JP4711319B2 - 非水二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水二次電池に関し、さらに詳しくは、高容量で、かつ過充電時の安全性が高い非水二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池に代表される非水二次電池は、容量が大きく、かつ高電圧、高エネルギー密度、高出力であることから、ますます需要が増える傾向にあるが、この非水二次電池においても、さらなる高容量化や充電電圧の高電圧化が検討されていて、充電時の充電電力量の増加が見込まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高容量化および高電圧化に伴い電池の充電電力量を増加させると、過充電時の安全性が低下することがわかってきた。特に電極積層体の単位体積当たり0.59Wh/cm3 以上の充電電力量で利用する電池においては過充電の安全性を向上させることが必要である。これは、電極積層体の単位体積当たりの充電電力量が大きくなるほど電池のトータルエネルギーが増加して過充電時における発熱が多くなるためである。ここで、電極積層体の体積とは、正極、負極およびセパレータを積層するかあるいは巻回したものの電池内における嵩体積であって、後者のように巻回して作製した電極積層体においては、その巻回に際して使用した巻き軸に基づく孔などは体積として含まない。要するに、正極、負極およびセパレータが電池内で占める嵩体積を合計したものである。また、充電電力量は、0.2Cレートで放電後に0.2Cレートで定電流定電圧で満充電電圧まで充電した場合の電気量と平均電圧との積である。
【0004】
そこで、本発明者らは、上記のような過充電時の安全性を向上させるために、LiCoO2 を正極、黒鉛を負極に用いたリチウムイオン二次電池において過充電時に起きる反応に着目した。すなわち、満充電状態からさらに充電すると、正極ではLi(リチウム)の脱離が引き続き起こり、一部は電解液(液状電解質)の分解反応やそれに伴うガスの発生を生じさせ、充電が進むにつれて電解液の分解が多くなる。負極では、負極へのLiの挿入が限界に達し表面に金属リチウムの析出の割合が多くなってくる。この際に注目すべきは電極の反応均一性である。電極反応が不均一であれば、一部にリチウムの析出が多くなり内部短絡を起こし局部的に発熱が大きくなる可能性がある。また、不均一であれば正極の高電位部分でのガス発生も多くなり、その際にたまったガスにより電極反応がさらに不均一になって電極の変形を引き起こす場合がある。上記のようなガス発生があった場合、筒形電池では電池ケースが円筒形であるため変形は少ないが、電池ケースが角形の角形電池やラミネート電池(正極、負極、電解質およびセパレータなどを含む電池要素をラミネートフィルムで外装した電池)では電池内部の発生ガスによる内圧上昇に対する抵抗力が弱く、電池が膨れやすく、そのため電極も変形しやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような従来の非水二次電池における問題点を解決し、高容量で、かつ過充電時の安全性が高い非水二次電池が提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リチウム複合酸化物を正極活物質とする正極、負極、非水系の電解液およびセパレータを有する非水二次電池において、電解液中に炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物を含有させ、かつ厚みが20μm以下で透気度が200秒以下で平均孔径が0.1μm以上のセパレータを用いることによって、上記課題を解決したものである。
【0007】
すなわち、電解液中に炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物を含有させると、該炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物は、セパレータの孔の壁面あるいはその近傍の電解液中に存在することによって孔の壁面に沿って電解液が濡れやすくなり、過充電の進行に伴って析出するリチウムが細い析出になって正極に達し、軽微な短絡を均一に起こしやすい。また、セパレータとして厚みが20μm以下で透気度が200秒以下で平均孔径が0.1μm以上の微孔樹脂フィルムを用いていると、前記のような析出したリチウムの細い析出を助長し、軽微な短絡をより均一に起こしやすくさせ、それらによって過充電される電流が電池をソフトに短絡させるのに消費されはじめ、実質的な過充電電流が小さくなり、電池の発熱も徐々にバランスが取れて温度上昇しなくなって、電池の膨れや電極の変形を防止することができ、高容量で、かつ過充電時の安全性が高い非水二次電池が得られるようになる。
【0008】
そして、本発明においては、上記炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物としてはエステルまたはエーテルであること、電極中に有機リチウム塩を含有し、かつ前記有機リチウム塩の濃度が電解液中よりも高いこと、負極合剤層の密度が1.5g/cm以上であること、正極合剤層の密度が3.3g/cm以上であることを好ましい形態とし、また、本発明を電極積層体の単位体積当たり0.59Wh/cm以上の充電電力量で利用する電池に適用したり、角形電池やラミネート電池に適用すると、特にその効果が顕著に発現する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、電解液中に含有させる炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物としては、エステルまたはエーテルが好適なものとして挙げられ、そのエステルの具体例としては、例えば、CH(CHCH=CH(CHCOOC、CH(CHCH=CH(CHCOOC、CH(CHCH=CH(CHCOOCHなどのC=C不飽和結合を有するオレイン酸エステル、C1735COOCなどのステアリン酸エステル、CH(C H14COOCなどのパルミチン酸エステル、CH(CH12COOCなどのミリスチン酸エステル、C1123COOCなどのラウリン酸エステル、C1123COO(CHCHO)Hなどが挙げられ、また、それらのエステルのCOO基がSO基やSO基で置換したものであってもよい。その一例として、例えば、R−A−R(R、Rは少なくとも1つ以上が炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖で、AはSOまたはSO)が挙げられる。また、(RO)(RO)(RO)P=O、(R、R、Rは炭素数1以上の炭化水素鎖で、そのうちの少なくとも1つは炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を含む)でもよい。
【0010】
また、炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有するエーテルとしては、例えば、C1123O(CHCHO)などのアルキルエーテル、C2n+1−C−O(CHCHO)Hなどの芳香族を含むエーテルなどが挙げられる。上記例示のエーテルはノニオン性界面活性剤としての機能を有していて、本発明においては、電池への悪影響が少ないことから、好適に用いられるが、炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物としては、そのようなノニオン系のものだけでなく、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩(C1225SONa)などのアニオン性界面活性剤、四級アンモニウム塩タイプのカチオン性界面活性剤、あるいはCH(CH11N+(CH〔(CHSO〕などの両性界面活性剤を用いることができる。
【0011】
上記炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物としては、例示のものをはじめ各種のものを用いるが、特にCOO基またはSO基を有するエステルが解離能力を高く好ましい。そして、これらの炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物が電極反応を均一化して過充電のLiの析出を均一にさせ、過充電時の安全性を高める理由としては、該化合物が、前記のようにセパレータの孔の壁面あるいはその近傍の電解液中に存在することにより孔の壁面に沿って電解液が濡れやすくなり、それによって、電極反応が均一に進行し、また過充電の進行に伴って析出したリチウムが正極に達して軽微な短絡を均一に起こしやすくなることによるものと考えられる。
【0012】
本発明において、上記電池内に含有させる化合物として、炭化水素が8以上連なった炭化水素基を有することを必須条件にしているのは、電解液の電極への濡れ性を高め、電極が均一に反応しやすくなるようにするためには炭化水素鎖に関してある程度の長さが必要であり、炭化水素が8以上連なっていればある程度の濡れ性を確保できるからである。炭化水素鎖の炭化水素数は上記のように8以上が必要であり、12以上が好ましく、15以上がより好ましく、17以上がさらに好ましい。ただし、炭化水素数があまり多すぎても電極反応の均一性が確保し難くなる傾向にあるため、50以下が好ましい。また、炭化水素鎖中にC=C不飽和結合を有する場合には電極反応の均一性がさらに良くなるので好ましい。この炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物の好ましい構造式としては、CXRであり、式中のnは8以上、mは15以上、XはCOO、O、SOまたはSO、Rは炭素を有するアルキル基またはポリエチレンオキサイド基である。
【0013】
上記炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物は、電解液中に含有させておく。
【0014】
本発明において、上記炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物の含有量としては全電解液構成溶媒中の0.05体積%以上が好ましく、0.1体積%以上がより好ましく、2体積%以下が好ましく、1体積%以下がより好ましい。すなわち、上記化合物の電解液構成溶媒中での含有量を0.05体積%以上にすることによって、電極反応を均一化させる作用などを充分に発揮させ、また、2体積%以下にすることによって、電池の特性低下を抑制できる。
【0015】
つぎに、本発明において用いるセパレータについて詳細に説明する。まず、本発明において上記特定のセパレータを用いるにいたった経過から詳しく説明すると、孔径が0.1μm以上のセパレータを用いると過充電時にセパレータの孔の壁面に沿ってリチウムの析出が起こりやすく、析出したリチウムが正極に達するまでに細い析出になり、軽微な短絡を均一に起こしやすい。特に液状電解質である電解液を用いる場合、電解液量が放電容量当たり3ml/Ah以下の場合、とりわけ2.7ml/Ah以下の場合に起こりやすい。それによって過充電される電流が電池をソフトに短絡させるのに消費されはじめ、実質的な過充電電流が小さくなり、電池の発熱も徐々にバランスが取れて温度上昇しなくなってくる。この現象をできるだけ早く効果的に起こさせることが重要であり、そのためのセパレータ物性を検討した結果、セパレータとしては薄い方が好ましく、20μm以下であることを要する。これは薄い方が早く軽微な短絡が起こるからである。このセパレータの厚みは薄い方が適しているが、あまり薄くなるとそれに伴って強度が低下するので、5μm以上が好ましく、9μm以上がより好ましい。15μm以上がさらに好ましい。また、セパレータの平均孔径は、0.1μm以上であることを要するが、0.2μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.7μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.4μm以下がさらに好ましい。これは、セパレータの孔があまり小さくなりすぎると上記現象が起こりにくくなり、大きすぎると電池製造時に短絡を起こす傾向があるからである。この平均孔径は、水銀ポロシメータ法によって求めることができる。
【0016】
また、セパレータの透気度も、過充電安全性や電気特性に影響を与えるが、この透気度としては、600秒以下が好ましく、400秒以下がより好ましい、200秒以下がさらに好ましく、10秒程度のものまでが使用できる。そして、この透気度はJIS−P−8117に規定される方法よって求めることができる。
【0017】
さらに、セパレータの長さ方向の引張強度は電池製造時の製品歩留りや製造速度に影響を及ぼすことから、その長さ方向の引張強度として50N/cm2 が好ましく、70N/cm2 以上がより好ましく、100N/cm2 以上がさらに好ましく、この引張強度は大きければ大きいほど好ましい。この引張強度はASTM D882に規定の方法によって求められる。また、セパレータの幅方向の熱収縮率は、150℃などの高温での電池の信頼性に影響を与えるが、この幅方向の熱収縮率としては、105℃、8時間の条件下で10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましく、さらに小さくなってもよい。
【0018】
本発明において用いるセパレータは、微孔性樹脂フィルムで構成され、上記のような物性を有するが、材質的には、例えば、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルム、微孔性ナイロンフィルムなどが用いられるが、特に分子量50万以上の高分子量の微孔性ポリエチレンフィルムを用いるのが好ましい。
【0019】
また、本発明においては、電極中にあらかじめリチウム塩を存在させておくことが好ましい。これは、リチウム塩が上記炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物と併存するによって電極表面に形成される皮膜が良好なイオン伝導性を有するようになり、電極の均一反応性が向上し、安全性がより改善される。リチウム塩としては、例えば、LiBF、LiClOなどの無機リチウム塩や、LiCSO、LiC17SO、(CSONLi、(CFSO)(CSO)NLi、(CFSOCLi、CSOLi、C1735COOLiなどの有機リチウム塩などが挙げられるが、熱安定性から有機リチウム塩が好ましく、イオン解離性を考慮した場合、特に含フッ素有機リチウム塩が好ましい。
【0020】
このリチウム塩は、正極、負極のいずれの電極中に含有させてもよく、もとより、正極および負極の両方に含有させてもよい。また、このリチウム塩の電極中の含有量は、電解質中のリチウム塩の含有量より多い方が好ましい。これは、電極中のリチウム塩濃度が電極表面の皮膜中のイオン伝導性を向上させるからである。
【0021】
また、電池の発熱を抑えるためには、電極表面での電解質との反応を低減させることが好ましい。正極について説明すると、4V級の活物質、すなわち、LiCoO2 、LiNiO2 など4V以上の電位を有することのある金属酸化物や、5V級の活物質、すなわち、LiMn2 4 、LiMn1.5 Ni0.5 4 などおよそ4.5〜5.5Vの電位を有することのある金属酸化物は一種の触媒でもあり、電解質との反応を抑制するためにはその触媒能を低減させるために正極の表面に被膜を形成しておくことが好ましい。また、負極についても、炭素材料や金属酸化物、金属窒化物など満充電電位がリチウム基準で1.0V以下のもの、特に電池内に組み込んで310mAh/g以上の放電能力を有する材料は、電解質との反応性が比較的高いので、電解質との反応性を低減させるために負極の表面に被膜を形成しておくことが好ましい。したがって、正極や負極の活物質としてはそのような被膜の形成がしやすいものを選ぶことが好ましい。
【0022】
本発明において、正極の活物質としては、上記観点から、例えば、充電時の回路電圧がLi基準で4V以上を示すLiCoO2 、LiMn2 4 、LiNiO2 などのリチウム複合酸化物が好適に用いられる。これは、それらの活物質が充電時にLi基準で4.4V以上の電位を少なくとも1回以上有することにより、前記のような正極活物質の触媒作用を低下させるための被膜が形成され、それによって、電池の発熱を抑制することができるからである。また、前記のリチウム複合酸化物は、そのCo、Ni、Mnの一部がそれぞれ他の元素で置換されていてもよく、また、それらの元素は固溶せずに活物質の周りに局在していてもよい。そのような他の元素としては、Ge、Ti、Ta、Nb、Ybなどが好ましく、それらのうち少なくとも1種が含まれるようにすることによって、より好ましい特性が得られる。それらの他の元素の置換比としては、前記リチウム複合酸化物中のCo、Ni、Mnなどのそれぞれに対し、その0.001原子%以上、より好ましくは0.003原子%以上、さらに好ましくは0.005原子%以上で、10原子%以下が好ましく、より好ましくは5原子%以下、さらに好ましくは3.5原子%である。Co系のリチウム複合酸化物で上記のような他の元素で一部置換した好ましい一例を例示すると、LiCo0.97Al0.025 Ge0.005 2 などが挙げられる。
【0023】
正極は、例えば、上記正極活物質に、必要に応じて、例えば鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの導電助剤を加え、さらに、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエン系ラバーなどのバインダーを加えて混合して調製した正極合剤を溶剤などに分散させて正極合剤含有ペーストとし(この場合、バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させておいてから、上記正極活物質などと混合してもよい)、その正極合剤含有ペーストを基体としての作用を兼ねる正極集電材に塗布し、乾燥して正極集電材の少なくとも一部に正極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経て作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法であってもよい。
【0024】
本発明において、上記正極合剤層の密度は3.3g/cm以上にすることが好ましく、3.4g/cm以上にすることがより好ましい。つまり、本発明では、前記炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物の使用により、そのように、正極合剤層が高密度になっても、電解質の濡れ性を確保できるので、正極活物質の利用率を低下させることなく、高容量化を達成することができる。
【0025】
また、本発明において、上記正極の作製にあたって用いる正極集電材としては、例えばアルミニウムを主成分とする箔が好ましく、その純度は98重量%以上99.9重量%以下が好ましい。従来のリチウムイオン二次電池では、通常、純度が99.9重量%より高い純度のアルミニウム箔が正極集電材として用いられるが、本発明においては15μm以下の金属箔を用いることが多いため、ある程度の強度を確保するためには、純度が99.9重量%未満であることが好ましい。含有する金属として特に好ましいのは、鉄とシリコンである。鉄の含有量は0.5重量%以上が好ましく、より好ましくは0.7重量%以上で、また、2重量%以下が好ましく、より好ましくは1.3重量%以下である。シリコンの含有量は、0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは0.2重量%以上で、1.0重量%以下が好ましく、より好ましくは0.3重量%以下である。また、正極集電材の引張強度としては150N/mm2 以上が好ましく、180N/mm2 以上がより好ましく、破断伸びとしては2%以上が好ましく、3%以上がより好ましい。
【0026】
本発明において、正極集電材の引張強度や破断伸びが大きい方が好ましいとするのは、電極積層体の単位体積当たりの充電電力量が大きくなるにつれて正極の充電時の膨張が大きくなり、正極集電材が切れやすくなる傾向があり、正極集電材の引張強度や破断伸びが大きいと切れやすくなるのを防止するのに適しているからである。
【0027】
負極に用いる材料としては、リチウムイオンをドープ・脱ドープできるものであればよく、本発明においては、それを負極活物質と呼ぶが、その負極活物質の具体例としては、例えば、天然黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素質材料が挙げられる。また、Si、Sn、Inなどの合金またはLiに近い低電位で充放電できる酸化物または窒化物なども負極活物質として用いることができる。
【0028】
負極活物質として炭素質材料を用いる場合、該炭素質材料としては下記の特性を持つものが好ましい。すなわち、その(002)面の面間隔(d002 )は0.35nm以下が好ましく、より好ましくは0.345nm以下、さらに好ましくは0.34nm以下である。また、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)は3.0nm以上が好ましく、より好ましくは8.0nm以上、さらに好ましくは25.0nm以上である。そして、平均粒径は8〜40μm、特に10〜35μmが好ましく、純度は99.5重量%以上が好ましい。
【0029】
本発明において、負極は、例えば、上記負極活物質に必要に応じて前記正極の場合と同様の導電助剤やバインダーなどを加えて混合し、得られた負極合剤を溶剤などに分散させて負極合剤含有ペーストとし(この場合、バインダーなどはあらかじめ溶剤に溶解させておいてから負極活物質などと混合してもよい)、その負極合剤含有ペーストを基体としての作用を兼ねる負極集電材に塗布し、乾燥して負極集電材の少なくとも一部に負極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経ることによって作製される。ただし、負極の作製方法は、上記例示の方法によることなく、他の方法によってもよい。そして、負極活物質として炭素質材料を用いる場合は、その負極合剤層の密度を1.5g/cm3 以上にするのが高容量のためには好ましく、より好ましくは1.55g/cm3 以上であり、さらに好ましくは1.6g/cm3 以上である。
【0030】
通常、負極合剤層を高密度にすると高容量化しやすくなるが、均一に反応し難くなり安全性が低下する傾向がある。しかし、本発明では、そのように高密度化した場合でも、炭化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物の使用により、電解液の濡れ性が確保でき、負極の反応が均一化して良好な安全性が得られる。
【0031】
上記負極の作製にあたり、負極の集電材としては銅箔が好適に用いられるが、特に表面を粗面化した電解銅箔が好適に用いられる。
【0033】
電解液は、例えば、有機溶媒などの非水溶媒にリチウム塩などの電解質塩を溶解させることによって調製される。この溶媒は前記における「電解質構成溶媒」に相当するものであるが、この溶媒としてはエステルが好適に用いられる。特に鎖状エステルは、電解液の粘度を下げ、イオン伝導度を高めることから好適に用いられる。このような鎖状エステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状のカーボネート類、プロピオン酸メチルなどの鎖状アルキルエステル類などが挙げられ、それらの中でも特に鎖状のカーボネート類が好ましい。
【0034】
また、上記鎖状エステルなどに下記の誘電率が高いエステル(誘電率30以上のエステル)を混合して用いると負荷特性などが向上するので好ましい。このような誘電率が高いエステルとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイト(EGS)などのイオウ系エステルなどが挙げられるが、それらの中でも、特に環状構造のものが好ましく、とりわけ環状のカーボネートが好ましく、エチレンカーボネートが最も好ましい。
【0035】
上記エステル以外に併用可能な溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。そのほか、アミン系またはイミド系有機溶媒や、含イオウ系または含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。そして、これらの溶媒はそれぞれ単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0036】
電解液の調製にあたって使用するリチウム塩などの電解質塩としては、例えば、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2 2 4 (SO3 2 、LiN(RfSO2 )(RfSO2 )、LiN(RfOSO2 )、LiC(RfSO2 3 、LiCn 2n+1SO3 (n≧2)、LiN(RfOSO2 2 〔ここでRf、Rf′はフルオロアルキル基〕、ポリマーイミドリチウム塩などが単独でまたは2種以上混合して用いられる。これらの電解質塩が電極表面の被膜中に取り込まれると、被膜にイオン伝導性が付与され、特にLiPF6 はイオン伝導性の付与作用が大きいので好ましい。電解液中における電解質塩の濃度は特に限定されるものではないが、0.3mol/l以上が好ましく、0.4mol/l以上がより好ましく、1.7mol/l以下が好ましく、1.5mol/l以下がより好ましい。
【0039】
前記のように、高容量化および高電圧化に伴い電池の充電電力量が大きくなると、過充電時の安全性が低下し、特に電極積層体の単位体積当たり0.59Wh/cm2 以上の充電電力量で利用する電池においては、過充電時の安全性の確保が問題になるが、本発明はそのような高充電電力量で利用する電池の過充電時においても高い安全性を確保することができるので、本発明は、電極積層体の単位体積当たり0.59Wh/cm2 以上の充電電力量で利用される電池に適用すると、その効果が顕著に発現し、さらに電極積層体の単位体積当たり0.64Wh/cm2 以上の充電電力量で利用する電池に適用すると、その効果がより顕著に発現し、電極積層体の単位体積当たり0.67Wh/cm2 以上の充電電力量で利用する電池に適用すると、その効果が最も顕著に発現する。ただし、本発明は、電極積層体の単位体積当たりが0.59Wh/cm2 未満の充電電力量で利用する電池にも、もちろん、適用することができ、その場合においても、過充電時の安全性を高め得る。
【0040】
また、本発明によれば、前記のように、過充電時のガス発生を抑制することができるので、本発明を、電流遮断弁などのような電池内部のガス発生を抑制する機構や防爆用ベントなどのような電池内部に発生したガスを外部に排出する機構を有さず、しかも変形しやすい角形電池やラミネート電池に適用すると、その効果が顕著に発現する。
【0041】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0042】
実施例1
エチレンカーボネートと、メチルエチルカーボネートと、オレイン酸エチル〔CH3 (CH2 7 CH=CH(CH2 7 COOC2 5 〕とを体積比33:66.9:0.1の割合で混合し、この混合溶媒にLiPF6 を1.2mol/l溶解させて、組成が1.2mol/l LiPF6 /EC:MEC:OLET(33:66.9:0.1体積比)で示される電解液を調製した。この電解液における、ECはエチレンカーボネートの略称で、MECはメチルエチルカーボネートの略称であり、OLETはオレイン酸エチルの略称である。
【0043】
また、LiCo0.97Al0.025 Ge0.005 2 に、導電助剤としてカーボンと、リチウム塩として(C2 5 SO2 2 NLiを、重量比94:3:0.1の割合で加えて混合し、得られた混合物と、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液と混合(ポリフッ化ビニリデンの混合割合は重量比で2.9となる割合)して正極合剤含有ペーストを調製した。得られた正極合剤含有ペーストを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ15μmのアルミニウムを主成分とする金属箔からなる正極集電材の両面に塗布量が26.7mg/cm2 (乾燥後の正極合剤重量)となるようにリード体の取付部を除き均一に塗布して乾燥し、その後、ローラープラス機により加圧成形した後、切断し、リード体を溶接して取り付け、帯状の正極を作製した。上記正極における正極合剤層の密度は3.4g/cm3 であり、また、上記正極の作製にあたって用いた正極集電材は、主成分がアルミニウムで、鉄を1重量%、シリコンを0.15重量%含有していて、純度は98重量%以上であり、その引張強度は185N/mm2 で、濡れ性は38dyne/cm、破断伸びは3%であった。
【0044】
つぎに、黒鉛系炭素材料〔ただし、(002)面の面間距離(d002 )が0.335nm、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が98nm、平均粒径が20μmという特性を持つ炭素材料〕と(C2 5 SO2 2 NLiとポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液と混合して負極合剤含有ペーストを調製した。この時の黒鉛系炭素材料と(C2 5 SO2 2 NLiとポリフッ化ビニリデンとの割合は重量比で94.9:0.1:5であった。上記のようにして得られた負極合剤含有ペーストを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ10μmの帯状の銅箔からなる負極集電材の両面に塗布量が13.0mg/cm2 (乾燥後の負極合剤重量)でかつ表面側の長さ276mm、裏面側の長さ215mmになるようにリード体の取付部を除き均一に塗布して乾燥し、その後、ローラープラス機により加圧成形し、切断した後、リード体を溶接して取り付け、帯状の負極を作製した。なお、この負極における負極合剤層の密度は1.6g/cm3 であった。
【0045】
セパレータとしては、厚さ20μm、透気度60秒、平均孔径0.3μm、長さ方向の引張強度50N/cm2 、105℃、8時間での幅方向の熱収縮率が5%の微孔性ポリエチレンフィルムを用い、前記帯状正極をこの微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して上記帯状負極に重ね、渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の巻回構造の電極体とした。それをテープ止めした後、外寸が厚み(奥行き)5mm、幅29.5mm、高さ48mmの角形電池ケースに挿入し、リード体、封口用蓋板の溶接を行い、ついで前記電解液を電池ケース内に注入し、電解液がセパレータなどに充分に浸透した後、封止し、予備充電、エイジングを行い、図1に示すような構造で図2に示すような外観を有する角形の非水二次電池を作製した。ここで電池の容量当たりの電解液量は2.7ml/Ahであった。
【0046】
ここで図1〜2に示す電池について説明すると、正極1と負極2は前記のようにセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の電極体6として、角形の電池ケース4に上記電解液とともに収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や電解液などは図示していない。
【0047】
電池ケース4はアルミニウム合金製で電池の外装ケースとなるものであり、この電池ケース4は正極端子を兼ねている。そして、電池ケース4の底部にはポリテトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体5が配置され、前記正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状巻回構造の電極体6からは正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、電池ケース5の開口部を封口するアルミニウム合金製の蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
【0048】
そして、この蓋板9は上記電池ケース4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、電池ケース4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。
【0049】
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって電池ケース4と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、電池ケース4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
【0050】
図2は上記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は上記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図2では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
【0051】
この実施例1の電池を0.16A(0.2C)の電流値で電池電圧が4.4Vに達するまで定電流充電し、さらに4.4Vの定電圧充電を行って充電開始から7時間経過した時点で充電を終了した。次いで0.16A(0.2C)で3Vまで放電した、充電時の正極電位はリチウム基準でおよそ4.5Vであった。
【0052】
実施例2
CH3 (CH2 7 CH=CH(CH2 7 COOC2 5 に代えてC1123COOC2 5 を用いた以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
【0053】
この実施例2の電池を0.16A(0.2C)の電流値で電池電圧が4.4Vに達するまで定電流充電し、さらに4.4Vの定電圧充電を行って充電開始から7時間経過した時点で充電を終了した。次いで0.16A(0.2C)で3Vまで放電した、また、この実施例2の電池の充電時の正極電位はリチウム基準でおよそ4.5Vであった。
【0054】
比較例1
CH3 (CH2 7 CH=CH(CH2 7 COOC2 5 を添加せず、そのぶんエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを増量して、両者の体積比が33:67にし、かつセパレータとして厚さ20μm、透気度700秒、平均孔径0.05μm、長さ方向の引張強度200N/cm2 、105℃、8時間での幅方向の熱収縮率が7%の微孔性ポリエチレンフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
【0055】
この比較例1の電池を0.16A(0.2C)の電流値で電池電圧が4.4Vに達するまで定電流充電し、さらに4.4Vの定電圧充電を行って充電開始から7時間経過した時点で充電を終了した。また、この比較例1の電池の充電時の正極電位はリチウム基準でおよそ4.5Vであった。
【0056】
比較例2
CH3 (CH2 7 CH=CH(CH2 7 COOC2 5 を添加せず、そのぶんエチレンカーボネートを増量した以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
【0057】
この比較例2の電池を0.16A(0.2C)の電流値で電池電圧が4.4Vに達するまで定電流充電し、さらに4.4Vの定電圧充電を行って充電開始から7時間経過した時点で充電を終了した。また、この比較例1の電池の充電時の正極電位はリチウム基準でおよそ4.5Vであった。
【0058】
比較例3
セパレータとして比較例1で用いたものと同様の微孔性ポリエチレンフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
【0059】
この比較例3の電池を0.16A(0.2C)の電流値で電池電圧が4.4Vに達するまで定電流充電し、さらに4.4Vの定電圧充電を行って充電開始から7時間経過した時点で充電を終了した。次いで0.2Aで3Vまで放電した。この比較例3の電池の充電時の正極電位はリチウム基準でおよそ4.5Vであった。
【0060】
実施例1〜2および比較例1〜3の電池を4.4V満充電後、0.5Aで6Vまで過充電し、到達する最高温度(最高到達温度)を測定し、実施例1〜2および比較例2〜3の電池の過充電時の最高到達温度と比較例1の電池の過充電時の最高到達温度と比較し、表1にはそれを過充電時の最高到達温度差(比較例1の電池との差)として示す。なお、この過充電時の最高到達温度に関して、表1中に数値が−(マイナス)で表示されているものは、過充電時の最高到達温度が比較例1の電池の過充電時の最高到達温度より低いことを示している。また、表1には各電池の電極積層体の単位体積当たりの充電電力量を示すが、この電極積層体の単位体積当たりの充電電力量は、電極積層体の体積(V)(正極、負極およびセパレータのかさ体積の合計)と、3Vまで0.2Cで放電した後、0.2Cで4.4Vの定電流定電圧充電で満充電まで充電を行った(この場合、充電を8時間行った)ときの電力量(W)とから、W/Vで求めたものである。
【0061】
【表1】
Figure 0004711319
【0062】
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜2の電池は、比較例1〜3の電池に比べて、過充電時の最高到達温度が低く、電極積層体の単位体積当たりの充電電力量が0.67Wh/cm3 以上という高充電電力量で、しかも角形の電池ケースを用いた場合においても、温度が上昇しにくく、過充電時の安全性が高いことを示していた。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、高容量で、かつ過充電時の安全性が高い非水二次電池が提供できることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電池の組立後の状態を模式的に示す図で、(a)はその平面図、(b)はその部分縦断面図である。
【図2】実施例1の電池の組立後の状態を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池ケース
5 絶縁体
6 扁平状巻回構造の電極体
7 正極リード体
8 負極リード体
9 蓋板
11 端子
12 絶縁体
13 リード板

Claims (10)

  1. リチウム複合酸化物を正極活物質とする正極、負極、非水系の電解およびセパレータを有し、電解液中に化水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物を含み、かつ前記セパレータみが20μm以下で透気度が200秒以下で平均孔径が0.1μm以上であることを特徴とする非水二次電池。
  2. セパレータが微孔性フィルムからなる請求項1記載の非水二次電池。
  3. セパレータが微孔性樹脂フィルムからなる請求項1記載の非水二次電池。
  4. 炭素水素が8以上連なった炭化水素鎖を有する化合物がエステルまたはエーテルである請求項1〜3のいずれかに記載の非水二次電池。
  5. 電極中に有機リチウム塩を含有し、前記有機リチウム塩の濃度が電解中より請求項1〜4のいずれかに記載の非水二次電池。
  6. 負極が負極集電材の少なくとも一部に負極合剤層を形成してなり、該負極合剤層の密度が1.5g/cm以上である請求項1〜のいずれかに記載の非水二次電池。
  7. 正極が正極集電材の少なくとも一部に正極合剤層を形成してなり、該正極合剤層の密度が3.3g/cm以上である請求項1〜のいずれかに記載の非水二次電池。
  8. 正極、負極およびセパレータからなる電極積層体の単位体積当たり0.59Wh/cm以上の充電電力量で利用する請求項1〜のいずれかに記載の非水二次電池。
  9. 電池形状が角形である請求項1〜のいずれかに記載の非水二次電池。
  10. 正極、負極、電解質およびセパレータを含む電池要素をラミネートフィルムで外装した請求項1〜のいずれかに記載の非水二次電池。
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