JP2966362B2 - 面板及び面板の接続構造 - Google Patents

面板及び面板の接続構造

Info

Publication number
JP2966362B2
JP2966362B2 JP35578296A JP35578296A JP2966362B2 JP 2966362 B2 JP2966362 B2 JP 2966362B2 JP 35578296 A JP35578296 A JP 35578296A JP 35578296 A JP35578296 A JP 35578296A JP 2966362 B2 JP2966362 B2 JP 2966362B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
face plate
groove
piece
elastic fitting
hanging piece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35578296A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10183885A (ja
Inventor
元旦 舩木
和幸 西澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GANTAN BYUUTEI KOGYO KK
Original Assignee
GANTAN BYUUTEI KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GANTAN BYUUTEI KOGYO KK filed Critical GANTAN BYUUTEI KOGYO KK
Priority to JP35578296A priority Critical patent/JP2966362B2/ja
Publication of JPH10183885A publication Critical patent/JPH10183885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2966362B2 publication Critical patent/JP2966362B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物等の内装や
外装に用いる面板及び面板の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の屋根や壁等の壁面を弾性
嵌合手段によって略平面状に構築する建築用外装材及び
外装構造として、特公平6−63314号公報に開示さ
れた建築用板がある。該建築用板の構成は、その一側縁
を略鉤状に成形した嵌合部を有する垂下状部を、対応す
る他側のU字状部の略鉤状被嵌合部の、前記嵌合部より
幅狭な挿入間隙に押圧挿入することにより、弾性嵌合さ
せるものである。その弾性嵌合は、鉤状の嵌合部及び被
嵌合部のそれぞれの傾斜状部の弾性変形を利用するもの
であって、嵌合部及び被嵌合部の形状による弾性力に期
待するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の弾性
嵌合による接続構造は、その施工性に優れているという
特徴を有する反面、以下のような問題があった。まず嵌
合作業を容易にするには、嵌合部または被嵌合部の何れ
か一方の鉤状の鋭角を強めるか、或いは双方の鋭角を強
めればよいが、その反面、弾性範囲が狭くなるので、嵌
合関係が弱くなったり、ガタツキが生じやすいという問
題が生じる。一方、嵌合関係を強くするには、嵌合部ま
たは被嵌合部を鈍角寄りに成形すればよいが、その反
面、施工作業が困難になるという問題がある。例えば建
築用板が厚物の場合、最悪、弾性による反発が強すぎて
施工そのものができないこともある。また薄物の場合、
施工はできても、比較的長期間大きな圧力を作用させる
ことになるので、嵌合部または被嵌合部の塑性変形を招
き、弾性回復力を失って、結果的に鋭角に形成した場合
と同じ問題を生じる可能性がある。上記問題は、隣接す
る面板に対しカバーを弾性嵌合させて建築物の屋根や壁
面を施工する面構造において、そのカバーの弾性変形を
利用する場合にも生じていた。
【0004】そこで、本発明は上記問題点を解消し、施
工し易く施工性に優れているとともに、嵌合力に優れた
面板とその接続構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載した発明は中央面板部の一側縁に略
凹状の溝部を有する一側成形部を、他側縁に前記溝部に
挿入されて弾性嵌合する垂下片を有する他側成形部を備
える建築物等の内外装を構築する面板であって、前記一
側成形部は、前記溝部の開口部に側縁側から斜め下向き
且つ閉塞状に延出する弾性嵌合片を有するとともに、前
記他側成形部の垂下片は、中間位置に前記弾性嵌合片の
先端部と嵌合する段部を有することを特徴とする面板で
ある。
【0006】面板の一側成形部には溝部の開口部を側縁
側から斜め下向き且つ閉塞するように延出する弾性嵌合
片が設けられているので、その弾性嵌合片の先端部と溝
部の側壁との間に前記垂下片を挿入する挿入間隙が形成
される。そしてこの挿入間隙を介して前記垂下片を溝部
に挿入する際には、その垂下片が斜め下向きに延出され
た前記弾性嵌合片を弾性変形させることになり、また前
記段部によって前記弾性嵌合片を弾性復帰させることに
なり、弾性復帰した弾性嵌合片の先端部と前記段部は弾
性的に嵌合する。即ち、前記垂下片により前記弾性嵌合
片が押下げられて弾性変形し、その後、段部によって弾
性復帰することにより弾性嵌合片の先端部が垂下片の段
部に強く嵌合された状態となる。よって前記挿入間隙に
段部を備えただけの前記垂下片を挿入するだけで良好な
弾性嵌合状態が得られ、面板の接続作業がより一層簡便
かつ確実なものとなる。そして前記溝部は弾性嵌合片に
より閉塞状に構成されているので、嵌合後において前記
垂下片にその挿入方向と逆方向(抜け方向)に力が働い
た場合、本願発明の面板は次のように作用する。抜け方
向に働く力により、前記段部とこれに嵌合している前記
弾性嵌合片の先端部は共に上方に変位するが、その変位
の結果、前記弾性嵌合片の先端部が対向する溝部の側壁
により近づき、前記挿入間隙をより狭くさせ、閉塞状の
溝部が完全な閉塞状態に近づくことになる。その結果、
前記垂下片が前記弾性嵌合片の先端部と前記溝部の側壁
で挟持されるので、嵌合後は面板が外れ難くなる。
【0007】また、請求項2に記載した発明は中央面板
部の両側縁に略凹状の溝部を有する接続成形部を備え、
カバーの両側縁に設けた垂下片を前記溝部に挿入して建
築物等の内外装を構築する面板であって、前記接続成形
部は、前記溝部の開口部に側縁側から斜め下向き且つ閉
塞状に延出されるとともに、その先端部が前記カバーの
垂下片の中間位置に設けられた段部と嵌合する弾性嵌合
片を有することを特徴とする面板である。
【0008】この発明においても、弾性嵌合片の先端部
と溝部の側壁との間の挿入間隙にカバーの垂下片を挿入
する際には、その垂下片が斜め下向きに延出された前記
弾性嵌合片を弾性変形させることになり、また前記段部
によって前記弾性嵌合片を弾性復帰させることになり、
弾性復帰した弾性嵌合片の先端部と前記段部は弾性的に
嵌合する。よって前記挿入間隙に段部を備えただけのカ
バーの垂下片を挿入するだけで良好な弾性嵌合状態が得
られ、隣接する面板の接続部にカバーを取付ける作業が
より一層簡便かつ確実なものとなる。さらに、カバーに
対し抜け方向に力が働いた場合、上記発明と同様に、こ
の発明においても面板は次のように作用する。即ち、抜
け方向に働く力により、カバーの前記段部とこれに嵌合
している面板の前記弾性嵌合片の先端部は共に上方に変
位するが、その変位の結果、前記弾性嵌合片の先端部が
対向する溝部の側壁により近づき、前記挿入間隙をより
狭くさせ、閉塞状の溝部が完全な閉塞状態に近づくこと
になる。その結果、カバーの前記垂下片が面板の前記弾
性嵌合片の先端部と前記溝部の側壁で挟持されるので、
嵌合後はカバーが外れ難くなる。
【0009】上記段部は請求項3に記載のように、前記
弾性嵌合片との当接角度が90゜以内であって、且つ前
記溝部への前記垂下片の挿入方向に対し鈍角状に形成さ
れていることを特徴とする。このような構成であれば、
弾性嵌合片に対する段部の弾性嵌合状態が良好となると
ともに、段部が溝部への垂下片の挿入方向に対し鈍角状
に形成されているので、垂下片に弾性変形が期待される
ことはなく、施工作業が容易になる。
【0010】請求項4に記載の発明は、前記溝部の少な
くとも一方の側壁には面板保持部材と弾性嵌合する被弾
性嵌合部が備わっていることを特徴とする。この発明に
よれば、面板保持部材に面板を固定する場合にも弾性嵌
合させることができるので、面板保持部材に対する取付
作業を効率的に行うことができる。
【0011】上記溝部の弾性嵌合片と垂下片の段部から
なる弾性嵌合構成を備えた面板の接続構造は、請求項5
に記載のように、下地上に所定間隙で配置した面板保持
部材に対し、面板の一側成形部に設けた前記溝部を弾性
嵌合するとともに、隣接する面板の他側成形部に設けた
前記垂下片を前記溝部に挿入し且つ該溝部の弾性嵌合片
の先端部に対し、前記垂下片の段部を弾性嵌合したこと
を特徴とする面板の接続構造である。よって、垂下片を
溝部内に差込むだけで接続作業が完成するので、屋根板
の接続作業が施工し易く、また面板の垂下片を隣接する
面板の前記弾性嵌合片が斜め上方から押さえるように弾
性嵌合している接続構造となるので、弾性嵌合が確実な
ものとなる。また閉塞状の溝部は抜け方向の力によって
完全な閉塞状態に近づくので、嵌合後は面板が外れ難い
接続構造となっている。
【0012】また面板とカバーの弾性嵌合構成を用いた
面板の接続構造は、請求項6に記載のように、下地上に
所定間隙で配置した面板保持部材に対し、面板の接続成
形部に設けた溝部を弾性嵌合するとともに、カバーの前
記垂下片を前記溝部に挿入し且つ前記溝部の弾性嵌合片
の先端部に対し、前記垂下片の段部を弾性嵌合したこと
を特徴とする面板の接続構造である。この接続構造によ
れば、カバーの垂下片を前記溝部内に差込むだけでカバ
ーの取付作業が完成するので、施工し易く、またカバー
の垂下片を面板の前記弾性嵌合片が斜め上方から押さえ
るように弾性嵌合している接続構造であるので、カバー
に対する弾性嵌合が確実なものとなる。また閉塞状の溝
部は抜け方向の力によって完全な閉塞状態に近づくの
で、嵌合後はカバーが外れ難い接続構造となっている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る面板の実施
形態について、図1乃至図9を参照しつつ詳細に説明す
る。図1は本発明に係る面板を横葺屋根板に適用した場
合の要部斜視図、図2は同横葺屋根板の要部断面図、図
3(a)及び(b)はそれぞれ同横葺屋根板の作用を説
明するための要部断面図、図4は本発明の係る面板の弾
性嵌合片と垂下片段部との当接角度を説明するための、
図12(後述)の要部断面図、図5及び図6はそれぞれ
別例の横葺屋根板の要部断面図である。図7及び図8は
それぞれ本発明に係る面板を縦葺屋根板に適用した場合
の要部断面図である。図9は縦葺屋根板の両側縁の接続
成形部を左右対称に成形するとともに、隣接する縦葺屋
根板間の接続部をカバーで覆う縦葺屋根板において、本
発明に係る面板及びカバーを適用した場合の要部断面図
である。なお、図1〜図9において、同一の構成要素に
ついては同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】本発明に係る面板を適用した横葺屋根板1
は、図1に示すように中央面板部2の一側縁に一側成形
部として棟側成形部3aを備え、他側縁に他側成形部と
して軒側成形部3bを備えた長尺なものである。前記棟
側成形部3aは、左右側壁30a,30bと底面30c
とからなる略凹状の溝部30(以下凹溝部という)を備
えており、また図2に図示のごとく凹溝部30の開口部
30dを閉塞するように、側縁側、即ち前記右側壁30
bの上部から斜め下向きに延出して弾性嵌合片30eを
成形している。該弾性嵌合片30eは前記凹溝部30の
左側壁30aとの間で、後述する軒側成形部3bの垂下
片31を挿入する挿入間隙4を残すように延出された
後、折返されて先端部32が形成されており、前記凹溝
部30を閉塞状に構成している。
【0015】前記凹溝部30の左側壁30aには中央面
板部2から段差部20を経て立上がる立上り部35が連
続しており、この立上部35は面板保持部材7の第1の
起立部71を抱持している。一方、前記凹溝部30の右
側壁30bは、底面30cから斜め上方に立上り、その
中ほどの高さ位置で軒側に折れ曲がって第1の係合部3
3を形成し、再び上向きに屈曲され、軒側下向きに折り
返されて第2の係合部34を形成し、前記弾性嵌合片3
0eに連続している。これらの第1の係合部33及び第
2の係合部34は、面板保持部材7の第2の起立部72
と弾性係合する被弾性嵌合部をなすものである。
【0016】前記軒側成形部3bは、図1に示すように
垂下片31を備えており、該垂下片31は棟側成形部3
aの前記立上り部35を抱持する略逆U字状の抱持部3
6から下方に垂下して設けられている。この垂下片31
は、軒側に隣接する横葺屋根板1(軒側屋根板)の前記
挿入間隙4を介して凹溝部30内に挿入され、その凹溝
部30と弾性嵌合するもので、そのため垂下片31の中
間位置には段部5が形成されている。即ち該段部5は、
前記凹溝部30に前記垂下片31を挿入する時に、凹溝
部30の前記弾性嵌合片30eを弾性変形させるととも
に、弾性変形した弾性嵌合片30eを復元させ且つ弾性
復帰した前記弾性嵌合片30eの先端部32と弾性嵌合
するものである。具体的には、段部5は前記凹溝部30
の右側壁30bに向けて鈍角状に折曲がって段差を形成
した後、底面30cに向けて垂下しており、その段差に
より弾性嵌合片30eを弾性変形させたり弾性復帰させ
るようになっている。そして前記段部5の幅は弾性変形
した弾性嵌合片30eが復元した場合の先端部32の変
位量(変位長さ)に対応できるように構成されている。
【0017】なお、前記抱持部36は前記段差部20に
対応する水平面37及び見付面38を介して中央面板部
2に連続している。
【0018】上記のように構成された横葺屋根板1の棟
側成形部3aと軒側成形部3bの接続作用を図3(a)
及び(b)に基づいて説明する。図3(a)に示すよう
に、前記面板保持部材7に軒側屋根板1bを取付ける時
にはその凹溝部30の右側壁30bが適度に弾性変形
し、同図に二点鎖線で示すように、矢印方向に弾性復帰
して、面板保持部材7に軒側屋根材1bが弾性嵌合され
る。よって面板保持部材7に対する取付作業を効率的に
行うことができる。次に前記軒側屋根材1bに対し棟側
に位置する横葺屋根板(棟側屋根板1a)を接続するた
め、前記挿入間隙4に棟側屋根材1aの垂下片31を挿
入すると、該垂下片31の前部31aが前記弾性嵌合片
30eの先端部32に摺接しつつ、弾性嵌合片30eを
弾性変形させる。このように、本発明では垂下片31を
前記凹溝部30内に差込むだけの作業であって、垂下片
31に弾性変形を期待するものではないので、屋根板の
接続作業が施工し易く、施工性に優れている。
【0019】そして前記弾性嵌合片30eの先端部32
が前記段部5の始端5aに当接した段階で、図3(b)
に示すように弾性復帰し始め、弾性嵌合片30eの基端
部を中心として、その先端部32が前記段部5に沿って
弾性復帰する。弾性復帰した前記弾性嵌合片30eの先
端部32は、図3(b)の二点鎖線で示すように前記段
部5の終端5b近辺に当接することにより、棟側屋根材
1aの垂下片31と軒側屋根板1bの前記弾性嵌合片3
0eとが弾性嵌合する。この場合、前記垂下片の挿入方
向と逆方向に働く力に対し、弾性嵌合片30eにより抵
抗力が生成されるので、弾性嵌合が確実なものとなる。
抜け方向の力がさらに強く働いた場合、前記段部5とこ
れに嵌合している前記弾性嵌合片30eの先端部32は
共に上方に変位するが、その変位の結果、前記弾性嵌合
片30eの先端部32が、対向する凹溝部30の左側壁
30aにより近づき、前記挿入間隙4がより狭くなり、
閉塞状の凹溝部30が完全な閉塞状態に近づくことにな
る。その結果、前記段部5が前記弾性嵌合片30eの先
端部32と前記凹溝部30の左側壁30aで挟持される
ので、嵌合後はガタツキが生じ難くなり、屋根板が外れ
難くなる。
【0020】以上のように本発明に係る面板を適用した
横葺屋根板1によれば、前記挿入間隙4に段部5を備え
ただけの前記垂下片31を挿入するだけで良好な弾性嵌
合状態が得られ、横葺屋根板1の接続作業がより一層簡
便且つ確実なものとなる。しかも抜け方向の力により、
閉塞状の前記凹溝部30が完全な閉塞状態に近づくこと
になるので、嵌合後は外れ難く、嵌合力に優れた面板と
なっている。なお、この実施形態では前記弾性嵌合片3
0eと垂下片31が弾性嵌合する際に、前記垂下部31
の先端部31bは前記凹溝部30の底面30cに当接す
る構成であるので、垂下部31の先端部31bを底面3
0cに当接させた時点で、弾性嵌合が終了したことにな
り、この点からも確実に且つ正確に弾性嵌合することが
できる。
【0021】次に、良好な弾性嵌合状態が得られる弾性
嵌合片30eと段部5の当接角度θの範囲を検討する
が、これは弾性嵌合片30eや垂下片31の簡明な構成
例を図示する図12(詳細は後述)の要部を示した図4
に基づいて行う。まず当接角度が図4に示すθ1である
場合には、前記垂下片31と前記弾性嵌合片30eとの
弾性嵌合がより確実なものとなるが、反面、垂下片31
を挿入間隙4に差し入れる際に、段部5の弾性変形が期
待されるので、施工が困難になる場合がある。かかる不
都合は、垂下片31の挿入方向Xに対し、段部5が鋭角
状に形成される場合に生じるものであり、よって挿入方
向Xに対し、段部5が鈍角状に形成され始める角度θ2
の場合には、上記不都合は解消され、且つ前記垂下片3
1と前記弾性嵌合片30eとの弾性嵌合は確実である。
さらに、当接角度がθ3のようにほぼ90゜であれば、
前記当接角度θ2と同様な作用効果を奏するとともに、
前記垂下片31によって変形された弾性嵌合片30e
は、その先端部32が前記段部5の始端5aに当接した
段階で、弾性嵌合片30eの基端部を中心としてスムー
ズに段部5に沿って弾性復帰するので、施工性も高ま
る。しかし、当接角度が90度を越え、例えばθ4まで
拡がると、施工性に問題はないものの、上記挿入方向X
と逆方向の抜け方向に力が作用すると、前記弾性嵌合片
30eの前記段部5に対する抵抗力が弱くなり、弾性嵌
合片30eの先端部32が滑りやすくなって、弾性嵌合
も弱まる。而して、最適な当接角度の範囲は、図4に示
すように、挿入方向Xに対し段部5が鈍角状に形成され
始める角度θ2乃至略90度の範囲にある角度θbestで
あることが判る。
【0022】またこの図4においても明らかなように、
抜け方向に力が作用した場合、前記段部5とこれに嵌合
している前記弾性嵌合片30eの先端部32は共に上方
に変位し、前記弾性嵌合片30eの先端部32が、対向
する凹溝部30の左側壁30aのα位置に近づき、前記
挿入間隙4がより狭くなり、閉塞状の凹溝部30が完全
な閉塞状態に近づくことになる。その結果、前記垂下片
31が前記弾性嵌合片30eの先端部32と前記凹溝部
30の左側壁30aのα位置で挟持され、前記垂下片3
1が外れ難くなるので、嵌合力に優れた面板となってい
る。
【0023】このように構成された横葺屋根板1は例え
ば表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステン
レス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板、真鍮板
もしくは鉛板等の金属素材をロール成形もしくはプレス
成形または両者の組合せにより成形される。板厚は、特
に限定しないが、概ね0.4〜1.6mm程度である。な
お、繊維強化プラスチック(FRP)や合成樹脂により
成形してもよい。また金属製面板の場合、裏面に結露防
止、防音対策の必要に応じてポリエチレンフォーム等の
裏貼り材が添装される場合がある。
【0024】前記面板保持部材7の第1の起立部71及
び第2の起立部72は、それぞれ固定部70に対して略
垂直に起立しており、その固定部70は後述する下地8
に当接され、ボルトやアンカーや鉄骨ビス等の公知の固
着手段により下地8に固着される。この面板保持部材7
は、アルミ押出形材や前記屋根板の素材に比べて肉厚の
メッキ鋼板やステンレス鋼板等をプレス加工するなどし
て成型される。なお、面板保持部材7はピース材であっ
てもよいし、桁行方向に沿って長尺なものであってもよ
いし、複数部材が組み立てられてできていてもよい。
【0025】次に図5に基づき、前記横葺屋根板1の変
形例を説明する。この変形例に係る横葺屋根板1Aが前
記横葺屋根板1と異なる点は、前記横葺屋根板1の略逆
U字状の立上り部35に対し、この横葺屋根板1Aでは
立上り部35にテーパが付けられて成形されており、そ
の結果、前記垂下片31の段部終端5bの裏面が前記立
上り部35に当接する一方、前記垂下片31の先端部3
1bが前記凹溝部30の底面30cに当接していない
点、前記横葺屋根板1の段差部20及び水平面37が設
けられていない点である。この横葺屋根板1Aでは、図
5に示すように前記段部終端5bの裏面が前記立上り部
35に当接する時点で、弾性嵌合片30eと垂下片31
の段部5が弾性嵌合するので、確実に且つ正確に弾性嵌
合することができる。その他の構成は上記横葺屋根板1
と同様であるので、同様な作用効果が得られる。
【0026】次に図6に、前記横葺屋根板1の変形例を
説明する。変形例に係る横葺屋根板1Bが前記横葺屋根
板1と異なる主な点は、軒側成形部3bに雪止めの為の
カバー部39を設けている点である。該カバー部39
は、中央面板部2から斜め上方に立上り、その上端にカ
バー部39の内側(すなわち軒側)に突出してなる係合
突条部39aを形成し、さらに上方に立上がった後、軒
側に下向きに折り曲げられて形成され、前記水平面37
に連続している。この横葺屋根板1Bを保持する面板保
持部材7の第1の起立部71は第2の起立部72側に傾
いており、またカバー部39の前記係合突条部39aが
面板保持部材7の第2の起立部72に係合するととも
に、カバー部39はその頂部から裾部に行くに連れて広
くなるような形状であるため、強度及び安定性が高い雪
止めが形成される。その他の構成は上記横葺屋根板1と
同様であるので、同様な作用効果が得られる。
【0027】次に本発明に係る面板を縦葺屋根板に適用
した場合の構成例を図7に基づいて説明する。この縦葺
屋根板1Cは図7に示すように、中央面板部2の一側縁
に一側成形部として凹溝部30を有する右側立上成形部
40aを備え、一方、他側縁に他側成形部として、前記
凹溝部30に挿入されて弾性嵌合する垂下片31を有す
る断面略三角形状の左側立上成形部40bを備える長尺
な屋根板である。前記右側立上成形部40aには、略逆
U字状の立上り部35に連続する左側壁30aに向け
て、右側壁30bの上部から斜め下向き且つ凹溝部30
の開口部30dを閉塞するように延出する弾性嵌合片3
0eが設けられている。一方、前記左側立上成形部40
bの垂下片31は、中間位置に前記弾性嵌合片の30e
の先端部32と嵌合する段部5を有している。前記面板
保持部材7の構成は、前記横葺屋根板1の場合と同様で
あるが、軒棟方向に沿って長尺なものを配置すれば、第
1の起立部71と第2の起立部72間の溝を樋として機
能させることもできる。
【0028】このように本願発明の弾性嵌合構成を備え
た面板を縦葺屋根板に応用することにより、上記縦葺屋
根板1においても、前記横葺屋根板1と同様に凹溝部
30の左側壁30aと前記弾性嵌合片の30eの先端部
32との間の挿入間隙4に、段部5を備えただけの前記
垂下片31を挿入するだけで良好な弾性嵌合状態が得ら
れ、接続作業がより一層簡便且つ確実なものとなる。さ
らに前記横葺屋根板1と同様に、抜け方向の力により、
閉塞状の凹溝部30が完全な閉塞状態に近づく構成も備
えているので、嵌合後は外れ難い縦葺屋根板となってい
る。
【0029】次に図8に基づいて、前記縦葺屋根板1C
の変形例を説明する。この変形例に係る縦葺屋根板1D
が前記縦葺屋根板1Cと異なる主な点は、左側立上成形
部40bを略台形状に成形し、面板保持部材7Aに第2
の起立部72よりも外側に第3の起立部73を設け、そ
の第3の起立部73に沿って立上がる前記左側立上成形
部40bに、第3の起立部73と係合する係合突条部4
1を設けたことである。また右側立上成形部40aの立
上り部35がテーパ状に成形され、その結果、垂下片3
1の段部終端5bの裏面が前記立上り部35に当接する
ようになっており、その当接する時点で前記弾性嵌合片
30eと垂下片31の段部5が弾性嵌合する。その他の
構成は前記縦葺屋根板1Cと同様であるので、同様な作
用効果を奏する。
【0030】次に中央面板部2の両側縁の接続成形部を
左右対称に成形するとともに、隣接する縦葺屋根板間の
接続部をカバーで覆う縦葺屋根板において、上記本願発
明の弾性嵌合構成を適用した構成例を図9に基づいて説
明する。接続成形部としての両立上成形部42,42に
は、その中央面板部2から立上がったテーパ状の立上り
部35の立下りを側壁とする凹溝部30,30がそれぞ
れ設けられている。中央面板部2に対し右側に位置する
立上成形部42の凹溝部30は、左側壁30aに向かっ
て斜め下向き且つ開口部30dを閉塞するように右側壁
30bの上部から延出する弾性嵌合片30eを有してお
り、中央面板部2の左側の凹溝部30も左右対称に構成
されている。そして各弾性嵌合片30e,30eの先端
部32,32は、前記凹溝部30,30の左側壁30
a,右側壁30gとの間で、挿入間隙4,4を構成して
いる。
【0031】一方、カバー6の両側縁には、前記立上り
部35,35を抱持する略逆U字状の抱持部60,60
と、それらの抱持部60,60から垂下する垂下片6
1,61がそれぞれ設けられており、それぞれの垂下片
61,61の中間位置には段部62,62が設けられて
いる。
【0032】左右に隣接する前記縦葺屋根板1E,1E
を下地8上に固定する面板保持部材7Bも左右対称に成
形されており、前記立上り部35に抱持される第1の起
立部71,71と前記第2の起立部72を一体化した中
央起立部74を設け、この中央起立部74に前記縦葺屋
根板1E,1Eの右側壁30b,左側壁30hを弾性嵌
合している。
【0033】上記のように構成された縦葺屋根板1Eに
おいては前記挿入間隙4,4を介して前記凹溝部30,
30にカバー6の垂下片61,61を挿入することによ
り、前記弾性嵌合片30e,30eが弾性変形し、前記
段部62,62によって弾性復帰する。そしてそれらの
段部62,62の終端裏面が前記立上り部35,35に
接する際に、前記垂下片61,61と前記弾性嵌合片3
0e,30eの先端部32,32と弾性嵌合し、隣接す
る縦葺屋根板1E,1Eの接続部Jがカバー6によって
覆われる。従って、上記各弾性嵌合構成と同様に、この
縦葺屋根板1Eによれば、前記挿入間隙4に段部62,
62を備えただけの前記垂下片61,61を有するカバ
ー6を挿入するだけで良好な弾性嵌合状態が得られるの
で、隣接する縦葺屋根板1E,1Eに対するカバー6の
取付作業がより一層簡便且つ確実なものとなる。さら
に、カバー6に抜け方向の力が働いた場合、カバー6の
前記段部62,62とこれに嵌合している縦葺屋根板1
E,1Eの前記弾性嵌合片30e,30eの先端部3
2,32は共に上方に変位するが、その変位の結果、前
記弾性嵌合片30e,30eの先端部32,32が対向
する凹溝部30,30の左側壁30a,右側壁30gに
より近づき、前記挿入間隙4,4をより狭くさせ、閉塞
状の凹溝部30,30が完全な閉塞状態に近づくことに
なる。その結果、カバー6の前記垂下片61,61が縦
葺屋根板1E,1Eの前記弾性嵌合片30e,30eの
先端部32,32と前記溝部の左側壁30a,右側壁3
0gで挟持されるので、カバー6が外れ難くなる。
【0034】次に、本願発明の面板の接続構造を図10
に示した横葺屋根板の接続構造に基づいて説明する。下
地8上には前記中央面板部2の幅に略等しい所定間隙で
且つ桁行き方向に前記面板保持部材7が配置されてお
り、その固定部70を介して、ボルトやアンカーや鉄骨
ビス等により固着されている。この保持部材7の第2の
起立部72に形成された第1の被係合部75及び第2の
被係合部76に対し、軒側屋根材1bの棟側成形部3a
に形成した凹溝部右側壁30bの第1の係合部33及び
第2の係合部34がそれぞれ弾性的に係合している。そ
して、挿入間隙4を介して前記凹溝部30に挿入された
前記垂下片31に対し、前記弾性嵌合片30eの先端部
32が垂下片31の段部5に弾性嵌合しており、軒側屋
根材1bに棟側屋根材1aが接続されている。
【0035】このような横葺屋根板の接続構造によれ
ば、垂下片31を前記凹溝部30内に差込むだけで接続
作業が完成するので、屋根板の接続作業が施工し易く、
また棟側屋根材1aの垂下片31を軒側屋根板1bの前
記弾性嵌合片30eが斜め上方から押さえるように弾性
嵌合している接続構造であるので、弾性嵌合が確実なも
のとなる。また閉塞状の凹溝部30は抜け方向の力によ
って完全な閉塞状態に近づくので、嵌合後は横葺屋根板
が外れ難い接続構造となっている。
【0036】前記下地8は、コンクリート躯体や鉄骨躯
体を主体とするものであって、例えば鉄骨造の母屋等の
建築躯体上に断熱ボード等が敷設され、さらにその上に
アスファルト系の防水材を設けた構造のものである。な
お、本明細書では、下地8には、木造、鉄骨造及びコン
クリート造などの、釘やビスやアンカー等の取付けが可
能な全ての建築躯体を含み、さらにその躯体上に断熱そ
の他の目的によって敷設される木毛セメント板等のボー
ド類も含む。従って、躯体上に敷設されたボード類が、
釘やビスやアンカー等の取付けに対して十分な強度を有
する場合を除いて、釘やビスやアンカー等はボード類を
貫通して躯体を構成する母屋や垂木等の補助部材に固定
される。
【0037】次に、縦葺屋根板の両側縁の両立下成形部
を左右対称に成形し且つカバーを使用して略平坦状の屋
根面を施工する縦葺屋根板の接続構造において、本願発
明の面板の接続構造を適用した構成例を図11に基づい
て説明する。上保持部材7aと下保持部材7bの2部材
を止着具で一体化して組立てられている面板保持部材7
Cは、下地8上に軒棟方向に所定間隙で配置され、止着
具を介して固着されている。この保持部材7Cに対し、
その起立壁77,77の嵌合部78,78に縦葺屋根板
1Fの立下成形部43,43の嵌合突起30f,30f
が弾性嵌合されており、さらに前記弾性嵌合片30e,
30eの上部を前記上保持部材7aが押さえ込み、縦葺
屋根板1Fが前記面板保持部材7Cに固定されている。
そして挿入間隔4,4を介して凹溝部30,30に挿入
されたカバー6Aの垂下片61,61の段部62,62
が、弾性嵌合片30e,30eの先端部32,32と弾
性嵌合し、隣接する屋根材1F,1Fの接続部がカバー
されている。なお、「9」で示すものはボード類であ
り、「10」で示すものはフェルト等の裏貼り材であ
る。このような縦葺屋根板の接続構造によれば、カバー
6Aの垂下片1を前記凹溝部30内に差込むだけでカ
バーの取付作業が完成するので、施工し易く、またカバ
ー6Aの垂下片61を縦葺屋根板1Eの前記弾性嵌合片
30eが斜め上方から押さえるように弾性嵌合している
接続構造であるので、カバー6Aに対する弾性嵌合が確
実なものとなる。また閉塞状の凹溝部30は抜け方向の
力によって完全な閉塞状態に近づくので、嵌合後はカバ
ー6Aが外れ難い接続構造となっている。
【0038】次に、略平坦状の外装面をなす外装材の接
続構造例において、本願発明の面板の接続構造を適用し
た構成例を図12に基づいて説明する。下地8上に上下
方向に所定間隔で配置されている保持部材7Dに対し、
その起立壁77の嵌合部78に、外装材1Gの右側立下
成形部51に設けた凹溝部30の側壁の嵌合突起30f
が弾性嵌合されている。前記凹溝部30の右側壁30b
の上部から左側壁30aに向かって斜め下方に且つ開口
部30dを閉塞するように延出された弾性嵌合片30e
と、前記左側壁30aがつくる挿入間隔4を介して、左
側立下成形部52の垂下片31が挿入されている。そし
て凹溝部30に挿入された垂下片31の段部5が、弾性
嵌合片30eの先端部32と弾性嵌合し、隣接する外装
材が接続されている。このように隣接する外装材1G,
1Gの接続構造は図10の横葺屋根板や図11の縦葺屋
根板1Fとカバー6Aの接続構造と同一であるので、同
一の作用効果を奏することができる。
【0039】なお、図10に基づいて説明した横葺屋根
板の接続構造は、以下の手順で施工される。まず、下地
8上にボルトやアンカーや鉄骨ビス等により、面板保持
部材7を桁行方向に所定間隙で取付ける。続いて軒側屋
根材1bを敷設する。その際、上述した図3(a)に示
したように、軒側屋根材1bの右側壁30bは適度に弾
性変形し、二点鎖線で示したように、右側壁30bが矢
印のように弾性復帰して、面板保持部材7に軒側屋根材
1bが固定される。最後に棟側屋根材1aを敷設する。
その際、図3(b)に示したように、前記挿入間隙4に
棟側屋根材1aの垂下片31を挿入すると、その垂下片
31が前記弾性嵌合片30eの先端部32に摺接しつ
つ、弾性嵌合片30eを弾性変形させる。そして前記弾
性嵌合片30eの先端部32が前記段部5に沿って摺動
することにより、弾性嵌合片30eが弾性復帰してその
先端部32が段部5の終端5bに当接し、棟側屋根材1
aの垂下片31と軒側屋根板1bの前記弾性嵌合片30
eの先端部32と弾性嵌合し、軒側屋根材1bに棟側屋
根材1aが接続される。以上の作業を、軒側から棟側へ
繰り返すことによって横葺屋根板の接続構造ができあが
る。
【0040】このような施工方法において、軒側屋根材
1bに棟側屋根材1aを接続する手順は、垂下片31を
前記凹溝部30内に差込むだけの作業であって、垂下片
31に弾性変形を期待するものではないので、屋根板の
接続作業を迅速に行うことができ、また労力が軽減され
る。上記図7、図8、図12に示した縦葺屋根板や外装
材の施工方法においても、下地8上に面板保持部材7等
を軒棟方向等に取付けた後は、面板保持部材7等に対す
る屋根板の凹溝部30の弾性嵌合構成や、弾性嵌合片3
0eと垂下片31の段部5からなる弾性嵌合構成を共通
にする以上、同様な施工手順により同様な作用効果を得
ることができる。また図9及び図11に示した縦葺屋根
板の施工方法においても、面板保持部材7B等に対する
屋根板の凹溝部30の弾性嵌合構成や、弾性嵌合片30
eとカバーの垂下片61の段部62からなる弾性嵌合構
成を共通にする以上、カバーの取付手順において同様な
作用効果を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、弾性嵌合
片の先端部と溝部の側壁との間に形成される挿入間隙に
段部を備えただけの垂下片を挿入するだけで良好な弾性
嵌合状態が得られ、面板の接続作業がより一層簡便かつ
確実なものとなる。即ち、垂下片に弾性変形を期待する
構成ではないので、施工性に優れており、また弾性嵌合
片の先端部と垂下片の段部は弾性的に嵌合するものの、
垂下片が弾性回復力を失うという問題も生じない。そし
てこの弾性嵌合状態のもとで、前記垂下片に対し抜け方
向に力が働いた場合、閉塞状の溝部が完全な閉塞状態に
近づくことになり、前記垂下片が前記弾性嵌合片の先端
部と前記溝部の側壁で挟持されるので、嵌合後は外れ難
くなり、嵌合力に優れた面板となる。
【0042】請求項2に記載の発明によれば、面板の接
続成形部に設けた溝部の側壁と弾性嵌合片の先端部との
間に形成される挿入間隙に、段部を備えただけのカバー
の垂下片を挿入するだけで良好な弾性嵌合状態が得ら
れ、隣接する面板の接続部にカバーを取付ける作業がよ
り一層簡便かつ確実なものとなる。本発明においてもカ
バーの垂下片に弾性変形を期待する構成ではないので、
施工性に優れており、また面板の弾性嵌合片の先端部と
カバー垂下片の段部は弾性的に嵌合するもののカバーの
垂下片が弾性回復力を失うという問題も生じない。さら
にカバーの抜け方向に力が働いた場合、閉塞状の溝部が
完全な閉塞状態に近づくことになる。その結果、カバー
の前記垂下片が面板の前記弾性嵌合片の先端部と前記溝
部の側壁で挟持されるので、カバーが外れ難くなる。
【0043】請求項3に記載の発明によれば、弾性嵌合
片に対する段部の弾性嵌合状態が良好となるとともに、
段部が溝部への垂下片の挿入方向に対し鈍角状に形成さ
れているので、垂下片に弾性変形が期待されることはな
く、施工作業が容易になる。
【0044】請求項4に記載の発明によれば、面板保持
部材に面板を固定する場合にも弾性嵌合させることがで
きるので、面板保持部材に対する取付作業を効率的に行
うことができる。
【0045】請求項5に記載の発明によれば、垂下片を
溝部内に差込むだけで接続作業が完成するので、屋根板
の接続作業が施工し易く、また面板の垂下片を隣接する
面板の前記弾性嵌合片が斜め上方から押さえるように弾
性嵌合している接続構造となるので、弾性嵌合が確実な
ものとなる。また閉塞状の溝部は抜け方向の力によって
完全な閉塞状態に近づくので、嵌合後は面板が外れ難い
接続構造となっている。
【0046】請求項6に記載の発明によれば、カバーの
垂下片を前記溝部内に差込むだけでカバーの取付作業が
完成するので、施工し易く、またカバーの垂下片を面板
の前記弾性嵌合片が斜め上方から押さえるように弾性嵌
合している接続構造であるので、カバーに対する弾性嵌
合が確実なものとなる。また閉塞状の溝部は抜け方向の
力によって完全な閉塞状態に近づくので、嵌合後はカバ
ーが外れ難い接続構造となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る面板を横葺屋根板に適用した場
合の要部斜視図、
【図2】 同横葺屋根板の要部断面図、
【図3】 (a)及び(b)はそれぞれ同横葺屋根板の
作用を説明する要部断面図、
【図4】 本発明の面板の弾性嵌合片と垂下片段部との
当接角度を説明するための、図12の要部断面図、
【図5】 別例の横葺屋根板の要部断面図、
【図6】 別例の横葺屋根板の要部断面図、
【図7】 本発明に係る面板を縦葺屋根板に適用した場
合の要部断面図、
【図8】 別例の縦葺屋根板の要部断面図、
【図9】 縦葺屋根板の両側縁の両成形部が左右対称に
成形され且つそれらの屋根板の接続部をカバーで覆う場
合の要部断面図、
【図10】 本発明の面板の接続構造を適用した横葺屋
根板の接続構造を示す要部断面図、
【図11】 本発明の面板の接続構造を適用した縦葺屋
根板の接続構造を示す要部断面図、
【図12】 本発明の面板の接続構造を適用した外装材
の接続構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 1A 1B 横葺屋根板 1C 1D 1E
1F 縦葺屋根板 1G 外装材 1a 棟側屋根板 1
b 軒側屋根板 2 中央面板部 20 段差部 3a 棟側成形部 3b 軒側成形部 30 凹溝部
30a 左側壁 3b 右側壁 30c 底面 30d 開口部
30e 弾性嵌合片 30f 嵌合突起 30g 右側壁 30h 左側壁
31 垂下片 31a 前部 31b 先端部 32 先端部
33 第1の係合部 34 第2の係合部 35 立上り部 36 抱持部
37 水平面 38 見付面 39 カバー部 39a 41
係合突条部 40a 右側立上成形部 40b 左側立上成形部
42 立上成形部 43 立下成形部 51 右側立下成形部
52 左側立下成形部 5 段部 5a 始端
5b 終端 6 カバー 60 抱持部 61 垂下片
62 段部 7 7A 7B 7C 面体保持部材 7a 上保持
部材 7b 下保持部材 70 固定部 71 第1の起立部 72 第2の起立部 7
3 第3の起立部 74 中央起立部 75 第1の被係合部 7
6 第2の被係合部 77 起立壁 78 嵌合部 8 下地 9 ボード類 10 裏貼り材

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央面板部の一側縁に略凹状の溝部を有
    する一側成形部を、他側縁に前記溝部に挿入されて弾性
    嵌合する垂下片を有する他側成形部を備える建築物等の
    内外装を構築する面板であって、 前記一側成形部は、前記溝部の開口部に側縁側から斜め
    下向き且つ閉塞状に延出する弾性嵌合片を有するととも
    に、 前記他側成形部の垂下片は、中間位置に前記弾性嵌合片
    の先端部と嵌合する段部を有することを特徴とする面
    板。
  2. 【請求項2】 中央面板部の両側縁に略凹状の溝部を有
    する接続成形部を備え、カバーの両側縁に設けた垂下片
    を前記溝部に挿入して建築物等の内外装を構築する面板
    であって、 前記接続成形部は、前記溝部の開口部に側縁側から斜め
    下向き且つ閉塞状に延出されるとともに、その先端部が
    前記カバーの垂下片の中間位置に設けられた段部と嵌合
    する弾性嵌合片を有することを特徴とする面板。
  3. 【請求項3】 前記段部は前記弾性嵌合片との当接角度
    が90゜以内であって、且つ前記溝部への前記垂下片の
    挿入方向に対し鈍角状に形成されていることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の面板。
  4. 【請求項4】 前記溝部の少なくとも一方の側壁には面
    板保持部材と弾性嵌合する被弾性嵌合部が備わっている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の
    面板。
  5. 【請求項5】 コンクリート躯体や鉄骨躯体を主体とす
    る下地上に、隣接する請求項1に記載の面板を接続する
    接続構造であって、 前記下地上に所定間隙で配置した面板保持部材に対し、
    面板の一側成形部に設けた前記溝部を弾性嵌合するとと
    もに、 隣接する面板の他側成形部に設けた前記垂下片を前記溝
    部に挿入し且つ該溝部の弾性嵌合片の先端部に対し、前
    記垂下片の段部を弾性嵌合したことを特徴とする面板の
    接続構造。
  6. 【請求項6】 コンクリート躯体や鉄骨躯体を主体とす
    る下地上に、隣接する請求項2に記載の面板を面板保持
    部材によって接続するとともに、その接続部を請求項2
    に記載のカバーで覆う面板の接続構造であって、 前記下地上に所定間隙で配置した面板保持部材に対し、
    面板の接続成形部に設けた溝部を弾性嵌合するととも
    に、 カバーの前記垂下片を前記溝部に挿入し且つ前記溝部の
    弾性嵌合片の先端部に対し、前記垂下片の段部を弾性嵌
    合したことを特徴とする面板の接続構造。
JP35578296A 1996-12-25 1996-12-25 面板及び面板の接続構造 Expired - Fee Related JP2966362B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35578296A JP2966362B2 (ja) 1996-12-25 1996-12-25 面板及び面板の接続構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35578296A JP2966362B2 (ja) 1996-12-25 1996-12-25 面板及び面板の接続構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10183885A JPH10183885A (ja) 1998-07-14
JP2966362B2 true JP2966362B2 (ja) 1999-10-25

Family

ID=18445730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35578296A Expired - Fee Related JP2966362B2 (ja) 1996-12-25 1996-12-25 面板及び面板の接続構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2966362B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100488392B1 (ko) * 2002-04-13 2005-05-10 주식회사 에스디아이엔씨 건축용 조립 판넬의 연결구조

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10183885A (ja) 1998-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3454244B2 (ja) 留め付け金具及び外壁施工構造
JP2966362B2 (ja) 面板及び面板の接続構造
JPS5922166Y2 (ja) 面構造材における連結カバ−
JP3585395B2 (ja) 外壁材の受け材
JP3171387B2 (ja) 縦葺き外装用介装保持部材及びこの介装保持部材を用いた縦葺き外装構造
JPH1054114A (ja) 建築用外装材及び建築物の外装構造
JP2909885B2 (ja) 縦葺き屋根構造
JP3380094B2 (ja) 建物の壁際構造
JP3061113B2 (ja) 断熱下地材とこれを使用した断熱外装構造
JP2966345B2 (ja) 縦葺外装構造及びその施工方法
JP3221501B2 (ja) 谷部構造
JP2633211B2 (ja) 面構造体の接続構造
JPS61211444A (ja) 横葺き屋根
JP3568492B2 (ja) 横葺型の屋根構造
JP2966358B2 (ja) 横葺き屋根
JP3080148B2 (ja) 建築用外装材及び建築外装構造
JP3226494B2 (ja) 外装構造
KR200187234Y1 (ko) 건물 지붕의 용마루 비막이구조
JP2907324B2 (ja) 建築物の外装構造
JP3437378B2 (ja) 瓦棒取付構造
JP3170460B2 (ja) 吊子及び屋根板材の接続構造
JP3615089B2 (ja) 縦葺屋根材の接続構造
JPH0742789B2 (ja) 建築物の面構造体
JPH0539653A (ja) 下り棟包み
JPH02161057A (ja) 軒樋

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees