JP4793835B2 - 非水二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水二次電池および非水電解液に関し、さらに詳しくは、過充電時の安全性が高く、かつ高温貯蔵特性が優れた非水二次電池と、そのような非水二次電池に用いる非水電解液に関する。
【0002】
【従来の技術】
正極活物質として金属酸化物を用い、負極活物質として炭素材料を用いたリチウムイオン電池に代表される非水二次電池は、高電圧、高エネルギー密度であることからその需要がますます増えている。しかし、高エネルギー密度になるにつれて安全性が低下していくため、安全性の向上も高エネルギー密度の電池ではより必要になる。また、通常の安全対策ではエネルギー密度が低下する傾向にあるため、エネルギー密度を維持した状態で安全性を改善することが要望されている。
【0003】
上記のような要望に応えるべく、これまでにも、高電圧で重合し過充電時の安全性を向上させる化合物としてビフェニル(特開平9−171840号公報)やシクロヘキシルベンゼン(特開2001−015155公報)が提案されている。これらの添加剤は過充電時にガスを発生して電流遮断弁を作動させやすくし、電流遮断弁との併用によって安全性を確保するものである。
【0004】
しかしながら、角形電池では、通常、電流遮断弁が設置されていないため、それらの添加剤による安全性向上効果は、電流遮断弁を有する円筒形電池に比べて充分とはいえなかった。例えば、本発明者らが検討したところでは、少量つまり2重量%程度の添加では過充電時の安全性を向上させる効果が少なく、また、充電状態では添加剤そのものの安定性が充分でないため、電池を高温で長時間放置しておくと、正極と電解液とが反応して電解液が分解し、その電解液の分解によって発生するガスにより電池に膨れが生じたり、内部抵抗が上昇するという問題があった。
【0005】
上記のように電解液の分解が生じ、電池内部にガスが発生した場合、円筒形電池では外装材としての電池ケースの耐圧性が優れているので、電池内圧の上昇でとどまるものの、角形電池やラミネート電池(アルミニウム箔などの金属箔を芯材とするラミネートフィルムで外装した電池)では、外装材の耐圧性が充分でないため、電池にふくれ(膨れ)が生じて、電池の外形寸法が変化し、そのため電池が所定のスペース内に収まり切らなくなったり、外観を損なうことになる。したがって、貯蔵時のガス発生が少なく、かつ過充電時の安全性を向上できる手段の確立が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような非水二次電池における問題点を解決し、過充電時の安全性が高く、かつ高温貯蔵時のガス発生が少なく、高温貯蔵特性が優れた非水二次電池と、そのような非水二次電池に用いる非水電解液を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属酸化物を正極活物質とし、炭素材料またはLi挿入可能な材料を負極活物質とし、非水電解液を用いた非水二次電池において、上記非水電解液として、ベンゼン環に炭素数が4以上のアルキル基が結合した化合物(A)とスルフィド化合物とを含有し、ベンゼン環に炭素数が4以上のアルキル基が結合した化合物(A)の含有量が3〜7重量%であり、スルフィド化合物の含有量が、ベンゼン環に炭素数が4以上のアルキル基が結合した化合物(A)の含有量の0.1〜10重量%である非水電解液を使用し、上記正極の導電助剤にカーボンブラックと黒鉛とを用いることによって、過充電時の安全性を高め、かつ高温貯蔵時のガス発生を抑制して、上記課題を解決したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、ベンゼン環に炭素数が4以上のアルキル基が結合した化合物(A)[以下、「ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)」と省略する。]とスルフィド化合物とを特定の比率で含有する非水電解液を用いたことに特徴があることから、これらのベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)とスルフィド化合物から先に詳しく説明する。
【0011】
本発明において、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)は過充電時の安全性の向上に寄与するものであるが、このベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)としては、例えばシクロヘキシルベンゼン、n−ブチルベンゼン、オクチルベンゼンなどが具体例として挙げられるが、特に前記アルキル基において、ベンゼン環と直接結合している炭素原子が少なくとも1個の水素原子と結合していることが、過充電時の安全性向上には好ましい。また、前記アルキル基は、炭素数が4以上とある程度長いことが好ましく、分岐構造などで立体的にかさばる構造のものであることが好ましい。このような理由から、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)としては、特にシクロヘキシルベンゼンが好ましい。
【0012】
また、スルフィド化合物としては、例えば、ジフェニルジスルフィド(C−S−S−C)、フェニルサルファイド(C−S−C)、フェニルジチアン(C−C)、ブチルサルファイド(C−S−C)、ジフェニルチオカーボネート〔(CS)C=O〕、CS−C(O)−OR(R=CH、C)など二価のイオウを含む化合物が好ましく、特に芳香族ジスルフィドが好ましく、ジフェニルジスルフィドが最も好ましい。
【0013】
スルフィド化合物の作用については、現在のところ必ずしも明確ではないが、以下のように推定される。すなわち、スルフィド化合物は、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)に対して少量混合されることによって、正極の活性部位と反応し、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)が必要以上に正極上で反応するのを抑制することができるものと考えられる。スルフィド化合物のベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)に対する比率が多くなりすぎると、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)の効果が生じにくくなるほか、スルフィド化合物自体も電池の膨れやインピーダンスの上昇などを引き起こすようになるので、本発明においては、スルフィド化合物のベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)に対する重量比率を10%以下にすることが必要であり、5%以下にすることが好ましく、3%以下にすることがより好ましい。言い換えると、電池に使用する非水電解液におけるスルフィド化合物の含有量をベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)の含有量の10重量%以下にすることが必要であり、5重量%以下にすることがより好ましく、3重量%以下にすることがより好ましい。
【0014】
その一方で、スルフィド化合物の効果を適切に発現させるには、スルフィド化合物のベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)に対する重量比率は0.1%以上にすることが必要である。すなわち、スルフィド化合物の含有量をベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)の含有量の0.1重量%以上にすることが必要である。
【0015】
ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)およびスルフィド化合物は、非水電解液(以下、簡略化して「電解液」という)中に含有させる。すなわち、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)と該化合物(A)の0.1〜10重量%のスルフィド化合物とを含有させた非水電解液を用いて非水二次電池を構成する。
【0016】
上記ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)およびスルフィド化合物を電解液中に含有させる場合、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)の含有量は、電解液中で3重量%以上とし、4重量%以上がさらに好ましく、また10重量%以下とし、7重量%以下がより好ましく、6重量%以下がさらに好ましい。
【0017】
これらのベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)やスルフィド化合物の一部は、電池組立後に充放電を行うことにより、別の化合物へと変化するため、通常、電池内での含有量は仕込量より少なくなる。特に、スルフィド化合物の減少割合は大きく、数回の充放電を繰り返した後では、元の化合物の形ではほとんど残存せず、その分解物のみとなることもあり得るが、そのような場合でも、本発明の目的は充分に達成することができる。したがって、本発明において、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物(A)やスルフィド化合物の含有量は、電池組立後の充放電前に前記範囲内にあればよく、充放電後においても、スルフィド化合物の分解物を元のスルフィド化合物で換算して求まる含有量が前記範囲内の含有量であればよい。
【0018】
本発明において、電解液の調製にあたり、その電解液溶媒としては、主として、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの炭酸エステルや、γ−ブチロラクトン、酢酸メチルなどのエステル類などを用いることができる。また、それ以外に、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、スルホランなどの硫黄化合物、含窒素化合物、含珪素化合物、含フッ素化合物、含リン化合物などの有機溶媒を単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0019】
電解液は、上記有機溶媒からなる非水溶媒に後述するリチウム塩などの電解質塩を溶解させることによって調製されるが、その電解液中に−SO2 結合を有する化合物、特に−O−SO2 結合を有する溶媒を溶解させておくことが好ましい。そのような−O−SO2 結合を有する溶媒としては、例えば、1,3−プロパンスルトン、メチルエチルスルフォネート、ジエチルサルフェートなどが挙げられる。その含有量は、電解液中に0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましく、また10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
【0020】
電解液の調製にあたって有機溶媒に溶解させる電解質塩としては、例えば、LiPF6 、LiClO4 、LiBF4 、LiAsF6 、LiCn 2n+1SO3 (n≧1)、(Cm 2m+1SO2 )(Cn 2n+1SO2 )NLi(m、n≧1)、(RfOSO2)2 NLi〔Rfは炭素数が2以上のハロゲン化アルキル基で、Rfは同一であってもよいし、異なるものであってもよいし、Rf同士が互いに結合していてもよく、例えばポリマー状に結合していてもよい。また、(CH2 (CF2 4 CH2 OSO2 N(Li)SO2 O)n (nは整数)のようにポリマー状に結合していてもよい。〕などが挙げられ、特に限定されることではないが、LiPF6 や炭素数2以上の含フッ素有機リチウム塩などが好ましい。そして、これらの電解質塩は上記の溶媒に対して通常0.1〜2mol/l程度溶解させることが好ましい。
【0021】
また、上記電解液は、電池の作製にあたって、液状で用いる以外に、ポリマーでゲル化してゲル状で用いてもよい。そのような電解液のゲル化にあたっては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルニトリルなどの直鎖状ポリマーまたはそれらのコポリマー、紫外線や電子線などの活性光線の照射によりポリマー化する多官能ポリマー(例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以上のアクリレートおよび上記アクリレートと同様の四官能以上のメタクリレート)をポリマー化したポリマーなどが用いられる。
【0022】
本発明において、正極活物質としては、金属酸化物が用いられるが、そのような金属酸化物としては、例えば、LiCoO2 などのリチウムコバルト酸化物、LiMn2 4 などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2 などのリチウムニッケル酸化物、LiNiO2 のNiの一部をCoで置換したLiCox Ni1-x 2 (0<x<1)、二酸化マンガン、五酸化ハナジウム、クロム酸化物などが挙げられるが、特にLiNiO2 、LiCoO2 、LiMn2 4 、LiCox Ni1-x 2 などのように充電されたときに正極の開路電圧がLi基準で4.2V以上を示すリチウム複合酸化物が好ましく、特にLi基準で4.3V以上を示すリチウム複合酸化物が好ましい。
【0023】
正極の作製にあたっては、上記正極活物質以外にも、導電助剤とバインダーが用いられるが、その導電助剤としては、種々のものを用い得るが、特に炭素材料を用い、その正極合剤(つまり、正極活物質と導電助剤とバインダーとの混合物)中の量を5重量%以下にすることが好ましい。これは正極合剤中における導電助剤としての炭素材料の量が5重量%より多くなると、充電状態で電解液との反応によりガスが発生するおそれがあるからであり、そのため、導電助剤としての炭素材料の量は、正極合剤中で3重量%以下にすることがより好ましく、2.5重量%以下とすることがさらに好ましく、また、少なすぎると正極の導電性が低下して電池特性を低下させる傾向があるので、1重量%以上が好ましく、1.5重量%以上がより好ましく、2重量%以上がさらに好ましい。
【0024】
そして、この正極の導電助剤の炭素材料としては、特に限定されることはないものの、結晶性の低いカーボンブラックを用いると高温貯蔵時の電池の膨れを抑制できることから好ましく、また、この結晶性の低いカーボンブラックに結晶性の高い黒鉛を一部併用すると導電性が向上し、導電助剤の使用量を低減できることから好ましい。このように、導電助剤として結晶性の低いカーボンブラックと結晶性の高い黒鉛とを併用する場合、結晶性の低いカーボンブラックの量を全導電助剤中の50重量%以上にすることが好ましく、70重量%以上にすることがより好ましく、また、95重量%以下にすることが好ましく、80重量%以下にすることがより好ましい。なお、結晶性の判断が困難な場合、ラマンスペクトルの1540〜1600cm-1のピークの半値幅100cm-1以上が低結晶性と考える。
【0025】
また、正極を作製するにあたり、バインダーとしては、特に限定されることはないものの、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴムなどが好適に用いられる。
【0026】
正極は、上記正極活物質に導電助剤やバインダーなどを加え、混合して正極合剤を調製し、その正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤含有ペーストを調製し(バインダーはあらかじめ溶剤に溶解または分散させておいてから、正極活物質や導電助剤などと混合してもよい)、その正極合剤含有ペーストをアルミニウム箔などからなる正極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経ることによって作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例示のものに限られることなく、他の方法によってもよい。
【0027】
負極活物質として、炭素材料またはLi挿入可能な材料などが用いられるが、その炭素材料としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイト、炭素コロイドなどが好適に用いられ、また、Li挿入可能な材料としては、Liが挿入可能な金属酸化物や金属窒化物などが挙げられ、そのLiが挿入可能な金属酸化物としては、例えば、スズやシリコンを含む金属酸化物(例えば、Sn x 、SiOx など)などが好適に用いられる。
【0028】
負極は、上記負極活物質に必要に応じて前記正極の場合と同様のバインダーや導電助剤などを加え、混合して負極合剤を調製し、その負極合剤を溶剤に分散させて負極合剤含有ペーストを調製し(バインダーはあらかじめ溶剤に溶解または分散させておいてから負極活物質などと混合してもよい)、その負極合剤含有ペーストを負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経ることによって作製される。ただし、負極の作製方法は、上記例示のものに限られることなく、他の方法によってもよい。
【0029】
正極や負極の作製にあたって用いる集電体としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどが挙げられるが、正極集電体としてはアルミニウム箔が特に好適に用いられ、負極集電体としては銅箔が特に好適に用いられる。
【0030】
本発明の非水二次電池の形態は、特に特定のものに限られることなく、各種の形態を採用し得るが、本発明は、従来技術では電流遮断弁を持たないために過充電時の安全性の確保が困難であったり、外装材の強度面から高温貯蔵により電池膨れが生じやすかった角形電池やラミネート電池においても、過充電時の安全性を確保でき、かつ、高温貯蔵による電池膨れを抑制することができるので、角形電池やラミネート電池に適用する場合に、その効果を特に顕著に発現する。
【0031】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
実施例1
まず、LiPF6 をエチレンカーボネートに溶解させたのち、メチルエチルカーボネートを加えて混合し、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比が1:2の混合溶媒にLiPF6 を1.2mol/l相当溶解させ、さらに添加剤としてシクロヘキシルベンゼン電解液を全体中の4重量%、ジフェニルジスルフィド電解液を全体中の0.1重量%および1,3−プロパンスルトンを全体中の2重量%になるように加えて溶解させ、上記添加剤を含有する電解液を調製した。なお、上記ジフェニルジスルフィドの含有量はシクロヘキシルベンゼンの含有量に対して2.5重量%であった。
【0033】
正極の作製にあたっては、LiCoO2 93.5重量部にカーボンブラック2重量部と黒鉛〔ロンザ社製KS−6(商品名)〕0.5重量部を加えて混合し、得られた混合物をあらかじめポリフッ化ビニリデン4重量部をN−メチルピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合して正極合剤含有ペーストを調製した。得られた正極合剤含有ペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布し(ただし、作製後の正極をセパレータを介して負極と巻回した巻回構造の電極積層体において、負極と対向しない最内周部の内面側となる部分には正極合剤含有ぺーストを塗布しなかった)、乾燥して正極合剤層を形成し、その後、ローラプレス機により加圧形成した後、所定の大きさに切断し、リード体を溶接して、帯状の正極を作製した。なお、上記正極合剤中における導電助剤(カーボンブラックと黒鉛)の量は2.5重量%であった。
【0034】
上記とは別に、メソカーボンマイクロビーズ95重量部を、あらかじめポリフッ化ビニリデン5重量部をN−メチルピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合して負極合剤含有ペーストを調製した。得られた負極合剤含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し(ただし、作製後の負極をセパレータと介して正極と巻回した巻回構造の電極積層体において、正極と対向しない最外周部の外面側には負極合剤含有ペーストを塗布しなかった)、乾燥して負極合剤層を形成し、その後、ローラープレス機により加圧成形した後、所定の大きさに切断し、リード体を溶接して、帯状の負極を作製した。
【0035】
つぎに、上記の正極と負極のそれぞれに集電タブを取り付け、それらの正極と負極を厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して重ね、渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の電極積層体としたのち、絶縁テープを取り付け、外寸が5mm×30mm×48mmの角形の電池ケース〔厚み(奥行き)5mm、幅30mm、高さ48mmの角形の電池ケース〕内に挿入し、リード体の溶接と封口用蓋板の電池ケースの開口端部へのレーザー溶接を行い、封口用蓋板に設けた電解液注入口から前記の電解液を電池ケース内に注入し、電解液がセパレータなどに充分に浸透した後、電解液注入口を封止して密閉状態にした後、予備充電、エイジングを行い、図1に示すような構造で図2に示すような外観を有する角形の非水二次電池を作製した。なお、この実施例1で作製した同一ロットの電池を分解し、正極表面のXPS(X線光電子分光法)分析を行ったところ、0〜2価のイオウのピークが確認された。
【0036】
ここで図1〜2に示す電池について説明すると、正極1と負極2は前記のようにセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の電極積層体6として、角形の電池ケース4に上記電解液とともに収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や電解液などは図示していない。
【0037】
電池ケース4はアルミニウム製で電池の外装材となるものであり、この電池ケース4は正極端子を兼ねている。そして、電池ケース4の底部にはポリテトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体5が配置され、前記正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状巻回構造の電極積層体6からは正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、電池ケース4の開口部を封口するアルミニウム製の蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
【0038】
そして、この蓋板9は上記電池ケース4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、電池ケース4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。
【0039】
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって電池ケース4と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、電池ケース4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
【0040】
図2は上記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は上記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図2では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極積層体の内周側の部分は断面にしていない。
【0041】
比較例1
シクロヘキシルベンゼンを含有させなかった以外は実施例1と同様に電解液を調製し、その電解液を用いた以外は実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。
【0042】
比較例2
ジフェニルジスルフィドを含有させなかった以外は実施例1と同様に電解液を調製し、その電解液を用いた以外は実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。
【0043】
比較例3
ジフェニルジスルフィドの含有量を0.6重量%にした以外は実施例1と同様に電解液を調製し、その電解液を用いた以外は実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。この比較例3の電池のジフェニルジスルフィドの含有量はシクロヘキシルベンゼンの含有量に対して15重量%であった。
【0044】
上記実施例1および比較例1〜3の電池について過充電時の安全性と貯蔵特性について調べた。
【0045】
過充電時の安全性については、以下に示すように試験を行った。まず、室温で電池を1CmAの定電流で電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で2.5時間充電した後、6Vを上限電圧として0.5A、1A、2A、5Aの電流値で過充電した。その過充電時に、電池の表面温度が135℃以下であった最大電流を過充電安全電流値とした。その結果を表1に示す。なお、上記のように4.2Vまで充電したときの正極電位はLi基準で4.3Vであった。
【0046】
また、貯蔵特性については、以下に示すように試験を行った。まず、電池を25℃で1CmAの定電流で電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で2.5時間充電した後、1CmAで3.0Vまで放電させた。その後、1CmAの定電流で4.2Vまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、1CmAで3.0Vまで放電させて放電容量を測定した。電池の厚みを測定し、その後、60℃の恒温槽に20日間貯蔵した後、1CmAで3.0Vまで放電させて放電容量を測定した。この放電容量を貯蔵前の放電容量とする。
【0047】
この放電容量を貯蔵後の放電容量とし、この貯蔵後の放電容量と前記の貯蔵前の放電容量とから貯蔵による自己放電率を次に示す式により求めた。その結果を表1に示す。なお、この自己放電率はその値が小さいほど貯蔵特性が優れていることを示す。
【0048】
Figure 0004793835
【0049】
【表1】
Figure 0004793835
【0050】
表1に示すように、実施例1の電池は、シクロヘキシルベンゼンを含有させなかった比較例1の電池に比べて、過充電安全電流が10倍以上大きく、過充電時の安全性が高く、また、ジフェニルジスルフィドを含有させなかった比較例2の電池に比べて、貯蔵による自己放電率が小さく、60℃という高温での貯蔵においても、貯蔵特性が優れていた。なお、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルジスルフィドのいずれも含有させていても、ジフェニルジスルフィドの含有量がシクロヘキシルベンゼンの含有量に対して15重量%と、ジフェニルジスルフィドの含有量が本発明で規定する範囲より多い比較例3の電池は、過充電時の安全性は高かったものの、貯蔵による自己放電率が大きく、実施例1の電池に比べて貯蔵特性が劣っていた。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、過充電時の安全性が高く、かつ高温貯蔵特性が優れた非水二次電池とそれに用いる非水電解液を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水二次電池の一例を模式的に示す図で、(a)はその平面図、(b)はその部分縦断面図である。
【図2】図1に示す非水二次電池の斜視図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池ケース
5 絶縁体
6 電極積層体
7 正極リード体
8 負極リード体
9 蓋板
10 絶縁パッキング
11 端子
12 絶縁体
13 リード板

Claims (4)

  1. 金属酸化物を正極活物質とし、炭素材料またはLi挿入可能な材料を負極活物質とし、非水電解液を用いた非水二次電池において、
    上記非水電解液として、ベンゼン環に炭素数が4以上のアルキル基が結合した化合物(A)とルフィド化合物とを含有し、ベンゼン環に炭素数が4以上のアルキル基が結合した化合物の含有量が3〜7重量%であり、スルフィド化合物の含有量が、ベンゼン環に炭素数が4以上のアルキル基が結合した化合物の含有量の0.1〜10重量%である非水電解液を用い
    上記正極の導電助剤にカーボンブラックと黒鉛とを用いたことを特徴とする非水二次電池。
  2. スルフィド化合物が芳香族ジスルフィドであることを特徴とする請求項1載の非水二次電池。
  3. 電池が角形電池である請求項1または2に記載の非水二次電池。
  4. 電池がラミネート電池である請求項1または2に記載の非水二次電池。
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