部を有す
    るとともに、軒棟方向に長尺な樋部材であることを特徴
    する請求項4に記載の縦葺外装構造。
  6. 【請求項6】 前記凸部を有する部材は、凸部の両側に
    縦葺き外装材の側縁を保持する保持部を形成した外装材
    保持部材であることを特徴する請求項4に記載の縦葺外
    装構造。
  7. 【請求項7】 主に縦葺き外装材と隣接する縦葺き外装
    材間を覆って弾性嵌合により取付けられる化粧カバーと
    からなる縦葺外装構造の施工方法において、 化粧面部と、該化粧面部の側端からそれぞれ下方に垂下
    するとともに外側に凸状の嵌合部及びその内面側に凹状
    部を有する脚部とからなる化粧カバーに対し、前記化粧
    カバーの凹状部間に、弾性を有する板状弾性材を嵌着し
    た後、 前記化粧カバーの嵌合部に対応して縦葺き外装材の側縁
    または化粧カバー保持部を備えた部材に形成された被嵌
    合部に、軒側または棟側のどちらか一方より、順次、化
    粧カバーを弾性嵌合することを特徴とする縦葺外装構造
    の施工方法。
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