JP4792685B2 - 広宿主範囲を持つ昆虫病原性糸状菌 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は昆虫病原性を有するペーシロマイセス(Paecilomyces)属に属する糸状菌の新菌株、この菌株の菌体を用いた殺虫剤及び殺虫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
殺虫剤の分野においては、化学殺虫剤の他に、微生物を起源とする殺虫剤が使用されている。そして、近年、昆虫病原性を有する微生物の研究が進められ、いくつかの昆虫病原性糸状菌が発見されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これまでに見出されている昆虫病原性糸状菌は必ずしも広い殺虫スペクトラムを有するとは言いがたく、また、殺虫効力も充分なものとは言えなかった。
本発明は、幅広い害虫に対して高い効力を有する微生物由来の殺虫剤を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決するため、種々の検討を行った結果、糸状菌であるペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株(受託番号:FREM P−18487)が昆虫病原性を有し、幅広い害虫に対して高い殺虫活性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、ペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株(以下、本発明菌株と記す)、ペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株の菌体を有効成分として含有する殺虫剤(以下、本発明殺虫剤と記す。)及びペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株の菌体を害虫、害虫の生息場所又は害虫から保護すべき植物に処理することを特徴とする殺虫方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず、本発明菌株の菌学的性質について説明する。
【0007】
(1)生育速度(25℃、7日間)
集落の直径:25〜30mm(2%マルトエキス寒天平板培地)、25〜30mm(オートミール寒天平板培地)
(2)集落表面の色調
白色(2%マルトエキス寒天平板培地)、白色(オートミール寒天平板培地)
(3)集落裏面の色調
白色(2%マルトエキス寒天平板培地)、白色〜明るい黄色(オートミール寒天平板培地)
(4)集落表面の組織
羊毛状〜綿毛状
(5)分生子柄
滑面、分岐して不規則な輪生となる。
(6)分生胞子
滑面、楕円形〜円筒形、連鎖する、約4μm×約2μm
(7)厚膜胞子
形成せず(25℃、9日間)
(8)核の5.8SリボソームRNAをコードするDNAの塩基配列及び核の28SリボゾームRNAをコードするDNAの塩基配列
核の5.8SリボゾームRNAをコードするDNAの塩基配列を配列番号1に、核の28SリボゾームRNAをコードするDNAの塩基配列を配列番号2に示す。
【0008】
上記の菌学的性質から、「昆虫病原菌の検索」青木襄児著1989年(全国農村協会)に基づく検索の結果、並びに、核の5.8SリボソームRNAをコードするDNAの塩基配列及び核の28SリボゾームRNAをコードするDNAの塩基配列の相同性検索(使用したデータベース:GENEBANK、使用したプログラム:BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)(National Center for Biotechnology Information))の結果から、本発明菌株は、ペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)種と同定された。
【0009】
本発明者らは、本発明菌株をペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株と命名し、平成13年8月29日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター長に寄託した(受託番号:FERM P−18487)。
【0010】
次に、本発明殺虫剤について説明する。
【0011】
本発明殺虫剤は、本発明菌株の菌体を有効成分として含有することを特徴とする。本発明殺虫剤には、本発明菌株の生菌体が用いられ、本発明菌株の生菌体としては、例えば分生胞子、短菌糸(blastospore)及び菌糸があげられる。本発明殺虫剤には、分生胞子、短菌糸(blastospore)、菌糸等を単独または混合して用いることができる。
【0012】
本発明殺虫剤に用いられる本発明菌株の菌体は、ペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株を液体培地または固体培地を用いて培養することにより多量に調製することができる。
【0013】
本発明菌株の培養に用いられる培地(液体培地、固体培地)は本発明菌株が増殖するものであれば特に限定されるものではなく、微生物培養に通常使用される炭素源、窒素源、有機塩及び無機塩等を適宜含む培地が用いられる。
【0014】
液体培地は、通常水に炭素源、窒素源、有機塩及び無機塩等を適宜混合することにより調製できる。
液体培地に含まれる炭素源としては、例えばグルコース、デキストリン、シュークロース等の糖類、グリセロール等の糖アルコール類、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸等の有機酸、動植物油及び糖蜜が挙げられる。培地に含まれる炭素源の量は、通常0.1〜20%(w/v)である。
【0015】
液体培地に含まれる窒素源としては、例えば肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーン・スティープ・リカー(Corn Steep Liquor)、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸等の天然有機窒素源、硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩や硝酸塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩、尿素及びアミノ酸類が挙げられる。培地に含まれる窒素源の量は、通常0.1〜30%(w/v)である。
【0016】
液体培地に含まれる有機塩や無機塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩が挙げられ、具体的には例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸一水素カリウム及びリン酸ニ水素カリウムが挙げられる。培地に含まれる無機塩や有機塩の量は通常0.0001〜5%(w/v)である。
【0017】
固体培地としては例えば、米類、麦類等の主穀類、トウモロコシ、栗、稗、コーリャン、蕎麦等の雑穀類の一種又は二種以上を混合したもの;オガ粉、バガス、籾殻、莢、藁、コ−ンコブ、綿実粕等を主原料とし、これに必要に応じて、米糠、トウモロコシヌカ(コーンブラン)、コーンステープリカー、酵母粉末、フスマ、アミノ酸類、大豆ミール、小麦粉、オカラ、グルコース、マルトエキス、ミネラル(リン酸一カリウム、炭酸石灰、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等)、ビタミン(チアミン等)等を配合したもの;及び粘土鉱物等の多孔質、寒天、ゼラチン等の天然高分子等の基材に前記液体培地に使用されるる炭素源、窒素源、有機塩及び無機塩等を含むものが挙げられる。
【0018】
本発明菌株の培養に用いられる培地の具体的例としては、液体培地として、2%マルトエキス液体培地、オートミール液体培地、ポテトデキストロース液体培地、サブロー液体培地及びL−broth液体培地が挙げられ、固体培地として、2%マルトエキス寒天培地、オートミール寒天培地、ポテトデキストロース寒天培地、サブロー寒天培地及びL−broth寒天培地が挙げられる。
【0019】
本発明菌株の培養は、微生物の培養に通常使用される方法に準じて行うことができる。
即ち、液体培地を用いて培養する方法としては、例えば試験管振盪式培養、往復式振盪培養、ジャーファーメンター培養及びタンク培養が挙げられ、固体培地を用いて培養する方法としては、例えば静置培養が挙げられる。
培養温度は、微生物が生育可能な範囲で適宜変更することができるが、通常15〜35℃の範囲であり、培地のpHは通常約5〜約7の範囲である。培養時間は培養条件により異なるが、通常約1日間〜約2ヶ月間の範囲である。
【0020】
本発明菌株の菌体は、本発明菌株を培養した培養液を遠心分離する、本発明菌株を培養した固体培地上に蒸留水等を加えて表面から菌体をかきとる等の方法で得ることができる。
【0021】
本発明殺虫剤は本発明菌株の菌体をそのまま用いることもできるが通常は、さらに固体担体、液体担体等、必要により界面活性剤や保水剤等の製剤用補助剤を含有し、粉剤、粒剤、水和剤等の固形製剤、乳剤、フロアブル剤、油剤等の液体製剤に製剤化されたものである。
これらの製剤には、製剤1gあたり本発明菌株の菌体を通常103〜1015CFU(CFU:コロニー形成単位)含有する。
【0022】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、粘土類(セライト、カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、タルク類、セラミック、その他の無機鉱物、ピートモス、パルプ、寒天、ふすま等の有機物が挙げられる。
液体担体としては、例えば、水、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、灯油、軽油等)、農園芸油(マシン油等)、植物油(大豆油、綿実油等)が挙げられる。
【0023】
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、及び糖アルコール誘導体があげられる。
【0024】
保水剤としては、例えば粘性多糖類(カラギーナン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム等)、粘性合成水溶性ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン等)、粘性動物系高分子(コンドロイチン硫酸ナトリウム、カゼイン、ゼラチン等)、多価アルコール類(グリセリン、エチレングリコール等)が挙げられる。
【0025】
本発明殺虫剤が効力を有する害虫としては例えば、以下の害虫が挙げられる。鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)などのメイガ類、ヨトウガ(Mamestra brasicae)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)などのヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)などのシロチョウ類、コナガ(Plutella xylostella)などのスガ類、ドクガ(Euproctis taiwana)、マイマイガ(Lymantria dispar)、モンシロドクガ(Euproctis similis)などのドクガ類、ヒメクロイラガ(Scopelodes contracus)などのイラガ類、マツカレハ(Dendrolimus spectabilis)などのカレハガ類
半翅目害虫:ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis pserudobrassicae)等のアブラムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolli)等のコナジラミ類等
双翅目害虫:イエバエ(Musca domestica)などのイエバエ類、アカイエカ(Culex pipiens pallens)などのイエカ類等
アザミウマ目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)等
シロアリ目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)等。
【0026】
本発明の殺虫方法は、通常、本発明殺虫剤を、害虫、害虫の生息場所、害虫から保護すべき植物等に施用することにより行われる。
本発明殺虫剤を害虫等に施用する際、その施用量は通常1000m2あたり105〜1019CFU、好ましくは107〜1017CFUである。乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常、本発明菌体の濃度が103〜1012CFU/mlとなるように水で希釈して施用し、粒剤等は通常、そのまま施用する。
【0027】
これらの製剤や製剤の水希釈液は例えば害虫から保護すべき作物等の植物に対して茎葉処理することにより使用することができ、作物の苗を植える前の苗床や植付後の株元に処理することにより使用することもできる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を試験例等により、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0029】
製造例
ポテトデキストロース寒天培地(直径約90mm×厚さ約10mm)に予めポテトデキストロース寒天培地で培養したペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株を接種し、25℃で蛍光灯の光を14時間/日照射しながら14日間静置培養した。寒天培地上に形成した菌体(分生胞子を多く含む)を展着剤(特製リノー:日本農薬株式会社製)0.03%を含む水(以下、0.03%展着液と記す。)10mlを用いてかきとることによって集め、さらに0.03%展着液で希釈して所定菌体濃度の試験液を調製した。
【0030】
参考製造例
ペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)ATCC−44818株、イザリア・ジャポニカ(Isaria japonica)IFO−30367株及びイザリア・ジャポニカ(Isaria japonica)IFO−31161株を用いて、上記製造例と同様にして、それぞれの菌株の所定菌体濃度の試験液を調製した。
なお、イザリア・ジャポニカ種はペーシロマイセス・テヌイペス種に含まれるとされている種である。(例えば、社団法人日本植物防疫協会発行、植物防疫特別増刊号No.2「天敵微生物の研究手法」p74)
【0031】
試験例1
直径約6cm、高さ約3cmのプラスチックカップに直径5cmの濾紙を入れ、ここに、製造例1に記載した方法で調製したペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株の所定菌体濃度の試験液0.6mlを加えた。さらにショ糖0.5g及びイエバエ成虫10頭を入れて蓋をして密閉した。4日間放置した後、供試虫の生死を観察して、死虫率を求めた(3反復)。
また、比較対照として参考製造例に記載の方法で調製した試験液を用いて同様に試験した。
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
試験例2
プラスチックカップにキャベツを植え、3週間生育させた。このキャベツに製造例1に記載した方法で調製したペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株の所定菌体濃度の試験液を散布処理した(10ml/ポット)。これを風乾した後、コナガ3齢幼虫を1ポットあたり10頭放した。5日間放置した後、供試虫の生死を観察して死虫率を求めた(3反復)。
また、比較対照として参考製造例に記載の方法で調製した試験液を用いて同様に試験した。
結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
試験例3
製造例1に記載した方法で調製したペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株の所定菌体濃度の試験液にオオタバコガ3齢幼虫を10秒間浸漬処理した。直径6cm×高さ3cmのプラスチックカップに直径5cmの濾紙を入れ、ここに上記供試虫を1頭とキャベツの葉とを入れ、蓋をして密閉した。7日間放置後、供試虫の生死を観察して死虫率を求めた(10反復)。
また、比較対照として参考製造例に記載の方法で調製した試験液を用いて同様に試験した。
結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
試験例4
プラスチックポットにキュウリを植え、2週間生育させた後、ワタアブラムシ雌成虫を1ポットあたり5頭放した。このキュウリに製造例1に記載した方法で調製したペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株の所定菌体濃度の試験液を1ポットあたり10ml散布処理した。8日間放置後、供試虫の生死を観察して下式により補正密度指数を求めた。
また、比較対照として参考製造例に記載の方法で調製した試験液を用いて同様に試験した。
補正密度指数={(A×b)/(B×a)}×100
A:処理直前の無処理区の生存虫数
a:処理8日後の無処理区の生存虫数
B:処理直前の薬剤処理区の生存虫数
b:処理8日後の薬剤処理区の生存虫数
結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
試験例5
製造例1に記載した方法で調製したペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株の所定菌体濃度の試験液1.5mlにイエシロアリ(職蟻)10頭を10秒間浸漬した。このイエシロアリを試験液ごと直径82mmの濾紙を置いた丸型シャーレ(直径90mm、高さ15mm)の中に流し込んだ。これを7日間放置し、供試虫の生死を調査して、死虫率を求めた(3反復)。
また、比較対照として参考製造例に記載の方法で調製した試験液を用いて同様に試験した。
結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】
本発明菌株であるペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株は広い殺虫スペクトルと高い殺虫効力を有することから、広い殺虫スペクトルと高い殺虫効力を有する本発明菌株の菌体を有効成分として含有する微生物殺虫剤が提供される。
【0042】
【配列表】
Claims (3)
- ペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株(受託番号:FERM P−18487)
- ペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株(受託番号:FERM P−18487)の菌体を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤。
- ペーシロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)T1株(受託番号:FERM P−18487)の菌体を害虫、害虫の生息場所又は害虫から保護すべき植物に処理することを特徴とする殺虫方法。
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